JP5995005B2 - 焼結原料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼スラグを焼結鉱の原料の一部に用いた焼結原料をドワイトロイド式焼結機で焼結して高炉用焼結鉱を製造するときの、上記焼結原料の製造方法に関するものである。
下方吸引のドワイトロイド式焼結機で高炉用焼結鉱を製造するときの焼結原料には、主原料となる鉄鉱石(粉鉱石)とCaO系やSiO系の副原料とを(以下、これらを、後述する「製鋼スラグ」と区別して、「通常原料」ともいう)混合し、適度な大きさに造粒した擬似粒子(造粒粒子)に、焼結熱源となるコークス、無煙炭等の固体燃料(凝結材、炭材ともいう)を配合したものを用いるのが普通である。
また、製鉄所内で発生するスラグやダスト、副産物等も、その含有成分に応じて、許容できる範囲で焼結鉱の原料として再使用されている。たとえば、製銑工程の高炉で発生したダストを電気集塵機やサイクロン集塵機等で回収した乾燥ダストや、製銑工場や製鋼工場の側溝などから回収した煤塵、熱間圧延工程で発生したミルスケールをシックナー等の排水処理設備で回収した湿潤ダストには、鉄分やカーボンが多く含まれているため、成分調整した後、焼結原料の鉄分やカーボン分の代替品として使用されている。また、製鋼工程で発生する脱硫予備処理スラグや、転炉スラグ(脱Pスラグ、脱炭スラグ)(以降、これらを纏めて「製鋼スラグ」という)には、Ca分が多く含まれているため、焼結原料に添加されるCaOの代替品として使用されている。
上記製鋼スラグの具体的な再利用技術としては、例えば、特許文献1には、焼結配合原料に転炉スラグを用いるに際して、ミルスケールを混合することで焼結鉱の品質を向上する技術が開示されている。この技術は、上記混合物を、粘結剤(バインダー)を用いて固化した後、乾燥し、粉砕し、粒度調整する工程を必要とする。しかし、ミルスケールの表面は、鉄鉱石と比べて凹凸が少ないため、固化するために多量のバインダーを添加する必要がある。一方、バインダーの添加量を少なくすると、一般的な焼結原料の算術平均粒径である3〜4mmより粒径が小さくなるため、篩い下粉の発生率が増加してしまう。したがって、バインダーコストが高く、均一な粒度の焼結原料を得難いという問題がある。
また、特許文献2には、ゲーサイト成分の多い鉄鉱石に、鉄鉱石との反応性の低い転炉スラグを混合することで、焼結鉱の強度を弱める反応を抑制する技術が開示されている。しかし、この技術では、ゲーサイト成分を多く含む鉄鉱石と、転炉スラグとを混合・造粒する必要があり、その他の良質な鉄鉱石を併用して使用する場合には、それらと転炉スラグとの接触を回避するため、少なくとも造粒ラインを2つに分ける必要がある。したがって、この技術は、造粒ラインを1つしか持たない造粒プロセスには適用できない。
また、特許文献3には、石灰石と比較して鉄鉱石との反応性に劣る転炉スラグの粒度を細かくすることで反応面積を大きくし、反応速度を改善することで、フラックスとして使用する技術が開示されている。しかし、この技術は、細粒化による反応性向上の代償として、焼結原料の平均粒径を低下させ必要があるため、パレット上に装入した焼結原料装入層の通気性を低下させるという問題がある。
また、特許文献4には、焼結鉱の品質低下を招く難焼結性のドロマイトを易焼結性の製鋼スラグと選択的に組み合わせることで、焼結鉱の品質低下を防止しつつ、効率的に製鋼スラグをリサイクルする技術が開示されている。しかし、この技術は、ドロマイトの使用を前提としており、ドロマイト中の遊離CaO分が少ないことによる焼結生産性の低下が懸念される。すなわち、(MgO/CaO)比の高い原料であるドロマイトを選択しても、ドロマイト中のCaOに相当する石灰石の配合割合を低下させなくてはならないため、焼結操業としては減産方向に向かうという問題がある。
以上のように、製鋼スラグの取り扱いに関しては、溶融性の向上と造粒性の確保を両立する方法を採用する必要があるが、それらを共に満足する有効な操業方法を見出す必要があった。
そこで、上記問題点を回避する技術として、特許文献5には、製鋼スラグと、製鋼スラグ以外の原料とを別々に造粒し、比較的大きめに造粒した製鋼スラグの造粒粒子を、製鋼スラグ以外の原料(通常原料)の造粒粒子中に配合し、該造粒粒子中に混在させて焼結機のパレット上に装入することによって、Al成分を製鋼スラグの造粒粒子内に封じ込め、Al成分が通常原料の造粒粒子に及ぼす悪影響を最小限に抑制する技術が提案されている。
また、特許文献6には、転炉スラグを鉱石の造粒粒子表面にコーティングした後、石灰石系粉原料及び固体燃料系粉原料を添加して混合することで、自硬性を有する転炉スラグの効果によって造粒粒子強度が向上し、石灰石及び粉コークスの造粒粒子内への取り込み量が低減されることで、カルシウムフェライト融液の生成を促進し、低強度のカルシウムシリケートの生成を抑制できることが開示されている。
特開昭59−205421号公報 特開平05−043953号公報 特開平05−051653号公報 特開平11−229046号公報 特開2012−117082号公報 特開2012−052164号公報
しかしながら、上記特許文献5や特許文献6に開示の技術では、製鋼スラグとして、溶融温度が低い予備処理スラグや一部の転炉スラグなどを用いた場合には、焼結中に高A1の融液が周囲の製鋼スラグ以外の他の焼結原料(通常原料)の造粒粒子の融液中に浸透し、通常原料の融液の流動性を低下させ、焼結鉱の強度を低下させるおそれがある。
本発明は、従来技術が抱える上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、焼結原料の一部に製鋼スラグを用いて焼結鉱を製造する際、製鋼スラグ中に含まれるA1の弊害を確実に抑制することができる焼結原料の製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意実験と実験を重ねた。その結果、溶融温度(融点)が1350℃以下と低い製鋼スラグを焼結原料の一部に用いる際には、製鋼スラグを造粒した後、該造粒粒子の表面に微粉鉱石を被覆することで、製鋼スラグ由来の高Alの融液が、微粉鉱石の粒子間の空隙に拡散し、吸収されて、製鋼スラグの造粒粒子表面からのその周囲への融液の流出が抑制され、Alの弊害を製鋼スラグの造粒粒子内に封じ込めることができるので、製鋼スラグ以外の他の焼結原料(通常原料)の融液の流動性を確保し、焼結鉱全体としての強度低下を抑制できることを見出し、本発明を開発するに至った。
上記知見に基く本発明は、高炉用焼結鉱の原料の一部として、Al の含有量が6.0mass%以下の、脱硫スラグ、脱燐スラグあるいは脱炭スラグからなる転炉スラグである製鋼スラグを用いる場合に、その製鋼スラグと製鋼スラグ以外の原料とに分け、それぞれを別々に造粒して製鋼スラグの造粒粒子と製鋼スラグ以外の原料の造粒粒子とを得る焼結原料の製造方法において、
上記製鋼スラグ造粒粒子については、その表面に、粒径が150μm以下の大きさである微粉鉱石を被覆して被覆層を形成することを特徴とする焼結原料の製造方法を提案する。
本発明の上記焼結原料の製造方法は、上記微粉鉱石の被覆層の厚さを1.2mm以上とすることを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、上記微粉鉱石を、ドラムミキサーまたはペレタイザーを用いた造粒時の後段で投入して被覆層を形成することを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、上記微粉鉱石を、製鋼スラグを造粒した造粒粒子を搬送するベルトコンベアー上で投入して被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の製造方法。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、上記製鋼スラグを造粒した造粒粒子を、製鋼スラグ以外の原料を造粒した造粒粒子中に混在させて焼結機へ装入することを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の製造方法に用いる上記製鋼スラグは、融点が1350℃以下のものであることを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、上記製鋼スラグを、焼結鉱全体に対して0mass%超え10mass%以下の範囲で焼結原料中に混合することを特徴とする。
本発明によれば、焼結原料の一部に製鋼スラグを用いて焼結鉱を製造する際における、製鋼スラグ中に含まれるA1融液が、製鋼スラグ以外の他の焼結原料(通常原料)の融液中に浸透するのを防止し、A1の弊害を抑制することができるので、融液の流動性を確保し、高強度の焼結鉱を安定して製造することが可能となる。
焼結時のAlの拡散距離を測定する方法を説明する図である。 焼結時のAlの拡散距離の測定結果を示すグラフである。 実施例における焼結原料の各種製造方法を説明する図である。 図3の方法で製造した焼結原料を用いて焼結実験を行った結果を示すグラフである。
上述したように、特許文献5や特許文献6に開示の従来技術では、焼結原料の一部に製鋼スラグを用いて焼結鉱を製造する際、製鋼スラグ中に含まれるA1融液が、製鋼スラグ以外の他の焼結原料(通常原料)の融液中に浸透して、通常原料から生成した融液の流動性を低下し、高強度の焼結鉱が得られなくなるという問題がある。
そこで、本発明は、従来技術における上記問題点を、焼結の製造に用いる原料の一部として、Al の含有量が6.0mass%以下の、脱硫スラグ、脱燐スラグあるいは脱炭スラグからなる転炉スラグである製鋼スラグを用いる場合に、その製鋼スラグと製鋼スラグ以外の原料とに分け、それぞれを別々に造粒して製鋼スラグの造粒粒子と製鋼スラグ以外の原料の造粒粒子とを得焼結原料の製造方法において
上記製鋼スラグ造粒粒子については、その表面に、粒径が150μm以下の大きさである微粉鉱石を被覆して被覆層を形成することを特徴とする。これによって、製鋼スラグ中に含まれるA1成分から生成する融液を、微細な微粉鉱石の粒子の間隙に吸収させ、製鋼スラグを造粒した造粒粒子の外部に流出するのを抑止し、内部に封じ込めることができるので、Alの弊害を解消することができるからである。
ここで、上記微粉鉱石には、一般に、ペレットフィード(PF)と呼ばれる粒径が150μm以下の微粉の鉄鉱石を用いるのが好ましく、中でも磁鉄鉱(Fe)を主成分とするPFは、高温で効率よく焼成すると、酸化し、発熱するため、焼結工場でのエネルギーコストが低減できるメリットがある。なお、本発明の効果をより高めるためには、粒径が100μm以下のPFを用いることが好ましい。
図2は、製鋼スラグを造粒した造粒粒子を、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒した造粒粒子中に混在させた焼結原料と、製鋼スラグを造粒した造粒粒子の表面に、さらにペレットフィードを1.2mmの厚さで被覆層を形成した造粒粒子を、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒した造粒粒子中に混在させた焼結原料の2種類の焼結原料を、図1に示した焼結試験鍋に装入して焼結実験を行った後、得られた焼結後の焼結鉱からサンプルを採取し、その断面をEPMAで線分析を行い、製鋼スラグ中に含まれるAlの外部への拡散距離を測定した結果を示したものである。この図から、Alは、ペレットフィードを製鋼スラグの造粒粒子の表面に被覆しない場合には、通常原料の造粒粒子から生成した焼結組織中に1.2mmも拡散しているのに対して、ペレットフィードを製鋼スラグの造粒粒子の表面に1.2mm被覆した場合には、ペレットフィード被覆層内の0.2mmの拡散距離に止まっていること、すなわち、微粉鉱石の被覆層には、Alの融液が周囲の通常原料から生成する融液中に浸透するのを抑制する効果を有していることがわかる。
これは、ペレットフィードを被覆することによって、伝熱速度が低下し、脱硫スラグの昇温速度が低下することに起因しているものと考えられる。したがって、ペレットフィードの厚みを1.2mm未満に低下させると、脱硫スラグの昇温速度が増加し、0.2mmの拡散距離は徐々に増加する。そのため、ペレットフィードの厚みを、仮に0.2mmにすると、拡散距離は0.2mmよりも大きい値となるため、被覆の効果が失われる。すなわち、被覆によるAlの拡散を抑止する効果を十分に得るためには、ペレットフィードの被覆層は、少なくとも、ペレットフィードを被覆しない場合の拡散層厚である1.2mm分の厚さが必要となる。より好ましい被覆層の厚さは、2.0mm以上である。
また、製鋼スラグの造粒粒子の表面に微粉鉱石の被覆層を形成する方法は、ドラムミキサーあるいはペレタイザーで製鋼スラグを造粒する際、造粒粒子がある程度の大きさ、具体的には粒径2.8〜8.0mm程度の大きさに造粒した時点の後段において、微粉鉱石をドラムミキサーあるいはペレタイザー内に投入して被覆層を形成するのが好ましい。
なお、上記の大きさの造粒粒子に1.2mmの厚さのPF被覆層を形成させるのに必要なPFの投入量は、製鋼スラグに対する質量比で33%程度である。
なお、微粉鉱石の被覆層を形成する方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、製鋼スラグを造粒した造粒粒子を搬送するベルトコンベアー上で微粉鉱石を投入し、ベルトコンベアーの振動で造粒粒子の表面に被覆層を形成するようにしてもよい。
上記製鋼スラグの造粒粒子に微粉鉱石を被覆した造粒粒子(以降、「製鋼スラグの造粒粒子」ともいう)は、その後、そのまま、製鋼スラグ以外の原料を造粒した造粒粒子(以降、「通常原料の造粒粒子」ともいう)とともに、通常原料の造粒粒子中に製鋼スラグの造粒粒子を混在させて焼結機に装入してもよい。
しかし、本発明の効果をより発現させるためには、製鋼スラグの造粒粒子を、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒する造粒ラインに投入することが好ましい。こうすることで、上記微粉鉱石を被覆した製鋼スラグの造粒粒子の表面に、さらに、通常原料中の未造粒の通常原料や、CaO系やSiO系等の副原料や炭材(凝結材)の粉コークスを付着・被覆させることができるので、製鋼スラグの造粒粒子と周囲の焼結原料との界面において、効率的に燃焼反応が進行してカルシウムフェライト系融液の生成を促進し、製鋼スラグの造粒粒子と周囲の通常原料の造粒粒子との溶融同化を促進させることができるので、成品焼結鉱の強度や歩留りが向上するという効果が得られるからである。
なお、上記製鋼スラグの造粒粒子を投入する位置は、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒する造粒ラインのドラムミキサーまたはペレタイザーのいずれでもよい。ただし、製鋼スラグの造粒粒子の表面に未造粒の通常原料等を確実に付着・被覆させるためには、造粒ラインにおける滞留時間を5秒以上確保することが好ましい。より好ましくは10秒以上である。
また、上記CaO系やSiO系等の副原料や、粉コークス等の炭材(凝結材)の添加量は、通常の添加量の範囲であればよく、例えば、CaO系やSiO系の副原料の添加量は、製品焼結鉱の塩基比(CaO/SiO)が1.8〜2.2の範囲となるよう調節するのが好ましく、また、粉コークスは、気体燃料等その他の熱源を投入しない場合には、焼結原料全体に対して3.5〜4.5mass%の範囲で添加するのが好ましく、気体燃料等その他の熱源を投入する場合には、その燃焼熱分以上の粉コークスを削減するのが好ましい。
また、本発明の焼結原料に用いる製鋼スラグは、溶融温度(融点)が1350℃以下のものを用いることが好ましい。溶融温度が1350℃を超えると、上記製鋼スラグを含む造粒粒子は、周囲の通常原料からなる造粒粒子と溶融同化せず、焼結ケーキ中にそのまま残存しやすい。また、粗大な製鋼スラグの造粒粒子の周辺部には空隙が多く存在するため、通気性が改善されるが、上記溶融同化の不足によって、製鋼スラグの造粒粒子の周囲には空隙がそのまま残り、上記空隙を起点としてクラックが発生し易い。そのため、成品焼結鉱の強度が低下して歩留りが低下し、ひいては生産性が低下するからである。
また、上記製鋼スラグを焼結原料として使用するときの、製鋼スラグの焼結原料全体に対する混合比率は0mass%超え10mass%以下とするのが好ましい。10mass%を超えると、製鋼スラグの弊害が顕在化し、焼結鉱の強度が低下するようになる他、焼結鉱の成分(塩基度)調整のために添加する副原料の石灰石を減配する必要があるため、焼結反応性が著しく低下し、生産性を維持することが困難となるという問題や、製鋼スラグ中に含まれる不純物によって、溶銑中の不純物元素濃度が上昇し、溶銑としての許容範囲を超えてしまうおそれがあるからである。好ましくは6mass%以下である。
溶融温度が約1241℃の転炉スラグ(脱硫スラグ)を焼結鉱の原料の一部に用いて、図3に示したT1〜T5の5条件で焼結原料を製造し、焼結試験鍋に装入して焼結実験を行い、成品焼結鉱の品質および生産性に及ぼす製鋼スラグの影響を調査した。
ここで、図3に示したT1〜T5の各条件について説明すると、T1は、製鋼スラグを一切含まない粉鉱石にCaO系、SiO系等の副原料を配合し、混合・撹拌し、造粒粒子とした後、これを焼結原料とするベース条件(比較例1)であり、T2は、製鋼スラグを1次造粒機で副原料とともに粉鉱石に配合し、混合・撹拌し、造粒粒子とした後、これを焼結原料とする条件(比較例2)であり、ベッディングヤードで製鋼スラグを混合する従来技術に相当する。また、T3は、T1で製造した通常原料からなる造粒粒子中に、製鋼スラグを別途にペレタイザーで造粒した造粒粒子を混在させたものを焼結原料に用いる比較例3であり、特許文献5に開示の従来技術に相当する。
また、T4は、製鋼スラグと、篩目で粒径が64μm以下のヘマタイト系ペレットフィード(PF)とを質量比で2:1の割合で混合・被覆し、ペレタイザーで造粒した造粒粒子を、T3の条件と同様、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒した造粒粒子中に混在させたものを焼結原料に用いる発明例1である。また、T5は、上記T4で製造したPFを混合した製鋼スラグの造粒粒子を、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒する造粒ラインの2次造粒機の排出部近傍で投入し、15秒間造粒して製鋼スラグの造粒粒子表面に未造粒の通常原料や副原料、粉コークスを付着・被覆した発明例2である。
なお、いずれの条件も、焼結原料全体に対する製鋼スラグの配合率は5mass%とした。また、2次造粒機における副原料および粉コークスの添加は、いずれの条件も2次造粒機の排出までの滞留時間が30秒となる位置で投入し、この際の副原料の投入量は、焼結原料全体の塩基度(CaO/SiO)が2.0となる量に、また、粉コークスの焼結原料全体に対する添加量は4.8mass%となるように調整した。
次いで、上記T1〜T5の焼結原料を、焼結原料の装入部の大きさが内径300mmφ×高さ400mmの試験鍋に、層厚が400mmとなるよう充填した後、上記充填層の上表面の粉コークスに点火し、鍋下方から−700mmAqで吸引して、充填層内に空気を導入し、粉コークスを燃焼させることで焼結を行う焼結実験を行った。
この際、各焼結原料の焼結に要した時間を測定した。また、得られた成品焼結鉱の冷間強度(SI)をJIS M8711に準じて測定するとともに、製品焼結鉱の歩留りを求め、生産率(単位炉床面積(m)、単位時間(hr)当たりの焼結鉱生産量(t))を算出した。
上記の実験結果を、まとめて図4に示した。
粉鉱石に製鋼スラグを混合して造粒粒子とし、これを焼結原料に用いて焼結するT2の条件では、焼結時間が大幅に延長するとともに、SI強度、成品歩留まりが大きく低下する結果、生産率は大きく低下している。また、製鋼スラグと製鋼スラグ以外の通常原料をそれぞれ別々に造粒し、それらを混在させて焼結するT3の条件では、製鋼スラグの悪影響が分別造粒により緩和される結果、T2よりも、焼結時間が短縮し、SI強度、成品歩留まりも向上しているが、生産率はベース条件のT1と比較してまだ低い。
これに対して、製鋼スラグの造粒粒子の表面にさらにPFからなる被覆層を形成した造粒粒子を、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒した造粒粒子中に混在させた焼結原料を用いたT4の条件では、焼結時間、SI強度、成品歩留りが、T3の条件と比較して大幅に向上し、ベースのT1の条件に近い値を示しており、生産率もベースのT1に近い値まで向上している。これは、製鋼スラグの造粒粒子の表面に形成されたPF被覆層によって、Al融液の浸透が抑制され、製鋼スラグ以外の通常原料の造粒粒子から生成した融液への悪影響が抑止されたためである。
また、製鋼スラグの造粒粒子の表面にさらにPFからなる被覆層を形成した造粒粒子を、製鋼スラグ以外の通常原料を造粒する2次造粒機の排出部近傍で投入して得た焼結原料を用いたT5の条件では、焼結時間、SI強度、成品歩留りがさらに向上して、ベースのT1の条件に比較して僅かに劣る程度であり、生産率もベース条件のT1と大差ない値まで向上している。
なお、マグネタイト系ペレットフィードを同様に用いた場合についても同様にして焼結実験を行ったが、ヘマタイト系ペレットフィードを用いた場合と同等以上の効果が得られることが確認された。
上記説明では、焼結熱源として、固体系燃料(粉コークス)を用いて焼結鉱を製造する方法について説明したが、本発明の技術は、上記例に限定されるものではなく、例えば、固体系燃料に加えて気体燃料を供給して焼結鉱を製造する方法および/または酸素を付加して焼結鉱を製造する方法の焼結原料にも適用することができる。

Claims (7)

  1. 高炉用焼結鉱の原料の一部として、Al の含有量が6.0mass%以下の、脱硫スラグ、脱燐スラグあるいは脱炭スラグからなる転炉スラグである製鋼スラグを用いる場合に、その製鋼スラグと製鋼スラグ以外の原料とに分け、それぞれを別々に造粒して製鋼スラグの造粒粒子と製鋼スラグ以外の原料の造粒粒子とを得る焼結原料の製造方法において、
    上記製鋼スラグ造粒粒子については、その表面に、粒径が150μm以下の大きさである微粉鉱石を被覆して被覆層を形成することを特徴とする焼結原料の製造方法。
  2. 上記微粉鉱石の被覆層の厚さを1.2mm以上とすることを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の製造方法。
  3. 上記微粉鉱石を、ドラムミキサーまたはペレタイザーを用いた造粒時の後段で投入して被覆層を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結原料の製造方法。
  4. 上記微粉鉱石を、製鋼スラグを造粒した造粒粒子を搬送するベルトコンベアー上で投入して被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の製造方法。
  5. 上記製鋼スラグを造粒した造粒粒子を、製鋼スラグ以外の原料を造粒した造粒粒子中に混在させて焼結機へ装入することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結原料の製造方法。
  6. 上記製鋼スラグとして、融点が1350℃以下のものを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結原料の製造方法。
  7. 上記製鋼スラグを、焼結鉱全体に対して0mass%超え10mass%以下の範囲で焼結原料中に混合することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結原料の製造方法。
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