JP2020084241A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結鉱の強度を損なわずに、焼結鉱の被還元性(RI)を高める。【解決手段】焼結鉱のSiO2が4.5質量%以上5.0質量%以下、CaOが8.5質量%以上9.0質量%以下となるように、SiO2及びCaOの組成が調整され、かつ、焼結鉱のFeOが3.0質量%以上5.0質量%以下となるように、炭材が配合された焼結原料を造粒し、焼成する焼結鉱の製造方法において、生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、1.8%質量以上であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、強度を損なわずに、被還元性に優れた焼結鉱を製造することができる焼結鉱の製造方法に関する。
一般に、焼結鉱は、焼結原料(主原料の鉄鉱石[粉]、副原料の石灰石、生石灰、橄欖岩等、燃料[炭材]のコークス、無煙炭等、雑原料のスケール等、及び、返鉱)を混合、造粒し、造粒した擬似粒子を焼結機に装入し、表層の燃料に点火後、下向きに通風して焼成し製造されている。
焼結原料(擬似粒子)の焼成過程で、焼結原料は、燃料(粉コークス、無煙炭等)の燃焼熱で、1300℃前後まで加熱されるが、1200℃前後を超えるところで、擬似粒子中に融液が生成し、温度の上昇に伴い融液量が増加して、最終的に、粗粒鉄鉱石間に結合相が形成される。
焼結鉱の品質は、未溶融で残留する粗粒鉄鉱石(粉)の特性、及び、焼結過程で発生する結合相の量、拡がり程度、及び/又は、結合態様を含む組織で決まるといえる。焼結鉱の品質を評価する指標、例えば、落下強度(SI)、被還元性(RI)、及び、還元粉化性(RDI)は、焼結鉱の組織に密接に関連し、かつ、相互に影響し合うので、焼結鉱の品質の向上は、一律には達成できない。
例えば、高炉に装入する焼結鉱として重要な被還元性の向上は、主に、次の2つの観点から検討されてきた。
(a)還元が容易でないマグネタイト組織(通常、化学分析値のFeO量で見ることが多い。)を低減する(例えば、特許文献1及び2、参照)。
(b)スラグ組織の源となるSiO2量を低減する(例えば、特許文献3〜5、参照)。
特許文献1には、成品焼結鉱のSiO2含有量が4.30〜5.30wt%、塩基度(CaO/SiO2)が1.90〜2.20、FeO含有量が3.0〜7.0wt%となるように原料及び燃料を調製し、焼結することを特徴とする焼結鉱の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、SiO2含有率が3.8〜4.5質量%の低SiO2焼結鉱の製造方法であって、結晶水含有率が4質量%以上の高結晶水鉱石を全鉄鉱石配合量に対して30質量%以上配合し、粒径1.0mm以下の比率が8〜70質量%のドロマイトを使用し、焼結鉱中のFeO含有率を8〜12質量%に、MgO含有率を1.5〜4.0質量%に調整することを特徴とする低SiO2焼結鉱の製造方法が開示されている。
しかし、いずれの低減策においても、焼結鉱の強度が低下するという弊害があり、強度確保の観点から、SiO2量、及び/又は、FeO量のさらなる低減、即ち、焼結鉱の被還元性の向上には限界がある。
特開昭61−281829号公報 特開2006−045600号公報 特開2004−315918号公報 特開2008−196027号公報 特開2009−114537号公報 特開昭57−013127号公報 特開昭60−248827号公報 特開昭61−288022号公報
そこで、本発明は、焼結鉱の強度を損なわずに、焼結鉱の被還元性(RI)を高めることを課題とし、該課題を解決する焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、焼結原料に、所要量の生石灰(CaO)を配合して焼成すれば、焼結鉱の強度を損なわずに、被還元性を高めることができることを見いだした。
従来から、生石灰を焼結原料に配合し、焼結原料の造粒性を高めること(例えば、特許文献6)、また、焼結鉱の塩基度を調整する石灰石の一部に替えて生石灰を用いること(例えば、特許文献7及び8)は知られているが、本発明においては、焼結鉱の強度を損なわずに、被還元性を高める有意の配合成分として生石灰を活用する。この点については、後述する。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)焼結鉱のSiO2が4.5質量%以上5.0質量%以下、CaOが8.5質量%以上9.0質量%以下となるように、SiO2及びCaOの組成が調整され、かつ、焼結鉱のFeOが3.0質量%以上5.0質量%以下となるように、炭材が配合された焼結原料を造粒し、焼成する焼結鉱の製造方法において、
生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、1.8%質量以上である
ことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)前記生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、3.0質量%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記焼結原料の造粒時、焼結原料に添加する水の温度が40℃以上60℃以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、強度を損なわずに、被還元性に優れる焼結鉱を製造することができる。
高炉原料中の焼結鉱の比率(焼結鉱比)と焼結鉱の塩基度(C/S)の関係を示す図である。
本発明の焼結鉱の製造方法(以下「本発明製造方法」ということがある。)は、焼結鉱のSiO2が4.5質量%以上5.0質量%以下、CaOが8.5質量%以上9.0質量%以下となるように、SiO2及びCaOの組成が調整され、かつ、焼結鉱のFeOが3.0質量%以上5.0質量%以下となるように、炭材が配合された焼結原料を造粒し、焼成する焼結鉱の製造方法において、
生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、1.8%質量以上である
ことを特徴とする。
また、本発明製造方法は、(i)前記生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、3.0質量%以下であること、及び/又は、(ii)前記焼結原料の造粒に際し、焼結原料に添加する水の温度が40℃以上60℃以下であることを特徴とする。
以下、本発明製造方法について説明する。
本発明製造方法においては、前述したように、焼結鉱の強度を損なわずに、被還元性を高める配合成分として、生石灰(CaO)を活用する。この点が、本発明製造方法の特徴であるが、焼結鉱の強度が向上する理由は、次の機構によると想定される。
焼結原料に生石灰(CaO)を配合すれば、造粒時に添加する水(又は温水)で水和反応が起き、Ca(OH)2が生成するが、水和反応で消費される量を超える十分な量の生石灰(CaO)を当初に配合しておけば、造粒過程でCa(OH)2が生成しても、造粒後の焼結原料中に生石灰(CaO)が残存する。
通常、焼結鉱製造時のCaO源として供される石灰石は、焼成中、脱酸反応による、大きな吸熱作用をなすが、生石灰(CaO)は、直接、溶融反応に供されるので、熱的に有利に作用する。
例えば、焼結原料のコークス配合量を低減して、焼成温度を低温化すると、焼結鉱のFeO量は低減するものの、生成する融液の量が不足する。即ち、焼結鉱中のマグネタイト組織の生成抑制により被還元性は向上するが、強度の低下を同時に招く。
このとき、造粒後の焼結原料中に生石灰(CaO)が残存していると、生石灰(CaO)は、石灰石に比較して、焼成時、局所的な吸熱作用をなさないので、焼成過程で、粗粒鉄鉱石間を結合する結合相を形成する初期融液の生成量を増加させるとともに、融液の流動性を向上させる。
この生石灰(CaO)の残存効果によって、焼結原料の焼成が十分に進行して、粗粒鉄鉱石間に、強固な結合相を十分な量で形成することができる。その結果、焼成温度の低温化に伴う強度の低下を抑制して、焼結鉱の強度や歩留を損なわずに、焼結鉱の被還元性を高めることができる。
生石灰の配合量は、炭材及び返鉱を除く焼結原料(以下「新原料」ということがある。)に対する割合で、1.8%質量以上とする。
ここで、表1に、焼結原料の構成を示す。
表2に、焼結原料(擬似粒子)の配合例を示す。
返鉱は、焼結鉱を粉砕・整粒した後の篩下で、高炉用原料として適さない粉状焼結鉱である。炭材は、主として、コークスと無煙炭である。コークス、無煙炭以外の雑熱源は、例えば、CDQ粉、炭素含有ダスト類である。
返鉱と炭材の配合割合は、通常、(主原料+副原料)の外数で表示する。返鉱と炭材の配合割合は、(主原料+副原料)の量及び組成、さらに、焼成条件に応じて、適宜、設定される。通常、返鉱は、10〜25質量%で、炭材は、2.5〜5.0質量%である。
このように、焼結原料の配合割合は、新原料の総量を基礎として設定するので、副原料の一つの生石灰の配合量は、基礎となる新原料の量に対する割合で規定する。表2に示す配合割合において、生石灰の割合は、2.2質量%(新原料=鉄鉱石83.5+橄欖岩2.0+石灰石12.3+生石灰2.2=100)である。
生石灰の配合量が、新原料に対する割合で、1.8%質量未満であると、造粒過程で、大部分の生石灰が、造粒時に添加する水で水和して、Ca(OH)2が生成し、残存する生石灰(CaO)が少量となり、焼成過程で、粗粒鉄鉱石間を結合する結合相を形成する初期融液の生成量が減少して、粗粒鉄鉱石間に、強固な結合相が十分な量形成されない。
それ故、生石灰の配合量は、新原料に対する割合で、1.8%質量以上とする。好ましくは2.0質量%以上である。
生石灰の配合量は、焼結鉱の塩基度が目標値となるように、石灰石の配合量や、珪石の配合量を考量して設定される限り、上限は特に限定しない。ただし、生石灰は高価であり、3.0質量%を超えると、添加効果が飽和して、製造コストが上昇するので、3.0質量%以下が好ましい。より好ましくは2.3質量%以下である。
焼結原料は、通常、造粒機で、水を添加しながら造粒するが、焼結原料中に生石灰(CaO)が存在すると、前述したように、生石灰(CaO)が水と水和反応して、微細な水酸化カルシウムが生成する。この水酸化カルシウムは、粒状鉄鉱石の結合を促進する強固なバインダー効果を発揮する(例えば、特許文献6、参照)。
通常、常温水を添加するが、温水を添加すると、生石灰との水和反応が早く進行するとともに、生成する水酸化カルシウムが、さらに微細化して、バインダー効果がより大きく発現する。
それ故、新原料に対する割合で、1.8%質量以上の生石灰を含有する焼結原料を、通常の造粒装置及び造粒条件で造粒する場合、焼結原料に添加する水(添加水)に替わり、40℃以上60℃以下の温水を用いてもよい。
添加水の温度が40℃未満であると、水酸化カルシウムのバインダー効果の増大が期待できないので、添加水の温度は40℃以上が好ましい。一方、添加水の温度が60℃を超えると、水酸化カルシウムのバインダー効果が飽和するので、添加水の温度は60℃以下が好ましい。
造粒した焼結原料(擬似粒子)の粒径は、焼結機で、堆積した焼結原料層の通気性を確保し、燃焼熱の伝熱を確保することを考慮すると、平均粒度で2〜5mmが好ましい。なお、平均粒度は、粒度区分の中央値を、粒度区分毎の質量分率で荷重して算出した平均値である。
次に、焼結鉱の成分組成の限定理由について説明する。なお、焼結鉱のSiO2量、及び、CaO量は、それぞれ、JIS M 8214(鉄鉱石−珪素定量方法)、及び、JIS M 8221(鉄鉱石−カルシウム定量方法)に拠る。
SiO2:4.5質量%以上5.0質量%以下
SiO2は、焼結鉱の強度を担う結合相(溶融相)であるカルシウムフェライトとスラグ相のうち、特に、スラグ相に多く存在する。スラグ相は、ガス拡散のための気孔を閉塞して、被還元性を阻害する。
SiO2が4.5質量%未満であると、所要の強度が得られないので、SiO2は4.5質量%以上とする。好ましくは4.7質量%以上である。一方、SiO2が5.0質量%を超えると、被還元性が低下するとともに、高炉でのスラグ量も増加するので、SiO2は5.0質量%以下とする。好ましくは4.8質量%以下である。
焼結鉱のSiO2源は、鉄鉱石中の脈石と副原料(例えば、橄欖岩(2MgO・SiO2))である。配合する鉄鉱石の量によって、鉄鉱石由来のSiO2量が定まり、焼結鉱の品質(RDI[還元粉化性])の確保に必要な焼結鉱のSiO2量を設定すると、追加のSiO2量が定まる。このSiO2量を担う副原料の量を決定する。
高炉スラグ量を低減するため、焼結鉱のSiO2量を低減する場合、SiO2量の少ない鉄鉱石や副原料(例えば、ドロマイト(MgO・CaOの炭酸塩))を用いてもよい。MgO源やCaO源の副原料としてドロマイトを用いると、SiO2の持込みを避けることができる。
次に、焼結鉱のSiO2量が所望の範囲となるように焼結原料のSiO2量を調整する方法について、具体的に説明する。
焼結鉱のSiO2量(YSiO2)は、配合原料のSiO2量(XSiO2,i)、及び、灼熱減量(XIgLoss,i)(IgLoss:結晶水、炭酸塩の分解、炭素の燃焼に伴う重量減少)に基づいて、下記式(1)で推定することができる。
SiO2=Σ(XSiO2,i×Wi)/(1−ΣXIgLoss,i×Wi) ・・・(1)
SiO2:焼結鉱のSiO2量(質量%)
i:原料
SiO2,i:i原料のSiO2量(質量%)
IgLoss,i:i原料の灼熱減量(質量%)
i:i原料の配合原料中の質量比(−)
焼結鉱のSiO2量の調整は、配合原料中のSiO2量を、上記式(1)に基づいて調整することで、実施することができる。特に、焼結鉱のSiO2量を低減する場合、SiO2量の多い鉄鉱石に替えて、SiO2量の少ない鉄鉱石を用いる。
CaO:8.5質量%以上9.0質量%以下
CaOは、鉄鉱石と反応して融液を生成する。即ち、焼結鉱の強度を担う主成分である。CaO量は、焼結鉱の品質(強度、RDI等)、及び、高炉スラグの塩基度をも考慮して設定される。
CaOが8.5質量%未満であると、十分な量の融液が生成せず、強度が低下するとともに、高炉スラグの塩基度の設計も難しくなるので、CaOは8.5質量%以上とする。好ましくは8.7質量%以上である。
一方、CaOが9.0質量%を超えると、塩基度が高くなりすぎて、高炉スラグの塩基度の設計が難しくなるので、CaOは9.0質量%以下とする。好ましくは8.8質量%以下である。特に、高炉スラグの塩基度が1.2になるように、焼結鉱のCaO量を調整することが好ましい。
ここで、図1に、操業実績に基づく、高炉原料中の焼結鉱の比率(焼結鉱比)と焼結鉱の塩基度(C/S)の関係を示す。高炉スラグのC/Sは、高炉スラグを販売する際に、一定となるように決められているので、焼結鉱の比率と焼結鉱の塩基度には、ある一定の関係がある。
図1から、焼結鉱の塩基度(C/S)が1.6以上1.9以下であると、焼結鉱比80%を達成できることが解かる。本発明製造方法では、C/S=1.75で設計するのが好ましい。
次に、焼結鉱のCaO量が所望の範囲となるように焼結原料のCaO量を調整する方法について、具体的に説明する。
焼結鉱のCaO源は、主に、石灰石と生石灰である。他に、ドロマイトや製鋼スラグがある。ドロマイトや製鋼スラグは、CaO以外の成分も含有しているので、焼結鉱のCaO量の調整は、石灰石の配合量を調整して実施される。生石灰は、造粒性を高めるバインダー効果を有するので、CaO量の調整成分として、通常は使用しない。
焼結鉱のCaO量の調整は、CaO源副原料の配合量を、前述のSiO2量の調整と同様に調整して行う。
即ち、焼結鉱のCaO量(YCaO)は、配合原料のCaO量(XCaO,i)、及び、灼熱減量(XIgLoss,i)(IgLoss:結晶水、炭酸塩の分解、炭素の燃焼に伴う重量減少)に基づいて、下記式(2)で推定することができる。
CaO=Σ(XCaO,i×Wi)/(1−ΣXIgLoss,i×Wi) ・・・(2)
CaO:焼結鉱のCaO量(質量%)
i:原料
CaO,i:i原料のCaO量(質量%)
IgLoss,i:i原料の灼熱減量(質量%)
i:i原料の配合原料中の質量比(−)
焼結鉱のCaO量の調整は、配合原料中のCaO量を、上記式(2)に基づいて調整することで、実施することができる。
FeO:3.0質量%以上5.0質量%以下
焼結鉱のFeO量は、焼結鉱中のFe2+を化学分析で定量し、それをFeOに換算した数値である。Fe2+の大部分は、マグネタイト(Fe34=Fe2+O・Fe3+ 23)として存在する。
マグネタイトは、焼成過程で、鉄鉱石中のヘマタイト(Fe23)が、ヘマタイト−マグネタイト相転移(1358℃/大気中)して生成するので、FeO量は、焼成時の熱レベルでほぼ決定される(日本鉄鋼協会編、第3版鉄鋼便覧、II製銑・製鋼(昭和54年、丸善(株)発行)、110頁の図2・51、及び、111頁の図2・54、参照)。
FeOが3.0質量%未満であると、焼結鉱中のヘマタイト量が増加しすぎて、還元粉化性が悪化するので、FeOは3.0質量%以上とする。好ましくは3.3質量%以上である。一方、FeOが5.0質量%を超えると、焼結鉱のマグネタイト量が増加し、被還元性が低下するので、FeOは5.0質量%以下とする。好ましくは4.7質量%以下である。
Fe2+の大部分が存在するマグネタイトは、前述したように、焼成過程で、鉄鉱石中のヘマタイト(Fe23)が、ヘマタイト−マグネタイト相転移(1358℃/大気中)して生成するので、FeO量は、焼成時の熱レベルでほぼ決定される。それ故、焼結鉱のFeO量の調整は、焼結原料に配合する炭材(コークス、無煙炭等)の量を調整して行う。FeO量の少ない焼結鉱を製造する場合は、炭材(コークス、無煙炭等)の配合量を低減する。
なお、もともとFeOを含有する鉄鉱石やスケール類などの含FeO雑原料を配合すると、温度上昇(融液生成)に寄与していないFeOが焼結鉱中に残留して、焼結鉱のFeO量を高めることがあるので、FeO量の多い鉄鉱石や雑原料の配合は極力避けるのが好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
焼結鉱の成分組成及び塩基度が所要の値になるように、新原料(鉄鉱石、橄欖岩、石灰石、生石灰)の配合割合を調整して造粒した焼結原料(擬似粒子)を焼結鍋試験に供し、焼結鉱の品質(JIS M 8711に規定の落下強度[SI]、JIS M 8720に規定の還元粉化指数[RDI]、及び、JIS M 8713に規定の被還元性指数[RI])を測定した。
炭材の配合量は、FeO量の異なる焼結鉱が得られるように、配合原料に対して外数で、3.0〜5.0質量%の範囲で変更した。返鉱の量は、配合原料に対して外数で、15.0質量%(一定)とした。焼結原料の造粒は、直径1mのドラム型造粒機で、水分7.5%を目標にし、所定時間行った。
焼結鍋試験は、円筒状の焼結鍋に焼結原料を充填し、焼結鍋内の原料充填層の表面に点火した後、焼結鍋の下部に設置した風箱からブロワーで空気を吸引して、原料充填層を焼成し、実機での焼結原料層の焼成過程をシミュレートする試験である。
表3に、焼結鍋試験に用いた試験装置の仕様と試験条件を示す。
表4に、試験結果を示す。
比較例1は、SiO2、CaO、及び、FeOが本発明の範囲外で、かつ、生石灰を配合しなかった比較例(特許文献1の第2表中、本発明例4に相当)である。SIが88.5%、RIが67.2%であり、品質評価の基準とした。
発明例1〜5、及び、比較例2〜6は、焼結原料に生石灰を配合し、かつ、焼結鉱の成分組成を調整した例である。
比較例2は、焼結原料に生石灰を2.2質量%配合した比較例である。SiO2が5.1質量%で、本発明の範囲外であるので、SIが88.7%で、RIが67.3%である。比較例3は、焼結原料に生石灰を2.2%配合した比較例である。CaOが9.1質量%で、本発明の範囲外であるので、SIが88.7%で、RIが67.5%である。
比較例4は、焼結原料に生石灰を2.2%配合した比較例である。FeOが2.5質量%で、本発明の範囲外であるので、SIが87.0%で、RDIが38.1で、いずれも大幅に悪化している。比較例5は、焼結原料に生石灰を2.2質量%配合した比較例である。FeOが5.5質量%で、本発明の範囲外であるので、SIが88.4%で、RIが66.2%である。
比較例6は、焼結原料に生石灰を本発明の範囲外の1.7質量%を配合した比較例である。生石灰の配合量が、本発明の範囲外であるので、SIが88.8%で、RIが67.8%である。
発明例1は、焼結原料に生石灰を2.2質量%配合した発明例である。SIが88.6%で、RIが69.5%である。 発明例2は、焼結原料に生石灰を1.8質量%配合した発明例である。SIが87.4%で、RIが70.2%である。発明例3は、焼結原料に生石灰を2.8質量%配合した発明例である。SIが88.6%で、RIが69.0%である。
発明例4は、焼結原料に生石灰を3.1質量%配合した発明例である。SIが87.5%で、RIが69.7%である。発明例5は、焼結原料に生石灰を2.2質量%配合し、造粒時、50℃の温水を添加した発明例である。SIが88.6%で、RIが69.8%である。
表4に示す試験結果から、発明例においては、強度(SI)が損なわれずに、被還元性(RI)が向上していることが解る。
前述したように、本発明によれば、強度を損なわずに、被還元性に優れる焼結鉱を製造することができる。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。

Claims (3)

  1. 焼結鉱のSiO2が4.5質量%以上5.0質量%以下、CaOが8.5質量%以上9.0質量%以下となるように、SiO2及びCaOの組成が調整され、かつ、焼結鉱のFeOが3.0質量%以上5.0質量%以下となるように、炭材が配合された焼結原料を造粒し、焼成する焼結鉱の製造方法において、
    生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、1.8%質量以上である
    ことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記生石灰の配合量が、炭材及び返鉱を除く焼結原料に対する割合で、3.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記焼結原料の造粒に際し、焼結原料に添加する水の温度が40℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
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