JP3952988B2 - 低SiO2焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドワイト−ロイド(以下、「DL」と記す)式焼結機を使用した焼結鉱製造方法において、成品歩留、ならびに冷間強度、還元粉化性および被還元性といった焼結鉱品質を向上させる焼結鉱製造方法に関し、さらに詳しくは、結晶水含有率の高い鉄鉱石(以降、「高結晶水鉱石」と記す)を使用した焼結鉱製造において、SiO2含有率の低下による還元粉化性、成品歩留りおよび冷間強度の悪化を防止できる焼結鉱の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼結原料は、複数種類の鉄鉱石、CaO源としての石灰石、SiO2およびMgO源としての副原料、さらに燃料としての粉コークスおよび返鉱などから構成されている。通常、これらの原料は、その銘柄毎に原料槽に貯蔵されて、配合に応じて定量切り出しされている。切り出された各原料および燃料は、原料搬送用のベルトコンベアー上で合流し、造粒機まで搬送される。造粒機内では、前記の原料に水分が添加されて造粒が行われる。
【0003】
さらに、造粒後の原料は、DL焼結機に供給され、原料充填層の最上部に点火される。点火された原料充填層内では、充填層の上方から下方に向かって充填層を通して大気が「下方吸引」されることによって、充填層の上層から下層に向かって焼結反応が進行する。下層部まで焼結原料が焼結された塊状物(以下、「焼結ケーキ」と称する)は、焼結機排鉱部において粗破砕された後に、クーラーで冷却されて焼結鉱成品となる。
【0004】
さて、焼結反応においては、Fe2O3とCaOとが1200℃近傍で液相を生じ、その融液がボンドとなって塊成化が進行する。
【0005】
しかしながら、近年では高炉内の通気性改善や高炉スラグ処理問題などによって、焼結鉱中スラグ成分の低下が求められている。ところが、SiO2量の低下は、還元粉化性の悪化を招くので、その対策が必要となる。
【0006】
この還元粉化性を向上する方法として、例えば非特許文献1には、焼結鉱中のMgO含有率の上昇が有効であることが開示されている。しかしながら、還元粉化性改善に有効なMgO量の定量的な配合基準については明確な知見が示されていない。
【0007】
一方、還元粉化性改善以外の高炉内におけるMgO成分の機能としては、脱硫、炉内通気抵抗の低下などが挙げられる。
【0008】
例えば、特許文献1には、焼結鉱中のMgO含有率を2〜4質量%(以下、単に「%」と記す)、SiO2含有率を5〜6.5%とすることにより、焼結鉱の熱間性状を改善する方法が開示されている。この方法は、焼結鉱の高温荷重軟化特性の向上、すなわち高炉内での融着開始温度を上昇させることによって、高炉内通気抵抗の低減を図るものである。
【0009】
また、特許文献2には、SiO2を4.2〜4.9%、MgOを1.5〜3.0%含有する焼結鉱の製造方法において、ドロマイトを配合した新原料に、コークスを配合して焼結し、焼結鉱中のFeO含有率を7.0〜9.0%に調整する方法が開示されている。ここで開示された方法では、焼結鉱の強度や歩留を維持しつつ、高温性状や被還元性の改善が可能な成分設計を行ない、高炉における微粉炭吹込み量150kg/ptを達成できたとされている。
【0010】
しかしながら、実施例に記載された低SiO2化は、SiO2含有率を5.5%から4.5〜4.8%に低下させることに伴う還元粉化性の悪化を抑制したものであって、なおSiO2含有率が比較的高い範囲における還元粉化性の悪化防止技術である。
【0011】
一方、焼結鉱中のMgO含有率の上昇は、焼結過程での融点上昇に伴う溶融率の低下によって、冷間強度や成品歩留の低下を招く。前記の特許文献2では、熱量調整により焼結成品中FeO含有率を7.0〜9.0%に調整することにより、冷間強度および成品歩留の低下を抑制している。さらに、SiO2含有率を4.5%以下にまで低下させる低SiO2化の場合には、従来の焼結技術によれば、さらに熱量を上昇させた焼結方法が考えられる。しかし、焼結過程での発生熱量を上昇させると、焼結成品中の気孔率が減少し、被還元性(ガス還元性)の悪化が問題となる。
【0012】
近年の鉄鉱石配合の動向の一つに、高結晶水鉱石の配合率増加がある。この高結晶水鉱石は、焼結過程において結晶水が分解することによって亀裂を発生する。この亀裂によって、カルシウムフェライト(CaO−Fe2O3)系融液と高結晶水鉱石との反応界面積が増加し、反応速度が上昇する。その結果、融体組成中の(CaO含有率/Fe2O3含有率)の比が低下し、融体の流動性が低下する。この融体の流動性の低下によって、原料構成粒子と融体との濡れが悪化し、粒子同士の結合強度が低下して、焼結鉱の歩留りが低下する。なお、高結晶水鉱石としては、例えば、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石などが該当する。
【0013】
したがって、上述のように、高結晶水鉱石多配合条件下では、MgO含有率の上昇により、冷間強度または歩留りの低下に一段と拍車がかかることとなる。
【特許文献1】
特開昭53−30403号公報(特許請求の範囲および2頁左上欄)
【特許文献2】
特開平11−131151号公報(特許請求の範囲、段落〔0038〕〜〔0040〕および表1)
【非特許文献1】
松村 勝、星 雅彦、川口 尊三:CAMP-ISIJ Vol.13(2000) p718〜721
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高結晶水鉱石を多配合した場合においても、焼結鉱の冷間強度および成品歩留りを維持しつつ、しかも被還元性および還元粉化性を改善できる低SiO2含有率焼結鉱の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記の(1)および(2)に示す低SiO2焼結鉱の製造方法にある。
(1)SiO2含有率が3.8〜4.5%の低SiO2焼結鉱の製造方法であって、結晶水含有率が4%以上の高結晶水鉱石を全鉄鉱石配合量に対して30%以上配合し、粒径1.0mm以下の比率が8〜70質量%(以下、単に「−1mmの比率が8〜70%」と記す)のドロマイトを使用し、焼結鉱中のFeO含有率を9%超11%以下に、MgO含有率を1.5〜4.0%に、塩基度(CaO含有率/SiO 2 含有率)を1.9以上に調整する低SiO2焼結鉱の製造方法。
【0016】
(2)焼結原料層の進行方向に通気孔を形成する前記(1)に記載の低SiO2焼結鉱の製造方法。
【0017】
本発明は、下記の調査および検討により得られた知見に基づき完成された。前記の従来技術において述べたとおり、MgO含有率の上昇は、還元粉化性改善の手段として有効であるが、SiO2含有率が低い場合には、冷間強度や成品歩留が低下するため、これを維持する必要がある。MgO含有率の上昇は、焼結過程におけるFe2O3−CaO−SiO2系における融液組成の下では、融点の上昇を招くとされている。コークス配合率などの上昇による反応系の温度上昇は、直接的な対策ではあるが、同時に液相比率を上昇させ気孔を閉塞させるので、成品焼結鉱の被還元性確保のためには得策ではない。
【0018】
本発明者らは、かかる課題を解決するために、種々の検討を行い、MgO含有率の上昇によりヘマタイト(Fe2O3)からマグネタイト(FeO・Fe2O3:以降、便宜上「FeO」と記す)ヘの還元を促進することにより、液相領域の拡大を図りつつ気孔を残留させることが可能であることを知見した。詳細は、下記の(a)〜(d)に示されるとおりである。
【0019】
(a)焼結過程で生成するFeO−CaO−SiO2系融液は、Fe2O3−CaO−SiO2系融液に比較して、1300℃における液相領域の組成範囲が広い。
【0020】
(b)融液の組成範囲を広げるために、焼結原料中のFe2O3をFeOに還元するためには、MgOの含有率を上昇させることが効果的である。
【0021】
焼結原料中のFe2O3のFeOへの還元、すなわちFe3+からFe2+への還元は、燃料としてのコークス配合率を増配することにより反応温度を上昇させることによっても可能であるが、反応温度の上昇によるFe3+からFe2+への還元は、1350℃以上の温度領域において生起する現象である。この温度領域では、液相領域はすでに広範囲の組成範囲にわたっており、液相領域の組成範囲をそれ以上拡大する効果は大きくない。
【0022】
これに対して、1350℃以下の温度領域においては、MgO含有率を上昇させる方法が効果的である。これは、この温度領域においては、MgOがヘマタイトからマグネタイトへの還元温度を低下させる作用を有し、この作用によってFe2+の増加が図られることによる。
(c)MgO源として適切な粒度範囲のドロマイト(理想化学組成:CaMg(CO3)2)を配合することにより、FeOとSiO2との反応を回避でき、被還元性を向上できる。
【0023】
ヘマタイトがドロマイト中のMgOの作用によりマグネタイトに還元された際に、ドロマイト中にはSiO2が存在しないため、マグネタイトとSiO2との二次的な反応による珪酸塩スラグ(FeO−SiO2系スラグ)の形成は起こりにくい。高炉内反応において、珪酸塩スラグが存在する場合には、FeOの還元速度は極めて遅くなることから、この珪酸塩スラグ(FeO−SiO2系スラグ)の形成抑制は、被還元性の改善にとって有効である。
【0024】
ここで、ドロマイトの粒径は、反応促進の観点から細粒が好ましい。しかし、細粒すぎると、焼結原料充填層の通気性低下を招き、焼成後の焼結鉱の冷却速度が低下してマグネタイトの再酸化が進み、還元粉化性が悪化する。したがって、ドロマイトには適正な粒度範囲が存在する。また、このマグネタイトの再酸化を抑制する手段として、原料充填層への通気棒挿入などによる充填層の通気性向上が有効である。
(d)融液の粘性は、カルシウムフェライト系融液の方が、シリケート系融液よりも小さく、カルシウムフェライト系融液を多く生成させるためには、塩基度(CaO含有率/SiO2含有率を意味し、以降、「CaO/SiO2」とも記す)を1.9以上に調整することが必要である。
【0025】
Fe2O3−CaO−SiO2系融体は、その組成によって、シリケート系融体とカルシウムフェライト系融体のいずれに属するかが決まる。融体中の液相の粘性は、シリケート系融体よりもカルシウムフェライト系融体の方が小さい。融体の流動性は、第一には液相と固相の比、第二には液相の粘性に支配される。よって、焼結過程において生成する融体が、シリケート系融体に属するよりも、カルシウムフェライト系融体に属する方が融体の流動性は大きくなる。
【0026】
また、高結晶水鉱石は、反応性が良好で未反応のまま残存する残留元鉱が殆ど存在しないので、高結晶水鉱石と融体との反応は、ほぼ均一反応であると解釈される。均一反応の場合には、試薬を調合した試料用いる焼結反応の試験により、焼結反応の評価が可能である。そこで、試薬調合試料を用いた電気炉焼成試験により焼結反応の調査および検討を行った。
【0027】
その結果、塩基度(CaO/SiO2)を1.9とすることにより、カルシウムフェライトが形成されることを知見した。よって、高結晶水鉱石を用いた場合にカルシウムフェライト系融体を多く形成させるには、塩基度(CaO/SiO2)を1.9以上に設計することが好ましいことが判明した。
【0028】
本発明は、上述の知見に基づき完成されたものである。なお、本発明において、「焼結鉱中のFeO含有率」とは、2価の鉄の含有率をFeO含有率に換算した値を意味し、例えばJIS M 8213に規定された分析方法により求めることができる。
【0029】
また、「高結晶水鉱石」とは、結晶水含有率の高い鉄鉱石をいい、結晶水含有率が4%以上の高結晶水鉱石としては、例えば、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石などが該当する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は、結晶水含有率が4%以上の高結晶水鉱石を多配合した場合においても、適正粒径のドロマイトを配合することによって、焼結鉱中のFeOおよびMgO含有率をそれぞれ、9%超11%以下および1.5〜4.0%に調整するとともに、塩基度(CaO/SiO 2 )を1.9以上に調整し、焼結鉱の冷間強度および成品歩留りを維持しつつ、しかも被還元性および還元粉化性を改善できる低SiO2含有率焼結鉱の製造方法である。
【0031】
以下に、本発明で規定した範囲の限定理由を説明する。
【0032】
a)ドロマイト粒度:−1mmの比率が8〜70%:
ドロマイト粒子中の−1mmの比率が8%未満では、ドロマイトの粒子数が少ないため、ドロマイト由来のCaO成分およぴMgO成分の偏在によってフラックスが不均一配置となり、焼結原料中の未焼成部分が増加して歩留りが悪化する。また、−1mmの比率が70%を超えると、焼結原料の充填層通気性が低下し、焼成された焼結鉱の冷却速度が低下する。その結果、マグネタイトからヘマタイトヘの酸化量が増加して還元粉化性が悪化する。
【0033】
そこで、ドロマイトの粒度は、−1mmの比率が8〜70%のものを使用することとした。なお、還元粉化性、成品歩留りおよび冷間強度の観点から好ましい範囲は、10〜40%である。
【0034】
b)結晶水含有率4%以上の高結晶水鉱石の配合率:30%以上:
高結晶水鉱石の結晶水含有率を4%以上と限定したのは、結晶水含有率が4%未満では、鉱石とフラックスとの反応速度の上昇により融体の流動性が低下するという高結晶水鉱石に特有の問題となる現象が起こらないからである。
【0035】
また、高結晶水鉱石の配合率を全鉄鉱石配合量に対して30%以上としたのは、前記配合率が30%未満では、融体の流動性低下という高結晶水鉱石に特有の現象が高結晶水鉱石粒子の近傍に止まるからである。これに対して、配合率が30%以上では、高結晶水鉱石粒子同士が近接するので、この高結晶水鉱石に特有の現象が焼結層全体に波及し、その結果、焼結後のバルク、すなわち焼結ケーキの強度低下を引き起こす。したがって、配合率が30%未満では、焼結鉱の冷間強度や歩留りが悪化することがなく、本発明による焼結鉱の成品歩留り向上および焼結鉱の冷間強度改善対策を講じる必要がないからである。なお、高結晶水鉱石の好ましい配合率の範囲は、40〜90%である。
【0036】
c)焼結鉱中SiO2含有率:3.8〜4.5%:
焼結鉱中SiO2含有率を3.8%以上としたのは、現在使用されている鉄鉱石、副原料を配合使用する限り、焼結鉱中のSiO2含有率を3.8%未満とすることは困難だからである。また、前記含有率が4.5%を超えると、焼結鉱の還元粉化は悪化しないので、本発明による還元粉化の改善対策を講じる必要がなくなる。そこで、焼結鉱中のSiO2含有率を3.8〜4.5%とした。
d)焼結鉱中FeO含有率:9%超11%以下:
FeO含有率が9%以下では、焼結鉱中のヘマタイト量が増加しすぎて還元粉化が悪化する。一方、FeO含有率が11%を超えるまでに高めるためには、コークスなどの燃料配合率を必要以上に高めたり、スケールなどの酸化物質を多量に配合することが必要となり、これらの増配による焼成熱量の上昇によって、焼結鉱中の気孔が閉塞し、焼結鉱の被還元性低下を招く。
【0037】
そこで、還元粉化性と被還元性を両立させるための焼結鉱中のFeO含有率を9%超11%以下とした。
e)焼結鉱中MgO含有率:1.5〜4.0%:
MgO含有率が1.5%未満では、前記のとおり、珪酸塩スラグが形成され、FeOの還元速度が低下するため、焼結鉱の被還元性が悪化する。また、MgO含有率が4.0%を超えて高くなると、珪酸塩スラグの形成が殆ど無くなり、MgO含有率の増加に対するFeO含有率の上昇割合も鈍るので、MgO源の配合による被還元性および還元粉化性改善効果は飽和してくる。また、逆に、融体の融点が上昇して融体の流動性の低下を招き、焼結鉱の冷間強度や歩留を悪化させる。
【0038】
そこで、焼結鉱中のMgO含有率を1.5〜4.0%とした。なお、還元粉化性、被還元性、成品歩留りおよび冷間強度にとってさらに好ましいMgO含有率の範囲は、1.5〜3.5%である。
【0039】
なお、前述のとおり、本発明では、焼結鉱中のMgO含有率を増加させることにより、FeO含有率を上昇させることを基本とするが、発熱量の過多による焼結鉱中の気孔率低下による被還元性の阻害を起こさない範囲であれば、コークスや無煙炭などの炭材配合率やスケールなどの酸化発熱物質の配合率を増加させることにより、FeO含有率を増加させても構わない。
【0040】
f)焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2):1.9以上:
焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2)を1.9以上とすることにより、カルシウムフェライト系融体が形成され、融体の流動性の向上によって焼結鉱の成品歩留りが一層改善される。
【0041】
したがって、塩基度を1.9以上とすることが必要である。しかし、塩基度が2.2を超えて高くなると、焼結鉱の高温通気抵抗の上昇による高炉内の圧損上昇を招くので、塩基度は2.2以下であることが好ましい。次に、本発明の好ましい態様について説明する。
焼結原料層への通気孔形成
焼結原料層に通気孔を形成することによって、焼結原料層の通気性を向上させ、焼成後の焼結鉱の冷却速度を上昇させることが好ましい。これによって、焼成によって生成したマグネタイトが再酸化されてヘマタイトに変化するのを抑制し、還元粉化性をさらに一段と改善できる。
【0042】
通気孔の位置は特に限定されないが、焼結原料充填層の下層部におけるヒートパターンは前記上層部におけるヒートパターンと比較してパレット進行方向にブロードとなるので、通気孔は下層部に設けた方がFeO(マグネタイト)含有率の上昇効果が大きい。
【0043】
また、通気孔の形状および大きさなどは特に限定しないが、焼結原料層厚、吸引風量、焼結原料粒度などの焼結操業条件を考慮し、通気性を上昇させつつ焼結原料充填層を保持できる形状および大きさに設計すればよい。通気孔の形成は、例えば、棒材、条材、管材、鎖状材、板状材などの通気孔形成材を焼結原料層の進行方向に設置して、溝状またはトンネル状の通気孔を形成する方法によればよい。
【0044】
【実施例】
本発明の効果を確認するため、下記の焼結鉱製造試験を実施し、成品焼結鉱の品質および歩留りを評価した。
【0045】
1.試験方法
はじめに、ベース配合試験として、高結晶水鉱石配合率を28.1%とし、かつ焼結鉱SiO2含有率が4.6%となるように焼結鉱を製造した。
【0046】
さらに、比較例として、ベース配合条件で、全鉄鉱石配合量に対する高結晶水鉱石配合率を28.1%とし、ドロマイト粒度は−1mmの比率を55%として、かつ焼結鉱SiO2含有率が4.3%となる条件で焼結鉱を製造し、還元粉化性、被還元性、冷間強度、気孔率などの焼結鉱品質および成品歩留りを調査した。
【0047】
両者を比較することにより、焼結鉱SiO2含有率が低下すれば、還元粉化性および成品歩留りが悪化することを確認した。
【0048】
次いで、全体の試験方法につき説明する。実験室規模の小型焼結試験機に焼結原料を装入した後、バッチ方式で試験焼成を実施した。焼結層の大きさは、幅:400mm、層高:450mm、機長方向長さ:2400mmとした。
【0049】
焼成試験は、下記の試験群1から試験群5までの5群とし、試験群1では焼結鉱FeO含有率の変更試験、試験群2では焼結鉱MgO含有率の変更試験、試験群3ではドロマイト粒度の変更試験、試験群4では焼結鉱塩基度の変更試験、そして試験群5では焼結原料充填層の通気孔形成試験を、それぞれ実施した。
【0050】
なお、本発明例中で、試験番号H−1−1を基準となる本発明例と定めた。同試験番号の試験条件は、焼結鉱SiO2含有率:4.3%、FeO含有率:8.5%、MgO含有率:1.6%、ドロマイト粒度は−1mmの比率が55%、焼結鉱塩基度:1.95、および通気孔の形成はなしとした。
【0051】
試験群1:MgO含有率を一定として、FeO含有率を変更。
【0052】
熱源原料の配合率を変更することによりFeO含有率を変更。
【0053】
試験群2:MgO含有率を変更。
【0054】
MgO含有率はドロマイトの配合率を変更することにより変更。
【0055】
熱源原料の配合率を調整することにより、FeO含有率を一定に保持。
【0056】
試験群3:ドロマイト粒度を変更。
【0057】
MgO含有率および熱源原料配合率は一定のため、FeO含有率はドロマイト粒度(MgOの反応量)に応じて変化。
【0058】
試験群4:塩基度(CaO/SiO2)を変更。
【0059】
SiO2含有率を一定としてCaO含有率を変更。MgO含有率が一定のため、FeO含有率はほぼ一定。
試験群5:焼結充填層通気孔の形成有無。
【0060】
幅10mm、高さ100mmの直方体プレートを焼結充填層の幅方向中央部に機長方向にわたって予め設置し、そこに焼結原料を装入することにより、通気孔を形成。
【0061】
なお、本発明例の効果は、前記のベース配合試験の結果との比較を行うことにより評価した。
表1に、各試験における焼結鉱成分、ドロマイト粒度、通気孔形成の有無、および試験結果を示した。
【0062】
【表1】
【0063】
表1において、試験番号B−1はベース配合試験を、試験番号C−1−1、C−1−2、R−1−1、H−1−2、H−1−3およびC−1−3は、前記試験群1の試験を、試験番号C−2−1、R−1−1、H−2−4、H−2−5およびC−2−2は、試験群2の試験を、試験番号C−3−1、R−3−1、R−3−2、R−1−1、R−3−4およびC−3−2は、試験群3の試験を、試験番号R−4−1〜R−4−3、R−1−1およびR−4−5は、試験群4の試験を、そして試験番号R−1−1およびR−5−2は、試験群5の試験を、それぞれ表す。
【0064】
同表中の*印の項目は、請求項1で規定する範囲を外れることを示す。試験番号欄の頭文字Bの表示はベース配合試験を、Hの表示は本発明例を、Cの表示は比較例を、Rの表示は参考例を、それぞれ示す。
【0065】
2.試験条件
(1)配合方法
本試験に使用した焼結原料の化学成分組成を表2に、配合条件を表3および表4に、それぞれ示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
高結晶水鉱石の配合率は、ベース配合条件では28.1%、それ以外の試験では全試験を通じて78.4%で一定とした。
【0069】
前記の表3および表4に示された配合の合計量に対して、さらに返鉱を20%の配合率(対新原料)で添加し、焼成用の配合原料とした。また、粉コークスは、べ一ス配合条件では配合率を3.6%、試験番号H−1−1では4.1%とし、試験群1については配合率の変更によってFeO含有率を変化させた。なお、試験群2ではMgO含有率変更にともなってFeO含有率が変化することを考慮して、粉コークス配合率を調整した。また、試験群3および試験群4では、粉コークス配合率は4.1%で一定とした。
【0070】
(2)造粒方法
造粒機にはドラムミキサー(直径:600mm、長さ:1000mm)を用い、水を添加した後に回転数30rpmにて4分間回転させて混合した。なお、水分含有率は7.5%に調整した。
【0071】
(3)試験評価項目
試験結果は、還元粉化性(RDI)、被還元性(RI)、冷間強度(TI)、成品歩留り、および焼結鉱気孔率を測定し、評価した。
【0072】
焼結成品の焼結ケーキをクラッシヤーにより破砕後、SI試験機を用いて2mの高さから4回落下させた後、粒径5mm以上の焼結鉱を+5mm産物と定義し、焼結ケーキから床敷きを除いた質量に対する+5mm産物の質量比率(%)を成品歩留りとした。また、−5mm産物を返鉱と定義した。
【0073】
前記の還元粉化性は、製銑部会法として規定された還元後の粉化率を示す指数RDI(−3mm%)により評価した。本指数は、数値が小さいほど良好であることを意味する。
【0074】
被還元性としては、JIS M 8713に規定された還元率RI(%)を用い、冷間強度としては、JIS M 8712に規定された焼結鉱の冷間における回転強度TI(+5mm%)を用いた。
【0075】
焼結鉱気孔率については、粒径15〜19mmの焼結鉱を対象として、JISM 8716に基づいて同8717に規定された方法に準拠して求めた真密度と水浸法による見掛密度から算出した。
また、焼結鉱中のFeO含有率の化学分析は、粒径19〜21mmの焼結鉱を用い、JIS M 8213に規定された分析方法に準拠して行った。
【0076】
3.試験結果
(1)焼結鉱FeO含有率の影響
図1は、焼結鉱中FeO含有率と焼結鉱品質との関係を示す図であり、同図(a)は、FeO含有率と還元粉化性との関係を、同図(b)は、FeO含有率と被還元性との関係を、同図(c)は、FeO含有率と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして同図(d)は、FeO含有率と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【0077】
還元粉化性:本発明例の試験番号H−1−2およびH−1−3は、FeO含有率が本発明の範囲内の9%超11%以下であって、FeO含有率が低い比較例の試験番号C−1−1、C−1−2およびベース配合の試験番号B−1に比較して、還元粉化性が改善されている。両者はFeO含有率が10%を超えているので、改善が著しい。本結果は、SiO2含有率が4.3%と低い場合であっても、SiO2含有率が4.6%のベース配合よりも良好な結果となり、還元粉化性の改善効果が大きいことを示している。
【0078】
被還元性および気孔率:FeO含有率が11%以下の本発明例である試験番号H−1−2およびH−1−3では、FeO含有率が11%を超える比較例の試験番号C−1−3に比較して被還元性が改善されており、ベース配合の試験番号B−1と比較しても大幅に改善されている。また、この被還元性の改善は、気孔率の上昇とも良好に対応している。
【0079】
成品歩留りおよび冷間強度:FeO含有率が9%超の試験番号H−1−2およびH−1−3において、成品歩留りおよび冷間強度が改善されている。これらの値は、高結晶水鉱石配合率の少ないベース配合の試験番号B−1と同等またはそれ以上のレベルであった。
【0080】
以上の結果より、FeO含有率の適正範囲は9%超11%以下であることが確認された。また、ベース配合に比較して、参考例の試験番号R−1−1では粉コークス配合率が0.5%高い。FeO含有率は、ベース配合では7.5%であり、試験番号R−1−1では8.5%であった。
【0081】
別試験にて、試験番号R−1−1と粉コークス配合率以外の配合条件を同一とし、粉コークス配合率をベース配合と同一とした場合には、FeO含有率は8.0%であるとの結果を得た。
【0082】
したがって、上記のFeO含有率の変化より、ベース配合に対する試験番号R−1−1のFeO含有率の上昇量(8.5%−7.5%=1.0%)の内訳は、粉コークス配合率の上昇による効果が0.5%であり、MgO含有率の上昇による2価の鉄の安定化による効果が0.5%であると評価される。
【0083】
従来は、粉コークス配合率を上昇させることにより気孔率が低下していた。これに対して、参考例の試験番号R−1−1では、ベース配合に比較して粉コークス配合率が0.5%高いにもかかわらず、気孔率は上昇しており、これは、MgO含有率を上昇させることによりFeO含有率を上昇させる本発明に特有の気孔率上昇効果と判断される。
【0084】
(2)焼結鉱MgO含有率の影響
図2は、焼結鉱中MgO含有率と焼結鉱品質との関係を示す図であり、同図(a)は、MgO含有率と還元粉化性との関係を、同図(b)は、MgO含有率と被還元性との関係を、同図(c)は、MgO含有率と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして同図(d)は、MgO含有率と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【0085】
還元粉化性:本発明例の試験番号H−2−4およびH−2−5は、MgO含有率が本発明の範囲内の1.5〜4.0%であって、MgO含有率が低い比較例の試験番号C−2−1およびベース配合の試験番号B−1に比較して、還元粉化性が改善されている。本結果は、SiO2含有率が4.3%と低い場合であっても、SiO2含有率が4.6%のベース配合よりも良好な結果となり、還元粉化性の改善効果が大きいことを示している。
【0086】
被還元性および気孔率:MgO含有率が1.5%以上の本発明例である試験番号H−2−4およびH−2−5では、MgO含有率が1.5%未満である比較例の試験番号C−2−1に比較して被還元性が改善されており、ベース配合の試験番号B−1と比較しても大幅に改善されている。また、この被還元性の改善が気孔率の上昇と良好に対応しているのは、FeO含有率が変化した場合の関係と同様である。
【0087】
成品歩留りおよび冷間強度:MgO含有率が4%以下の本発明例である試験番号H−2−4およびH−2−5では、MgO含有率が4%を超える比較例の試験番号C−2−2に比較して、成品歩留および冷間強度が改善されている。高結晶水鉱石配合率の少ないベース配合の試験と比較しても大幅に改善されている。以上の結果より、MgO含有率の適正範囲は1.5〜4.0%であることが実証された。
【0088】
(3)ドロマイト粒度の影響
図3は、ドロマイト粒度(−1mmの比率)と焼結鉱品質との関係を表す図であり、同図(a)は、ドロマイト粒度と還元粉化性との関係を、同図(b)は、ドロマイト粒度と被還元性との関係を、同図(c)は、ドロマイト粒度と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして同図(d)は、ドロマイト粒度と気孔率との関係をそれぞれ示す。
【0089】
還元粉化性:試験番号R−3−1、R−3−2、R−1−1およびR−3−4は、−1mmの比率が本発明の範囲内の8〜70%の範囲にあって、−1mmの比率が高い比較例の試験番号C−3−2およびベース配合の試験番号B−1に比較して、還元粉化性が改善されている。この結果は、SiO2含有率が4.3%と低い場合であっても、SiO2含有率が4.6%のベース配合の場合よりも良好な結果が得られ、還元粉化性の改善効果が大きいことを示している。
【0090】
被還元性および気孔率:ベース配合の場合に比して被還元性はいずれの場合も大幅に改善されている。また、気孔率もベース配合の場合に比して高くなっている。
【0091】
成品歩留りおよび冷間強度:ドロマイト中の−1mmの比率が8〜70%の範囲内である試験番号R−3−1、R−3−2、R−1−1およびR−3−4は、−1mmの比率が低い試験番号C−3−1および−1mmの比率が高い試験番号C−3−2に比して、成品歩留りおよび冷間強度が高くなっている。また、高結晶水鉱石配合率の少ないベース配合と同等またはそれ以上のレベルであった。以上より、ドロマイト粒度の適正範囲は、−1mmの比率が8〜70%であることが確認された。
【0092】
(4)焼結鉱塩基度の影響
図4は、焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2)と焼結鉱品質との関係を示す図であり、同図(a)は、焼結鉱塩基度と還元粉化性との関係を、同図(b)は、焼結鉱塩基度と被還元性との関係を、同図(c)は、焼結鉱塩基度と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして同図(d)は、焼結鉱塩基度と気孔率との関係をそれぞれ示す。
【0093】
還元粉化性:試験番号R−4−1〜R−4−3、R−1−1およびR−4−5の全試験で還元粉化性は改善されており、特に、塩基度が1.9以上の試験番号R−4−3、R−1−1およびR−4−5では、大幅に改善されている。本結果は、SiO2含有率が4.3%と低い場合であっても、SiO2含有率が4.6%のベース配合よりも良好な還元粉化性を示しており、改善効果が大きいことを示している。
【0094】
被還元性および気孔率:試験群4の全試験において改善されており、ベース配合の場合と比較しても大幅に改善された。
【0095】
製品歩留りおよび冷間強度:試験群4のほぼ全試験において改善されており、成品歩留りについては、特に高結晶水鉱石の配合率が少ないベース配合の場合以上に改善された。塩基度が1.9未満の試験番号R−4−1およびR−4−2においてもベース配合とほぼ同等の結果であった。
【0096】
以上より、ベース配合の場合に比較して、試験群4の全試験において改善されていることが確認された。特に、塩基度が1.9以上の場合においては、ベース配合の場合に比較して、さらに一層、還元粉化性、成品歩留りおよび冷間強度の改善効果が見られた。
【0097】
(5)通気孔形成の影響
図5は、焼結原料層への通気孔の形成の有無と焼結鉱品質との関係を示す図であり、同図(a)は、通気孔の形成の有無と還元粉化性との関係を、同図(b)は、通気孔の形成の有無と冷間強度、成品歩留りおよび被還元性との関係を、そして同図(c)は、通気孔の形成の有無と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【0098】
通気孔を形成させた試験番号R−5−2では、試験番号R−1−1よりもさらに還元粉化性が改善されている。これは、通気度の上昇による焼成後の冷却速度の上昇により、焼結鉱中FeO含有率の増加にみられるように、冷却過程におけるマグネタイトの再酸化が抑制されたことによる。
【0099】
また、冷却速度の上昇により、焼結充填層の高温保持時間が短縮されて溶融が抑制され、気孔率が上昇した結果、FeO含有率の上昇にもかかわらず被還元性は高く維持されている。
【0100】
さらに、成品歩留りおよび冷間強度についても高い値が維持された。
【0101】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、高結晶水鉱石を多配合した場合においても、適正粒度のドロマイトを配合することにより焼結鉱中MgO含有率およびFeO含有率を上昇させ、還元粉化性、被還元性、冷間強度などの焼結鉱品質、および成品歩留りを向上させた低SiO2含有率焼結鉱を製造することができる。
さらに、塩基度を所定範囲に調整することにより、成品歩留りなどが一段と改善される。また、焼結原料充填層に通気孔を形成して充填層内の通気性を改善することにより、マグネタイトの再酸化によるヘマタイト形成を抑制するとともに、気孔率を上昇させることができ、被還元性を維持しつつ還元粉化性を改善する上で好ましい。
【0102】
以上のように、本発明の方法は、難焼結性の高結晶水鉱石多配合下における低SiO2焼結鉱の製造課題を解決して、高炉の安定操業に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼結鉱中FeO含有率と焼結鉱品質との関係を示す図であり、図1(a)は、FeO含有率と還元粉化性との関係を、図1(b)は、FeO含有率と被還元性との関係を、図1(c)は、FeO含有率と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして図1(d)は、FeO含有率と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【図2】焼結鉱中MgO含有率と焼結鉱品質との関係を示す図であり、図2(a)は、MgO含有率と還元粉化性との関係を、図2(b)は、MgO含有率と被還元性との関係を、図2(c)は、MgO含有率と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして図2(d)は、MgO含有率と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【図3】ドロマイト粒度(粒径1mm以下の占める比率)と焼結鉱品質との関係を示す図であり、図3(a)は、ドロマイト粒度と還元粉化性との関係を、図3(b)は、ドロマイト粒度と被還元性との関係を、図3(c)は、ドロマイト粒度と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして図3(d)は、ドロマイト粒度と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【図4】焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2)と焼結鉱品質との関係を示す図であり、図4(a)は、焼結鉱塩基度と還元粉化性との関係を、図4(b)は、焼結鉱塩基度と被還元性との関係を、図4(c)は、焼結鉱塩基度と成品歩留りおよび冷間強度との関係を、そして図4(d)は、焼結鉱塩基度と気孔率との関係をそれぞれ表す。
【図5】焼結原料層への通気孔の形成の有無と焼結鉱品質との関係を示す図であり、図5(a)は、通気孔の形成の有無と還元粉化性との関係を、図5(b)は、通気孔の形成の有無と冷間強度、成品歩留りおよび被還元性との関係を、そして図5(c)は、通気孔の形成の有無と気孔率との関係をそれぞれ表す。
Claims (2)
- SiO2含有率が3.8〜4.5質量%の低SiO2焼結鉱の製造方法であって、結晶水含有率が4質量%以上の高結晶水鉱石を全鉄鉱石配合量に対して30質量%以上配合し、粒径1.0mm以下の比率が8〜70質量%のドロマイトを使用し、焼結鉱中のFeO含有率を9質量%超11質量%以下に、MgO含有率を1.5〜4.0質量%に、塩基度(CaO含有率/SiO 2 含有率)を1.9以上に調整することを特徴とする低SiO2焼結鉱の製造方法。
- 焼結原料層の進行方向に通気孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の低SiO2焼結鉱の製造方法。
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