JP2014159622A - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塊成物を加熱して還元鉄を製造するにあたり、還元鉄の歩留まりを高めて生産性を向上する手法を提供する。
【解決手段】酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む混合物を塊成化する工程と、得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元および溶融する工程を含み、前記塊成物として、該塊成物中含有量(質量%)で、T.Fe量、CaO量、SiO2量、Al23量、MgO量、およびCaF2量に基づいて下記式(1)で算出されるX値が370kg/ton以下で、同様に、下記式(2)で算出されるY値が0.5以上のものを用いる還元鉄の製造方法。X=1000×[(CaO)+(SiO2)+(Al23)+(MgO)+(CaF2)]/(T.Fe)・・・(1)、Y=(CaO)/[(SiO2)+(Al23)]・・・(2)
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鉱石や製鉄ダスト等の酸化鉄源と、炭材等の炭素質還元剤とを含む塊成物を加熱して還元鉄を製造する方法に関するものである。
原料として鉄鉱石を用いた製鉄プロセスは高炉−転炉法が主流であるが、この方法では、石炭の乾留や鉄鉱石の焼結等、原料の事前処理を行う必要がある。また、スケールメリットを享受するため、近年では高炉や転炉を大型化する傾向が進んでおり、資源に対する柔軟性や生産弾力性が低下している。
また、環境保全の観点から、製鉄プロセスにはCO2ガスの排出量を抑制することが求められている。ところが、上述した高炉−転炉法は、高炉で鉄鉱石を還元して高炭素の溶銑を製造し、得られた溶銑を転炉で脱炭して鋼を製造するという間接製鉄法であるため、鉄鉱石を還元して直接鋼を製造する直接製鉄法と比べると、CO2ガスの排出量が多くなる。
近年では、CO2ガスの排出量を抑制する観点から、直接製鉄法が見直されてきている。直接製鉄法としては、MIDREX法が知られている。しかしMIDREX法では、鉄鉱石の還元に天然ガスを大量に使用するため、プラントの立地条件が天然ガスの生産地域に限られるという問題があった。
そこで最近では、鉄鉱石の還元に天然ガスの代わりに、炭素質還元剤として入手が比較的容易な石炭を用いる還元鉄製造プロセスが注目されている。この還元鉄製造プロセスは、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む塊成物を移動炉床式加熱炉(例えば、回転炉床炉)に装入し、炉内で加熱バーナーによるガス伝熱や輻射熱で加熱することによって酸化鉄を還元して塊状の還元鉄を得るというものである。この還元鉄製造プロセスは、石炭ベースであることの他にも粉状の鉄鉱石を直接利用できること、還元時には鉄鉱石と還元剤が近接配置されているため、鉄鉱石中の酸化鉄を高速還元できること、還元して得られる製品中の炭素含有量を容易に調整できるといった利点を有している。
しかし上記還元鉄製造プロセスで得られる還元鉄には、原料として用いられる鉄鉱石等の酸化鉄源や石炭等の炭素質還元剤に含まれるCaO、SiO2、Al23といった脈石成分がスラグとして混入するため、還元鉄の品位は低くなるという問題がある。そのため得られた還元鉄は、例えば、電気炉で溶解し、スラグを分離除去する必要がある。また、還元鉄に含まれるスラグ量が増加すると、精錬時における還元鉄の歩留まりが低下する。従って上記還元鉄としては、スラグ含有量が少なく、鉄純度が高いものが求められている。
上記還元鉄の鉄純度を高めるには、原料として鉄純度の高い酸化鉄源を用いることが有効である。しかし鉄鋼の生産量は世界的に増大している一方で、高品位鉄鉱石の採掘量は減少の傾向にあるため、鉄純度の低い鉄鉱石を使用できることが望ましい。
ところが原料として低品位鉄鉱石を用いると、鉄鉱石中に含まれる脈石起因のスラグが増加するため、塊成物への伝熱が阻害され、還元鉄の生産性が低下する。そこで鉄成分の含有量が高い酸化鉄はもとより鉄成分の含有量が比較的低い鉄鉱石等からでも、鉄純度の極めて高い金属鉄を、固形金属鉄または溶融金属鉄として製造する方法が特許文献1に提案されている。この方法は、加熱還元により、内部に酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで還元を進めると共に、内部に脈石成分からなる生成スラグおよび金属鉄を凝集させ、金属鉄とスラグとを溶融分離するものである。
金属鉄とスラグとの溶融分離を短時間で行い、品位の高い金属鉄を製造する方法としては、特許文献2が提案されている。この文献には、炭材内装酸化鉄成形体の原料に含まれるCaO、SiO2、Al23の含有比率を調整してこれらの脈石成分からなる生成スラグの融点を1400℃以下に下げることによって、金属鉄とスラグの溶融分離を促進する技術が開示されている。また、この文献には、原料中のCaO、SiO2、Al23の含有比率を調整して生成スラグの融点を下げるために、CaSiO3を配合することが記載されている。
特開平9−256017号公報 特開平11−199911号公報
上記特許文献1によれば、鉄純度の高い金属鉄を、固形金属鉄もしくは溶融金属鉄として得ることができるが、金属鉄の回収率(歩留まり)向上について更なる改善の余地がある。一方、上記特許文献2には、塊成物にCaSiO3を配合することが記載されているが、このCaSiO3の固相線温度は1545℃であるため、スラグの融点を降下させる効果は弱く、金属鉄とスラグの溶融分離が充分に行われないことがあった。
また、SiO2およびAl23は、共に、鉄鉱石に含まれる脈石を代表する成分であるが、これらの脈石量が増加すると、反応の際のスラグ量が多くなり、金属鉄が移動し難くなるため、金属鉄の凝集が阻害される。特にSiO2は、融点調整剤として配合するCaOと結合して高融点の2CaO・SiO2を形成し、またAl23については、溶融スラグ中のSiO2やMgOと結合してムライト(3Al23・2SiO2)やスピネル(MgO・Al23)等の高融点物質を形成するため、スラグの溶融が遅くなり、金属鉄の凝集を阻害する。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであり、その目的は、塊成物を加熱して還元鉄を製造するにあたり、還元鉄の歩留まりを高めて生産性を向上する手法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る粒状還元鉄の製造方法とは、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む混合物を塊成化する工程と、得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元および溶融する工程を含み、前記塊成物として、該塊成物中のT.Fe量、CaO量、SiO2量、Al23量、MgO量、およびCaF2量に基づいて下記式(1)で算出されるX値が370kg/ton以下で、且つ該塊成物中のCaO量、SiO2量、およびAl23量に基づいて下記式(2)で算出されるY値が0.5以上のものを用いる点に要旨を有している。但し、式中、( )は、塊成物中の各成分の含有量(質量%)を示している。
X=1000×[(CaO)+(SiO2)+(Al23)+(MgO)+(CaF2)]/(T.Fe) ・・・(1)
Y=(CaO)/[(SiO2)+(Al23)] ・・・(2)
前記塊成物の加熱は、1300℃以上の温度で行うことが好ましい。
本発明によれば、塊成物を加熱して還元鉄を製造するにあたり、SiO2含有量やAl23含有量の多い鉄鉱石あるいは塊成物を用いても、塊成物の成分組成に基づいて上記式(1)で算出されるX値および上記式(2)で算出されるY値を適切に制御しているため、例えば、ムライト(3Al23・2SiO2)やスピネル(MgO・Al23)、ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO2)などの高融点鉱物が形成するのを抑制できる。即ち、塊成物に含まれるSiO2やAl23などのスラグ量が多くなると、還元鉄の歩留まりが低下することは知られているが、塊成物の成分組成に基づいて算出される上記X値に加えて、SiO2量およびAl23量を考慮したY値も制御すれば、高融点物質を多量に形成することが無いため、スラグが速やかに溶融し、還元鉄の凝集が促進されることが明らかとなった。その結果、還元鉄の歩留まりが向上し、生産性を高めることができる。
図1は、X値と歩留まりとの関係を示すグラフである。
本発明者らは、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む塊成物を加熱して還元鉄を製造するにあたり、還元鉄の歩留まりを向上させて生産性を高めるために鋭意検討を重ねてきた。その結果、上記塊成物として、
(1)該塊成物中のT.Fe量(全鉄量)に対するスラグ量を制御すれば、還元鉄の凝集を促進でき、還元鉄の歩留まりが向上して生産性が高くなること、
(2)また、該塊成物中のCaO量、SiO2量、およびAl23量に基づいて算出されるY値{(CaO)/[(SiO2)+(Al23)]}を適切に制御すれば、加熱時に高融点鉱物が形成されるのを抑制できるため、スラグが速やかに溶融し、スラグの溶融が促進されることによって還元鉄の凝集が促進され、還元鉄の歩留まりが向上し、生産性が高くなること、
を見出し、本発明を完成した。
まず、塊成物中のT.Fe量に対するスラグ量と、塊成物の成分組成に基づいて算出されるY値について説明する。
塊成物を加熱したときに生成するスラグ量が増加すると、還元鉄の凝集が阻害されるため、還元鉄の歩留まりが低下する。そこで本発明では、塊成物中に含まれるT.Fe量とスラグを形成する成分量(CaO量、SiO2量、Al23量、MgO量、およびCaF2量の合計量)との量バランスを考慮し、下記式(1)で算出されるX値を定めた。なお、塊成物には、スラグを形成する成分として、CaO量、SiO2量、Al23量、MgO量、およびCaF2量以外の成分が若干含まれていることがあるが、これら以外の成分は微量であるため、本発明では考慮しないこととする。
X=1000×[(CaO)+(SiO2)+(Al23)+(MgO)+(CaF2)]/(T.Fe) ・・・(1)
本発明では、上記X値が370kg/ton以下となるように、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤等の配合量を調整する。上記X値が370kg/tonを超えると、T.Feに対するスラグ量が多くなり、還元鉄の凝集が阻害され、歩留まりが悪くなる。その結果、還元鉄の生産性が劣化する。従って上記X値は370kg/ton以下とする必要があり、好ましくは330kg/ton以下、より好ましくは300kg/ton以下である。上記X値は小さく、T.Feに対してスラグ量が少ない方が好ましいが、酸化鉄の還元時にはスラグは必然的に生成するため、下限は、通常、180kg/ton程度である。
このように本発明では、塊成物の成分組成に基づいて算出されるX値を所定の範囲に制御しているが、本発明者らが更に検討したところ、このX値を制御するだけでは、還元鉄の生産性を充分に向上できないことが分かった。即ち、上記X値を所定の範囲に制御することによって、上記塊成物を加熱したときに生成するスラグ量を調整しても、反応中に高融点物質を多量に形成してしまうと、スラグの溶融が遅くなる。還元鉄の凝集は、還元鉄粒子が溶融スラグ中を移動して粒子同士が会合することによって発生するため、スラグの溶融が遅くなると還元鉄の凝集が阻害されるため、還元鉄の歩留まりが悪くなり、生産性が低下する。
特に、近年では、上述したように、酸化鉄源として、低品位な鉄鉱石を用いることが求められており、低品位な鉄鉱石を用いると、生産性が低下する傾向が著しい。
低品位な鉄鉱石には、SiO2を多く含むものがある。SiO2は融点調整剤として配合するCaOと結合し、高融点のダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO2)を形成するため、金属鉄の凝集を阻害する成分である。
また、低品位な鉄鉱石には、Al23を多く含むものがある。Al23は、溶融スラグ中のSiO2やMgOと結合し、ムライト(3Al23・2SiO2)やスピネル(MgO・Al23)などを生成しやすい物質である。ムライトの融点は約1850℃、スピネルの融点は約2135℃であり、非常に高融点である。このような高融点鉱物相が形成されると、スラグの溶融が遅くなる。スラグの溶融が遅くなると、スラグの凝集および還元鉄の凝集が促進されず、製品としては使用しにくい微小サイズの還元鉄が多数発生し、生産性が低下する。
そこで本発明者らが検討したところ、塊成物中に含まれるSiO2量およびAl23量に着目し、下記式(2)で定義されるY値が0.5以上となるように、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤等の配合量を調整すれば、SiO2およびAl23に由来する高融点鉱物相の形成が抑制され、還元鉄の生産性を向上させることが明らかとなった。上記Y値は、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.90以上である。上記Y値の上限は特に限定されないが、通常、1.5程度である。
Y=(CaO)/[(SiO2)+(Al23)] ・・・(2)
以上、本発明を特徴づける塊成物中のT.Fe量に対するスラグ量と、塊成物の成分組成に基づいて算出されるY値について説明した。
次に、本発明に係る還元鉄の製造方法について説明する。
本発明に係る還元鉄の製造方法は、
酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む混合物を塊成化する工程(以下、塊成化工程ということがある)と、
得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元および溶融する工程(以下、加熱工程ということがある)を含むものであり、
上述したように、前記塊成物として、
該塊成物中のT.Fe量、CaO量、SiO2量、Al23量、MgO量、およびCaF2量に基づいて下記式(1)で算出されるX値が、370kg/ton以下で、
該塊成物中のCaO量、SiO2量、およびAl23量に基づいて下記式(2)で算出されるY値が0.5以上のものを用いるところに特徴がある。
X=1000×[(CaO)+(SiO2)+(Al23)+(MgO)+(CaF2)]/(T.Fe) ・・・(1)
Y=(CaO)/[(SiO2)+(Al23)] ・・・(2)
[塊成化工程]
塊成化工程では、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む混合物を塊成化して塊成物を製造する。このとき上述したように、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤等の配合量を調整することによって、上記X値とY値を適切に制御する。
上記酸化鉄源としては、具体的には、鉄鉱石、砂鉄、製鉄ダスト、非鉄精錬残渣、製鉄廃棄物などの酸化鉄含有物質を用いることができる。上記酸化鉄源としては、例えば、塊成物の質量に対して、SiO2を3.0〜5.0質量%の範囲、Al23を0.2〜4.0質量%の範囲で含有するようなものを用いることが好ましい。
上記炭素質還元剤としては、例えば、石炭やコークスなどを用いることができる。上記炭素質還元剤は、上記酸化鉄源に含まれる酸化鉄を還元できる量の炭素を含有していればよい。具体的には、上記酸化鉄源に含まれる酸化鉄を還元できる炭素量に対して、0〜5質量%の余剰または0〜5質量%の不足の範囲(即ち、±5質量%)で含有していればよい。
上記酸化鉄源および炭素質還元剤を含む上記混合物には、更に融点調整剤を配合する必要がある。上記融点調整剤とは、酸化鉄源中の脈石や、炭素質還元剤中の灰分の融点を下げる作用を有する物質を意味する。即ち、上記混合物に融点調整剤を配合することによって、塊成物に含まれる酸化鉄以外の成分(特に、脈石)の融点に影響を与え、例えばその融点を降下させることができる。それにより脈石は、溶融が促進され、溶融スラグを形成する。このとき酸化鉄の一部は溶融スラグに溶解し、溶融スラグ中で還元される。溶融スラグ中で生成した還元鉄は、固体のまま還元された還元鉄と接触することにより、固体の還元鉄として凝集する。
上記融点調整剤としては、例えば、CaO供給物質、MgO供給物質、Al23供給物質、SiO2供給物質、蛍石(CaF2)などを用いることができる。上記CaO供給物質としては、例えば、CaO(生石灰)、Ca(OH)2(消石灰)、CaCO3(石灰石)、およびCaMg(CO32(ドロマイト)よりなる群から選ばれる少なくとも一つを用いることができる。上記MgO供給物質としては、例えば、MgO粉末、天然鉱石や海水などから抽出されるMg含有物質、MgCO3よりなる群から選ばれる少なくとも一つを配合してもよい。上記Al23供給物質としては、例えば、Al23粉末、ボーキサイト、ベーマイト、ギブサイト、ダイアスポアなどを配合できる。上記SiO2供給物質としては、例えば、SiO2粉末や珪砂などを用いることができる。
上記塊成物は、酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤以外の成分として、バインダーなどが更に配合されていてもよい。上記バインダーとしては、例えば、多糖類など(例えば、コーンスターチや小麦粉等の澱粉など)を用いることができる。
上記酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤は、混合する前に予め粉砕しておくことが好ましい。例えば、上記酸化鉄源は平均粒径が10〜60μm、上記炭素質還元剤は平均粒径が10〜60μm、上記融点調整剤は平均粒径が5〜90μmとなるように粉砕することが推奨される。
上記酸化鉄源等を粉砕する手段は特に限定されず、公知の手段を採用できる。例えば、振動ミル、ロールクラッシャ、ボールミルなどを用いればよい。
上述した原料の混合は、回転容器形の混合機や固定容器形の混合機で実施される。混合機の型式としては、回転容器形には、回転円筒形、二重円錐形、V形など、固定容器形には混合槽内に回転羽(例えば、鋤など)を設けたものがあるが、特にその方式には限定されない。
上記混合物を塊成化する塊成機としては、例えば、皿形造粒機(ディスク形造粒機)、円筒形造粒機(ドラム形造粒機)、双ロール型ブリケット成型機などを用いることができる。
上記塊成物の形状は特に限定されず、成型はペレット、ブリケット、押し出しのいずれで実施しても構わない。
[加熱工程]
加熱工程では、上記塊成化工程で得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元および溶融することによって還元鉄を製造する。
上記塊成物の加熱は、例えば、電気炉や移動炉床式加熱炉で行えばよい。移動炉床式加熱炉とは、炉床がベルトコンベアのように炉内を移動する加熱炉であり、例えば、回転炉床炉やトンネル炉が挙げられる。上記回転炉床炉は、炉床の始点と終点が同じ位置になるように、炉床の外観形状が円形(ドーナツ状)に設計されており、炉床上に装入された塊成物に含まれる酸化鉄は、炉内を一周する間に加熱還元されて還元鉄を生成する。従って、回転炉床炉には、回転方向の最上流側に塊成物を炉内に装入する装入手段が設けられ、回転方向の最下流側(回転構造であるため、実際には装入手段の直上流側になる)に排出手段が設けられる。上記トンネル炉とは、炉床が直線方向に炉内を移動する加熱炉である。
上記塊成物は、1300℃以上で加熱して加熱還元することが好ましい。加熱温度が1300℃を下回ると、還元鉄やスラグが溶融しにくく、高い生産性が得られないことがある。従って加熱温度は、1300℃以上とすることが好ましく、より好ましくは1400℃以上である。なお、加熱温度が1500℃を超えると、排ガス温度が高くなるため、排ガス処理設備が大掛かりなものとなって設備コストが増大する。従って加熱温度は1500℃以下とすることが好ましく、より好ましくは1480℃以下である。
上記電気炉や移動炉床式加熱炉に上記塊成物を装入するに先立ち、炉床保護のために床敷材を敷くことが望ましい。上記床敷材としては、上記炭素質還元剤として例示したものの他、耐火性粒子(例えば、耐火セラミックス等)を用いることができる。上記床敷材の粒径は、塊成物やその溶融物が潜り込まないように3mm以下であることが好ましい。粒径の下限については、バーナーの燃焼ガスによって吹き飛ばされないように0.5mm以上であることが好ましい。
[その他]
上記加熱工程で得られた還元鉄は、副生したスラグや、必要に応じて敷かれた床敷材等と共に炉内から排出し、篩や磁選機等を用いて選別して回収すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む混合物を塊成化し、塊成物を製造した。上記酸化鉄源としては鉄鉱石を用いた。上記炭素質還元剤としては炭材を用いた。上記融点調整剤としては、石灰石、ドロマイト、および蛍石を用いた。
上記酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤に、更にバインダーとして小麦粉を約1質量%と、適量の水を混合したものを、タイヤ型造粒機を用いて平均直径が19mmの生ペレットを造粒した。なお、上記酸化鉄源(鉄鉱石)は、生ペレットの質量に対してSiO2を3.0〜5.0質量%、Al23を0.2〜4.0質量%の範囲で含有するように配合した。
得られた生ペレットを乾燥機に装入し、180℃で1時間加熱して付着水を除去して乾燥した。乾燥ペレットの成分組成を下記表1に示す。下記表1において、T.Feは全鉄量を示している。
下記表1に示した成分組成に基づいて上記式(1)で算出されるX値と、上記式(2)で算出されるY値を求めた。X値とY値を下記表1に併せて示す。
次に、得られた乾燥ペレットを加熱炉に供給して1450℃で加熱し、ペレット中の酸化鉄を還元溶融させて還元鉄を製造した。なお、加熱炉の炉床保護のために、ペレットの投入に先立ち、炉床に最大粒径が2mm以下の炭材(無煙炭)を敷いた。また、加熱中は、炉内に30NL/分の流速で窒素ガスを流し、炉内は窒素雰囲気とした。
加熱後、炉内から還元鉄を含む試料を排出し、排出物を篩分けした。篩分けには、目開きが3.35mmの篩を用い、篩上を回収した。
上記加熱炉に装入した鉄の合計質量に対して、篩上の質量の割合を歩留まりと定義し、算出結果を下記表1に示す。本発明では、還元鉄の歩留まりが95%以上の場合を合格とし、生産性が向上していると評価した。なお、篩上には、Fe以外に、C、Si、Mn等も存在しているため、歩留まりは100%を超えることもある。
歩留まり(%)=(篩上の質量/加熱炉に装入した鉄の合計質量)×100
また、X値と歩留まりとの関係を図1に示す。なお、図1中、点線で囲んだ◇は、乾燥ペレットのY値が0.5を下回った例の結果を表している。
下記表1および図1から次のように考察できる。No.1〜15は、本発明で規定している要件を満足している例であり、乾燥ペレットの成分組成に基づいて算出されるX値およびY値が適切に制御されているため、還元鉄の歩留まりは95%以上となり、還元鉄の生産性が向上した。
一方、No.16〜22は、本発明で規定している要件を満足しない例である。これらのうち、No.16〜20は、乾燥ペレットの成分組成に基づいて算出されるX値が、本発明で規定している範囲を外れて大き過ぎるため、T.Feに対するスラグ量が多くなり、歩留まりは95%を下回った。従って還元鉄の生産性は向上しなかった。No.21、22は、乾燥ペレットの成分組成に基づいて算出されるY値が、本発明で規定している範囲を外れて低過ぎるため、歩留まりは95%を下回った。従って還元鉄の生産性は向上しなかった。
Figure 2014159622

Claims (2)

  1. 酸化鉄源、炭素質還元剤、および融点調整剤を含む混合物を塊成化する工程と、
    得られた塊成物を加熱して、該塊成物中の酸化鉄を還元および溶融する工程を含み、
    前記塊成物として、
    該塊成物中のT.Fe量、CaO量、SiO2量、Al23量、MgO量、およびCaF2量に基づいて下記式(1)で算出されるX値が370kg/ton以下で、且つ
    該塊成物中のCaO量、SiO2量、およびAl23量に基づいて下記式(2)で算出されるY値が0.5以上のものを用いることを特徴とする還元鉄の製造方法。
    X=1000×[(CaO)+(SiO2)+(Al23)+(MgO)+(CaF2)]/(T.Fe) ・・・(1)
    Y=(CaO)/[(SiO2)+(Al23)] ・・・(2)
    [但し、式中、( )は、塊成物中の各成分の含有量(質量%)を示している。]
  2. 前記塊成物の加熱を1300℃以上の温度で行う請求項1に記載の製造方法。
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