JP6004191B2 - 焼結原料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、製鋼スラグを焼結鉱の原料の一部に用いた焼結原料をドワイトロイド式焼結機で焼結して高炉用焼結鉱を製造するときの、上記焼結原料の製造方法に関するものである。
下方吸引のドワイトロイド式焼結機で高炉用焼結鉱を製造するときの焼結原料には、主原料となる鉄鉱石(粉鉱石)とCaO系やSiO系の副原料とを(以下、これらを、後述する「製鋼スラグ」と区別して、「通常原料」ともいう)混合し、適度な大きさに造粒した擬似粒子(造粒粒子)に、焼結熱源となるコークス、無煙炭等の固体燃料(凝結材、炭材ともいう)を配合したものを用いるのが普通である。
また、製鉄所内で発生するスラグやダスト、副産物等も、その含有成分に応じて、許容できる範囲で焼結鉱の原料として再使用されている。たとえば、製銑工程の高炉で発生したダストを電気集塵機やサイクロン集塵機等で回収した乾燥ダストや、製銑工場や製鋼工場の側溝などから回収した煤塵、熱間圧延工程で発生したミルスケールをシックナー等の排水処理設備で回収した湿潤ダストには、鉄分やカーボンが多く含まれているため、成分調整した後、焼結原料の鉄分やカーボン分の代替品として使用されている。また、製鋼工程で発生する脱硫予備処理スラグや、転炉スラグ(脱Pスラグ、脱炭スラグ)(以降、これらを纏めて「製鋼スラグ」という)には、Ca分が多く含まれているため、焼結原料に添加されるCaOの代替品として使用されている。
上記製鋼スラグの具体的な再利用技術としては、例えば、特許文献1には、焼結配合原料に転炉スラグを用いるに際して、ミルスケールを混合することで焼結鉱の品質を向上する技術が開示されている。この技術は、上記混合物を、粘結剤(バインダー)を用いて固化した後、乾燥し、粉砕し、粒度調整する工程を必要とする。しかし、ミルスケールの表面は、鉄鉱石と比べて凹凸が少ないため、固化するために多量のバインダーを添加する必要がある。一方、バインダーの添加量を少なくすると、一般的な焼結原料の算術平均粒径である3〜4mmより粒径が小さくなるため、篩い下粉の発生率が増加してしまう。したがって、バインダーコストが高く、均一な粒度の焼結原料を得難いという問題がある。
また、特許文献2には、ゲーサイト成分の多い鉄鉱石に、鉄鉱石との反応性の低い転炉スラグを混合することで、焼結鉱の強度を弱める反応を抑制する技術が開示されている。しかし、この技術では、ゲーサイト成分を多く含む鉄鉱石と、転炉スラグとを混合・造粒する必要があり、その他の良質な鉄鉱石を併用して使用する場合には、それらと転炉スラグとの接触を回避するため、少なくとも造粒ラインを2つに分ける必要がある。したがって、この技術は、造粒ラインを1つしか持たない造粒プロセスには適用できない。
また、特許文献3には、石灰石と比較して鉄鉱石との反応性に劣る転炉スラグの粒度を細かくすることで反応面積を大きくし、反応速度を改善することで、フラックスとして使用する技術が開示されている。しかし、この技術は、細粒化による反応性向上の代償として、焼結原料の平均粒径を低下させ必要があるため、パレット上に装入した焼結原料装入層の通気性を低下させるという問題がある。
また、特許文献4には、焼結鉱の品質低下を招く難焼結性のドロマイトを易焼結性の製鋼スラグと選択的に組み合わせることで、焼結鉱の品質低下を防止しつつ、効率的に製鋼スラグをリサイクルする技術が開示されている。しかし、この技術は、ドロマイトの使用を前提としており、ドロマイト中の遊離CaO分が少ないことによる焼結生産性の低下が懸念される。すなわち、(MgO/CaO)比の高い原料であるドロマイトを選択しても、ドロマイト中のCaOに相当する石灰石の配合割合を低下させなくてはならないため、焼結操業としては減産方向に向かうという問題がある。
以上のように、製鋼スラグの取り扱いに関しては、溶融性の向上と造粒性の確保を両立する方法を採用する必要があるが、それらを共に満足する有効な操業方法を見出す必要があった。
そこで、上記問題点を回避する技術として、特許文献5には、製鋼スラグと、製鋼スラグ以外の原料とを別々に造粒し、比較的大きめに造粒した製鋼スラグの造粒粒子を、製鋼スラグ以外の原料(通常原料)の造粒粒子中に配合し、該造粒粒子中に混在させて焼結機のパレット上に装入することによって、Al成分を製鋼スラグの造粒粒子内に封じ込め、Al成分が通常原料の造粒粒子に及ぼす悪影響を最小限に抑制する技術が提案されている。
特開昭59−205421号公報 特開平05−043953号公報 特開平05−051653号公報 特開平11−229046号公報 特開2012−117082号公報
しかしながら、上記特許文献5に開示の技術においてもなお、焼結鉱の品質低下の懸念が残されている。というのは、先述したように、Alを多く含む製鋼スラグは、一般的に高融点のものが多い。特に、脱P工程および脱炭工程で発生した転炉スラグは、溶融温度が1300℃以上と高く、焼結プロセスの焼結温度の上限に近い溶融温度を有している。そのため、焼結機のパレット上に装入された焼結原料装入層内においては、上記高融点の製鋼スラグを含む造粒粒子は、周囲の通常原料からなる造粒粒子と溶融同化せず、焼結ケーキ中にそのまま残存しやすい。また、粗大な製鋼スラグの造粒粒子の周辺部には空隙が多く存在するため、通気性が改善されるが、上記溶融同化の不足によって、製鋼スラグの造粒粒子の周囲には空隙がそのまま残り、上記空隙を起点としてクラックが発生し易い。そのため、成品焼結鉱の強度が低下して歩留りが低下し、ひいては生産性が低下するという問題がある。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、Alを多く含む高融点の製鋼スラグを焼結鉱の原料の一部に用いても、Alの悪影響を確実に抑制して、高強度の焼結鉱を安定して製造することができる焼結原料の製造方法を提案することにある。
発明者らは、焼結鉱の原料の一部に溶融温度が高い製鋼スラグを使用したときに、成品焼結鉱の強度が低下し、歩留りが低下するという問題点を改善するべく、製鋼スラグからなる造粒粒子と、製鋼スラグ以外の通常原料からなる造粒粒子を、それらを単に混在させて焼結機に装入するのではなく、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒する際、別途に造粒した製鋼スラグの造粒粒子を通常原料中に混在させる方法について鋭意検討を重ねた。
その結果、製鋼スラグ以外の通常原料からなる造粒粒子を造粒する際、別途製鋼スラグを造粒した造粒粒子を通常原料中に投入し、その表面に未造粒の通常原料(粉鉱石、CaO系副原料等)を付着あるいは被覆し、該表面に低融点の溶融層を形成し易くすることによって、製鋼スラグの造粒粒子の周囲に存在する通常原料の造粒粒子によって形成される鉱石組織との溶融同化が促進され、それによって、製鋼スラグの造粒粒子を起点としたクラックの発生が抑止されて、焼結鉱の強度が改善され(歩留りが向上し)、ひいては、生産性を高めることができることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、高炉用焼結鉱の原料を、製鋼スラグと製鋼スラグ以外の原料とに分け、それぞれを別々に造粒して焼結原料を製造する方法において、製鋼スラグを造粒して造粒粒子とし、その後、該製鋼スラグの造粒粒子を製鋼スラグ以外の原料の造粒ラインに投入して上記製鋼スラグの造粒粒子の表面に製鋼スラグ以外の原料を被覆するに際し、上記製鋼スラグの造粒粒子を、製鋼スラグ以外の原料の造粒ラインの2次造粒機の排出部側から該2次造粒機内に投入するか、該2次造粒機の前かつ1次造粒機の後に投入することを特徴とする焼結原料の製造方法を提案する。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、上記製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機の排出部側からその内部に投入するときは、該2次造粒機滞留時間を10秒以上確保することを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、上記製鋼スラグの造粒粒子は、焼結鉱全体に対する製鋼スラグの含有量が0mass%超え10mass%以下の範囲内で、製鋼スラグ以外の原料中に投入することを特徴とする。
本発明によれば、焼結鉱の原料の一部として製鋼スラグを使用したときの成品焼結鉱の強度低下を抑制し、歩留りを向上することができるので、生産性の向上に寄与することができる。また、本発明によれば、製鋼スラグによる弊害を抑止することができるので、製鋼スラグを焼結用の原料として積極的に再使用することが可能となる。
実施例における焼結原料の各種製造方法を説明する図である。 図1の方法で製造した焼結原料を用いて焼結実験を行った結果を示すグラフである。 本発明において、製鋼スラグの添加量が、生産率に及ぼす影響を示すグラフである。
発明者らは、製鋼スラグを焼結原料の一部に使用して焼結鉱を製造する時の成品焼結鉱の強度低下、歩留り低下の問題を改善するべく検討を重ねた。その結果、溶融温度が高い製鋼スラグを造粒した造粒粒子と、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒した造粒粒子を単に混在させて焼結機に装入するのではなく、製鋼スラグの造粒粒子の表面に、製鋼スラグ以外の原料(通常原料)、具体的には、未造粒の粉鉱石やCaO系副原料等を付着あるいは被覆する(以降、単に「被覆」ともいう)ことによって、製鋼スラグの造粒粒子の表面が低融点化して溶融層を形成し易くなり、周囲に混在する通常原料の造粒粒子から生成する鉱石組織との溶融同化が促進される結果、製鋼スラグの造粒粒子を起点としたクラックの発生が抑止されて、成品焼結鉱の強度および歩留りが向上し、生産性を高めることができること見出した。
ここで、本発明においては、上記製鋼スラグの造粒粒子の表面への通常原料の被覆は、別途造粒しておいた製鋼スラグの造粒粒子を、通常原料を造粒する造粒ラインの通常原料中に投入することによって行う。なお、上記通常原料の造粒ラインは、主原料である粉鉱石にCaO系副原料等を配合し、撹拌して均一に混合・造粒する1次造粒機と、上記混合した原料を造粒して擬似粒子(造粒粒子)とする2次造粒機で構成されているのが一般的である。斯かる造粒ラインの場合には、製鋼スラグの造粒粒子を、2次造粒機の排出部側からその内部に投入するか、2次造粒機の前かつ1次造粒機の後の位置において投入することが好ましい。なお、製鋼スラグの造粒粒子が投入される際の通常原料の形態は、投入位置によって異なり、例えば、2次造粒機よりも前では、未造粒の原料のままであり、2次造粒機では下流側ほど造粒粒子の比率が高くなる。
上記投入位置の決定に際しては、以下の点を考慮するのが好ましい。
まず、製鋼スラグの造粒粒子の強度が比較的弱い場合には、造粒粒子が造粒機内での転動によって破壊されるのを防止する観点から、造粒ラインの下流に位置する2次造粒機において投入するのが好ましい。ただし、この場合には、本発明の効果を得るためには、製鋼スラグの造粒粒子の表面に必要最低限以上の未造粒の通常原料を被覆する必要があり、そのためには、2次造粒機内に投入してから排出されるまでの滞留時間を10秒以上確保することが好ましい。したがって、製鋼スラグの造粒粒子は、少なくとも10秒間の造粒機内での混合・造粒に伴う転動に耐え得る強度を有すればよいことになる。より好ましい滞留時間は15秒以上である。
一方、製鋼スラグの造粒粒子が、2次造粒機内での転動により崩壊を起こさない程度の比較的高い強度を有する場合には、2次造粒機の前かつ1次造粒機の後の位置において通常原料中に投入してもよい。このような造粒ラインの上流側での投入によって、製鋼スラグの造粒粒子の表面に、未造粒の通常原料をより多く被覆させることができ、また、場合によっては、投入した製鋼スラグの造粒粒子が核となって、その表面に焼結用原料が被覆され、より大きな造粒粒子が形成される。その結果、焼結機に装入したときの通気性がより改善されて生産性が向上したり、製鋼スラグの造粒粒子の表面に形成された通常原料からなる被覆層により、通常原料からなる造粒粒子との融合がより促進され、成品焼結鉱の強度がより高められたりするという効果が得られる。ただし、製鋼スラグを含まない焼結原料の造粒粒子径よりも過大な造粒粒子が形成されると、焼結反応が不均一となり、成品焼結鉱の強度の低下を来たすおそれもあるので、生産性と歩留りとのバランスを考慮して、投入位置を決定するのが望ましい。
なお、本発明の焼結原料の製造方法においては、上記製鋼スラグの造粒粒子を、焼結鉱全体に対する製鋼スラグの比率が0mass%超え10mass%以下となる範囲内で投入するのが好ましい。10mass%を超えると、製鋼スラグの弊害が顕在化し、焼結鉱の強度が低下するようになる他、焼結鉱の成分(塩基度)調整のために添加する副原料の石灰石を減配する必要があるため、焼結反応性が著しく低下し、生産性を維持することが困難となるという問題や、製鋼スラグ中に含まれる不純物によって、溶銑中の不純物元素濃度が上昇し、溶銑としての許容範囲を超えてしまうおそれがあるからである。好ましくは6mass%以下である。
溶融温度が約1500℃の転炉スラグを原料の一部に用いて、図1に示したT1〜T条件で焼結原料(造粒粒子)を製造した後、該焼結原料を試験鍋に装入して焼結実験を行い、成品焼結鉱の品質および生産性に及ぼす製鋼スラグの影響を調査した。
ここで、図1に示したT1〜Tの各条件について説明すると、T1は、製鋼スラグを1次造粒機で副原料とともに粉鉱石に配合した後、混合・撹拌し、造粒して造粒粒子とし、これを焼結原料とする比較例であり、ベッディングヤードで製鋼スラグを混合する従来技術に相当する。T2は、製鋼スラグ以外の原料、すなわち、粉鉱石と副原料(通常原料)を混合・撹拌し、造粒して得た造粒粒子中に、製鋼スラグを別途にペレタイザーで造粒した造粒粒子を混在させたものを焼結原料とする比較例であり、特許文献5に開示の従来技術に相当する。
また、T3〜Tは、製鋼スラグをペレタイザーで造粒した造粒粒子を、さらに、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒するラインに投入して得た造粒粒子を焼結原料に用いる本発明に適合する発明例であり、具体的には、T3は、製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機の排出部近傍で投入し、15秒間造粒して製鋼スラグの造粒粒子表面に未造粒の通常原料を被覆した造粒粒子を焼結原料とする例、T4は、製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機の前かつ1次造粒機(混合ミキサー)の後で投入し、2次造粒機(ドラムミキサー)で造粒した造粒粒子を焼結原料とする例、ただし、上記T3〜Tでは、1次造粒機や2次造粒機での転動によっても粒子が破壊しない強度を有する製鋼スラグの造粒粒子を用いた。このような高い強度の造粒粒子が得られるのは、製鋼スラグ中に含まれる遊離CaOが、添加した水と水和反応を起こし、さらに、大気中のCOと反応して、スラグ粒子間に炭酸カルシウムが生成するため、スラグ造粒粒子中の空隙率が低下し、緻密な組織となるためである。
なお、いずれの条件も、焼結原料全体に対する製鋼スラグの配合率は3.4mass%とした。また、2次造粒機における副原料および粉コークスの添加は、いずれの条件も2次造粒機の排出までの滞留時間が30秒となる位置で投入し、この際の副原料の投入量は、焼結原料全体の塩基度(CaO/SiO)が2.0となる量に、また、粉コークスの焼結原料全体に対する添加量は4.8mass%となるように調整した。
次いで、上記T1〜Tの焼結原料を用いて焼結実験を行った。
上記焼結実験では、焼結原料装入部の大きさが内径300mmφ×高さ400mmの試験鍋に、層厚が400mmとなるよう焼結原料を充填した後、上記充填層の上表面の粉コークスに点火し、鍋下方から−700mmAqで吸引して、充填層内に空気を導入して粉コークスを燃焼させた。この際、各焼結原料の焼結に要した時間と、焼結が進行している間の平均風量を測定するとともに、得られた成品焼結鉱の冷間強度(SI)をJIS M8711に準じて測定し、生産率(単位炉床面積(m)、単位時間(hr)当たりの焼結鉱生産量(t))を求めた。
上記の実験結果を、まとめて図2に示した。
特許文献5に開示された方法のT2(比較例)では、ベッディングで製鋼スラグを配合するT1(比較例)に比べて、冷間強度が75.7%から75.0%へと低下しているが、平均風量が0.95m/minから1.07m/minへと増加し、焼結時間が短縮したため、生産性は1.10t/hr・mから1.24t/hr・mへと向上している。
これに対して、製鋼スラグを、製鋼スラグ以外の通常原料と別々に造粒し、その製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機(ドラムミキサー)の排出部近傍で投入し、15秒間造粒したT3(発明例)では、上記T2と比べて、平均風量が1.07m/minから1.19m/minへとさらに増加し、焼結鉱の冷間強度も75.0%から78.0%へと向上した結果、生産性が1.24t/hr・mから1.28t/hr・mへと大きく増加(約13%)している。
また、製鋼スラグを、製鋼スラグ以外の通常原料と別々に造粒し、その製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機(ドラムミキサー)の前で投入するT4(発明例)では、上記T2と比べて、平均風量がそれぞれ1.21m/minに増加し、焼結鉱の冷間強度もそれぞれ77.9%に向上し、その結果、生産性もそれぞれ1.29t/hr・m 上昇している。ただし、T3(発明例)と比較すると、平均風量が増加するが、冷間強度が低下するため、生産性はほぼ同レベルである。
上記のように、T3の平均風量がT1やT2よりも増加した理由は、2次造粒機(ドラムミキサー)の排出部近傍での15秒間の造粒によって、製鋼スラグの造粒粒子の表面に、未造粒の通常原料が被覆し、製鋼スラグの造粒粒子の表面に、硬い被複層を形成する。その結果、微粉の少ない、粒度分布の均一な焼結原料となるため、焼結機に装入された原料装入層の空隙率が高くなり、通気性が改善されると考えられる。また、成品焼結鉱の強度が向上した理由は、製鋼スラグ造粒粒子の表面に、未造粒の通常原料が付着したことによって、製鋼スラグ造粒粒子の表面の被覆層と、製鋼スラグ以外の通常原料からなる造粒粒子との溶融同化が促進され、製鋼スラグの造粒粒子は、通常原料の造粒粒子から生成する焼結鉱組織中に埋没し、製鋼スラグの造粒粒子を内包した強固な焼結鉱が得られる。その結果、特許文献5の従来技術において起こるような現象、すなわち、焼結機の排鉱部での破砕やその後の搬送過程で、製鋼スラグの造粒粒子の周囲に存在する空隙を起点として製鋼スラグの造粒粒子と通常原料から生成した焼結組織とが剥離し、細粒化する現象が抑制されるためと考えられる。
また、製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機よりも前で投入したT4で、T3より平均風量が増加する理由は、2次造粒機における造粒によって、製鋼スラグの造粒粒子の表面への未造粒の通常原料の付着がより促進されて粒径が大きくなり、通気性が改善されたためと考えられる。一方、成品焼結鉱の冷間強度が低下する理由は、平均風量の増加に伴い、燃焼速度が増加するため、焼結に必要な高温域での保持時間が短くなったためであると考えられる。したがって、成品焼結鉱の強度(歩留り)を重視する場合には、2次造粒機の排出部近傍で、製鋼スラグの造粒粒子を投入するのが望ましい。
また、前述した製鋼スラグと同じスラグを用いて、上記T1(比較例)およびT3(発明例)のフローにおいて、スラグ配合率を変化させたときの本発明の効果について検討した。図3に、生産率に及ぼすスラグ配合率の影響を示す。従来法のT1では、スラグ配合率の増加にともない、生産率は直線的に低下している。これに対して、発明例のT3では、スラグ配合率が10mass%程度までは、従来法よりも生産率の低下が小さい。しかし、15mass%以上では、本発明の効果は得られない。この原因については、以下のように考えている。
転炉スラグは高塩基度であり、成品焼結鉱の成分(CaO/SiO)を一定とするためには、スラグ配合率の増加にともない、副原料のCaO分(石灰石)を減配する必要がある。しかし、転炉スラグの融点は、カルシウムフェライト系融液に比べて高いため、副原料の石灰石の減配にともない、カルシウムフェライト系融液の生成量が低下するため、成品焼結鉱の歩留りが低下し、生産率が低下する。このように、副原料の減配による影響が支配的となるため、本発明法による効果が得られなくなるものと推察している。
上記説明では、焼結熱源として、固体系燃料(粉コークス)を用いて焼結鉱を製造する方法について説明したが、本発明の技術は、上記例に限定されるものではなく、例えば、固体系燃料に加えて気体燃料を供給して焼結鉱を製造する方法および/または酸素を付加して焼結鉱を製造する方法の焼結原料にも適用することができる。

Claims (3)

  1. 高炉用焼結鉱の原料を、製鋼スラグと製鋼スラグ以外の原料とに分け、それぞれを別々に造粒して焼結原料を製造する方法において、
    製鋼スラグを造粒して造粒粒子とし、その後、該製鋼スラグの造粒粒子を製鋼スラグ以外の原料の造粒ラインに投入して上記製鋼スラグの造粒粒子の表面に製鋼スラグ以外の原料を被覆するに際し、上記製鋼スラグの造粒粒子を、製鋼スラグ以外の原料の造粒ラインの2次造粒機の排出部側から該2次造粒機内に投入するか、該2次造粒機の前かつ1次造粒機の後に投入することを特徴とする焼結原料の製造方法。
  2. 上記製鋼スラグの造粒粒子を2次造粒機の排出部側からその内部に投入するときは、該2次造粒機滞留時間を10秒以上確保することを特徴とする請求項に記載の焼結原料の製造方法。
  3. 上記製鋼スラグの造粒粒子は、焼結鉱全体に対する製鋼スラグの含有量が0mass%超え10mass%以下の範囲内で、製鋼スラグ以外の原料中に投入することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結原料の製造方法。
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