JP7249182B2 - 防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材 - Google Patents

防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材 Download PDF

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Description

本開示は、防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材に関するものである。
従来、建物の屋上の防水屋根構造としては、屋上に防水シートを敷き、その外周のパラペット部分を、鋼板製の部材で覆う構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述のようなパラペットを有した防水屋根構造において、積雪が多い地方などでは、パラペット部分および防水シートの劣化が早い場合がある。このような場合、既存の防水シートの上に、新規の防水シートを施工して補修を行うことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002-227364号公報 特開2017-66859号公報
上述のような従来技術において、補修の際には、防水シートの周囲に設けられた鋼板製の部材は、新規の部材に交換していた。このため、コストおよび手間がかかっていた。
本開示は、コストおよび作業の手間を削減可能な防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびこれらに用いるシール補強部材を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本開示の防水屋根構造は、建物の屋根の平坦部の周囲に設けられたパラペットと、前記パラペットの天端部から前記平坦部にかけて設けられた軒樋部材と、前記平坦部を覆って設けられた防水シートと、を備え、前記軒樋部材と前記防水シートとを覆って、第2の防水シートが設けられている防水屋根構造とした。
また、本開示の防水屋根構造の補修方法は、建物の屋根の平坦部の周囲に設けられたパラペットと、前記パラペットの天端部から前記平坦部にかけて設けられた軒樋部材と、前記平坦部を覆って設けられた防水シートと、を備えた防水屋根構造の補修方法である。そして、前記軒樋部材と前記平坦部を第2の防水シートで覆い、前記軒樋部材と前記第2の防水シートとを前記接着剤で接着する工程を備える。
また、本開示のシール補強部材は、パラペットの天端部に取り付けられた軒樋部材の端部と、前記パラペットの屋外側の側部上端部とを覆うのに用いるシール補強部材である。そして、前記軒樋部材の端部を上方から覆う水平部と、前記水平部の取り付け時に屋外側に配置される端部から垂下された垂下部と、前記水平部と前記垂下部とによるコーナ部の裏面に設けられて、取付時に前記パラペットの天端部と前記側部上端部とに圧接可能な弾性を有した防水材と、を備える。
本開示の防水屋根構造および防水屋根構造の補修方法では、コストおよび作業の手間を削減可能である。また、本開示のシール補強部材は、本開示の防水屋根構造および防水屋根構造の補修方法に用いることができる。
実施の形態1の防水屋根構造を適用したのユニット建物を示す斜視図である。 実施の形態1の防水屋根構造を示す断面図である。 実施の形態1の防水屋根構造における補修前の防水屋根構造を示す一部を切断した状態の斜視図である。 実施の形態1の防水屋根構造を示す一部を切断した状態の斜視図である。 図1のイ部を示す断面図であって、シール補強部材が設けられた部位の断面図である。 図1のイ部を示す断面図であって、シール補強部材の継ぎ目の部位の断面図である。 図1のロ部を示す断面図である。
以下、本開示による防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材を実現する実施の形態を、図面に基づいて説明する。
実施の形態1の防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材は、複数の建物ユニットを結合して構築された図1に示すユニット建物1に適用されている。
[ユニット建物の説明]
まず、ユニット建物1について説明する。
ユニット建物1は、基礎2の上に複数の下階の建物ユニット3が設置され、複数の下階の建物ユニット3の上に、複数の上階の建物ユニット4が設置され、複数の上階の建物ユニット4の上に屋根10が設置された構造となっている。そして、屋根10は、平坦部Aと、平坦部Aの外周縁部に設けられ、平坦部Aよりも高くなったパラペット30と、を備える。
なお、建物ユニット3,4は、隅角部に配置される角形鋼管から成る柱と、柱の下端部間を連結した溝形鋼から成る床大梁と、柱の上端部間を連結した溝形鋼から成る天井大梁と、からなる骨組構造体である。
[屋根の構造の説明]
次に、屋根10の構造について図2に基づいて説明する。図2に示す屋根10の構造は、既存の屋根10に補修を施した状態を示している。そこで、以下の説明では、まず、既存のユニット建物1の屋根10およびパラペット30の構造について説明し、その後、補修の手順および補修後の屋根10の構造を説明する。
屋根10は、建物ユニット4の上部に対向して設けられた天井大梁11の間に、複数の屋根小梁12が平行に掛け渡されている。屋根小梁12の端部には、取付金具14が設けられており、取付金具14がスペーサ15を介して、天井大梁11にボルトで固定されている。
そして、屋根小梁12の上に、軽量気泡コンクリート板13が設置されている。また、軽量気泡コンクリート板13の端部には、補強金物17が設けられており、補強金物17がスペーサ15にボルトで固定されている。また、補強金物17の上部の屋外側端部には、断面L字状のプレート部材17aがパラペット30に沿って設けられている。なお、図2において矢印OUTの方向が屋外方向を示し、矢印INの方向が屋内方向を示す。
軽量気泡コンクリート板13と補強金物17およびプレート部材17aの上面により、屋根10の平坦部Aが形成されている。さらに、軽量気泡コンクリート板13と補強金物17およびプレート部材17aの上面には、防水層として塩化ビニルシート18が設けられていれる。以下、塩化ビニルシートは、他の塩化ビニルシートを含み塩ビシートという。
[パラペットの説明]
次に、パラペット30の構造について説明する。
既存の屋根10のパラペット30は、屋外側の化粧板25と、屋内側の軒樋部材50とを備える。
化粧板25は、取付金具23に固定されたアーム部材24に支持されて屋根10の外周を囲むように化粧板25が取り付けられている。なお、取付金具23は、天井大梁11の屋外側に突出した状態で、基端部が天井大梁11にボルトで固定されている。アーム部材24は、取付金具23の先端に取り付けられ、取付金具23から斜め上方に突出されている。
そして、化粧板25の上面25a(図3参照)は、パラペット30の庇天端部Cとされている。さらに、庇天端部Cと平坦部Aとに跨って側溝部Bが設けられている。この側溝部Bは、パラペット30の屋内側に沿って設けられた塩化ビニル鋼板製の軒樋部材50により形成されている。
軒樋部材50は、図3に示すように、化粧板25の上面25aに重なる上部平坦部51と、補強金物17の上面に重なる下部平坦部52と、両平坦部51、52に連続して形成され両平坦部51、52の間で略しの字状の溝を形成する溝形成部53とを備える。なお、両平坦部51,52は、リベットやビスなどで、それぞれ、化粧板25と、補強金物17のプレート部材17aとに固定されている。
以上説明した屋根10の構造に基づいて、屋根10の平坦部Aは、塩ビシート18により防水し、側溝部Bは、軒樋部材50により防水することができる。
[新規の防水屋根構造の説明]
次に、上述の既存の屋根10において、経時劣化などに対応して補修する場合の、補修後の防水屋根構造について説明する。なお、この補修後の構造として説明する防水構造は、補修する以外にも、例えば、豪雪地帯などにおいて、既存の構造として説明した通常の防水構造よりも防水性能を高めたい場合にも適用することができる。
この補修を行う場合、平坦部Aの既存の塩ビシート18の上に絶縁シート60を敷設し、パラペット30の庇天端部Cにシール補強部材70を取り付け、シール補強部材70、軒樋部材50および絶縁シート60を第2の塩ビシート200で覆う。
そこで、以下に絶縁シート60の敷設の工程、シール補強部材70の取り付けの工程、第2の塩ビシート200の敷設の工程の順で説明する。
まず、絶縁シート60の敷設の工程について説明する。
この場合、まず、平坦部Aにおいて軽量気泡コンクリート板13が設置された領域において既存の塩ビシート18の上に絶縁シート60を敷設する。この絶縁シート60は、例えば、ポリエチレン系のシートにより形成されたもので、その外周縁部には、上側から絶縁シート60の全周を押さえる金属あるいは樹脂製の帯状のプレート材61が設けられている。そして、絶縁シート60は、塩ビシート18を貫通して軽量気泡コンクリート板13にアンカプラグ62、ビス63、ディスク板64を用いて固定される。
すなわち、アンカプラグ62を軽量気泡コンクリート板13に打ち込み、ディスク板64を絶縁シート60の上に乗せた状態で、ビス63をディスク板64に挿通させてアンカプラグ62に打ち込むことにより、絶縁シート60をディスク板64で押さえ付けて固定する。また、絶縁シート60においてプレート材61が設けられている部位は、ディスク板64はプレート材61の上に配置する。なお、ディスク板64は、金属製の円盤状のプレートであり、後述する第2の塩ビシート200を溶着するのに使用する。
次に、シール補強部材70の取り付けの工程について説明する。
シール補強部材70は、図5A、図5Bに示すように、化粧板25の上面25aにおいて、既存の軒樋部材50の上部平坦部51の上面と、化粧板25の外側面の上端部を覆った状態で取り付けられている。
このシール補強部材70の取り付けを行う前に、シール補強部材70を取り付ける庇天端部Cを平らにする作業を行う。すなわち、軒樋部材50は、パラペット30に沿って複数のものが連続して設けられており、複数個所に軒樋部材50どうしの継ぎ目が設けられている。
図5Bは、軒樋部材50の継ぎ目部分を示しており、この継ぎ目をシールするために、継ぎ目部分の上から継ぎ目用の塩ビシート91で覆っている。このため、庇天端部Cでは、継ぎ目用の塩ビシート91が設けられている箇所と、図5Aに示す継ぎ目でない部分とでは、高さが異なっている。このような段差が生じたままシール補強部材70を設けると、この段差部分に隙間が生じシール性が悪化する。
そこで、庇天端部Cにおいて継ぎ目用の塩ビシート91が設けられていない箇所には、図5Aに示すように、軒樋部材50の上部平坦部51には塩ビシート91と同じ厚さの高さ調整シート92を設けている。なお、高さ調整シート92には、塩ビシートを用いることができる。
したがって、シール補強部材70を取り付ける前の庇天端部Cは、全周で段差が生じないように形成され、全周でシール補強部材70の水平部71を平らな面に取り付けることができる。
シール補強部材70は、所定の長さのものがパラペット30の庇天端部Cに沿って複数直列に設置されて、庇天端部Cの全周に設けられている。このシール補強部材70は、塩化ビニル鋼板を略L字状に折り曲げて形成され、水平部71と垂下部72とを備える。なお、垂下部72の下端には、内側にU字状に折り曲げられた折曲部72aを備える。
また、シール補強部材70の水平部71と垂下部72とにより形成されたコーナ部70cの裏側には、防水材73が取り付けられている。防水材73は、例えばエプトシーラ(登録商標)などのゴム系発泡材を用いることができる。この防水材73は、矩形断面形状に形成されており、かつ、図示のシール補強部材70をパラペット30に取り付けた状態では、弾性的に圧縮変形されて化粧板25に圧接された状態で取り付けられる寸法に形成されている。
次に、シール補強部材70のパラペット30への取り付ける工程を説明する。
シール補強部材70は、接着テープ74とドリルねじ75によりパラペット30の庇天端部Cに固定されている。なお、図5Aは、シール補強部材70が存在する部位、すなわち、シール補強部材70の断面を示している。一方、図5Bは、図において紙面の前後方向で、シール補強部材70どうしの継ぎ目を示し、シール補強部材70の端面を示している。また、図5Bでは、前述のように軒樋部材50どうしの継ぎ目も示している。これらのシール補強部材70どうしの継ぎ目と軒樋部材50どうしの継ぎ目とは、必ずしも同じ個所とはならないが、図示上、両継ぎ目を1つの図に示している。
接着テープ74は、例えば、ブチルテープを用いることができる。そして、接着テープ74は、図5A、図5Bに示すように、庇天端部Cの高さ調整シート92の上面、あるいは、継ぎ目用の塩ビシート91の上面と、化粧板25の上面25aと、化粧板25の外側面の上端部を覆って、これらに接着されている。
そして、シール補強部材70は、水平部71および防水材73を接着テープ74に接着した状態で、ドリルねじ75を水平部71の上から化粧板25の上面25aに向けて建通させて締結することで、パラペット30に固定されている。
また、シール補強部材70の取り付け状態で、前述したように、防水材73が圧縮方向に弾性変形して化粧板25とシール補強部材70とに圧接されて、化粧板25とシール補強部材70との間をシールしている。
さらに、図5Bに示すように、シール補強部材70の継ぎ目では、シール補強部材70の延在方向で、シール補強部材70の端部どうしを、継ぎ目部材80により上方から覆っている。この継ぎ目部材80は、下側のアルミテープ81と上側の塩ビシート82とを上下に重ねて形成されている。そして、継ぎ目部材80の屋内側の端縁は、コーキング材83で覆ってシールしている。
次に、第2の塩ビシート200の敷設の工程について説明する。
第2の塩ビシート200は、図2に示すように、シール補強部材70、軒樋部材50、絶縁シート60を覆って敷設されている。
ここで、第2の塩ビシート200は、平坦部Aにおいて絶縁シート60の上面に敷設される平坦部用シート210と、側溝部Bおよび庇天端部Cにおいてシール補強部材70および軒樋部材50の上面に敷設される軒樋部材用シート220と、を備える。そして、平坦部用シート210は、溶着領域WELにおいて、絶縁シート60を固定するディスク板64に熱溶着させることで屋根10の平坦部Aの溶着領域WELに固定されている。すなわち、溶着領域WELは、絶縁シート60が設けられている領域である。
一方、軒樋部材用シート220は、接着領域Boにおいて、既存の軒樋部材50およびプレート部材17aに接着剤を用いて接着されている。接着剤としては、ニトリルゴム系の接着剤が用いられ、1平米(m)あたり0.4Kg程度塗布し、くしなどの冶具を用いて伸ばした後、所定程度乾燥させて第2の塩ビシート200の軒樋部材用シート220を接着させている。
図2、図5A,図5Bに示すように、軒樋部材用シート220は、屋外方向の端縁は、シール補強部材70の屋外側の端縁と同一位置に配置されている。一方、軒樋部材用シート220の屋内側の端縁は、絶縁シート60の屋外側の端縁に突き当たるようにして対向して配置されている。
そして、この軒樋部材用シート220の屋内側の端縁部の上に、平坦部用シート210の外周端縁部が被せられて、重合部230が形成されている。
[実施の形態の効果]
以下に、実施の形態1の防水屋根構造および防水屋根構造の補修方法の効果を説明する。
(1)実施の形態1の防水屋根構造は、ユニット建物1の屋根10の平坦部Aの周囲に設けられたパラペット30と、パラペット30の庇天端部Cか平坦部Aにかけて設けられた軒樋部材50と、平坦部Aを覆って設けられた防水シートとしての塩ビシート18と、を備える。そして、軒樋部材50と塩ビシート18とを覆って、第2の塩ビシート200が設けられている。
このように、軒樋部材50と塩ビシート18とを覆って、第2の塩ビシート200が設けられているため、高い防水性能をえることができる。
そして、既存の防水屋根構造を、補修して第2の塩ビシート200を設ける場合に、軒樋部材50として、既存のものをそのまま用いることができ、新規の軒樋部材を設けるものと比較して、コストおよび作業の手間を削減可能である。また、既存の軒樋部材50を用いても、その全面を第2の塩ビシート200により覆うため、十分な防水性能を得ることができる。
(2)実施の形態1の屋根防水構造は、軒樋部材50の庇天端部Cに位置する部分からパラペット30の庇天端部Cに隣り合う外周側面を覆うシール補強部材70が設けられ、シール補強部材70と化粧板25の間の隙間を塞いで防水材73が設けられている。そして、第2の塩ビシート200は、屋外側の端部がシール補強部材70の上面を覆っている。
したがって、既存の軒樋部材50と化粧板25との間が、シール補強部材70および防水材73によりシールすることができ、高い防水性能を得ることができる。
(3)実施の形態1の屋根防水構造は、シール補強部材70は、パラペット30に沿って屋根10の周方向に複数並設され、かつ、シール補強部材70どうしの間に継ぎ目を有し、継ぎ目を挟むシール補強部材70の端部と、継ぎ目とを覆って継ぎ目部材80が設けられている。さらに、第2の塩ビシート200の屋外側の端部は、継ぎ目では、継ぎ目部材80を覆っている。
したがって、シール補強部材70どうしの継ぎ目を確実にシールすることができる。
(4)実施の形態1の屋根防水構造は、第2の塩ビシート200は、軒樋部材50を覆う軒樋部材用シート220と、平坦部Aを覆う平坦部用シート210とを備えるとともに、軒樋部材用シート220の端縁部と平坦部用シート210の端縁部とが重なり合う重合部230を有する。さらに、軒樋部材用シート220は、軒樋部材50に接着剤により接着され、さらに、塩ビシート18の上には、塩ビシート18とは材質が異なる絶縁シート60が敷設され、この絶縁シート60を平坦部Aに固定するのに用いた金属製のディスク板64に、平坦部用シート210が溶着されている。
したがって、塩ビシート18に、同材質の平坦部用シート210を重ねた場合、可塑剤移行が生じて平坦部用シート210の劣化が進むおそれがあるが、異材質の絶縁シート60を間に介在させることにより、このような劣化の進行を防止できる。
なお、塩ビ鋼板製の軒樋部材50と第2の塩ビシート200との間には、接着剤が介在されているため、上記の可塑剤移行による劣化の進行は、抑制できる。
また、平坦部用シート210を、ディスク板64に溶着させるようにしたため、広い面積の平坦部Aに接着する場合よりも作業性に優れる。加えて、平坦部用シート210の溶着の相手を、絶縁シート60の固定に用いるディスク板64を利用することにより、安価に溶着を行うことができる。
(5)実施の形態1の防水屋根構造の補修方法は、ユニット建物1の屋根10の平坦部Aの周囲に設けられたパラペット30と、パラペット30の庇天端部Cから平坦部Aにかけて設けられた軒樋部材50と、平坦部Aを覆って設けられた塩ビシート18と、を備えた防水屋根構造の補修方法である。
そして、軒樋部材50および平坦部Aを第2の塩ビシート200で覆い、軒樋部材50と第2の塩ビシート200とを接着剤で接着する工程を備える。
このように、軒樋部材50と塩ビシート18とを覆って、第2の塩ビシート200が設けられているため、高い防水性能をえることができる。
そして、既存の防水屋根構造を、補修して第2の塩ビシート200を設ける場合に、軒樋部材50として、既存のものをそのまま用いることができ、新規の軒樋部材を設けるものと比較して、コストおよび作業の手間を削減可能である。また、既存の軒樋部材50を用いても、その全面を第2の塩ビシート200により覆うため、十分な防水性能を得ることができる。
(6)実施の形態1の防水屋根構造の補修方法は、軒樋部材50の庇天端部Cに位置する部分からパラペット30の庇天端部Cに隣り合う外周側面を覆ってシール補強部材70を設ける工程と、平坦部Aの上に、塩ビシート18および第2の塩ビシート200とは異なる材質の絶縁シート60を敷設する工程と、シール補強部材70および軒樋部材50を第2の塩ビシート200で覆って接着剤で接着する工程と、平坦部Aの絶縁シート60を第2の塩ビシート200で覆って溶着する工程と、を備える。
したがって、既存の塩ビシート18に、同材質の平坦部用シート210を重ねた場合、可塑剤移行が生じて平坦部用シート210の劣化が進むおそれがある。それに対して、塩ビシート18と平坦部用シート210との間に異材質の絶縁シート60を間に介在させることにより、このような劣化の進行を防止できる。
(7)実施の形態1のシール補強部材70は、パラペット30の庇天端部Cに取り付けられた軒樋部材50の端部の上部平坦部51と、パラペット30の屋外側の側部上端部とを覆うのに用いる。そして、シール補強部材70は、軒樋部材50の上部平坦部51を上方から覆う水平部71と、水平部71の取り付け時に屋外側に配置される端部から垂下された垂下部72と、水平部71と垂下部72とによるコーナ部70cの裏面に設けられて、取付時にパラペット30の庇天端部Cと側部上端部とに圧接可能な弾性を有した防水材73と、を備える。
したがって、パラペット30と第2の塩ビシート200との間のシール性を確保できる。
以上、本開示の防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材を実施の形態に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項の要旨を逸脱しない限り、各実施の形態の組み合わせ、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、本開示の防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材をユニット建物1に適用した例を示した。しかし、本開示の防水屋根構造、防水屋根構造の補修方法およびシール補強部材は、一般的な鉄骨構造の建物や、在来工法の建物、ツーバイフォー式の建物にも適用可能である。
また、実施の形態では、防水シートおよび第2の防水シートとして、塩ビシートを示したが、これに限定されるものではない。例えば、ポリエチレンなど、他の樹脂系のシートを用いるようにしてもよい。
また、実施の形態の防水屋根構造およびその補修方法では、シール補強部材を用いる例を示したが、これに限定されない。例えば、シール補強部材を用いずに、第2の防水シートによりパラペットの外側面の上部まで覆うようにしてもよい。また、シール補強部材を用いる場合も、実施の形態で示したものとは異なる形状のものを用いてもよい。
また、実施の形態では、第2の防水シートを、平坦部用シート210と、軒樋部材用シート220との2つのシートで構成した例を示したがこれに限定されず、1枚のシートで、平坦部Aと軒樋部材50とを覆うようにしてもよいし、3以上に分けてもよい。
また、実施の形態では、シール補強部材70どうしの継ぎ目部分を継ぎ目用防水シートで覆う例を示したが、これに限定されず、継ぎ目にシール材を充填するようにしてもよい。 また、絶縁シートとしては、ポリエチレン系のものを示したが、防水シートおよび第2の防水シートと異なる材質のものであれば、これに限定されるものではない。
1 ユニット建物
10 屋根
18 塩化ビニルシート(塩ビシート:防水シート)
25 化粧板
25a 上面
30 パラペット
50 軒樋部材
60 絶縁シート
64 ディスク板
70 シール補強部材
70c コーナ部
71 水平部
72 垂下部
73 防水材
80 継ぎ目部材
81 アルミテープ
200 第2の塩ビシート(第2の防水シート)
210 平坦部用シート
220 軒樋部材用シート
230 重合部
A 平坦部
B 側溝部
C 庇天端部

Claims (7)

  1. 建物の屋根の平坦部の周囲に設けられたパラペットと、
    前記パラペットの天端部から前記平坦部にかけて設けられた軒樋部材と、
    前記平坦部を覆って設けられた防水シートと、
    を備え、
    前記軒樋部材と前記防水シートとを覆って、第2の防水シートが設けられ
    前記軒樋部材の前記天端部に位置する部分から前記パラペットの前記天端部に隣り合う外周側面を覆うシール補強部材が設けられ、
    前記シール補強部材と前記パラペットの前記天端部および外側を覆う化粧板との間の隙間を塞いで防水材が設けられ、
    前記第2の防水シートは、屋外側の端部が前記シール補強部材の上面を覆っている防水屋根構造。
  2. 請求項に記載の屋根防水構造において、
    前記シール補強部材は、前記パラペットに沿って前記屋根の周方向に複数並設され、かつ、前記シール補強部材どうしの間に継ぎ目を有し、
    前記継ぎ目を挟む前記シール補強部材の端部と、前記継ぎ目とを覆って継ぎ目用防水シートが設けられ、
    前記第2の防水シートの屋外側の端部は、前記継ぎ目では、前記継ぎ目用防水シートを覆っている防水屋根構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の屋根防水構造において、
    前記第2の防水シートは、前記軒樋部材を覆う軒樋部材用シートと、前記平坦部を覆う平坦部用シートとを備えるとともに、前記軒樋部材用シートの端縁部と前記平坦部用シートの端縁部とが重なり合う重合部を有し、
    前記軒樋部材用シートは、前記軒樋部材に接着剤により接着され、
    前記防水シートの上には、前記防水シートとは材質が異なる絶縁シートが敷設され、この絶縁シートを前記平坦部に固定するのに用いた金属製のディスク板に、前記平坦部用シートが溶着されている防水屋根構造。
  4. 建物の屋根の平坦部の周囲に設けられたパラペットと、
    前記パラペットの天端部から前記平坦部にかけて設けられた軒樋部材と、
    前記平坦部を覆って設けられた防水シートと、
    を備え、
    前記軒樋部材と前記防水シートとを覆って、第2の防水シートが設けられ、
    前記第2の防水シートは、前記軒樋部材を覆う軒樋部材用シートと、前記平坦部を覆う平坦部用シートとを備えるとともに、前記軒樋部材用シートの端縁部と前記平坦部用シートの端縁部とが重なり合う重合部を有し、
    前記軒樋部材用シートは、前記軒樋部材に接着剤により接着され、
    前記防水シートの上には、前記防水シートとは材質が異なる絶縁シートが敷設され、この絶縁シートを前記平坦部に固定するのに用いた金属製のディスク板に、前記平坦部用シートが溶着されている防水屋根構造。
  5. 建物の屋根の平坦部の周囲に設けられたパラペットと、
    前記パラペットの天端部から前記平坦部にかけて設けられた軒樋部材と、
    前記平坦部を覆って設けられた防水シートと、
    を備えた防水屋根構造の補修方法であって、
    前記軒樋部材と前記平坦部を第2の防水シートで覆い、前記軒樋部材と前記第2の防水シートとを接着剤で接着する工程を備える防水屋根構造の補修方法。
  6. 請求項5に記載の防水屋根構造の補修方法において、
    前記軒樋部材の前記天端部に位置する部分から前記パラペットの前記天端部に隣り合う外周側面を覆ってシール補強部材を設ける工程と、
    前記平坦部の上に、前記防水シートおよび前記第2の防水シートとは異なる材質の絶縁シートを敷設する工程と、
    前記シール補強部材および前記軒樋部材を第2の防水シートで覆って前記接着剤で接着する工程と、
    前記平坦部の前記絶縁シートを前記第2の防水シートで覆って溶着する工程と、
    を備える防水屋根構造の補修方法。
  7. パラペットの天端部に取り付けられた軒樋部材の端部と、前記パラペットの屋外側の側部上端部とを覆うのに用いるシール補強部材であって、
    前記軒樋部材の端部を上方から覆う水平部と、
    前記水平部の取り付け時に屋外側に配置される端部から垂下された垂下部と、
    前記水平部と前記垂下部とによるコーナ部の裏面に設けられて、取付時に前記パラペットの前記天端部と前記側部上端部とに圧接可能な弾性を有した防水材と、
    を備えるシール補強部材。
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