JP2010070912A - シート防水構造物の改修構造及び改修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドレン部の形状に関わらず且つドレン部の排水能力の低下させることなく簡便に新規の防水シートを被装することができる防水シート構造物の改修構造及び改修方法を提供する。
【解決手段】外部床1に形成される排水口13と、該排水口13に連接されて外部床1の排水を排水口13に誘導する排水誘導部29aと、を有するドレン部29と、該ドレン部29を除いて外部床1の表面を覆う既設防水シート21と、を備えて形成されるシート防水構造物100に新規防水シート55を被装して改修を行う。この改修構造200では、ドレン部29の周縁には、当該ドレン部29の排水誘導部29aを包囲するドレンカバー51が既設防水シート21上に被装された状態で設けられており、新規防水シート55は、ドレンカバー51に固着されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、ベランダ又は陸屋根を形成する外部床に用いられるシート防水構造物の改修構造及び改修方法に関するものである。
従来、ベランダや陸屋根のように居室の外壁から張り出した床或いは屋根には、雨水や散水を自然流下によって当該屋根上から排水するために、排水溝を水下部として1/100〜2/100程度の下り傾斜を有する所謂水勾配が形成されている。前記したベランダの床や陸屋根(以下、外部床と称する)の水勾配は、これらの床や屋根を構成するパネルやスラブの上面に設けた防水用の下地モルタルや断熱材、或いは下地パネル等の下地材の何れかを傾斜させることで形成されるのが一般的である。また、排水溝は、金属板にプレス加工等を施して形成される排水溝形成部材により形成されると共に、排水溝に至る排水を最終的に当該外部床から排水するためのドレン部は、排水溝に連接されると共に外部床や当該外部床の縁部から立上る立上り壁部に排水管を貫通させた状態で設けられている。
上記シート防水構造の改修工事に際し、ドレン周辺の改修については、既存のドレン部の上に重ねて取り付ける改修用ドレン部材が用いられている。この改修用ドレン部材としては、既存ドレン部の排水管部に挿通可能な導水筒体と、この導水筒体の流入側端部に周設された円形状のフランジ板とを備える改修ドレン本体と、前記フランジ板に取り付けられた可撓性合成樹脂シートとから構成され、改修ドレン本体のフランジ板に可撓性合成樹脂シートが接着剤等により接合されてなるものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−291594号公報
しかしながら、上記の改修用ドレンは、ドレン部の排水管部に挿通される導水筒体と排水管部の周囲を覆うフランジ板とが一体に形成され、当該改修用ドレンによってドレン部全体を覆う構成である。このため、上記特許文献の如く排水管部の周囲が所定の範囲内において単純なテーパ形状又は平坦形状でなければ、フランジ板とドレン部の排水管部の周縁との接着はきわめて困難なものとなり、当該改修用ドレンの取り付けに却って手間と時間を掛けてしまうという問題がある。一方、既存ドレンの排水管部は、防水シートよりも耐劣化性に優れた樹脂等で形成されているのが一般的であり、かかる点に鑑みると、上記特許文献の如く排水管部まで新たに導水筒体を被装する必要はなく、当該導水筒体の被装のために排水口の実質開口面積が低減されてしまい、これによって、改修前の開口面積に基づいて設計されていた外部床のオーバーフロー構造では外部床の増水に対処できなくなることも考えられる。
そこで、本発明は、ドレン部の形状に関わらず且つドレン部の排水能力の低下させることなく簡便に新規の防水シートを被装することができる防水シート構造物の改修構造及び改修方法を提供することを目的とする。
本発明のシート防水構造物の改修構造は、ベランダ又は陸屋根を形成する外部床に形成される排水口と、該排水口に連接されて外部床の排水を排水口に誘導する排水誘導部と、を有するドレン部と、該ドレン部を除いて外部床の表面を覆う既設防水シートと、を備えて形成されるシート防水構造物に新規防水シートを被装して改修を行うシート防水構造物の改修構造であって、ドレン部の周縁には、当該ドレン部の排水誘導部を包囲するドレンカバーが既設防水シート上に被装された状態で設けられており、新規防水シートは、ドレンカバーに固着されていることを特徴とする。
これによれば、ドレン部にではなくドレン部の周縁にドレンカバーを設けるので、ドレン部の形状に拘らずドレンカバーを設けることができるばかりでなく、改修後においては、ドレン部が既設のものを露出させた状態が維持されるので、当該ドレンカバーの設置や新規防水シートの設置に伴ってドレン部の排水性能が低下する虞は少ない。また、既設防水シートは、ドレン部を除いて外部床の表面を覆っているので、上述の構成であっても充分に既設防水シート上に新規防水シートを敷設することが可能となっている。
また、ドレンカバーの周囲には、既設防水シート上に止め付けられると共に新規防水シートに固着されて当該新規防水シートの経年劣化による収縮に伴ってドレンカバーと新規防水シートとの固着部に作用する引張り力を緩衝する緩衝部材が設けられていることとしてもよい。
新規防水シートも、改修後の経年劣化により収縮し、当該収縮の時に作用する面内引張り力は、防水シートの留め付け間の間隔に伴って大きなものとなり、当該新規防水シートとドレンカバーとの溶着に不具合をきたすほど大きい引張り力が新規防水シートとドレンカバーとの溶着部に作用しかねない場合も想定される。そこで、上記構成により、ドレンカバーの周囲に緩衝部材を設けることによって、ドレンカバーと新規防水シートとの溶着部に作用する引張り力を緩衝する。この結果、新規防水シートとドレンカバーとの溶着部に過大な引張り力が作用することが防止され、該溶着部の止水性の劣化を抑制することができる。
また、ドレンカバーは、シーリング材を介して既設防水シートに接合されていることとしてもよい。ドレンカバーと既設防水シートとの接合部にシーリング材を用いることによって、この接合部の止水性が確保される。ここで、前述の新規防水シートの収縮による引張り力は、このドレンカバーと既設防水シートとの接合部にも作用する。これに対し、上記緩衝部材の存在により、ドレンカバーと既設防水シートとの接合部に作用する引張り力が緩衝される。シーリング材は一般的に接着力が弱い場合もあるが、上記の構成により、接合部に作用する引張り力は低く抑えられるので、シーリング材による接着状態が喪失される虞が少なく、ドレンカバーと既設防水シートとの接合部における止水性の劣化が抑制される。
また、ドレンカバーは、ドレン部の排水誘導部の一部に被さり、排水誘導部の周囲に現れる既設防水シートの縁部を覆う形状に形成されていることとしてもよい。
これによれば、既設防水シートとドレン部との継目がドレンカバーにより覆われることとなるので、新規防水シートにより形成される新たなシート防水構造物の止水性をさらに向上させることができる。
本発明のシート防水構造物の改修方法は、ベランダ又は陸屋根を形成する外部床に形成される排水口と、該排水口に連接されて外部床の排水を排水口に誘導する排水誘導部と、を有するドレン部と、該ドレン部を除いて外部床の表面を覆う既設防水シートと、を備えて形成されるシート防水構造物に新規防水シートを被装して改修を行うシート防水構造物の改修方法であって、ドレン部の周縁に、当該ドレン部を包囲するドレンカバーを既設防水シート上に被装し、その後、新規防水シートをドレンカバーに固着することを特徴とする。
これによれば、ドレン部にではなくドレン部の周りにドレンカバーを設けるので、ドレン部の形状に拘らずドレンカバーを設けることができるばかりでなく、改修後においては、ドレン部が既設のものを露出させた状態が維持されるので、当該ドレンカバーの設置や新規防水シートの設置に伴ってドレン部の排水性能が低下する虞は少ない。また、既設防水シートは、ドレン部を除いて外部床の表面を覆っているので、上述の構成であっても充分に既設防水シート上に新規防水シートを敷設することが可能となっている。
また、この場合、ドレンカバーの周囲に、既設防水シート上に止め付けられると共に新規防水シートに固着されて当該新規防水シートの経年劣化による収縮に伴ってドレンカバーと新規防水シートとの固着部に作用する引張り力を緩衝する緩衝部材を設置し、新規防水シートを緩衝部材に固着した後、新規防水シートをドレンカバーに固着することとしてもよい。
これによれば、ドレンカバーの周囲に緩衝部材を設けると共に当該緩衝部材と新規防水シートとを固着させることとし、これによって、新規防水シートの収縮による上記引張り力の大部分を、緩衝部材と新規防水シートとの固着部に作用させることとするのである。この結果、新規防水シートとドレンカバーとの固着部に過大な引張り力が作用することを防止し、該固着部の止水性の劣化を抑制することができる。
本発明の防水シート構造物の改修構造及び改修方法によれば、ドレン部の形状に関わらず且つドレン部の排水能力の低下させることなく簡便に新規の防水シートを被装することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るシート防水構造物の改修構造及び改修方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のシート防水構造物の改修構造及び改修方法は、居室の外壁から張り出したベランダ又は略平坦な陸屋根を形成する外部床における雨水排水構造に適用される。図1及び図2は、一例としてそのような陸屋根を形成する外部床1を示す図である。図に示すように、この建物の外部床1は、居室3を囲むと共にパラペット5によって外周が規定された四角環状の平面形状を呈する。外部床1には、雨水の排水のために排水構造が設けられている。
該排水構造は、例えば外部床上面1aの中央付近が高く外壁3a側とパラペット5側が低くなっている水勾配部70と、当該水勾配部70の両側の水下端部に接続され、水勾配部70から水が流れ込む排水溝部71とを有している。
水勾配部70は、外部床上面1aの内周側の居室3の外壁3a側に水下部72を備え、当該水下部72は、外壁3aに沿って高低差のない水平に形成されている。この水下部72と外壁3aとの間に排水溝7が設けられている。また、水勾配部70は、外部床上面1aの外周部のパラペット5側に水下部73を備え、当該水下部73は、パラペット5に沿って高低差のない水平に形成されている。この水下部73とパラペット5との間にも排水溝9が設けられている。
排水溝7、9は、外壁3aやパラペット5の長手方向に沿って水平に形成されており、溝の形成方向(延設方向)に勾配を有していない、いわゆる零勾配に形成されている。このため、排水溝7、9における排水は、重力による自然流下ではなく水位の上昇に起因して流下することになる。このようないわゆる零勾配の場合、溝の形成方向に排水溝7、9のレベルが変わらないので、排水溝7、9を構成する各種部品の統一化をはかることができる。
居室3側の排水溝7とパラペット5側の排水溝9とは、例えば連通排水溝8によって連通されている。居室3側の水下部72とパラペット5側の水下部73のレベルは同等であり、これらの水下部72、73に沿って設けた排水溝7、9のレベルも同じになっている。更に、排水溝7からの雨水を排出するための排水口11が、この排水溝7の直近の側方に設けられている。同様に、排水溝9からの雨水を排出するための排水口13が、この排水溝9の直近の側方に設けられている。排水口13は、排水溝9に沿って数箇所に設けられている。なお、居室3側の排水溝7とパラペット5側の排水溝9とが、夫々独立して排水し得るように構成されている場合には、両者のレベルは同等でなくてもよい。
上記の如く、外部床上面1aには、居室3の周囲に水下部72と排水溝部71を形成する排水溝7とが形成され、パラペット5の内周に沿って水下部73と排水溝部71を形成する排水溝9とが形成されている。このため、外部床上面1aにおける居室3の周囲及びパラペット5の内周の位置が最も低いレベルに設定され、これらの位置に形成された水下部72、73を起点として登り勾配の水勾配を持った斜面80a〜80jが形成されている。これらの斜面80a〜80jの交叉部には、稜線81a〜81fが形成され、更に、稜線81a〜81fの交点から山線82a〜82g、及び谷線83a〜83cが形成されている。
居室3側の水下部72とパラペット5側の水下部73と稜線81a〜81fとの高さの差は、例えば外部床上面1aに於ける並行(対向)する水下部の間の距離の1/2の寸法と水勾配(約1/100〜約2/100)によって設定されている。例えば、対向する水下部72、73間の距離が360cmで、水勾配が1/100である場合、稜線の高さは18mmとなる。
図3及び図4は、改修が施される前の排水口13付近のシート防水構造を示している。 図3に示すように、この建物の改修前のシート防水構造物100にあっては、外部床1表面全体に亘って塩化ビニル製の防水シート21が設置されている。この防水シート21は外部床1上面から排水溝9を覆い、更に、内壁面5aとの所定の高さまでを覆うように立ち上がって連なっている。以上のような構成により、この建物の外部床1の雨水は、水勾配によって排水溝9に誘導され、最終的には排水口13を通じて建物の外に排出される。また、排水口13付近も、排水口13付近と同様の構成を有しており、水勾配によって排水溝7に誘導された雨水が、最終的に、排水口11を通じて建物の外に排出される。
以下、排水口13付近の構造について更に詳細に説明する。図3及び図4に示すように、外部床1は、ALC(Autoclaved Light−Weight Concrete)板23上に水勾配部70を形成する勾配断熱材25が敷設され、その勾配断熱材25上に上板25aがさらに敷設され、該上板25a上に防水シート21が敷設されて構成される。この外部床1では、勾配断熱材25の上面を傾斜させた形状とすることで、前述の水勾配が設けられている。勾配断熱材25、上板25a及び防水シート21は、パラペット5を形成する外壁パネルの近傍部分を除いた領域、つまり排水溝9が形成される部分を除いた領域に敷設されている。勾配断熱材25は、外部床上面1aの中央側からパラペット側に向けて厚みが薄くなっており、これにより水勾配部70の勾配が形成されている。
排水溝9は、一枚の鋼板をプレス成型して形成されており、その表面には、塩化ビニル樹脂がラミネート加工等により被覆されている。また、該排水溝9は、所定長さで排水溝部形成部材として部材化され、当該排水溝形成部材をパラペットに沿って敷き並べていくことにより、図2に示すようにパラペット5の長手方向に沿って形成されている。また、当該排水溝形成部材は、隣接する排水溝部形成部材と突き付けにより連結されており、それらの継目は、塩化ビニル樹脂製の水密シート(図示せず)によりシールされている。排水溝形成部材の表面には、上述の如く塩化ビニル樹脂が被覆されているので、水密シートの排水溝形成部材への取付けは、これら塩化ビニル樹脂同士の熱溶着や溶剤による溶着、又は接着によりなされ、これらの間に隙間のない良好なシールが形成される。
このシート防水構造物100においては、防水シート21は、いわゆる絶縁工法と呼ばれる工法によって、勾配断熱材25上に敷設されている。すなわち、上板25aと防水シート21との間には、所定の間隔で塩化ビニル樹脂製のディスク26が並べられALC板23に対してネジ止めされている。そして、各ディスク26の上面と防水シート21の下面とが溶着されることで、防水シート21がALC板23に対して固定されている。
また、ALC板23上には、勾配断熱材25が一部切り取られて塩化ビニル製のドレン部材27が設置されている。ドレン部材27は、排水溝9から外部床1の内側に向けて延びるドレン部29と、このドレン部29を取り囲むフランジ31とを有している。ドレン部材27は、フランジ31が勾配断熱材25の上面にネジ止めされることで固定される。ドレン部29は、排水溝9から側方に延びる溝をなす排水誘導部29aと、当該排水誘導部29aの先端の溝底面に開口として形成された排水口13とを有している。排水誘導部29aで構成される溝は、外部床1の上面よりも低く掘り下げられており排水溝9とほぼ同じレベルであるので、排水溝9の雨水は排水誘導部29aを通過して排水口13まで誘導される。このドレン部材27の排水口13の下方には、排水口13からの雨水を下方に送るための排水管33が連結されている。排水管33は、ALC板23を貫通して下方に延び建物の外壁の内側を通過している。
ドレン部材27のドレン部29は、防水シート21に覆われずに、上方に露出している。すなわち、防水シート21は、このドレン部29の矩形の平面形状に合わせて切り抜かれている。そして、切り抜かれた防水シート21の縁部21aが、排水誘導部29aの周囲に現れており、この縁部21aがドレン部材27のフランジ31の上面に溶着される。このような溶着による固定で、防水シート21とドレン部材27との継ぎ目からの雨水浸入が防止される。
以上のようなシート防水構造物100は、経年劣化により防水性能が低下するので、定期的に(例えば30年毎に)改修が必要である。このような改修は、防水シート21の上に新たな塩化ビニル製の防水シートを更に重ねて被装することにより行われる。以下、シート防水構造物100を改修する改修構造及び改修方法の詳細について説明する。なお、以下の説明においては、新旧2種類の防水シートを区別するため、既設の防水シート21を「既設防水シート」と称し、防水シート21上に設置される新たな防水シートを「新規防水シート」と称する。
この改修構造及び改修方法では、図5及び図7に示すように、塩化ビニル製のドレンカバー51を準備し、このドレンカバー51を既設防水シート21の上からドレン部29に嵌め込む。ドレンカバー51は、ドレン部29を包囲すべく中央に矩形の開口51cをもつ四角環状に形成されている。ドレンカバー51は、ドレン部材27のフランジ31上の既設防水シート21の上に重ねて配置されるフランジ部51aと、このフランジ部51aから下方に延びて排水誘導部29aの溝の内壁面に被さる鉛直壁51bと、を有している。
このようなドレンカバー51が、ドレン部29に嵌め込まれることにより、既存の排水誘導部29aの溝底面及び排水口13はドレンカバー51の矩形の開口51cから露出した状態で、かつ、排水誘導部29aの周囲に現れる既設防水シート21の縁部21aがドレンカバー51に覆われる。従って、既設防水シート21とドレン部材27との継ぎ目が確実にドレンカバー51に覆われることになり、当該継ぎ目における止水性が確保される。ここで嵌め込まれたドレンカバー51は、シーリング材52を介してドレン部材27及び既設防水シート21と接合される。従って、この接合部の止水性が更に確実になり、既設防水シート21とドレン部材27との継ぎ目の止水性が確保される。
ドレンカバー51の取り付けの一方で、図6及び図7に示すように、外部床1の既設防水シート21上には、所定の間隔で新たな塩化ビニル樹脂製のディスク(緩衝部材)53が並べられ、ALC板23に対してネジ止めされる。この場合、特に、ドレンカバー51の周囲には、ドレンカバー51を囲むように複数枚のディスク53が配置される。そして、既設防水シート21上に塩化ビニル製の新規防水シート55を被せ、前述した絶縁工法と同様に各ディスク53の上面と新規防水シート55の下面とを溶着させることで、新規防水シート55がALC板23に対して固定される。この新規防水シート55は、既設防水シート21と同様にドレン部29の矩形の平面形状に合わせて切り抜かれており、切り抜かれた新規防水シート55の縁部55aは、排水誘導部29aの周囲に現れている。
次に、切り抜かれた新規防水シート55の縁部55aを、ドレンカバー51のフランジ部51aの上面に溶着させる。すなわち、ここでは、新規防水シート55の縁部55aとフランジ部51aとの間に溶剤を注入する。この溶剤により、互いに塩化ビニルからなる新規防水シート55の表面及びドレンカバー51の表面が一旦溶解し、再度硬化することで、新規防水シート55の縁部55aの下面とフランジ部51aの上面とが接合される。このような溶着により、新規防水シート55とドレンカバー51との継ぎ目からの雨水浸入が防止される。以上のような改修方法をもって、排水口13付近のシート防水構造の改修構造200が完成する。
このような改修構造200及び改修方法によれば、ドレン部29にではなくドレン部29の周縁にドレンカバー51を設けるので、ドレン部29の形状に拘らずドレンカバー51を設けることができる。更に、改修後においては既設のドレン部材27の既設のドレン部29を露出させた状態が維持される。すなわち、ドレン部29における排水誘導部29aや排水口13は改修後においてもそのまま利用されるので、ドレン部29の構造がほとんど変更されず、改修によってドレン部29の排水路が狭くなるといったこともない。従って、当該ドレンカバー51の設置や新規防水シート55の設置に伴ってドレン部29の排水性能が低下する虞は少ない。
また、既設防水シート21は、ドレン部29を除いて外部床1の表面を覆っているので、上述の構成であっても充分に既設防水シート21上に新規防水シート55を敷設することが可能である。なお、排水誘導部29a及び排水口13を形成するドレン部材27、及び排水管33は、既設防水シート21に比べて十分に耐劣化性に優れているので、既設防水シート21の改修時には取り替える必要がない場合が多い。
また、この建物では、排水管33が建物外壁の内側に設置されているので、外部床1のシート防水構造の改修時に排水管33を取り扱うのは煩雑である。これに対して、上述の改修構造200及び改修方法によれば、ドレン部材27を取り外す必要がなく、ドレン部材27及び当該ドレン部材27に接続された排水管33はそのまま残される。従って、改修時には、建物外壁の内側に設置された排水管33を取り扱う必要がなく、改修作業の簡略化を図ることができる。
新規防水シート55も、改修後における経年劣化により収縮し、当該収縮の時に作用する面内引張り力は、新規防水シート55の留め付け間の間隔に伴って大きなものとなり、当該新規防水シート55とドレンカバー51との溶着に不具合をきたすほど大きい引張り力が新規防水シート55とドレンカバー51との溶着部に作用しかねない場合も想定される。これに対して、上述の改修構造200及び改修方法によれば、ドレンカバー51の周囲にディスク53が設けられ当該ディスク53に新規防水シート55の裏面が溶着されるので、新規防水シート55の収縮による上記引張り力の大部分は、ディスク53と新規防水シート55との接合部に作用する。この結果、新規防水シート55とドレンカバー51との溶着部に作用する引張り力が緩衝され過大な引張り力が防止されるので、該溶着部の止水性の劣化を抑制することができる。
また、ドレンカバー51は、シーリング材52を介して既設防水シート21に接合されているので、この接合部の止水性が確保される。ここで、前述の新規防水シート55の収縮による引張り力は、ドレンカバー51と既設防水シート21との接合部にも作用し得るが、ドレンカバー51の周囲のディスク53の存在により、ドレンカバー51と既設防水シート21との接合部に作用する引張り力が緩衝される。一般的にシーリング材は比較的接着力が弱い場合もあるが、上記の構成により、接合部に作用する引張り力は低く抑えられるので、シーリング材52による接着状態が喪失される虞が少なく、ドレンカバー51と既設防水シート21との接合部における止水性の劣化が抑制される。
なお、排水口11における防水構造、改修構造及び改修方法は、上に説明した排水口13の防水構造物100、改修構造200及び改修方法と同じであるので、詳細な説明を省略する。また、前述の排水口13付近の防水構造物100、改修構造200及び改修方法は、建物のベランダを形成する外部床において、ベランダのパラペット近傍に設けられる排水口にもそのまま適用可能である。
本発明に係るシート防水構造物の改修構造及び改修方法が適用される外部床の実施形態を示す斜視図である。 図1の外部床の平面図である。 図1の外部床における防水構造物を示す一部破断斜視図である。 図3の防水構造物のIV−IV断面図である。 図3の防水構造物の改修方法の一工程を示す一部破断斜視図である。 図3の防水構造物の改修構造を示す一部破断斜視図である。 図6の改修構造のVII−VII断面図である。
符号の説明
1…外部床、11,13…排水口、21…既設防水シート、21a…既設防水シートの縁部、29…ドレン部、29a…排水誘導部、51…ドレンカバー、52…シーリング材、53…ディスク(緩衝部材)、55…新規防水シート、100…シート防水構造物、200…改修構造。

Claims (6)

  1. ベランダ又は陸屋根を形成する外部床に形成される排水口と、該排水口に連接されて前記外部床の排水を前記排水口に誘導する排水誘導部と、を有するドレン部と、該ドレン部を除いて前記外部床の表面を覆う既設防水シートと、を備えて形成されるシート防水構造物に新規防水シートを被装して改修を行うシート防水構造物の改修構造であって、
    前記ドレン部の周縁には、当該ドレン部の前記排水誘導部を包囲するドレンカバーが前記既設防水シート上に被装された状態で設けられており、
    前記新規防水シートは、前記ドレンカバーに固着されていることを特徴とするシート防水構造物の改修構造。
  2. 前記ドレンカバーの周囲には、前記既設防水シート上に止め付けられると共に前記新規防水シートに固着されて当該新規防水シートの経年劣化による収縮に伴ってドレンカバーと新規防水シートとの固着部に作用する引張り力を緩衝する緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート防水構造物の改修構造。
  3. 前記ドレンカバーは、シーリング材を介して前記既設防水シートに接合されていることを特徴とする請求項2に記載のシート防水構造物の改修構造。
  4. 前記ドレンカバーは、前記ドレン部の前記排水誘導部の一部に被さり、前記排水誘導部の周囲に現れる前記既設防水シートの縁部を覆う形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート防水構造物の改修構造。
  5. ベランダ又は陸屋根を形成する外部床に形成される排水口と、該排水口に連接されて前記外部床の排水を前記排水口に誘導する排水誘導部と、を有するドレン部と、該ドレン部を除いて前記外部床の表面を覆う既設防水シートと、を備えて形成されるシート防水構造物に新規防水シートを被装して改修を行うシート防水構造物の改修方法であって、
    前記ドレン部の周縁に、当該ドレン部を包囲するドレンカバーを前記既設防水シート上に被装し、その後、前記新規防水シートを前記ドレンカバーに固着することを特徴とするシート防水構造物の改修方法。
  6. 前記ドレンカバーの周囲に、前記既設防水シート上に止め付けられると共に前記新規防水シートに固着されて当該新規防水シートの経年劣化による収縮に伴ってドレンカバーと新規防水シートとの固着部に作用する引張り力を緩衝する緩衝部材を設置し、
    前記新規防水シートを前記緩衝部材に固着した後、前記新規防水シートを前記ドレンカバーに固着することを特徴とする請求項5に記載のシート防水構造物の改修方法。
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