JP6043271B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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本発明は、鉄鉱石や酸化鉄等の酸化鉄源(以下、酸化鉄含有物質ということがある。)と、炭材等の炭素を含む還元剤(以下、炭素質還元剤ということがある。)を含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法に関するものである。
酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する直接還元製鉄法が開発されている。この直接還元製鉄法では、高炉法では使用し難かった石炭を炭素質還元剤として用いることができ、これに鉄鉱石などの酸化鉄含有物質を加えた混合物よりなる塊成物を原料として用いている。そしてこの塊成物を加熱することによって、塊成物中の炭素質還元剤に由来して生成する還元性ガスにより酸化鉄を還元し、該塊成物の外側には、還元鉄外皮を生成且つ成長させ、塊成物の内側には、酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで固体状態で還元を進める。
上記直接還元製鉄法を工業的規模で実施するには、操業安定性や安全性、経済性、還元鉄の品質など改善しなければならない課題が多い。こうした課題の一つとして、還元鉄の歩留まりの向上が挙げられる。還元鉄の歩留まりが悪ければコスト高となり、工業的規模で実施することはまず不可能となる。
還元鉄の歩留まりを高めるには、塊成物に蛍石を含有させればよいことが知られている。しかし生産コストの低減および環境負荷低減の観点から、蛍石の使用量を低減するか、或いは蛍石を使用しないことが望まれる。
塊成物に蛍石を配合しない場合であっても、粒状金属鉄の歩留まり率を高め、粒状金属鉄の生産性を向上できる粒状金属鉄の製造方法が特許文献1に提案されている。この文献に開示されている粒状金属鉄の製造方法は、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を、移動炉床式加熱還元炉で加熱し、該原料混合物中の酸化鉄を前記炭素質還元剤により還元し、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させた後、冷却凝固させて粒状金属鉄を製造するにあたり、(1)前記スラグ中のCaF2量を0.5質量%以下(0質量%を含む)に抑えると共に、(2)前記原料混合物に含まれるCaO量、MgO量およびSiO2量を調整することによって、前記スラグ中のCaO量、MgO量およびSiO2量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を0.40〜1.15の範囲とし、且つ前記スラグ中のMgO量を20質量%以下(0質量%を含まない)とするものである。
特開2013−142167号公報
本発明の目的は、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造するにあたり、前記塊成物に含まれる蛍石が0.7質量%未満(0質量%を含む)であっても、上記特許文献1とは異なる方法で、還元鉄の歩留まりを高め、還元鉄を生産性良く製造できる方法を提供することにある。
上記課題は、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造するにあたり、
前記塊成物には0.7質量%未満(0質量%を含む)の蛍石が含まれており、且つ
前記塊成物に含まれる鉄量[T.Fe(p)]に対する、前記塊成物に含まれる固定炭素量[Fix.C(p)]の比[Fix.C(p)/T.Fe(p)]をパラメータXとしたとき、
該パラメータXは下記式(1)を満足し、
該パラメータXと前記炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係が下記式(2)を満足する還元鉄の製造方法によって達成できる。
0.11≦X≦0.31 ・・・(1)
444.4×X−57.8≦Y≦2000・・・(2)
本発明によれば、塊成物に含まれる蛍石が0.7質量%未満(0質量%を含む)であっても、該塊成物に含まれる鉄量に対する、該塊成物に含まれる固定炭素量の比(パラメータX)を適切な範囲に制御すると共に、該パラメータXと炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係を適切に調整しているため、還元鉄の溶融速度とスラグの溶融速度が適切に調整される。その結果、微細な粒状還元鉄の生成が抑制され、還元鉄の歩留まりが高くなり、還元鉄の生産性が良好となる。
図1は、パラメータXの値と、石炭の平均粒径Y(μm)の値との関係を示すグラフである。
本発明者らは、塊成物に含まれる蛍石を0.7質量%未満(0質量%を含む)に低減した場合であっても、還元鉄の歩留まりを高め、還元鉄を生産性良く製造するために、鋭意検討を重ねてきた。その結果、塊成物に含まれる鉄量[T.Fe(p)]に対する、塊成物に含まれる固定炭素量[Fix.C(p)]の比[Fix.C(p)/T.Fe(p)](以下、パラメータXという。)が下記式(1)を満足すると共に、該パラメータXと炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係が下記式(2)を満足すれば、塊成物に含まれる蛍石が0.7質量%未満(0質量%を含む)であっても、還元鉄の歩留まりを向上でき、還元鉄を生産性良く製造できることを見出し、本発明を完成した。
0.11≦X≦0.31 ・・・(1)
444.4×X−57.8≦Y≦2000・・・(2)
即ち、蛍石の含有量を0.7質量%未満(0質量%を含む)に低減した塊成物を加熱すると、該塊成物の内部では微細な粒状還元鉄が生成し、製品として利用可能な粗大な還元鉄は生成し難くなった。この原因について検討したところ、塊成物に含まれる蛍石を0.7質量%未満(0質量%を含む)に低減すると、スラグの融点が低下し難いため、酸化鉄を還元して得られた還元鉄が浸炭して液状になってもスラグは固体のまま存在することにあることが分かった。つまり、還元鉄が浸炭して液状になっても、固体状態のスラグに阻まれて互いに凝集しないため、微細な粒状還元鉄が多く生成し、還元鉄の歩留まり(具体的には、3.35mm以上の粗大な還元鉄の生成割合)が低下する。
そこで本発明者らは、スラグの液化が進み、高液相率になるまで、還元鉄の浸炭を遅延させ、スラグが液化したときに還元鉄を液化させれば、スラグ同士および還元鉄同士の凝集を促進でき、還元鉄の歩留まりが向上し、還元鉄を生産性良く製造できるのではないかと考えた。こうした観点に基づいて、本発明の製造方法では、上記パラメータXと、該パラメータXと炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係を規定した。以下、パラメータXと、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係について説明する。
(パラメータX)
パラメータXは、塊成物に含まれる鉄量[T.Fe(p)]に対する、該塊成物に含まれる固定炭素量[Fix.C(p)]の比[Fix.C(p)/T.Fe(p)]である。
パラメータXのうち、塊成物に含まれる鉄量は、塊成物中の酸化鉄含有物質に含まれる鉄量(T.Fe)に基づいて算出でき、塊成物に含まれる固定炭素量は、塊成物中の炭素質還元剤に含まれる固定炭素量(Fix.C)に基づいて算出できる。従って、パラメータXは、酸化鉄含有物質に含まれる鉄量と、該酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄を還元および浸炭するために必要な固定炭素量(Fix.C)との比を意味している。
本発明の製造方法では、パラメータXが、下記式(1)を満足している必要がある。パラメータXの値が大きいほど、酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄を還元した後に残存している炭素量が多くなるため、還元鉄の浸炭が促進され、還元鉄は速やかに液化溶融する。また、パラメータXの値が大きいほど、塊成物に含まれる炭素質還元剤の量が多くなるため、塊成物に含まれるCaOとFeOxとの接触頻度が低下する。そのため、低融点のカルシウムフェライト系融液の生成量が少なくなり、反応初期における酸化鉄または金属鉄の粒子間距離が縮まらないことに加え、酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄の還元後に過剰な炭素質還元剤が大量に残存していることになり、反応後期においても金属鉄は凝集せず、粒径が3.35mm未満の微細な粒状還元鉄が大量に生成し、歩留まりが低下する。従って本発明の製造方法では、パラメータXの上限を0.31以下と規定した。パラメータXの上限は、下記式(1a)を満足していることが好ましく、下記式(1b)を満足していることがより好ましい。
0.11≦X≦0.31 ・・・(1)
X≦0.29 ・・・(1a)
X≦0.27 ・・・(1b)
一方、上記パラメータXの値が小さすぎると、還元途中にFeO系融液が多量に生成し、フォーミングが発生しやすくなるため、還元鉄自体の生成が阻害される。即ち、パラメータXが0.11を下回ると、炭素質還元剤の還元効率[酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄(FeOx)の還元時に発生するCO2ガス量/酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄(FeOx)の還元時に発生するCOガス量]が1であっても、酸化鉄の還元が完了せずにフォーミングが発生する。従ってパラメータXの下限は、0.11以上とする。上記パラメータXの下限は、下記式(3a)を満足することがより好ましく、下記式(3b)を満足することが特に好ましい。
X≧0.15 ・・・(3a)
X≧0.20 ・・・(3b)
(パラメータXと、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係)
本発明の製造方法では、上記パラメータXと、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係は、下記式(2)を満足する必要がある。炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)が大きくなるほど、炭素質還元剤の表面積が小さくなるため、酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄との接触効率が悪くなり、酸化鉄の還元および浸炭速度が小さくなる。そこで、上記パラメータXと、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係が、下記式(2)を満足すれば、スラグの液化が進み、高液相率になるまで、還元鉄の浸炭は遅延するため、スラグ同士および還元鉄同士の凝集が促進され、還元鉄の歩留まりが向上し、還元鉄を生産性良く製造できる。パラメータXと、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係は、下記式(2a)を満足することが好ましく、下記式(2b)を満足することがより好ましい。
444.4×X−57.8≦Y≦2000・・・(2)
Y≧444.4×X−47.8 ・・・(2a)
Y≧444.4×X−37.8 ・・・(2b)
炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)の上限は2000(μm)以下とする。即ち、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)が大き過ぎると、酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄の還元が局所的にしか進行せず、還元が進行しなかった部位には、FeO系融液が多量に発生する。その結果、フォーミングが発生し易くなり、還元鉄自体が生成し難くなる。従って炭素質還元剤の平均粒径Yの上限は、2000μm以下(2mm以下)とする。炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)の上限は、下記式(4a)を満足することがより好ましく、下記式(4b)を満足することが特に好ましい。
Y≦1500 ・・・(4a)
Y≦1000 ・・・(4b)
上記炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)は、50%体積粒径を意味している。50%体積粒径は、粒径が710μm以上の粒子については、JISに規定されている標準ふるいを用いて粒度分布を測定し、粒径が710μm未満の粒子については、レーザー回折法を用いて粒度分布を測定して算出すればよい。
このように、パラメータXと、炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)を適切に制御することによって、浸炭源となる炭素質還元剤と、酸化鉄含有物質との接触頻度を調整できるため、還元鉄の浸炭速度を制御できる。従って、塊成物に含まれる蛍石が0.7質量%未満(0質量%を含む)の場合に、還元鉄の浸炭をスラグが高液相率になってから進行させるには、炭素質還元剤と酸化鉄含有物質の接触頻度を小さくするためにパラメータXを小さくするか、或いは炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)を大きくすればよい。これにより微細な粒状還元鉄の生成が抑制され、還元鉄の歩留まりを向上でき、還元鉄を生産性良く製造できるようになる。
以上、本発明を特徴づけるパラメータX、および該パラメータXと炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係について説明した。
次に、本発明に係る還元鉄の製造方法について説明する。
本発明に係る還元鉄の製造方法は、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造するものであり、
酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む混合物を塊成化する工程(以下、塊成化工程ということがある)と、
得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元する工程(以下、加熱工程ということがある)を含んでいる。
[塊成化工程]
塊成化工程では、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む混合物を塊成化して塊成物を製造する。このとき上述したように、塊成物に含まれる鉄量に対する、該塊成物に含まれる固定炭素量の比(パラメータX)を適切に制御すると共に、該パラメータXと炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係を適切に調整する。
上記酸化鉄含有物質としては、具体的には、鉄鉱石、砂鉄、製鉄ダスト、非鉄精錬残渣、製鉄廃棄物などを用いることができる。
上記炭素質還元剤としては、例えば、石炭やコークスなどを用いることができる。
本発明の製造方法では、上記酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む混合物に、更に融点調整剤やバインダーを配合し、塊成物を形成してもよい。
上記融点調整剤とは、酸化鉄含有物質中の脈石や、炭素質還元剤中の灰分の融点を下げる作用を有する物質を意味する。即ち、上記混合物に融点調整剤を配合することによって、塊成物に含まれる酸化鉄以外の成分(特に、脈石)の融点に影響を与え、例えばその融点を降下させることができる。それにより脈石は、溶融が促進され、溶融スラグを形成する。このとき酸化鉄の一部は溶融スラグに溶解し、溶融スラグ中で還元されて還元鉄となる。溶融スラグ中で生成した還元鉄は、固体のまま還元された還元鉄と接触することにより、固体の還元鉄として凝集する。
上記融点調整剤としては、例えば、CaO供給物質、MgO供給物質、Al23供給物質、SiO2供給物質などを用いることができる。
上記CaO供給物質としては、例えば、CaO(生石灰)、Ca(OH)2(消石灰)、CaCO3(石灰石)、およびCaMg(CO32(ドロマイト)よりなる群から選ばれる少なくとも一つを用いることができる。上記MgO供給物質としては、例えば、MgO粉末、天然鉱石や海水などから抽出されるMg含有物質、MgCO3よりなる群から選ばれる少なくとも一つを用いることができる。上記Al23供給物質としては、例えば、Al23粉末、ボーキサイト、ベーマイト、ギブサイト、ダイアスポアなどを用いることができる。上記SiO2供給物質としては、例えば、SiO2粉末や珪砂などを用いることができる。
なお、本発明の製造方法では、原料混合物に、蛍石を配合しないことを前提としているが、蛍石は、不可避的に混入してくることがある。そこで、本発明の製造方法では、塊成物に含まれる蛍石の上限は、0.7質量%と規定した。塊成物に含まれる蛍石は、できるだけ少ないことが推奨され、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下である。
上記バインダーとしては、例えば、多糖類など(例えば、コーンスターチや小麦粉等の澱粉など)を用いることができる。
上記酸化鉄含有物質および炭素質還元剤、更に必要に応じて融点調整剤およびバインダーを含む混合物は、回転容器形や固定容器形の混合機を用いて混合すればよい。混合機の型式としては、回転容器形としては、回転円筒形、二重円錐形、V形など、固定容器形としては、混合槽内に回転羽(例えば、鋤など)を設けたものがあるが、特にその方式には限定されない。
上記混合物を塊成化する塊成機としては、例えば、皿形造粒機(ディスク形造粒機)、円筒形造粒機(ドラム形造粒機)、双ロール型ブリケット成型機などを用いることができる。
上記塊成物の形状は特に限定されず、例えば、塊状、粒状、ペレット状、ブリケット状など任意の形状に成形すればよい。
[加熱工程]
加熱工程では、上記塊成化工程で得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元することによって還元鉄を製造する。
上記塊成物の加熱は、例えば、電気炉や移動炉床式加熱炉で行えばよい。
上記移動炉床式加熱炉とは、炉床がベルトコンベアのように炉内を移動する加熱炉であり、例えば、回転炉床炉やトンネル炉が挙げられる。
上記回転炉床炉は、炉床の始点と終点が同じ位置になるように、炉床の外観形状が円形(ドーナツ状)に設計されており、炉床上に装入された塊成物に含まれる酸化鉄は、炉内を一周する間に加熱還元されて還元鉄を生成する。従って、回転炉床炉には、回転方向の最上流側に塊成物を炉内に装入する装入手段が設けられ、回転方向の最下流側(回転構造であるため、実際には装入手段の直上流側になる)に排出手段が設けられる。
上記トンネル炉とは、炉床が直線方向に炉内を移動する加熱炉である。
上記塊成物は、例えば、1300〜1500℃に加熱した炉内で加熱することが好ましい。炉内の温度が1300℃を下回ると、金属鉄やスラグが溶融しにくく、高い生産性が得られ難くなる。一方、炉内の温度が1500℃を超えると、排ガス温度が高くなるため、排ガス処理設備が大掛かりなものとなって設備コストが増大する。
上記電気炉や移動炉床式加熱炉に上記塊成物を装入するに先立ち、炉床保護のために床敷材を敷くことが望ましい。上記床敷材としては、上記炭素質還元剤として例示したものの他、耐火性粒子(例えば、耐火セラミックス等)を用いることができる。上記床敷材の粒径は、塊成物やその溶融物が潜り込まないように3mm以下であることが好ましい。粒径の下限については、バーナーの燃焼ガスによって吹き飛ばされないように0.5mm以上であることが好ましい。
[その他]
上記加熱工程で得られた還元鉄は、副生したスラグや、必要に応じて敷かれた床敷材等と共に炉内から排出し、篩や磁選機等を用いて選別して回収すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含むペレットを電気炉で加熱し、該ペレット中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造した。
上記酸化鉄含有物質としては、下記表1に示す成分組成の鉄鉱石(鉄鉱石A〜D)を用いた。なお、鉄鉱石の成分組成のうち、T.FeはJIS M8212、FeOはJIS M8213に基づいて分析した。
上記炭素質還元剤としては、下記表2に示す成分組成の石炭(石炭a〜d)を用いた。なお、石炭の成分組成のうち、揮発分、灰分についてはJIS M8812、T.CについてはJIS G1211−3に基づいて分析した。
また、下記表2に示した石炭の平均粒径Y(μm)を次の手順で測定した。即ち、石炭のうち、粒径が710μm以上の粒子についてはJIS標準ふるいを用いて粒度分布を測定し、粒径が710μm未満の粒子についてはレーザー回折法を用いて粒度分布を測定し、50%体積粒径を算出した。レーザー回析法の測定条件は次の通りである。下記表2に、各石炭の平均粒径Y(μm)を示す。
<測定条件>
測定装置:マイクロトラックFRA9220(Leads&Northrup社製)
測定方式:レーザー回折/散乱式
測定範囲:0.12〜710μm
溶媒:純水
次に、上記鉄鉱石および石炭に、融点調整剤として石灰石、および必要に応じて蛍石を配合し、バインダーとして有機物系のものを配合した。鉄鉱石、石炭、石灰石、蛍石、およびバインダーを下記表3に示す割合で配合し、大きさがφ19mmとなるように造粒し、乾燥してペレットA〜Iを製造した。
下記表3には、各ペレットにおけるパラメータXの値も示した。
パラメータXは、ペレットに含まれる鉄量[T.Fe(p)]に対する、ペレットに含まれる固定炭素量(有効炭素量)[Fix.C(p)]の比であり、下記式(5)で表わされる。
X=Fix.C(p)/T.Fe(p) ・・・(5)
ここで、下記表3に示したペレットAについて、パラメータXを算出する手順を下記表1〜表3を用いて具体的に説明する。
まず、Fix.C(p)について説明する。
下記表3によれば、ペレットAに含まれる石炭aの割合は、16.1質量%であり、該石炭aに含まれる固定炭素Fix.Cの割合は、下記表2から77.3質量%である。従って、ペレットAに含まれる固定炭素量[Fix.C(p)]は、下記式(6)により12.4質量%となる。
Fix.C(p)=(77.3×16.1)/100=12.4 ・・・(6)
次に、T.Fe(p)について説明する。
下記表3によれば、ペレットAに含まれる鉄鉱石Aの割合は、73.8質量%であり、該鉄鉱石Aに含まれるT.Feの割合は、下記表1から64.63質量%である。従って、ペレットAに含まれる鉄量[T.Fe(p)]は、下記式(7)により47.7質量%となる。
T.Fe(p)=(64.63×73.8)/100=47.7 ・・・(7)
よって、上記式(5)、式(6)、式(7)により、パラメータXは、0.26となる。
X=Fix.C(p)/T.Fe(p)=12.4/47.7=0.26
次に、算出したパラメータXの値を下記式(8)に代入し、上記式(2)の左辺の値(Z値)を算出した。算出結果を下記表3に示す。
Z=444.4×X−57.8 ・・・(8)
次に、ペレットA〜Iを、夫々、30個ずつ準備し、N2ガス雰囲気下で、1450℃に加熱されている加熱炉に投入して加熱した。加熱炉内の温度は、炉内に熱電対を挿入することによって測定し、炉内が狙いの温度となるように制御した。ペレットの加熱時間は、11.5分間とした。
また、下記表3には、用いた石炭a〜dに対応した石炭の平均粒径Y(μm)も併せて示した。
また、石炭の平均粒径Y(μm)とZ値とを比較し、石炭の平均粒径Y(μm)がZ値以上の場合を合格とし、石炭の平均粒径Y(μm)がZ値を下回る場合を不合格として判定した。判定結果を下記表3に示す。
次に、加熱したペレットを炉内から取り出し、鉄の歩留まりを次の手順で算出した。
[鉄の歩留まり]
鉄の歩留まりは、下記式(9)に基づいて算出した。算出結果を下記表3に示す。
鉄の歩留まり(%)=100×[最大粒径が3.35mm以上の還元鉄の質量(g)/投入した鉄の質量(g)] ・・・(9)
また、図1に、パラメータXの値と、石炭の平均粒径Y(μm)の値との関係をグラフに示す。図1において、○印は鉄の歩留まりが95%以上を示しており、×印は鉄の歩留まりが95%未満であることを示している。
下記表3および図1から次のように考察できる。
No.6〜9は、本発明で規定している要件を満足していない例である。即ち、パラメータXの値が、上記式(1)を満足していないか、および/または、パラメータXと石炭の平均粒径Y(μm)との関係が、上記式(2)を満足していないため、スラグが高液相率となる前に、還元鉄の浸炭が進行し、還元鉄が液相化してしまい、微細な粒状還元鉄が多く生成した。その結果、最大粒径が3.35mm以上の還元鉄の生成量が低下し、歩留まりが低くなり、還元鉄を生産性良く製造できなかった。
一方、No.1〜5は、本発明で規定している要件を満足している例である。即ち、パラメータXの値が、上記式(1)を満足し、且つパラメータXと石炭の平均粒径Y(μm)との関係が、上記式(2)を満足しているため、スラグが高液相率となった後に還元鉄の浸炭が進行している。その結果、微細な粒状還元鉄の生成を抑制でき、最大粒径が3.35mm以上の還元鉄の生成量が増大し、歩留まりが高くなり、還元鉄を生産性良く製造できた。
Figure 0006043271
Figure 0006043271
Figure 0006043271

Claims (2)

  1. 酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法において、
    前記塊成物には0.7質量%未満(0質量%を含む)の蛍石が含まれており、且つ
    前記塊成物に含まれる鉄量[T.Fe(p)]に対する、前記塊成物に含まれる固定炭素量[Fix.C(p)]の比[Fix.C(p)/T.Fe(p)]をパラメータXとしたとき、
    該パラメータXは下記式(1)を満足し、
    該パラメータXと前記炭素質還元剤の平均粒径Y(μm)との関係が下記式(2)を満足することを特徴とする還元鉄の製造方法。
    0.24≦X≦0.31 ・・・(1)
    444.4×X−57.8≦Y≦2000 ・・・(2)
  2. 前記塊成物は、1300〜1500℃に加熱した炉内で加熱する請求項1に記載の製造方法。
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