JP2020095776A - 固体電解質および全固体二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性固体電解質及び、これを用いた全固体二次電池の提供。【解決手段】主成分として含まれる固体電解質3は、LiaM1xR2−bM2bP3−cM3cO12、で表される全固体二次電池10。(0<a≦3;0≦b<2;0<c<3;0≦x<0.5;M1は2価以上の価数をもつ元素、好ましくはM1がMg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、又はNbから選択される一種以上;RはZr又はHf;M2はCo,V,Sn又はBから選択される一種以上;M3はSi,B,V,Nb,Mo又はWから選択される一種以上);【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン伝導性固体電解質および全固体二次電池に関する。
小型電子機器の普及に伴い、リチウムイオン二次電池の性能は大きく向上してきたが、東日本大震災以降、高い安全性や信頼性を示す蓄電池が強く望まれている。このような状況の中、実用化されているリチウムイオン二次電池は、一般的に可燃性の有機電解液を用いていることから、異常発熱や液漏れなどの安全性および信頼性に課題があった。
そのため、有機電解液を不燃性の固体電解質に置き換え、かつ他の構成部材も固体で構成した全固体二次電池の研究開発が盛んに行われている。
全固体二次電池の固体電解質には、主に硫化物系固体電解質と酸化物系固体電解質がある。硫化物系固体電解質は、水と反応した際に硫化水素が発生するため、露点の管理されたグローブボックス内で電池を作製する必要がある。また、シート化するのが困難なため固体電解質層の薄層化や電池の高積層化が課題となっている。
全固体二次電池は、電解液を用いた電池と比較して出力が小さいという問題がある。そこで、全固体二次電池のイオン伝導度を高めることが求められている。
例えば、特許文献1には、固体電解質として酸化物系のLi1.3Al0.3Ti1.7(POを用いた全固体二次電池が記載されている。また特許文献2には、固体電解質として耐還元性に優れるZrを含むLiZr(POを用いた全固体二次電池が記載されている。さらに特許文献3には、耐還元性に優れ、菱面体晶のLi1.55Al0.2Zr1.70.1Si0.252.7512が複合化した粒子を用いた全固体二次電池が記載されている。
特開2016−1595号公報 特開2001−143754号公報 特開2012−246196号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された固体電解質を用いた全固体二次電池は、イオン伝導性が充分とは言えなかった。
高いイオン伝導性を有する固体電解質を作製するためには、1300℃以上の高温での熱処理が必要である。しかしながら、高温で処理を行うと、正極や負極の活物質と反応し、イオン伝導度が低下してしまう。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、高いリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性固体電解質及び、これを用いた全固体二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、LiZr(PO組成の固体電解質を構成するLi,ZrおよびPの一部を他の元素で置換することにより、固体電解質のリチウムイオン伝導性を向上することを見出した。さらに、Li,ZrおよびPの一部を他の元素で置換したリチウムイオン伝導性固体電解質を用いることによって、全固体二次電池のリチウムイオン伝導性を向上し、放電容量を向上させることがきた。
したがって、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
本発明にかかるリチウムイオン伝導性固体電解質は、一般式LiM12−bM23−cM312で表され、一般式中のM1、R、M2、M3は、以下のものを示す。
M1:2価以上の価数をもつ元素であり、
M2:Co,V,SnおよびBからなる群より選択される少なくとも一種であり、
M3:Si,B,V,Nb,MoおよびW からなる群より選択される少なくとも一種であり、
R:ZrまたはHfであり、
また、一般式中のa、b、cおよびxの関係は、
0<a≦3、0≦b<2、0<c<3、0≦x<0.5
ことを特徴とする。
かかる構成によれば、固体電解質構成元素と価数の異なる元素やイオン半径が異なる元素を置換させることで、結晶構造内に欠陥を生成させることができる。この欠陥により、電荷的中性を保つために、固体電解質のキャリアであるホールまたはイオンが生成され、結果としてキャリア数が増える。これにより、移動可能なキャリアが増えるため、イオン伝導性を向上させることができると考えている。
本発明にかかるリチウムイオン伝導性固体電解質は、前記一般式中のM1についてMg,Ca,Sr,Ba,Al,Ga,YおよびNbからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする。
かかる構成によれば、Liサイトに欠陥を導入することで、リチウムイオン伝導に寄与するキャリア数を増加させることができる。よって、リチウムイオン伝導性をさらに向上させることができると考えている。
上記、固体電解質を用いた全固体二次電池は、固体電解質層のリチウムイオン抵抗を低減させることができる。そのため、固体電解質層でのエネルギーロスが少なくなり、容量に寄与する活物質層でのエネルギーの使用が可能になるため、全固体二次電池の容量を向上させることができると考えている。
本発明によれば、高いリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性固体電解質及び、これを用いた全固体二次電池を提供することができる。
本実施形態の全固体二次電池の要部を拡大した断面模式図である。
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[全固体二次電池]
図1は、本実施形態の全固体二次電池の要部を拡大した断面模式図である。図1に示すように、全固体二次電池10は、第1電極層1と第2電極層2と固体電解質3とを有する積層体4を備える。
第1電極層1はそれぞれ第1外部端子5に接続され、第2電極層2はそれぞれ第2外部端子6に接続されている。第1外部端子5及び第2外部端子6は、外部との電気的な接点である。
(積層体)
積層体4は、第1電極層1と第2電極層2と固体電解質3とを有する。第1電極層1と、第2電極層2は、いずれか一方が正極として機能し、他方が負極として機能する。電極層の正負は、外部端子にいずれの極性を繋ぐかによって変化する。以下、理解を容易にするために、第1電極層1を正極層1とし、第2電極層2を負極層2とする。
積層体4において正極層1と負極層2は、固体電解質3を介して交互に積層されている。正極層1と負極層2の間で固体電解質3を介したリチウムイオンの授受により、全固体二次電池10の充放電が行われる。
[固体電解質]
本実施形態にかかる固体電解質3は、リチウムイオン伝導性に優れる材料が好ましく、以下の一般式(1)で表記されることが好ましい。
LiM12−bM23−cM312・・・(1)
一般式(1)は、0<a≦4、0≦b<2、0<c<3、0≦x<0.5を満たし、
一般式(1)におけるM1、M2、M3およびRは、以下のものを示す。
M1:2価以上の価数をもつ元素、
M2:Co,V,SnおよびBからなる群より選択される少なくとも一種の元素、
M3:Si,B,V,Nb,MoおよびW からなる群より選択される少なくとも一種の元素
R:ZrまたはHf。
かかる構成によれば、固体電解質構成元素と価数の異なる元素やイオン半径が異なる元素を置換させることで、結晶構造内に欠陥を生成させることができる。この欠陥により、電荷的中性を保つために、固体電解質のキャリアであるホールまたはイオンが生成され、結果としてキャリア数が増える。これにより、移動可能なキャリアが増えるため、リチウムイオン伝導性を向上させることができる。
本実施形態にかかる固体電解質3は、M1がMg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、YおよびNbからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする。
かかる構成によれば、Liサイトに欠陥を導入することで、イオン伝導に寄与するキャリア数を増加させることができる。よって、リチウムイオン伝導性をさらに向上させることができる。
一般式(1)で表される物質の結晶構造は、単斜晶、斜方晶、三斜晶、菱面体晶のいずれかであることが好ましく、より好ましくは三斜晶または菱面体晶であること、最も好ましくは菱面体晶である。これらの結晶構造は、イオン伝導性に寄与する経路が三次元的に存在し、イオン伝導性に優れる。
本実施形態にかかる全固体二次電池10は、前記一般式(1)で表される固体電解質3を用いることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記一般式(1)で表される固体電解質を用いることで、全固体二次電池10における固体電解質のリチウムイオン抵抗を低減させることができる。そのため、固体電解質での電圧ロス(エネルギーロス)を低減し、容量に寄与する活物質層でよりエネルギーの使用が可能になるため、全固体二次電池の容量を向上させることが出来る。
所望の固体電解質の確認には、X線回折(XRD)が用いられる。XRDによって得られたスペクトルと既知の菱面体晶LiZr(POのXRDスペクトルとフィッティングすることで確認ができる。さらに、XRDによって得られたスペクトルをリートベルト解析することで、作製した固体電解質の格子定数を見積もることが出来る。この格子定数の変化から結晶構造内への置換の有無を確認することができる。
一般的に、構成元素よりも置換する元素のイオン半径が大きければ格子定数は大きくなり、構成元素よりも置換する元素のイオン半径が小さければ格子定数は小さくなる。
さらに誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)を用い含有元素を特定し、所望の組成の固体電解質が作製できたかを確認することができる。
[正極層および負極層]
正極層1は、正極集電体層1Aと、正極活物質を含む正極活物質層1Bとを有する。負極層2は、負極集電体層2Aと、負極活物質を含む負極活物質層2Bとを有する。
正極集電体層1A及び負極集電体層2Aは、導電率が高いことが好ましい。そのため、正極集電体層1A及び負極集電体層2Aには、例えば、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケル等を用いることが好ましい。これらの物質の中でも、銅は正極活物質、負極活物質及び固体電解質と反応しにくい。そのため、正極集電体層1A及び負極集電体層2Aに銅を用いると、全固体二次電池10の内部抵抗を低減することができる。なお、正極集電体層1Aと負極集電体層2Aを構成する物質は、同一でもよいし、異なってもよい。
正極活物質層1Bは、正極集電体層1Aの片面又は両面に形成される。例えば、全固体二次電池10の積層方向の最上層に位置する正極層1は、対向する負極層2が無い。そのため、全固体二次電池10の最上層に位置する正極層1において正極活物質層1Bは、積層方向下側の片面のみにあればよい。負極活物質層2Bも正極活物質層1Bと同様に、負極集電体層2Aの片面又は両面に形成される。
正極活物質層1B及び負極活物質層2Bは、電子を授受する正極活物質及び負極活物質を含む。この他、導電助剤や結着剤等を含んでもよい。正極活物質及び負極活物質は、リチウムイオンを効率的に挿入、脱離できることが好ましい。
正極活物質及び負極活物質には、例えば、遷移金属酸化物、遷移金属複合酸化物を用いることが好ましい。具体的には、リチウムマンガン複合酸化物LiMnMa1−a(0.8≦a≦1、Ma=Co、Ni)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMbPO(ただし、Mbは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO又はLiVOPO)、LiMnO−LiMcO(Mc=Mn、Co、Ni)で表されるLi過剰系固溶体正極、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<s<1.3、0.9<t+u+v<1.1)で表される複合金属酸化物等を用いることができる。
また固体電解質3に合わせて、負極活物質及び正極活物質を選択してもよい。
例えば、固体電解質3に一般式(1)の化合物を用いる場合は、正極活物質及び負極活物質にLiVOPO及びLi(POのうち一方又は両方を用いることが好ましい。正極活物質層1B及び負極活物質層2Bと固体電解質3との界面における接合が、強固なものになる。また正極活物質層1B及び負極活物質層2Bと固体電解質3との界面における接触面積を広くできる点で好ましい。
正極活物質層1B又は負極活物質層2Bを構成する活物質には明確な区別がなく、2種類の化合物の電位を比較して、より貴な電位を示す化合物を正極活物質として用い、より卑な電位を示す化合物を負極活物質として用いることができる。
また、正極集電体層1A及び負極集電体層2Aは、それぞれ正極活物質及び負極活物質を含んでもよい。それぞれの集電体に含まれる活物質の含有比は、集電体として機能する限り特に限定はされない。例えば、正極集電体/正極活物質、又は負極集電体/負極活物質が体積比率で90/10から70/30の範囲であることが好ましい。
正極集電体層1A及び負極集電体層2Aがそれぞれ正極活物質及び負極活物質を含むことにより、正極集電体層1Aと正極活物質層1B及び負極集電体層2Aと負極活物質層2Bとの密着性が向上する点で好ましい。
(端子)
全固体二次電池10の第1外部端子5及び第2外部端子6は、導電率が大きい材料を用いることが好ましい。例えば、銀、金、プラチナ、アルミニウム、銅、スズ、ニッケルを用いることができる。第1外部端子5及び第2外部端子6は、単層でも複数層でもよい。
(保護層)
また全固体二次電池10は、積層体4や端子を電気的、物理的、化学的に保護する保護層を積層体4の外周に有してもよい。保護層を構成する材料としては絶縁性、耐久性、耐湿性に優れ、環境的に安全であることが好ましい。たとえば、ガラスやセラミックス、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いるのが好ましい。保護層の材料は1種類だけでも良いし、複数を併用してもよい。また、保護層は単層でもよいが、複数層備えていた方が好ましい。その中でも熱硬化性樹脂とセラミックスの粉末を混合させた有機無機ハイブリットが特に好ましい。
[製造方法]
(全固体二次電池の製造方法)
全固体二次電池10の製造方法は、同時焼成法を用いてもよいし、逐次焼成法を用いてもよい。
同時焼成法は、各層を形成する材料を積層し、一括焼成により積層体を作製する方法である。逐次焼成法は、各層を順に作製する方法であり、各層を作製する毎に焼成工程が入る。同時焼成法を用いた方が、全固体二次電池10の作業工程を少なくすることができる。また同時焼成法を用いた方が、得られる積層体4が緻密になる。以下、同時焼成法を用いる場合を例に全固体二次電池10の製造方法を説明する。
同時焼成法は、積層体4を構成する各材料のペーストを作製する工程と、ペーストを塗布乾燥してグリーンシートを作製する工程と、グリーンシートを積層し、作製した積層シートを同時焼成する工程とを有する。
まず積層体4を構成する正極集電体層1A、正極活物質層1B、固体電解質3、負極活物質層2B、及び負極集電体層2Aの各材料をペースト化する。
ペースト化の方法は、特に限定されない。例えば、ビヒクルに各材料の粉末を混合してペーストが得られる。ここで、ビヒクルとは、液相における媒質の総称である。ビヒクルには、溶媒、バインダーが含まれる。かかる方法により、正極集電体層1A用のペースト、正極活物質層1B用のペースト、固体電解質3用のペースト、負極活物質層2B用のペースト、及び負極集電体層2A用のペーストを作製する。
次いで、グリーンシートを作製する。グリーンシートは、作製したペーストをPET(ポリエチレンテレフタラート)などの基材上に所望の順序で塗布し、必要に応じ乾燥させた後、基材を剥離し、得られる。ペーストの塗布方法は、特に限定されない。例えば、スクリーン印刷、塗布、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。
作製したそれぞれのグリーンシートは、所望の順序、積層数で積み重ねられる。必要に応じアライメント、切断等を行い、積層体を作製する。並列型又は直並列型の電池を作製する場合は、正極集電体層の端面と負極集電体層の端面が一致しないようにアライメントを行い積み重ねるのが好ましい。
積層体を作製するに際し、以下に説明する正極活物質層ユニット及び負極活物質層ユニットを準備し、積層体を作製してもよい。
まずPETフィルム上に固体電解質3用ペーストをドクターブレード法でシート状に形成し、乾燥して固体電解質3を形成する。得られた固体電解質3上に、スクリーン印刷により正極活物質層1B用ペーストを印刷し乾燥して、正極活物質層1Bを形成する。
次いで、作製された正極活物質層1B用ペースト上に、スクリーン印刷により正極集電体層1A用ペーストを印刷し乾燥し、正極集電体層1Aを形成する。得られた正極集電体層1A上に、スクリーン印刷により正極活物質層1B用ペーストを再度印刷し、乾燥して正極活物質層1Bを形成する。そして、PETフィルムを剥離することで正極活物質層ユニットを作製する。正極活物質層ユニットは、固体電解質3/正極活物質層1B/正極集電体層1A/正極活物質層1Bがこの順で積層されている。
同様の手順にて負極活物質層ユニットも作製する。負極活物質層ユニットは、固体電解質3/負極活物質層2B/負極集電体層2A/負極活物質層2Bがこの順に積層されている。
正極活物質層ユニット一枚と負極活物質層ユニット一枚を、積層する。この際、正極活物質層ユニットの固体電解質3と負極活物質層ユニットの負極活物質層2B、もしくは正極活物質層ユニットの正極活物質層1Bと負極活物質層ユニットの固体電解質3とが接するように積層する。これによって、正極活物質層1B/正極集電体層1A/正極活物質層1B/固体電解質3/負極活物質層2B/負極集電体層2A/負極活物質層2B/固体電解質3がこの順で積層されている積層体が得られる。一枚目の正極活物質層ユニットの正極集電体層1Aが一の端面にのみ延出し、二枚目の負極活物質層ユニットの負極集電体層2Aが他の面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねる。積み重ねられたユニットの両面に所定厚みの固体電解質3用シートをさらに積み重ね、積層体を作製する。
作製した積層体を一括して圧着する。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は、例えば、40〜95℃とする。
圧着した積層体を、例えば、窒素雰囲気下で600℃〜1000℃に加熱し焼成を行うことにより焼結体を得る。焼成時間は、例えば、0.1〜3時間とする。
焼結体をアルミナなどの研磨材とともに円筒型の容器に入れ、バレル研磨してもよい。これにより積層体の角の面取りをすることができる。そのほかの方法としてサンドブラストにて研磨しても良い。この方法では特定の部分のみを削ることができるため好ましい。
(端子形成)
積層体4に第1外部端子5と第2外部端子6をつける。第1外部端子5及び第2外部端子6は、正極集電体層1Aと負極集電体層2Aにそれぞれ電気的に接触するよう形成する。例えば、積層体4の側面から露出した正極集電体層1Aと負極集電体層2Aに対しスパッタ法やディッピング法、スプレーコート法等の公知の方法を用いることにより形成できる。所定の部分にのみ形成する際は、例えばテープにてマスキング等を施して形成する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
一般式LiM12−bM23−cM312で表される固体電解質において、Pの一部をB、Si、VまたはMoに置換した時のリチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例1]
固体電解質の原料について、LiCOを1.419g、ZrOを7.886g、NHPOを10.67g、HBOを0.198g秤量した。
秤量した原料、エタノールおよびジルコニアボールをポリエチレン製のポットミルに投入し、120rpmで16時間、混合・粉砕を行った。
混合・粉砕後、スラリーとジルコニボールに分離し、スラリーを乾燥し、混合粉を得た。
得られた混合粉をMgO容器に入れ、800℃で2時間、さらに1000℃で2時間、大気雰囲気中で焼成を行い、焼成粉末を得た。
焼成粉末、エタノールおよびジルコニアボールをポットミルに投入し、120rpmで16時間、粉砕を行った。
粉砕後、スラリーとジルコニアボールに分離し、スラリーを乾燥し、固体電解質粉末を得た。
[評価]
得られた固体電解質粉末についてそれぞれ、化学組成、結晶構造、そしてリチウムイオン伝導度を、下記の方法により測定した。
(化学組成)
固体電解質粉末を酸に溶解した。得られた溶液中のLi,Zr,P,Bの含有量をICP−AESで測定し、固体電解質粉末中の含有量に換算した。
(結晶構造)
固体電解質粉末のX線回折パターンを、粉末X線回折法により測定した。得られたX線回折パターンを用いて、固体電解質粉末の結晶構造を同定した。リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じX線回折パターンであった。
(リチウムイオン伝導度)
固体電解質粉末0.5gを直径12mmの金型に入れ、2.0t/cmの圧力で冷間プレスした後、900℃で2時間焼成して固体電解質焼結体を得た。得られた固体電解質焼結体の両面に、金スパッタを行うことにより金電極を形成した。リチウムイオン伝導度は、インピーダンス測定装置(ソーラトロン社製 型番SI1260)を用い、振幅50mV、周波数0.1Hzから1MHzの条件で測定した。
[実施例2]
固体電解質の原料について、LiCOを1.655g、ZrOを7.886g、NHPOを10.302g、HBOを0.396g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例3]
固体電解質の原料について、LiCOを1.891g、ZrOを7.886g、NHPOを9.934g、HBOを0.593g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例4]
固体電解質の原料について、LiCOを2.128g、ZrOを7.886g、NHPOを9.566g、HBOを0.791g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例5]
固体電解質の原料について、LiCOを2.364g、ZrOを7.886g、NHPOを9.198g、HBOを0.989g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例6]
固体電解質の原料について、LiCOを3.546g、ZrOを7.886g、NHPOを7.359g、HBOを1.978g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例7]
固体電解質の原料について、LiCOを4.019g、ZrOを7.886g、NHPOを6.623g、HBOを2.374g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例8]
固体電解質の原料について、LiCOを4.728g、ZrOを7.886g、NHPOを5.519g、HBOを2.967g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例9]
固体電解質の原料について、LiCOを1.300g、ZrOを7.886g、NHPOを10.302g、SiOを0.385g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例10]
固体電解質の原料について、LiCOを1.182g、ZrOを7.886g、NHPOを10.302g、Vを0.582g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例11]
固体電解質の原料について、LiCOを1.064g、ZrOを7.886g、NHPOを10.302g、(NHMo24・4HOを1.130g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[実施例12]
固体電解質の原料について、LiCOを1.064g、HfOを13.472g、NHPOを10.302g、HBOを0.396g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiHf(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[比較例1]
Pの一部を置換しない一般式LiZr12となるように、それぞれの原料を秤量し、混合した。
固体電解質の原料について、LiCOを1.182g、ZrOを7.886g、NHPOを11.038g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
[比較例2]
固体電解質の原料について、LiCOを1.182g、HfOを13.472g、NHPOを11.038g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiHf(POであった。リチウムイオン伝導度の値を表1に示す。
Figure 2020095776
実施例1〜8および比較例1より、一般式LiZr3−c12で表される固体電解質において、c>0の時、リチウムイオン伝導度より向上したことが明らかである。また、c>0.2の範囲では、リチウムイオン伝導度が低くなる傾向が見られた。これにより、cは0.1〜0.2の範囲がより好ましいことが明らかになった。
実施例9〜11および比較例1より、一般式LiZr2.8M30.212で表される固体電解質においても、元素を置換することで、リチウムイオン伝導度の向上が見られた。その中でも、置換元素はBまたはVがより好ましいことが明らかになった。
実施例12および比較例2より、一般式LiHf3−c12で表される固体電解質においても、c>0の範囲においてリチウムイオン伝導度の向上が見られた。
これらにより、Pの一部を元素置換、より好ましくは、Pの一部をBに置換することで、リチウムイオン伝導度の向上が明らかとなった。
一般式LiM12−bM23−cM312で表される固体電解質において、Pの一部をBまたはV、およびZrの一部をCoに置換した固体電解質の作製を行った。置換量、組成、リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例13]
固体電解質の原料について、LiCOを1.891g、ZrOを7.492g、NHPOを10.302g、HBOを0.396g、Co(NO・6HOを0.931g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例14]
固体電解質の原料について、LiCOを1.655g、ZrOを7.097g、NHPOを10.302g、HBOを0.396g、Co(NO・6HOを1.862g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例15]
固体電解質の原料について、LiCOを1.419g、ZrOを6.703g、NHPOを10.302g、HBOを0.396g、Co(NO・6HOを2.793g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例16]
固体電解質の原料について、LiCOを1.182g、ZrOを6.309g、NHPOを10.302g、HBOを0.396g、Co(NO・6HOを3.724g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例17]
固体電解質の原料について、LiCOを1.419g、ZrOを7.492g、NHPOを10.302g、Vを0.582g、Co(NO・6HOを0.931g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例18]
固体電解質の原料について、LiCOを1.182g、ZrOを7.097g、NHPOを10.302g、Vを0.582g、Co(NO・6HOを1.862g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例19]
固体電解質の原料について、LiCOを0.946g、ZrOを6.703g、NHPOを10.302g、Vを0.582g、Co(NO・6HOを2.793g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[実施例20]
固体電解質の原料について、LiCOを0.709g、ZrOを6.309g、NHPOを10.302g、Vを0.582g、Co(NO・6HOを3.724g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
[比較例3]
Zrの一部をCoに置換し、Pの一部を置換しない一般式Li1.2Zr1.9Co0.112となるように、それぞれの原料を秤量し、混合した。
固体電解質の原料について、LiCOを1.419g、ZrOを7.492g、NHPOを11.038g、Co(NO・6HOを0.931g秤量した以外は、実施例1と同様に作製、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表2に示す。
Figure 2020095776
実施例2、実施例13〜16および比較例3より、一般式LiZr2−bCo2.80.212で表される固体電解質において、c>0かつb>0の時、リチウムイオン伝導度より向上したことが明らかである。また、b>0.1の範囲では、リチウムイオン伝導度が低くなる傾向が見られた。これにより、bは0〜0.1の範囲がより好ましいことが明らかになった。
実施例10、実施例17〜20より、一般式LiZr2−bCo2.80.212で表される固体電解質においも、c>0かつb>0の時、リチウムイオン伝導度より向上したことが明らかであり、bは0〜0.1の範囲がより好ましいことが明らかになった。
一般式LiM12−bM23−cM312で表される固体電解質において、Pの一部をBまたはV、およびLiの一部をCaに置換した固体電解質の作製を行った。置換量、組成、リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例21]
固体電解質の作製には、実施例2のLi1.4Zr2.02.80.212とCa0.5Zr(POを原料として使用した。
[Ca0.5Zr(POの作製]
原料としては、ZrOを7.886g,NH(POを11.038g,CaCOを1.601g秤量した以外は実施例1と同様に作製した。
[Ca0.5Zr(POの評価]
(化学組成)
固体電解質粉末を酸に溶解した。得られた溶液中のCa、Zr、Pの含有量をICP−AESで測定し、固体電解質粉末中の含有量に換算した。
(結晶構造)
固体電解質粉末のX線回折パターンを、粉末X線回折法により測定した。得られたX線回折パターンを用いて、固体電解質粉末の結晶構造を同定した。リン酸ジルコニウムカルシウム:Ca0.5Zr(POと同じX線回折パターンであった。
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを13.623g、Ca0.5Zr(POを1.560g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例22]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを12.110g、Ca0.5Zr(POを3.119g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例23]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを9.082g、Ca0.5Zr(POを6.239g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例24]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを7.569g、Ca0.5Zr(POを7.798g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例25]
固体電解質の作製には、実施例2のLi1.4Zr2.02.80.212とSr0.5Zr(POを原料として使用した。
[Sr0.5Zr(POの作製]
原料としては、ZrOを7.886g,NH(POを11.038g,SrCOを2.362g秤量した以外は実施例1と同様に作製した。
[Sr0.5Zr(POの評価]
(化学組成)
固体電解質粉末を酸に溶解した。得られた溶液中のSr、Zr、Pの含有量をICP−AESで測定し、固体電解質粉末中の含有量に換算した。
(結晶構造)
固体電解質粉末のX線回折パターンを、粉末X線回折法により測定した。得られたX線回折パターンを用いて、固体電解質粉末の結晶構造を同定した。リン酸ジルコニウムストロンチウム:Sr0.5Zr(POと同じX線回折パターンであった。
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを13.623g、Sr0.5Zr(POを1.636g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例26]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを12.110g、Sr0.5Zr(POを3.271g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例27]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを9.082g、Sr0.5Zr(POを6.543g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例28]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを7.569g、Sr0.5Zr(POを8.179g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例29]
固体電解質の作製には、実施例2のLi1.4Zr2.02.80.212とBa0.5Zr(POを原料として使用した。
[Ba0.5Zr(POの作製]
原料としては、ZrOを7.886g,NH(POを11.038g,BaCOを3.157g秤量した以外は実施例1と同様に作製した。
[Ba0.5Zr(POの評価]
(化学組成)
固体電解質粉末を酸に溶解した。得られた溶液中のBa、Zr、Pの含有量をICP−AESで測定し、固体電解質粉末中の含有量に換算した。
(結晶構造)
固体電解質粉末のX線回折パターンを、粉末X線回折法により測定した。得られたX線回折パターンを用いて、固体電解質粉末の結晶構造を同定した。リン酸ジルコニウムバリウム:Ba0.5Zr(POと同じX線回折パターンであった。
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを13.623g、Ba0.5Zr(POを1.715g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例30]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを12.110g、Ba0.5Zr(POを3.430g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例31]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを9.082g、Ba0.5Zr(POを6.861g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[実施例32]
原料として、Li1.4Zr2.02.80.212とを7.569g、Ba0.5Zr(POを8.576g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[比較例4]
原料として比較例1のLi1.0Zr2.03.012を12.142g、Ca0.5Zr(POを3.119g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[比較例5]
原料として比較例1のLi1.0Zr2.03.012を12.142g、Sr0.5Zr(POを3.271g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
[比較例6]
原料として比較例1のLi1.0Zr2.03.012を12.142g、Ba0.5Zr(POを3.430g秤量した以外は、実施例1と同様に作製し、評価を行った。X線回折パターンは、リン酸ジルコニウムリチウム:LiZr(POと同じであった。リチウムイオン伝導度の値を表3に示す。
Figure 2020095776
実施例21〜32および比較例4〜6より、一般式LiM1Zr3−c12で表される固体電解質において、c>0かつx>0の時、イオン伝導度より向上したことが明らかである。また、x<0.05およびx>0.1の範囲では、リチウムイオン伝導度が低くなる傾向が見られた。これにより、xは0.05〜0.1の範囲がより好ましいことが明らかになった。
また、M1の元素種に関しては、周期表における同族元素中においては、イオン半径が小さい元素を置換がより好ましいことが明らかになった。
[実施例33〜35]
上記の固体電解質のうち、実施例2、実施例13、実施例22の固体電解質を用いて全固体二次電池を作製した。正極活物質として、Li(PO、負極活物質としてLiTi12を用いた。
(固体電解質層形成用ペーストの調製)
固体電解質として、実施例2、実施例13、実施例22で作製した固体電解質粉末を用いた。この固体電解質粉末を、溶媒としてターピネオール、分散剤として非水系分散剤、バインダーとしてエチルセルロースを含むビヒクルに分散させて固体電解質層形成用ペーストを調製した。
(電極活物質層形成用ペーストの調製)
正極活物質としてLi(PO粉末、負極活物質としてLiTi12粉末を用い、上記固体電解質層形成用ペーストの調製と同様にして電極活物質層形成用ペーストを調製した。
(集電体層形成用ペーストの調製)
正極集電体形成用のペーストとして銅粉末とLi(PO粉末とを体積比率で80/20の割合で混合した混合粉末、負極集電体形成用のペーストとして銅粉末とLiTi12粉末とを体積比率で80/20の割合で混合した混合粉末を用い、上記電極活物質層形成用ペーストの調製と同様にして集電体層形成用ペーストを調製した。
(正極ユニットの作製)
上記のようにして調製した固体電解質層形成用ペースト、正極活物質層形成用ペースト、正極集電体層形成用ペーストを用いて正極ユニットを作製した。
まずPETフィルム上に、固体電解質層形成用ペーストをドクターブレード法でシート状に形成し、乾燥して固体電解質層を形成した。次いで、その上にスクリーン印刷により電極活物電極質層形成用ペーストを印刷し乾燥して、正極活物質層を形成した。次いで、その上にスクリーン印刷により集電体層形成ペーストを印刷し乾燥して、正極集電体層を形成した。さらに、その上にスクリーン印刷により電極活物質層形成用ペーストを再度印刷し、乾燥して正極活物質層を形成した。そして、PETフィルムを剥離して、固体電解質層/正極活物質層/正極集電体層/正極活物質層がこの順で積層された正極ユニットを作製した。
(負極ユニットの作製)
上記のようにして調製した固体電解質層形成用ペースト、負極活物質層形成用ペースト、負極集電体層形成用ペーストを用いて負極ユニットを作製した。
まずPETフィルム上に、固体電解質層形成用ペーストをドクターブレード法でシート状に形成し、乾燥して固体電解質層を形成した。次いで、その上に電極活物質層形成用ペーストを印刷し乾燥して、負極活物質層を形成した。次いで、その上にスクリーン印刷により集電体層形成ペーストを印刷し乾燥して、負極集電体層を形成した。さらに、その上にスクリーン印刷により電極活物質層形成用ペーストを再度印刷し、乾燥して負極活物質層を形成した。そして、PETフィルムを剥離して、固体電解質層/負極活物質層/負極集電体層/負極活物質層がこの順で積層された負極ユニットを作製した。
(全固体リチウムイオン二次電池の作製)
上記のようにして作製した正極ユニットと負極ユニットを、それぞれ交互に重ねて、正極ユニットと負極ユニットからなるグリーンシート積層体とし、同時焼成して焼結体を得た。同時焼成の温度は800℃とし、焼成時間は1時間とした。
そして、得られた焼結体の正極集電体層と負極集電体層のそれぞれにInGa電極ペーストを塗布し、乾燥して、正極集電体層に第1外部端子を、負極集電体層に第2外部端子を取り付けて、全固体二次電池を製造した。
[比較例7、8]
固体電解質として、比較例1、比較例4で作製した固体電解質粉末を用いたこと以外は、実施例33〜35と同様にして正極ユニットと負極ユニットを作製した。そして、この正極ユニットと負極ユニットを用いたこと以外は実施例33〜35と同様にして全固体二次電池を製造した。
[評価]
実施例33〜35と比較例7〜8で作製した全固体二次電池の充放電は、2μAの一定電流で行った。充電時ならびに放電時のカットオフ電圧はそれぞれ3.0Vならびに0Vとした。また、充電後ならびに放電後の休止時間は1分とした。その結果を表4に示す。
Figure 2020095776
実施例33から35の全固体二次電池において、高い放電容量を得ることが出来た。一方で、比較例7、8の全固体二次電池では低い放電容量の結果となった。
以上のように、本発明に係るリチウムイオン伝導性固体電解質は、固体電解質のリチウムイオン伝導度の向上に効果がある。また、それだけではなく、本発明に係るリチウムイオン伝導性固体電解質を用いた全固体二次電池は放電容量の向上に効果がある。
リチウムイオン伝導度の向上および高容量を提供することにより、特に、エレクトロニクスの分野で大きく寄与する。
1…第1電極層、正極層
1A…正極集電体層
1B…正極活物質層
2…第2電極層、負極層
2A…負極集電体層
2B…負極活物質層
3…固体電解質
4…積層体
5…第1外部端子
6…第2外部端子
10…全固体二次電池





















Claims (3)

  1. 一般式LiM12−bM23−cM312で表される主成分を含むことを特徴とする固体電解質。
    ただし、0<a≦3、0≦b<2、0<c<3、0≦x<0.5
    M1:2価以上の価数をもつ元素
    R:ZrまたはHf
    M2:Co,V,SnおよびBからなる群より選択される少なくとも一種
    M3:Si,B,V,Nb,MoおよびWからなる群より選択される少なくとも一種
  2. 前記固体電解質のM1がMg,Ca,Sr,Ba,Al,Ga,YおよびNbからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 請求項1〜2のいずれかの1項に記載の固体電解質を含有することを特徴とする全固体二次電池。



























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