JP5401919B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉原料である焼結鉱の製造方法に関し、詳しくは、例えばDL(ドワイトロイド)型焼結機へ装入する焼結原料の造粒に際して添加する水分量の調整技術に関する。
焼結鉱は、通常、複数銘柄の粉状鉄鉱石に、石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固体燃料を適量配合した焼結原料に、水分を添加してドラムミキサーやディスクペレタイザーで混合造粒して擬似粒子化した後、この擬似粒子をDL型焼結機に充填し、充填層表層部の固体燃料に着火し、大気を下向きに吸引する事により焼成して得られる。
このようなDL型焼結機を用いた焼結鉱の製造においては、擬似粒子化の状況が焼成時における充填層の通気性に影響し、焼結鉱の生産性や歩留まりを大きく左右する。そして、造粒に際して、水分が焼結原料中の微分を粗粒に付着させるバインダーとして主要な役割を担うことから、擬似粒子化を適正に行なう為には、この水分量を適正に制御することが極めて重要である。
そこで、従来より、微粉に付着力を付与して擬似粒子化を適正に行なうことを目的として、造粒時における焼結原料の水分濃度を制御する発明が種々提案されている。
例えば、焼結原料を構成する各粉状物質の飽和水分値を予め求めておき、この各飽和水分値と各粉状物質の配合割合とから加重平均により焼結原料の飽和水分値を算出し、この加重平均飽和水分値の一定割合の量の水分を焼結原料に含有させて造粒する方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、焼結原料の吸水率および造粒前粒度分布から水分添加後の焼結原料が付着力を有する水分濃度の下限値である臨界水分濃度を算出し、焼結原料の水分濃度が前記臨界水分濃度以上となるように、水分添加量を制御する造粒方法が開示されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
しかしながら、近年、焼結原料として、ピソライト鉱石やマラマンバ鉱石など吸水性の高い鉱石の配合率が増加する傾向にある。焼結原料にこれら吸水性の高い鉱石を多量配合した場合には、上記従来技術のように、単に飽和水分値や吸水率といった指標のみに基づいては適正な造粒水分濃度を精度良く予測することは困難になっており、造粒時における水分添加量の適正範囲を精度良く決定する事ができないという状況にある。
さらに、マラマンバ鉱石は微粉が多いのに対し、ピソライト鉱石の中には粗粒が多いものが存在するため、鉱石銘柄や原料配合の変更により焼結原料の粒度構成が大幅に変動し、これに伴い適正な造粒水分濃度も大きく変動する場合がある。したがって、造粒水分濃度の管理は従来に比べ格段に重要性を増しており、適正造粒水分濃度をより高精度に予想しうる技術の開発が課題となっている。
このような課題を解決するために、焼結原料の保水率にその3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積をも考慮した上、更に実際の粒度分布と標準粒度分布との差異より生じるずれの量を加味して焼結原料の最適造粒水分濃度を算出することにより、焼結原料に吸収性が高く、かつ粒度構成が大幅に異なる劣質鉱石を多量配合した場合でも、最適造粒水分濃度を精度良く予測することが可能となり、造粒時における適正な水分添加量をより高精度に決定できる方法が知られている(例えば、特許文献5参照。)。
特公平3−80849号公報 特開平5-51654号公報 特開平11−61281号公報 特開2000−1725号公報 特開2008−1960号公報
ところで現在は、鉄鉱石価格の上昇にともない、安価な劣質鉱石を使用せざるを得ない状況であるが、他国の製鉄所においては、より安価な原料として予め山元でブレンディングされた粉鉱石を購入する動きも出てきている。山元においては、採掘した粉鉱石の鉄品位、SiO2、Al23等の成分を選鉱により調整して出荷するが、購入側が選鉱基準を緩和すれば、品位は低下するものの購入価格を低く抑えられる。このような背景から、原料価格の高騰に従い、ブレンディング鉱石の使用可能性が高まるものと予想される。
従来技術を用いて、擬似粒子製造時の適正水分値を算出するには、焼結原料を構成する単味原料(単一銘柄からなる原料)の開気孔率や保水率といった基礎物性値と、配合比率が必要である。しかし、山元のブレンディング鉱石の使用にあたって、配合鉱石種、配合割合が不明な為、従来の適正水分予測方法を使用できないという問題がある。
そこで、本発明は、配合鉱石種や各鉱石種の配合割合が不明な、複数銘柄の鉱石が混合されたブレンディング鉱石等の焼結原料を用いる際にも、適正な造粒水分濃度を精度良く予測して、造粒時における水分添加量をより高精度に決定しうる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本発明では、
鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料を含有する粉状物質を配合してなる焼結原料に水分を添加して混合造粒し、得られた造粒物である擬似粒子を焼結して焼結鉱を製造する方法において、
前記水分の添加前に、前記焼結原料の吸収指数、粒度分布、化学組成、水との濡れ性を測定し、得られた測定値に基づいて前記擬似粒子の適正造粒水分濃度を推定し、前記適正造粒水分濃度となるように前記水分の添加量を決定することを特徴とする焼結鉱の製造方法を用いる。
上記において、擬似粒子の適正造粒水分濃度(Wopt)を下記(1)式を用いて算出して推定することが好ましい。
Wopt=a・Wabs+b・Pf+c・Aff−d・Pr+e・[Al23]−f・[SiO2]−G ・・・(1)
但し、
Wabs:吸収指数、
Pf:微粉の質量比率、
Aff:水との濡れ性、
Pr:核粒子の質量比率、
[Al23]:微粉中のAl23比率、
[SiO2]:原料中SiO2比率であり、
a〜f、Gは定数である。
本発明によれば、配合された鉱石の種類、配合比率の不明なブレンディング鉱石の焼結原料への使用においても、適正な擬似粒子化が図られて高強度の擬似粒子が得られ、焼成時における充填層の通気性が確保されるので、焼結鉱の生産性や歩留まりの悪化をより確実に抑制し、これらを防止することが可能となる。
本発明者らは、配合鉱石種不明なブレンディング鉱石の操業使用に先だって、「吸収指数(吸収水分指数)」、「粒度分布」、「化学組成」、「水との濡れ性」を測定し、これらの数値に基づいて算出された適正水分予測値を用いて操業した所、擬似粒子化が適正に行われ(擬似粒子性良好)、良好な通気性にて焼結鉱の製造が可能であることを見出し、本発明を完成した。
焼結原料の適正造粒水分について説明する。
図1に、擬似粒子径と通気性に及ぼす造粒水分の影響を調査する為に使用した、実験鍋設備の模式図を示す。各種銘柄の粉状鉱石について、鉱石単銘柄毎に、水分の添加量を順次変更して水分濃度を種々変化させてドラムミキサーで混合造粒し、得られた造粒物である擬似粒子を試験焼結鍋に充填し、冷間で大気を下向き吸引して冷間通気性指数J.P.U.(Japan Permeability Unit)を下記(a)式から算出した。J.P.U.が大きい程通気性が良好であることを示す。
J.P.U.=V/S(h/ΔP)0.6 ・・・(a)
ここで、各係数は
V:風量[Nm3/min]、
S:充填層断面積[m2]、
h:充填層高さ[mm]、
ΔP:圧力損失[mmH2O]
である。
図2に、2種の鉱石(A鉱石、B鉱石)について、造粒物の水分濃度を変化させた時の擬似粒子の調和平均径、J.P.U.の測定結果を示す。図2から明らかなように、水分の添加に伴い、擬似粒子の粒径は増加するものの、J.P.U.が最大となる造粒水分(適正造粒水分)は原料によって異なることがわかる。
図3に、適正造粒水分の考え方を示す。図2に示した通気度、擬似粒子径と造粒水分との関係から、造粒水分の鉱石粒子への作用の仕方には、吸収、付着、架橋の3つの段階があると考えられる。以下、それぞれの段階の考え方と、適正造粒水分に影響を及ぼす因子について説明する。
「吸収指数」に関する、吸収作用の考え方を説明する。
図3のグラフ(A)の領域においては、水分を添加しても、擬似粒子の粒径、通気度ともに変化しない。図3の右側に(A)領域として示すように、鉱石粒子11表面には、微細な開気孔10が存在し、添加された水分12は最初にこの空隙内に浸透するのに使われるものと予想される。気孔量、空隙量が多いほど、内包する水分が多くなるため、造粒に必要な水分は多くなる。
「粒度分布」に関係する、付着作用の考え方を説明する。
図3(A)の状態からさらに水分を添加すると、図3のグラフ(B)の領域となり、この領域では図3の右側に(B)領域として示すように鉱石粒子11表面を濡らす付着水15となり、隣接する鉱石粒子11と接触すれば、架橋水14として働く。いわゆる、Pendular域、Fanicular域、Capillary域と呼ばれる充填様式である。鉱石粒子11同士の接触が進み、微粉8の核粒子9への付着が進行するに従い、擬似粒子13の径も増加し、原料中の粉率低減により、通気度も増加する。
ところで、付着水量は、粒子径により異なるものである。図4に、2種の鉱石(A鉱石、B鉱石)について、浸漬試料の吸引濾過後の含水率に及ぼす粒子径の影響を示す。横軸は水没させた試料粒子径の比表面積1/dp[cm2/cm3]を表す。図4から明らかなように、粒径が小さい程、比表面積が大きく、付着水分も増加することがわかる。すなわち、原料中の微粉の質量比率が大きい程、付着水量が多くなり、造粒に必要な水分が多くなると考えられる。
しかし、原料中に粒径の大きい粒子が多数存在すると、添加水分が細粒に均一に行き渡るのが阻害される。すなわち、原料中の粗粒の質量比率が大きい程、添加水分の微粉への付着が阻害され、造粒に必要な水分が余分に多くなると考えられる。
「水との濡れ性」に関する、架橋水の考え方を説明する。
擬似粒子を湿潤凝集粉体とみなした時、擬似粒子強度σを与える推定式は下記(b)、(c)式のように表される。
σ=ψ・S・Pc ・・・(b)
Pc=6・(1−ε)/ε・γ/Ds・cosθ ・・・(c)
ここで、各係数は
σ:造粒物強度[N]、
ψ:液体の充満度[−]、
S:粉体の表面積[m2]、
Pc:吸引圧力[Pa]、
ε:造粒物の空隙率[−]、
γ:水の表面張力[N/m]、
Ds:比表面積球相当径[m]、
θ:粉体との接触角[°]
である。
したがって、濡れ易い(接触角が小さい)粉体で構成された擬似粒子の強度は大きく、濡れ難い(接触角が大きい)粉体で構成された擬似粒子の強度は小さい。さらに、水との濡れ性が悪いと、凝集粉中に水が保持されずに、凝集粉外側に水が染み出しやすく、この余剰水分によって擬似粒子間の空隙が埋められ、通気を阻害する。すなわち、濡れ性の悪い原料ほど、適正水分は少なくなると予想される。粉体の水との濡れやすさである水との濡れ性は、種々の物理手法により測定可能である。
「化学組成」について説明する。
鉱石中の粘土組織が適正水分に及ぼす影響を説明する。
一般に、鉄鉱石中には粘土鉱物であるカオリン鉱物が微量に含まれている。カオリン鉱物はアルミニウムの含水ケイ酸塩鉱物(粘土鉱物の一種)であり、Al23質量比率が30〜40%程度である。カオリン鉱物の粒径は数μmと細かく、吸水性に富んでいる。すなわち、原料中のAl23質量比率が増加すると、造粒に必要な水分が余分に多くなると考えられる。
鉱石中のSiO2の存在が適正水分に及ぼす影響を説明する。
焼結鉱は高炉において安定した原料して使用されなければならず、SiO2、Al23、MgO、CaO/SiO2といったスラグ成分値は厳しく管理されている。特にSiO2は鉱石によって3〜8mass%と異なる為、珪石等の副原料で配合調整する必要がある。すなわち、SiO2含有量が少ない鉱石では、珪石を増配し、逆の場合には、珪石を減配する。珪石は吸収水に乏しい原料の為、珪石増配により装入原料の必要水分量が少なくなると考えられる。
図3(B)の状態からさらに水を添加すると、図3(c)の状態となり、図3の右側に(c)領域として示すように、水分過剰の為に、添加水分16が連続して存在する、いわゆるSlurry域となる。粒径は増加するものの、この過剰水の為に充填層空隙率が低下し、通気度は低下する。
以上の事から、適正造粒水分(Wopt)は、原料粒子の「吸収指数」、「付着指数」、「濡れ性」、「化学成分」を加味して評価できる。すなわち、焼結原料の「吸収指数」(Wabs)、付着水指数として微粉の質量比率(Pf)と、微粉への水分付着を阻害する指数として、核粒子の質量比率(Pr)である「粒度分布」、接触角または接触角変化と相関関係のあるFeO濃度で表される水との濡れ易さである「水との濡れ性」(Aff)、「化学成分」として微粉中のAl23比率([Al23])、原料中SiO2比率([SiO2])を用い、下記(d)式を計算することで、適正水分(Wopt)を算出できる。
Wopt=a・Wabs+b・Pf+c・Aff−d・Pr+e・[Al23]−f・[SiO2]−G ・・・(d)
ここで、
Wabs:吸収指数、
Pf:質量比率(微粉)、
Aff:水との濡れ性、
Pr:質量比率(核粒子)、
[Al23]:微粉中のAl23比率、
[SiO2]:原料中SiO2比率であり、
各係数a〜f、Gは定数である。
上記の本発明を用いることで、未知なる焼結原料に対して、水分の添加前に、前記焼結原料の「吸収指数」、「粒度分布」、「化学組成」、「水との濡れ性(水との接触指数)」に基づき、焼結原料の適正造粒水分濃度を算出することができるので、造粒時における水分添加量をより高精度に決定できるようになる。
この結果、元鉱石の種類、配合比率の不明なブレンディング鉱石の使用にあたっても、適正な擬似粒子化が図られて高強度の擬似粒子が得られ、焼成時における充填層の通気性が確保されるので、焼結鉱の生産性や歩留まりの悪化をより確実に防止ないし抑制できるようになる。
以下、本発明の実施形態の一例について具体的に説明する。適正造粒水分の推定は次のように行われる。
まず、使用予定の原料をサンプリングし、物性値測定及び化学分析を実施する。
「吸収指数(Wabs)」の測定方法を説明する。
吸収指数には、化学分析値としてLOI(Loss Of Ignition)、またはCW(Combined Water)を使用できる。
また、気孔量を吸収指数としても良い。
気孔量の測定には、乾燥原料を4〜6.7mm径に整粒した粉状物質について、水銀圧入法により0.003μmから200μmまでの径を有する開気孔の合計体積を求め、これを単位質量あたりに換算した値を用いる。
また各粒度毎に整粒した鉱石を水中に長時間浸漬させ、脱水後の含水率を用いても良い。図4から明らかなように、グラフの切片は、粒子径に無関係の定数項であり、鉱石自体の吸収性を表しているとみなせる。
以上の化学分析値、気孔量、吸収水分(含水率)は相互に強い相関があり、使用に際してはいずれかの指標で統一して使用し、上記(d)式係数を重回帰により再試算すればよい。
「粒度分布」について、微粉の質量比率Pf、核粒子の質量比率Prの測定方法を説明する。
微粉として、原料中の1mm〜0.1mm質量比率と、−0.1mm質量比率との合計量、または、−0.1mm質量比率を用いることができる。核粒子として、原料中の+2mm質量比率を指標として用いる。
「水との濡れ性(Aff)」の測定方法を説明する。
濡れ易さの指標として、接触角を使用できる。水との接触角の測定は、鉱石の切り出し研磨面に微小水滴を滴下した時の接触角度を実測する方法、Hagen-Poiseuille式を活用した浸透法がある。
浸透法による測定では、試料として粒径−1mmに整粒した鉱石を供し、鉱石充填層を上昇する水面の上昇速度から接触角θを算出する。
H=(φRγcosθ/2η)0.5・t0.5・・・(e)
ここで、各係数は、
H:水の上昇高さ[m]、
R:粒径[m]、
t:時間[sec]、
γ:水の表面張力[N/m]、
η:水の粘度[N・s/m2]、
θ:水と粉体の接触角[°]である。
原料のFeO濃度と接触角には強い相関があり、FeO濃度が増加すると接触角が増加する。したがって、FeO濃度を指標としてもよい。
「化学成分」である、Al23比率、SiO2比率の評価方法を説明する。
Al23比率は、吸収性の著しいカオリン系鉱物の指標であるので、原料中1mm以下の粒径試料における分析値を使用するのが良い。
SiO2比率は、装入原料全体のスラグ成分調整に影響する指標であるので、原料有り姿における分析値を使用するのが良い。
これらの指数を用いて以下の推定式(d)の係数を決定する。
Wopt=a・Wabs+b・Pf+c・Aff−d・Pr+e・[Al23]−f・[SiO2]−G ・・・(d)
上記実施形態の方法は、単一銘柄、複数銘柄の鉱石のいずれを用いる場合にも当然に適用できるものである。
また、上記実施形態で推定した水分の添加方法については、造粒機、造粒機より上流側、例えばヤード、ヤードから原料層へ搬送するコンベア上、原料層内、および原料層から造粒機へ搬送するコンベア上のいずれか1箇所または複数箇所であらかじめ水分を添加しておいてもよく、あるいは、この事前の添加と造粒機での添加とを併用してもよい。
このようにして、適正造粒水分濃度に調整された焼結原料を造粒機で造粒することにより、高強度の擬似粒子が製造される。この擬似粒子をDL型焼結機に充填し、この充填層の表層部の固体燃料に着火し、大気を下向きに吸引して焼成することにより、焼結鉱が製造される。
次に、本発明における適正水分の推定式と、従来方法の推定式を用いた場合の焼結鉱製造の操業実施例を比較して説明する。
図5に、本発明の操業方法を適用した焼結プロセスフローを示す。図5において、17は原料を備蓄・切り出しする原料配合槽、18は原料を運搬するベルトコンベア、19は原料を造粒するドラムミキサーであり、原料は、所定配合割合によって配合槽17からベルトコンベア18上に切り出され、ドラムミキサー19へ運搬される。ドラムミキサー19に装入された原料は、ドラム上流側から水分を添加され、転動造粒されて擬似粒子となり、給鉱ホッパ21を用いて焼結機の焼結パレット22上に装入されて焼結され、破砕機24で破砕されて成品27となる。焼結機はこの他に、排ガス処理設備を有している。
操業に先んじて、ラボにおいて単味鉱石における化学組成、吸収指数、粒度分布、濡れ性から、上記(d)式の係数を重回帰分析により見積もった。吸収指数としてはCWを用いた。操業に使用した各鉱石銘柄の化学組成(SiO2、Al23、CW)、粒度分布(微粉−0.1mm、核粒子+2mm)、濡れ性(cosθ)、適性水分(Wopt)の測定結果を表1に示す。
Figure 0005401919
表1の測定結果から、上記(d)式の係数を下記(f)式のように見積もった。
Wopt=0.482・CW[mass%]+0.057・[-0.1mm mass%]+0.912・cosθ−0.136・[+2mm mass%]+0.268・[Al2O3mass%]−0.023・[SiO2 mass%]+9.714 ・・・(f)
操業を行なう際には、副原料(生石灰、珪石)、ダスト、コークス配合量込みの原料において、上記と同様の原料化学組成、粒度分布、濡れ性を測定して、(f)式の重回帰係数を修正して使用し、適性水分を推定した。副原料は、未知なる焼結原料と異なり既知であるため適正水分量は既存の技術で求めることができる。
図6に従来方法、図7に本発明方法を用いて推定した場合における適正造粒水分の推定値と、適正造粒水分の実測値の相関を示す。尚、適正造粒水分の実測値とは、水分量を変えて造粒した際に、通気度が最高となった場合の水分量である。また、図6、7において、単味とは原料が単一銘柄からなる場合、ブレンドとは、原料がブレンディング鉱石の場合である。
図6と図7とを比較すると、従来方法で推定した適正造粒水分量は、実測値との相関が94%程度であるのに対し、本発明方法で推定した場合は相関が98%と高かった。
また、元銘柄が不明なブレンディング鉱石の使用時は、従来方法においては推定値と実測値の乖離が大きく、相関係数88%であるのに対し、本発明方法においては評価指標を選択する事により、相関係数96%となった。
図8に、操業期間の原料通気性推移を示す。従来方法を用いて適性造粒水分量を推定し、原料の配合を途中で変更して(配合1→配合2)操業を継続した。その後同じ原料配合のまま(配合2)、本発明方法で適性造粒水分量を推定して操業を継続し、さらに原料配合を変更して(配合2→配合3)本発明方法で適性造粒水分量を推定する操業を行った。
従来方法では、同一原料における通気性の変動幅は15%程度あるのに対し、本発明方法における変動幅は9%程度に抑えられた。
また、配合変更(銘柄変更)時における通気性変動の安定期間に関して、従来方法では銘柄変更後、安定に要する期間を2日程度要したのに対し、本発明方法では1日程度に短縮された。
本発明の作用を確認する為に使用した試験用焼結鍋装置の概要図である。 焼結原料層の通気性、擬似粒子径に及ぼす造粒水分の影響を示すグラフである。 適正造粒水分のメカニズムを説明する図である。 吸収水分、付着水分の測定結果を示すグラフである。 焼結鉱製造工程全体の概略を示すフロー図である。 従来方法を用いた場合の適正造粒水分値の推定値と実測値との関係を示すグラフである。 本発明方法を用いた場合の適正造粒水分値の推定値と実測値との関係を示すグラフである。 操業中における通気変動の、従来方法と本発明方法の比較結果を示すグラフである。
符号の説明
1 オリフィス
2 風箱
3 試験焼結鍋(φ150mm)
4 グレート
5 ピトー管
6 差圧計
7 吸引ブロア
8 微粉
9 核粒子
10 気孔
11 鉱石粒子
12 水分
13 擬似粒子
14 架橋水
15 付着水
16 添加水分
17 原料ホッパ
18 コンベア
19 ドラムミキサー
20 コンベア
21 給鉱ホッパ
22 焼結パレット
23 点火炉
24 破砕機
25 燃焼溶融帯
26 焼結ケーキ
27 成品

Claims (2)

  1. 鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料を含有する粉状物質を配合してなる焼結原料に水分を添加して混合造粒し、得られた造粒物である擬似粒子を焼結して焼結鉱を製造する方法において、
    前記水分の添加前に、前記焼結原料の吸収指数、粒度分布、化学組成、水との濡れ性を測定し、得られた測定値に基づいて前記擬似粒子の適正造粒水分濃度を推定し、前記適正造粒水分濃度となるように前記水分の添加量を決定することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 擬似粒子の適正造粒水分濃度(Wopt)を下記(1)式を用いて算出して推定することを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
    Wopt=a・Wabs+b・Pf+c・Aff−d・Pr+e・[Al23]−f・[SiO2]−G ・・・(1)
    但し、
    Wabs:吸収指数、
    Pf:微粉の質量比率、
    Aff:水との濡れ性、
    Pr:核粒子の質量比率、
    [Al23]:微粉中のAl23比率、
    [SiO2]:原料中SiO2比率であり、
    a〜f、Gは定数である。
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