JP6567341B2 - 防水改修方法及び防水改修構造 - Google Patents

防水改修方法及び防水改修構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6567341B2
JP6567341B2 JP2015128333A JP2015128333A JP6567341B2 JP 6567341 B2 JP6567341 B2 JP 6567341B2 JP 2015128333 A JP2015128333 A JP 2015128333A JP 2015128333 A JP2015128333 A JP 2015128333A JP 6567341 B2 JP6567341 B2 JP 6567341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
piece
existing
new
screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015128333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017008682A (ja
Inventor
敏浩 岸田
敏浩 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Homes Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Homes Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Homes Corp filed Critical Asahi Kasei Homes Corp
Priority to JP2015128333A priority Critical patent/JP6567341B2/ja
Publication of JP2017008682A publication Critical patent/JP2017008682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6567341B2 publication Critical patent/JP6567341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、防水改修方法及び防水改修構造に関する。
従来の防水構造として、例えば特許文献1に記載されているように、防水下地であるコンクリートスラブに対して固定板が配置され、当該固定板の上に防水シートが固定された構造が知られている。固定板の所定の位置には、ネジを挿通する通し孔が形成されている。
特開2011−52394号公報
上記従来の防水構造において、防水改修を行う場合には、既設の防水シートを介して既設の固定板の上に新規の固定板を重ねて配設し、当該新規の固定板の上方に新規の防水シートを重ね貼りすることがある。新規の固定板をネジ等で固定する際、例えば既設の固定板に予め形成された通し孔に挿通されたネジ等との干渉を避けるため、新規の固定板では、既設の固定板のネジ等とはずれた位置に設けられた通し孔を使用したり、別途、現場加工で新たな通し孔を設けたりする等の工夫をしなければ、新規の固定板の強固な固定は難しく、施工性が低下し易い。
本発明は、新規の固定板の強固な固定と施工性の向上とを両立する防水改修方法及び防水改修構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、建物外装面を構成する外装パネルに既設鋼板を介して貼着された既設防水シートに対し、新規防水シートを重ね貼りする防水改修方法であって、既設防水シートを介して既設鋼板と重なるように、既設防水シートの表面に対して新規鋼板を当接させる工程と、新規鋼板を当接させる工程の後に、ネジの先端部が新規鋼板を貫通してネジが既設鋼板に螺合可能となる位置までネジの頭部に打撃を加える工程と、打撃を加える工程の後に、ネジを回転させて締め込む工程と、ネジを回転させて締め込む工程の後に、ネジの頭部を覆うように新規防水シートを重ね貼りする工程と、を含む。
本発明に係る防水改修方法では、ネジの頭部に打撃を加え、ネジが既設鋼板に螺合可能となる位置まで到達させ、その後、ネジを回転して締め込むため、既設鋼板に対しネジの先端部が横滑りし難く、従来よりも施工の手間をかけずに既設鋼板に新規鋼板を固定することができる。さらに、ネジと既設鋼板とが互いに噛み合うように固定されるので、強固な固定を実現し易い。従って、この防水改修方法によれば、既設鋼板に対する新規鋼板の強固な固定と施工性の向上とを両立し易くなる。
本発明の打撃を加える工程において、ネジの先端部が既設鋼板を貫通するまで、ネジの頭部に打撃を加えてもよい。この場合、貫通によって先端部が既設鋼板に保持された状態となり、既設鋼板に対しネジの先端部がより横滑りし難いので、施工性の向上に有利である。
本発明に係る防水改修方法では、建物外装面は、外部床の周縁部に沿って立ち上がった立ち上がり面であって、立ち上がり面には、周縁部に沿って延在すると共に、底面及び側面を有する溝部が形成されており、既設鋼板は、溝部の底面に当接する第一片と、第一片の一端から屈曲して立ち上がり、溝部の側面に当接する第二片と、第一片の他端から第二片が屈曲する方向とは反対側に屈曲して立ち上がり面に当接する第三片と、を有し、新規鋼板は、第四片と、第四片の一端から屈曲する第五片と、を有し、新規鋼板を当接させる工程において、新規鋼板の第四片を、既設鋼板の第一片に当接させると共に、新規鋼板の第五片を、既設防水シートを介して既設鋼板の第三片と重なるように既設防水シートの表面に当接させてもよい。この場合、新規鋼板の第四片が、溝部の底面に当接する既設鋼板の第一片に当接されることにより、既設鋼板の第一片を介し、床下地の周縁部に沿って延在する溝部の底面に係止される。この状態となった後で、ネジの頭部に打撃が加えられるため、打撃により新規鋼板の位置が鉛直方向にずれることを防止することができ、精度良く新規鋼板を固定することができる。
また、本発明は、建物外装面を構成する外装パネルに既設鋼板を介して貼着された既設防水シートに対し、新規防水シートが重ね貼りされた防水改修構造であって、既設防水シートを介して既設鋼板と重なるように、既設防水シートの表面に対して当接された新規鋼板と、既設鋼板と新規鋼板とを結合するネジと、既設防水シートに対し、ネジの頭部を覆うように重ね貼りされた新規防水シートと、を備え、ネジは、既設鋼板を貫通した先端部と、既設鋼板に螺合する軸部と、既設鋼板と螺合可能となる位置まで打撃を加えられた頭部と、を有する。
この防水改修構造は、上述の防水改修方法によって実現でき、施工性の向上を実現した結果であると共に、既設鋼板に対する新規鋼板の強固な固定を実現できる。
本発明によれば、既設鋼板に対する新規鋼板の強固な固定と施工性の向上とを両立し易くなる。
本発明の一実施形態に係る防水改修方法によって防水改修される前の既設の防水構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係る防水改修方法によって防水改修された後の改修構造の断面図である。 図1の既設の防水構造に対して防水改修を行う工程を示す概念図である。 図1の既設の防水構造に対して防水改修を行う工程を示す概念図である。 ネジが既設鋼板に対して螺合可能となる位置の一例を示す概念図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る防水改修方法は、例えばALCパネル等の外装パネルで外壁を構成した鉄骨住宅に適用される。本実施形態に係る防水改修方法は、建物外装面を構成するALCパネルに既設鋼板を介して貼着された既設防水シートに対し、新規防水シートを重ね貼りする防水改修方法である。
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態に係る防水改修方法によって防水改修される前の既設の防水構造1と、本実施形態に係る防水改修方法によって防水改修された後の防水改修構造1Aについて説明する。なお、図3の(a)は、図1の既設の防水構造の一部を拡大して示しており、図4の(f)は、図2の防水改修構造の一部を拡大して示している。
まず、図1を参照して、改修前の既設の防水構造1について説明する。図1に示すように、防水構造1は、ベランダ又は陸屋根等の建物の外部床2の周縁部2aに沿って立ち上がるパラペット3に、既設防水シート20が配設された構造である。
防水構造1は、外部床2と、パラペット3と、既設防水シート20とを有している。外部床2は、鉄骨梁9によって支持された床下地4と、床下地4上で二層に敷設された断熱材11,12と、断熱材12上に敷設された断熱材押さえ板13と、を有している。
床下地4は、平坦な面を有している。床下地4は、外部床2の自重、又は外部床2に作用する積載荷重等を受けて、鉄骨梁9を含む架構へ伝達する。床下地4は、例えば断面H字状の鉄骨梁9に架け渡された複数の床パネル6と、パラペット3を構成する外壁パネル10と床パネル6との間の隙間に充填された目地モルタル8と、を含んで構成されている。目地モルタル8は、床下地4の周縁部に対応する。床パネル6は、例えばALC(軽量気泡コンクリート)パネルである。床パネル6は、長方形状を有している。床パネル6の内部の略直方体状の領域6a(図1のに点鎖線参照)が、上下二段に配設された井桁状の補強鉄筋で囲まれている。
断熱材11,12は、建物内の温熱環境を改善する機能を有する。断熱材11,12は、板状に形成された発泡プラスチック系の断熱材である。断熱材11,12は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、又はポリエチレンフォーム等によって形成される。断熱材11,12は、床下地4に対して略全面的に敷設されている。断熱材11,12は、ネジ16によって床下地4に対し固定されている。
断熱材押さえ板13は、断熱材11,12を押さえると共に、既設防水シート20を固定するための下地である。断熱材押さえ板13としては、各種の材料を用いることができる。断熱材押さえ板13としては、粘りがあり、面剛性の高い材料が適している。これは、負圧が作用する等によって断熱材押さえ板13に対し上向きの力が作用した場合に、ネジによって固定された部分が破壊されること(ネジ抜け)を抑制するためである。断熱材押さえ板13は、断熱材12の上面に略全面的に敷設されている。断熱材押さえ板13は、ネジ16によって床下地4に対し固定されているため、断熱材12と断熱材押さえ板13との間には、接着剤は用いられていない。
パラペット3は、外部床2の周縁部2aの下方に位置する鉄骨梁9及び目地モルタル8に沿って起立した外壁パネル10により構成されている。外壁パネル10は、例えばALC(軽量気泡コンクリート)パネルである。外壁パネル10は、外部床2の上方に一定の長さで突出している。パラペット3は、床下地4の周縁部に位置する目地モルタル8に沿って立ち上がった内側面3a(立ち上がり面)を有している。
パラペット3の内側面3aには、外部床2の上面から所定の高さ位置において、床下地4の周縁部に沿って水平方向に延在する溝部5が形成されている。溝部5は、内側面3aが断面略コ字状に切り欠かれて形成されている。パラペット3の内側面3aには、溝部5に沿うように、断面略Z字状を有する既設鋼板18が配設されている。また、溝部5には、ポリウレタン系等の粘性材料で形成されたシーリング7が打設されている。なお、溝部5付近の構成の詳細は、図3の(a)を参照して後述する。
既設防水シート20は、外部床2の全面を覆うと共に、外部床2の周縁からパラペット3の内側面3aにおける所定の高さまでを覆っている。所定の高さとは、例えば内側面3aにおける溝部5の近傍の高さである。これにより、既設防水シート20は、外部床2の防水層を形成している。既設防水シート20は、例えば塩化ビニルシート、加硫ゴムシート、アスファルトシート、又はオレフィンシート等により形成されている。
既設防水シート20の端部20aは、溝部5に配設された既設鋼板18と固定されており、既設鋼板18は、後述のネジ部材19によってパラペット3に固定されている。すなわち、既設防水シート20の端部20aは、既設鋼板18を介してパラペット3に固定されている。既設鋼板18は、例えば表面に塩ビコーティングが施されている。既設鋼板18の表面には、溶剤を用いた溶着又は加熱による融着等によって、既設防水シート20の端部20aが接着されている。また、既設防水シート20は、断熱材押さえ板13の上面の略全面と、外部床2の周縁部2aから立ち上がっている内側面3aとに対し、接着剤17によって密着されている。
接着剤17としては、粘性を有する接着剤、すなわち粘着剤が用いられる。例えば、接着剤17としては、ネオプレーンゴム系、ニトリルゴム系、アクリルゴム系、ブチルゴム系、ウレタンゴム系、又はゴムアスファルト系等の接着剤を用いることができる。また、接着剤17として、粘性を有しない(硬化する)接着剤、例えばエポキシ系、アクリル系、又はウレタン系等の接着剤を用いてもよい。
ここで、溝部5周辺の構成の詳細を、図3の(a)を参照して説明する。図3の(a)は、既設の防水構造1における溝部5周辺を拡大して示す図である。図3の(a)に示すように、溝部5は、底面5aと、側面5bと、上面5cとを有している。既設鋼板18は、溝部5における側面5b及び底面5aと、パラペット3の内側面3aとに沿って配設されている。
具体的に、既設鋼板18は、水平片21(第一片)と、垂直片22(第二片)と、垂直片23(第三片)と、を有している。水平片21は、溝部5の底面5aに当接している。垂直片22は、水平片21の一端21aから屈曲して立ち上がっている。垂直片22は、溝部5の側面5bに当接している。垂直片23は、水平片21の他端21bから屈曲して垂れ下がっている。垂直片23は、パラペット3の内側面3aと当接している。垂直片22と垂直片23とは、水平片21に対して略直交する方向で且つ互いに反対方向に向かって屈曲している。垂直片23の表面23aには、既設防水シート20の端部20aが、上述したように溶剤を用いた溶着又は加熱による融着等によって接着されている。
既設鋼板18には、通し孔18aが予め形成されている。既設鋼板18は、通し孔18aに挿通されたネジ部材19によって、パラペット3の内側面3aに固定されている。ネジ部材19は、プラグ部19aと、ネジ部19bと、を有している。ネジ部材19としては、例えばフィッシャープラグが用いられる。以上によって、改修前の既設の防水構造1が構成される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る防水改修方法による改修後の防水改修構造1Aについて説明する。既設の防水構造1においては、経年劣化等により、例えば数十年後に防水改修が必要とされる。図2に示すように、防水改修構造1Aは、図1に示す既設の防水構造1に対し、本実施形態に係る防水改修方法により、既設防水シート20の上から新規防水シート40を増し貼りし、防水層を改修した構造である。
防水改修構造1Aは、既設の防水構造1の構成に加え、新規鋼板30と、新規防水シート40とを有している。また、防水改修構造1Aの溝部5には、既設のシーリング7に代えて、新規のシーリング7Aが打設されている。新規のシーリング7Aは、既設のシーリング7と同様、ポリウレタン系の粘性材料で形成されている。
新規鋼板30は、断面略L字状を有しており、溝部5に配設された既設鋼板18に対し、ネジ36によって固定されている。なお、溝部5付近の構成の詳細は、図4の(f)を参照して後述する。
新規防水シート40は、既設防水シート20に重ね貼りされている。新規防水シート40は、既設防水シート20を介し、外部床2の全面を覆うと共に、外部床2の周縁からパラペット3の内側面3aにおける所定の高さまでを覆っている。所定の高さとは、例えば溝部5の近傍の高さである。これにより、新規防水シート40は、外部床2の防水層を形成している。新規防水シート40は、既設防水シート20と同様、例えば塩化ビニルシート、加硫ゴムシート、アスファルトシート、又はオレフィンシート等により形成されている。
新規防水シート40の端部40aは、溝部5に配設された新規鋼板30と固定されている。新規鋼板30は、例えば表面に塩ビコーティングが施されている。新規鋼板30の表面には、溶剤を用いた溶着又は加熱による融着等によって、新規防水シート40の端部40aが接着されている。また、新規防水シート40は、既設防水シート20に対し、接着剤15によって密着されている。接着剤15としては、接着剤17と同様の粘着剤が用いられる。
ここで、溝部5周辺の構成の詳細を、図4の(f)を参照して説明する。図4の(f)は、防水改修構造1Aにおける溝部5周辺を拡大して示す図である。図4の(f)に示すように、新規鋼板30は、既設鋼板18の水平片21と、既設鋼板18の垂直片23上に位置する既設防水シート20と、に沿って配設されている。
具体的に、新規鋼板30は、水平片31(第四片)と、垂直片32(第五片)と、を有している。水平片31は、既設鋼板18の水平片21の表面21cに当接している。垂直片32は、水平片31の一端31aから屈曲している。垂直片32は、既設防水シート20を介して既設鋼板18の垂直片23と重なるように、既設防水シート20の端部20aの表面20cに当接している。垂直片32の表面32aには、新規防水シート40の端部40aが、上述したように溶剤を用いた溶着又は加熱による融着等によって接着されている。
新規鋼板30には、通し孔30aが予め形成されている。通し孔30aは、既設鋼板18の通し孔18aに挿通されたネジ部材19との干渉を避ける位置に形成されている。すなわち、通し孔30aは、既設鋼板18に対し新規鋼板30を当接させた状態で既設鋼板18の通し孔18aと重ならないような位置に形成されており、例えば通し孔18aよりも下方に位置している。新規鋼板30は、通し孔30aに挿通されたネジ36によって、既設鋼板18及びパラペット3の内側面3aに固定されている。
ネジ36は、既設鋼板18と新規鋼板30とを結合する。ALC用のネジに対し、熱処理によって硬度を増して形成されている。ネジ36は、頭部36aと、ALCパネル用にネジ山が高く形成された軸部36bと、先端部36cと、を有している。先端部36cは、例えば尖った形状を有している。また、先端部36cには、切刃が形成されていてもよい。ネジ36は、例えばタッピングネジ、又はドリルネジ等である。既設鋼板18には、ネジ36用の通し孔は形成されていない。ネジ36の頭部36aに打撃が加えられることにより、既設鋼板18の外側から既設鋼板18に対してネジ36が打ち込まれる。これにより、ネジ36の先端部36cは新規鋼板30を貫通し、ネジ36は、既設鋼板18に螺合可能な位置まで到達する。
螺合可能な位置とは、ネジ36と既設鋼板18とが少なくとも係合する位置である。図5は、ネジ36が既設鋼板18に対して螺合可能となる位置の一例を示す概念図である。螺合可能な位置とは、具体的には、図5に示すように、ネジ36の先端部36cが既設鋼板18の垂直片23を貫通するまでには至らなくても、ネジ36の先端部36cによって形成された垂直片23の窪み部24とネジ36の軸部36bのネジ山とが噛み合う位置である。なお、螺合可能な位置とは、先端部36cにネジ山が形成されている場合には垂直片23の窪み部24と先端部36cのネジ山とが噛み合う位置であってもよい。
そして、このようにネジ36が既設鋼板18に螺合可能となった状態において、電動ドリル等でネジ36が締め込まれている。これにより、既設鋼板18には、嵌合孔18bが形成されている。嵌合孔18bは、ネジ36が既設鋼板18に打ち込まれるによって形成されているため、予め形成された通し孔よりもネジ36との間の空隙が少ない。ネジ36は、嵌合孔18bに対し緊密に挿嵌され、噛み合った状態で締め込まれている。すなわち、既設鋼板18とネジ36とが互いに噛み合うように強固に固定されている。
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る防水改修方法の各工程について詳細に説明する。図3及び図4は、図1の既設の防水構造1に対して防水改修を行う工程を示す概念図である。図3の(a)に示すように、防水改修前の既設の防水構造1の溝部5には、シーリング7が打設されている。この防水構造1に対して本実施形態に係る防水改修方法を行う場合、まず図3の(b)に示すように、シーリング7の除去を行う。続いて、図3の(c)に示すように、新規鋼板30を、既設鋼板18の水平片21の表面21cと、既設防水シート20の端部20aの表面20cと、に沿うように配置する。すなわち、既設防水シート20を介して既設鋼板18と重なるように、既設防水シート20の表面20c(すなわち既設鋼板18との接着面とは反対側の表面)に対して新規鋼板30を当接させる。そして、ネジ36が新規鋼板30を貫通するように、ネジ36を新規鋼板30の通し孔30aに挿通させ、ネジ36の頭部36aに玄能等によって打撃を加える。
ネジ36の頭部36aに打撃が加えられることにより、図4の(d)に示すように、ネジ36の先端部36cが新規鋼板30を貫通してネジ36が既設鋼板18に螺合可能となる位置までネジ36が打ち込まれる。例えば、ネジ36の先端部36cが少なくとも既設鋼板18に差し込まれた状態となっている。本実施形態では、図示するように、ネジ36の先端部36cが既設鋼板18を貫通するまでネジ36の頭部36aに打撃が加えられる。これにより、ネジ36の先端部36cが既設鋼板18に対し保持される。なお、ネジ36の頭部36aへの打撃によってネジ36の先端部36cが既設鋼板18を貫通するまでには至らなくてもよく、例えば図5に示すように、ネジ36の先端部36cによって形成された既設鋼板18の窪み部24とネジ36のネジ山とが噛み合う状態となっていてもよい。続いて、ネジ36の先端部36cが既設鋼板18に対し保持された状態において、図4の(e)に示すように、電動ドリル等によってネジ36が回転されて締め込まれる。これにより、既設鋼板18には、ネジ36の軸部36bと噛み合う嵌合孔18bが形成されて、ネジ36の軸部36bが既設鋼板18と螺合する。すなわち、ネジ36と既設鋼板18とが互いに強固に固定される。
続いて、図4の(f)に示すように、既設鋼板18に対し、ネジ36の頭部36aを覆うように新規防水シート40が重ね貼りされる。新規防水シート40の端部40aは、垂直片32の表面32aに対し、上述したように溶剤を用いた溶着又は加熱による融着等によって接着される。新規防水シート40は、既設防水シート20に対し、接着剤15によって密着される。これにより、外部床2の防水層が形成され、防水改修が完了し、防水改修構造1Aが構成される。
次に、本実施形態に係る防水改修方法及び防水改修構造1Aの作用及び効果について、従来技術と比較して説明する。
従来、防水構造において防水改修を行う場合には、既設の防水シートを介して既設鋼板の上方に新規鋼板を重ねて、当該新規鋼板の上に新規の防水シートを重ね貼りすることがある。新規の固定板をネジ等で固定する際、例えば既設の固定板に予め形成された通し孔に挿通されたネジ等との干渉を避けるため、新規の固定板では、既設の固定板のネジ等とはずれた位置に設けられた通し孔を使用したり、別途、現場加工で新たな通し孔を設けたりする等の工夫をしなければ、新規の固定板の強固な固定は難しく、施工性が低下し易かった。
例えば、従来の防水改修における施工では、まず、ハンマードリルによって既設鋼板及び新規鋼板の両方を貫通し、さらにALCパネルによって構成されるパラペットに通し孔を形成する。続いて、十分な固定強度を保つことを目的として、パラペットに形成された通し孔にエポキシ接着剤を注入する。続いて、エポキシ接着剤が注入された通し孔にネジ部材を差し込み、ハンマーで軽く打ち込む。続いて、電動ドリルによりプラグビス等のネジ部材を回転して締め込む。以上のように、十分な固定強度を保つように既設鋼板を固定するためには、まず既設鋼板及び新規鋼板の両方に通し孔を形成し、形成された通し孔にエポキシ接着剤を注入する等の多くの手間がかかっており、施工性が良くなかった。
この問題に対し、本実施形態に係る防水改修方法によれば、ネジ36の頭部36aに打撃を加え、ネジ36が既設鋼板18に螺合可能となる位置まで到達させ、その後、ネジ36を回転して締め込むため、既設鋼板18に対しネジ36の先端部36cが横滑りし難く、従来よりも施工の手間をかけずに既設鋼板18に新規鋼板30を固定することができる。さらに、ネジ36と既設鋼板18とが互いに噛み合うように固定されるので、強固な固定を実現し易い。従って、この防水改修方法によれば、既設鋼板18に対する新規鋼板30の強固な固定と施工性の向上とを両立し易くなる。
さらに、本実施形態では、打撃を加える工程において、ネジ36の先端部36cが既設鋼板18を貫通するまで、ネジ36の頭部36aに打撃が加えられるため、貫通によって先端部36cが既設鋼板18に保持された状態となり、既設鋼板18に対しネジ36の先端部36cがより横滑りし難いので、施工性の向上に有利である。なお、ネジ36は、ALC用のネジに対し、熱処理によって硬度を増して形成されているため、既設鋼板18を貫通するのに好適である。また、ネジ36は、ALC用にネジ山が高く形成された軸部36bを有することにより、パラペット3を構成するALCパネルに対し適切な施工が可能である。さらに、ネジ36の先端部36cが尖った形状であるため、既設鋼板18を貫通するのに好適である。また、ネジ36の先端部36cに切刃が形成されている場合には、既設鋼板18をより貫通し易くすることができる。
また、本実施形態では、新規鋼板30の水平片31が、溝部5の底面5aに当接する既設鋼板18の水平片21に当接されることにより、既設鋼板18の水平片21を介し、床下地4の周縁部に沿って延在する溝部5の底面5aに係止される。この状態となった後で、ネジ36の頭部36aに打撃が加えられるため、打撃により新規鋼板30の位置が鉛直方向にずれることを防止することができ、精度良く新規鋼板30を固定することができる。
また、本実施形態では、既設鋼板18が断面略Z字状を有している一方、新規鋼板30が断面略L字状を有している。すなわち、既設鋼板18は、既設防水シート20を固定するための垂直片23と、溝部5からの水の浸入を防ぐための垂直片22とを有するのに対し、新規鋼板30は、新規防水シート40を固定するための垂直片32を有している一方、溝部5からの水の浸入を防ぐための垂直片を有していない。これは、既設鋼板18の垂直片22によって既に溝部5からの水の浸入を防ぐことができているため、同様の機能を有する垂直片を新規鋼板に形成する必要がないためである。このように、新規鋼板30には溝部5からの水の浸入を防ぐための垂直片が形成されていないため、溝部5の底面5aに新規鋼板30の水平片31を当接し易く配設が容易であると共に、溝部5付近の納まりも良くすることができる。
また、本実施形態に係る防水改修構造1Aによれば、既設鋼板18は、ネジ36と噛み合う嵌合孔18bを有しているため、ネジ36と既設鋼板18とが互いに噛み合うように固定され、十分な固定強度を保つことができる。よって、この防水改修構造1Aは、上述の防水改修方法によって実現でき、施工性の向上を実現した結果であると共に、既設鋼板18に対する新規鋼板30の強固な固定を実現できる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、パラペット3の内側面3aにおける防水改修方法を説明したが、これに限られず、本発明に係る防水改修方法は、種々の建物外装面に適用可能である。
上記実施形態では、ネジ36の頭部36aに打撃が加えられる工程において、ネジ36の先端部36cが既設鋼板18を貫通するまでネジ36の頭部36aに打撃が加えられているが、これに限られない。当該工程においては、ネジ36が少なくとも既設鋼板18と螺合可能となる位置までネジ36の頭部36aに打撃が加えられていればよい。
上記実施形態では、新規鋼板30には通し孔30aが形成されているが、通し孔30aが形成されていなくてもよく、ネジ36の頭部36aに打撃が加えられることにより新規鋼板30にネジ36が螺合する孔が空けられてもよい。この場合、例えばネジ36の頭部36aに打撃が加えられる工程において、ネジ36の先端部36cが新規鋼板30を貫通し且つ少なくとも既設鋼板18にネジ36が螺合可能となる位置まで打撃が加えられてもよい。そして、これによりネジ36が保持された状態で、ネジ36が締め込まれてもよい。このように、ネジ36の頭部36aに打撃が加えられることによって新規鋼板30を貫通した状態でネジ36が締め込まれる場合、既設鋼板18に対してだけでなく新規鋼板30に対してもネジ36が噛み合うように固定されるため、固定強度をより高めることができる。
2…外部床、3a…内側面(立ち上がり面)、5…溝部、5a…底面、5b…側面、8…目地モルタル(周縁部)、18…既設鋼板、18b…嵌合孔、20…既設防水シート、20c…表面、21…水平片(第一片)、21a…一端、21b…他端、22…垂直片(第二片)、23…垂直片(第三片)、30…新規鋼板、31…水平片(第四片)、31a…一端、32…垂直片(第五片)、36…ネジ、36a…頭部、36c…先端部、40…新規防水シート。

Claims (3)

  1. 建物外装面を構成する外装パネルに既設鋼板を介して貼着された既設防水シートに対し、新規防水シートを重ね貼りする防水改修方法であって、
    前記既設防水シートを介して前記既設鋼板と重なるように、前記既設防水シートの表面に対して新規鋼板を当接させる工程と、
    前記新規鋼板を当接させる工程の後に、ネジを用いて前記既設鋼板と前記新規鋼板とを結合する工程と
    前記結合する工程の後に、前記ネジの頭部を覆うように新規防水シートを重ね貼りする工程と、を含み、
    前記建物外装面は、外部床の周縁部に沿って立ち上がった立ち上がり面であって、
    前記立ち上がり面には、前記周縁部に沿って延在すると共に、底面及び側面を有する溝部が形成されており、
    前記既設鋼板は、前記溝部の前記底面に当接する第一片と、前記第一片の一端から屈曲して立ち上がり、前記溝部の前記側面に当接する第二片と、前記第一片の他端から前記第二片が屈曲する方向とは反対側に屈曲して前記立ち上がり面に当接する第三片と、を有し、
    前記新規鋼板は、第四片と、前記第四片の一端から屈曲する第五片と、を有し、
    前記新規鋼板を当接させる工程において、
    前記新規鋼板の前記第四片を、前記既設鋼板の前記第一片に当接させると共に、前記新規鋼板の前記第五片を、前記既設防水シートを介して前記既設鋼板の前記第三片と重なるように前記既設防水シートの前記表面に当接させる防水改修方法。
  2. 前記結合する工程において、前記ネジの先端部が前記既設鋼板を貫通するまで、前記ネジの頭部に打撃を加える、請求項1に記載の防水改修方法。
  3. 建物外装面を構成する外装パネルに既設鋼板を介して貼着された既設防水シートに対し、新規防水シートが重ね貼りされた防水改修構造であって、
    前記既設防水シートを介して前記既設鋼板と重なるように、前記既設防水シートの表面に対して当接された新規鋼板と、
    前記既設鋼板と前記新規鋼板とを結合するネジと、
    前記既設防水シートに対し、前記ネジの頭部を覆うように重ね貼りされた新規防水シートと、を備え、
    前記建物外装面は、外部床の周縁部に沿って立ち上がった立ち上がり面であって、
    前記立ち上がり面には、前記周縁部に沿って延在すると共に、底面及び側面を有する溝部が形成されており、
    前記既設鋼板は、前記溝部の前記底面に当接する第一片と、前記第一片の一端から屈曲して立ち上がり、前記溝部の前記側面に当接する第二片と、前記第一片の他端から前記第二片が屈曲する方向とは反対側に屈曲して前記立ち上がり面に当接する第三片と、を有し、
    前記新規鋼板は、第四片と、前記第四片の一端から屈曲する第五片と、を有し、
    前記新規鋼板の前記第四片は、前記既設鋼板の前記第一片に当接すると共に、前記新規鋼板の前記第五片は、前記既設防水シートを介して前記既設鋼板の前記第三片と重なるように前記既設防水シートの前記表面に当接している、防水改修構造。
JP2015128333A 2015-06-26 2015-06-26 防水改修方法及び防水改修構造 Active JP6567341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015128333A JP6567341B2 (ja) 2015-06-26 2015-06-26 防水改修方法及び防水改修構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015128333A JP6567341B2 (ja) 2015-06-26 2015-06-26 防水改修方法及び防水改修構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017008682A JP2017008682A (ja) 2017-01-12
JP6567341B2 true JP6567341B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=57763400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015128333A Active JP6567341B2 (ja) 2015-06-26 2015-06-26 防水改修方法及び防水改修構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6567341B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10331344A (ja) * 1997-05-28 1998-12-15 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd 防水層張設構造
JP2001059315A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Sekisui House Ltd 外部床の防水構造
JP4608130B2 (ja) * 2001-05-28 2011-01-05 アーキヤマデ株式会社 防水シート設置構造
JP5313832B2 (ja) * 2009-10-05 2013-10-09 アーキヤマデ株式会社 防水層改修方法及び防水構造
JP5407981B2 (ja) * 2010-03-29 2014-02-05 住友ベークライト株式会社 防水シートの敷設方法及び防水構造
CN101994399B (zh) * 2010-10-30 2012-09-26 河南国基建设集团有限公司 卷材防水屋面渗漏修缮的施工方法
JP2013036321A (ja) * 2011-07-08 2013-02-21 Asahi Kasei Homes Co 防水構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017008682A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6124325B2 (ja) 防水シートの固定構造および固定方法
JP2019007327A (ja) 建物の壁構造、取付装置及び板材の施工方法
JP2016196809A (ja) 防水構造
JPH09151574A (ja) 防水シート固定用ボード及び防水シートを固定するための下地構造、並び防水シートの機械的固定方法
JP2009084896A (ja) 外壁施工構造
JP6567341B2 (ja) 防水改修方法及び防水改修構造
JP5618487B2 (ja) 外断熱防水構造
JP2020133193A (ja) 建物屋上の断熱構造、及び建物屋上の断熱防水構造
JP6335424B2 (ja) 支持架台用設置構造及びその設置工法並びに支持架台
JP6405137B2 (ja) 仮防水構造および仮防水工法
JP7249182B2 (ja) 防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材
JP4236196B2 (ja) 折板屋根用発泡樹脂断熱ボードの施工方法
JP6983465B2 (ja) シート防水構造の改修構造およびシート防水構造の改修方法
JP6986829B2 (ja) 屋上防水施工方法
JP5586389B2 (ja) 屋上におけるドレン周辺部およびその施工方法
JP5358477B2 (ja) 防水シート施工構造及びその施工方法
JP5926985B2 (ja) 鉄骨造建築物の補強方法及び鉄骨造建築物
JP6485765B2 (ja) 太陽電池モジュール用取付け具の固定構造および太陽電池モジュール用取付け具の固定方法
JP2018013026A (ja) 断熱防水構造、断熱施工具、および断熱防水工法
KR101446561B1 (ko) 지붕 구조물의 지붕시트 배치구조
JP2002227364A (ja) パラペットの防水構造
JP7274248B2 (ja) 防水構造、施工方法
JP6055722B2 (ja) 避難ハッチの取付け構造
JP7363514B2 (ja) 化粧幕板材、外壁補修構造及び外壁材の補修方法
JP2011153406A (ja) 下地用断熱桟木及び桟木用断熱材と桟木の断熱構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6567341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150