JP6562226B2 - 焼結原料製造時の適正造粒水分量の推定方法と焼結原料の製造方法 - Google Patents

焼結原料製造時の適正造粒水分量の推定方法と焼結原料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、下方吸引式のドワイトロイド型焼結機を用いて、高炉用焼結鉱を製造する技術に関し、具体的には、上記焼結機に装入する焼結原料を製造する時の適正造粒水分量の推定方法と上記方法を用いた焼結原料の製造方法に関するものである。
ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造する際、造粒した焼結原料の構造や性状が、装入層の通気性に大きく影響し、結果的に焼結鉱の品質や生産性、歩留を大きく左右することが知られている。特に、焼結鉱製造用原料を造粒して擬似粒子である焼結原料を製造するときに添加する水分は、擬似粒子を生成する際のバインダーとしての役割を果たすことから、この水分量を適正に制御することは非常に重要である。
そのため、従来から、擬似粒子を製造する際の造粒水分を適正化する検討がなされてきた。例えば、特許文献1は、適正水分濃度[Wopt]を、鉄鉱石、SiO系副原料に関する下記推定式;
[Wopt]=(吸収水分)+(付着水分)+(補正項)
から算出することを提案している。
また、特許文献2は、上記式中の(吸収水分)を粉鉱石中の核粒子の構成比率、(付着水分)を粉鉱石中の微粉の構成比率として推定式の係数を求めるのに加え、上記微粉中のAlやSiOの構成比率等も項目(変数)として追加した推定式を提案している。
特開2012−126985号公報 特開2010−106301号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、適正造粒水分量の推定式を、鉄鉱石、副原料の吸収水分と付着水分のみに注目し、変数を2つに包括して立てているため、定期的な原料性状の変化に追従できず、最適化できない原料配合パターンが出てくる可能性がある。また、特許文献2に開示の技術も、特許文献1の技術と同様の考え方で、さらに推定式の説明変数を細分化して詳しい係数を立てているが、実績の適正造粒水分量と一致しない事例が多々発生するという問題があった。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、焼結鉱製造用原料に水分を添加し、造粒して焼結原料を製造する際、焼結鉱製造用原料に添加する適正造粒水分量を精度よく推定する方法を提案するとともに、その方法を用いた焼結原料の製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決するべく、推定式の中に取り込む項目(変数)に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、上記焼結鉱製造用原料に添加する適正造粒水分量を、焼結鉱製造用原料の主原料である粉鉱石の吸収水分量、付着水分量および粘土質鉱物へ転化する成分であるSiOおよびAlの構成比率加えて、焼結鉱製造用原料を構成するその他の原料である副原料、固体燃料および返鉱それぞれの構成比率も説明変数として取り入れて重回帰分析を行い、推定式を導出することで、目的変数である適正造粒水分量を精度よく求めることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、粉鉱石、石灰石および/または生石灰を含む副原料、リサイクル成品である返鉱、および、コークスや無煙炭からなる固体燃料(凝結材)を含む焼結鉱製造用原料に水分を添加し、混合し、造粒して擬似粒子である焼結原料を製造するときの適正造粒水分量を推定する方法において、
上記焼結鉱製造用原料に添加する適正造粒水分量を、粉鉱石における吸収水分量および付着水分量、粘土質鉱物へ転化する成分であるSiOおよびAlの構成比率加えて、
焼結鉱製造用原料中に占める上記粉鉱石、副原料、固体燃料および返鉱それぞれの構成比率に基づいて推定することを特徴とする、焼結原料製造時の適正造粒水分量の推定方法を提案する。
本発明の上記焼結原料製造時の適正造粒水分量の推定方法は、上記適正造粒水分量を、下記(1)式;
〔Mpre〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO〕+γ・〔Al〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+ζ・〔粉鉱石比〕+η・〔石灰石比〕+θ・〔返鉱比〕+ι・〔凝結材比〕+κ・〔生石灰比〕+λ ・・・(1)
ここで、〔Mpre〕:焼結原料製造時の適正造粒水分量(mass%)
〔LOI〕:結晶水含有量(JIS M 8850による)(mass%)
〔SiO〕:SiOの構成比率(mass%)
〔Al〕:Alの構成比率(mass%)
〔−0.1mm〕:0.1mm未満の粉鉱石の構成比率(mass%)
〔1−0.1mm〕:0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率(mass%)
〔粉鉱石比〕:全粉鉱石の構成比率(mass%)
〔石灰石比〕:石灰石の構成比率(mass%)
〔返鉱比〕:返鉱の構成比率(mass%)
〔凝結材比〕:コークスの構成比率(mass%)
〔生石灰比〕:生石灰の構成比率(mass%)
α、δ、ε:吸収水分および付着水分項(係数)
β、γ:粘土質鉱物転化項(係数)
ζ、η、θ、ι、κ:焼結鉱製造用原料の構成比率項(係数)
λ:補正項
を用いて推定することを特徴とする。
また、本発明は、主原料の粉鉱石、石灰および/または生石灰を含む副原料、リサイクル成品である返鉱、および、コークスや無煙炭からなる固体燃料(凝結材)を含む焼結鉱製造用原料に水分を添加し、混合し、造粒して擬似粒子である焼結原料を製造する方法において、上記焼結鉱製造用原料に添加する適正造粒水分量を、粉鉱石における吸収水分量および付着水分量、粘土質鉱物へ転化する成分であるSiOおよびAlの構成比率に加えて、焼結鉱製造用原料中に占める上記粉鉱石、副原料、固体燃料および返鉱それぞれの構成比率に基づいて決定することを特徴とする焼結原料の製造方法を提案する。
本発明の上記焼結原料の製造方法における上記適正造粒水分量は、下記(1)式;
〔Mpre〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO〕+γ・〔Al〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+ζ・〔粉鉱石比〕+η・〔石灰石比〕+θ・〔返鉱比〕+ι・〔凝結材比〕+κ・〔生石灰比〕+λ ・・・(1)
ここで、〔Mpre〕: 焼結原料製造時の適正造粒水分量(mass%)
〔LOI〕:結晶水含有量(JIS M 8850による)(mass%)
〔SiO〕:SiOの構成比率(mass%)
〔Al〕:Alの構成比率(mass%)
〔−0.1mm〕:0.1mm未満の粉鉱石の構成比率(mass%)
〔1−0.1mm〕:0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率(mass%)
〔粉鉱石比〕:全粉鉱石の構成比率(mass%)
〔石灰石比〕:石灰石の構成比率(mass%)
〔返鉱比〕:返鉱の構成比率(mass%)
〔凝結材比〕:コークスの構成比率(mass%)
〔生石灰比〕:生石灰の構成比率(mass%)
α、δ、ε:吸収水分および付着水分項(係数)
β、γ:粘土質鉱物転化項(係数)
ζ、η、θ、ι、κ:焼結鉱製造用原料の構成比率項(係数)
λ:補正項
を満足することを特徴とする。
本発明によれば、焼結鉱製造用原料を造粒して擬似粒子である焼結原料を製造する際の適正造粒水分量を高い精度で推定することができるので、水分添加不足による微粉粒子の増加や、水分過剰添加による擬似粒子崩壊のない造粒粒子(焼結原料)を製造することが可能となり、焼結鉱の歩留り向上や品質向上ならびに生産性向上に大いに寄与する。
焼結鉱製造用原料を造粒して擬似粒子である造粒粒子を製造する際、最適造粒水分量が存在する理由を説明する図である。 銘柄の異なる鉄鉱石の粒径と含水率との関係を示すグラフである。 鉄鉱石中の結晶水含有率と吸収水分との関係を示すグラフである。 鉄鉱石中のAl含有率と吸収水分との関係を示すグラフである。 付着水が架橋水(バインダー)として機能する鉄鉱石の粒径範囲を説明する図である。 銘柄の異なる鉄鉱石の粒度分布を示すグラフである。 推定値と実績値の差と、焼結機の生産性、焼結鉱の品質および焼結原料の通気性に及ぼす影響を示すグラフである。 実績造粒水分量と、適正造粒水分量の推定式である(1)式および(2)式との差と、焼結機の実操業データとを対比して示すグラフである。
図1は、焼結鉱製造用原料を造粒して擬似粒子である造粒粒子を製造する際に添加する水分量と、得られる擬似粒子の形態との関係を、模式的に示した図である。
図1の(A)の領域においては、水分を添加しても、得られる擬似粒子の粒径や通気度は変化しない。これは、粉鉱石の表面には、微細な開気孔が存在し、添加された水分は、最初にこの空隙内に浸透し、吸収水となってしまうからである。この吸収水は、気孔量、空隙量が多いほど多くなるため、造粒に必要な水分量も多くなる。
図1の(A)の状態からさらに水分を増加すると、図1の(B)の領域となる。この領域では、図1の右側に示すように、粉鉱石の粒子表面を濡らす付着水となり、隣接する粉鉱石粒子と接触すれば、架橋水として作用する。粉鉱石粒子同士の接触が進み、微粉の核粒子への付着が進行するに従い、擬似粒子の径が増加し、造粒後の微粉率が低下する。その結果、この擬似粒子を焼結原料とした場合には、通気度も良好となる。
しかし、図1の(B)の状態から、さらに水を添加すると、図1の(C)の状態となり、図1の右側に示すように、水分過剰の為に添加水分が連続して存在する、いわゆるスラリー域となる。この領域では、粒径は大きくなるものの、過剰水の為に空隙率が低下する。そのため、この状態の擬似粒子を焼結原料とした場合には、通気度が大きく低下(悪化)することになる。
このように、焼結原料を製造する際の造粒水分には適正値が存在し、その適正造粒水分量に制御することによって、焼結鉱の生産性や品質を高めることができる。
ところで、上記の図1の説明からわかるように、造粒時に添加された水分は、水分の粉鉱石粒子への作用の仕方から、吸収水分と付着水分とに大別される。
そこで、適正造粒水分量の推定式を求めるにあたり、上記適正造粒水分量は、特許文献1と同様、下記式;
適正造粒水分量=(吸収水分量)+(付着水分量)
で表されるとの基本的な考えの下、上記吸収水分量および付着水分量に影響する因子、すなわち、重回帰分析する際に取り上げる変数について再検討することとした。
<吸収水分に影響する因子>
鉄鉱石中に含まれる水分の量(含水率)は、一般に、図2に示したように、鉄鉱石の粒径dの逆数で整理され、粒径が小さいほど高くなり、その傾きは、鉄鉱石の種類(産地)によらずほぼ一定である。
吸収水分量は、図3に示したように、鉄鉱石の結晶水含水率(LOI)と強い相関関係が認められる。これは、結晶水含水率LOIが高い鉄鉱石は、多孔質で、比表面積が大きい傾向にあるためと考えられる。
また、図4は、鉄鉱石中のAl含有率と、吸収水分との関係を示したものであり、やはり、強い相関関係が認められる。これは、鉄鉱石中のAlは、粘度鉱物(Kaolinite:AlSi10(OH))と関係があり、水分の吸収に寄与するためと考えられる。
一方、SiOも粘度鉱物(Kaolinite)と関係があり、付着性を向上するので、SiOを含む原料が主に付着粒子として振る舞う場合には、造粒水分を低減する方向に寄与すると考えられる。
そこで、本発明においては、適正造粒水分量中の吸収水分に関係する因子(変数)として、鉄鉱石の結晶水含水率(LOI)、Al含有率およびSiOの構成比率を採用する。
<付着水分に影響する因子>
先述したように、鉄鉱石中に含まれる含水率は、吸収水分と付着水分の和であり、付着水分は、鉄鉱石の粒径dの逆数(1/d)と相関関係にある。また、上記付着水分は、隣接する粉鉱石粒子と接触することで架橋水として働く。この架橋水としての作用は、粒子間の毛細管力に起因するものであり、毛細管力Hよりも重力Gの方が小さいときに発現する。図5は、付着水の架橋水としての働きについて説明する図であり、(a)に示したように大きな核粒子に小さな粒径dの微粉が付着したときの、粒径dと(毛細管力H/重力G)との関係を(b)に示したものである。この図から、付着水は、付着粒子の粒径dが1mm以下に架橋水として作用する。したがって、架橋水として働く付着水分量は、鉄鉱石中に占める、−1mmの微粉鉄鉱石の構成比率に左右され、その量が多いほど、造粒に必要な水分も多くする必要があることを意味している。
上記−1mmの微粉鉄鉱石の構成比率は、鉄鉱石の種類(銘柄、産地)によって異なるため、−1mmの微粉鉄鉱石の構成比率を付着水分量を決定する因子(説明変数)として採用することは重要な意味をもつ。しかし、発明者らの知見によれば、−1mmの微粉鉄鉱石でも、−0.1mmと0.1〜1mmの粒度分布は、図6に示したように、鉄鉱石の種類(銘柄、産地)によって大きく異なる。そこで、架橋水としての作用する付着水分量を評価するには、単なる−1mmの微粉鉄鉱石の構成比率ではなく、−0.1mmと0.1〜1mmそれぞれの微粉鉄鉱石の構成比率を用いることが重要である。
そこで、本発明では、適正造粒水分量中の付着水分に影響する因子(変数)として、−0.1mmと0.1〜1mmそれぞれの微粉鉄鉱石の構成比率を採用する。
<焼結鉱製造用原料の構成比率の因子>
ところで、適正造粒水分量に影響する因子としては、上記吸収水分に影響する因子と、付着水分に影響する因子の他に、焼結鉱製造用原料を構成する粉鉱石、副原料、固体燃料および返鉱の構成比率がある。従来技術においては、焼結鉱製造用原料を構成する粉鉱石(鉄鉱石)にのみ着目しており、これらの項目については殆ど考慮していない。
そこで、本発明においては、粉鉱石、副原料、固体燃料および返鉱の構成比率を表す因子として、全焼結鉱製造用原料に対する粉鉱石比(全粉鉱石の構成比率(mass%)、石灰石比(石灰石の構成比率(mass%))、返鉱比(返鉱の構成比率(mass%)、凝結材比(コークスの構成比率(mass%))および生石灰比(生石灰の構成比率(mass%))を因子(変数)として採用することとした。
なお、上記焼結鉱製造用原料には、高炉ダスト、製鋼ダスト、熱延ダスト等の雑原料を含んでもよいが、量的には少ないため、適正造粒水分量〔Mpre〕の推定式の個別変数としては取り上げず、「粉鉱石」を構成する一部として考える。因みに、「粉鉱石」は、通常、以下の成分からなる。
・購入粉:購入した鉄鉱石粉(約56mass%)
・篩下粉:購入した塊鉱石を製鉄所内で篩ったときの篩下の鉄鉱石粉(約32mass%)
・雑原料:高炉ダストや製鋼ダスト、熱延ダスト等、製鉄所内で発生したダスト、側溝等から回収したスラッジ等(約10mass%)
・低シリカドロマイト(MgO源):成分調整用添加材(約1.5mass%)
・ニッケルスラグ(SiO源):成分調整用添加材(約0.5mass%)
このように焼結製造用全原料の構成比率の項を追加することによって、熱量調整を目的とした粉コークスの配合量変更や、塩基度調整を目的とした石灰または生石灰配合量変更にも柔軟に対応できる。また、粒子なので、鉄鉱石のみではなく、石灰粉や粉コークス、返鉱量なども加味しているので、造粒時の適正造粒水分量の推定精度をより高めることができる。
上記の検討結果から、本発明では、適正造粒水分量〔Mpre〕の推定式として、下記(1)式;
〔Mpre〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO〕+γ・〔Al〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+ζ・〔粉鉱石比〕+η・〔石灰石比〕+θ・〔返鉱比〕+ι・〔凝結材比〕+κ・〔生石灰比〕+λ ・・・(1)
ここで、〔Mpre〕: 焼結原料製造時の適正造粒水分量(mass%)
〔LOI〕:結晶水含有量(JIS M 8850による)(mass%)
〔SiO〕:SiOの構成比率(mass%)
〔Al〕:Alの構成比率(mass%)
〔−0.1mm〕:0.1mm未満の粉鉱石の構成比率(mass%)
〔1−0.1mm〕:0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率(mass%)
〔粉鉱石比〕:全粉鉱石の構成比率(mass%)
〔石灰石比〕:石灰石の構成比率(mass%)
〔返鉱比〕:返鉱の構成比率(mass%)
〔凝結材比〕:コークスの構成比率(mass%)
〔生石灰比〕:生石灰の構成比率(mass%)
α、δ、ε:吸収水分および付着水分項(係数)
β、γ:粘土質鉱物転化項(係数)
ζ、η、θ、ι、κ:焼結鉱製造用原料の構成比率項(係数)
λ:補正項
を用いることとした。
ここで、上記(1)式を用いて、適正造粒水分量〔Mpre〕を推定するためには、適正造粒水分量〔Mpre〕を目的変数、結晶水含有量〔LOI〕、SiOの構成比率SiO〕(mass%)、Alの構成比率〔Al〕(mass%)、0.1mm未満の粉鉱石の構成比率〔−0.1mm〕(mass%)、0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率〔1−0.1mm〕(mass%)、全粉鉱石の構成比率〔粉鉱石比〕(mass%)、石灰石の構成比率〔石灰石比〕(mass%)、返鉱の構成比率〔返鉱比〕(mass%)、コークスの構成比率〔凝結材比〕(mass%)および生石灰の構成比率〔生石灰比〕(mass%)を説明変数として実操業データを重回帰分析し、上記(1)式中の係数α〜κおよび補正項λを算出することが必要である。
ところで、上記のようにして求めた推定式を用いることによって、種々の異なる焼結鉱製造用原料の適正造粒水分量を推定することができる。しかし、この適正造粒水分量は、焼結鉱製造用原料に由来する水分量と、造粒時に添加される水分量の和である。したがって、造粒時の水分量を推定式から算出した適正造粒水分量に制御するためには、造粒時に添加する水分量を、焼結鉱製造用原料に由来する水分量に応じて調整する必要があり、そのためには、焼結鉱製造用原料中に含まれる水分量を予め求めておくことが必要である。この方法としては、造粒前の鉄鉱石、副原料等に含まれる水分量を測定しておき、その値を鉄鉱石、副原料等の構成比率に掛けて、足し合わせることで求めることができる。
焼結機の稼働率が95%以上であり、かつ、焼結機に装入された各種原料構成からなる焼結原料のうちで、下記式;
JPU=V/S(h/ΔP)0.6
ここで、V:風量[Nm/min]
S:充填層断面積[m
h:充填層高さ[mm]
ΔP:圧力損失[mmHO]
で定義され、通気性の指標となるJPU(Japan Permeability Unit)の測定値が最大値を示した焼結原料についての造粒実績データおよび焼結機の操業実績データをn数55抽出し、上記造粒実績データの造粒水分量を目的変数とし、結晶水含有量〔LOI〕、SiOの構成比率〔SiO〕、Alの構成比率〔Al〕、0.1mm未満の粉鉱石の構成比率〔−0.1mm〕、0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率〔1−0.1mm〕、全粉鉱石の構成比率〔粉鉱石比〕、石灰石の構成比率〔石灰石比〕、返鉱の構成比率〔返鉱比〕、コークスの構成比率〔凝結材比〕および生石灰の構成比率〔生石灰比〕を説明変数として重回帰を行い、下記(1)式;
〔Mpre〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO〕+γ・〔Al〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+ζ・〔粉鉱石比〕+η・〔石灰石比〕+θ・〔返鉱比〕+ι・〔凝結材比〕+κ・〔生石灰比〕+λ ・・・(1)
における各説明変数の係数α〜κおよび補正項λを求めた。
また、比較として、上記説明変数から全粉鉱石の構成比率〔粉鉱石比〕、石灰石の構成比率〔石灰石比〕、返鉱の構成比率〔返鉱比〕、コークスの構成比率〔凝結材比〕および生石灰の構成比率〔生石灰比〕を除いた、結晶水含有量〔LOI〕、SiOの構成比率〔SiO〕、Alの構成比率〔Al〕、0.1mm未満の粉鉱石の構成比率〔−0.1mm〕、0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率〔1−0.1mm〕のみを説明変数とした重回帰を行い、下記(2)式;
〔Mpre〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO〕+γ・〔Al〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+λ ・・・(2)
における各説明変数の係数α〜κおよび補正項λを求めた。
上記重回帰によって得られた各説明変数の係数および補正項を下記表1に示した。
次いで、上記重回帰により係数を(1)式および(2)式に適用し、重回帰に用いたn数55のそれぞれの実績データを入力して、各条件における適正造粒水分量(推定値)を算出した。
次いで、上記のようにして得た適正造粒水分量(推定値)と、n数55のそれぞれの造粒水分量の実績値との差(推定値−実績値)を求め、その差(Δ造粒水分)と各データ採取時の焼結機の生産性(kt/d)、焼結鉱の強度TI(%)および焼結原料のJPUの実績値との関係を図7に示した。
(1)式を用いた場合(図7(a))には、Δ造粒水分が0の近傍で、焼結機の生産性、焼結鉱の強度およびJPUの実績値がピークを示しており、(1)式を用いることにより、適正造粒水分量を精度よく推定できることがわかる。
これに対して、(2)式を用いた場合(図7(b))には、焼結機の生産性およびJPUの実績値のピークが、Δ造粒水分が約0.2%近傍にある、すなわち、(2)式を用いて適正造粒水分量を推定した場合には、約0.2%の推定誤差を生じていることがわかる。
実施例1に用いた稼働率が95%以上の焼結機において、実操業時における実績造粒水分量と、実績操業データ(生産率、JPU、パレット速度)を、1日3回、約8hr毎に測定し、その結果を図8に示した。また、図8中には、実操業時における実績造粒水分量と、実施例1と同様にして、本発明の(1)式と比較例の(2)式から求めた適正造粒水分量〔Mpre〕との差の経時変化も併せて示した。
図8から、本発明において提案した(1)式を用いて推定した適正造粒水分量の値と実績造粒水分量との差の経時変化では、0近傍である期間が2回(図8のA−1、A−2)、また、0から大きく乖離した期間が同じく2回(図8のB−1、B−2)あるが、上記差が0近傍である期間では、いずれの期間でも通気性(JPU)が向上し、パレットスピードが高速化し、その結果、生産率が向上しているのに対して、上記差が0近傍から大きく乖離した期間では、いずれの期間も逆に通気性(JPU)が低下し、パレットスピードが低速化し、その結果、生産率が低下している。
これに対して、従来技術の(2)式を用いて推定した適正造粒水分量の値と実績造粒水分量との差の経時変化では、本発明の(1)式を用いて推定した適正造粒水分量と実績造粒水分量との差の経時変化とは逆の傾向を示している期間もあり、操業実績値との相関が明確に認められない。
因みに、図8の生産率、JPUおよびパレット速度を示すグラフ中には、本発明の(1)式が正しいとしたときの生産率、JPUおよびパレット速度の予測推移パターンを太い実線で、従来の(2)式が正しいとしたときのJPUの予測推移パターンを太い破線で示したが、(1)式を正しいとしたときの予測推移パターンは、時期的な遅れがあるものの、焼結機の実績操業データと傾向が一致しているのに対して、(2)式を正しいとしたときの予測推移パターンは、焼結機の実績操業データとの相関が余り明確ではない。
以上の結果から、適正造粒水分量の推定式として本発明が提案する(1)式を用いることで、焼結原料造粒時の造粒水分が適正化でき、ひいては、焼結機の生産率向上に寄与できることがわかる。

Claims (2)

  1. 粉鉱石、石灰石および/または生石灰を含む副原料、リサイクル成品である返鉱、および、コークスや無煙炭からなる固体燃料(凝結材)を含む焼結鉱製造用原料に水分を添加し、混合し、造粒して擬似粒子である焼結原料を製造するときの適正造粒水分量を推定する方法において、
    上記焼結鉱製造用原料に添加する適正造粒水分量を、粉鉱石における吸収水分量および付着水分量、粘土質鉱物へ転化する成分であるSiOおよびAlの構成比率加えて、
    焼結鉱製造用原料中に占める上記粉鉱石、副原料、固体燃料および返鉱それぞれの構成比率に基づいて、下記(1)式を用いて推定することを特徴とする、焼結原料製造時の適正造粒水分量の推定方法。

    〔M pre 〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO 〕+γ・〔Al 〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+ζ・〔粉鉱石比〕+η・〔石灰石比〕+θ・〔返鉱比〕+ι・〔凝結材比〕+κ・〔生石灰比〕+λ ・・・(1)
    ここで、〔Mpre〕:焼結原料製造時の適正造粒水分量(mass%)
    〔LOI〕:結晶水含有量(JIS M 8850による)(mass%)
    〔SiO 〕:SiO の構成比率(mass%)
    〔Al 〕:Al の構成比率(mass%)
    〔−0.1mm〕:0.1mm未満の粉鉱石の構成比率(mass%)
    〔1−0.1mm〕:0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率(mass%)
    〔粉鉱石比〕:全粉鉱石の構成比率(mass%)
    〔石灰石比〕:石灰石の構成比率(mass%)
    〔返鉱比〕:返鉱の構成比率(mass%)
    〔凝結材比〕:コークスの構成比率(mass%)
    〔生石灰比〕:生石灰の構成比率(mass%)
    α、δ、ε:吸収水分および付着水分項(係数)
    β、γ:粘土質鉱物転化項(係数)
    ζ、η、θ、ι、κ:焼結鉱製造用原料の構成比率項(係数)
    λ:補正項
  2. 主原料の粉鉱石、石灰および/または生石灰を含む副原料、リサイクル成品である返鉱、および、コークスや無煙炭からなる固体燃料(凝結材)を含む焼結鉱製造用原料に水分を添加し、混合し、造粒して擬似粒子である焼結原料を製造する方法において、
    上記焼結鉱製造用原料に添加する適正造粒水分量を、
    粉鉱石における吸収水分量および付着水分量、粘土質鉱物へ転化する成分であるSiOおよびAlの構成比率に加えて、
    焼結鉱製造用原料中に占める上記粉鉱石、副原料、固体燃料および返鉱それぞれの構成比率に基づいて決定するにあたり、
    前記適正造粒水分量は、下記(1)式を満足することを特徴とする焼結原料の製造方法。

    〔M pre 〕=α・〔LOI〕+β・〔SiO 〕+γ・〔Al 〕+δ・〔−0.1mm〕+ε・〔1−0.1mm〕+ζ・〔粉鉱石比〕+η・〔石灰石比〕+θ・〔返鉱比〕+ι・〔凝結材比〕+κ・〔生石灰比〕+λ ・・・(1)
    ここで、〔Mpre〕:焼結原料製造時の適正造粒水分量(mass%)
    〔LOI〕:結晶水含有量(JIS M 8850による)(mass%)
    〔SiO 〕:SiO の構成比率(mass%)
    〔Al 〕:Al の構成比率(mass%)
    〔−0.1mm〕:0.1mm未満の粉鉱石の構成比率(mass%)
    〔1−0.1mm〕:0.1〜1mmの粉鉱石の構成比率(mass%)
    〔粉鉱石比〕:全粉鉱石の構成比率(mass%)
    〔石灰石比〕:石灰石の構成比率(mass%)
    〔返鉱比〕:返鉱の構成比率(mass%)
    〔凝結材比〕:コークスの構成比率(mass%)
    〔生石灰比〕:生石灰の構成比率(mass%)
    α、δ、ε:吸収水分および付着水分項(係数)
    β、γ:粘土質鉱物転化項(係数)
    ζ、η、θ、ι、κ:焼結鉱製造用原料の構成比率項(係数)
    λ:補正項
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