JP6575136B2 - 固体電池及びそれを用いた組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電池及びそれを用いた組電池に関する。
近年、携帯電話やスマートフォンに代表される情報端末やゲーム機等の民生用電子機器の電源、蓄電装置としてリチウムイオン二次電池は広く利用されている。一般的な非水系リチウムイオン二次電池には電解質として有機溶媒が用いられている。そのため予期せぬ衝撃により液漏れする恐れがあり、より信頼性の高いリチウムイオン二次電池が望まれている。
より安全なリチウムイオン電池として、電解質として有機溶媒の代わりに無機材料の固体電解質を用いた固体電池の研究開発が盛んにおこなわれている。たとえば特許文献1に記載されているように有機溶媒を無機材料の固体電解質に置き換えることで液漏れの恐れはなくなり、高信頼性のリチウムイオン二次電池を得ることができる。また、特許文献1に開示されている固体電池は、その大きさが1cm角以下の小型サイズで作製できるため、モバイル機器等の小型電子機器に好適に利用可能である。
特開2013−239435号公報
しかしながら、小型サイズの固体電池は小型電子機器の電池収納部に直列で収納する際にごみ等を巻き込んで搭載してしまうと、端子間距離が短いため電流のリークが発生する恐れがある(図5、図6)。このようなことから電池収納部に収納する際に電流のリークを防止できる小型の固体電池が切望されている。
本発明はこのような事情を鑑み、電池収納部に収納した際の電流リークを防止できる小型の固体電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる固体電池は、第一の電極層と第二の電極層の間に固体電解質層を有する蓄電要素を一つ以上有する蓄電素体を備え、積層体の表面には保護層を有する固体電池において、前記固体電池の少なくとも一対の対向する面は、前記固体電池の端部の厚みに対する固体電池の中央部の厚みの比が0.65以上かつ0.95以下となることを特徴とする。
上記本発明にかかる固体電池を用いることにより、電池収納部に固体電池を収納した時に、固体電池の側面と電池収納部の間にごみを巻き込んだ場合であっても、端子間が導通するパスを作ることを防止できるため、電流リークを防止できる。
本発明にかかる固体電池は、さらに、保護層の表面は、その一部が固体電池の端部の厚みにくらべ厚みが薄くなる方向に湾曲していることが好ましい。
かかる固体電池によれば、電池収納部に固体電池を収納したときに、固体電池の側面と電池収納部の間にごみを巻き込んだ場合であっても、端子間に導通するパスを作ることを防止できるため、電流リークを防止できる。
本発明にかかる固体電池は、保護層の表面のうち中央部が固体電池の厚みが薄くなる方向に湾曲していることが好ましい。
かかる固体電池によれば、例えば基板や外装、隣接した固体電池や電子部品と接する面積が小さくできるためより確実に電流リークを防止できる。
本発明にかかる組電池は、本発明にかかる固体電池を直列に複数並べて接続し、それをケースに収納するものである。
熱の流れに方向性ができるので組電池にしたときの熱の分布ができにくく、また、電池の充放電による膨れにも対応できる。
本発明によれば、電池収納時の電流リークを防止できる小型の固体電池を提供することができる。
固体電池の模式断面図である。 固体電池の模式断面図である。 固体電池内部の蓄電要素の模式図である。 本発明にかかる固体電池を用いた組電池の模式図である。 従来の固体電池を電池収納部に収納する際にごみの巻き込んだ場合の模式図である。 従来の固体電池を電池収納部に収納する際にごみの巻き込んだ場合の不具合を示した模式図である。 本発明にかかる固体電池を電池収納部に収納する際にごみを巻き込んだ場合の模式図である。 本発明にかかる固体電池を電池収納部に収納する際にごみを巻き込んで固体電池を電池収納部に収納した場合の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
(固体電池)
図1および図2は、本実施形態の一例にかかる固体電池20の概念的構造を示す断面図である。また、図3は固体電池20の内部構造を模式的に表した図である。図1及び図2に示す固体電池20は、いずれも第一の電極として正極層1を、第二の電極層として負極層2を備えている。正極層1と負極層2との間に固体電解質層3を有し、正極層1は正極集電体層4と正極活物質層5からなり、負極層2は負極集電体層6と負極活物質層7からなる。また、固体電解質層3は固体電解質10からなり、正極集電体層は正極集電体11からなり、正極活物質層は正極活物質12からなり、負極集電体層6は負極集電体13からなり、負極活物質層7は負極活物質14からなる。正極層1と負極層2と固体電解質層3からなる蓄電素体は保護層15で覆われている。正極集電体層4と負極集電体層6にはそれぞれ端子電極16が電気的に接続されている。
尚、図1および図2では、5個の電池セルが積層された並列型の固体電池20の断面図が示されている。しかし、本実施形態の固体電池20に関する技術は、図1に示す5個の電池セルが積層された並列型の場合に限らず、任意の複数層が積層した固体電池や直列型の固体電池に適用でき、要求される固体電池20の容量や電流仕様に応じて幅広く変化させることが可能である。また、正極層1と負極層2の間に固体電解質層3を有する構造を持ては、積層型に限らず、捲回型の固体電池にも適応できる。
(固体電解質)
本実施形態の固体電池20の固体電解質層3は固体電解質10を含有している。固体電解質層3には固体電解質10以外に焼結助剤などを含んでもよい。図1に示す固体電池20の固体電解質層3は、図にて明らかなように、最上層及び最下層の膜厚を固体電池20の中央部の厚みが薄くなるように形成している。もちろん、このように固体電解質層3にて固体電池の厚みを制御する場合、最上層のみであっても、最下層のみであっても、どの層に厚みが薄くなる層を設けても良いが、少なくとも最上層に形成するのが好ましい。
また固体電解質10は、電子の伝導性が小さく、リチウムイオンの伝導性が高い材料を用いるのが好ましい。例えば、Li3+x1Six11−x1(0.4≦x1≦0.6)、Li1+x2Alx2Ti2−x2(PO(0≦x2≦0.6)、リン酸ゲルマニウムリチウム(LiGe(PO)、LiO−V−SiO、LiO−P−B、LiPOよりなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
(正極活物質及び負極活物質)
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の正極活物質層5及び負極活物質層7を構成する正極活物質12及び負極活物質14としては、リチウムイオンを効率よく挿入、脱離できる材料を用いるのが好ましい。例えば、遷移金属酸化物、遷移金属複合酸化物を用いるのが好ましい。具体的には、リチウムマンガン複合酸化物LiMnx3Ma1−x3(0.8≦x3≦1、Ma=Co、Ni)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNix4Coy4Mnz4(x4+y4+z4=1、0≦x4≦1、0≦y4≦1、0≦z4≦1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMbPO(ただし、Mbは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO又はLiVOPO)、Li過剰系固溶体正極LiMnO−LiMcO(Mc=Mn、Co、Ni)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNix5Coy5Alz5(0.9<a<1.3、0.9<x5+y5+z5<1.1)で表される複合金属酸化物のいずれかであることが好ましい。
特に、固体電解質層3にLi1+x2Alx2Ti2−x2(PO(0≦x2≦0.6)、正極活物質層5及び負極活物質層7の一方又は両方にLiVOPO及びLi(POのうち一方又は両方を用いると、正極活物質層5及び負極活物質層7の一方又は両方と固体電解質3の界面における接合が強固なものになると同時に、接触面積を広くできるため望ましい。
また、正極活物質層5又は負極活物質層7を構成する活物質には明確な区別がなく、2種類の化合物の電位を比較して、より貴な電位を示す化合物を正極活物質12として用い、より卑な電位を示す化合物を負極活物質14として用いることができる。
(正極集電体及び負極集電体)
本実施形態の固体電池20の正極集電体層4及び負極集電体層6を構成する正極集電体11及び負極集電体13としては、導電率が大きい材料を用いるのが好ましく、例えば、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケルなどを用いるのが好ましい。特に、銅は正極活物質12、負極活物質14及び固体電解質10と反応し難く、さらに固体電池20の内部抵抗の低減に効果があるため好ましい。また、正極集電体層4及び負極集電体層6を構成する正極集電体11及び負極集電体13は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、正極集電体層4及び負極集電体層6は、それぞれ正極活物質12及び負極活物質14を含むことが好ましい。その場合の含有比は、集電体として機能する限り特に限定はされないが、正極集電体11/正極活物質12、又は負極集電体13/負極活物質14が体積比率で90/10から70/30の範囲であることが好ましい。
正極集電体層4及び負極集電体層6がそれぞれ正極活物質12及び負極活物質14を含むことにより、正極集電体層4と正極活物質層5及び負極集電体層6と負極活物質層7との密着性が向上するため望ましい。
(保護層)
本実施形態の固体電池20の保護層15は固体電池の最外層に形成されるもので、電気的、物理的、化学的に保護するためのものである。図2に示す固体電池20の保護層15は、図にて明らかなように、最上層及び最下層の膜厚を固体電池20の厚みが薄くなるように形成している。もちろん、保護層15にて固体電池の厚みを制御する場合、最上層のみであっても、最下層のみであっても、どの層に厚みが薄くなる層を設けても良いが、少なくとも最上層に設けるのが好ましい。保護層15を構成する材料としては絶縁性、耐久性、耐湿性に優れ、環境的に安全であることが好ましい。たとえば、ガラスやセラミックス、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いるのが好ましい。保護層の材料は1種類だけでもよいし、複数を併用してもよい。また、保護層は単層でもよいが、複数層からなる方が好ましい。
(端子電極)
本実施形態の固体電池20の端子電極16は、導電率が大きい材料を用いるのが好ましく、例えば銀、金、プラチナ、アルミニウム、銅、スズ、ニッケルを用いるのが望ましい。端子電極16の材料は1つでもよいし、複数の材料を併用して用いてもよい。また、単層でも複数層からなっていてもよい。
(固体電池の製造方法)
本実施形態の固体電池20は、正極集電体層4、正極活物質層5、固体電解質層3、負極活物質層7、及び、負極集電体層6の各材料をペースト化し、塗布乾燥してグリーンシートを作製し、かかるグリーンシートを積層して作製した積層体を作製する。作製した積層体を焼成して蓄電素体を作製し、かかる蓄電素体に保護層16を付与することにより製造する。
ペースト化の方法は、特に限定されないが、例えば、ビヒクルに上記各材料の粉末を混合してペーストを得ることができる。ここで、ビヒクルとは、液相における媒質の総称である。ビヒクルには、溶媒、バインダーが含まれる。かかる方法により、正極集電体層4用のペースト、正極活物質層5用のペースト、固体電解質層3用のペースト、負極活物質層7用のペースト、及び、負極集電体層6用のペーストを作製する。
ペーストの組成は特に限定しない。正極活物質層14用のペーストおよび負極活物質層16用のペーストには活物質のほかに固体電解質や焼結助剤、導電性材料が含まれていても良いし、正極集電体層15及び負極集電体17用のペーストに活物質や固体電解質、焼結助剤が含まれていても良い。
作製したペーストをPET(ポリエチレンテレフタラート)などの基材上に所望の順序で塗布し、必要に応じ乾燥させた後、基材を剥離し、グリーンシートを作製する。ペーストの塗布方法は、特に限定されず、スクリーン印刷、塗布、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。
作製した正極集電体層4用、正極活物質層5用、固体電解質層3用、負極活物質層7用、及び、負極集電体層6用のそれぞれのグリーンシートを所望の順序、積層数で積み重ね、必要に応じアライメント、切断等を行い、積層体を作製する。並列型又は直並列型の電池を作製する場合は、正極層1の端面と負極層2の端面が一致しないようにアライメントを行い積み重ねるのが好ましい。
積層ブロックを作製するに際し、以下に説明する正極活物質層ユニット及び負極活物質層ユニットを準備し、積層ブロックを作製してもよい。
その方法は、まずPETフィルム上に固体電解質層3用ペーストをドクターブレード法でシート状に形成し、固体電解質層3用シートを得た後、その固体電解質層3用シート上に、スクリーン印刷により正極活物質層5用ペーストを印刷し乾燥する。次に、その上に、スクリーン印刷により正極集電体層4用ペーストを印刷し乾燥する。更にその上に、スクリーン印刷により正極活物質層5用ペーストを再度印刷し、乾燥し、次いでPETフィルムを剥離することで正極活物質層ユニットを得る。このようにして、固体電解質層3用シート上に、正極活物質層5用ペースト、正極集電体層4用ペースト、正極活物質層5用ペーストがこの順に形成された正極活物質層ユニットを得る。同様の手順にて負極活物質層ユニットも作製し、固体電解質層3用シート上に、負極活物質層7用ペースト、負極集電体層6用ペースト、負極活物質層7用ペーストがこの順に形成された負極活物質層ユニットを得る。
正極活物質層ユニット一枚と負極活物質層ユニット一枚を、正極活物質層5用ペースト、正極集電体層4用ペースト、正極活物質層5用ペースト、固体電解質層3用シート、負極活物質層7用ペースト、負極集電体層6用ペースト、負極活物質層7用ペースト、固体電解質層3用シートの順に形成されるように積み重ねる。このとき、一枚目の正極活物質層ユニットの正極集電体層4用ペーストが一の端面にのみ延出し、二枚目の負極活物質層ユニットの負極集電体層6用ペーストが他の面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねる。この積み重ねられたユニットの両面に所定厚みの固体電解質層3用シートをさらに積み重ね積層ブロックを作製する。
作製した積層体を一括して圧着する。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は、例えば、40〜95℃とする。
圧着する際、例えば、固体電池20の中央部の厚みに比べ端部の厚みが薄くなるよう設計された金型と一軸プレスを用いて圧着成型しても良い。
固体電池20の中央部の厚みが端部の厚みに比べ薄くなるように、圧着した積層体の上に電解質層3を付加してもよい。例えば中央に穴の開いたパターンを有する電解質層3を圧着した積層体上に付与することで中央部と端部の厚みに差をつけることができる。
圧着した積層体を、例えば、窒素雰囲気下で600℃〜1000℃に加熱し焼成を行い、蓄電素体を作製する。600℃〜1000℃に焼成時間は、例えば、0.1〜3時間とする。
蓄電素体をアルミナなどの研磨材とともに円筒型の容器に入れ、バレル研磨してもよい。これにより蓄電素体の角の面取りをすることができる。そのほかの方法としてサンドブラストにて研磨しても良い。この方法では特定の角部のみを削ることができるため好ましい。
(端子電極形成)
蓄電素体に端子電極16をつける。端子電極16は正極集電体層4と負極集電体層6にそれぞれ電気的に接触するようつける。この限りではないが、例えば、スパッタやディッピングにより形成することが好ましい。
(保護層の付与)
方法はこの限りではないが、保護層15の形成にはスパッタやディッピング、スプレーコートで行うのが好ましい。端子電極16が保護層15で完全におおわれないことが好ましい。たとえば、マスキングをする、あるいは保護層15の材料としては端子電極がはじく材料を選択することが望ましい。保護層15をつけるのは基板実装後でもよいが、空気中の水分と反応する恐れがあるため基板実装前につけることが好ましい。
上述したように、図2のように中央部の保護層16の厚みを端部の保護層の厚みと比べ薄くしても良い。例えば、中央部以外への保護層の重ね付をしてもよい。
固体電池の中央部と端部の厚みの差は、図1のように正極層1と負極層2と電解質層3からなる蓄電素体に由来しても良いし、図2のように保護層16に由来していても良いし、蓄電素体と保護層16の両方に由来するものであってもよい。また、図1及び図2はいずれも蓄電要素の積層方向の厚みが変化しているが、一対の対向する面のうち、面間の厚みが変化する一対の対向する面の選び方は蓄電素体の向きによらない。一対の対向する面のうち、どの面間の厚みを制御してもよい。
固体電池の厚みの変化する対向する面間の厚みの、中央部の厚みに対する端部の厚みの比は小さ過ぎると厚み変化の効果が小さくなり、また、大き過ぎると外力が加わった際に損傷する可能性が大きくなる。そのため、中央部の厚みに対する端部の厚みの比は0.65以上0.95未満が好適である。
(実施例1)
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に実施例に限定されるものではない。なお、部表示は特に断りのない限り重量部である。
(正極活物質及び負極活物質の作製)
正極活物質及び負極活物質として、以下の方法で作製したLi(POを用いた。LiCOとVとNHPOとを出発材料とし、ボールミルで16時間湿式混合を行い、脱水乾燥した後に得られた粉体を850℃で2時間、窒素水素混合ガス中で仮焼した。仮焼品をボールミルで湿式粉砕を行った後、脱水乾燥して正極活物質粉末及び負極活物質粉末を得た。作製した粉体の組成がLi(POであることは、X線回折装置を使用して確認した。
(正極活物質層用ペースト及び負極活物質層用ペーストの作製)
正極活物質層用ペースト及び負極活物質層用ペーストは、この正極活物質粉末及び負極活物質粉末100部に、バインダーとしてエチルセルロース15部と、溶媒としてジヒドロターピネオール65部とを加えて、混合・分散して正極活物質層用ペースト及び負極活物質層用ペーストを作製した。
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質として、以下の方法で作製したLi1.3Al0.3Ti1.7(POを用いた。LiCOとAlとTiOとNHPOを出発材料として、ボールミルで16時間湿式混合を行った後、脱水乾燥した。得られた粉体を800℃で2時間、空気中で仮焼した。仮焼品をボールミルで24時間湿式粉砕を行った後、脱水乾燥して固体電解質の粉末を得た。作製した粉体の組成がLi1.3Al0.3Ti1.7(POであることは、X線回折装置を使用して確認した。
次いで、この粉末に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調製した。
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
(正極集電体層用ペースト及び負極集電体層用ペーストの作製)
正極集電体及び負極集電体として用いたCuとLi(POとを体積比率で80/20となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて混合・分散して正極集電体層用ペースト及び負極集電体層用ペーストを作製した。Cuの平均粒径は0.9μmであった。
(端子電極ペーストの作製)
銀粉末とエポキシ樹脂、溶剤とを三本ロールで混錬・分散し、熱硬化型の導電ペーストを作製した。
これらのペーストを用いて、以下のようにしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(正極活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで正極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで正極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。更にその上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで正極活物質層用ペーストを再度印刷し、80℃で10分間乾燥し、次いでPETフィルムを剥離した。このようにして、固体電解質層用シート上に、正極活物質層用ペースト、正極集電体層用ペースト、正極活物質層用ペーストがこの順に印刷・乾燥された正極活物質ユニットのシートを得た。
(負極活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。更にその上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを再度印刷し、80℃で10分間乾燥し、次いでPETフィルムを剥離した。このようにして、固体電解質層用シート上に、負極活物質層用ペースト、負極集電体層用ペースト、負極活物質層用ペーストがこの順に印刷・乾燥された負極活物質ユニットのシートを得た。
(蓄電素体の作製)
固体電解質層用シート10枚を重ね、正極活物質ユニットのシートと負極活物質ユニットのシートをそれぞれ25枚、正極活物質層用ペースト、正極集電体層用ペースト、正極活物質層用ペースト、固体電解質層用シート、負極活物質層用ペースト、負極集電体層用ペースト、負極活物質層用ペースト、固体電解質層用シートの順に形成されるように積み重ねた。このとき、奇数枚目の正極活物質ユニットのシートの正極集電体層用ペーストが一方の端面にのみ延出し、偶数枚目の負極活物質ユニットのシートの負極集電体層用ペーストが反対側の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。この積み重ねられたユニットの上に、固体電解質層用シートを10枚重ねた。その後、これを温度80℃で圧力1000kgf/cm〔98MPa〕で一軸プレスを用いて成形した。この時使用した金型には、固体電池中央部が端部の厚みに比薄くなるように湾曲した金型を用い、固体電池の中央部が端部に比べ薄くなるように積層ブロックを作製した。次いで切断して積層体を作製し、その後、積層体を同時焼成して蓄電素体を得た。同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度840℃まで昇温して、その温度に2時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後、積層方向に垂直な面のサイズは3.2mm×2.5mmであった。
(端子電極形成工程)
蓄電素体の端面に端子電極ペーストを塗布した。150℃、30分の熱硬化を行い、一対の端子電極を形成した。
(保護層作製工程)
端子電極が保護層で覆われないよう端部をマスキングし、その上からエポキシ樹脂を滴下し、その後150℃で30分間硬化し、実施例1の固体電池を得た。走査型電子顕微鏡で固体電池の断面観察を行い、付与した保護層の厚みを測定した。また、固体電池の厚みの異なる面間の中央部の厚みは1.31mm、端部の厚みは1.42mmであった。保護層は蓄電素体の外周を覆っており、厚みは1.8μmであった。
(比較例1)
積層体を圧着する際に使用する金型を変更し、積層体と接する面が平らなものに変更したこと以外は実施例1と同様にして固体電池を作製した。同時焼成後のチップのサイズは3.2mm×2.5mm×1.37mmであった。保護層は蓄電素体の外周を覆っており、厚さは2μmであった。
(リーク電流量評価の方法)
実施例1で作製した固体電池を3つ直列に組み合わせ、図4に示す組電池を5個作製し、充電状態での保存試験を行った。基板17は粘着性テープを銅板に貼ることで作製した。固体電池を直列に3つつなぎ固体電池の層構造と基板17が平行になるようにして基板17で固体電池を挟み、外部端子18をつけることで組電池22の形状を得た。外部端子18にはNiリードを用い、熱硬化型の銀ペーストで固体電池に接着した。基板で電池を挟む際は、基板の銅板側が外側にくるようにし、粘着性テープが3つの固体電池の端子電極と接するようにした。比較例1の固体電池に対しても同様の組電池を5個作製した。その後、それぞれの組電池を5Vまで充電した。次に充電状態の組電池を100℃で保存し、一定時間経過後の電圧を測定した。
(試験結果)
表1に実施例1及び比較例1の組電池の保存期間と電圧維持率の平均値を示す。なお、電圧維持率は初期状態、つまり5Vを100%とした。
Figure 0006575136
実施例1は比較例1と比べて維持率が高かった。これは、実施例1の固体電池と基板の接する面積が比較例1と比べ小さいため、電流リークが抑制されたのだと考えられる。
本発明の固体電池を用いることにより、電池収納部に収納する際に生じる電流のリークを防止することができる。
1 正極層
2 負極層
3 固体電解質層
4 正極集電体層
5 正極活物質層
6 負極集電体層
7 負極活物質層
10 固体電解質
11 正極集電体
12 正極活物質
13 負極集電体
14 負極活物質
15 保護層
16 端子電極
17 基板
18 外部端子
20 固体電池
21 固体電池内部の蓄電要素
22 実施例の組電池
23 ごみ
24 電池収納部
25 従来の場合のごみの巻き込み
26 本発明の場合のごみ巻き込み

Claims (3)

  1. 第一の電極層と第二の電極層の間に固体電解質層を有する蓄電要素を一つ以上有する蓄電素体を備え、前記蓄電素体の表面には保護層を有する固体電池において、
    前記固体電池の少なくとも一対の対向する面は、前記固体電池の端部の厚みに対する前記固体電池の中央部の厚みの比が0.65以上かつ0.95以下であり、
    前記保護層の表面は、その一部が前記固体電池の端部の厚みにくらべ厚みが薄くなる方向に湾曲していることを特徴とする固体電池。
  2. 第一の電極層と第二の電極層の間に固体電解質層を有する蓄電要素を一つ以上有する蓄電素体を備え、前記蓄電素体の表面には保護層を有する固体電池において、
    前記固体電池の少なくとも一対の対向する面は、前記固体電池の端部の厚みに対する前記固体電池の中央部の厚みの比が0.65以上かつ0.95以下であり、
    前記保護層の表面のうち中央部が前記固体電池の厚みが薄くなる方向に湾曲していることを特徴とする固体電池。
  3. 請求項1または2に記載の前記固体電池を直列に複数個並べて接続し、それをケースに収納したことを特徴とする組電池。
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