JP2008001960A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性が高く、かつ粒度構成が大幅に異なる劣質鉱石の配合比率を高めた焼結原料に対しても、最適な造粒水分濃度を精度良く予測して、造粒時における水分添加量をより高精度に決定しうる焼結鉱の製造方法を確立する。
【解決手段】焼結原料を構成する各粉状物質について、保水率Wiおよび開気孔体積Viから予測した、標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woiを、粒径5mm超の質量割合Xiにて修正した、Wai=Woi-(0.8644Vi+0.0069)・(Xi-10)の関係式にて実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waiを算出する。ついで、加重平均にて焼結原料についての実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを求める。そして、許容幅ΔW=0.5として、水分添加後の焼結原料の水分濃度WgがWa±ΔWの範囲内となるように、水分添加量を調整する。ここに、Wg,Woi,Wai,ΔWおよびXiの単位は質量%であり、Viの単位はcm3/gである。
【選択図】なし

Description

本発明は、高炉原料である焼結鉱の製造方法に関し、詳しくは、例えばDL(ドワイトロイド)型焼結機へ装入する焼結原料の造粒に際して添加する水分量の調整技術に関する。
焼結鉱は、通常、複数銘柄の粉状鉄鉱石に、石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固体燃料を適量配合した焼結原料に、水分を添加してドラムミキサやディスクペレタイザで混合造粒して擬似粒子化した後、この擬似粒子をDL型焼結機に充填し、充填層表層部の固体燃料に着火し、大気を下向き吸引することにより焼成して得られる。
このようなDL型焼結機を用いた焼結鉱の製造においては、擬似粒子化の状況が焼成時における充填層の通気性に影響し、焼結鉱の生産性や歩留りを大きく左右する。そして、造粒に際して、水分が焼結原料中の微粉を粗粒に付着させるバインダーとして主要な役割を担うことから、擬似粒子化を適正に行うためには、この水分量を適正に制御することが極めて重要である。
そこで、従来より、微粉に付着力を付与して擬似粒子化を適正に行うことを目的として、造粒時における焼結原料の水分濃度を制御する発明が種々提案されている。
例えば、焼結原料を構成する各粉状物質の飽和水分値を予め求めておき、この各飽和水分値と各粉状物質の配合割合とから加重平均により焼結原料の飽和水分値を算出し、この加重平均飽和水分値の一定割合の量の水分を焼結原料に含有させて造粒する方法が開示されている(特許文献1,2参照)。
また、焼結原料の吸水率および造粒前粒度分布から水分添加後の焼結原料が付着力を有する水分濃度の下限値である臨界水分濃度を算出し、焼結原料の水分濃度が前記臨界水分濃度以上となるように、水分添加量を制御する造粒方法が開示されている(特許文献3,4参照)。
しかしながら、近年、焼結原料として、ピソライト鉱石やマラマンバ鉱石など吸水性の高い鉱石の配合率が増加する傾向にある。焼結原料にこれら吸水性の高い鉱石を多量配合した場合には、上記従来法のように、単に飽和水分値や吸水率といった指標のみに基づいては最適な造粒水分濃度を精度良く予測することは困難になっており、造粒時における水分添加量の適正範囲を精度良く決定することができないという状況にある。
さらに、マラマンバ鉱石は微粉が多いのに対し、ピソライト鉱石の中には粗粒が多いものが存在するため、鉱石銘柄や原料配合の変更により焼結原料の粒度構成が大幅に変動し、これに伴い最適な造粒水分濃度も大きく変動する場合がある。したがって、造粒水分濃度の管理は従来に比べ格段に重要性を増しており、最適造粒水分濃度をより高精度に予測しうる技術の開発が喫緊の課題となっている。
特公平3−80849号公報、[特許請求の範囲] 特開平5−51654号公報、[特許請求の範囲] 特開平11−61281号公報、[特許請求の範囲] 特開2000−1725号公報、[特許請求の範囲]
そこで、本発明は、ピソライト鉱石やマラマンバ鉱石など吸水性が高く、かつ粒度構成が大幅に異なる劣質鉱石の配合比率を高めた焼結原料に対しても、最適な造粒水分濃度を精度良く予測して、造粒時における水分添加量をより高精度に決定しうる焼結鉱の製造方法を確立することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、擬似粒子化に及ぼす焼結原料の水分濃度の影響について調査するため、以下の検討を行った。
まず、各種銘柄の粉状鉱石について、各鉱石単銘柄ごとに、水分の添加量を順次変更して水分濃度を種々変化させてドラムミキサで混合造粒し、得られた造粒物を試験焼結鍋に充填し、冷間で大気を下向き吸引して冷間通気性指数JPUを測定した。測定結果を図2に、造粒物の水分濃度(造粒水分濃度)WgとJPUとの関係として示す。同図から明らかなように、JPUが最大となる(すなわち、最も高い通気性が得られる)焼結原料の水分濃度Wg(以下、「最適造粒水分濃度Wo」という。)は、各鉱石単銘柄ごとに大きく異なっている。
つぎに、上記各種銘柄の粉状鉱石について、各鉱石単銘柄ごとに、保水率Wおよび「3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積」(以下、単に「開気孔体積」ともいう。)Vを測定した。ここで、保水率Wは、鉱石を水中に長時間(たとえば24時間)浸漬したのち引き上げ、鉱石表面の水分を除去し、鉱石中に保持されている飽和水分の質量を求め、これを乾燥状態の鉱石質量に対する割合で表したものである。また、開気孔体積Vは、水銀圧入法により3〜5mmの粒径範囲の鉱石に存在する開気孔の合計体積を求め、これを鉱石単位質量当りに換算して表したものである。ここで、開気孔体積Vの測定を、3〜5mmの粒径範囲のものに限定したのは、水銀圧入法に用いられる測定装置の試料ホルダの寸法制約等によるものである。
図3に、〔造粒水分濃度Wg−保水率W〕とJPUとの関係を示す。同図より、JPUが最大となる〔最適造粒水分濃度Wo−保水率W〕の値(最適造粒水分濃度Woの保水率Wからのずれ量)は、おおむね−1〜0質量%の範囲内に存在するものの、鉱石銘柄によって変化することがわかった。
図4に、最適造粒水分濃度Woの保水率Wからのずれ量〔造粒水分濃度Wg−保水率W〕に及ぼす開気孔体積Vの影響を示す。同図から、開気孔体積の増加とともに、最適造粒水分濃度Woの保水率Wからのずれ量〔造粒水分濃度Wg−保水率W〕はマイナス側にほぼ直線的に増加しており、開気孔体積の大きい鉱石ほど最適造粒水分濃度Woは保水率Wより小さくてよいことがわかった。この理由としては、保水率で表される水分濃度は長時間(たとえば24時間)水中に浸漬したときに鉱石内部の開気孔内に吸収され保持される飽和水分量であるのに対し、実際の造粒工程においては鉱石に水分が添加されてから造粒が完了するまでの時間が数分程度ときわめて短いため、実際に鉱石内部の開気孔内に吸収される水分量は飽和水分量より少なくなり、開気孔体積が大きいほどその差異が大きくなるためと考えられる。
本発明者は、上記知見に基づき、最適造粒水分濃度Woは、保水率Wのみでなく、開気孔体積Vをも考慮して予測することにより、従来に比べて格段に予測精度を向上できることを見出し、これに基づく発明を完成し、すでに特許出願(特願2005−29633)を行った。
しかしながら、開気孔は鉱石の表面近傍に存在することから、真の開気孔体積の値(cm/g)は、鉱石の実際の粒度分布によって変化する。したがって、鉱石の粒度分布が大きく変動した場合には、上記3〜5mmの粒径範囲にて測定した開気孔体積の値を用いて予測した最適造粒水分濃度は、真の最適造粒水分濃度からずれを生じてしまうことが予想される。
そこで、発明者らは、このような粒度分布の変化により生じるずれの量を定量化することで、最適造粒水分濃度の予測精度をさらに向上できると考え、以下の実験を実施した。
すなわち、各単一銘柄の鉱石について、−5mm篩下と+5mm篩上に篩い分け、−5mm篩下に+5mm篩上の添加量を調整して添加し、+5mmの割合を、10質量%を基準(標準粒度分布)として順次増加させることにより強制的に粒度分布を変更した。
そして、各粒度分布において、上述したように、試験焼結鍋にて測定したJPUの最大値から最適造粒水分濃度Waを求めた。得られた結果を、図5に、各単一銘柄の鉱石ごとに、+5mm割合の増加量〔X−10〕と最適造粒水分濃度の変化量〔Wa−Wo〕との関係で示す。同図より、+5mm割合の増加に伴って最適造粒水分濃度がほぼ直線的に低下するのが認められる。ただし、その低下の度合い(直線の傾き)は鉱石銘柄によって異なる。
このように、+5mm割合を同じ分量だけ増加しても、鉱石銘柄によって最適造粒水分濃度の低下の度合いが異なるのは、鉱石銘柄によって開気孔体積Vが異なるためと考えられる。つまり、標準粒度分布から+5mm割合を増加させると鉱石の表面積は減少し、その表面積の減少量に応じて真の開気孔体積Vtも減少するため、ポーラスな鉱石、すなわち標準粒度分布における開気孔体積Vが大きい鉱石ほど、真の開気孔体積Vtの減少量も大きくなり、その結果、最適造粒水分濃度の低下度合いも大きくなると考えられる。
そこで、図5における各鉱石銘柄ごとの直線の傾きより、+5mm割合を1質量%増加させた時の最適造粒水分濃度の低下度合いyを求め、このyと開気孔体積Vとの関係を図6に示す。図6より、開気孔体積Vと上記+5mm割合を1質量%増加させた時の最適造粒水分濃度の低下度合いyとは、ほぼ直線関係にあることが認められる。
したがって、この知見に基づいて上記粒度分布の変化により生じる最適造粒水分濃度のずれの量を定量化することが可能となり、上記既出願(特願2005−29633)の発明をさらに改良した以下の発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料等の粉状物質を配合してなる焼結原料に水分を添加して混合造粒し、これを焼結して焼結鉱を製造する方法において、前記水分の添加前に、前記焼結原料の保水率および3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積および実際の粒度分布に基づいて前記焼結原料の標準粒度分布における最適造粒水分濃度を算出し、ついで、この標準粒度分布における最適造粒水分濃度を、前記焼結原料の実際の粒度分布と前記標準粒度分布との差異に基づいて補正することにより前記焼結原料の実際の最適造粒水分濃度を算出しておき、前記水分添加後の焼結原料の水分濃度をおおよそ前記最適造粒水分濃度とするように、前記水分の添加量を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料等の粉状物質を配合してなる焼結原料に水分を添加して混合造粒し、これを焼結して焼結鉱を製造する方法において、下記(1)〜(5)の工程を備えたことを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
(1)各粉状物質の保水率Wおよび3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積Vをあらかじめ測定する工程
(2)前記WおよびVより、Wo=W−13.1V+0.06の関係式にて前記各粉状物質の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを算出する工程
(3)前記Woに、前記各粉状物質の粒径5mm超の質量割合Xを考慮した、Wa=Wo−(0.8644V+0.0069)・(X−10)の関係式にて前記各粉状物質の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを算出する工程
(4)前記Waの値を各粉状物質の配合割合Mで加重平均して得た値Σ(Wa・M/100)を、前記焼結原料の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waとする工程
(5)許容幅ΔW=0.5として、前記水分添加後の焼結原料の水分濃度WgがWa±ΔWの範囲内となるように、前記水分の添加量を調整する工程。
ここに、M,W,Wo,Wa,Wg,ΔWおよびXの単位は質量%であり、Vの単位はcm/gである。
本発明によれば、焼結原料の保水率にその3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積をも考慮したうえ、さらに実際の粒度分布と標準粒度分布との差異より生じるずれの量を加味して焼結原料の最適造粒水分濃度を算出することにより、焼結原料に吸水性が高く、かつ粒度構成が大幅に異なる劣質鉱石を多量配合した場合でも、最適造粒水分濃度を精度良く予測することが可能となり、造粒時における適正な水分添加量をより高精度に決定できるようになった。
この結果、上記のような劣質原料を多量に配合した焼結原料を用いても、適正な擬似粒子化が図られて高強度の擬似粒子が得られ、焼成時における充填層の通気性が確保されるので、焼結鉱の生産性や歩留りの悪化をより確実に防止ないし抑制できるようになった。
以下、図面を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の説明において、M,W,Wo,Wa,Wg,ΔWおよびXの単位は質量%であり、Vの単位はcm/gである。
〔実施形態〕
図1は、本発明の実施形態に係る焼結鉱製造工程全体の概略を示すフロー図である。まず、焼結原料を構成する粉状物質として、複数銘柄の粉状鉱石1、石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料2、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料3、およびコークス粉や無煙炭等の固体燃料4をヤード等からそれぞれの原料槽5〜8へ装入する。
つぎに、原料槽5〜8から鉱石1、副原料2、雑原料3および固体燃料4をコンベア9上に所定の配合割合で切り出して焼結原料10とし、この焼結原料10をドラムミキサやディスクペレタイザ等の造粒機11に装入し、下記(1)〜(5)の工程にしたがって最適造粒水分濃度を予測し、その予測値に基づいて所定量の水分12を添加し混合造粒を行って擬似粒子化し、造粒物13を製造する。
以下、上記(1)〜(5)の工程について詳細に説明する。
[(1)の工程]
各粉状物質の保水率Wおよび3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積Vをあらかじめ測定しておく。
ここで、保水率Wは以下のようにして測定することができる。すなわち、後記実施例で詳述するように、粉状物質を水中に十分長い時間浸漬したのち、この粉状物質を乾燥機にて短時間乾燥して粉状物質表面から付着水分を除去し、開気孔内に水分が十分に浸透した水分飽和状態における粉状物質の質量Swを測定する。ついで、この粉状物質を乾燥機にて十分に乾燥して開気孔内の水分を完全に除去した状態における粉状物質の質量Sdを測定する。そして、保水率Wは、W=(Sw−Sd)/Sd×100で算出することができる。
また、3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積Vは以下のようにして測定することができる。すなわち、後記実施例で詳述するように、3〜5mm径に整粒した粉状物質について、水銀圧入法により所定範囲(例えば6〜0.03μm)の径を有する開気孔の合計体積を求め、これを鉱石単位質量当りに換算して求めることができる。
[(2)の工程]
そして、上記(1)の工程で求めた保水率Wおよび開気孔体積Vを下記式(1)に代入して、各粉状物質の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを算出する。
Wo=W−13.1V+0.06 ・・・式(1)
ここで、上記式(1)は、前述の図4で述べたように、Wo−WとVとがほぼ直線関係を示すことから、その1次回帰式より導かれたものである。
[(3)の工程]
さらに、上記(3)の工程で求めた、各粉状物質の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woに、各粉状物質の粒径+5mm(5mm超)の質量割合Xを考慮した、下記式(2)より各粉状物質の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを算出する。
Wa=Wo−(0.8644V+0.0069)・(X−10) ・・・式(2)
ここで、上記式(2)は、前述の図5および図6で述べたように、+5mm割合が10質量%の場合を標準粒度分布とすることと、開気孔体積Vと上記+5mm割合を1質量%増加させた時の最適造粒水分濃度の低下度合いyがほぼ直線関係にあることより求めた1次回帰式とから導かれたものである。
[(4)の工程]
そして、上記(3)の工程で求めたWaの値を各粉状物質の配合割合Mで加重平均すること、すなわち下記式(3)より焼結原料の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを算出する。
Wa=Σ(Wa・M/100) ・・・式(3)
[(5)の工程]
そして、許容幅ΔW=0.5として、上記水分添加後の焼結原料の水分濃度WgがWa±ΔWの範囲内となるように、上記水分の添加量を調整する。
ここで、許容幅ΔWを0.5としたのは、以下の理由による。すなわち、許容幅ΔWは小さくするほど造粒物13の水分濃度Wgが最適造粒水分濃度Woに近づき好ましいが、あまり小さくしすぎると、水分添加前の焼結原料の付着水分濃度の変動に応じて添加水分量を頻繁に変更する必要が生じ、設備トラブル等が発生しやすくなるためである。
このようにして、実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waにほぼ調整された焼結原料10を造粒機11で造粒することにより、高強度の擬似粒子(造粒物)13が製造される。この擬似粒子(造粒物)13をDL型焼結機14に充填し、この充填層の表層部の固体燃料に着火し、大気を下向き吸引して焼成することにより、焼結鉱が製造される。
許容幅ΔWを0.5質量%としたことにより、上記充填層のJPUの値はその最大値の90%程度以上を確保できるので(図3参照)、上記焼成中における充填層の通気性を十分に高く維持できる。この結果、微粉化等により造粒性に劣る焼結原料を用いても、焼結鉱の生産性や歩留りの悪化を防止ないし抑制できることとなる。
〔変形例〕
上記実施形態では、複数銘柄の鉱石を用いる例を示したが、本発明は単一銘柄の鉱石を用いる場合にも当然に適用できるものである。
また、上記実施形態では、水分の添加を造粒機でのみ行う例を示したが、造粒機より上流側、例えばヤード、ヤードから原料槽へ搬送するコンベア上、原料槽内、および原料槽から造粒機へ搬送するコンベア上のいずれか1箇所または複数箇所であらかじめ水分を添加しておいてもよく、あるいは、この事前の添加と造粒機での添加とを併用してもよい。
また、上記実施形態では、造粒機1台でのみ造粒する例を示したが、複数台の造粒機を直列および/または並列に配して造粒してもよい。
本発明の効果を検証するために、以下の造粒実験を実施した。
焼結原料を構成する粉状物質として、表1に示す複数銘柄の粉状鉱石、石灰石等の副原料、返し鉱およびコークス粉を用いた。
まず、各粉状物質ごとに開気孔体積Vおよび保水率Wを測定し、下記表1に併記した。なお、生石灰およびコークス粉については、焼結原料への配合量が少なく、焼結原料の最適造粒水分濃度の算出値に及ぼす影響を無視しうると考えられるため、これらの開気孔体積Vおよび保水率Wの測定を省略した。
ここで、開気孔体積Vは、3〜5mm径に整粒した粉状物質について、水銀圧入法(島津製作所製:オートポアIII9420)により6μmから0.03μmまでの径を有する開気孔の合計体積を求め、これを鉱石単位質量当りに換算して求めたものである。
また、保水率Wは、以下のようにして求めたものである。すなわち、−10mmに整粒した粉状物質2kgを布袋に包んで水中に24時間浸漬したのち、布袋ごと脱水機で10分間脱水し、粉状物質のみを乾燥機にて105℃で1分間乾燥して粉状物質表面から付着水分を完全に除去し、開気孔内に水分が十分に浸透した水分飽和状態における粉状物質の質量Swを測定する。ついで、この粉状物質を乾燥機にて105℃で12時間乾燥して開気孔内の水分を完全に除去した状態における粉状物質の質量Sdを測定する。そして、保水率Wは、W=(Sw−Sd)/Sd×100で算出したものである。
そして、上記式(1)および式(2)を用いて、各粉状物質の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woおよび各粉状物質の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを算出し、表1に併記した。なお、生石灰およびコークス粉については、上述のように保水率Wおよび開気孔体積Vの測定を省略したことから、WoおよびWaの算出を行わなかった。
Figure 2008001960
ここで、+5mm割合が35.58質量%と非常に高いYN鉱石の配合率を変えて焼結原料の粒度構成を変化させた場合について、本発明法と上記既出願(特願2005−29633)の発明法のそれぞれの方法で予測した最適造粒水分濃度にて焼結原料を造粒し、造粒性を比較した。
〔YN鉱石の配合率20質量%の場合〕
[発明例1]
YN鉱石の配合率を20質量%とした下記表2の配合割合Mで粉状物質を配合した焼結原料の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを、式(3)により加重平均して求めると6.5質量%が得られた。なお、生石灰、珪石、蛇紋岩およびコークス粉については、上述のように保水率W、開気孔体積Vのすくなくともいずれかの測定を省略したことから、WoおよびWaを算出できないため、上記式(3)による加重平均の計算から除外し、実際に測定を行ったその他の粉状物質の合計量を100質量%として加重平均値を求めた。
[比較例1]
上記発明例1において、実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waの代わりに、標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを用い、式(3)と同様の式にて荷重平均により焼結原料の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを求めると6.6質量%が得られた。
Figure 2008001960
(造粒実験)
上記表2に示す配合割合の焼結原料6.5kgを内径335mm、長さ270mmのバッチ式ドラムミキサに装入し、焼結原料の造粒水分濃度Wgが6.5質量%(発明例1)および6.6質量%(比較例1)のいずれかとなるように、水分添加量をそれぞれ調整して、回転速度36rpm、滞留時間8minの条件にて混合造粒した。
そして、これらの造粒物の造粒性指数GIを測定したところ、発明例1では85.4%、比較例1では85.3%と、ほぼ同等の値が得られた。
なお、造粒性指数GIは以下の方法により求めた。すなわち、採取した造粒物を雰囲気温度105℃に調整された乾燥器内に24h保持して十分に乾燥する。乾燥した造粒物を篩目0.25mmで篩い(乾式篩い)、篩上の質量割合(−0.25mmの質量%)Fdを求める。ついで、前記乾式篩い後のサンプル全量(篩上+篩下)を流水下で前記と同じ篩目0.25mmで篩い(湿式篩い)、篩上の質量割合(−0.25mmの質量%)Fwを求める。そして、GI(%)=(Fw−Fd)/Fw×100の式より、造粒性指数GIを算出した。
ついで、これらの造粒物5.5kgを内径100mmの焼結鍋試験装置(大気吸引、吸引圧:3.53kPa)にそれぞれ充填し、冷間通気性指数JPUを測定した。測定の結果、発明例では46.1、比較例1では45.7と、やはりほぼ同等の値が得られた。
〔YN鉱石の配合率40質量%の場合〕
[発明例2]
ついで、YN鉱石の配合率を40質量%に変更した表3の配合割合Mで粉状物質を配合した焼結原料の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを、式(3)により加重平均して求めると、発明例1とほぼ同じ値である6.5質量%が得られた。
[比較例2]
上記発明例2において、実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waの代わりに、標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを用い、式(3)と同様の式にて荷重平均により焼結原料の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを求めると6.9質量%が得られた。
Figure 2008001960
(造粒実験)
上記表3に示す配合割合の焼結原料を、焼結原料の造粒水分濃度Wgが発明例2および比較例2のいずれかとなるように、水分添加量をそれぞれ調整して、上記〔YN鉱石の配合率20質量%の場合〕と同様の条件にて混合造粒を行った。
その結果、発明例2では、造粒性指数GIは88.3%と、上記発明例1および比較例1とほぼ同等の値が得られ、冷間通気性指数JPUは42.6%と、上記発明例1および比較例1よりやや低いものの問題のない値が得られた。これに対し、比較例2では、造粒水分が過剰なため、ドラムミキサ内壁への粉の付着割合が多く、正常な造粒操作が行えなかった。
〔本実施例のまとめ〕
上記本実施例の結果より、以下のことが確認できた。
すなわち、焼結原料の粒度分布が標準粒度分布に近い場合(本実施例では、〔YN鉱石の配合率20質量%の場合〕)には、最適造粒水分濃度を上記既出願(特願2005−29633)の方法を用いても本発明の方法を用いても、ほぼ同等の精度で最適造粒水分濃度を予測できる。
しかしながら、焼結原料の粒度分布が標準粒度分布から大きく外れた場合(本実施例では、〔YN鉱石の配合率40質量%の場合〕)には、上記既出願(特願2005−29633)の方法では予測値の誤差が大きくなり正常な造粒操作が行えなくなるのに対し、本発明の方法を用いることにより、最適造粒水分濃度を精度良く予測できるようになり、適正な造粒操作が可能になった。
本発明の実施形態に係る焼結鉱製造工程全体の概略を示すフロー図である。 造粒水分濃度WgとJPUとの関係を示すグラフ図である。 〔造粒水分濃度Wg−保水率W〕とJPUとの関係を示すグラフ図である。 開気孔体積Vと〔造粒水分濃度Wg−保水率W〕との関係を示すグラフ図である。 +5mm割合の増加量〔X−10〕と最適造粒水分濃度の変化量〔Wa−Wo〕との関係を示すグラフ図である。 開気孔体積Vと+5mm割合を1質量%増加させた時の最適造粒水分濃度の低下度合いyとの関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1:鉱石
2:副原料
3:雑原料
4:固体燃料
5〜8:原料槽
9:コンベア
10:焼結原料
11:造粒機
12:水分
13:造粒物
14:DL型焼結機

Claims (2)

  1. 鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料等の粉状物質を配合してなる焼結原料に水分を添加して混合造粒し、これを焼結して焼結鉱を製造する方法において、
    前記水分の添加前に、前記焼結原料の保水率および3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積および実際の粒度分布に基づいて前記焼結原料の標準粒度分布における最適造粒水分濃度を算出し、ついで、この標準粒度分布における最適造粒水分濃度を、前記焼結原料の実際の粒度分布と前記標準粒度分布との差異に基づいて補正することにより前記焼結原料の実際の最適造粒水分濃度を算出しておき、前記水分添加後の焼結原料の水分濃度をおおよそ前記最適造粒水分濃度とするように、前記水分の添加量を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料等の粉状物質を配合してなる焼結原料に水分を添加して混合造粒し、これを焼結して焼結鉱を製造する方法において、下記(1)〜(5)の工程を備えたことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
    (1)各粉状物質の保水率Wおよび3〜5mmの粒径範囲における開気孔体積Vをあらかじめ測定する工程
    (2)前記WおよびVより、Wo=W−13.1V+0.06の関係式にて前記各粉状物質の標準粒度分布における最適造粒水分濃度Woを算出する工程
    (3)前記Woに、前記各粉状物質の粒径5mm超の質量割合Xを考慮した、Wa=Wo−(0.8644V+0.0069)・(X−10)の関係式にて前記各粉状物質の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waを算出する工程
    (4)前記Waの値を各粉状物質の配合割合Mで加重平均して得た値Σ(Wa・M/100)を、前記焼結原料の実際の粒度分布における最適造粒水分濃度Waとする工程
    (5)許容幅ΔW=0.5として、前記水分添加後の焼結原料の水分濃度WgがWa±ΔWの範囲内となるように、前記水分の添加量を調整する工程。
    ここに、M,W,Wo,Wa,Wg,ΔWおよびXの単位は質量%であり、Vの単位はcm/gである。
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