JP2003313614A - 低スラグ焼結鉱の製造方法 - Google Patents
低スラグ焼結鉱の製造方法Info
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Abstract
や生産性を低下させることなく、スラグ成分含有量の少
ない焼結鉱(低スラグ焼結鉱)を低コストで製造する方
法を提供する。 【解決手段】 焼結原料として配合される各種粉鉱石を
Al2O3含有量に応じて2系列(A、B)に分類し、この
各系列の粉鉱石(1、2)に対し、全焼結原料の塩基度
CaO/SiO2を所要値とするように、各系列の粉鉱石(1、
2)中の粒径1mm以下の微粉部分におけるAl2O3含有量に
応じて添加量を調整した石灰石(4A、4B)を添加
し、かつ、この石灰石(4A、4B)の添加量に応じて
配合量を調整した粉コークス(7A、7B)を配合す
る。次に、各配合物をそれぞれ混合・造粒(8A、8
B)し、各造粒物を混合(9)した後、焼結機(10)
にて焼成する。
Description
に関するものであり、特に、高Al2O3含有鉱石を使用し
て、焼結鉱の品質や生産性を低下させることなく、スラ
グ成分含有量の少ない焼結鉱(低スラグ焼結鉱)を製造
する方法に関するものである。
に伴う高炉炉下部における通気性悪化に対応すべく、高
炉の主原料である焼結鉱の低スラグ化が指向されてい
る。しかし、焼結鉱の低スラグ化は、焼結製造工程にお
いて、鉱石粒子同士を結合させる融液量が不足するた
め、焼結鉱の成品歩留が低下し、焼結充填層の通気性悪
化により生産性が低下する問題がある。
2O3含有量が低い高品位の鉱石(低Al2O3含有鉱石)の供
給が減少する一方、Al2O3含有量の高い低品位の鉱石
(高Al2O3含有鉱石)の供給が増加する傾向にあり、高A
l2O3含有鉱石を多量に使用せざるを得ない状況にある。
ところが、焼結原料中に配合される高Al2O3含有鉱石は
滓化性が悪いため融液量を減少させ、焼結鉱の成品歩留
を低下させることが知られている。
用しつつ低スラグ化しても、成品歩留や生産性が低下し
ない焼結鉱の製造技術の開発が要請されている。
がなされている。
発明は、原料鉱石を高Al2O3含有鉱石と低Al2O3含有鉱石
に分類し、高Al2O3含有鉱石側へのCaO源の添加量を全焼
結原料の平均値よりも高くなるように配合するものであ
る。この発明は、高Al2O3含有鉱石側へのCaO源の添加量
の増加によりスラグの低融点化を図ろうとするものであ
る。しかし、CaO源として通常用いる石灰石を使用した
場合、石灰石の分解吸熱により高Al2O3含有鉱石側の焼
成温度が低下してしまい、十分な強度が発現せず成品歩
留の向上が図れない問題がある。
は、焼結原料を構成する鉱石の粒径1mm未満の細粒部分
のAl2O3量とSiO2量との関係を規定したものである。こ
れにより、細粒部のスラグ成分を適正にして強度を発現
しようというものである。しかし、Al2O3量およびSiO2
量は鉱石銘柄によりほぼ決まってしまうため、細粒部分
のAl2O3量とSiO2量とを規定の範囲とするために、特定
の鉱石銘柄の1mm以上の粗粒部分をわざわざ粉砕処理し
て1mm未満の細粒にして用いる必要が生じ、コストアッ
プとなる問題がある。
結原料を構成する鉱石のうち高Al2O3含有鉱石側へ、粒
径1mm以下が50重量%以上に分級した石灰石を選択的に添
加するものである。これにより、高Al2O3含有鉱石側の
強度を改善して焼結鉱の成品歩留を向上させようとする
ものである。しかし、石灰石の分級が必要であるため、
コストアップとなる問題がある。
点を解決するためになされたもので、高Al2O3含有鉱石
を使用して、焼結鉱の品質や生産性を低下させることな
く、スラグ成分含有量の少ない焼結鉱(低スラグ焼結
鉱)を低コストで製造する方法を提供することを目的と
する。
原料として配合される各種粉鉱石をAl2O3含有量に応じ
て少なくとも2系列に分類し、この分類された各系列の
粉鉱石に対し、全焼結原料の塩基度CaO/SiO2を所要値と
するように、各系列の粉鉱石中の粒径1mm以下の微粉部
分におけるAl2O3含有量に応じて下記の式(1)に従い添
加量を調整したCaO源を添加し、かつ、このCaO源中のCa
CO3成分の添加量に応じて配合量を調整した粉体燃料を
配合し、この各系列の配合物をそれぞれ混合・造粒した
後、この各系列の造粒物を混合して全焼結原料とし、こ
の全焼結原料を焼成することを特徴とする低スラグ焼結
鉱の製造方法である。 式(1) Al2O3≦0.8質量%のとき CaO/Fe2O3≧0.05 0.8質量%<Al2O3≦1.2質量%のとき CaO/Fe2O3≧0.225Al2
O3-0.13 Al2O3>1.2質量%のとき CaO/Fe2O3≧0.14 ここに、Al2O3及びFe2O3は、各系列の粉鉱石中の粒径1m
m以下の微粉部分におけるAl2O3含有量及びFe2O3含有量
(質量%)であり、CaOは、各系列の粉鉱石に添加するCa
O源中の全CaO成分の、各系列の粉鉱石の粒径1mm以下の
微粉部分に対する質量割合である。
おいて、各種粉鉱石の分類を、0.8〜1.2質量%の範囲か
ら任意に選択したAl2O3含有量を境界として2系列に分
類し、以下、上記請求項1と同様の操作を行うことを特
徴とする低スラグ焼結鉱の製造方法である。
しつつ、全焼結原料の粉体燃料の配合量を所定値とする
ように、前記各系列の粉鉱石に対する粉体燃料の配合量
を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の低
スラグ焼結鉱の製造方法である。 式(2) C≧0.0496×CaCO3-0.0294×CaO+3.23 ここに、Cは、各系列の配合物に対する粉体燃料中のC分
の配合量(質量%)であり、CaCO3は、各系列の配合物に
対するCaO源中のCaCO3成分の添加量(質量%)であり、C
aOは、各系列の配合物に対するCaO源中のCaCO3成分を除
くCaO成分(Ca(OH)2成分中のCaO分を含む)の添加量
(質量%)である。
れる各種粉鉱石を、0.8〜1.2質量%の範囲から任意に選
択したAl2O3含有量を境界として、Al2O3含有量の高い側
を第1系列とし、Al2O3含有量の低い側を第2系列とし
て2系列に分類し、第1系列の粉鉱石に対しては、上記
式(1)および式(2)を同時に満足するようにCaO源お
よび粉体燃料を配合し、かつ、第2系列の粉鉱石に対し
ては、全焼結原料の塩基度CaO/SiO2および全焼結原料中
の粉体燃料の配合量を所定値とするように、CaO源およ
び/または粉体燃料を配合し、これら2系列の配合物を
それぞれ混合・造粒した後、これら2系列の造粒物を混
合して全焼結原料とし、この全焼結原料を焼成するもの
であって、乾量基準で、第1系列の造粒物の割合を全焼
結原料の50質量%以上とすることを特徴とする低スラ
グ焼結鉱の製造方法である。
「%」は「質量%」を意味するものとする。焼結鉱は酸
化鉄粒子をスラグ成分の融体で結合する溶融結合(ボン
ド)により塊成化される。焼結鉱の成品歩留や生産性は
このボンドの形成によって大きく左右される。
においては、高温での反応時間が極めて短いため、ボン
ドを迅速に形成させることが必要となる。一般に焼結原
料には7%程度の水分を含有させて擬似粒子化を促進する
ことによって原料層の通気性を維持している。この擬似
粒子は1mm超の粗粒鉱石を核とし、その周りに1mm以下の
微粉が付着して形成される。そして、焼結時には1mm以
下の微粉部分を起点として融液が生成する。この融液は
周りの粗粒を溶かし込みながらその量を増加していく
が、焼結時間が短いため粗粒は未溶融の部分を残したま
ま、融液が凝固しボンドが形成される。
状に関わらず、ほぼ1mm以下の微粉部分の性状で決定さ
れる。したがって、1mm以下の微粉部分のAl2O3含有量が
高いと融液の生成量が不足し、ボンドの形成が不十分と
なる。
先ず、各種粉鉱石をAl2O3含有量に応じて少なくとも2
系列に分類する。上記のボンド生成機構からすると、本
来は各種粉鉱石を粒径1mm以下の微粉部分のAl2O3含有量
に応じて分類すべきものである。しかし、粒径1mm以下
の微粉部分のAl2O3含有量と粉鉱石全体のAl2O3含有量と
は実質的に同等であるので、篩い分け後の化学分析の手
間を省略するため粉鉱石全体のAl2O3含有量で分類する
ものである。次いで、各系列ごとに粉鉱石中の粒径1mm
以下の微粉部分におけるAl2O3含有量に応じてCaO源の添
加量を調整することによって、必要な融液量を確保しボ
ンドの十分な形成を可能とするものである。具体的に
は、各系列の粉鉱石へのCaO源の添加量は、式(1)を
満足するように、Al2O3含有量が少ない場合には少な
く、高い場合には高くする。ただし、高炉原料である焼
結鉱の塩基度CaO/SiO2は、高炉スラグの塩基度を維持す
るため、他の高炉原料(ペレットや塊鉱石など)との配
合割合により定まる所要値とする必要がある。したがっ
て、全焼結原料の塩基度もこの所要値とする必要があ
り、この制限の下で式(1)を満たしつつ、各系列の粉
鉱石へのCaO源の添加量を適宜振り分ければよい。
た。
場合における融液生成の程度を定量化するため、以下の
実験を行った。
の異なる各種粉鉱石および返鉱(表1参照)を500μm以
下に粉砕し、この微粉部分のそれぞれに、同じく500μm
以下に粉砕した石灰石(表1参照)を、添加量を変化さ
せて添加し、粒径2〜4mmのペレットを作成した(本実験
において、粉砕粒径を1mm以下でなく500μm以下とした
のは、ペレットの造粒を容易にするためであり、本実験
のデータは粒径1mm以下のものにも同様に適用できるも
のである。)。これを大気雰囲気中で1300℃×5分間加熱
し(焼結時の焼成温度パターンに近似させた)、冷却後
にペレットの断面を顕微鏡観察して溶融率(観察視野内
の一定範囲に存在する全組織の面積に対する溶融後組織
の面積の割合)を求めた。測定の結果に基づき、図2に
CaO/Fe2O3と溶融率との関係を示す。図中の実線は、微
粉部分のAl2O3含有量が1.2%超の高Al2O3含有鉱石(鉱石
C、鉱石D、返鉱)のデータを示し、破線は、微粉部分
のAl 2O3含有量が0.8%以下の低Al2O3含有鉱石(鉱石A、
鉱石B)のデータを示す。
得られるのは、低Al2O3含有鉱石(微粉部分のAl2O3含有
量が0.8%以下)の場合には、微粉部分のAl2O3含有量に
関わらず、CaO/Fe2O3が0.05以上であり、高Al2O3含有鉱
石(微粉部分のAl2O3含有量が1.2%超)の場合にも、微
粉部分のAl2O3含有量に関わらず、CaO/Fe2O3が0.14以上
であることがわかった。この実験結果に基づいて、微粉
部分のAl2O3含有量が0.8%以下および1.2%超の場合に
は、CaO/Fe2O3の値をそれぞれ一定値とし、0.8%<Al2O3
≦1.2%の範囲については、Al2O3含有量の増加にともな
いCaO/Fe2O3の値を直線的に増加させることとし、式
(1)を得たものである。
などが用いられるが、通常は最も安価な石灰石が主とし
て用いられる。前述したように、石灰石はCaCO3を主成分
とすることから加熱時に分解吸熱するため、単に高Al2O
3含有鉱石側にCaO源である石灰石を多量配合するのみで
は、焼成温度が低下してしまい、却って融液量が減少し
てしまう。そこで本発明は、石灰石の添加量に応じて粉
体燃料の配合量を調整することにより、石灰石の分解吸
熱分を補填して焼成温度を維持し、融液量を確保するも
のである。
任意に選択したAl2O3含有量を境界として2系列とする
ことが推奨される。すなわち、上記溶融率の測定実験か
ら明らかなように、Al2O3含有量が0.8%未満と1.2%以上
とで必要なCaO源の添加量(CaO/Fe2O3)のレベルが明確
に異なるからである。
を、式(2)を満足しつつ、全焼結原料中の粉体燃料の
配合量を所定値とするように調整することにより、粉体
燃料の全消費量を増加させることなく、各系列の造粒物
についての焼成温度を確実に維持し、融液量を確保する
ことができる。ここに、式(2)は、CaO源中のCaCO3成
分の添加量と粉体燃料中のC成分の添加量を種々変化さ
せて、Cの燃焼発熱量やCaCO3の分解吸熱量などを考慮し
た熱収支計算を行い、焼結時の焼成温度を維持できるCa
CO3成分の添加量とC成分の添加量との組み合せを抽出
し、これを統計処理することにより求めたものである。
の範囲から任意に選択したAl2O3含有量を境界として各
種粉鉱石を2系列に分類する場合において、高Al2O3含
有量側の系列(第1系列)の鉱石に対して、式(1)お
よび式(2)を同時に満たすようにCaO源および粉体燃
料を配合し、この系列の造粒物の割合を全焼結原料の5
0質量%以上(乾量基準)としさえすれば、低Al2O3含
有量側の系列(第2系列)の鉱石に対しては必ずしも式
(1)、式(2)を満たす必要がないことが明らかとな
った。これは、以下の実験結果に基づくものである。
石に式(1)を満たす量のCaO源を添加し造粒した粒径2
〜4mmのペレット(第1系列)と、低Al2O3含有量側の鉱
石にCaO源を添加しない(すなわち、式(1)を満たさ
ない)で造粒した粒径2〜4mmのペレット(第2系列)と
を配合割合を種々変化させて混合し、これを大気雰囲気
中にて所定温度で5分間加熱し、溶融率を測定した結果
を示すものである。図3から明らかなように、加熱温度
が1300℃、1350℃のいずれの場合でも、第1系
列のペレットの配合割合の増加とともに溶融率が上昇
し、配合率が50%以上になるとほぼ一定の溶融率が得
られることが分かった。この結果より、高Al 2O3含有量
側の鉱石に対して式(1)および式(2)を満足させて
溶融性を向上させた造粒物を全焼結原料中に多目に(乾
量基準で50%以上)配合しさえすれば、低Al2O3含有
量側の鉱石は高Al2O3含有量側の鉱石より元々溶融性が
優れているため必ずしも式(1)、式(2)を満足させ
てこれ以上溶融性を高めなくてもよいものと考えられ
る。
するCaO源および粉体燃料の配合量の制約がなくなるた
め、高Al2O3含有量側へのCaO源および粉体燃料の配合量
の範囲が拡大される。その結果、焼結原料全体に配合す
る粉鉱石の種類の選択範囲、組み合わせの自由度等が格
段に増大する効果が得られる。
て詳細に説明する。
法の実施に係るプロセスフローを示す図である。先ず、
事前に各種粉鉱石をAl2O3含有量に応じて2系列に分類
する。例えば境界値をAl2O3含有量1%として、1%以上の
ものを高Al2O3含有鉱石1、1%未満のものを低Al2O3含有
鉱石2とする。そして、第1系列の焼結原料ラインA
に、高Al2O3含有鉱石1、返鉱3、石灰石4A、生石灰
5A、珪石6A、粉コークス7Aをそれぞれ所定量切り
出して混合造粒機8Aに供給する。一方、第2系列の焼
結原料ラインBに、低Al2O3含有鉱石2、石灰石4B、
生石灰5B、珪石6B、粉コークス7Bをそれぞれ所定
量切り出して混合造粒機8Bに供給する。生石灰5Aお
よび5Bは、造粒の際の擬似粒子化促進のためバインダ
として所定量添加するものであり、生石灰に代えて消石
灰を添加してもよい。珪石6Aおよび6Bは、焼結鉱の
強度維持を目的としてスラグ量を増加させるため添加す
るものであるが、低スラグ化のためには、強度が維持で
きる(成品歩留が低下しない)範囲で極力少なくする方
がよい。石灰石4Aおよび4Bの添加量は、以下のよう
にして決定する。すなわち、焼結鉱の所要の塩基度CaO/
SiO2から、添加すべき全CaO量を計算する。なお、焼結
鉱の所要の塩基度は、前述したように、高炉へのペレッ
トや塊鉱石などの他の高炉原料の配合割合によって変化
するものであるが、通常、1.5〜2.5の範囲にある。この
全CaO量から前記生石灰(または消石灰)5Aおよび5
B中のCaO量を除した残部のCaO量を求める。この残部の
CaO量が、石灰石4Aと4Bとの合計添加量中のCaOに相
当する。次いで、第1、第2の両系列A、Bに対して、と
もに式(1)を満足するように、前記残部のCaO量を適
宜配分することにより、石灰石4Aおよび4Bの添加量
が求まる。次いで、粉コークス7Aおよび7Bの配合量
は、合計量を全焼結原料に対する所定の粉コークス配合
量に維持しつつ、式(2)を満足するように、両系列に
適宜配分することにより求められる。なお、粉コークス
の全焼結原料に対する所定の配合量は、使用する原料の
種類や配合条件、焼結機の操業条件等により変化するも
のであるが、通常、25〜45kg/t-全焼結原料(乾粉)の
範囲にある。
もに式(1)および式(2)を満足させる配合とする代
わりに以下のように配合してもよい。まず、第1の系列
の造粒物の割合を全焼結原料の50質量%以上(乾量基
準)となるように定める。そして、第1の系列Aに対し
て式(1)および式(2)を満足するように、石灰石4
Aの添加量および粉コークス7Aの配合量を定め、第2
の系列Bに対しては、残りの石灰石および粉コークスを
添加することとする。この場合、第2系列は必ずしも式
(1)、式(2)を満足させる必要はない。
り出した各原料をそれぞれ混合造粒機8Aおよび8Bに
おいて、所定量の水分を添加して混合・造粒する。この
ようにして造粒した各造粒物を混合機9内で混合して焼
結原料(全焼結原料)とした後、この焼結原料(全焼結
原料)を焼結機10で焼結する。これにより、焼結鉱内
にボンドを十分に形成させることができ、製品歩留や生
産性を低下させることなく低スラグ焼結鉱が得られる。
を含有する高炉ダスト、転炉ダスト、ミルスケールなど
の製鉄所ダストを用いてもよい。
石灰の他に、ドロマイトや転炉スラグなどを用いること
ができる。
炭などの石炭、高炉ダストや転炉ダストなどCを高濃度
に含有する製鉄ダスト、廃プラスチックなどを用いるこ
とができる。
しては、珪石の他に蛇紋岩などを用いてもよい。なお、
蛇紋岩は高炉スラグのMgO成分調整用として焼結鉱に添
加してもよい。
試験を実施した。焼結鍋試験は、内径100mm×高さ330mm
の焼結鍋試験装置を用いて負圧3.5kPa(一定)の条件で
実施した。表2に本試験に用いた原料の化学成分および
粒径1mm以下の微粉部分の割合を示す。鉱石AおよびB
は南米産粉鉱石、鉱石C、DおよびEは豪州産粉鉱石で
ある。珪石は、成品焼結鉱中SiO2が4.84%となるように
配合し、石灰石は、成品焼結鉱のCaO/SiO2が2.14となる
ように配合した。また、新原料に対してそれぞれ外装で
返鉱20%と粉コークス5.3%とを配合し、焼結原料(乾
粉)に対して内装で水分7.0%を配合した。
3に示す配合条件で一括して混合・造粒して焼結原料を
作製した。
2系列に分類して、Al2O3含有量が1%以上の鉱石C〜E
および返鉱(高Al2O3含有鉱石)を第1系列の原料とし、
1%未満の鉱石AおよびB(低Al2O3含有鉱石)を第2系列
の原料とした。そして、各系列ごとに石灰石および粉コ
ークスの添加量を式(1)および(2)を満たすように
分配した。表4に各系列ごとの配合条件および両系列の
合計配合条件を示す。また、表4に各系列ごとの1mm以
下の微粉部分のAl2O3含有量およびCaO/Fe2O3と、式
(2)の左辺−右辺の値を併せて示す。
第2系列への石灰石の添加をなくして第1系列へ全量石
灰石を配合したが、この場合にも各系列ごとに式(1)
は満たしている。さらに、各系列ごとに式(2)を満た
すように、粉コークスの添加量の分配を変更した。表5
に各系列ごとの配合条件および両系列の合計配合条件を
示す。また、表5に各系列ごとの1mm以下の微粉部分のA
l2O3含有量およびCaO/Fe2O3を併せて示す。
り、第2系列における1mm以下の微粉部分のCaO/Fe2O 3の
値が第1系列における1mm以下の微粉部分のCaO/Fe2O3の
値より大きくなるように各系列への石灰石の添加量を分
配した例である。表6に各系列ごとの配合条件および両
系列の合計配合条件を示す。また、表6に各系列ごとの
1mm以下の微粉部分のAl2O3含有量およびCaO/Fe2O3と、
式(2)の左辺−右辺の値を併せて示す。この場合、第
1系列の配合物の-1mm,CaO/Fe2O3の値が式(1)を満た
さず、本方法は本発明の技術的範囲に属しない。
コークスの添加量の分配のみを変更した。表7に各系列
ごとの配合条件および両系列の合計配合条件を示す。ま
た、表7に各系列ごとの1mm以下の微粉部分のAl2O3含有
量およびCaO/Fe2O3と、式(2)の左辺−右辺の値を併
せて示す。表7から明らかなように、上記本発明例2と
は異なり、系列1について式(2)を満足せず、本方法
は本発明の技術的範囲に属しない。
についての焼結鍋試験の結果を表8に示す。表8から明
らかなように、本発明例1、2は、従来方法である比較
例1および石灰石または粉コークスの分配が不適な比較
例2、3より成品歩留、生産率とも高く、本発明により
焼結鉱の強度改善が図られた。さらに、RDIについて
も、本発明例1、2は比較例1〜3より低下しており、
高炉内における低温還元粉化性も改善されている。
第2系列への生石灰の添加をなくして第1系列へ全量生
石灰を配合した。この結果、第1系列は式(1)を満た
すが、第2系列は式(1)を満たさなくなった。なお、
粉コークスの添加量は変更せず、両系列とも式(2)を
満たしている。また、第1系列の造粒物の全焼結原料に
対する配合割合は76質量%(乾量基準)であった。表
9に各系列ごとの配合条件および両系列の合計配合条件
を示す。また、表9に各系列ごとの1mm以下の微粉部分
のAl2O3含有量およびCaO/Fe2O3を併せて示す。
1系列への粉コークス添加量の一部を第2系列に振り替
えた例である。表10に各系列ごとの配合条件および両
系列の合計配合条件を示す。また、表10に各系列ごと
の1mm以下の微粉部分のAl2O3含有量およびCaO/Fe2O
3と、式(2)の左辺−右辺の値を併せて示す。この場
合、第1系列の配合物に対して式(2)を満たさず、本
方法は本発明の技術的範囲に属しない。
の焼結鍋試験の結果を表11に示す。表11および上記
表8から明らかなように、本発明例3では、本発明例
1、2とほぼ同等の優れた成品歩留、生産率、RDIが
得られた。一方、比較例4では、本発明例1〜4に比べ
て製品歩留、生産率、RDIとも劣っている。
本発明によれば、高Al2O3含有鉱石を使用して、焼結鉱
の品質や生産性を低下させることなく、スラグ成分含有
量の少ない焼結鉱(低スラグ焼結鉱)を低コストで製造
する方法を提供できる。
ー図である。
ある。
側)の造粒物の配合割合と溶融率との関係を示すグラフ
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 焼結原料として配合される各種粉鉱石をA
l2O3含有量に応じて少なくとも2系列に分類し、この分
類された各系列の粉鉱石に対し、全焼結原料の塩基度Ca
O/SiO2を所要値とするように、各系列の粉鉱石中の粒径
1mm以下の微粉部分におけるAl2O3含有量に応じて下式1
に従い添加量を調整したCaO源を添加し、かつ、このCaO
源中のCaCO3の添加量に応じて配合量を調整した粉体燃
料を配合し、この各系列の配合物をそれぞれ混合・造粒
した後、この各系列の造粒物を混合して全焼結原料と
し、この全焼結原料を焼成することを特徴とする低スラ
グ焼結鉱の製造方法。 式1 Al2O3≦0.8質量%のとき CaO/Fe2O3≧0.05 0.8質量%<Al2O3≦1.2質量%のとき CaO/Fe2O3≧0.225Al2
O3-0.13 Al2O3>1.2質量%のとき CaO/Fe2O3≧0.14 ここに、Al2O3及びFe2O3は、各系列の粉鉱石中の粒径1m
m以下の微粉部分におけるAl2O3含有量及びFe2O3含有量
(質量%)であり、CaOは、各系列の粉鉱石に添加するCa
O源中の全CaO成分の、各系列の粉鉱石の粒径1mm以下の
微粉部分に対する質量割合である。 - 【請求項2】 焼結原料として配合される各種粉鉱石
を、0.8〜1.2質量%の範囲から任意に選択したAl2O3含有
量を境界として2系列に分類し、この分類された各系列
の粉鉱石に対し、下式1を満足しつつ、全焼結原料の塩
基度CaO/SiO2を所要値とするように、添加量を調整した
CaO源を添加し、かつ、このCaO源中のCaCO3成分の添加
量に応じて配合量を調整した粉体燃料を配合し、この各
系列の配合物をそれぞれ混合・造粒した後、この各系列
の造粒物を混合して全焼結原料とし、この全焼結原料を
焼成することを特徴とする低スラグ焼結鉱の製造方法。 式1 Al2O3≦0.8%のとき CaO/Fe2O3≧0.05 0.8%<Al2O3≦1.2%のとき CaO/Fe2O3≧0.225×Al2O3-0.1
3 Al2O3>1.2%のとき CaO/Fe2O3≧0.14 ここに、Al2O3及びFe2O3は、各系列の粉鉱石中の粒径1m
m以下の微粉部分におけるAl2O3含有量及びFe2O3含有量
であり、CaOは、各系列の粉鉱石に添加するCaO源中の全C
aO成分の、各系列の粉鉱石の粒径1mm以下の微粉部分に
対する質量割合である。 - 【請求項3】 下式2を満足しつつ、全焼結原料中の粉
体燃料の配合量を所定値とするように、前記各系列の粉
鉱石に対する粉体燃料の配合量を調整することを特徴と
する請求項1又は2に記載の低スラグ焼結鉱の製造方
法。 式2 C≧0.0496×CaCO3-0.0294×CaO+3.23 ここに、Cは、各系列の配合物に対する粉体燃料中のC成
分の配合量(質量%)であり、CaCO3は、各系列の配合物
に対するCaO源中のCaCO3成分の添加量(質量%)であ
り、CaOは、各系列の配合物に対するCaO源中のCaCO3成
分を除くCaO成分(Ca(OH)2成分中のCaO分を含む)の添
加量(質量%)である。 - 【請求項4】 焼結原料として配合される各種粉鉱石
を、0.8〜1.2質量%の範囲から任意に選択したAl2O3含有
量を境界として、Al2O3含有量の高い側を第1系列と
し、Al2O3含有量の低い側を第2系列として2系列に分
類し、第1系列の粉鉱石に対しては、下式1および下式
2を同時に満足するようにCaO源および粉体燃料を配合
し、かつ、第2系列の粉鉱石に対しては、全焼結原料の
塩基度CaO/SiO2および全焼結原料中の粉体燃料の配合量
を所定値とするように、CaO源および/または粉体燃料
を配合し、これら2系列の配合物をそれぞれ混合・造粒
した後、これら2系列の造粒物を混合して全焼結原料と
し、この全焼結原料を焼成するものであって、乾量基準
で、第1系列の造粒物の割合を全焼結原料の50質量%
以上とすることを特徴とする低スラグ焼結鉱の製造方
法。 式1 Al2O3≦0.8%のとき CaO/Fe2O3≧0.05 0.8%<Al2O3≦1.2%のとき CaO/Fe2O3≧0.225×Al2O3-0.1
3 Al2O3>1.2%のとき CaO/Fe2O3≧0.14 ここに、Al2O3及びFe2O3は、各系列の粉鉱石中の粒径1m
m以下の微粉部分におけるAl2O3含有量及びFe2O3含有量
であり、CaOは、各系列の粉鉱石に添加するCaO源中の全C
aO成分の、各系列の粉鉱石の粒径1mm以下の微粉部分に
対する質量割合である。 式2 C≧0.0496×CaCO3-0.0294×CaO+3.23 ここに、Cは、各系列の配合物に対する粉体燃料中のC成
分の配合量(質量%)であり、CaCO3は、各系列の配合物
に対するCaO源中のCaCO3成分の添加量(質量%)であ
り、CaOは、各系列の配合物に対するCaO源中のCaCO3成
分を除くCaO成分(Ca(OH)2成分中のCaO分を含む)の添
加量(質量%)である。
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