JP4781807B2 - 焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結機を用いて、製鋼用の脱リン剤(一部カルシウムフェライト化した生石灰)を製造する方法に関する。
製鋼工程では、精錬で生じるスラグを滓化して脱リンを促進するために、生石灰を30kg/t−steel程度使用している。この生石灰を、予め酸化鉄と反応させて、カルシウムフェライト化すると、転炉内での溶解性が、石灰単独に比較して向上し、脱リンの促進や生成したスラグ中の未反応CaO分を低下させる効果があるとされている。また、カルシウムフェライト石灰は、保管中の水和劣化が少ない利点もある。
カルシウムフェライト石灰の製造に関して、すでに、ロータリーキルンによる製造が行われている。しかし、キルン内でのリングフォーメーションの制約から、鉄鉱石の添加量は10%が限界とされている(例えば、非特許文献1、参照)。
現在、生石灰とともに30kg/t−steel程度の鉄鉱石も使用されている。この生石灰と鉄鉱石の比率からも判断されるように、製鋼反応の観点から見ると、カルシウムフェライト石灰は、完全にカルシウムフェライト化していること(未反応のCaOが残留していないこと)が好ましい。
さらに、特許文献1では、その粒度は0.5mm以下が好ましいともしている。特許文献2では、過剰な粉CaO中で酸化鉄粒状原料を転動させて、前記リングフォーメーションを回避する方法が開示されているが、操業効率が低いためか、実施されていないようである。
これに対して、無端移動グレート式焼成炉(ドワイトロイド(DL)式焼結機)を使用する方法が開示されている。DL式焼結機は、ロータリーキルンに比較して、設備費、燃料費が安価であり、かつ、融液が多量に生成する本カルシウムフェライト石灰の焼結に適する加熱・焼成プロセスである。
しかし、カルシウムフェライト石灰は、通常の焼結プロセスにおける高炉用焼結鉱と比較して、目標成分・組成が大きく異なるため、高炉用焼結鉱を製造する場合と同様に、円滑な焼結反応を進行させ、生産性および成品歩留を良好に維持しつつ安定操業を行なうことが課題である。
これに対して、特許文献3では、CaO20〜40wt%、T.Fe30〜55wt%、F16%以下となるように石灰石、鉄鉱石類およびCaF等の滓化促進剤を配合した原料に、3〜10%の粉コークスおよび3〜10%の水分を添加して、DL式焼結機で焼成する方法が開示されている。
しかし、この方法では、石灰と酸化鉄の組成比率は、完全カルシウムフェライト化を前提に規定され、本発明の実施例で詳細に後述するように、この組成範囲の原料を、特許文献3記載の方法のように、単純にDL焼結法で焼結すると、融液生成が過剰となって、安定的な製造が不可能であった。つまり、この方法では、前述の課題を解決するには至っていない。
特許文献4および特許文献5では、CaO20〜50wt%に調整した原料に、HPS法(例えば、非特許文献2、参照)を適用した。すなわち、粒径2mm以下の石灰石と平均粒径1.5mm以下の微粉鉄鉱石類を直径2〜5mmのペレットとし、その周りに炭剤を被覆して、DL式焼結機で焼成する方法である。
この方法によれば、石灰と酸化鉄の組成比率は、完全カルシウムフェライト化を前提に規定され、特許文献3に比較して、CaF等の滓化促進剤を必要としない利点があるとしている。この方法によれば、この過剰融液生成の弊害は防止できるものと察せられる。しかし、特許文献5の実施には、ペレット製造に過大な事前処理設備とバインダーを必要とし、その結果、製造コストが高くなる難点があった。
特開昭57−140809号公報 特開昭51−133200号公報 特開昭61−177314号公報 特開2000−248309号公報 特開2000−256731号公報 坂本登ら:鐵と鋼、73(1987)、1504. M. S. Lee & P. V. Barr: Ironmaking and Steelmaking, 29(2002), 96
本発明は、上記従来技術の現状を踏まえ、原料をHPS法等の特殊な造粒法や、CaFなどの溶融促進剤を用いずに、焼結機を用いて、成品歩留と生産性を良好に維持しつつ、安価にかつ安定して、製鋼用脱リン剤を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記技術的課題を解決するものであり、その発明の要旨は以下の通りである。
(1)粉状石灰石と粉状鉄鉱石に炭材を添加した原料を混合、ドラムミキサーを用いて造粒して擬似粒子とし、その後、焼結機で焼結して製鋼用脱リン剤を製造する方法において、前記原料中のCa/Fe比(モル比)を1.5〜2.5とし、かつ、前記石灰石および鉄鉱石の粒度を3mm以下とすることを特徴とする焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(2)前記粉状石灰石または粉状鉄鉱石の何れか一方または両方から、粒度が1mm以下のものを除去することを特徴とする上記(1)記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(3)前記粉状鉄鉱石の一部または全部を、焼結高炉庫下粉に代替することを特徴とする上記(1)または(2)記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(4)前記混合、造粒の前に、予め、前記原料を高速攪拌ミキサーで解砕・混合することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(5)前記焼結機で焼結した後、焼結塊成体を破砕し、篩分けして回収した粒度7mm以下の返鉱を、前記配合原料中に40%以上配合することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(6)前記混合、造粒は、予め炭材を除いた原料のみを混合、造粒し、擬似粒子とし、その後、炭材を添加して表層に炭材を外装した擬似粒子とすることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(7)前記焼結機で焼結する際に、充填層の層厚を400〜600mmとし、吸引負圧を1400〜1600mmAqとして焼成することを特徴とする上記(1)〜(6)の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(8)前記焼結機で焼結した後、焼結塊成体を破砕し、篩分けして粒度7mm以上のものを成品として回収し、粒度7mm以下のものをさらに篩分けして得た粒度5−7mmのものを、床敷鉱として、前記原料の装入前に、焼結機内のグレート上に充填することを特徴とする上記(1)〜(7)の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
(10)前記床敷鉱のグレート上の層厚が30mm以上となるように充填することを特徴とする上記(8)記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
本発明によれば、原料をHPS法(例えば、特許文献4および5、参照)等の特殊な造粒法や、CaFなどの溶融促進剤(例えば、特許文献3、参照)を用いずに、焼結機を用いて、成品歩留と生産性を良好に維持しつつ、製鋼用脱リン剤を製造することが可能となる。
また、ロータリーキルンに比較して、設備費、燃料費が安価なDL式焼結機を用い、脱リン作用の高い2CaO・Fe23のカルシウムフェライトを主体とした製鋼用脱リン剤を製造することが可能となる。したがって、本発明を製鉄プロセスに適用することによる工業的および経済的な効果は多大なものである。
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明は、原料をHPS法(例えば、特許文献4および5、参照)等の特殊な造粒法や、CaFなどの溶融促進剤(例えば、特許文献3、参照)を用いずに、焼結機を用いて、製鋼用脱リン剤を製造することを前提とし、その際の成品歩留と生産性を良好に維持するために、焼成時に、原料中のCaOの一部を未溶融のまま残存させ、脱リン作用の高い、化学形態が2CaO・Fe23のカルシウムフェライト融液の生成を促進することにより、良好な通気性の維持および円滑な焼成の進行を行なわせることを技術思想とする。
また、この技術思想を実現するために、原料中のCa/Fe比率を1.5〜2.5とし、かつ、鉄鉱石および石灰石の粒度を3mm以下、好ましくは1〜3mmとすることを発明の基本構成とする。
先ず、本発明の基本構成である原料のCa/Fe比率および粒度の限定理由について説明する。
(原料中のCa/Fe比率)
一般に、石灰石と鉄鉱石などの酸化鉄を加熱焼成する際に、CaOとFe23との同化反応により生成するカルシウムフェライトの化学形態は、C2F(CaO・2Fe23(Ca/Fe=0.25))、CF(CaO・Fe23(Ca/Fe=0.5))、2CF(2CaO・Fe23(Ca/Fe=1.0))の3種類が存在することが知られている。ここで、Ca/Feは、Ca元素/Fe元素比(モル比)である。
上記カルシウムフェライトの生成は、原料中のCaOやFe23以外のSiO2等の不純物成分またはCaFなどの融液促進剤の含有量により影響される。本発明では、対象とする原料が、石灰石と、鉄鉱石、高炉庫下粉、ミルスケール、製鉄ダストなどの鉄含有原料からなり、CaFなどの融液促進剤や、焼結プロセスで使用される珪石、蛇紋石などのSiO2やMgO等を含む副原料は使用しないため、SiO2等の不純物成分による影響は無視できることを前提としている。
特に、CaFなどの融液促進剤(例えば、特許文献3、参照)は、カルシウムフェライト融液の生成を促進するものであるが、融液促進剤中のフッ化物は、製鋼脱リン処理をする際の耐火物の損傷や、発生スラグのリサイクル時の環境問題などの原因になるため、本発明では使用しない。
図3は、製鋼用脱リン剤を製造する際の原料中のCa/Fe比と成品歩留および生産率との関係を示す。
なお、原料は、粒度3mm以下の石灰石および鉄鉱石(カラジャス鉱石)を用い、石灰石の配合割合を40〜70%(残部は前記鉄鉱石)に替えて、原料中のCa/Fe比(モル比)を0.94〜3.3に調整した。焼成は、上記石灰石と鉄鉱石の全体に対し、外数比率で炭材(粉コークス)を10%添加した配合原料を、直径100mmのバッチ式焼結装置を用いて、層厚300mm、吸引負圧300mmAqの条件で焼成した。
また、焼結機装入前の原料の造粒は、ドラムミキサーを用いて、原料に水分を7%添加しながら混合造粒し擬似粒子とする、通常の焼結プロセスで適用される擬似造粒法を用いて行った。
図3から、原料中のCa/Fe比が1.5〜2.5の範囲の場合に、成品歩留および生産率は何れも良好に維持できることがわかる。この理由は、本発明者らの検討から、以下のように説明できる。
上述した従来のHPS法による製鋼用脱リン剤の製造方法(例えば、特許文献5、参照)では、原料中のCa/Fe比を1.0〜1.5とすることにより、焼成により原料中のCaOをほぼ完全にカルシウムフェライト化するが、前記Ca/Feの範囲から、カルシウムフェライトの化学形態は2CF(2CaO・Fe23)とCF(CaO・Fe23)の混合組織となる。
しかし、本発明者らの検討結果によれば、HPS法等の特殊なペレット造粒法を用いず、通常の擬似造粒法により造粒した原料を焼結機で焼成する場合には、Ca/Fe比が1.0〜1.5の原料を焼成すると、原料中のCaOがほとんど完全にカルシウムフェライト融液となり、焼成時の溶融帯の通気が悪化するため、図3に示すように、成品歩留や生産性が低下することを確認した。
これに対して、原料中のCa/Fe比が1.5以上の場合は、焼成により生成するカルシウムフェライトの化学形態は2CF(2CaO・Fe23)のほぼ単一組成となり、このカルシウムフェライトは、C2F(CaO・2Fe23)やCF(CaO・Fe23)に比べてCaO量が高いため、従来に比べて、脱リン作用が高い製鋼用脱リン剤を製造できる。
このため、焼成時に、従来と同等以上の脱リン作用を確保できるだけのカルシウムフェライト融液量に制限し、通気性を改善することも可能となる。また、上記Ca/Fe比が1.5〜2.5と高い原料を焼成する際に、過剰なCaOが溶融せずに残留し、これが、溶融帯の通気性の改善、円滑な焼結の進行に寄与する。これらの結果、原料中のCa/Fe比が1.5以上の場合は、図3に示すように、成品歩留や生産性を良好に維持することができる。
一方、原料中のCa/Feが2.5を超え、過度にCa/Feが高い場合には、2CF(2CaO・Fe23)のカルシウムフェライト融液の生成量が過少となり、未溶融CaO量が増加し、その結合相となるカルシウムフェライトが不足するために、成品強度が低下し、成品歩留と生産性が低下する。
以上の検討結果を基に、焼成時に溶融帯の通気性を確保しつつ、脱リン作用が高い2CF(2CaO・Fe23)のカルシウムフェライトを有する製鋼用脱リン剤を高成品歩留かつ高生産性で製造するために、本発明における原料中のCa/Fe比を1.5〜2.5%とした。
(石灰石および鉄鉱石の粒度)
図2は、製鋼用脱リン剤を製造する際の原料の粒度と成品歩留および生産率との関係を示す。
なお、原料は、その粒度を10mm以下、5mm以下、3mm以下、3〜1mmと変化させた石灰石および鉄鉱石(カラジャス鉱石)を用い、石灰石の配合割合を65%(残部:35%は前記鉄鉱石)とし、原料中のCa/Fe比(モル比)を1.5とした。焼成は、上記石灰石と鉄鉱石の全体に対し、外数比率で炭材(粉コークス)を10%添加した配合原料を、直径100mmのバッチ式焼結装置を用いて、層厚300mm、吸引負圧300mmAqの条件で焼成した。
また、焼結機装入前の原料の造粒は、ドラムミキサーを用いて原料に水分を7%添加しながら混合造粒し擬似粒子とする、通常の焼結プロセスで適用される擬似造粒法を用いて行った。
図2から、鉄鉱石および石灰石の粒度を3mm以下(−3mm)とすると、上述したように、焼成時に、原料中のCaOの一部を溶融せずに残留せしめ、かつ、脱リン作用が高い2CF(2CaO・Fe23)のカルシウムフェライトを適正な融液量で生成できるため、成品歩留:40%以上、生産率:10(t/d/m2)と、歩留および生産性は、何れも良好に維持できる。
また、この鉄鉱石および石灰石の粒度において、さらに、鉄鉱石または石灰石の何れか一方または両方から粒度が1mm以下(−1mm)のものを除去し、その粒度を1mm以上、3mm以下とすることにより、上記作用を高めることができるので、成品歩留および生産率はさらに改善できることがわかった。
一方、原料中の鉄鉱石および石灰石の粒度が3mmを超えると、焼成時に、原料中の未溶融CaOが増加し、その結合相となるカルシウムフェライト融液の生成が不足するため、成品強度が低下し、図2に示すように、成品歩留および生産性が低下するだけでなく、成品中のカルシウムフェライト量の不足により、製鋼用脱リン剤としての機能が十分に得られなくなる。
以上の検討結果を基に、焼成時に、溶融帯の通気性を確保しつつ、脱リン作用が高い2CF(2CaO・Fe23)のカルシウムフェライトを有する製鋼用脱リン剤を、高成品歩留かつ高生産性で製造するために、鉄鉱石および石灰石の粒度を3mm以下(−3mm)とし、好ましくは、さらに、これらの石灰石と鉄鉱石の何れか一方または両方から粒度1mm以下(−1mm)のものを除去し、その粒度を1〜3mmとするのが好ましい。
次に、図1に従って、本発明の実施形態の概略を説明する。
本発明における原料は、基本的には、カルシウムフェライトの原料である粉状石灰石1および粉状鉄鉱石2と、熱源である粉コークス等の炭材3とから構成される。
但し、粉状石灰石1(炭酸カルシウム)の一部または全部を粉状生石灰(酸化カルシウム)および粉状消石灰(水酸化カルシウム)の1種または2種で代替すること、あるいは、粉状鉄鉱石2の一部または全部を、後述する焼結高炉庫下粉および本プロセスにおける返鉱の1種または2種で代替することは、本発明のカルシウムフェライトの生成および製鋼用脱リン剤の製造の目的から当然に許容される。
さらに、粉状鉄鉱石2、焼結高炉庫下粉、および、本プロセスにおける返鉱4に加えて、雑原料5として、同様に、酸化鉄を含有する原料である、製鉄プロセスで発生する高炉ダスト、製鋼ダスト、圧延スケールなどの製鉄ダスト粉を、カルシウムフェライトの生成および製鋼用脱リン剤の製造を阻害しない範囲で配合することも許容される。
本発明の基本的な実施形態は、上記原料として、粉状石灰石1および粉状鉄鉱石2に対して炭材3を添加して配合原料とし、これを、造粒機6で水分を添加しながら混合、造粒して擬似粒子化し、その後、焼結機7を用いて焼結することで、カルシウムフェライトと一部未溶融CaOが残留した焼結塊成体(シンターケーキ)とする。
この焼結塊成体は、冷却機8で冷却され、破砕機9で破砕された後、篩10を用いて所定粒径の成品11と、この所定粒径より細粒の返鉱12に分けられる。成品11は、製鉄プロセスの製鋼用脱リン剤として用いられる。一方、返鉱12は、上記原料中に配合し、本製鋼用脱リン剤の製造プロセスにおいて、再度使用される。
上記実施形態において、後述する理由から、造粒機6の前に高速攪拌機13を配置し、配合原料を造粒機6で混合、造粒する前に、配合原料中の粉状石灰石1と粉状鉄鉱石2を解砕、混合すること、または、2台の造粒機6、6を用いて炭材3を除く原料を混合、造粒した後、炭材3を添加して、表層に炭材3が外装された擬似粒子とすること、または、返鉱12をさらに篩10で篩分けし、所定粒度以上の床敷鉱12−2と、その粒度以下の返鉱12−1に分離し、本プロセスで使用することを行う実施形態も許容できる。
以下に、本発明の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
(鉄鉱石の一部または全部を焼結高炉庫下粉に代替)
本発明において、原料中の鉄鉱石の一部または全部を焼結高炉庫下粉に代替することも可能である。なお、焼結高炉庫下粉とは、焼結プロセスで製造した一般的には粒径5mm以上の焼結鉱成品を高炉工場へ輸送する際に発生する、粒径5mm以下の粉状焼結鉱である。
表1に、原料中に配合する粉状鉄鉱石(カラジャス鉱石)を焼結高炉庫下粉に代替した場合の成品歩留および生産率を示す。
Figure 0004781807
焼結機は、直径300mmのバッチ式焼結装置を用い、その他の主要条件は、上述した図2および図3の条件と同じである。原料中に配合する粉状鉄鉱石(カラジャス鉱石)を焼結高炉庫下粉に代替することにより、焼成時の通気性が向上し、その結果、成品歩留、生産率ともに向上することがわかる。
これは、粒径5mm以下の焼結高炉庫下粉は、本発明で規定する原料中の粒度3mm以下の鉄鉱石に比べて、粒度が粗く、粒度1mm以下の比率が少ないため、焼成時の原料充填ベットの通気性を改善し、円滑な焼結の進行を促進するためである。
また、粒径5mm以下の焼結高炉庫下粉は、焼結プロセスで粉状鉄鉱石の一部をすでに加熱溶融したものであり、通気性が高い多孔質構造を有するため、通気性を維持しつつ、粒度3mm以下の鉄鉱石と同等以上の十分な同化反応(CaOとのカルシウム融液生成反応)性が得られる。
なお、一般に、焼結高炉庫下粉は、焼結原料中の副原料配合に伴うSiO2、MgOなどの含有量の増加をもたらし、焼成時の融液反応を悪化させることが懸念されたが、本発明の検討結果によれば、表1に示すように、鉄鉱石を焼結高炉庫下粉に代替することに伴い、粒度1mm以下(−1mm)の低減による通気性向上効果が非常に高いため、焼成パフォーマンスが向上し、その結果、成品歩留および生産性はともに改善されることを確認した。
(高速攪拌ミキサーによる解砕・混合)
本発明において、原料に配合する粉状石灰石および粉状鉄鉱石は、原料ヤード貯留時に雨などによって塊状となりやすい。塊状の石灰石および鉄鉱石が残留した原料は、ドラムミキサーなどの造粒機を用いて擬似造粒する場合に、塊状の石灰石および鉄鉱石が解砕され難く、塊状の石灰石および鉄鉱石が残留したままの原料を焼結機で焼成すると、良好な同化反応(カルシウム融液生成反応)の進行が阻害され、成品中に石灰石および鉄鉱石が未反応のまま残留して成品歩留および生産性を低下させる原因となる。
このため、本発明において、原料を混合、造粒する前に、原料を高速攪拌機(図1中、6−1、参照)で解砕・混合するのが好ましい。なお、高速攪拌機としては、一般に、原料の混合、造粒用として使用されるドラムミキサーに比べて、原料中の塊状の石灰石および鉄鉱石を解砕できる高速攪拌機能を有する、例えば、アイリッヒミキサーやレーディゲミキサーなどの混合機が好ましい。
(返鉱の循環率)
本発明において、上記原料を焼結機で焼成して得られた焼結塊成体は、粗く破砕され、粒度が7mm以上で50mm以下のものが、製鋼脱リン剤の成品として製鉄プロセスの製鋼脱リン処理で使用され、この粒度より小さいものは、返鉱として、再度、原料中に配合され、鉄鉱石と同様に、鉄含有原料として使用される。
本発明において、粒度7mm未満の返鉱は、本発明で使用する粒度3mm以下の粉状鉄鉱石に比べ粒度が粗く、かつ、通気性が良好な多孔質構造の焼成体であるため、上記原料中に配合することによって、焼結機内の原料充填層の通気性が向上し、円滑な焼成の進行を確保する効果が得られる。
また、この返鉱中には、焼成時に原料中の石灰石が溶融せずに残存したCaO(生石灰)が10%程度含まれるため、原料中に返鉱を配合すると、残存した未溶融CaO(生石灰)がバインダーの作用を発揮することに起因して、原料を造粒機で混合、造粒する際の擬似粒子化性および焼結時の通気性が向上する効果も得られる。
この原料の擬似粒子化性および焼結時の通気性向上効果は、特に、原料中の鉄鉱石や石灰石の持ち込み水分増加時に、顕著に発揮される。
本発明では、これらの効果を十分に発揮させるために、上記原料中に返鉱を、石灰石と鉄含有原料の合計に対して40%以上配合するのが好ましい。
(炭材外装)
本発明において、原料に配合する粒度3mm以下の粉状石灰石および粉状鉄鉱石は、通常の焼結プロセスで使用される焼結原料の粒度(鉄鉱石10mm以下、石灰石3mm以下)に比べて小さい。このため、粉状石灰石および粉状鉄鉱石に粉コークスなどの炭材を添加した配合原料を混合、造粒し、原料擬似粒化する際に、粉コークスなどの炭材が原料擬似粒子中に埋没し、これが焼成時に炭材の燃焼効率を低下させる一つの原因となる。
このため、本発明では、予め粉コークスなどの炭材を除いた原料のみを水を加えつつドラムミキサーなどの造粒機で混合、造粒し、擬似粒子とした後、この擬似粒子に炭材を添加して、表層に炭材が外装された擬似粒子とするのが好ましい。擬似粒子表面に炭材を外装する方法は、特に限定されるものではなく、炭材を除いた原料のみを造粒して得られた擬似粒子に粉コークスを添加し、軽度の混合を行うだけでも、効果が得られる。
なお、粉コークスなどの炭材の添加量は、配合原料の組成や性状により調整するが、7〜9%前後が好ましい。
(層厚および吸引負圧)
本発明において、原料に配合する粒度3mm以下の粉状石灰石および粉状鉄鉱石は、前述したように、通常の焼結プロセスで使用される焼結原料の粒度に比べて小さいため、焼結機での配合原料の充填層の通気性を良好に維持するために、充填層の層厚と吸引負圧を調整することが好ましい。
本発明者らの検討結果によれば、上記粒度の原料を焼結機で焼成する際に、良好な通気性を維持し、高い歩留、生産性を達成するためには、充填層の層厚を400〜600mmとし、吸引負圧を1400〜1600mmAqとする必要があることを確認した。
充填層の層厚が400mm未満、吸引負圧が1600mmAq未満となる、過小な層厚、吸引負圧では、充填層の上層部が脆弱な焼結鉱となるという焼結プロセス固有の問題に起因して、成品歩留、生産性が低下するので、好ましくない。また、充填層の層厚が600mmを超え、吸引負圧が1600mmAqを超えるような、過大な層厚、吸引負圧も、焼結機での均一な焼成を阻害して、逆に、成品歩留、生産性を低下させるため、好ましくない。
(成品粒度)
本発明では、図1に示すように、擬似造粒化した原料を焼結機7で焼成した、カルシウムフェライトを主体とし、一部未溶融CaOが残留する焼結塊成体(シンターケーキ)は、焼結機内の粗破砕機により粗く破砕された後、冷却機8でベルト輸送が可能な温度まで冷却され、破砕機9で上限サイズが調整された後、篩10を用いて、粒度に応じて、成品、床敷鉱、返鉱に分級される。
製鉄プロセスで製鋼脱リン剤として使用し得る粒径は、投入時に飛散がなくかつホッパーからの切り出しが可能な粒径であればよく、その観点で、粒度は、3mm以上、50mm以下程度であればよい。
しかし、本発明では、粒度が3mm以下の石灰石と粉鉄鉱石を原料として使用するため、成品粒度を、これらの原料粒度の最大粒度より大きい粒度に設定し、篩分により回収することが好ましい。これによって、製鋼用脱リン剤として使用する成品に、未溶融・未焼成の粉状鉄鉱石や粉状石灰が直接混入することを防止し、成品中に脱リン作用が高いカルシウムファライトを主体とする成品を回収でき、製鋼用脱リン剤成品の性能を高く維持できる。
これらの理由から、本発明では、粒度が3mm以下の未溶融・未焼成の粉状鉄鉱石や粉状石灰の直接混入を防止するために、回収する成品粒度を7mm以上とするのが好ましい。
(床敷粒度および床敷層厚)
一般に、焼結プロセスにおいて焼結機で焼結原料を焼成する際には、焼結機下部のグレートの目詰まりを防止するために、焼結原料を装入する前に、予め、グレート表面に所定粒度の焼結粉(以下、床敷鉱という)を、所定層厚になるよう装入することが行なわれている。
上記床敷鉱の粒度および装入層厚は、グレート目開きにより適性範囲が決められるが、通常の焼結プロセスで使用される焼結機のグレート目開きは6mmであることから、床敷鉱の粒度を10〜20mmとし、経験的に、その装入層厚は20mm程度としている。
本発明では、原料に配合する粒度3mm以下の粉状石灰石および粉状鉄鉱石は、前述したように、通常の焼結プロセスで使用される焼結原料の粒度に比べて小さく、また、通常の焼結プロセスに比較して、焼結時のカルシウムフェライト融液の生成量が多く、かつ、流動性が高い。このため、焼結時の融液滴下によるグレート目詰まりを防止するために、通常の焼結プロセスに比較して、床敷鉱の粒度を小さくし、床敷層の厚さを高くするのが好ましい。
図5に床敷層の空隙率と、床敷層への融液浸入距離との関係を示す。
なお、原料は、粒度3mm以下の石灰石および鉄鉱石(カラジャス鉱石)を用い、石灰石の配合割合を65%(残部:35%は前記鉄鉱石)とし、石灰石と鉄鉱石の全体に対し、外数比率で炭材(粉コークス)を10%添加した配合原料を用いた。焼成は、直径100mmのバッチ式焼結装置を用いて、層厚300mm、吸引負圧300mmAqの条件で焼成した。
また、焼結機装入前の原料の造粒は、ドラムミキサーを用いて原料に水分を7%添加しながら混合造粒し擬似粒子とする、通常の焼結プロセスで適用される擬似造粒法を用いて行った。
床敷鉱は、配合原料を焼結装置に装入する前に、焼結機内のグレート表面に、層厚が50mmとなるように装入した。この際、装入する床敷鉱の粒度を、5〜10mm,10〜20mm,20〜30mm、および、5〜20mm(5〜10mmと10〜20mmを半々に混合したもの)に変化させた。
なお、床敷鉱層の空隙率は、下記(1)式により算出され、床敷鉱の装入質量と層厚により決まり、床敷鉱の充填度に反比例する指標である。
床敷層の空隙率=1−((床敷鉱装入質量/(鍋面積×床敷鉱層厚))/床敷鉱比重) ・・・・(1)
図5から、床敷鉱の粒度が小さくなるほど床敷層の空隙率が小さく(床敷鉱の充填度が高く)なる。また、粒度5〜10mmが100%、粒度10〜20mmが100%のものに比べて、粒度5〜10mmと粒度10〜20mmを半々に混合した粒度分布が広いものの方が床敷層の空隙率が小さく(床敷鉱の充填度が高く)なることがわかる。
また、図5から、床敷層の空隙率と床敷層への融液浸入距離の間にはよい相関があり、床敷層の空隙率を小さくすることにより、床敷層への融液浸入距離を小さくすることができることがわかる。
図5から、少なくとも粒度5〜10mmの床敷鉱を用いることにより、融液の浸透距離を25mm以下に抑制でき、さらに、融液の浸透距離を小さくするために、粒度5〜7mmの床敷鉱を用いることが、より好ましいことがわかる。
これらの知見をもとに、本発明では、焼結時の融液滴下によるグレートの目詰まりを回避し、充填層の通気性を阻害せずに成品歩留・生産性を良好に維持するため、床敷鉱の粒度を5〜7mmとし、かつ、床敷層厚を30mm以上とするのが好ましい。
なお、上記粒度の床敷鉱は、図1に示すように、焼結後の焼結塊成体(シンターケーキ)を破砕し、篩分けにより粒度7mm超の成品とそれ以下の粒度のものに分離し、粒度7mm以下の粒度のものを、さらに5mmの篩目で篩分けて、粒度5mm未満のものを返鉱12−1とし、粒度5〜7mmのものを床敷鉱12−2として用いることができる。
なお、粒度5mm未満の返鉱は、本発明においける原料中に配合される返鉱として循環使用するのが好ましい。
本発明の上記実施形態については、通常の焼結プロセスで多く用いられる連続式のDL式焼結機を想定して説明したが、本発明で使用する焼結機はこれに限られるものではなく、対象となる原料の使用量に応じて、バッチ式の焼結機を使用することも可能である。
以下に本発明の実施例を用いて、本発明の効果を説明する。
(実施例1)
表2に示す配合原料に対して粉コークスを8.7%(外数)添加し、400kgセメントミキサーを用いて水分8%に調整しつつ、10分間混合・造粒して擬似粒子とし、その後、グレート面積0.5m2の連続式円形焼結機を用い、層厚300mm、吸引負圧300mmAqの条件で焼成し、得られた成品の成品歩留とその際の生産率を評価した。なお、成品歩留の測定は、焼成後のシンターケーキを50kg採取し、2m×4回落下後の+10mm比率とした。
生産率は、所定時間の焼成シンターケーキの量を測定し、上記歩留値を掛けて求めた。また、成品の一部を採取し、この試料中に未反応CaOを測定した。成品中の未反応CaO量が少ないほどカルシウムフェライトが多く生成しているとしてよいので、それを成品の品質指標とした。
本発明で規定するCa/Fe比の範囲から外れる比較例1、2は、発明例1に比較して、成品歩留、生産率の低下が見られた。特に、本発明で規定するCa/Fe比より過大となる比較例2では、成品中の未反応CaOも増加した。
また、本発明で規定する範囲から外れる、粒度5mm以下の石灰石と粒度7mm以下の鉄鉱石(通常の鉄鉱石焼結法における最適粒度)を使用した比較例3でも、発明例1に比較して、成品歩留、生産率の低下および成品中の未反応CaOの増加が認められた。
一方、本発明で規定する範囲内を満足する発明例1〜4は、何れも、成品歩留が41%以上、生産率が9.8t/d/m2以上と高く、成品中の未反応CaO量も9%以下と低減し、脱リン作用の高い2CF(2CaO・Fe23)のカルシウムフェライトを主体とする成品が得られた。
さらに、本発明で規定する好ましい粒度範囲内にある粒度1−3mmの石灰石および鉄鉱石を用いた発明例2では、発明例1に比較して、成品歩留、生産率を大幅に改善させることができた。また、鉄鉱石の一部を粒度5mm以下の高炉庫下粉に代替した発明例3、返鉱を40%使用した発明例4の好ましい実施形態では、発明例1に比較して、成品歩留および生産性がより向上した。
Figure 0004781807
(実施例2)
表2中の発明例4の条件に加えて、さらに、本発明の好ましい実施形態である、炭材を表面に外装した擬似造粒子とする造粒方法を適用した実施例(発明例5)、および、さらに、造粒前に予め石灰石と鉄鉱石を高速攪拌ミキサーで解砕・混合した実施例(発明例6)を実施し、発明例4の成品歩留と比較した。
発明例4の混合・造粒においては、実施例1で説明したように、表2に示す、石灰石40%、鉄鉱石20%および返鉱40%の配合原料に対して、粉コークスを8.7%(外数)添加し、400kgセメントミキサーを用いて水分8%に調整しつつ、10分間混合・造粒して擬似粒子とした。
発明例5の混合・造粒においては、粉コークスを除いた石灰石40%、鉄鉱石20%および返鉱40%の配合原料のみ400kgセメントミキサーを用いて水分8%に調整しつつ、10分混合・造粒し、その後、さらに、粉コークスを上記配合原料に対して粉コークスを8.7%(外数)添加して1分造粒し、粉コークスを表面に外装した擬似造粒子とした。
発明例6は、発明例5の混合・造粒の前に、予め石灰石および鉄鉱石を、高速攪拌機であるアイリッヒミキサーで5分間解砕混合し、その後、残りの返鉱を配合し、発明例5の混合造粒と同じ条件で混合・造粒して、粉コークスを表面に外装した擬似造粒子とした。
発明例4、5および6の擬似造粒子化した配合原料については、何れも、実施例1で説明した同じ方法、条件で焼成した後、成品歩留を測定した。成品歩留は、実施例1で説明した同じ方法で、連続操業中5回の成品歩留を測定し、平均値で評価した。
その結果、粉コークスを表面に外装した擬似造粒子とする造粒法を適用した発明例5では、発明例4に比べて、焼結後の成品歩留測定値の平均は52.3%となり、発明例4(47%)より向上した。
また、造粒前に予め石灰石および鉄鉱石を高速攪拌機で解砕混合した発明例6の場合には、配合原料を混合造粒した後の擬似粒子中に湿潤粒度は3.77mmから2.40mmに低下することができ、その結果、成品歩留はさらに55.2%と向上した。
(実施例3)
表2中の発明例4の条件における焼結を、直径300mmのバッチ式焼結装置を用い、配合原料の層厚を300mm、500mm、700mm、吸引負圧を300mmAq、500mmAq、700mmAq、1000mmAq、1500mmAq、2000mmAqに変えて焼成し、成品歩留と生産率を測定した。
配合原料、混合造粒の条件および成品歩留と生産率の測定方法は、実施例1と同じように行った。図4に、配合原料の層厚および吸引負圧の条件を変えて焼結した際の成品歩留と生産率の測定結果を示す。
配合原料の層厚が400〜600mmの範囲内となる500mmで、より高い歩留と生産率が得られ、この層厚500mmの条件では、吸引負圧が1400〜1600mmAqの範囲内となる1500mmAqで最も高い歩留と生産率が得られた。
本発明の実施形態の概略を説明するための製造プロセスを示す図である。 製鋼用脱リン剤を製造する際の原料の粒度と成品歩留および生産率との関係を示す図である。(a)は、原料粒度(mm)と歩留(%)の関係を示す。(b)は、原料粒度(mm)と生産率(t/d/m2)の関係を示す。 製鋼用脱リン剤を製造する際の原料中のCa/Fe比と成品歩留および生産率との関係を示す図である。 焼結機内の吸引圧力および原料充填層の層厚と、成品歩留および生産率との関係を示す図である。 床敷鉱の粒度および層厚から算出された床敷層の空隙率と、床敷層への融液浸入距離との関係を示す図である。
符号の説明
1 石灰石
2 鉄鉱石
3 粉コークス
4 返鉱
5 雑原料(焼結高炉庫下粉)
6 造粒機
6−1 高速攪拌機
7 焼結機
8 冷却機
9 破砕機
10 篩
11 成品
12−1 返鉱(−5mm)
12−2 返鉱(5〜7mm)

Claims (9)

  1. 粉状石灰石と粉状鉄鉱石に炭材を添加した原料を混合、ドラムミキサーを用いて造粒して擬似粒子とし、その後、焼結機で焼結して製鋼用脱リン剤を製造する方法において、前記原料中のCa/Fe比(モル比)を1.5〜2.5とし、かつ、前記石灰石および鉄鉱石の粒度を3mm以下とすることを特徴とする焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  2. 前記粉状石灰石または粉状鉄鉱石の何れか一方または両方から、粒度が1mm以下のものを除去することを特徴とする請求項1記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  3. 前記粉状鉄鉱石の一部または全部を、焼結高炉庫下粉に代替することを特徴とする請求項1または2記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  4. 前記混合、造粒の前に、予め、前記原料を高速攪拌ミキサーで解砕・混合することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  5. 前記焼結機で焼結した後、焼結塊成体を破砕し、篩分けして回収した粒度7mm以下の返鉱を、前記配合原料中に40%以上配合することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  6. 前記混合、造粒は、予め炭材を除いた原料のみを混合、造粒し、擬似粒子とし、その後、炭材を添加して表層に炭材を外装した擬似粒子とすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  7. 前記焼結機で焼結する際に、充填層の層厚を400〜600mmとし、吸引負圧を1400〜1600mmAqとして焼成することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  8. 前記焼結機で焼結した後、焼結塊成体を破砕し、篩分けにより粒度7mm以上のものを成品として回収し、粒度7mm以下のものをさらに篩分けして得た粒度5−7mmのものを、床敷鉱として、前記原料の装入前に、焼結機内のグレート上に充填することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
  9. 前記床敷鉱のグレート上の層厚が30mm以上となるように充填することを特徴とする請求項8記載の焼結機を用いた製鋼用脱リン剤の製造方法。
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