JP4816119B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高炉で溶銑を溶製する際の原料に用いる焼結鉱の製造方法に係わり、特に高炉スラグを形成する成分であるSiO2及びCaOの含有量が少ないのにもかかわらず、落下強度(シャッター強度)が高い特性を有する焼結鉱の製造技術に関する。
近年、良質の塊状鉄鉱石が枯渇する傾向にあるので、高炉へ装入する鉄源原料として、焼結鉱の利用比率が一層高まっている。この焼結鉱は、粉状鉄鉱石、硫酸滓、砂鉄、スケール、高炉ダスト及び転炉ダスト等の鉄源に、造滓材としての石灰石、返鉱及び焼成のための熱源としての炭材を混合した、配合原料を素材として製造される。通常は、この配合原料に適量の水分を添加、混合、造粒した後、パレット上に層状に充填し、空気を下向きに流通させながら前記炭材を燃焼し、配合原料を溶融してから冷却、破砕することで製造している。つまり、焼結鉱は、粉状鉄鉱石等の鉄源をフラックスとしてのCaOやSiO2等の造滓(スラグ)成分と反応、溶融させて塊状化する所謂人工鉱石である。
しかしながら、現在高炉で利用している焼結鉱は、塊状鉄鉱石に比較してSiO2、CaOの含有量が多いので、高炉へ装入する鉄源原料のうちで焼結鉱の占める比率が高くなるに伴い、高炉スラグの発生量が増加し、高炉の燃料比(溶銑1トンを溶製するに必要な燃料の量)及び発生した高炉スラグの処理費の増大を招く等の問題が発生している。また、最近では、省資源・省エネルギーの観点からも、高炉の燃料比及びスラグ比(スラグ量/高炉原料量)の低減に対する要望が高まっている。
一方、焼結鉱中のSiO2、CaO含有量の減少を図ることは、該焼結鉱の強度低下をもたらす原因となる。例えば、CaOが6〜9wt%の低スラグ焼結鉱の製造方法(特許文献1参照)、SiO2が平均5wt%以下で、CaO/SiO2が1.90〜2.10の焼結鉱の製造方法(特許文献2参照)、SiO2が4.2〜4.9mass%、MgOが1.5〜3.0mass%で、CaO/SiO2が1.8〜2.2の焼結鉱の製造方法(特許文献3参照)及びSiO2が4.6%以下、CaO/SiO2が1.0〜3.0、MgOが0.5%超え程度の焼結鉱の製造方法(特許文献4参照)が提案されているが、これら従来の製造方法は、いずれもSiO2、CaO含有量の低下に伴い、落下強度(シャッター強度)が低下するという問題が解決されておらず、現状では、SiO2含有量の下限値は4.5mass%程度、CaO含有量の下限値は9.0mass%程度に抑えられ、落下強度は85%程度となっている。なお、現状のSiO2を4.5mass%以上、CaOを9.0mass%以上含有する通常の焼結鉱では、落下強度(SI)は89%程度である。
また、含有させるSiO2、CaO等の所謂「フラックス」を減少させる方法に対し、配合原料中の炭材含有量を増加させて現状の強度を維持する方法も考えられるが、その場合には、焼結鉱のミクロ組織が溶融時に生成したオリビン系融液に由来する結晶の多いものとなり、焼結鉱の被還元性(RI)が劣化するという別の問題が発生する。
所謂「フラックス」を減少させる方法としては、上記の他に、SiO2含有量の低い予備造粒物を形成した後、SiO2含有量の高い原料を加えて再度造粒を行なう、高炉スラグを形成する成分の含有量が従来より少なくても、90%以上の落下強度(シャッター強度:以下「SI」と記載する。)を維持可能な焼結鉱の製造方法が提案されている(特許文献5参照)。
特開平10−273738号公報 特開平11−80845号公報 特開平11−131151号公報 特開2000−178659号公報 特開2005−220399号公報
しかしながら、特許文献5に記載の方法においては予備造粒物と残りの原料との結合を強化するため予備造粒物中に添加する炭材の量を多くする必要があり、トータルの炭材使用量が多くなるという問題点がある。炭材使用量が増加すると、上記のように焼結鉱の被還元性(RI)が劣化する。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、高炉スラグを形成する成分の含有量が従来より少なくても、90%以上の落下強度(SI)を維持可能であり、かつ被還元性(RI)の劣化を防止可能な焼結鉱の製造方法を提供することを目的としている。
発明者らは、上記目的の実現に向けた研究の中で、従来技術の抱える上述した問題点について鋭意検討し、その成果を本発明に具現化した。
すなわち、本発明は、粉鉄鉱石と、その他の鉄源原料、CaOを含有する副原料及び炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%含有する焼結鉱を製造するに際して、まず、粉鉄鉱石のうちSiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石及び炭材の一部を予め混合、造粒して予備造粒物を形成し、その外周にCaOを含有する副原料の一部を被覆することにより被覆予備造粒物を形成し、引き続き、該被覆予備造粒物と残りの配合原料とを混合、造粒してから焼結機へ供給することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
この場合、前記被覆予備造粒に際して、予備造粒物にCaOを含有する副原料を被覆して、CaO含有量が1mass%以上9mass%以下の被覆予備造粒物を形成することが好ましい。さらに前記予備造粒に際して、粉鉄鉱石及び炭材に加え、CaOを含有する副原料を添加して、CaO含有量が4mass%以下(0mass%を除く)の予備造粒物を形成することが好ましい。また、これらの本発明では、予備造粒物の炭材含有量を1mass%以上とすることが好ましい。
本発明によれば、焼結用配合原料の一部を予備造粒した予備造粒物を更にCaOを含有する副原料で被覆した後に、残りの配合原料と合わせて再造粒した後に焼結を行い、マグネタイト系融液を主体にした強度の大きい芯を有する焼結鉱が製造できる。その結果、高炉スラグを形成する成分であるSiO2、CaOの含有量が従来より少なくても、90%以上の落下強度(SI)を有し、被還元性(RI)の良好な焼結鉱が製造できる。これにより、高炉スラグの発生量が減少し、高炉の燃料比も低減できる。
以下、発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の最良の実施形態について説明する。
焼結鉱は、粉鉄鉱石等の鉄源を所謂「フラックス」、つまりCaOやSiO2等のスラグ成分と反応溶融させた後、冷却して塊成化したものである。そのため、焼結鉱の強度には、配合原料の粒度や配合比率(塩基度)等、様々な因子が影響を及ぼしていることは周知の通りである。特に、SiO2含有量が4.0〜5.0mass%、CaO含有量が7〜9mass%程度の低スラグ焼結鉱では、CaOやSiO2等のフラックス成分の減少に伴い、融液量が不足して、製品たる焼結鉱の落下強度(SI)の低下が顕著となる。
そこで、本発明者らは、添加フラックス成分に依存しない融液生成を種々試みたところ、SiO2含有量が3.6mass%以下である粉鉄鉱石と炭材の一部との造粒物を予め形成し(予備造粒で形成した予備造粒物と呼ぶものとする。)、その上を残りの原料(配合原料のうち、上記予備造粒に使用しなかった原料)で覆うように二層構造に再度造粒してから焼結すると、比較的被還元性が高く、高強度な焼結体が得られることを見出し、その知見に基づき特許文献5に記載の発明を完成させた。しかしながら予備造粒物中への炭材添加(含有)量が6mass%未満では、融液生成量が不足し、所望の強度が得られない場合があったので、炭材添加(含有)量は6mass%以上とすることが好ましいとするものであった。
そこで更なる改良を加えるため予備造粒物と残りの原料の界面の接着方法を検討した。その結果、予備造粒物にCaOを含有する副原料の一部を被覆した被覆予備造粒物を形成し(被覆予備造粒で形成した被覆予備造粒物と呼ぶものとする。)、その上を残りの原料(配合原料のうち、上記予備造粒及び被覆予備造粒に使用しなかった原料)で覆うように三層構造の擬似粒子に再度造粒してから焼結すると、比較的被還元性が高く、高強度な焼結体を、少ない炭材量で得られることを見出し本発明を完成させた。この被覆予備造粒に際しては、予備造粒物にCaOを含有する副原料の一部を被覆して、CaO含有量が1mass%以上、9mass%以下の被覆予備造粒物を形成することが望ましい。1mass%を下回る(未満の)場合は融液生成量が不足し、被覆効果が現れず、9mass%を超える場合は残りの配合原料中のCaO含有量が少なくなり、擬似粒子の外層部分の強度が低下するためである。
また、本発明では、前記予備造粒に際して、後述する図1に示すように、粉鉄鉱石及び炭材に加えて、さらにCaO含有する副原料(例えば、石灰石、焼石灰等)の一部を添加し、予めCaOの添加量が4mass%以下と比較的少ない予備造粒物を形成させて焼結鉱を製造しても良い。芯となる部分にCaOが4mass%程度含まれていても、焼結鉱の強度や被還元性をさほど低下させないことが確認できたためである。
次いで、本発明者らは、予備造粒物中への炭材添加量の好適範囲を検討した。CaOを含有する副原料を被覆させない、SiO2含有量が3.6mass%以下である粉鉄鉱石と炭材との予備造粒物(特許文献5に記載の予備造粒物)中では、融液生成量が不足し、所望の強度が得られない場合が生じるので、炭材添加(含有)量は6mass%を下限としたが、本発明においては、融液生成不足を予備造粒物にCaOを含有する副原料の一部を被覆して、予備造粒物外層でCaOを含有する被覆により融液を形成させ、融液生成不足を補うこととした。この予備造粒物ならびに予備造粒物を被覆するCaOを含有する被覆副原料の組合せによって予備造粒物中の炭材添加(含有)量規制は緩和することができ、炭材添加(含有)量は、6mass%未満であっても製造が可能となった。前記予備造粒物ならびに予備造粒物を被覆するCaOを含有する被覆副原料の組合せにおいて、予備造粒物の炭材添加量は以下の通りである。
すなわち、予備造粒物中、炭材添加量は本発明においては、1mass%を下限とすることができる。炭材添加(含有)量が1mass%未満では、予備造粒物中の融液生成量が過少となり、予備造粒物と予備造粒物を被覆するCaOを含有する被覆副原料の組合せによっても強度が不足し、所望の強度が得られない場合があったので、炭材添加量は1mass%を下限とするのが好ましい。
また、上記における炭材添加量の上限は特に設ける必要がなく、製造上の経済性により決定すれば良い。より高強度が必要な場合は、炭材添加量は6mass%以上とすることが好ましい。
なお、本発明において、上記のように予備造粒物と予備造粒物を被覆するCaOを含有する被覆副原料の組合せによって強度が発揮されるのは、予備造粒物と被覆副原料界面でカルシウムフェライト生成が保持され、強度の弱いカルシウムシリケート生成が抑制される結果として強度上昇が発揮されたものと推察される。
すなわち、カルシウムフェライトの引張強度は102MPaであり、カルシウムシリケートの引張強度は19MPaであり、また、カルシウムフェライトがカルシウムシリケートに変成する際のSiO2含有量が予備造粒物に少ない点(SiO2含有量が3.6mass%以下)も強度保持に有利に作用することになり、これらが総合して強度上昇が発揮されたものと推察される。
次に図1を用いて、本発明にかかる焼結鉱の製造方法の一実施形態を説明する。図1は本発明に係わる焼結鉱の製造工程例を説明するフロー図であり、以下の説明においては鉄源原料として粉鉄鉱石のみを用い、(A)〜(I)の工程により焼結鉱を製造する場合である。以下、(A)〜(I)の各工程を詳しく説明する。
(A)まず、SiO2含有量4.0〜5.0mass%の焼結鉱を製造するに当たり、鉄源である粉鉄鉱石の配合(焼結原料の配合)を決定する。すなわち、SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石使用量に基づき、その他の粉鉄鉱石使用量を求め、全焼結配合原料としてSiO2含有量4.0〜5.0mass%となる焼結原料の配合を定める。これとは逆に、SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石以外のその他の配合から全焼結配合原料としてSiO2含有量4.0〜5.0mass%となるようにSiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石使用量を求めてもよい。
(B、C)引き続き、SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石(焼結原料)について、SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石に対するCaO、および炭材量を決定し、これらを混合する。
(D)また、残りの焼結原料であるSiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石以外の他の焼結原料(SiO2含有量3.60mass%超えの粉鉄鉱石)についても同様にCaO、炭材量を決定する。
(E)予備造粒物に被覆するCaOを含有する副原料の量を決定する。
(F)SiO2含有量3.60mass%以下の粉鉄鉱石に対するCaO、および炭材量を決定し、混合した後は、水を加え造粒して予備造粒物とする。なお、この予備造粒物は残りの他の焼結原料との混合・造粒時に崩壊しない強度を有しておれば良く、バインダーとして水、あるいは必要に応じ生石灰、ベントナイト、糖蜜などを使用すればよい。造粒機としては、好適にはパンペレタイザーを用いることができる。
(G)前記予備造粒物への被覆材料の被覆には代表的にはドラムミキサーを用いることができる。造粒済の予備造粒物に(E)で決定したCaOを含有する副原料からなる被覆材料を加え、ドラムミキサーの入り側から装入して混合そして転動による造粒操作を加えて予備造粒物の表面に粉状被覆材料が外装化され、被覆予備造粒物が形成される。
(H)次いで、(G)で製造した被覆予備造粒物と、(D)の残りの焼結原料の再度の混合・造粒にもドラムミキサーを用いることができる。(D)の焼結原料と、CaOおよび、炭材、必要に応じSiO2原料を加え、ドラムミキサーの入り側から被覆予備造粒物とともに装入し、水を加え、混合そして転動による造粒操作を加えて被覆予備造粒物の表面に粉状原料が外装化され擬似粒子化し、3層構造を有する擬似粒子を製造する。
(I)焼結機パレット上に(H)で製造した擬似粒子が装入され、焼結機で焼結され、焼結鉱が製造される。
以下に、本発明に係る焼結鉱の製造方法を具体的な実施例で説明すると共に、従来の製造方法を用いた比較例の焼結鉱についても記載し、本発明の効果を確認する。なお、これらの焼結鉱を製造するに際しては、表1に示す9銘柄の粉鉄鉱石を使用し、表1に示す鉱石配合割合で配合した。これらの焼結原料を、新原料と記載する。副原料としては、表2に示す化学成分を有する石灰石、ドロマイト、珪石を用いた。新原料及び副原料の配合割合を表3に示す。
Figure 0004816119
Figure 0004816119
Figure 0004816119
(本発明例1)
この実施例において、配合原料を調整するに当っては、焼結鉱中のSiO2含有量が4.0mass%となるように珪石を、焼結鉱中のCaO含有量が7.0mass%となるように石灰石を配合した。また、製品とならない5mm未満の焼結鉱は原料中に返鉱として戻されるが、その返鉱を新原料(粉鉄鉱石原料)と副原料の和に対し20mass%となるように配合した。
そして、焼結鉱の製造に当っては、下記(a)〜(c)のようにして行なった。
(a)まず、鉱石A、B、D、Gに対し、炭材(粉コークス)の含有量が1mass%となるように添加・混合した後、水分を添加しながらパンペレタイザで予備造粒して予備造粒物を得た。従って、表1の鉱石銘柄のうち、上記鉱石A、B、D、G以外のものが予備造粒されない、残りの焼結原料である。残りの焼結原料には、返鉱も含めるものとする。
(b)次に予備造粒物にCaOを含有する副原料を被覆してCaO含有量が1mass%となるように、(a)で得られた予備造粒物とともに、石灰石を被覆材としてドラムミキサーに投入し、水分を添加しながら混合、造粒して予備造粒物の表面に粉状被覆材料を外装化し被覆予備造粒物を得た。
(c)次に、上述した残りの焼結原料と、残りの副原料と、残りの炭材と、からなる配合原料の残部を、(b)で得られた被覆予備造粒物とともにドラムミキサーに投入し、水分を添加しながら混合、造粒して造粒物である3層構造の擬似粒子を得た。
上記(a)で得られた予備造粒物は鉄鉱石原料中の63mass%であり、残りの鉄鉱石原料は、37mass%であった。配合した全炭材量は、新原料と副原料の合計量に対し4.5mass%とした。これらの製造条件を整理して表4の本発明例1の欄に示す。
Figure 0004816119
上記の(c)で製造した擬似粒子は焼結機に装入され、通常の空気吸引下で焼結した。得られた焼結鉱の品質を表5の本発明例1の欄に示す。焼結鉱の品質の評価は、日本工業規格JIS M8711で規定された方法により落下強度(シャッターインデックス:SIで示されるシャッター強度)を、また日本工業規格JIS M8713に規定された方法で被還元性指数(RI)を求めて行った。本発明例1で得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが92%、RIが68と、高強度で被還元性が良好な焼結鉱であった。
Figure 0004816119
(本発明例2)
予備造粒物にCaOを含有する副原料を被覆して、CaO含有量が7mass%となるように石灰石を予備造粒物の表面に外装化し、被覆予備造粒物を得たこと以外は実施例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例2の欄に示す。得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0%であり、SIが91%、RIが67と、高強度で被還元性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例3)
予め鉱石銘柄A、B、D、Gに対して炭材およびCaOを含有する副原料を混合して、予備造粒物を得た。この予備造粒物中のCaO含有量が4mass%となるように石灰石を添加すると共に、炭材含有量が1mass%となるようにを配合し、これらを混合後、水分を添加しながらパンペレタイザで造粒した。これ以外は、実施例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例3の欄に示す。得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが92%、RIが66と、高強度で被還元性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例4)
予備造粒物の炭材の含有量が3mass%となるように予備造粒し、被覆予備造粒物を得たこと以外は実施例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例4の欄に示す。得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが91%、RIが67と、高強度で被還元性が良好な焼結鉱であった。
(本発明例5)
成品焼結鉱のSiO2含有量が5.0%massとなるように珪石を、成品焼結鉱のCaO含有量が9.0%massとなるように石灰石を配合した以外は、実施例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表4、表5の本発明例5の欄に示す。得られた焼結鉱は、SiO2含有量が5.0mass%、CaO含有量が9.0mass%であり、SIが95%、RIが66と、高強度で被還元性が良好な焼結鉱であった。
(比較例1)
鉱石銘柄A〜I全ての粉鉄鉱石に、成品焼結鉱のSiO2含有量が4.0%massとなるように珪石を、成品焼結鉱のCaO含有量が7.0%massとなるように石灰石を配合した。また、返鉱は、新原料(粉鉄鉱石原料)と副原料の和に対し20mass%となるように配合した。
すべての配合原料をドラムミキサに投入し、水分を添加しながら混合、造粒し、単層の擬似粒子を得た。配合した全炭材量は、新原料と副原料の合計量に対し4.5mass%とした。これらの製造条件を整理して表6の比較例1の欄に示す。
Figure 0004816119
上記の擬似粒子を焼結機に装入し、焼結後に得られた焼結鉱の品質を表7の比較例1の欄に示す。比較例1で得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが85%、RIが73と、落下強度が低いものであった。
Figure 0004816119
(比較例2)
予め鉱石銘柄C、E、F、H、Iの粉鉄鉱石に対し炭材の含有量が1mass%となるように添加・混合した後予備造粒し、CaO含有量が1mass%となるように、石灰石を予備造粒物の表面に外装化し、被覆予備造粒物を得たこと以外は本発明例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表6、表7の比較例2の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが82%、RIが51と、落下強度が低く、被還元性も低い焼結鉱であった。
(比較例3)
CaO含有量が10mass%となるように石灰石を予備造粒物の表面に外装化し、被覆予備造粒物を得たこと以外は本発明例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表6、表7の比較例3の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%、CaO含有量が7.0%であり、SIが79%、RIが74と、落下強度が低いものであった。
(比較例4)
予め鉱石銘柄A、B、D、Gに対して炭材およびCaOを含有する副原料を混合して、予備造粒物を製造し、この予備造粒物中のCaO含有量が7mass%となるように石灰石を添加する以外は、本発明例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表6、表7の比較例4の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が4.0mass%であり、CaO含有量が7.0mass%であり、SIが82%、RIが67と、落下強度が低く、被還元性も低い焼結鉱であった。
(比較例5)
成品焼結鉱のSiO2含有量は5.0%massとなるように珪石を、成品焼結鉱のC
aO含有量は9.0%massとなるように石灰石を配合した以外は、比較例1と同様にして焼結鉱を製造した。製造条件と品質を表6、表7の比較例5の欄に示す。
得られた焼結鉱は、SiO2含有量が5.0mass%であり、CaO含有量が9.0mass%であり、SIが86%、RIが66と、被還元性も低い焼結鉱であった。
本発明に係る焼結鉱の製造方法の一実施形態を説明するフロー図である。

Claims (4)

  1. 少なくとも粉鉄鉱石を含有する鉄源原料と、CaOを含有する副原料と、炭材とからなる配合原料を混合し、水分を添加して造粒した後に焼結機へ供給し、前記炭材を燃焼させて溶融、冷却し、SiO2:4.0〜5.0mass%、CaO:7〜9mass%を含有する焼結鉱を製造するに際して、まず、SiO2含有量が3.6mass%以下の粉鉄鉱石及び前記炭材の一部を予め混合、造粒して予備造粒物を形成し、該予備造粒物の外周に前記CaOを含有する副原料の一部を被覆することにより被覆予備造粒物を形成し、引き続き、該被覆予備造粒物と前記配合原料の残部とを混合、造粒してから焼結機へ供給することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. CaO含有量が1mass%以上、9mass%以下の被覆予備造粒物を形成することを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. さらに、CaOを含有する副原料の一部を添加して、CaO含有量が4mass%以下(0mass%を除く)の予備造粒物を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 予備造粒物の炭材含有量を1mass%以上とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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