JP4718929B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶水及び付着水分量が多く、しかも脈鉱成分が多い高結晶水鉱石を使用する高炉の操業方法に関する。
高炉は、例えば、焼結鉱、鉄鉱石(塊状鉱石)、及びペレットを有する鉄原料(主原料)と、コークス及び副原料(蛇紋岩等)を、炉頂より装入して操業している。この鉄鉱石としては、比較的還元性が良く、しかも熱割れ性の少ない優良鉄鉱石、例えば、ニューマン鉱石を、通常、鉄原料全体量の5質量%以上20質量%以下程度使用している。
また、鉄原料としては、多孔質で結晶水及び付着水分量が多く、しかも脈鉱成分(スラグとなる成分)の多い安価な高結晶水鉱石、例えば、ローブリバー鉱石又はヤンディ鉱石も使用されているが、この高結晶水鉱石を高炉へ直接装入する場合、高炉シャフト部での昇温遅れ及び還元遅れを惹起する。なお、この高結晶水鉱石は、加熱により結晶水が離脱して高炉炉内で粉化し易い傾向もある。
高炉シャフト部での昇温遅れ及び還元遅れは、鉄鉱石の軟化及び融着の終了位置を高炉の下部に移行(融着帯下面が下降)し、鉄原料の間接還元率の低下を招くと共に、炉底に滴下するスラグ溶融物であるFeO量を増大させる。このため、以下に示す吸熱反応量が増し、炉芯温度の低下及びスラグ量の増大を引き起し、更には、炉内に形成される融着帯の肥大化により、炉下部の通気性が悪化して、高炉の安定操業の維持が困難となり、還元材比の上昇を余儀なくしていた。
FeO+C→Fe+CO
このように、高炉シャフト部での昇温遅れ及び還元遅れにより、安定した高炉操業を維持できなくなることが懸念されるため、従来は、高結晶水鉱石を直接高炉に装入することなく、破砕して焼結鉱の原料に使用している。
しかし、高結晶水鉱石を破砕し焼結鉱にして高炉へ装入する場合、焼結鉱の製造コストがかかり経済的でない。
そこで、高結晶水鉱石を焼結鉱にすることなく高炉へ装入する方法として、例えば、特許文献1のような、炉内で粉化する熱割れ性鉱石を炉壁付近に、前記した優良鉄鉱石を炉中心部にそれぞれ装入し、炉中央部のガス上昇流を確保しつつ、熱割れ性鉱石を使用する方法を適用することが考えられる。ここで、熱割れ性鉱石の代わりに高結晶水鉱石を使用する。
特開平1−219111号公報
しかしながら、熱割れ性鉱石の代わりに高結晶水鉱石を使用して高炉へ装入する場合、本発明者らの知見では、高炉へ装入可能な、即ち炉中央部のガス上昇流が確保できる範囲での高結晶水鉱石量が、鉄原料全体量の5質量%以下程度であり、それ以上になると高炉操業が不安定になった。このため、高結晶水鉱石の使用量を更に増加させることができない。
また、高結晶水鉱石を炉壁付近に理想的に装入することは困難であるという問題もあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、結晶水及び付着水分が多く、しかも脈鉱成分の多い安価な高結晶水鉱石を、従来のように焼結工程を経ることなく高炉へ装入することができ、例えば、原料コストを低減し、また炉内温度の低下を抑制して還元材比を低減し、経済的かつ安定に操業を行う高炉の操業方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る高炉の操業方法は、鉄原料に含まれる塊状鉱石に、結晶水を3質量%以上含有する高結晶水鉱石を、前記鉄原料に対して5質量%を超える量使用するに際し、該高結晶水鉱石を加熱処理し付着水分量が4質量%以下になるまで乾燥した後、この乾燥した前記高結晶水鉱石を、高炉の炉内に装入する。
本発明に係る高炉の操業方法において、前記加熱処理は、前記高結晶水鉱石を常温以上の温度の焼結鉱に接触させて行うことが好ましい。
本発明に係る高炉の操業方法において、前記高結晶水鉱石との接触開始時の前記焼結鉱の温度を50℃以上200℃以下とし、その接触時間を10分以上にすることが好ましい。
本発明に係る高炉の操業方法において、前記高結晶水鉱石は多孔質であることが好ましい。
請求項1〜4記載の高炉の操業方法は、結晶水及び付着水分が高く、しかも脈鉱成分の多い安価な高結晶水鉱石を、加熱処理して乾燥し付着水分量を低減するので、従来のように破砕して焼結鉱とすることなく、塊状態のまま高炉に装入しても、高炉シャフト部での昇温遅れ及び還元遅れを抑制でき、高炉を安定に操業できる。また、高結晶水鉱石を焼結鉱にすることなく高炉へ装入できるため、原料コスト及び製造コストを低減できる。
そして、例えば、高結晶水鉱石の付着水分量に応じて、その使用量を調整することにより、安定した高炉操業を維持することが可能になり、この分野における効果は多大なものになる。
特に、請求項2記載の高炉の操業方法は、現状製造している焼結鉱を高結晶水鉱石の加熱処理のための熱源として利用することで、熱源設備を新たに用意することなく高結晶水鉱石を乾燥できる。
請求項3記載の高炉の操業方法は、高結晶水鉱石に接触する際の焼結鉱の温度と時間を規定することで、焼結鉱を熱源として利用しながら、例えば、大規模な設備投資を実施することなく、適切な加熱処理を実施できる。
請求項4記載の高炉の操業方法は、高結晶水鉱石が多孔質であるので、高結晶水鉱石を加熱処理して乾燥することで、高結晶水鉱石が有する多数の気孔から付着水分を除去できる。これにより、高結晶水鉱石の表面積を大きくできるので、反応面積を広げて還元速度の向上を図り、還元材比を低減でき、溶銑の生産性を良好にできる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る高炉の操業方法の説明図、図2は高結晶水鉱石の各使用量ごとの高炉半径方向の温度分布を示す説明図、図3は高炉半径方向の中心温度と高結晶水鉱石の付着水分量との関係を示す説明図、図4は高結晶水鉱石に付着した水分の乾燥速度を示した説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る高炉の操業方法は、結晶水を3質量%以上含有する高結晶水鉱石を加熱処理し、その付着水分量が4質量%以下になるまで乾燥した後、この乾燥した高結晶水鉱石を、高炉10に装入する塊状鉱石の一部又は全部に使用し、塊状鉱石を高炉10の炉内に装入する。以下、詳しく説明する。
鉄原料である塊状鉱石と焼結鉱は、高炉10の鉄原料貯蔵庫(鉱石庫ともいう)11に輸送されて貯蔵された後、サージホッパー12へ送られ、高炉10へ所定量ずつ装入される。このとき、塊状鉱石は、鉄原料貯蔵庫11に直接輸送されることなく、その前に需要調整のためヤードに、一時屋外保管しておく場合が多い。
塊状鉱石に使用する高結晶水鉱石は、従来の優良鉱石に比べて結晶水を多く含み(例えば、3質量%以上程度、著しい場合は5質量%以上11質量%以下)、内部に多数の空隙を有し、表層部に多数の気孔(気孔率は、例えば、優良鉱石の場合15%未満程度、高結晶水鉱石の場合15%以上40%以下程度)を有する多孔質(例えば、軽石状態)である傾向がある。このように、高結晶水鉱石は結晶水を多く含むため、加熱される際に結晶水が離脱し、高炉炉内で粉化し易い傾向がある。また、多孔質であるため水分を吸着し易く、例えば、雨水のような付着水分が多い傾向にあり(通常の屋外保管による付着水分量は、優良鉱石の場合:3質量%程度、高結晶水鉱石の場合:6質量%以上)、付着水分により多数の気孔が閉塞されている。
なお、前記した気孔率(%)は、一般にPAC(Pore And Concave)法と呼ばれる方法を採用し、以下の式に基づいて算出している。
{(真比重)−(見掛け比重)}/(見掛け比重)×100
ここでは、105℃で2時間乾燥した塊状鉱石に対し、「鉄と鋼」誌 Vol.83(1997)No.2,p109の論文記載の推奨条件を使用して求めた。なお、この文献における真比重は、JIS M8717によって求め、見掛け比重測定に際しては、この論文記載のフィルムAで塊状鉱石を包んで求めた。
この高結晶水鉱石を高炉に装入する場合、付着水分が高炉炉内で蒸発し、炉内温度が低下して、炉内のガス流速が低下する(温度低下分だけ体積が収縮)。これにより、高炉炉壁全周に配置された羽口から吹き込まれるガス流の相互作用により生成する炉中央部のガス上昇流が弱まり、炉壁に沿うガス上昇流が増加し、更に高炉中央部の温度低下の原因になる。
ここで、上記した現象について、図2を参照しながら説明する。なお、図2は、塊状鉱石の一部に高結晶水鉱石を用いた際の高炉炉内の温度分布(炉頂部分)である。
図2中の◇印は、鉄原料中の塊状鉱石の一部として、高結晶水鉱石を通常操業時の鉄原料の5質量%使用した温度分布である。通常、炉内においては、炉頂からの装入物の粒度に応じて粒度偏析が起こり、炉中央部に比較的粒度大の装入物が集積する傾向があり、ガス上昇流(炉頂に向かう流れ)は、主として炉中央部を流れる(安定した流れとなる)。しかし、図2中の■印のように、高結晶水鉱石の使用量を鉄原料の8質量%まで増加させた場合、炉中央部のガス上昇流が弱まり、炉壁付近のガス上昇流が強まる傾向があり、炉壁付近のガス上昇流の分布が不安定になり、炉内の鉄原料還元反応が不安定となり、高炉操業が不安定になる。
特に、図3に示すように、付着水分量が高結晶水鉱石の4質量%を超える場合、この傾向が顕著となる。なお、図3は、乾燥処理していない優良鉱石又は高結晶水鉱石を使用した場合の高炉操業時の調査結果を示している。
また、高結晶水鉱石は、高温のガスで急激に加熱されることにより、結晶水が離脱して割れが発生して粉化する。前述したように、付着水分の影響により、高炉中央部における温度低下が顕著になるため、高結晶水鉱石の粉化が相対的に進行し易い。
このように、高結晶水鉱石の結晶水離脱の際に粉化が起こるが、炉中央部の温度低下が顕著となって炉中央部で粉化が起こり易く、この粉化した鉱石が、粗粒部の鉄原料が形成する空間を埋め、炉中央部のガス上昇流が阻害され、結果として炉壁付近のガス上昇流が増加し、炉中央部の温度が更に低下する。
このような、高結晶水鉱石の粉化の発生を抑制する手段として、高結晶水鉱石を高炉装入前に熱処理して結晶水を予め離脱させておくことが考えられるが、例えば、粉化が進行して塊状鉱石として使用できる量が減少する問題があり、また結晶水離脱には250℃以上の加熱温度で長時間処理する必要があるため、加熱装置が過大となるため好ましくない。
そこで、上記した方法に比べて安価に実施できる付着水分の低減を主眼とした。このように、付着水分を低減することにより、炉内温度の低下を抑制でき、前記したメカニズムにより炉中央部のガス上昇流の弱まりを抑制できるが、不可避的な炉内温度の低下は発生する。しかし、多孔質である高結晶水鉱石の気孔に存在していた付着水分の減少により、外気に接触可能な高結晶水鉱石の表面積が増加し、還元反応面積が増加する。これにより、温度低下による鉄原料の還元速度の低下が補われ得るため、むしろ付着水分が高結晶水鉱石の4質量%以下であれば、鉄原料全体の還元速度を向上できる。
また、鉄原料に対する高結晶水鉱石の使用量が、通常操業時の5質量%を超える場合において、上記した効果が特に顕著となる。従って、高結晶水鉱石の使用量(A質量%)が鉄原料の5質量%を超える場合、少なくともその超過量、即ち(A−5)質量%を乾燥することが好ましい。
以上のことから、高炉10へ塊状鉱石を装入する前に、塊状鉱石の一部又は全部として使用する高結晶水鉱石(例えば、鉄原料の5質量%超)の付着水分を除去する。
まず、高結晶水鉱石の加熱処理を、予め焼結機で製造した焼結鉱の保有熱を用いて行う。この加熱処理は、焼結機で製造した焼結鉱の熱を回収する熱回収設備以降、焼結鉱を高炉10へ装入する前に貯蔵する鉄原料貯蔵庫11までの焼結鉱搬送経路、例えば、焼結鉱を搬送するベルトコンベアで行う。その方法としては、ベルトコンベアのベルト上に載置した焼結鉱(例えば、厚さ100mm以上200mm以下程度)上に、高結晶水鉱石を100mm以下の厚さ(例えば、10mm以上50mm以下程度)で積層し、高結晶水鉱石を焼結鉱に接触させる。なお、焼結鉱と高結晶水鉱石を鉄原料貯蔵庫11内に保管して、高結晶水鉱石の加熱処理を行うこともできる。
なお、高結晶水鉱石を焼結鉱に接触させるときの接触開始時の焼結鉱の温度は、常温以上、例えば、50℃以上200℃以下とし、その接触時間を10分以上にする。
高結晶水鉱石を接触させる焼結鉱の温度が200℃を超える場合、高結晶水鉱石の結晶水が離脱し粉化が発生する可能性があるため好ましくなく、また焼結鉱を輸送するベルトコンベアのベルトが劣化する恐れもある。一方、図4に示すように、常温以上の温度50℃の焼結鉱に高結晶水鉱石を接触させて加熱処理した場合、例えば、大規模な設備投資を実施することなく、初期値が7質量%の高結晶水鉱石の付着水分量を、130分程度で目標値の4質量%以下にできる。しかし、温度80℃の焼結鉱に高結晶水鉱石を接触させて加熱処理することで、高結晶水鉱石の付着水分量を70分で4質量%以下まで低減でき、高結晶水鉱石の生産性を向上できる。なお、図4は、高結晶水鉱石として塊状鉱石を使用し、この塊状鉱石を、厚さ100mm以上200mm以下の範囲内で調整した各所定温度(50℃、80℃、150℃、170℃、200℃)の焼結鉱上に、厚さ10mm以上50mm以下程度に積載したときの結果である。
以上のことから、高結晶水鉱石の粉化とベルトコンベアのベルトの劣化を抑制しながら、生産性よく高結晶水鉱石を加熱処理するためには、高結晶水鉱石を接触させる焼結鉱の温度の上限値を200℃、好ましくは170℃、更に好ましくは150℃とし、下限値を50℃、好ましくは80℃とする。
なお、接触時間は、最長130分としているが、高結晶水鉱石を接触させる焼結鉱の温度の上昇に伴って60分以下、更には30分以下程度まで短縮できる。一方、下限値については、焼結鉱の温度を更に上昇させることにより、10分程度まで低減できる。
このように、現状製造している焼結鉱を熱源として利用することで、熱源設備を新たに用意することなく、高結晶水鉱石を加熱処理して乾燥することができる。
以上の方法により、加熱処理して乾燥させた高結晶水鉱石を、更に篩選別機(図示しない)を使用し、例えば、6mm以上25mm以下程度に粒度調整を行った後、塊状鉱石の一部又は全部として、他の鉄原料と混合して高炉へ装入する。
付着水分量を4質量%以下に低減した高結晶水鉱石を高炉へ装入することで、図2に△印で示すように、鉄原料中の塊状鉱石として、鉄原料全体量に対して高結晶水鉱石を9質量%まで増加した場合においても、5質量%使用の場合の適正な温度分布に近づけることができる。ここで、9質量%の高結晶水鉱石は全て加熱処理して乾燥したものである。
なお、図3に示すように、高結晶水鉱石の付着水分量を4質量%以下にすることで、高炉半径方向の中心温度の低下を抑制できるが、好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下にする。
これにより、安価な高結晶水鉱石を、従来のように焼結工程を経ることなく高炉へ装入することができ、原料コストを低減し、また炉内温度の低下を抑制して還元材比を低減して、経済的かつ安定に高炉を操業できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
これは、鉱石/コークス(Ore/Coke)比4.25、送風温度1230℃、送風湿分20g/Nmで操業している内容積4000m級の高炉に、コークスと鉄原料(焼結鉱、塊状鉱石、及びペレット)を装入するに際し、鉄原料に含まれる塊状鉱石の一部に使用する高結晶水鉱石を加熱処理した影響について、還元材比、高炉半径方向の中心温度、溶銑温度、炉内状況、及び溶銑の生産性を、それぞれ比較検討した結果である。
ここで、使用した高結晶水鉱石、優良鉱石、及び焼結鉱の各物性値を表1に示す。また、高結晶水鉱石と優良鉱石を、振動篩装置で篩分けして塊状鉱石を取り出し、高炉へ装入したものを従来例及び比較例とし、篩分けして取り出した塊状の高結晶水鉱石を、更に焼結鉱と接触させ、加熱処理して乾燥し、鉱石庫下にて篩い処理して高炉へ装入したものを参考例、実施例1として、表2にそれぞれ示す。
Figure 0004718929
Figure 0004718929
表2に示す従来例のように、高結晶水鉱石(ローブリバー)を加熱処理することなく使用した場合、鉄原料中の高結晶水鉱石量が通常操業時の5質量%であれば、高炉を安定して操業できる。しかし、この場合、高炉の還元材比を低減できず、溶銑の生産性が悪い。
また、比較例のように、鉄原料中の高結晶水鉱石量を8質量%まで増加させた場合、高炉半径方向の中心温度は低下し、ガス流分布が不安定化し、加えて、高結晶水鉱石の粉化により通気が不安定になった。このため、還元材比を大幅に高くしなければならなくなった。
一方、参考例は、高結晶水鉱石として使用するローブリバーを加熱処理して乾燥し、鉱石表面の付着水分量を3.2質量%まで除去した結果である。これにより、鉱石の還元速度を向上させることができ、高炉の還元材比を低減できることを確認できた。
また、実施例は、参考例で使用した高結晶水鉱石の銘柄をヤンディに変更し、付着水分量を2.8質量%まで除去した鉱石の使用比率を、9質量%まで増加した結果である。この9質量%の高結晶水鉱石は全て加熱処理して乾燥したものである。
これにより、高炉の還元材比を更に低減することができ、高炉操業を安定にできることを確認できた。
なお、鉄原料中の塊状鉱石の使用量は、高結晶水鉱石と優良塊状鉱石を合わせて21質量%であり、このうちの9質量%を加熱処理して乾燥した高結晶水鉱石にしているが、塊状鉱石の使用量の全量(21質量%)を、処理した高結晶水鉱石にすることも可能である。また、処理した高結晶水鉱石の使用量は、塊状鉱石の使用量に応じて増減でき、21質量%を超えても構わない。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の高炉の操業方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係る高炉の操業方法の説明図である。 高結晶水鉱石の各使用量ごとの高炉半径方向の温度分布を示す説明図である。 高炉半径方向の中心温度と高結晶水鉱石の付着水分量との関係を示す説明図である。 高結晶水鉱石に付着した水分の乾燥速度を示した説明図である。
符号の説明
10:高炉、11:鉄原料貯蔵庫、12:サージホッパー

Claims (4)

  1. 鉄原料に含まれる塊状鉱石に、結晶水を3質量%以上含有する高結晶水鉱石を、前記鉄原料に対して5質量%を超える量使用するに際し、該高結晶水鉱石を加熱処理し付着水分量が4質量%以下になるまで乾燥した後、この乾燥した前記高結晶水鉱石を、高炉の炉内に装入することを特徴とする高炉の操業方法。
  2. 請求項1記載の高炉の操業方法において、前記加熱処理は、前記高結晶水鉱石を常温以上の温度の焼結鉱に接触させて行うことを特徴とする高炉の操業方法。
  3. 請求項2記載の高炉の操業方法において、前記高結晶水鉱石との接触開始時の前記焼結鉱の温度を50℃以上200℃以下とし、その接触時間を10分以上にすることを特徴とする高炉の操業方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉の操業方法において、前記高結晶水鉱石は多孔質であることを特徴とする高炉の操業方法。
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