JP2008088533A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉スラグを形成する成分の含有量が従来よりも少なくても、90%以上の落下強度(SI)と、35%以下の還元粉化性(RDI)を維持可能であり、かつ被還元性(RI)の劣化を防止可能な焼結鉱の製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも粉鉄鉱石を含有する鉄源原料と、CaOを含有する副原料と、炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機のパレット上へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%を含有する焼結鉱を製造するに際して、前記鉄源原料のうちSiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石の少なくとも一部及び前記炭材の一部を混合、造粒して造粒物Aを形成し、該造粒物Aを焼結機のパレット上の床敷鉱上に装入し、ついで前記配合原料の残部を前記造粒物Aの上に装入することを特徴とする焼結鉱の製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉で溶銑を溶製する際の原料に用いる焼結鉱の製造方法に係わり、特に高炉スラグを形成する成分であるSiO2及びCaOの含有量が少ないにもかかわらず、落下強度(シャッター強度)が高く、還元粉化性RDIが良好な特性を有する焼結鉱の製造技術に関する。
近年、良質の塊状鉄鉱石が枯渇する傾向にあるので、高炉へ装入する鉄源原料として、焼結鉱の利用比率が一層高まっている。この焼結鉱は、粉状鉄鉱石、硫酸滓、砂鉄、スケール、高炉ダスト及び転炉ダスト等の鉄源(焼結原料)に、造滓材としての石灰石、返鉱及び焼成のための熱源としての炭材を混合した配合原料を素材とする。通常は、その配合原料に適量の水分を添加、混合、造粒した後、焼結機のパレット上に層状に充填し、空気を下向きに流通させながら前記炭材を燃焼し、該配合原料を溶融してから冷却、破砕することで製造している。つまり、焼結鉱は、粉状鉄鉱石等の鉄源をフラックスとしてのCaOやSiO2等の造滓(スラグ)成分と反応、溶融させて塊状化する人工鉱石である。この焼結鉱の焼成過程では凝結材であるコークス(炭材)の燃焼による発熱により、鉱石と石灰等の副原料が反応しカルシウムフェライト(CaO・nFe23、CaO・nFe34)やオリビン(SiO2・Fe23)等の融体が発生する。
しかしながら、現在高炉で利用している焼結鉱は、塊状鉄鉱石に比較してSiO2、CaOの含有量が多いので、高炉へ装入する鉄源原料のうちで該焼結鉱の占める比率が高くなるに伴い、高炉スラグの発生量が増加し、高炉の燃料比(溶銑1トンを溶製するに必要な燃料の量)及び発生した高炉スラグの処理費の増大を招く等の問題が発生している。また、最近では、省資源・省エネルギーの観点からも、高炉の燃料比及びスラグ比(スラグ量/高炉原料量)の低減に対する要望が高まっている。
一方、焼結鉱中のSiO2、CaO含有量の減少を図ることは、該焼結鉱の強度低下、還元粉化性(RDI)の悪化をもたらす原因となるため、例えば、CaOが6〜9wt%の低スラグ焼結鉱の製造方法(特許文献1参照)、SiO2が平均5wt%以下で、CaO/SiO2が1.90〜2.10の焼結鉱の製造方法(特許文献2参照)、SiO2が4.2〜4.9mass%,MgOが1.5〜3.0mass%で、CaO/SiO2が1.8〜2.2の焼結鉱の製造方法(特許文献3参照)及びSiO2が4.6%以下、CaO/SiO2が1.0〜3.0、MgOが0.5%超え程度の焼結鉱の製造方法(特許文献4参照)が提案されているが、これら従来の製造方法は、いずれもSiO2、CaO含有量の低下に伴い、落下強度(シャッター強度:以下「SI」と記載する。)が低下するという問題が解決されておらず、現状では、SiO2含有量の下限値は4.5mass%程度、CaO含有量の下限値は9.0mass%程度に抑えられ、落下強度(SI)が85%程度、還元粉化性(RDI)が40%程度となっている。なお、現状のSiO2を4.5mass%以上、CaOを9.0mass%以上含有する焼結鉱では、落下強度(SI)は89%程度、還元粉化性(RDI)が35%程度である。
また、含有させるSiO2、CaO等の所謂「フラックス」を減少させる方法に対し、配合原料中の炭材含有量を増加させて現状の強度、還元粉化性を維持する方法も考えられるが、その場合には、焼結鉱のミクロ組織が溶融時に生成したオリビン系融液に由来する結晶の多いものとなり、焼結鉱の被還元性(RI)が劣化するという別の問題が発生する。
所謂「フラックス」を減少させる方法としては、上記の他に、SiO2含有量の低い予備造粒物を形成した後、SiO2含有量の高い原料を加えて再度造粒を行う、高炉スラグを形成する成分の含有量が従来より少なくても、90%以上の落下強度(SI)を維持可能な焼結鉱の製造方法(特許文献5参照)が提案されている。
特開平10−273738号公報 特開平11−80845号公報 特開平11−131151号公報 特開2000−178659号公報 特開2005−220399号公報
しかしながら、特許文献5に記載の方法においては予備造粒物と残りの原料との結合を強化するため予備造粒物中に添加する炭材の量を多くする必要があり、トータルの炭材使用量が多くなる問題点がある。炭材使用量が増加すると、上記のように焼結鉱の被還元性(RI)が劣化する。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、高炉スラグを形成する成分の含有量が従来よりも少なくても、90%以上の落下強度(SI)と、35%以下の還元粉化性(RDI)を維持可能であり、かつ被還元性(RI)の劣化を防止可能な焼結鉱の製造方法を提供することを目的としている。
発明者らは、上記目的の実現に向けた研究の中で、従来技術の抱える上述した問題点について鋭意検討し、その成果を本発明に具現化した。
すなわち、本発明の特徴は以下の通りである。
(1)少なくとも粉鉄鉱石を含有する鉄源原料と、CaOを含有する副原料と、炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機のパレット上へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%を含有する焼結鉱を製造するに際して、前記鉄源原料のうちSiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石の少なくとも一部及び前記炭材の一部を混合、造粒して造粒物Aを形成し、該造粒物Aを焼結機のパレット上の床敷鉱上に装入し、ついで前記配合原料の残部を前記造粒物Aの上に装入することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)少なくとも粉鉄鉱石を含有する鉄源原料と、CaOを含有する副原料と、炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機のパレット上へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%を含有する焼結鉱を製造するに際して、まず、前記鉄源原料のうちSiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石の少なくとも一部及び前記炭材の一部を混合、造粒して造粒物Aを形成するとともに、前記配合原料の残部を混合、造粒して造粒物Bを形成し、まず前記造粒物Aを焼結機のパレット上の床敷鉱上に装入し、ついで前記造粒物Bを前記造粒物Aの上に装入することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(3)造粒物Aの炭材含有量を2mass%以上、5mass%以下とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)さらに、造粒物AがCaOを含有する副原料を含有し、前記造粒物AのCaO含有量が6mass%以下であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、焼結用配合原料のうち鉄源原料の一部について炭材を内装させ造粒し、焼結機においてこれを床敷鉱上に装入し焼成することによりマグネタイト系融液を主体にした強度の大きい焼結鉱とする結果、高炉スラグを形成する成分の含有量が従来よりも少なくても、90%以上の落下強度(SI)を有し、被還元性、耐還元粉化性が良好な焼結鉱が製造できる。これにより、高炉スラグの発生量が減少し、高炉の燃料比も低減できる。
以下、発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の最良の実施形態について説明する。
焼結鉱は、粉鉄鉱石等の鉄源を所謂「フラックス」、つまりCaOやSiO2等のスラグ成分と反応溶融させた後、冷却して塊成化したものである。そのため、焼結鉱の強度には、配合原料の粒度や配合比率(塩基度)等、様々な因子が影響を及ぼしていることは周知の通りである。特に、SiO2含有量が4.0〜5.0mass%、CaO含有量が7〜9mass%程度の低スラグ焼結鉱では、CaOやSiO2等のフラックス成分の減少に伴い、融液量が不足して、製品たる焼結鉱の落下強度(SI)の低下が顕著となる。またSiO2含有量が4.5mass%を下回る場合には還元粉化性(RDI)の悪化も顕著となる。
そこで、本発明者らは、添加フラックス成分に依存しない融液生成を種々試みたところ、SiO2含有量が3.6mass%以下である粉鉄鉱石(鉄源原料)と炭材の一部との造粒物を予め形成し(予備造粒で形成した予備造粒物と呼ぶものとする。)、その上を残りの原料(配合原料のうち、上記予備造粒に使用しなかった原料)で覆うように二層構造に再度造粒してから焼結すると、比較的被還元性が高く、高強度な焼結体が得られることを見出し、その知見に基づき特許文献5に記載の発明を完成させた。しかしながら予備造粒物中への炭材添加(含有)量が6mass%未満では、融液生成量が不足し、所望の強度が得られない場合があったので、炭材添加(含有)量は6mass%以上とすることが好ましいとするものであった。
そこで更なる改良を加えるためSiO2含有量が3.6mass%以下である粉鉄鉱石と炭材の一部との予備造粒物である造粒物Aと残りの原料の焼結機内での配置について検討した。焼結機においては、ガス下方吸引の特性上、熱蓄積により原料下層部の層内温度が相対的に高くなる。このことを考慮し、造粒物Aの焼成を床敷鉱上である、装入原料の最下層で行えば、造粒物A単独の所望強度を得られ、かつ残部原料造粒物との焼結の必要が無くなり、造粒物Aへの炭材添加量を低く抑えることができると考え、実験を行った。
その結果、造粒物Aを床敷鉱上に装入し、その上に残りの原料の混合物または造粒物を重ねるように装入してから焼結すると、還元粉化性RDIが低く、比較的被還元性が高く、高強度な焼結体を、少ない炭材量で得られることを見出し、本発明を完成させた。この造粒物Aに、SiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石を用いることで、オリビン系融液の生成量が少なくなり高被還元性が得やすくなる。
また、本発明者は、造粒物A中への炭材添加量の好適範囲を検討した。焼結鉱の還元粉化は還元過程でのヘマタイトからマグネタイトへの結晶構造変化に伴う膨張に起因する。さらに還元粉化の主な原因は二次ヘマタイトであり、二次ヘマタイトは焼結反応時にカルシウムフェライトが分解溶融する1300℃以上の高温状態で存在するマグネタイトが冷却される際に再酸化されて生成する。そこで還元粉化を低減するため、2次ヘマタイトの生成を伴わない、マグネタイト主体の組織を実現することを試行した。造粒物Aにおいては内装する炭材の還元力を利用してマグネタイトを生成し、被還元性を維持するため反応により消失した炭材に起因する気孔を残す条件を探索したところ、炭材添加(含有)量が2mass%未満では還元力が不足しマグネタイトの生成が少なくなり所望のRDIが得られず、炭材添加(含有)量が5mass%を上回る場合では炭材の燃焼による過溶融により融液が流動化し再酸化するとともに、粗大結晶が生成するため、被還元性が悪化する。そこで本発明では、造粒物Aの炭材含有量を2mass%以上、5mass%以下とすることが望ましい。また、これらの本発明では、前記造粒物Aにおいて、粉鉄鉱石及び炭材に加えて、CaOを含有する副原料(例えば、石灰石、焼石灰等)を添加し、予めCaOの添加(含有)量が6mass%以下と比較的少ない造粒物を形成させても良い。造粒物Aは炭材を内装させ鉱石を還元させるという観点から比較的緻密な造粒物が必要とされるが、その際造粒のためのバインダーとして焼石灰のようにCaOを含むものが使用される場合がある。ところで焼結鉱の全配合原料中のCaO量は予め規定されるので、この造粒物AのCaO含有量が少なくなると相対的に残部配合原料中のCaO含有量が多くなる。通常の焼結鉱においてはCaO含有量が高くなると、カルシウムフェライト生成量が多くなり、被還元性、還元粉化性、強度が向上するため、造粒物AのCaO含有量の低下は、残部配合原料からなる焼結鉱には品質上有利に作用する。そこで造粒物A中のCaO含有量に関し好適範囲を検討した結果、CaO添加(含有)量が6mass%を超える場合には焼結鉱品質の改善効果が低下した。そこで本発明では、造粒物AのCaO含有量を6mass%以下とすることが望ましい。
次に図1を用いて、本発明に係る焼結鉱の製造方法の一実施形態を説明する。図1は本発明に係る焼結鉱の製造工程例を説明するフロー図であり、鉄源原料として粉鉄鉱石のみを用い、(A)〜(H)の工程により焼結鉱を製造する場合について説明する。以下、(A)〜(H)の各工程を詳しく説明する。
(A)まず、SiO2含有量4.0〜5.0mass%の焼結鉱を製造するに当たり、鉄源である粉鉄鉱石の配合(焼結原料の配合)を決定する。すなわち、造粒物Aの製造に使用する粉鉄鉱石使用量に基づき、その他の粉鉄鉱石使用量を求め、全配合原料としてSiO2含有量4.0〜5.0mass%となる粉鉄鉱石(焼結原料)の配合を定める。SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石を造粒物Aに使用するので、SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石使用量に基づき、そのうちの造粒物Aに使用する量を決め、その他の粉鉄鉱石使用量を求め、全配合原料としてSiO2含有量4.0〜5.0mass%となる粉鉄鉱石(焼結原料)の配合を定める。これとは逆に、SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石以外のその他の配合から全粉鉄鉱石(焼結原料)の配合としてSiO2含有量4.0〜5.0mass%となるようにSiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石(焼結原料)使用量を求めてもよい。
粉鉄鉱石(焼結原料)を、(B)SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石の少なくとも一部と、(D)残りの粉鉄鉱石とに分離する。
引き続き、(B)の「造粒物Aに使用する粉鉄鉱石」に対するCaO含有副原料、および炭材量を決定し、(C)CaO含有副原料、および炭材を添加する。CaO含有副原料としては焼石灰、消石灰などを用いることが出来る。
また、(D)の「残りの粉鉄鉱石」についても、(B)と同様にCaO、炭材量を決定し、(E)CaO含有副原料、および炭材を添加する。
(F)造粒物Aに使用する粉鉄鉱石に対するCaO含有副原料、および炭材量を決定し、混合した後は、水(造粒用水)を加え造粒して造粒物Aとする。なお、この造粒物は内装した炭材による還元雰囲気を保持する強度が必要であり、そのためバインダーとして水、あるいは必要に応じ生石灰、消石灰などを使用する。造粒機としては、パンペレタイザーを用いることができる。
(G)残りの粉鉄鉱石(焼結原料)の混合・造粒には通常通りドラムミキサーを用いることができる。CaOおよび炭材、必要に応じSiO2原料を加え、ドラムミキサーの入り側から装入して混合そして転動による造粒操作を加えて擬似粒子化し、造粒物Bとする。
(H)焼結機パレット上にまず床敷鉱が装入され、ついでその上に造粒物Aが装入され、さらに残部配合原料の造粒物Bが装入され、焼結される。
次に図2を用いて、本発明にかかる前記(H)の工程の装入方法を説明する。
焼結機1のパレット上へまず床敷鉱ホッパー2から床敷鉱が装入され床敷鉱層3が形成される。続いて造粒物Aのホッパー4より造粒物Aが装入され、造粒物A層5が形成される。さらに残部原料ホッパー6より残部配合原料の造粒物Bが装入され残部配合原料の造粒物層(造粒物B層)7が形成される。この後点火炉8によりパレット上の配合原料層表面が点火され焼結が開始する。
また、他の実施形態として、(G)において造粒を行なわずに、(D)「残りの粉鉄鉱石」に(E)CaO含有副原料、および炭材を添加して混合し、焼結機パレット上の床敷鉱の上に装入された造粒物Aの上に装入して、焼結機で焼結しても良い。(D)「残りの粉鉄鉱石」の一部のみについて造粒して造粒物Bとしても良い。
以下に、本発明に係る焼結鉱の製造方法を具体的な実施例で説明すると共に、本発明の要件から外れる比較例をも記載し、本発明の効果を確認する。なお、これらの焼結鉱を製造するに際しては、9銘柄の粉鉄鉱石(鉱石A〜I)を使用し、表1に示す鉱石配合割合とした。これらの粉鉄鉱石(焼結原料)を、以下、新原料と記載する。副原料としては、表2に示す化学成分を有する石灰石、ドロマイト、珪石を用いた。また、新原料及び副原料の配合割合を表3に示す。
Figure 2008088533
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(本発明例1)
この実施例において、配合原料を調整するに当っては、焼結鉱中のSiO2含有量が4.0mass%となるように珪石を、焼結鉱中のCaO含有量が7.0mass%となるように石灰石を配合した。また、製品とならない5mm未満の焼結鉱は原料中に返鉱として戻されるが、その返鉱を新原料(粉鉄鉱石原料)と副原料の和に対し20mass%となるように配合した。
そして、焼結鉱の製造に当っては、下記(a)、(b)のようにして行った。
(a)まず、鉱石A、Bに対し、炭材(粉コークス)の含有量が2mass%、CaOの含有量が2mass%となるように生石灰を添加・混合した後、水分を添加しながらパンペレタイザーで造粒し、造粒物Aを製造した。従って、表1の鉱石銘柄のうち、上記鉱石A、B以外のものは造粒物Aに含まれない、残りの焼結原料である。残りの焼結原料には、返鉱も含めるものとする。
(b)次に、上述した残りの焼結原料と残りの副原料、炭材をドラムミキサーに投入し、水分を添加しながら混合、造粒して造粒物Bを得た。
前記(a)で得られた造粒物Aは鉄鉱石原料(焼結原料)中18mass%であり残りの鉄鉱石原料(残りの焼結原料)は、82mass%であった。配合した全炭材量は、新原料に対し4.5mass%とした。これらの製造条件を整理して表4の本発明例1の欄に示す。
上記の造粒物A、Bを焼結機に装入する際、まず焼結機パレット上に床敷鉱を装入し次いでその上に造粒物Aを装入し、さらにその上に残部配合原料の造粒物Bを装入し、通常の空気吸引下で焼結した。得られた焼結鉱の品質を表5の本発明例1の欄に示す。焼結鉱の品質の評価は、日本工業規格JIS M8711規定された方法により落下強度(シャッターインデックス:SIで示されるシャッター強度)を、また日本工業規格JIS M8713に規定された方法で被還元性指数(RI)を、また日本工業規格JIS M8720に規定された方法で還元粉化指数(RDI)を求めて行った。
Figure 2008088533
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本発明例1で得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが90、RIが69、RDIが30と、高強度で被還元性、耐還元粉化性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例2)
鉱石銘柄Dの粉鉄鉱石全量に対し炭材の含有量が3mass%となるように添加・混合した後造粒し、造粒物Aを得た以外は本発明例1と同様の方法で焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例2の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0%であり、SIが91、RIが66、RDIが28と、高強度で被還元性、耐還元粉化性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例3)
鉱石銘柄Gの粉鉄鉱石の一部である配合割合20mass%分を用い、造粒物Aの炭材の含有量が5mass%となるように添加・混合した後造粒し、造粒物Aを得た以外は本発明例1と同様の方法で焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例3の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが89、RIが70、RDIが30と、高強度で被還元性、耐還元粉化性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例4)
鉱石銘柄A、Bの粉鉄鉱石全量に対し炭材の含有量が3mass%、CaOの含有量が6mass%となるように添加・混合した後造粒し、造粒物Aを得た以外は本発明例1と同様の方法で焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例4の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが90、RIが67、RDIが32と、高強度で被還元性、耐還元粉化性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例5)
成品焼結鉱のSiO2含有量が5.0%massとなるように珪石を、成品焼結鉱のCaO含有量が9.0%massとなるように石灰石を配合した以外は、本発明例1と同様の方法で焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例5の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が5.0mass%、CaO含有量が9.0mass%であり、SIが94、RIが66、RDIが27と、高強度で被還元性、耐還元粉化性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例6)
鉱石銘柄A、Bの粉鉄鉱石全量に対し炭材の含有量が1mass%となるように添加・混合した後造粒し、造粒物Aを得た以外は本発明例1と同様の方法で焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例6の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが89、RIが71、RDIが36と、落下強度、RDIが若干劣るものであったが実用範囲内であった。
(本発明例7)
鉱石銘柄A、Bの粉鉄鉱石全量に対し炭材の含有量が2mass%、CaOの含有量が6mass%となるように添加・混合した後造粒し、造粒物Aを得た以外は本発明例1と同様の方法で焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例7の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが89、RIが72、RDIが37と、落下強度、RDIが若干劣るものであったが実用範囲内であった。
(比較例1)
鉱石銘柄A〜I全ての粉鉄鉱石に、成品焼結鉱のSiO2含有量が4.0%massとなるように珪石を、成品焼結鉱のCaO含有量が7.0%massとなるように石灰石を配合した。また、返鉱は、新原料に対し20mass%となるように配合した。
すべての配合原料をドラムミキサーに投入し、水分を添加しながら混合、造粒した。配合した全炭材量は、新原料に対し4.5mass%とした。これらの製造条件を整理して表6の比較例1の欄に示す。
上記造粒物を焼結機パレット上に装入した床敷鉱の上に装入し焼結鉱を製造した。焼結後に得られた焼結鉱の品質を表7の比較例1の欄に示す。ここで得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが85、RIが73、RDIが45と、落下強度、RDIが劣るものであった。
Figure 2008088533
Figure 2008088533
(比較例2)
成品焼結鉱のSiO2含有量が5.0%massとなるように珪石を、成品焼結鉱のCaO含有量が9.0%massとなるように石灰石を配合した以外は、比較例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表6、表7の比較例2の欄に示す。得られた焼結鉱は、SiO2含有量が5.0mass%であり、CaO含有量が9.0mass%であり、SIが86、RIが66、RDIが40と、落下強度、RDIが低いものであった。
本発明に係る焼結鉱の製造方法の一実施形態を説明するフロー図である。 本発明に係る焼結鉱の製造方法の造粒物の装入方法例を説明する概略図である。
符号の説明
1 焼結機
2 床敷鉱ホッパー
3 床敷鉱層
4 造粒物Aのホッパー
5 造粒物A層
6 残部原料ホッパー
7 造粒物B層
8 点火炉

Claims (4)

  1. 少なくとも粉鉄鉱石を含有する鉄源原料と、CaOを含有する副原料と、炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機のパレット上へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%を含有する焼結鉱を製造するに際して、前記鉄源原料のうちSiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石の少なくとも一部及び前記炭材の一部を混合、造粒して造粒物Aを形成し、該造粒物Aを焼結機のパレット上の床敷鉱上に装入し、ついで前記配合原料の残部を前記造粒物Aの上に装入することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 少なくとも粉鉄鉱石を含有する鉄源原料と、CaOを含有する副原料と、炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機のパレット上へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%を含有する焼結鉱を製造するに際して、まず、前記鉄源原料のうちSiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石の少なくとも一部及び前記炭材の一部を混合、造粒して造粒物Aを形成するとともに、前記配合原料の残部を混合、造粒して造粒物Bを形成し、まず前記造粒物Aを焼結機のパレット上の床敷鉱上に装入し、ついで前記造粒物Bを前記造粒物Aの上に装入することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 造粒物Aの炭材含有量を2mass%以上、5mass%以下とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. さらに、造粒物AがCaOを含有する副原料を含有し、前記造粒物AのCaO含有量が6mass%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112813258A (zh) * 2020-12-30 2021-05-18 铜陵有色金属集团股份有限公司 一种利用中和渣和硫酸渣生产碱性球团的方法

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