JP2009114485A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、焼結鉱の歩留や生産性を安定して確実に向上しうる焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】焼結原料として配合される各種粉鉱石をAl2O3含有量に応じて、2つの系列(高Al2O3含有量側=第1系列(A)、低Al2O3含有量側=第2系列(B))に分類し、この分類された各系列(A,B)の粉鉱石に対し、CaO源(4A,4B)と粉体燃料(7A,7B)を配合し、この各系列(A,B)の配合物をそれぞれ混合・造粒(8A,8B)した後、この各系列の造粒物を混合(9)して全焼結原料とし、この全焼結原料を焼成(10)して焼結鉱を製造する方法において、第1系列(A)の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度(質量比CaO/SiO2)を4.4〜7.3の範囲とするとともに、第1系列(A)の配合物(返鉱と粉体燃料を除く)と第2系列(B)の配合物(粉体燃料を除く)の混合比率を質量比で2:8〜8:2の範囲とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉原料である焼結鉱の製造方法に関し、詳しくは、例えばDL型焼結機により、高生産性かつ高歩留で焼結鉱を製造する技術に関する。
焼結鉱は、通常、複数銘柄の粉状鉄鉱石に、石灰石、生石灰、珪石、蛇紋岩等の副原料と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固体燃料を適量配合した焼結配合原料に、水分を添加してドラムミキサやディスクペレタイザで混合造粒して擬似粒子化した後、この擬似粒子を例えばDL型焼結機(以下、単に「焼結機」ということあり。)に充填し、この充填層表層部の固体燃料に着火し、大気を下向き吸引することにより焼成して得られる。
近年、高炉への微粉炭多量吹き込み操業に伴う高炉炉下部における通気性悪化に対応すべく、高炉の主原料である焼結鉱の低スラグ化が指向されている。しかし、焼結鉱の低スラグ化は、焼結製造工程において、鉱石粒子同士を結合させる融液量が不足するため、焼結鉱の成品歩留が低下し、焼結充填層の通気性悪化により生産性が低下する問題がある。
さらに、焼結鉱の原料として、鉱石中のAl含有量が低い高品位の鉱石(低Al含有鉱石)の供給が減少する一方、Al含有量の高い低品位の鉱石(高Al含有鉱石)の供給が増加する傾向にあり、高Al含有鉱石を多量に使用せざるを得ない状況にある。ところが、焼結原料中に配合される高Al含有鉱石は滓化性が悪いため融液量を減少させ、焼結鉱の成品歩留を低下させることが知られている。
したがって、高Al含有鉱石を多量に使用しつつ低スラグ化しても、成品歩留や生産性が低下しない焼結鉱の製造技術の開発が要請されていた。
そこで、本出願人は、焼結原料として配合される各種粉鉱石をAl含有量に応じて2系列に分類し、この各系列の粉鉱石に対し、全焼結原料の塩基度CaO/SiOを所要値とするように、各系列の粉鉱石中の粒径1mm以下の微粉部分におけるAl含有量に応じて添加量を調整した石灰石を添加し、かつ、この石灰石の添加量に応じて配合量を調整した粉コークスを配合し、各配合物をそれぞれ混合・造粒し、各造粒物を混合した後、焼結機にて焼成することで、低スラグ焼結鉱を低コストで製造できる方法を開発した(特許文献1参照)。以下、本方法を「石灰石分割添加焼結法」と呼ぶ。
ところが、その後、近年の世界的な鉄鋼需要の急激な高まりに対応して高炉での銑鉄増産に対するニーズが高まっており、これに伴い、高炉原料である焼結鉱の増産に対するニーズも高まっている。
このため、上記特許文献1に記載の石灰石分割添加焼結法に対しても、単に成品歩留や生産性の低下を防止するに留まらず、より積極的に成品歩留や生産性を向上するように改良が求められている。
しかしながら、成品歩留や生産性を向上させるために、単に、焼結配合原料全体の塩基度を高くして焼結配合原料の溶融性を高めようとすると、焼成された焼結鉱の塩基度も必然的に高くなってしまう。そして、このような塩基度の高い焼結鉱を高炉原料として用いると、高炉で発生するスラグの量が増加し塩基度が高くなることから、排滓性の悪化など高炉操業に悪影響を及ぼしてしまう問題がある。
特開2003−313614号公報
そこで、本発明は、高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、すなわち、高炉操業に影響を与えることなく、焼結鉱の歩留や生産性を安定して確実に向上しうる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
以下の説明において、化学成分の「%」は「質量%」を意味するものとする。焼結鉱は酸化鉄粒子をスラグ成分の融体で結合する溶融結合(ボンド)により塊成化される。焼結鉱の成品歩留や生産性はこのボンドの形成によって大きく左右される。
しかし、DL型焼結機による焼結製造方法においては、高温での反応時間が極めて短いため、ボンドを迅速に形成させることが必要となる。一般に焼結原料には7%程度の水分を含有させて擬似粒子化を促進することによって原料層の通気性を維持している。この擬似粒子は0.5mm超の粗粒(粗粒鉱石+粗粒石灰石)を核とし、その周りに0.5mm以下の微粉(微粉鉱石+微粉石灰石)が付着して形成される。そして、焼結時には0.5mm以下の微粉部分を起点として融液が生成する。この融液は周りの粗粒を溶かし込みながらその量を増加していくが、焼結時間が短いため粗粒は未溶融の部分を残したまま、融液が凝固しボンドが形成される。
すなわち、ボンドの形成は、粗粒部分の性状に関わらず、ほぼ0.5mm以下の微粉部分の性状で決定される。したがって、高Al含有量側の系列(第1系列)の配合物は、0.5mm以下の微粉部分もAl含有量が高いため、この配合物で製造された擬似粒子(造粒物)からは融液の生成量が不足し、ボンドの形成が不十分となりやすい。(なお、上記特許文献1においては、微粉部分は「1mm以下」と規定していたが、核粒子の表面に付着する微粉は0.5mm以下のものが大部分であることから、本発明では「0.5mm以下」に規定した。)
ところが、上記石灰石分割添加焼結法においては、各系列ごとに粉鉱石中の微粉部分におけるAl含有量に応じて、単に、各系列全体への石灰石の添加量を調整することとしており、添加する石灰石の粒度に関しては規定していなかった。このため、微粉部分の性状は、石灰石の粒度分布により変化し、特に高Al含有量側の系列(第1系列)の配合物で製造された擬似粒子(造粒物)においてボンドの形成量が不足する場合が生じやすく、安定して高い焼結鉱の成品歩留および生産性が確保できなかったものと想定される。
そこで、本発明者らは、特に高Al含有量側の系列(第1系列)の微粉部分の塩基度(CaO/SiO)を規定することで、焼結鉱の成品歩留および生産性により密接に影響するボンドの形成量を制御しうるものと想定し、種々検討を行った結果(後記実施例参照)、以下の発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、焼結原料として配合される各種粉鉱石をAl含有量に応じて、2つの系列(以下、高Al含有量側の系列を「第1系列」、低Al含有量側の系列を「第2系列」という。)に分類し、この分類された各系列の粉鉱石に対し、CaO源と粉体燃料を配合し、この各系列の配合物をそれぞれ混合・造粒した後、この各系列の造粒物を混合して全焼結原料とし、この全焼結原料を焼成して焼結鉱を製造する方法において、第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度(質量比CaO/SiO)を4.4〜7.3の範囲とするとともに、第1系列の配合物(返鉱と粉体燃料を除く)と第2系列の配合物(粉体燃料を除く)の混合比率を質量比で2:8〜8:2の範囲とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記第1系列の配合物(返鉱と粉体燃料を除く)のAl含有量を1.3質量%以上、C含有量を3.9質量%以上とし、前記第2系列の配合物(粉体燃料を除く)のAl含有量を1.0質量%未満、C含有量を3.7質量%以下とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する石灰石の粉砕粒度を変更して、石灰石中の0.5mm以下の割合を調整することにより行う請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記微粉部分の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する生石灰の配合割合を調整することにより行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法である。
本発明によれば、ボンドの形成量が不足しやすい、高Al含有量側である第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度(質量比CaO/SiO)を所定の高塩基度の範囲に規定するとともに、第1系列の新原料(配合物から返鉱と粉状炭材を除いたもの;すなわち、新原料のみ)と第2系列の新原料(配合物から粉状炭材を除いたもの:すなわち、新原料のみ)の配合比率を適正範囲とすることで、ボンドの形成量を確実かつ十分に確保できるようになった。この結果、高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、安定かつ確実に焼結鉱の製品歩留および生産性を向上しうる焼結鉱製造方法を実現できるようになった。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施形態〕
図1は、本発明に係る焼結鉱の製造方法の実施に係るプロセスフローを示す図である。先ず、事前に各種粉鉱石をAl含有量に応じて2つの系列に分類する。例えば境界値をAl含有量1%として、1%以上のものを高Al含有鉱石1、1%未満のものを低Al含有鉱石2とする。そして、第1系列の焼結原料ラインAに、高Al含有鉱石1、返鉱3、石灰石4A、生石灰5A、珪石6A、粉コークス7Aをそれぞれ所定量切り出して混合造粒機8Aに供給する。一方、第2系列の焼結原料ラインBに、低Al含有鉱石2、石灰石4B、生石灰5B、珪石6B、粉コークス7Bをそれぞれ所定量切り出して混合造粒機8Bに供給する。生石灰5Aおよび5Bは、造粒の際の擬似粒子化促進のためバインダとして所定量添加するものであり、生石灰に代えて消石灰を添加してもよい。珪石6Aおよび6Bは、焼結鉱の強度維持を目的としてスラグ量を増加させるため添加するものであるが、低スラグ化のためには、強度が維持できる(成品歩留が低下しない)範囲で極力少なくする方がよい。
石灰石4Aおよび4Bの添加量は、以下のようにして決定する。すなわち、焼結鉱の所要の塩基度CaO/SiOから、添加すべき全CaO量を計算する。なお、焼結鉱の所要の塩基度は、前述したように、高炉へのペレットや塊鉱石などの他の高炉原料の配合割合によって変化するものであるが、通常、1.5〜2.5の範囲にある。この全CaO量から前記生石灰(または消石灰)5Aおよび5B中のCaO量を除した残部のCaO量を求める。この残部のCaO量が、石灰石4Aと4Bとの合計添加量中のCaOに相当する。
次いで、第1系列Aに対して、その配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度(質量比CaO/SiO)が4.4〜7.3の範囲となるように、第1系列を構成する各原料(高Al含有鉱石1、返鉱3、石灰石4A、生石灰5A、珪石6A、粉コークス7A)の、0.5mm以下の微粉部分の割合とCaOおよびSiO含有量とから、石灰石4Aの配合量を定める。そして、上記残部のCaO量から、第1系列に配合される石灰石4A中のCaO量を差し引いて残ったCaO量に相当する石灰石量を、第2系列に配合する石灰石4Bの配合量とすればよい。
ここで、第1系列Aの配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度(質量比CaO/SiO)を4.4〜7.3の範囲に規定したのは、4.4未満では、スラグ融点が高く融液生成量が少なくなり、ボンド形成量が不足して焼結鉱の強度(歩留)が低下し、一方7.3を超えると、焼結鉱の強度(歩留)向上効果が飽和するためである。
ここで、第1系列Aの配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度を調整する手段としては、石灰石4Aの粉砕粒度を変更する手段を用いることができる。例えば、第1系列Aの配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度を上記適正範囲(4.4〜7.3)とするために、現状の石灰石4Aの粒度分布では過剰に配合する必要がある場合には、例えば石灰石4Aの粉砕時間を延長すること等によって粉砕粒度をより小さくすればよい。これにより、全焼結原料への石灰石配合量(4A+4B)を増加させることなく、第1系列Aの配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度を上記適正範囲まで高めることができる。なお、石灰石4Bの粒度分布は変更する必要がないので、必要最小限の分だけ石灰石を粉砕強化すればよいので、過度な粉砕コストを要しない。
上記手段に代えてまたは加えて、第1系列に配合する生灰石5Aの配合割合を調整する手段を用いてもよい。生石灰は造粒時におけるバインダとしての役割と成品焼結鉱の塩基度調整の役割とを兼ねて焼結配合原料に配合されるものであり、通常ほぼ全量0.5mm以下の微粉のものが使用される。そこで、例えば、第1系列の配合物中における微粉部分の塩基度を高めたい場合は、第1系列への生石灰5Aの配合割合を増加させればよい。
次いで、粉コークス7Aおよび7Bの配合量は、合計量を全焼結原料に対する所定の粉コークス配合量に維持しつつ、上記両系列に分配された石灰石中の炭酸塩を分解するのに必要な熱量等を考慮して両系列に適宜配分すればよい。なお、粉コークスの全焼結原料に対する所定の配合量は、使用する原料の種類や配合条件、焼結機の操業条件等により変化するものであるが、通常、25〜45kg/t−全焼結原料(乾粉)の範囲にある。
以上のことを総合的に勘案して、第1系列の配合物(返鉱と粉体燃料を除く;すなわち、新原料のみ)のAl含有量を1.3質量%以上、C含有量を3.9質量%以上とし、前記第2系列の配合物(粉体燃料を除く;すなわち、新原料のみ)のAl含有量を1.0質量%未満、C含有量を3.7質量%以下とするのが推奨される。
以上のようにして決定した配合に従って切り出した各原料をそれぞれ混合造粒機8Aおよび8Bにおいて、所定量の水分を添加して混合・造粒する。このようにして造粒した各造粒物を混合機9内で混合して焼結原料(全焼結原料)とした後、この焼結原料(全焼結原料)を焼結機10で焼結する。ここで、第1系列の配合物(返鉱と粉体燃料を除く;すなわち、新原料のみ)と第2系列の配合物(粉体燃料を除く;すなわち、新原料のみ)の混合比率は質量比で2:8〜8:2、好ましくは6:4〜8:2の範囲とする。全体の原料配合条件が一定の場合、第1系列の配合物(新原料のみ)の混合比率が20%未満のとき、または、80%を超えたときは、第1系列または第2系列の配合物の量が、全体の原料の大部分を占めることになり、石灰石を2系列に分割添加することによる作用効果が十分に得られなくなるためである。該混合比率を上記適正範囲とすることにより、焼結鉱内にボンドを十分に形成させることができ、安定かつ確実に焼結鉱の成品歩留や生産性を向上させることができる(実施例2参照)。
(変形例)
焼結原料としての各種粉鉱石には、酸化鉄を含有する高炉ダスト、転炉ダスト、ミルスケールなどの製鉄所ダストを用いてもよい。
また、CaO源としては、石灰石、生石灰、消石灰の他に、ドロマイトや転炉スラグなどを用いることができる。
粉体燃料としては、粉コークスの他に無煙炭などの石炭、高炉ダストや転炉ダストなどCを高濃度に含有する製鉄ダスト、廃プラスチックなどを用いることができる。
焼結鉱中のスラグ量増量のためのSiO源としては、珪石の他に蛇紋岩などを用いてもよい。なお、蛇紋岩は高炉スラグのMgO成分調整用として焼結鉱に添加してもよい。
上記実施形態では、焼結配合原料全体(すなわち、成品焼結鉱)の塩基度を維持しつつ、第1系列の配合物における0.5mm以下の微粉部分の塩基度だけを変化させる例を示したが、該微粉部分の塩基度を変化させるとともに、高炉側が許容する範囲で焼結配合原料全体(すなわち、成品焼結鉱)の塩基度を変化させることも、当然に本発明の技術的範囲に属するものである。
本発明の効果を確認するため、以下の焼結鍋試験を実施した。表1に本試験に用いた原料の化学成分および粒径0.5mm以下の微粉部分の割合を示す。鉱石AおよびBは南米産粉鉱石、鉱石C、DおよびEは豪州産粉鉱石である。珪石は、成品焼結鉱中SiOが4.5%となるように配合し、石灰石は、成品焼結鉱のCaO/SiOが2.1となるように配合した。また、新原料に対してそれぞれ外装で返鉱18%と粉コークス5.5%とを配合し、焼結原料(乾粉)に対して内装で水分7.0%を配合した。
焼結鍋試験は、内径100mm×高さ330mmの小型焼結鍋試験装置を用いて負圧3.5kPa(一定)で大気吸引の条件で実施した。
原料鉱石(返鉱を含む)を2系列に分類して、Al含有量が1%以上の鉱石C〜Eおよび返鉱(高Al含有鉱石)を第1系列の原料とし、1%未満の鉱石AおよびB(低Al含有鉱石)を第2系列の原料とした。そして、下記表2に示す、両系列の配合物の平均化学組成(設計値)が得られるように、各系列ごとに生石灰、石灰石、珪石および粉コークスを配合した。下記表3に各系列ごとの配合条件および両系列の合計配合条件を示す。
ここで、第1系列に配合する石灰石については、事前に−0.5mm(微粉部分)と0.5−3.0mm(粗粒部分)に篩い分けておき、該微粉部分と該粗粒部分との混合比率を順次変更して、粒度構成の異なる石灰石を作製して用い、上記表2および3に示す、平均組成および配合率を維持しつつ、第1系列の0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOだけが変化するように配合を行った。なお、第2系列に配合する石灰石については、上記篩い分けを行わず、一定の粒度構成のものを用いた。下記表4に、各系列の配合物中の0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOと石灰石の粒度構成を示す。
そして、上記焼結配合原料5.0kgを上記試験焼結鍋に充填し、吸引圧力を一定に制御する方法で焼成し、成品歩留および生産率を測定した。なお、同一条件にて3回ずつ焼成試験を繰り返し、成品歩留および生産率はそれぞれ3回の測定結果を平均した値とした。ここに、成品歩留は、JIS M8711にしたがって測定した落下強度の値であり、生産率は、単位断面積、単位時間当たりの成品焼結鉱(落下強度試験後の10mm以上)の製造量であり、焼結ケーキの全重量に落下強度(成品歩留)を掛け、焼結鍋の断面積と焼成時間で割って求めたものである。なお、焼成時間は、着火から火落ち(排ガス中のCO濃度が低下して0.2容量%に達した時)までの時間である。
試験結果を、図2に、第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOと成品歩留との関係、図3に、同塩基度CaO/SiOと生産率との関係、図4に、同塩基度CaO/SiOと焼成時間との関係として、それぞれ示す。
図2および3から明らかなように、成品歩留および生産率とも、第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOが4.4以上になると急激に上昇し、該塩基度CaO/SiO=5.9付近で最大値を示し、さらに該塩基度CaO/SiOが上昇すると低下する傾向が見られ、該塩基度CaO/SiOが7.3を超えると該塩基度CaO/SiOが4.3未満のときよりも生産率がさらに低くなるのがわかる。
また、図4に示すように、焼成時間は、該塩基度CaO/SiOが7.3以下の範囲でほぼ一定であることから、図3に示される生産率の急上昇は成品歩留の改善によるといえる。
ここで、第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の主要成分である、Fe、CaOおよびSiOの組成を、図5に示すFe−CaO−SiO系3元系状態図上にプロット(●印)してみると、該微粉部分の塩基度CaO/SiOを上昇させるに伴って太矢印で示す方向、すなわち、融点が低下する方向に移動することがわかる。
したがって、該微粉部分について、その塩基度CaO/SiOを適正範囲まで上昇させて低融点化することで、融液生成量が増加したことに起因して成品歩留が改善されたものと想定される。
次に、本試験では、上記実施例1で最大の成品歩留および生産率が得られた、第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiO=5.90の条件(試験No.LDC04)において、第1系列の配合物(新原料のみ)と第2系列の配合物(新原料のみ)との混合比率を0:100〜100:0の範囲で種々変更して、上記実施例1と同じ小型焼結鍋試験装置を用い、上記実施例1と同様の試験条件にて、焼結鍋試験を実施した。
試験結果を、図6に、新原料全体に占める、第1系列の配合物(新原料のみ)の混合比率と成品歩留との関係、図7に、同第1系列の配合物(新原料のみ)の混合比率と生産率との関係として、それぞれ示す。
これらの図から明らかなように、上記第1系列の配合物(新原料のみ)の混合比率が20〜80%の間で、成品歩留および生産率とも高い値が得られることがわかる。
よって、本発明を適用することで、高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、安定かつ確実に焼結鉱の製品歩留および生産性を向上させうることが明らかである。
本発明の実施に係るプロセスフローを示すフロー図である。 第1系列の配合物中における、0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOと、成品歩留との関係を示すグラフ図である。 第1系列の配合物中における、0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOと、生産率との関係を示すグラフ図である。 第1系列の配合物中における、0.5mm以下の微粉部分の塩基度CaO/SiOと、焼結時間との関係を示すグラフ図である。 第1系列の配合物中における、0.5mm以下の微粉部分の融点の変化の様子を説明するためのFe−CaO−SiO系3元系状態図である。 新原料全体に対する、第1系列の配合物(新原料のみ)の混合比率と、成品歩留との関係を示すグラフ図である。 新原料全体に対する、第1系列の配合物(新原料のみ)の混合比率と、生産率との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1…高Al含有鉱石
2…低Al含有鉱石
3…返鉱
4A、4B…石灰石
5A、5B…生石灰
6A、6B…珪石
7A、7B…粉コークス
8A、8B…混合造粒機
9…混合機
10…焼結機
A…第1系列
B…第2系列

Claims (4)

  1. 焼結原料として配合される各種粉鉱石をAl含有量に応じて、2つの系列(以下、高Al含有量側の系列を「第1系列」、低Al含有量側の系列を「第2系列」という。)に分類し、この分類された各系列の粉鉱石に対し、CaO源と粉体燃料を配合し、この各系列の配合物をそれぞれ混合・造粒した後、この各系列の造粒物を混合して全焼結原料とし、この全焼結原料を焼成して焼結鉱を製造する方法において、第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度(質量比CaO/SiO)を4.4〜7.3の範囲とするとともに、第1系列の配合物(返鉱と粉体燃料を除く)と第2系列の配合物(粉体燃料を除く)の混合比率を質量比で2:8〜8:2の範囲とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記第1系列の配合物(返鉱と粉体燃料を除く)のAl含有量を1.3質量%以上、C含有量を3.9質量%以上とし、前記第2系列の配合物(粉体燃料を除く)のAl含有量を1.0質量%未満、C含有量を3.7質量%以下とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記第1系列の配合物中における0.5mm以下の微粉部分の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する石灰石の粉砕粒度を変更して、石灰石中の0.5mm以下の割合を調整することにより行う請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記微粉部分の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する生石灰の配合割合を調整することにより行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
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