JP2009270193A - 粒状金属鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転炉床式などの移動炉床式加熱還元炉を使用し、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を加熱し、該原料混合物中の酸化鉄含有物質を炭素質還元剤により直接還元して粒状金属鉄を製造するに当たり、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いた場合でも、粒状金属鉄を生産性良く製造できる方法を提供する。
【解決手段】酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用い、原料混合物2にLi2O供給物質を配合することによって前記スラグ中のLi2O含有量を0.05%以上とし、前記原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによって、前記スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を1.5〜1.9の範囲とすればよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、粒状金属鉄の製造方法に関するものであり、詳細には、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を移動炉床式加熱還元炉で加熱して直接還元し、粒状金属鉄を製造する方法に関するものである。
鉄鉱石や酸化鉄等の酸化鉄含有物質から鉄を生産する方法としては、高炉法が主流である。その一方で、高炉を使用せず、原料混合物中の酸化鉄を炭素質還元剤で直接還元し、比較的小規模で、多品種・少量生産向きの製鉄法が開発され、注目を集めている(特許文献1〜4など)。この方法は、酸化鉄含有物質と、石炭やコークス等の炭素質還元剤(以下、炭材ということがある)とを含む原料混合物(あるいは該混合物を押し固めた簡易成形体、更にはペレットやブリケットなどに成形した炭材内装成形体)を移動炉床式の加熱還元炉(例えば、回転炉床炉など)の炉床上に装入し、原料混合物が該炉内を移動する間に、加熱バーナーによる熱や輻射熱で加熱することによって原料混合物中の酸化鉄を炭素質還元剤で直接還元し、得られた金属鉄(還元鉄)を続いて浸炭・溶融させ、次いで副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させた後、冷却凝固させて粒状の金属鉄(還元鉄)を製造する方法である。
こうした直接還元製鉄法は、高炉等の大規模な設備が不要になるため、最近実用化への研究が盛んに行われている。しかし工業的規模で実施するには、操業安定性や安全性、経済性、粒状金属鉄(製品)の品質(例えば、粒状金属鉄の純度)などを含めて更に改善しなければならない課題も多い。
当該課題の一つとして、粒状金属鉄の生産性を向上することが挙げられる。高炉法等に対して省スペース化できたとしても、生産性が悪ければ、そもそも上記直接還元製鉄法を工業的規模で実施することは不可能だからである。
粒状金属鉄の生産性を高めるためには、移動炉床式加熱還元炉の炉床上に装入した原料混合物が短時間のうちに溶解し、単位時間当たりの粒状金属鉄の生産量が増大すること、および、得られる粒状金属鉄の凝集性が高いこと(換言すれば、原料混合物に配合したFe量に対し、凝集して粒状金属鉄として得られたFeの歩留まりが高いこと)が求められる。
特開平2−228411号公報 特開2001−279313号公報 特開2001−247920号公報 特開2004−285399号公報
直接還元製鉄法を始め、従来は、酸化鉄含有物質として鉄鉱石を用いるのが一般的であった。鉄鉱石は、主に、ヘマタイト鉱石(Fe23)とマグネタイト鉱石(Fe34)の2種類に大別されることが知られている。ヘマタイト鉱石とは、酸化数が3価のFe23を主体とする鉱石であり、マグネタイト鉱石とは、酸化数が2価のウスタイト(FeO)と酸化数が3価のヘマタイト(Fe23)の混合物である。一般に、鉄鉱石の総産出量に占めるヘマタイト鉱石の産出量は約80〜90%と言われており、マグネタイト鉱石の産出量は約10〜20%と言われている。そのため、鉄鉱石は、通常、ヘマタイトを含有していることが多い。
ところが、本発明者らの検討結果により、配合する酸化鉄含有物質の種類によって粒状金属鉄の生産性が大きく変化すること、詳細には、酸化鉄含有物質としてヘマタイト鉱石を用いた方が、マグネタイト鉱石を用いた場合に比べ、生産性が劣ることが判明した。しかしながら、従来の直接還元製鉄法では、酸化鉄含有物質の種類について留意されておらず、上記特許文献1〜4を参照しても、配合する酸化鉄含有物質の種類によって生産性などが変化することは、何も記載されていない。
そのため、鉄鉱石の大部分を占めるヘマタイト鉱石を用いた場合でも生産性良く粒状金属鉄を製造できる技術の確立が望まれる。
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転炉床式などの移動炉床式加熱還元炉を使用し、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を加熱し、該原料混合物中の酸化鉄含有物質を炭素質還元剤により直接還元して粒状金属鉄を製造するに当たり、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いた場合でも、粒状金属鉄を生産性良く製造できる方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る粒状金属鉄の製造方法は、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を、移動炉床式加熱還元炉の炉床上に装入して加熱し、該原料混合物中の酸化鉄を前記炭素質還元剤により還元し、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させた後、冷却凝固させて粒状金属鉄を製造する方法において、前記酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用い、前記原料混合物にLi2O供給物質を配合することによって前記スラグ中のLi2O含有量を0.05%(質量%の意味。以下同じ。)以上とし、前記原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによって、前記スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を1.5〜1.9の範囲とする点に要旨を有する。
前記ヘマタイト含有物質としては、該ヘマタイト含有物質全体の質量を100%としたときにAl23を0.30%以上含有する物質を用いることができる。前記スラグ中のMgO含有量は、4〜10%とすることが好ましい。前記Li2O供給物質としては、例えば、Li2O、Li2CO3、およびLiOHよりなる群から選ばれる少なくとも1種を配合すればよい。CaOとMgOの供給物質としては、例えば、ドロマイト鉱石を配合すればよい。
前記原料混合物に含まれる前記CaO供給物質以外のCaO供給物質、および/または前記原料混合物に含まれる前記MgO供給物質以外のMgO供給物質を更に配合してもよい。前記原料混合物に含まれる前記CaO供給物質以外のCaO供給物質としては、例えば、CaOおよび/またはCaCO3を配合すればよい。前記原料混合物に含まれる前記MgO供給物質以外のMgO供給物質としては、例えば、MgOおよび/またはMgCO3を配合すればよい。
なお、本発明の製造方法で副生するスラグは、Li2O含有量が0.05%以上で、スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]が1.5〜1.9になっている。
本発明では、スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を適正な範囲に制御しているだけでなく、スラグ中に占めるLi2O量を適正な範囲に制御している。その結果、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いた場合でも、粒状金属鉄を生産性良く製造できるようになる。
図1は、マグネタイト鉱石に含まれる脈石の形態を示す図面代用写真である。 図2は、ヘマタイト鉱石に含まれる脈石の形態を示す図面代用写真である。 図3は、回転炉床式の加熱還元炉の一構成例を示す概略説明図である。
本発明者らは、酸化鉄含有物質として、マグネタイト鉱石とヘマタイト鉱石を用いた場合において、粒状金属鉄の生産性に差が生じる原因について検討した。その結果、マグネタイト鉱石とヘマタイト鉱石では鉱石中に含まれる脈石の形態が異なっており、この違いが生産性に影響を及ぼしていることが判明した。
脈石とは、鉱山で採掘された鉱石(粗鉱)を構成している成分のうち、有用金属を含む鉱物以外の成分であり、通常、Al23やSiO2、CaOなどの酸化物から構成されている。
マグネタイト鉱石に含まれる脈石の形態は、図1の図面用代用写真に示すように、酸化鉄に脈石が付着したような状態で存在する。一方、ヘマタイト鉱石に含まれる脈石の存在形態は、図2の図面代用写真に示すように脈石が酸化鉄に取り囲まれる状態や、逆に酸化鉄が脈石に取り囲まれた状態になっている。そのため、酸化鉄含有物質としてマグネタイト鉱石を用いた場合には、酸化鉄は脈石に取り囲まれていないため、移動炉床炉で加熱される際に、酸化鉄部分は容易に還元される。しかし、酸化鉄含有物質としてヘマタイト鉱石を用いた場合には、酸化鉄が脈石に取り囲まれていることがあるため、熱伝導が阻害されて温度が上がりにくく、しかもCOのような還元ガスによる酸化鉄の還元が進行し難いと考えられる。また、脈石成分のなかでも特にAl23は高融点を有しているため、ヘマタイト含有物質全体の質量を100%としたとき、ヘマタイト含有物質(ヘマタイト鉱石)に含まれるAl23が0.30%程度ならば脈石の溶解具合は影響を受けないが、Al23が0.30%を超えると脈石に占めるAl23の割合が大きくなるため、脈石が溶解し難くなると考えられる。
そこで本発明者らは、ヘマタイト鉱石中の脈石を素早く溶解させることができれば、移動炉床炉式加熱還元炉に装入した原料混合物の溶解時間を短くすることができ、生産性が向上するのではないかとの考えのもとに、更に検討を重ねてきた。その結果、原料混合物にLi2O供給物質を積極的に配合して副生するスラグ中のLi2O含有量を0.05%以上とすれば、ヘマタイト鉱石に含まれる脈石の融点を低下させることができ、粒状金属鉄の生産性が向上することを見出した。
一方、原料混合物にLi2O供給物質を配合することで、ヘマタイト鉱石の溶解を促進したとしても、溶解した酸化鉄を還元して得られる還元鉄の凝集性が悪ければ、還元鉄の一部は副生するスラグに取り込まれてしまい、スラグとして系外へ排出されてしまう。そのため、粒状金属鉄の歩留まりが悪くなり、生産性が劣化する原因となる。そこで本発明者らは、Li2O供給物質の配合によるヘマタイト鉱石の溶解促進効果を阻害することなく、粒状金属鉄の歩留まりを高めて生産性を一層向上すべく更に検討を重ねた。その結果、原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによって、上記スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を1.5〜1.9の範囲とすれば、スラグの流動性が良好となり、粒状金属鉄とスラグの分離性が良くなることで粒状金属鉄の凝集性が高くなり、粒状金属鉄の歩留まりが向上することを見出した。
このように、本発明法は、(1)原料混合物にLi2O供給物質を配合し、この配合量を調整することによって副生するスラグ中のLi2O含有量を0.05%以上とし、且つ(2)原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによって、上記スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を1.5〜1.9の範囲としたところに特徴があり、これにより、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いた場合でも、粒状金属鉄を生産性良く製造することができる。
本発明において、スラグ中のLi2Oは、いわば、ヘマタイト含有物質の融点降下剤として作用し、スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2は、スラグの塩基度調整剤として作用する。以下、本発明を特徴付ける要件について詳しく説明する。
[ヘマタイト含有物質]
本発明では、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いる。本発明に用いられるヘマタイト含有物質は、ヘマタイト鉱石を含んでいる酸化鉄源を全て対象としている。従って、ヘマタイト鉱石のみからなるものを用いてもよいし、それ以外に、マグネタイトを含むヘマタイト鉱石(例えば、ヘマタイトとマグネタイトが混在した中間体など)を用いても良いし、或いは、ヘマタイトやマグネタイト以外の酸化鉄源を含むヘマタイト鉱石を用いても良い。
また、上記のヘマタイト含有物質において、酸化鉄含有物質全体に占めるヘマタイト鉱石の含有量は特に規定されない。原料混合物中にヘマタイト鉱石が少しでも含まれていれば、原料混合物全体の溶解性が悪くなり、生産性が劣化するからである。但し、ヘマタイト鉱石の占める比率が多い程、生産性も一層低下するようになり、本発明法による効果が顕著に発揮されるようになる。本発明では、原料混合物に配合されるヘマタイト鉱石量の比率は、酸化鉄含有物質全体を100%としたときに、質量基準で、おおむね50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
また、上記ヘマタイト含有物質中に含まれる脈石成分のうち、Al23はヘマタイト含有物質全体の質量を100%としたとき、おおむね、0.30%程度以上含有していてもよい。Al23は特に融点が高いため、従来であれば、酸化鉄含有物質としてAl23を0.30%以上含むヘマタイト鉱石を用いると、脈石成分が溶解し難くなるため、生成した金属粒子の凝集が妨げられるところ、本発明法は、とりわけ、Al23を多く含むヘマタイト鉱石を用いた場合の生産性向上に有効だからである。
[スラグ中のLi2O含有量]
本発明では、原料混合物を加熱還元したときに副生するスラグ中のLi2O含有量を0.05%以上とする。スラグ中のLi2Oは、ヘマタイト含有物質の融点低下剤として有効であり、上記範囲に制御することにより、ヘマタイト含有物質中の脈石の融点を充分に低下させることができ、結果として原料混合物の溶解性を高め、粒状金属鉄の生産性を改善できる。生成スラグ中に含まれるLi2O量は、0.1%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3%以上である。
生成スラグ中に含まれるLi2O量の上限は、例えば、12%とするのがよい。Li2O供給物質の配合量を多くし過ぎると、Li2O成分の蒸発が激しくなり、蒸発したLi2Oが炉内の耐火物と反応して損傷を早める。従ってスラグ中のLi2O含有量は12%以下とすることが好ましく、より好ましくは11%以下、更に好ましくは10%以下とする。
スラグ中のLi2O含有量は、原料混合物にLi2O供給物質を配合し、その配合量を調整することによって制御することができる。Li2O供給物質の配合量は、脈石の含有量や形態などに応じて適切に調整することが好ましく、具体的には、酸化鉄含有物質中に占めるヘマタイト含有物質の比率やその種類(特に、成分組成)などを考慮し、調整することが好ましい。
本発明に用いられる上記Li2O供給物質の種類は特に制限されないが、例えば、Li2Oや炭酸リチウム(Li2CO3)、LiOHなどが挙げられる。特にLi2OとLiOHは、酸化鉄含有物質中の脈石の融点降下作用が大きいため、好ましく用いられる。Li2OとLiOHは水に容易に溶解するため、原料混合物に含まれる水分にLi2OまたはLiOHが溶解して液状になると、酸化鉄含有物質との接触面積が増大し、反応性が高くなり、酸化鉄含有物質中の脈石の融点を効率良く低下させて、溶解性を一層改善できると考えられる。上記LiOHは、加熱の段階で、2LiOH→Li2O+H2O、となり、水分は蒸発してLi2Oへ変化するため、無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
なお、後記する実施例では、原料混合物にLi2O供給物質を配合して実験を行なったが、Li以外のアルカリ金属(Me)の酸化物を供給する物質(MeO供給物質)を配合しても、Li2O供給物質を配合したときと同様に酸化鉄含有物質の融点降下作用が得られる。アルカリ金属の酸化物は、程度の差こそあれ、おおむね、酸化鉄含有物質の融点降下作用を有していると考えられるからである。Li以外のアルカリ金属の酸化物としては、例えば、Na2OやK2Oなどが挙げられる。但し、Naの酸化物やKの酸化物は、Liの酸化物に比べて還元されやすいため、Na金属またはK金属となって蒸発しやすく、実用的ではないことを考慮し、本発明では、これらを総合的に勘案して、アルカリ金属のなかでも特にLiを選択した次第である。
[スラグの塩基度:1.5〜1.9]
スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]は、1.5〜1.9の範囲とする。スラグの塩基度の上限を1.9と定めたのは、主に、還元鉄の生産性などを考慮したためである。即ち、スラグの融点低下という観点のみからすれば、スラグの塩基度を1.9超に高めても良く、これにより、最終スラグの融点を更に低下させることができるが、スラグの塩基度を高くし過ぎると、スラグの粘性が増大してスラグの流動性が悪くなり、還元鉄の凝集が阻害され、球形に近い好適形状の粒状金属鉄が得られ難くなるばかりでなく、粒状金属鉄の歩留りも低下する傾向があるためである。スラグの塩基度は、好ましくは1.85以下、より好ましくは1.8以下に調整するのがよい。
スラグの塩基度の下限を1.5と定めたのは、塩基度がこれを下回ってもスラグの流動性が悪くなり、たとえ雰囲気の還元ポテンシャルが充分に高く維持できたとしても還元反応が進まず、還元された粒状金属鉄が得られなくなるからである。本発明を実施する上で好ましい塩基度は1.6以上、より好ましい塩基度は1.65以上である。
前述したように、本発明の方法は、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いる粒状金属鉄の製造方法であって、原料混合物にLi2O供給物質を配合することによってスラグ中のLi2O含有量を所定値以上とすると共に、該原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによってスラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を適正な範囲に調整する点に特徴があるが、本発明では、更に、スラグ中のMgO含有量を4〜10%の範囲に調整することが好ましい。
[スラグ中のMgO含有量:4〜10%]
スラグ中のMgOも、前述したLi2Oと同様、ヘマタイト含有物質の融点低下作用を有しており、Li2O含有量の制御に加えてスラグ中のMgO含有量を上記範囲に制御することにより、還元鉄の生産性が高められる。しかしスラグ中のMgO含有量が4%を下回ると、通常の操業温度では、2CaO・SiO2で表される複合酸化物がスラグ内に晶出し、スラグの流動性が失われ、凝集性が失われる。従ってMgO含有量は、4%以上とすることが好ましい。より好ましくは4.5%以上であり、更に好ましくは5%以上である。
一方、スラグ中のMgO量が10%を超えると、スラグ中にMgOが晶出して却って凝集性が阻害される。そのため目標とする大粒の粒状金属鉄を高歩留りで製造できない。従ってスラグ中のMgO量は、10%以下とするのがよい。MgO含有量のより好ましい上限は9.5%である。
上述したスラグの塩基度とスラグ中のMgO量は、原料混合物を構成する酸化鉄含有物質および炭素質還元剤の量を調整することによって制御できる。酸化鉄含有物質や炭素質還元剤は、それ自体、少なくともCaO、MgOおよびSiO2を含んでいるからである。但し、本発明は、上述した原料混合物の比率を調整する方法に限定する趣旨ではなく、後述するように、原料混合物に「他のMgO供給物質」を更に配合してスラグの塩基度やスラグ中のMgO量を制御してもよい(詳細は後述する。)。なお、酸化鉄含有物質として配合される鉄鉱石や、炭素質還元剤として配合される石炭やコークスは天然物であり、種類に応じてCaOやMgO、SiO2の各含有量も変化するため、それらの配合量を一律に規定することは困難であるが、酸化鉄含有物質として配合される鉄鉱石等に含まれる脈石の成分組成と、炭素質還元剤として配合される石炭やコークス等に含まれる灰分の成分組成を考慮し、適切に調整することが好ましい。
例えば、床敷材として炭素質粉末を装入する場合は、該炭素質粉末の成分とその量も考慮して、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤の量を調整することによって、上記スラグの塩基度や該スラグに占めるMgO含有量を制御する。
なお、本発明は、前述の如く副生するスラグ中のLi2O含有量と、該スラグの塩基度を定めたところに最大の特徴を有しており、床敷材として炉床上に装入される炭素質粉末の使用は必ずしも必須ではないが、炉床上に炭素質粉末を床敷材として装入すれば、炉内の還元ポテンシャルがより効率的に高められ、金属化率の向上と硫黄含有量の低減の両作用をより一層効果的に発揮させることができるので好ましい。こうした床敷材としての作用をより確実に発揮させるには、炉床上へ2mm程度以上の厚みで粉粒状の炭素質粉末を敷いておくことが望ましい。しかも炭素質粉末を床敷材としてある程度の厚みを持った層状に敷き詰めておけば、該床敷層が原料混合物と炉床耐火物の緩衝材となり、或いは副生スラグ等に対する炉床耐火物の保護材となり、炉床耐火物の寿命延長にも役立つ。
但し、床敷層が厚くなり過ぎると、原料混合物が炉床上の床敷層内へ潜り込んで還元の進行が阻害される、などの問題を生じることがあるので、7.5mm程度以下に抑えることが望ましい。
上記床敷材として用いる炭素質粉末の種類は特に限定されず、通常の石炭やコークス等を粉砕し、好ましくは適度に粒度調整したものを使用すればよく、また石炭を使用する場合は、流動性が低く且つ炉床上で膨れや粘着性を帯びることのない無煙炭が好適である。
また、本発明では、上記原料混合物に含まれる前記MgO供給物質以外に、新たに「他のMgO供給物質」を配合しても良く、この場合は、原料混合物の他に当該「他のMgO供給物質」の成分組成とその配合量も考慮して酸化物含有物質と炭素質還元剤の量を調整することによって、上記スラグの塩基度や該スラグに占めるMgO含有量を制御する。
上記の新たに配合する「他のMgO供給物質」の種類は特に制限されないが、例えば、MgO粉末や天然鉱石や海水などから抽出されるMg含有物質、或いは炭酸マグネシウム(MgCO3)などが挙げられる。
また、本発明では、上記原料混合物に含まれる前記CaO供給物質以外に、新たに「他のCaO供給物質」を配合しても良く、この場合は、原料混合物の他に当該「他のCaO供給物質」の成分組成とその配合量も考慮して酸化物含有物質と炭素質還元剤の量を調整することによって、上記スラグの塩基度や該スラグに占めるCaO含有量を制御する。
上記の新たに配合する「他のCaO供給物質」の種類は特に制限されないが、代表例として生石灰(CaO)や炭酸カルシウム(CaCO3)などが挙げられる。
また、MgOとCaOの供給物質として、例えば、ドロマイト鉱石を配合してもよい。
上記酸化鉄含有物質と炭素質還元剤以外に配合されるMgO供給物質やCaO供給物質、或いはLi2O供給物質の添加法にも格別の制限はなく、原料混合物の調整段階で配合したり、床敷材と共に、或いはこれとは独立に回転炉床上へ予め装入しておき、或いは原料混合物の装入と同時もしくは後に上方から別途装入する方法、等を適宜採用できる。
原料混合物には、バインダーとして少量の多糖類(例えば、小麦粉等の澱粉)を配合してもよい。
なお、「環境対策重視」の観点に基づけば、有害なフッ素を含有する蛍石などのフッ素含有物質を原料混合物に配合しないことが望ましい。上述した本発明によれば、蛍石を配合しなくとも充分に凝集性能の向上が図れる。しかし原料混合物に蛍石を配合して凝集性能の一層の向上を図ることもできる。また、原料混合物に蛍石を配合すれば、スラグの脱硫能が向上し、S量の少ない粒状金属鉄を製造できる。
上述したように、本発明では、実用規模の移動炉床式加熱還元炉を用いて操業を行う際に、塩基度調整剤としてMgO供給物質を使用して最終スラグの塩基度を最大で1.9程度にまで高めれば、実操業を踏まえた1450℃までの温度域でスラグを十分に溶融させることができる。これにより粒状金属鉄を安定した操業状況の下で製造でき、その結果、炭素質還元剤や床敷材などとして配合する石炭等の銘柄によって多少の違いはあるが、粒状金属鉄を短時間で製造できる。
次に、本発明に用いられる移動炉床式加熱還元炉の概略と該加熱還元炉を用いた粒状金属鉄の製造方法の概略、および粒状金属鉄を製造できるメカニズムについて図3を用いて詳細に説明する。下記図面は、本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
図3は、移動炉床式加熱還元炉のうち、回転炉床式の加熱還元炉の一構成例を示す概略説明図である。なお、炉の内部構造を示すために、炉の一部を切り欠き、内部を示している。
回転炉床式の加熱還元炉Aには、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物1が、原料投入ホッパー3を通して、回転炉床4上へ連続的に装入される。酸化鉄含有物質としてはヘマタイト含有物質が用いられ、炭素質還元剤としては、通常、石炭やコークスなどが用いられる。
前記原料混合物1を供給するときの形態は特に限定されず、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤などを適度に混合したものを供給してもよいが、通常は、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤などを含む原料混合物を押し固めて得られた簡易成形体を供給するか、または該原料混合物をペレットやブリケットなどに成形した炭材内装成形体を供給するのがよい。また、簡易成形体や炭材内装成形体と併せて粉粒状の炭素質粉末2を供給してもよい。
本発明法では、上述したように、加熱還元炉Aに、原料混合物1の他にLi2O供給物質を装入する。また、必要に応じて、原料混合物以外の物質(例えば、MgO供給物質やCaO供給物質など)を装入してもよい。但し、環境対策重視の観点に基づき、フッ素含有物質(例えば、蛍石など)は装入しないことが好ましい。
次に、上記原料混合物1を加熱還元炉Aに装入するときの手順を具体的に説明する。原料混合物1の装入に先立って、原料投入ホッパー3から回転炉床4上に粉粒状の炭素質粉末2を床敷として装入して敷き詰めておき、その上に原料混合物1を装入しておくのがよい。
図3に示した例では、1つの原料投入ホッパー3を炭素質粉末2の装入と、原料混合物1を装入するために共用する例を示しているが、ホッパーを2つ以上用いて炭素質粉末2と原料混合物1を別々に装入することも勿論可能である。なお、床敷として装入される炭素質粉末2は、還元効率を高めると共に加熱還元によって得られる粒状金属鉄の低硫化を増進する上でも極めて有効であるが、装入を省略してもよい。床敷として装入する炭素質粉末の種類は特に限定されず、例えば、石炭やコークスであってもよい。床敷として装入する炭素質粉末は、原料混合物として配合する炭素質還元剤よりもS含有量が少ないものを用いるのがよい。
図3に示した加熱還元炉Aの回転炉床4は、反時計方向に回転されている。回転速度は、加熱還元炉Aの大きさや操業条件によって異なるが、通常は8分から16分程度で1周する。加熱還元炉Aにおける炉体8の壁面には加熱バーナー5が複数個設けられており、該加熱バーナー5の燃焼熱あるいはその輻射熱によって炉床部に熱が供給される。加熱バーナー5は、炉の天井部に設けてもよい。
耐火材で構成された回転炉床4上に装入された原料混合物1は、該回転炉床4上で加熱還元炉A内を周方向へ移動する中で、加熱バーナー5からの燃焼熱や輻射熱によって加熱される。そして当該加熱還元炉A内の加熱帯を通過する間に、当該原料混合物1内の酸化鉄は還元された後、副生する溶融スラグと分離しながら、且つ残余の炭素質還元剤による浸炭を受けて溶融しながら粒状に凝集して粒状金属鉄10となり、回転炉床4の下流側ゾーンで冷却固化された後、スクリューなどの排出装置6によって炉床上から順次排出される。このとき副生したスラグも排出されるが、これらはホッパー9を経た後、任意の分離手段(例えば、篩目や磁選装置など)により金属鉄とスラグの分離が行われる。なお、図3中、7は排ガス用ダクトを示している。
以上の通り、本発明では、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を移動炉床式加熱還元炉内で加熱還元したときに副生するスラグ中に占めるLi2O含有量と、該スラグの塩基度を適切に調整することで、酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用いた場合でも、粒状金属鉄を生産性良く製造することが可能となる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、下記実施例では、小型の実験用加熱還元炉を用いて試験を行った結果を示す。
酸化鉄含有物質として表1に示す2種類のヘマタイト鉱石A,Bと、1種類のマグネタイト鉱石Cを用い、炭素質還元剤として石炭を用い、これらを混合した。ヘマタイト鉱石およびマグネタイト鉱石の成分組成を表1に、石炭の成分組成(分析値のうちその他とは、固形炭素質を意味する)を表2に示す。
上記原料混合物には、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤の他にバインダー(小麦粉)を配合し、更にCaO供給物質として炭酸カルシウム(CaCO3)、MgOとCaOの供給物質としてドロマイト鉱石(主成分はCaCO3・MgCO3)等のスラグ塩基度調整用副原料と、Li2O供給物質として炭酸リチウム(Li2CO3)、Li2O、またはLiOHの一水和物(LiOH・H2O)を配合して配合物を得た。配合物の成分組成を下記表3に示す。
得られた配合物を成形することによりペレット状の原料成形体を作製した。得られた原料成形体を小型の実験用加熱還元炉内へ装入して加熱還元した。炉床上には、床敷材として表2に示す成分組成の石炭(炭素質粉末)を5mm程度の厚みで敷いておいた。炉内温度は1450℃に調整した。加熱還元炉の炉床上に装入された原料成形体中の酸化鉄分は、約10〜16分かけて炉内で加熱される間に固体状態を維持しながら還元され、生成した還元鉄は、還元後に残っている炭素質粉末による浸炭を受けながら融点降下して相互に凝集した。このとき副生するスラグも、部分的、もしくはほぼ完全に溶融して相互に凝集し、溶融状態の粒状金属鉄と溶融スラグに分離した。その後、これら溶融状態の粒状金属鉄と溶融スラグを冷却して融点以下に降温(具体的には、1100℃程度までに冷却)して凝固させ、固体状態の粒状金属鉄またはスラグとして炉外へ排出した。
このとき上記原料成形体を実験用加熱還元炉内へ装入した後、該加熱還元炉内の様子を目視で観察し、視界内に認められる成形体が全て溶解するまでにかかった時間を測定した。測定した溶解完了時間を下記表5に示す。溶解完了時間は、ヘマタイト鉱石Aを用いた場合は、No.1における溶解完了時間を基準とし、ヘマタイト鉱石Bを用いた場合は、No.6における溶解完了時間を基準とし、この基準とした溶解完了時間より短くなっているときを合格、長くなっているときを不合格と評価した。
得られた粒状金属鉄と副生したスラグの成分組成を下記表4に示す。
スラグに含まれるCaO、MgOおよびSiO2量からスラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を算出し、算出結果を下記表5に示す。また、配合計算から求められるFe量(質量)に対して、凝集して粒状金属鉄として得られたFe量(質量)の歩留まり率(%)を算出した。算出結果を下記表5に示す。また、粒状金属鉄に含まれる硫黄量[S]に対するスラグに含まれる硫黄量(S)の比(硫黄分配比(S)/[S])を算出し、下記表5に併せて示す。
下記表4および表5から次のように考察できる。No.1〜5、12は表1のヘマタイト鉱石Aを用いた例であり、No.6〜10は表1のヘマタイト鉱石Bを用いた例である。No.1とNo.3とNo.6は、原料混合物にLi2O供給物質を配合していない例である。No.11は参考例であり、マグネタイト鉱石Cを用いた例である。
No.3は、副生するスラグの塩基度が1.5を下回っており、塩基度が特に1.4程度になっているため、スラグの融点が低下し、原料混合物にLi2O供給物質を配合しなくても溶解完了時間がNo.1の例より短くなっている。しかしスラグの塩基度が低いため、硫黄分配比が小さく、しかも歩留まり率が悪くなっている。
No.2、No.4、No.5、No.12は、本発明で規定する要件を満足する例であり、No.1と同程度の歩留まり率を維持しつつ、溶解完了時間を短くすることができている。溶解完了時間は、スラグ中のLi2O含有量が多くなるほど、短くなる傾向があることが分かる。
ヘマタイト鉱石Aの代わりに組成の異なるヘマタイト鉱石Bを用いた場合でも、同様の傾向が見られた。即ち、No.7〜10は、本発明で規定する要件を満足する例であり、No.6と同程度の歩留まり率を維持しつつ、溶解完了時間を短くすることができている。溶解完了時間は、スラグ中のLi2O含有量が多くなるほど、短くなる傾向があることが分かる。
なお、No.11から明らかなように、マグネタイト鉱石を用いた場合は、原料混合物にLi2O供給物質を配合しなくても溶解完了時間がNo.1やNo.6の例より短くなることが分かる。即ち、No.1やNo.6に示すように、ヘマタイト鉱石を用いた場合は、No.11に示すように、マグネタイト鉱石を用いた場合よりも生産性が低くなる。しかしNo.2、4、5、7〜10、12に示すように、本発明によれば、生産性の低いヘマタイト鉱石を用いた場合でも、マグネタイト鉱石を用いた場合(No.11)並みの生産性まで高められることが分かった。
本実施例では、MgOとCaOの供給物質としてドロマイト鉱石を配合することによってスラグの塩基度とスラグ中のMgO量を調整しているが、本実施例の配合物組成の場合は、配合物中に占めるドロマイト鉱石を、おおむね、0〜3.2%の範囲内に制御すれば、本発明で定める塩基度およびMgO含有量の範囲内に制御できる。
以上の通り、本発明では、原料混合物にLi2O供給物質を配合することによってスラグ中のLi2O含有量を0.05%以上とし、原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによって、スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を1.5〜1.9の範囲とすることで、歩留まり率を低下させることなく、溶解完了時間を短くすることができ、生産性を向上させることができる。
A 回転炉床式加熱還元炉
1 原料混合物
2 炭素質粉末
3 原料投入ホッパー
4 回転炉床
5 加熱バーナー
6 排出装置
7 排ガス用ダクト
8 炉体
9 ホッパー
10 粒状金属鉄

Claims (8)

  1. 酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料混合物を、移動炉床式加熱還元炉の炉床上に装入して加熱し、該原料混合物中の酸化鉄を前記炭素質還元剤により還元し、生成する金属鉄を副生するスラグと分離しつつ粒状に凝集させた後、冷却凝固させて粒状金属鉄を製造する方法において、
    前記酸化鉄含有物質としてヘマタイト含有物質を用い、
    前記原料混合物にLi2O供給物質を配合することによって前記スラグ中のLi2O含有量を0.05%(質量%の意味。以下同じ。)以上とし、
    前記原料混合物に含まれるCaO供給物質、MgO供給物質およびSiO2供給物質の量を調整することによって、前記スラグ中のCaO、MgOおよびSiO2の含有量から求められる該スラグの塩基度[(CaO+MgO)/SiO2]を1.5〜1.9の範囲とすることを特徴とする粒状金属鉄の製造方法。
  2. 前記ヘマタイト含有物質として、該ヘマタイト含有物質全体の質量を100%としたときにAl23を0.30%以上含有する物質を用いる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記スラグ中のMgO含有量を4〜10%とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記Li2O供給物質として、Li2O、Li2CO3、およびLiOHよりなる群から選ばれる少なくとも1種を配合する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. CaOとMgOの供給物質として、ドロマイト鉱石を配合する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記原料混合物に含まれる前記CaO供給物質以外のCaO供給物質、および/または前記原料混合物に含まれる前記MgO供給物質以外のMgO供給物質を更に配合する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記原料混合物に含まれる前記CaO供給物質以外のCaO供給物質として、CaOおよび/またはCaCO3を配合する請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記原料混合物に含まれる前記MgO供給物質以外のMgO供給物質として、MgOおよび/またはMgCO3を配合する請求項6または7に記載の製造方法。
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