JP2004285399A - 粒状金属鉄の製法 - Google Patents
粒状金属鉄の製法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004285399A JP2004285399A JP2003078225A JP2003078225A JP2004285399A JP 2004285399 A JP2004285399 A JP 2004285399A JP 2003078225 A JP2003078225 A JP 2003078225A JP 2003078225 A JP2003078225 A JP 2003078225A JP 2004285399 A JP2004285399 A JP 2004285399A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slag
- mgo
- raw material
- iron
- material mixture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21B—MANUFACTURE OF IRON OR STEEL
- C21B13/00—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
- C21B13/008—Use of special additives or fluxing agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21B—MANUFACTURE OF IRON OR STEEL
- C21B13/00—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
- C21B13/10—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes in hearth-type furnaces
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21B—MANUFACTURE OF IRON OR STEEL
- C21B13/00—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
- C21B13/0006—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes obtaining iron or steel in a molten state
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21B—MANUFACTURE OF IRON OR STEEL
- C21B13/00—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
- C21B13/10—Making spongy iron or liquid steel, by direct processes in hearth-type furnaces
- C21B13/105—Rotary hearth-type furnaces
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B1/00—Preliminary treatment of ores or scrap
- C22B1/14—Agglomerating; Briquetting; Binding; Granulating
- C22B1/16—Sintering; Agglomerating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B1/00—Preliminary treatment of ores or scrap
- C22B1/14—Agglomerating; Briquetting; Binding; Granulating
- C22B1/16—Sintering; Agglomerating
- C22B1/22—Sintering; Agglomerating in other sintering apparatus
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B1/00—Preliminary treatment of ores or scrap
- C22B1/14—Agglomerating; Briquetting; Binding; Granulating
- C22B1/24—Binding; Briquetting ; Granulating
- C22B1/242—Binding; Briquetting ; Granulating with binders
- C22B1/244—Binding; Briquetting ; Granulating with binders organic
- C22B1/245—Binding; Briquetting ; Granulating with binders organic with carbonaceous material for the production of coked agglomerates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B5/00—General methods of reducing to metals
- C22B5/02—Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes
- C22B5/10—Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes by solid carbonaceous reducing agents
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/10—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
- Y02P10/134—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions by avoiding CO2, e.g. using hydrogen
Abstract
【解決手段】前記原料混合物中に含まれるCaO,MgOおよびSiO2の含有量から求められるスラグ形成成分の塩基度(CaO+MgO)/SiO2が1.3〜2.3の範囲で、且つ、該スラグ形成成分中に占めるMgO含量(MgO)が5〜13%(質量%を意味する、以下同じ)の範囲となる様に、前記原料混合物中に含まれるCaO,MgOおよびSiO2含有物質の量を調整する。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粒状金属鉄の製法に関し、より詳細には、鉄鉱石などの酸化鉄含有物質と炭材等の炭素質還元剤を含む原料混合物、またはその成形体を移動炉床式加熱還元炉で加熱して固体還元すると共に、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させ、次いで冷却凝固させて粒状金属鉄を製造する際に、特に、石炭の如き炭材に由来して混入する硫黄の含有量が可及的に低減された高品質の粒状金属鉄を高生産性の下で効率よく製造し得る様に改善された方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、比較的小規模で多品種・少量生産向きの製鉄法として、鉄鉱石等の酸化鉄含有物質(鉄源)と石炭などの炭素質還元剤を含む混合物、或いは該混合物を押し固めた簡易成形体、更にはペレットやブリケット等に成形した炭材内装成形体を移動炉床式加熱還元炉で加熱することによって固体還元し、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ凝集させた後、これを冷却凝固させて粒状金属鉄を製造する方法が開発され、注目を集めている(特許文献1〜3など)。
【0003】
そして最近、こうした移動炉床式加熱還元炉を用いた直接製鉄法の実用化研究が盛んに行われているが、工業的規模で実施するには、操業安定性や安全性、経済性、製品の品質(粒状金属鉄としての純度)などを含めて更に改善しなければならない課題も多い。
【0004】
当該課題の1つは、炭素質還元剤として最も汎用性の高い石炭を使用した場合に不可避的に生じる硫黄分の混入である。本発明者らが確認したところによると、炭素質還元剤として石炭を配合した原料混合物を用いて加熱還元を行った場合、石炭に含まれる硫黄分のうち70%程度以上は生成する粒状金属鉄内に取り込まれ、該粒状金属鉄中の[S]含量は0.1%以上、石炭銘柄によっては0.2%以上にも達することがある。従って、この様な硫黄含量では製品価値が著しく損なわれ、用途も著しく制限されることになる。
【0005】
そこで本発明者らは、上記方法によって得られる粒状金属鉄の硫黄含量を可及的に低減すべく改良研究を進めた結果、酸化鉄含有物質と共に炭素質還元剤として石炭を含む原料混合物中に、硫黄分との親和力が強く脱硫効果が期待できるCa含有物質、例えばCaCO3を適量含有させると共に、加熱温度や雰囲気ガス組成などを適正に制御しつつ加熱還元溶融を行えば、かなりの脱硫効果が得られることを確認している。しかしこれらの方法でも、炭素質還元剤として使用する石炭やコークスの銘柄によっては、最終的に得られる粒状金属鉄の硫黄含量を0.05%レベル以下に低減できないことも多く、一層の低硫化を達成し得る様な技術の確立が望まれる。
【0006】
【特許文献1】
特公平3−60883号(特許請求の範囲、図1など)
【特許文献2】
特開2001−279313号(特許請求の範囲、図3など)
【特許文献3】
特開2001−247920号(特許請求の範囲、図1など)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、回転炉床式などの移動炉床式加熱還元炉を使用し、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を加熱し、該混合物中の酸化鉄含有物質を炭素質還元剤により固体還元して粒状金属鉄を製造する際に、特に炭材として石炭などを使用した時に不可避的に生じる硫黄含量の増大を可及的に抑え、硫黄含量の低減された高品質の粒状金属鉄を生産性よく製造することのできる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成することのできた本発明に係る粒状金属鉄の製法とは、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を、移動炉床式加熱還元炉の炉床上に装入して加熱し、原料混合物中の酸化鉄を炭素質還元剤により還元し、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させた後、冷却凝固させて粒状金属鉄を製造する方法において、前記原料混合物中に含まれるCaO,MgOおよびSiO2の含有量から求められるスラグ形成成分の塩基度(CaO+MgO)/SiO2が1.3〜2.3の範囲で、且つ、該スラグ形成成分中に占めるMgO含量(MgO)が5〜13%(質量%を意味する、以下同じ)の範囲となる様に、前記原料混合物中に含まれるCaO,MgOおよびSiO2含有物質の量を調整するところに特徴を有している。
【0009】
上記本発明を実施するに当っては、原料混合物中にMgO含有物質を配合することによって、前記スラグ形成成分の塩基度とMgO含量を調整するのがよく、該MgO含有物質として最も一般的なのはドロマイト鉱石である。また場合によっては、前記原料混合物中にCaF2含有物質を適量含有させ、副生スラグの流動性を調整することも有効であり、この場合に用いるCaF2含有物質の好ましい配合量は、前記原料混合物中に占めるCaF2換算の比率で0.2〜2%の範囲である。
【0010】
本発明を実施するに当っては、前記原料混合物を移動炉床式加熱還元炉の炉床上へ装入するに先立って、該炉床上に炭素質粉末を好ましくは2mm以上で,好ましくは7.5mm以下の厚みで敷いておけば、該炭素質粉末の作用によって炉内を高い還元ポテンシャルに維持することができ、金属化率が一段と高められると共に、脱硫効果も増進されてより硫黄含量の低い粒状金属鉄を得ることができるので好ましい。前記移動炉床式加熱還元炉の操業温度は1250〜1550℃の範囲が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施する際に用いる移動炉床式加熱還元炉を例示する概略工程説明図で、回転炉床式のものを示している。
【0012】
回転炉床式加熱還元炉Aには、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤、或いはこれらに脈石成分や灰分などとして含まれるCaO,MgO,SiO2等、更には必要により配合されるバインダーなどを含む原料混合物(或いは、押し固めた簡易成形体、あるいはペレット、ブリケットなどの成形体)1と、好ましくは床敷材として供給される粉粒状の炭素質物質2とが、原料投入ホッパー3を通して、回転炉床4上へ連続的に装入される。
【0013】
より詳細には、原料混合物1の装入に先立って、原料投入ホッパー3から回転炉床4上に粉粒状の炭素質物質2を装入して敷き詰めておき、その上に原料混合物1を装入する。図示例では、1つの原料投入ホッパー3を原料混合物1と炭素質物質2の装入に共用する例を示しているが、これらを2以上のホッパーを用いて装入することも勿論可能である。また追って詳述する如く、床敷として装入される炭素質物質2は、還元効率を高めると共に得られる粒状金属鉄の低硫化を増進する上でも極めて有効であるが、場合によっては省略することも可能である。
【0014】
図示した回転炉床式加熱還元炉Aの回転炉床4は反時計方向に回転されており、操業条件によって異なるが、通常は8分から16分程度で1周し、その間に原料混合物1中に含まれる酸化鉄は固体還元され、浸炭により融点降下して粒状に凝集すると共に、副生スラグと分離されることによって粒状金属鉄となる。即ち、該還元炉Aにおける回転炉床4の上方側壁及び/又は天井部には燃焼バーナー5が複数個設けられており、該バーナー5の燃焼熱あるいはその輻射熱によって炉床部に熱が供給される。
【0015】
耐火材で構成された回転炉床4上に装入された原料混合物1は、該炉床4上で還元炉A内を周方向へ移動する中で、バーナー5からの燃焼熱や輻射熱によって加熱され、当該還元炉A内の加熱帯を通過する間に、当該原料混合物1内の酸化鉄は固体還元された後、副生する溶融スラグと分離しながら、且つ残余の炭素質還元剤による浸炭を受けて軟化しながら粒状に凝集して粒状金属鉄となり、回転炉床炉4の下流側ゾーンで冷却固化された後、スクリューなどの排出装置6によって炉床上から排出される。図中、7は排ガスダクトを示している。
【0016】
ところで、実用炉として一般的に使用される大型の回転炉床式加熱還元炉では、回転炉床の上部に設けた複数個のバーナーで天然ガスなどの燃料ガスを燃焼させ、その燃焼熱を、炉床上の原料混合物の還元溶融に必要な熱として供給されるが、該燃焼によって発生する排ガス中に含まれるCO2やH2O等の酸化性ガスは、原料混合物の周辺の雰囲気ガス組成に影響を及ぼすため、雰囲気ガスの還元ポテンシャル[(CO+H2)/(CO+CO2+H2+H2O)で表されるが、簡易的にはCO/(CO+CO2)と表すことも多い]を高く維持することはかなり難しい。
【0017】
回転炉床上での加熱還元が進み、原料混合物中の酸化鉄の還元がほぼ完了すると、純鉄に相当する鉄分純度の高い還元鉄が生成するが、加熱還元工程で生成する還元鉄粒子は、原料混合物内に含まれる残余の炭素質還元剤によって急速に浸炭される。そして、還元鉄中[C]量の増加に伴って融点が大幅に低下し、所定の雰囲気温度(例えば1350〜1500℃)で溶融を開始し、微細粒状の還元鉄同士が相互に凝集することによって最終的には大粒の粒状金属鉄となる。この溶融−凝集過程で、原料混合物内に含まれるスラグ形成成分も溶融し、相互に凝集しながら粒状金属鉄と分離することになる。
【0018】
このとき、炭素質還元剤などとして原料混合物内に配合されていた石炭やコークス等に含まれている硫黄分は、原料混合物内またはその周辺ガスの還元ポテンシャルが十分に高ければ、スラグ中に含まれるCaO分によりCaSとして固定され、スラグと共に分離される。
【0019】
ところが本発明者らの知見によると、還元溶融時における雰囲気ガスの還元ポテンシャルが低くなると、CaSは平衡論的に系内に共存するFeOと反応し、再びFeSとして溶融状態の粒状金属鉄内に吸収され易くなることが確認された。そこで本発明者らは、こうした原料混合物周辺の雰囲気ガスの還元ポテンシャルを高レベルに維持するため、数多くの研究を進めてきた。
【0020】
その結果、還元炉の炉床上に予め炭素質粉末の層を形成しておき、該炭素質粉末の層(以下、床敷き層という)上に原料混合物を装入して加熱還元を行えば、回転炉床式加熱還元炉の炉床が一巡する10分から16分程度の短時間の間に、目標とする還元溶融反応が効率よく進行すると共に、原料混合物周辺における雰囲気ガスの還元ポテンシャルを高レベルに維持することができ、併せて脱硫能も相対的に高められる。
【0021】
しかし既に述べた様に、実用規模の回転炉床式加熱還元炉で、粒状金属鉄中の[S]含量が0.05%レベル以下の粒状金属鉄を確実に得るには、上記操作のみでは依然として不十分であり、低硫化をより確実に進めることのできる技術を確立する必要がある。そこで更なる低硫化を期して引き続いて研究を重ねた結果、原料混合物内に含まれるCaO、MgO、SiO2の含有率から算出される塩基度(CaO+MgO)/SiO2を適切に制御すると共に、スラグ中に適量のMgOを含有させれば、該還元溶融工程で脱硫を一段と高い効率で進めることができ、得られる粒状金属鉄の品質を大幅に改善し得ることをつきとめ、上記本発明に到達したものである。
【0022】
具体的には、原料混合物中の酸化鉄含有物質(鉄鉱石など)に含まれる脈石成分とその量、および炭素質還元剤(石炭やコークス粉など)に含まれる灰分とその量、更には付加的に配合されるCaOやMgO含有物質の組成や配合量、床敷材として装入されることのある炭素質粉末に含まれる灰分とその量、から求められるスラグ形成成分の塩基度(CaO+MgO)/SiO2が1.3〜2.3の範囲内で、且つMgO含有量(MgO)が5〜13%の範囲に入る様に、前掲のCaOやMgO含有物質の配合量を調整すれば、高い脱硫率が安定して達成でき、硫黄含量の可及的に低減された粒状金属鉄が得られる。
【0023】
尚、上記スラグ形成成分の塩基度(CaO+MgO)/SiO2を1.3〜2.3の範囲に調整するには、酸化鉄含有物質として配合される鉄鉱石等に含まれる脈石成分や炭素質還元剤として配合される石炭やコークス等に含まれる灰分の組成と含有量、更には床敷材として装入されることのある炭素質粉末に含まれる灰分の組成と含有量を考慮した上で、別途添加するCaO含有物質やMgO含有物質の配合量を調整すればよい。
【0024】
この際に用いられるCaO含有物質やMgO含有物質の種類は特に制限されないが、CaO含有物質として最も一般的なのは生石灰やCaCO3であり、また好ましいMgO含有物質としては、ドロマイト鉱石などに加えて天然鉱石や海水などから抽出されるMgO含有物質が挙げられる。また添加法にも格別の制限はなく、原料混合物の調整段階で配合したり、床敷材と共に、或いはこれとは独立に回転炉床上へ予め装入しておき、或いは原料混合物の装入と同時もしくは後に上方から別途装入する方法、等を適宜採用できる。
【0025】
ところで、溶融スラグ中の硫黄濃度(S)と溶融鉄(還元鉄)中の硫黄濃度[S]との比(以下、硫黄分配比(S)/[S]と記す)が、共存するスラグの塩基度に大きく支配されることは、既存の製鉄法においても確認されており、こうした硫黄の挙動自体は、本発明に係る移動炉床式加熱還元溶融を利用した粒状金属鉄の製造プロセスにおいても見掛け上類似しているが、原理的にはかなり異なる。
【0026】
すなわち、通常の製銑・製鋼時における硫黄の分配状況については、湯面上に存在する溶融スラグの組成と溶銑成分、更には雰囲気条件などにより平衡関係を維持することで、硫黄分配比(S)/[S]が決ってくる。
【0027】
しかるに、本発明が適用される移動炉床式加熱還元炉を用いた粒状金属鉄の製法においては、原料混合物中の酸化鉄が1250〜1550℃程度の雰囲気温度下で炭素質還元剤により固体状態で還元され、酸化鉄が脱酸されることによって還元鉄となる。従って、原料混合物中に含まれる石炭やコークスの大部分はこの固体還元期に消費される。そして、該石炭などに含まれている硫黄の一部は雰囲気中へ蒸散するが、その大部分は、原料混合物内に脈石成分や灰分、更には別途配合された添加材中に含まれるCaO等に捕捉され、CaSとして原料混合物内に残留している。
【0028】
しかも、固体還元がほぼ終了した時点で、原料混合物中の還元鉄微粒子は残余の炭素質物質、すなわちカーボン(C)によって急速に浸炭され、Fe−C系状態図からも明らかな如く還元鉄の融点は低下する。そして、浸炭を受けた還元鉄は、例えば1500℃程度以下、更には1350℃程度以下の低温でも溶融を開始し、微粒子状の還元鉄が相互に凝集することによって大粒の粒状金属鉄へと成長していくことが確認されている。
【0029】
また、こうした還元鉄の浸炭溶融・凝集過程では、原料混合物内に含まれているスラグ形成成分(酸素との親和力が高くて還元されないCaO,SiO2,Al2O3,MgOなどの金属酸化物)も部分的もしくは完全に溶融し、生成する溶融スラグも相互に凝集することにより、浸炭溶融して凝集した粒状金属鉄とほぼ完全に分離する。
【0030】
いずれにしても、上記還元鉄や副生スラグが溶融・凝集していく過程で、スラグ中の主としてCaOにCaSとして固定されていた硫黄(S)は、たとえスラグ成分が同一であっても、原料混合物周辺の雰囲気ガスの還元ポテンシャルによって大きく影響を受け、ガスの還元ポテンシャル[CO/(CO+CO2)]が例えば0.7程度以下になると、CaSとして固定されていた硫黄の一部もしくは相当量が還元鉄側へ移行し、FeSとして還元鉄へ混入していくことが確認されている。
【0031】
従って、本発明法によって製造される粒状金属鉄中の硫黄分(S)を低減するには、即ち見掛け上の脱硫率を高めるには、CaSとして固定されている硫黄分(S)をスラグ中に固定したままの状態で如何に安定に保ち、還元鉄方向への移行を阻止するかが極めて重要で、そのためには、雰囲気ガスの還元度を高く維持すると共に、最終スラグの塩基度を可能な限り高くすることが重要となる。
【0032】
しかし、本発明の対象となる還元溶融プロセスでは、溶鉄を扱う従来の製銑・製鋼炉とは異なり、移動炉床式加熱還元炉の設備面および操業面から、雰囲気温度を1550℃以上に高めることは好ましいことではなく、雰囲気温度は1550℃程度以下、好ましくは1500℃以下に維持しながら操業することが望まれる。ところがこの様な温度条件下では、前記還元溶融工程で副生するスラグの塩基度を2.3以上に高めると、スラグの融点が上昇して相互の凝集が阻害されるばかりでなく、還元鉄の凝集をも阻害するため、大粒の粒状金属鉄を高歩留まりで製造することが困難となり、本発明法の目的にそぐわなくなる。
【0033】
ところが、前述した如く原料混合物中に含まれるスラグ形成成分の塩基度(CaO+MgO)/(SiO2)[以下、(C+M)/Sと略示することがある]を1.3〜2.3の範囲内に制御すると共に、該スラグ形成成分中に占めるMgO含量(MgO)が5〜13%の範囲となる様に、原料の成分調整を行えば、最終的に生成するスラグ−粒状金属鉄間の硫黄分配比(S)/[S]が著しく向上し、粒状金属鉄中に歩留る硫黄含量[S]を大幅に低減できるのである。これらスラグ塩基度(C+M)/Sやスラグ中MgO含量(MgO)の好適範囲を定めた根拠については、追って明確にする。
【0034】
なお、既に述べた様に通常の製鉄・製鋼時におけるスラグ−メタル間反応において、硫黄分配比(S)/[S]がスラグ塩基度と密接な関係を有していることは知られている。また、本発明でその使用を必須とするMgOの脱硫能は、CaOに比べてかなり低いことも確認されている。ところが本発明では、CaOと共に相当量のMgOを積極的に併用することによって、CaO単独の場合を凌駕する脱硫効果を発揮させる点で特異性を有している。
【0035】
MgOを使用することで卓越した脱硫効果が得られる原因については、現在のところ理論的に解明されていないが、後述する実験結果も踏まえて考えると、次の様に推定される。即ち、副生するスラグ中に適量のMgOを含有させた上で、該MgO含量を加味したスラグ塩基度(C+M)/Sを適切に制御することで、副生スラグの融点や流動性などの物性が最適化され、副生スラグに対する硫黄分配比(S)/[S]が最大限に高められたためと思われる。
【0036】
ところで、本発明が適用される移動炉床型還元溶融プロセスにおいて、最終的に生成するスラグの塩基度(C+M)/Sと融点との関係は、原料として用いる酸化鉄含有物質(鉄鉱石など)や炭素質還元剤(石炭やコークス)の種類や銘柄などによりかなり違ってくる。
【0037】
例えば図2は、酸化鉄含有物質として代表的なヘマタイト鉱石(A)(後記実施例の「表1」参照)、炭素質還元剤として石炭(同じく後記実施例の「表2」参照)を主原料として使用し、更にCaO含有物質として石灰石、MgO含有物質としてドロマイトを最終スラグの塩基度調整用に配合した原料混合物を用い、回転炉床式加熱還元炉によって還元溶融を行い、生成したスラグの塩基度(C+M)/Sと融点の関係を調べた結果を示したものである。
【0038】
この図においてスラグの融点は、スラグの主要構成成分であるCaO,SiO2,Al2O3及びMgOの4元系を基に、状態図から読み取って算出した。また、図中の曲線▲1▼は、塩基度調整材としてCaO含有物質である石灰石のみを配合した場合である。この曲線から明らかな様に、スラグ塩基度(C+M)/Sが約1.4を超えるとスラグの融点は急激に上昇し始め、塩基度(C+M)/Sが1.75付近でスラグの融点は現状で実操業の上限と考えられる約1550℃に達し、それ以上に塩基度(C+M)/Sが高くなるとスラグ融点は1550℃を超える。従って、雰囲気温度を更に高めない限り副生スラグの溶融・凝集が阻害され、結果的に還元鉄の凝集も進み難くなるため、本発明の目的にそぐわなくなる。勿論、雰囲気温度(操業温度)を1550℃超の更に高温に高めれば、高塩基度スラグの溶融も可能であるが、前述した如く本発明が適用される移動炉床式加熱還元炉では、設備上の制約から1550℃以上に操業温度を高めると炉体寿命が大幅に短縮されるので、実操業に馴染まない。
【0039】
これに対し、図2の曲線▲2▼は、塩基度調整剤として石灰石とドロマイトを併用した場合のスラグ塩基度(C+M)/Sと融点の関係を示したもので、この曲線から明らかな様に、最終スラグのMgO含量を増大させると、最終スラグの融点は曲線▲1▼に比べて全体に低下してくる。そして、原料混合物内に適量のMgO含有物質を配合することで、最終スラグに適量のMgOを含有させて塩基度調整を行うと、塩基度(C+M)/Sを概略2.3程度まで高めた場合でも、当該最終スラグの融点を1550℃レベルに抑えることができ、雰囲気温度が同じ1550℃であっても支障なく操業可能になることが分る。
【0040】
この様に本発明では、実用規模の移動炉床式加熱還元炉を用いて操業を行う際に、MgO含有物質を塩基度調整材として使用して最終スラグの塩基度(C+M)/Sを最大2.3程度まで高めれば、実操業を踏まえた1550℃までの温度域でスラグを十分に溶融させることができ、粒状金属鉄を安定した操業状況の下で遂行することができ、しかも、スラグ−メタル間の硫黄分配比(S)/[S]で25程度以上、より好ましくは35以上を確保することが可能となる。その結果、炭素質還元剤や床敷材などとして配合する石炭等の銘柄によって多少に違いはあるが、最終的に得られる粒状金属鉄の硫黄含有量を0.05%以下、好ましくは0.04%以下にまで安定して抑えることが可能となる。
【0041】
特に本発明では、実用炉の加熱方式として最も汎用性の高いガスバーナーによる燃焼加熱方式を採用した場合に避けることのできない、雰囲気ガス還元ポテンシャルの低下に伴う硫黄分配比(S)/[S]の低下を、スラグ塩基度(C+M)/SとMgO含量の調整によって防止可能にした意義は非常に大きい。
【0042】
尚、塩基度調整材としての石灰石とドロマイトの配合比率を更に高め、最終スラグのMgO含量を更に高めてやれば、最終スラグの融点は更に低下するので、スラグ塩基度(C+M)/Sを2.3超に高めることも可能ではあるが、副生スラグ中のスラグ塩基度(C+M)/Sを過度に高めるとスラグの粘性(流動性)が増大して還元鉄の凝集が阻害され、球形に近い好適形状の粒状金属鉄が得られ難くなるばかりでなく、粒状金属鉄としての歩留りも低下する傾向が見られるので、塩基度(C+M)/Sの上限は2.3と定めた。
【0043】
尚、塩基度(C+M)/Sの下限を1.3と定めたのは、これ以下の値になると,スラグそのものによる脱硫能が低下し、たとえ雰囲気の還元ポテンシャルが十分低く維持できたとしても本来の目的が達成できなくなるからである。本発明を実施する上でより好ましい塩基度(C+M)/Sは、1.4以上、2.0以下である。
【0044】
また図3は、酸化鉄含有物質としてマグネタイト鉱石を使用し、炭素質還元剤としては前記図2と同様に後記「表2」に示す石炭を用いた原料混合物をベースとし、これに配合するCaO及びMgO含有物質の添加量を変えることによって生成スラグの塩基度(C+M)/Sを調整し、当該スラグの融点との関係を示したものである。
【0045】
この図からも明らかな様に、使用する鉱石の銘柄により、両者の関係はかなり異なった挙動を示すが、塩基度調整材として石灰石のみを使用した場合は、曲線▲1▼からも明らかな様に、塩基度(C+M)/Sが略1.5弱でスラグの融点は1550℃となる。これに対し、石灰石の32%をドロマイトに置換してスラグの塩基度調整を行った場合は、曲線▲2▼からも明らかな様に、スラグ中のMgO含量の増大と共に塩基度上昇によるスラグ融点の上昇傾向は緩慢となり、スラグ塩基度(C+M)/Sが略1.8弱まで上昇した場合でも、スラグ融点は1550℃以下に抑えられている。
【0046】
次に図4は、本発明法を実施した場合のスラグ中(MgO)含量と硫黄分配比(S)/[S]の関係を調べた結果を示したもので、この図からも明らかな如く、スラグ中(MgO)含量と硫黄分配比(S)/[S]との間には密接な関係がみられる。そして、硫黄分配比(S)/[S]はスラグ中(MgO)含量の増大と共に比例的に変化するのではなく、特定のスラグ中(MgO)含量域で最大値を示すことが分る。
【0047】
即ちこの図は、酸化鉄含有物質として鉄鉱石Aまたは鉄鉱石Bを用いた2種類の原料混合物についての実験結果を示しており、原料の特性により両者の関係は若干異なるが、全体的な傾向は類似している。いずれにしても、スラグ中(MgO)含量が5〜13の範囲において硫黄分配比(S)/[S]は25以上の高い値を示しており、低硫化に効果的であることを示している。これは、配合原料中に含まれるスラグ形成成分が複雑に絡み合って硫黄分配比(S)/[S]に影響を及ぼしていると思われるが、詳細はまだ不明である。いずれにしても、代表的なこれら2種類の鉄鉱石(A),(B)の使用例から判断すると、スラグ形成成分中の適正な(MgO)含量は、25以上の硫黄分配比(S)/[S]を確保することのできる5〜13%の範囲と判断される。
【0048】
この様に本発明法では、使用される酸化鉄含有物質や炭素質還元剤などに応じて、全使用原料中に含まれるスラグ形成成分から算出されるスラグ塩基度[(C+M)/S]と、スラグ形成成分中に占める(MgO)含量を適切に調整し、生成スラグの融点と硫黄分配比(S)/[S]をうまくコントロールすることによって、低硫黄含量の粒状金属鉄を効率よく製造することが可能となる。
【0049】
ところで、スラグ塩基度(C+M)/Sがたとえ2.3以下であっても、1.8以上の比較的高い塩基度領域では、基本的には塩基度(C+M)/Sの上昇に伴って、原料混合物中で酸化鉄含有物質が還元されることにより生成する還元鉄微粒子同士の凝集能は徐々に低下する傾向が認められる。
【0050】
そしてスラグ塩基度(C+M)/Sが2.3を超えるとスラグの凝集能が大きく低下し、延いては生成する還元鉄粒子の凝集能も低下し、本発明で意図する大粒の粒状金属鉄が高歩留りで得られ難くなる。たとえ最終スラグの塩基度(C+M)/Sが2.3以下であっても、本発明法の経済的操業性を確保するには、目標とする大粒の粒状金属鉄を可能な限り高歩留りで製造することが望まれる。
【0051】
そこで、スラグ塩基度(C+M)/Sの上昇による適正粒径の粒状金属鉄歩留りの低下を抑えるべく更に研究を重ねた結果、原料混合物中に適量のCaF2含有物質、例えば蛍石を含有させれば、生成スラグの融点が低下すると共に流動性が向上し、スラグ自体の凝集性が高まると共に還元鉄粒子の凝集も促進され、大粒の粒状金属鉄の歩留りを有意に高め得ることが分った。そしてこうしたCaF2含有物質の配合による効果を実用規模で有効に発揮させるには、該CaF2含有物質のCaF2換算の配合量を、全スラグ形成成分中に占める比率で0.2%以上、好ましくは0.4%以上配合すればよいことが確認された。
【0052】
より具体的には最終スラグの塩基度(C+M)/Sが1.7以上、特に1.8を超える場合には、スラグ中に占める比率で0.2%以上のCaF2を含有させ、スラグ塩基度(C+M)/Sの上昇に伴う流動性の低下を該CaF2含量の増大によって徐々に補ってやれば、粒径の大きい粒状金属鉄を安定して高歩留りで製造することが可能となる。
【0053】
但し、CaF2の配合量を多くし過ぎると生成スラグの流動性が過度に高まり、炉床耐火物の溶損が加速され易くなるといった別の問題が生じてくるので、CaF2含有物質の含有量は全スラグ形成成分中に占めるCaF2換算の量で2.0%以下、より好ましくは1.5%以下に抑えることが望ましい。
【0054】
なお本発明では、前述の如く生成スラグの塩基度[(C+M)/S]とMgO含量を定めたところに最大の特徴を有しており、床敷材として炉床上に装入される炭素質物質の使用は必ずしも必須ではないが、炉床上に炭素質物質を床敷材として装入すれば、炉内の還元ポテンシャルがより効率的に高められ、金属化率の向上と硫黄含量の低減の両作用をより一層効果的に発揮させることができるので好ましい。そして、こうした床敷材としての作用をより確実に発揮させるには、炉床上へ2mm程度以上の厚みで粉粒状の炭素質物質を敷いておくことが望ましい。しかも、炭素質物質を床敷材としてある程度の厚みを持った層状に敷き詰めておけば、該床敷層が原料混合物と炉床耐火物の緩衝材となり、或いは副生スラグ等に対する炉床耐火物の保護材となり、炉床耐火物の寿命延長にも役立つ。
【0055】
但し、床敷層が厚くなり過ぎると、原料混合物が炉床上の床敷層内へ潜り込んで還元の進行が阻害される、などの問題を生じることがあるので、7.5mm程度以下に抑えることが望ましい。
【0056】
なお、床敷材として用いる炭素質物質の種類は特に限定されず、通常の石炭やコークス等を粉砕し、好ましくは適度に粒度調整したものを使用すればよく、また石炭を使用する場合は、流動性が低く且つ炉床上で膨れや粘着性を帯びることのない無煙炭が好適である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0058】
実施例1
酸化鉄含有物質として表1に示す2種類の鉱石(A)と鉱石(B)を、また炭素質還元剤として表2に示す成分組成の石炭を使用し、これに石灰石(CaCO3)やドロマイト(CaCO3・MgCO3)等のスラグ塩基度調整用副原料、および必要に応じて適量の蛍石(CaF2)を添加し、また少量のバインダーとして小麦粉を配合することにより、ペレット状の原料成形体を製造した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
この原料成形体を、小型の実験用回転炉床式加熱還元炉内へ連続的に装入して加熱還元を行った。加熱還元ゾーンおよび浸炭溶融ゾーンの雰囲気温度は、バーナー加熱により1400〜1470℃の範囲に調整した。回転炉床式加熱還元炉の炉床上に装入された原料成形体中の酸化鉄分は、略10〜16分で炉内の加熱領域を一巡する間に固体状態を維持しながら還元され、生成する還元鉄は該還元炉の後半で残余の炭素質物質による浸炭を受けながら融点降下して相互に凝集する。また副生するスラグも、部分的もしくはほぼ完全に溶融して相互に凝集し、溶融状態の粒状金属鉄と溶融スラグに分離する。そして回転炉床式加熱還元炉の最後部で、これらを冷却して融点以下にまで降温(具体的には、1100℃程度までに冷却)して凝固させ、固体状態の粒状金属鉄およびスラグとして炉外へ排出する。
【0062】
この実験で使用した鉄鉱石(A)は代表的なヘマタイト鉱石、鉄鉱石(B)は代表的なマグネタイト鉱石である。本実験では、これらの原料を用いて、最終スラグの塩基度(C+M)/Sを最大1.85の範囲内で変化させた各種の原料成形体を用いて加熱還元を行った。結果を図5,6に示す。
【0063】
図5はヘマタイト鉱石である鉄鉱石(A)を使用した場合の例で、横軸は生成スラグの塩基度(C+M)/S、縦軸は得られた粒状金属鉄と副生スラグ中の硫黄の分析値から求められる硫黄分配比(S)/[S]を示している。
【0064】
酸化鉄含有物質としてヘマタイト鉱石(A)を用いた該図5の結果からも明らかな様に、スラグ塩基度(C+M)/Sが高まるにつれて、特に塩基度(C+M)/Sが1.4を超えると、硫黄分配比(S)/[S]は急速に増大している。なお、図5中の白丸はスラグ塩基度調整剤として石灰石のみを配合した例、黒丸は石灰石と共にMgO含有物質としてドロマイトを併用して塩基度(C+M)/Sを調整した例である。
【0065】
この実験結果からも明らかな様に、得られる粒状金属鉄の硫黄含量を0.05%以下、好ましくは0.04%以下に抑えるには、配合する石炭の銘柄によって異なるものの、一般的に、硫黄分配比(S)/[S]は25以上、好ましくは30以上を確保することが望ましい。
【0066】
スラグ塩基度(C+M)/Sを1.4以上にした場合、塩基度(C+M)/Sが高まるにつれて硫黄分配比(S)/[S]も高まるが、スラグ形成成分としてMgO含有物質を積極添加することにより、添加しなかった場合に比べて硫黄分配比(S)/[S]が確実に高くなることは、この図から明白である。尚、MgO含有物質を配合しない場合は、最終スラグの塩基度(C+M)/Sが1.7程度まで高まるとスラグ融点が高くなり、溶融スラグの凝集が進み難くなって還元鉄の凝集も阻害される傾向がみられ、細かな粒状金属鉄が多数生成して、大粒の粒状金属鉄を高歩留りで得ることが困難になる。
【0067】
しかし、MgO含有物質を配合しないでスラグの塩基度(C+M)/Sを1.7以上にする場合には、CaF2含有物質をスラグ形成成分中に占めるCaF2換算の比率で0.2%以上、好ましくは0.4%以上配合すると、スラグの融点は再び低下すると共にスラグの流動性も改善され、大粒の粒状金属鉄を高歩留りで得ることが可能となる。
【0068】
一方図6は、酸化鉄含有物質としてマグネタイト鉱石を配合した原料成形体を使用し、同様の実験を行った例であり、基本的な傾向は図5と類似している。しかし本例では、スラグ塩基度(C+M)/Sが1.2以上になると硫黄分配比(S)/[S]が急速に高くなる傾向がみられる。前記図5との違いは必ずしも明確でないが、MgO含有物質としてドロマイトを配合した黒丸のデータは、ドロマイトを配合しなかった白丸のデータに比べると、明らかに高い硫黄分配比(S)/[S]を示しており、MgO含有物質の添加効果はヘマタイト鉱石(A)を用いた場合と殆ど変わりないことを確認できる。
【0069】
この様に、還元溶融プロセスにおいて、MgO含有物質を事前に原料混合物に配合し、最終的に生成するスラグの塩基度(C+M)/Sが1.3以上、より好ましくは1.4以上となる様に配合量を調整すれば、結果的に高い脱硫率を達成することができ、得られる粒状金属鉄中の硫黄含量を0.05%以下、好ましくは0.04%以下に低減できる。この理由については、恐らく図5において、蛍石を添加した場合の効果と同様に、たとえCaF2含有物質を添加せずとも、適量のMgO含有物質を配合することでスラグの融点が低下し、スラグと還元鉄の分離と各々の凝集が促進されるためと推定している。
【0070】
実施例2
前記表1と表2に示したヘマタイト鉄鉱石(A)と石炭をベースとし、これに石灰石やドロマイトを配合してペレット状に成形した2種類の原料成形体を製造し、回転炉床式加熱還元炉で還元溶融を行った具体例を示す。まず、表3に示す原料配合組成のペレット(a)とペレット(b)を使用した。これらのペレット(a)とペレット(b)は何れもヘマタイト鉄鉱石(A)を配合したもので、前者のペレット(a)はMgO含有物質を添加しなかった例、後者のペレット(b)はMgO含有物質として天然のドロマイト鉱石を配合した例である。本実験では、いずれも炉内雰囲気温度を1450℃一定として操業を行った。
【0071】
この実験で製造された粒状金属鉄と生成スラグの分析値、およびスラグ塩基度[(C+M)/S]と硫黄分配比(S)/[S]を表4に示した。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
表4からも明らかな様に、ペレット(a)のスラグ塩基度(C+M)/Sは本発明の規定範囲に入っているが、原料混合物の成形体であるペレットにCaCO3のみを配合し、ドロマイトを配合していないため、スラグ中の(MgO)含量は2.5%と低く、本発明の規定範囲を外れている。この場合、硫黄分配比(S)/[S]は22.75で目標とする25.0に達しておらず、粒状金属鉄中の[S]も0.059%と高くなっている。
【0075】
これに対し、本発明の規定要件を満たすペレット(b)は、原料としてドロマイトを1.81%予め配合したもので、スラグ塩基度(C+M)/Sは1.71で、スラグ中の(MgO)含量は8.81%と高く、硫黄分配比(S)/[S]は45.03と非常に高い値が得られており、得られる粒状金属鉄の硫黄含量[S]も0.035%と非常に低い値が得られている。
【0076】
この様に本発明法では、原料混合物中にMgO含有物質を適正量配合し、しかも原料混合物に含まれるCaO,MgO,SiO2の含有量により決ってくる最終スラグの塩基度(C+M)/Sを1.3〜2.3の範囲内に、且つスラグ中の(MgO)含量を5〜13%の範囲に入るように調整することにより、得られる粒状金属鉄の硫黄含量[S]を0.05%以下、好ましくは0.04%以下に低減できることが実証された。
【0077】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、回転炉床式加熱還元炉の如き移動炉床式加熱還元炉を使用し、酸化鉄源と炭素質還元剤を含む原料混合物を加熱還元して粒状金属鉄を製造する際に、特に、原料混合物中のスラグ形成成分として適量のMgO含有物質を含有せしめ、副生スラグの塩基度(Ca+Mg)/Sと、該スラグ形成成分中に占めるMgO含量(MgO)を適正範囲に調整することにより、炭材として石炭やコークスなどを使用した時に不可避的に生じる製品粒状金属鉄の硫黄含量の増大を可及的に抑え、硫黄含量の少ない高品質の粒状金属鉄を生産性よく製造し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される移動炉床式加熱還元炉を例示する概念説明図である。
【図2】実験で得た、原料混合物中のスラグ形成成分の塩基度調整用として石灰石のみを使用した場合と、石灰石とドロマイトを併用した場合の、スラグ塩基度(C+M)/Sとスラグ融点の関係を示す図である。
【図3】他の実験で得た、原料混合物中のスラグ形成成分の塩基度調整用として石灰石のみを使用した場合と、石灰石とドロマイトを併用した場合の、スラグ塩基度(C+M)/Sとスラグ融点の関係を示す図である。
【図4】2種類の鉄鉱石を使用し、塩基度調整用にドロマイトを併用した場合の、スラグ中(MgO)含量と、スラグと粒状金属鉄間の硫黄分配比(S)/[S]の関係を示すグラフである。
【図5】実験で得たスラグ塩基度(C+M)/Sと硫黄分配比(S)/[S]の関係を示すグラフである。
【図6】他の実験で得たスラグ塩基度(C+M)/Sと硫黄分配比(S)/[S]の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A 回転炉床式加熱還元炉
1 原料混合物
2 炭素質物質
3 原料投入ポッパー
4 回転炉床
5 燃焼バーナ
6 排出装置
7 排ガスダクト
Claims (9)
- 酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を、移動炉床式加熱還元炉の炉床上に装入して加熱し、原料混合物中の酸化鉄を炭素質還元剤により還元し、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させた後、冷却凝固させて粒状金属鉄を製造する方法において、前記原料混合物中に含まれるCaO,MgOおよびSiO2の含有量から求められるスラグ形成成分の塩基度(CaO+MgO)/SiO2が1.3〜2.3の範囲で、且つ、該スラグ形成成分中に占めるMgO含量(MgO)が5〜13%(質量%を意味する、以下同じ)の範囲となる様に、前記原料混合物中に含まれるCaO,MgOおよびSiO2含有物質の量を調整することを特徴とする低硫黄含量の粒状金属鉄の製法。
- 原料混合物中にMgO含有物質を配合することによって、前記スラグ形成成分の塩基度とMgO含量を調整する請求項1に記載の製法。
- 前記MgO含有物質としてドロマイト鉱石を使用する請求項2に記載の製法。
- 前記原料混合物中にCaF2含有物質を含有させる請求項1〜3のいずれかに記載の製法。
- 前記CaF2含有物質として蛍石を使用する請求項1〜4のいずれかに記載の製法。
- 前記CaF2含有物質の含有量を、前記原料混合物中に占めるCaF2換算の比率で0.2〜2%とする請求項4または5に記載の製法。
- 前記原料混合物を移動炉床式加熱還元炉の炉床上へ装入するに先立って、該炉床上に炭素質粉末を敷いておく請求項1〜6のいずれかに記載の製法。
- 前記炭素質粉末を炉床上に2mm以上の厚みで敷いておく請求項7に記載の製法。
- 前記移動炉床式加熱還元炉の操業温度を1250〜1550℃の範囲とする請求項1〜8のいずれかに記載の製法。
Priority Applications (17)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078225A JP4167101B2 (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 粒状金属鉄の製法 |
US10/548,955 US20060169103A1 (en) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Process for producing particulate iron metal |
KR1020057017381A KR100710943B1 (ko) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | 입상 금속철의 제조방법 |
ES04714008T ES2375605T3 (es) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Proceso para producir metal de hierro particulado. |
AU2004221565A AU2004221565B2 (en) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Process for producing particulate iron metal |
EP04714008A EP1605067B1 (en) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Process for producing particulate iron metal |
AT04714008T ATE539173T1 (de) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Herstellungsverfahren für partikelförmiges eisenmetall |
CA002519049A CA2519049A1 (en) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Manufacturing method for granulated metallic iron |
MXPA05009893A MXPA05009893A (es) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Metodo de fabricacion de hierro metalico en polvo. |
UAA200509844A UA78443C2 (en) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Method for producing granulated iron metal |
CNA2004800075303A CN1761762A (zh) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | 用于粒状金属铁的制备方法 |
PL377499A PL204571B1 (pl) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Sposób wytwarzania granulowanego żelaza metalicznego |
RU2005132303/02A RU2301834C2 (ru) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | Способ получения гранулированного металлического железа |
BRPI0408562-0A BRPI0408562A (pt) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | método de manufatura para ferro metálico granulado com baixa concentração de enxofre |
PCT/JP2004/002139 WO2004083463A1 (ja) | 2003-03-20 | 2004-02-24 | 粒状金属鉄の製法 |
TW093106298A TWI237061B (en) | 2003-03-20 | 2004-03-10 | Process for producing particulate iron metal |
ZA2005/07347A ZA200507347B (en) | 2003-03-20 | 2005-09-13 | Manufacturing method for granulated metallic iron |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078225A JP4167101B2 (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 粒状金属鉄の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004285399A true JP2004285399A (ja) | 2004-10-14 |
JP4167101B2 JP4167101B2 (ja) | 2008-10-15 |
Family
ID=33027969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003078225A Expired - Fee Related JP4167101B2 (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 粒状金属鉄の製法 |
Country Status (17)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20060169103A1 (ja) |
EP (1) | EP1605067B1 (ja) |
JP (1) | JP4167101B2 (ja) |
KR (1) | KR100710943B1 (ja) |
CN (1) | CN1761762A (ja) |
AT (1) | ATE539173T1 (ja) |
AU (1) | AU2004221565B2 (ja) |
BR (1) | BRPI0408562A (ja) |
CA (1) | CA2519049A1 (ja) |
ES (1) | ES2375605T3 (ja) |
MX (1) | MXPA05009893A (ja) |
PL (1) | PL204571B1 (ja) |
RU (1) | RU2301834C2 (ja) |
TW (1) | TWI237061B (ja) |
UA (1) | UA78443C2 (ja) |
WO (1) | WO2004083463A1 (ja) |
ZA (1) | ZA200507347B (ja) |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006283136A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Nippon Steel Corp | 還元鉄の製造方法 |
WO2008059691A1 (fr) | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Procédé de fabrication de fer métallique granulaire et équipement pour sa fabrication |
WO2009001663A1 (ja) * | 2007-06-27 | 2008-12-31 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009007621A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009007620A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009007619A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009062557A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Jfe Steel Kk | 移動型炉床炉の操業方法 |
JP2009530492A (ja) * | 2006-03-13 | 2009-08-27 | ミシガン テクノロジカル ユニバーシティ | 環境調和型再生可能還元剤或いは再生還元剤を用いた鉄の生産 |
WO2009125736A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の製造方法 |
CN102127636A (zh) * | 2010-12-30 | 2011-07-20 | 首钢总公司 | 一种低SiO2高性能烧结矿制备方法 |
AU2011211415B2 (en) * | 2007-06-27 | 2012-04-12 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Method for manufacturing granular metallic iron |
JP2013036058A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-21 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2016056416A (ja) * | 2014-09-10 | 2016-04-21 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の製造方法 |
US10144981B2 (en) | 2012-02-28 | 2018-12-04 | Kobe Steel, Ltd. | Process for manufacturing reduced iron agglomerates |
US10683562B2 (en) | 2015-05-28 | 2020-06-16 | Kobe Steel, Ltd. | Reduced iron manufacturing method |
Families Citing this family (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4266284B2 (ja) * | 2001-07-12 | 2009-05-20 | 株式会社神戸製鋼所 | 金属鉄の製法 |
JP2003034813A (ja) * | 2001-07-24 | 2003-02-07 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄とスラグの分離促進方法 |
MX2007006786A (es) | 2004-12-07 | 2008-02-11 | Nu Iron Technology Llc | Metodo y sistema para producir trozos de hierro metalicos. |
EP2690181A1 (en) | 2006-07-26 | 2014-01-29 | Nu-Iron Technology, Inc | Method and system for producing metallic iron nuggets |
US8021460B2 (en) | 2006-07-26 | 2011-09-20 | Nu-Iron Technology, Llc | System and method for producing metallic iron nodules |
JP4317580B2 (ja) * | 2007-09-14 | 2009-08-19 | 新日本製鐵株式会社 | 還元鉄ペレットの製造方法及び銑鉄の製造方法 |
CA2713442A1 (en) | 2008-01-30 | 2009-08-27 | Nu-Iron Technology, Llc | Method and system for producing metallic iron nuggets |
AU2009232786B2 (en) | 2008-03-31 | 2013-02-21 | Nippon Steel Corporation | Producing Method of Reduced Iron |
CA2661419A1 (en) | 2008-04-03 | 2009-10-03 | Nu-Iron Technology, Llc | System and method for producing metallic iron |
JP5384175B2 (ja) * | 2008-04-10 | 2014-01-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物 |
JP5466590B2 (ja) * | 2009-07-21 | 2014-04-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 炭材内装塊成化物を用いた還元鉄製造方法 |
CN102482730B (zh) * | 2009-08-21 | 2014-07-02 | 新日铁住金株式会社 | 高炉用的非烧成含碳块矿及其制造方法 |
JP5503420B2 (ja) * | 2010-06-07 | 2014-05-28 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属の製造方法 |
JP5406803B2 (ja) * | 2010-08-09 | 2014-02-05 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の製造装置、および粒状金属鉄の製造方法 |
US8999033B2 (en) * | 2010-12-15 | 2015-04-07 | Midrex Technologies, Inc. | Method and system for producing direct reduced iron and/or hot metal using brown coal |
US8287621B2 (en) | 2010-12-22 | 2012-10-16 | Nu-Iron Technology, Llc | Use of bimodal carbon distribution in compacts for producing metallic iron nodules |
RU2490332C1 (ru) * | 2011-12-05 | 2013-08-20 | Открытое акционерное общество "Магнитогорский металлургический комбинат" | Способ металлизации железорудного сырья с получением гранулированного чугуна |
RU2497953C2 (ru) * | 2011-12-07 | 2013-11-10 | Владимир Евгеньевич Черных | Способ получения гранулированного металлического железа |
JP2014167150A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Kobe Steel Ltd | 還元鉄塊成物の製造方法 |
CN103276202B (zh) * | 2013-06-07 | 2014-11-12 | 钢铁研究总院 | 一种高铁铝土矿生产金属粒铁和氧化铝的方法 |
RU2548840C1 (ru) * | 2014-01-09 | 2015-04-20 | Открытое акционерное общество "Магнитогорский металлургический комбинат" | Способ переработки мелкозернистых цинксодержащих отходов металлургического производства |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2456779A1 (fr) * | 1979-05-15 | 1980-12-12 | Sofrem | Produit pour la desulfuration des fontes et aciers |
DE3826824C1 (ja) * | 1988-08-06 | 1990-01-04 | Fried. Krupp Gmbh, 4300 Essen, De | |
US5575829A (en) * | 1995-06-06 | 1996-11-19 | Armco Inc. | Direct use of sulfur-bearing nickel concentrate in making Ni alloyed stainless steel |
JPH1068011A (ja) * | 1996-08-26 | 1998-03-10 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 酸化物分散鋼の製造方法 |
US5749939A (en) * | 1996-12-04 | 1998-05-12 | Armco Inc. | Melting of NI laterite in making NI alloyed iron or steel |
US6149709A (en) * | 1997-09-01 | 2000-11-21 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Method of making iron and steel |
ID22491A (id) * | 1997-09-30 | 1999-10-21 | Kawasaki Steel Co | Tungku perapian putar untuk oksida peleburan dan metode pengoperasian daripadanya |
US6413295B2 (en) * | 1998-11-12 | 2002-07-02 | Midrex International B.V. Rotterdam, Zurich Branch | Iron production method of operation in a rotary hearth furnace and improved furnace apparatus |
EP1764420B1 (en) * | 2000-03-30 | 2011-02-16 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Method of producing metallic iron in a moving hearth type smelt reduction furnace |
TW562860B (en) * | 2000-04-10 | 2003-11-21 | Kobe Steel Ltd | Method for producing reduced iron |
JP4757982B2 (ja) * | 2000-06-28 | 2011-08-24 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の歩留まり向上方法 |
US6749664B1 (en) * | 2001-01-26 | 2004-06-15 | Midrex International, B.V., Rotterdam, Zurich Branch | Furnace hearth for improved molten iron production and method of operation |
JP4691827B2 (ja) * | 2001-05-15 | 2011-06-01 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄 |
JP4669189B2 (ja) * | 2001-06-18 | 2011-04-13 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の製法 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003078225A patent/JP4167101B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-02-24 UA UAA200509844A patent/UA78443C2/uk unknown
- 2004-02-24 ES ES04714008T patent/ES2375605T3/es not_active Expired - Lifetime
- 2004-02-24 AT AT04714008T patent/ATE539173T1/de active
- 2004-02-24 RU RU2005132303/02A patent/RU2301834C2/ru active
- 2004-02-24 CN CNA2004800075303A patent/CN1761762A/zh active Pending
- 2004-02-24 KR KR1020057017381A patent/KR100710943B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2004-02-24 WO PCT/JP2004/002139 patent/WO2004083463A1/ja active Application Filing
- 2004-02-24 CA CA002519049A patent/CA2519049A1/en not_active Abandoned
- 2004-02-24 PL PL377499A patent/PL204571B1/pl unknown
- 2004-02-24 BR BRPI0408562-0A patent/BRPI0408562A/pt not_active Application Discontinuation
- 2004-02-24 AU AU2004221565A patent/AU2004221565B2/en not_active Ceased
- 2004-02-24 EP EP04714008A patent/EP1605067B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2004-02-24 MX MXPA05009893A patent/MXPA05009893A/es active IP Right Grant
- 2004-02-24 US US10/548,955 patent/US20060169103A1/en not_active Abandoned
- 2004-03-10 TW TW093106298A patent/TWI237061B/zh not_active IP Right Cessation
-
2005
- 2005-09-13 ZA ZA2005/07347A patent/ZA200507347B/en unknown
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006283136A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Nippon Steel Corp | 還元鉄の製造方法 |
JP2009530492A (ja) * | 2006-03-13 | 2009-08-27 | ミシガン テクノロジカル ユニバーシティ | 環境調和型再生可能還元剤或いは再生還元剤を用いた鉄の生産 |
WO2008059691A1 (fr) | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Procédé de fabrication de fer métallique granulaire et équipement pour sa fabrication |
JP2008121085A (ja) * | 2006-11-14 | 2008-05-29 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法およびその装置 |
US8377169B2 (en) | 2006-11-14 | 2013-02-19 | Kobe Steel, Ltd. | Method and apparatus for manufacturing granular metallic iron |
US8617459B2 (en) | 2006-11-14 | 2013-12-31 | Kobe Steel, Ltd. | Method and apparatus for manufacturing granular metallic iron |
WO2009001663A1 (ja) * | 2007-06-27 | 2008-12-31 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009007619A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009007620A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
JP2009007621A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
AU2008268694B2 (en) * | 2007-06-27 | 2011-06-23 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Method for manufacturing granular metallic iron |
AU2011211415B2 (en) * | 2007-06-27 | 2012-04-12 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Method for manufacturing granular metallic iron |
JP2009062557A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Jfe Steel Kk | 移動型炉床炉の操業方法 |
JP2009270193A (ja) * | 2008-04-09 | 2009-11-19 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
WO2009125736A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の製造方法 |
CN102127636A (zh) * | 2010-12-30 | 2011-07-20 | 首钢总公司 | 一种低SiO2高性能烧结矿制备方法 |
JP2013036058A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-21 | Kobe Steel Ltd | 粒状金属鉄の製造方法 |
US10144981B2 (en) | 2012-02-28 | 2018-12-04 | Kobe Steel, Ltd. | Process for manufacturing reduced iron agglomerates |
JP2016056416A (ja) * | 2014-09-10 | 2016-04-21 | 株式会社神戸製鋼所 | 粒状金属鉄の製造方法 |
US10683562B2 (en) | 2015-05-28 | 2020-06-16 | Kobe Steel, Ltd. | Reduced iron manufacturing method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2519049A1 (en) | 2004-09-30 |
AU2004221565B2 (en) | 2010-03-11 |
EP1605067A4 (en) | 2008-03-12 |
BRPI0408562A (pt) | 2006-03-21 |
ZA200507347B (en) | 2006-12-27 |
RU2301834C2 (ru) | 2007-06-27 |
JP4167101B2 (ja) | 2008-10-15 |
CN1761762A (zh) | 2006-04-19 |
UA78443C2 (en) | 2007-03-15 |
ATE539173T1 (de) | 2012-01-15 |
TWI237061B (en) | 2005-08-01 |
MXPA05009893A (es) | 2005-11-04 |
PL377499A1 (pl) | 2006-02-06 |
WO2004083463A1 (ja) | 2004-09-30 |
EP1605067A1 (en) | 2005-12-14 |
ES2375605T3 (es) | 2012-03-02 |
US20060169103A1 (en) | 2006-08-03 |
KR100710943B1 (ko) | 2007-04-24 |
PL204571B1 (pl) | 2010-01-29 |
RU2005132303A (ru) | 2006-02-10 |
AU2004221565A1 (en) | 2004-09-30 |
EP1605067B1 (en) | 2011-12-28 |
KR20050109589A (ko) | 2005-11-21 |
TW200426222A (en) | 2004-12-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4167101B2 (ja) | 粒状金属鉄の製法 | |
JP5384175B2 (ja) | 粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物 | |
WO2010117008A1 (ja) | 金属鉄の製法 | |
CN1462313A (zh) | 粒状精炼铁 | |
JP2010229525A (ja) | フェロニッケルおよびフェロバナジウムの製造方法 | |
JP2013209748A (ja) | 還元鉄塊成物の製造方法 | |
JP6294152B2 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
JP6014009B2 (ja) | 還元鉄の製造方法 | |
WO2009125736A1 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
US20100171072A1 (en) | Method for manufacturing granular metallic iron | |
JP2010090431A (ja) | ニッケルおよびバナジウムを含む合金鉄の製造方法 | |
JP2004183070A (ja) | 溶鉄の製法 | |
JP5210555B2 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
JP6043271B2 (ja) | 還元鉄の製造方法 | |
JP5096810B2 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
JP5671426B2 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
WO2014034589A1 (ja) | 還元鉄塊成物の製造方法 | |
JP5096811B2 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
JP2013142167A (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
JP2001348622A (ja) | 高炉用高品質低SiO2焼結鉱の製造方法 | |
JP3864506B2 (ja) | 半還元鉄塊成鉱およびその製造方法ならびに銑鉄の製造方法 | |
JP6250482B2 (ja) | 粒状金属鉄の製造方法 | |
JP5971482B2 (ja) | 塊成鉱の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041007 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080729 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080731 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |