JP6561035B2 - 自動通気包装袋 - Google Patents

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本発明は、包装袋ごと内容物を加熱する際に内容物から発生する水蒸気を自動的に排気して包装袋の破裂を防ぐ自動通気包装袋に関する。
近年、食事の支度、料理の提供を簡素化する目的から、調理済みもしくは途中まで調理済みの加工食品が広汎に使用、流通されている。とりわけ、1世帯あたりの人数減少、飲食店における調理経費削減等の要請から以前にも増して需要が伸びている。このような調理済み食品は、流通の利便性から種々の樹脂フィルムから成る容器、包装袋等に封入され、提供されている。調理済み食品の加熱は、大別して鍋等の湯煎と電子レンジ(高周波レンジ)によって最終的な調理が行われることが多い。特に、加熱時間の短縮や作業の簡素化の観点から電子レンジ加熱が多く好まれる。そこで食品包装の樹脂フィルム容器においても電子レンジ加熱に対応すべく耐熱性能、耐圧性能が高められている。電子レンジを用いて加熱する場合、食品等の内容物から蒸発に伴って発生する水蒸気により容器は膨張する。しかし、容器の膨張にも限界がある。容器、包装袋において、一定限度の内圧に達すると、容器(包装袋)が破裂し、大変危険である。同時に電子レンジ内を汚してしまう。
従前、水蒸気による破裂を防ぐために、利用者が加熱前に容器(包装袋)に穴を開けなければならず手間を要していた。また、予め穴が設けられた容器(包装袋)も存在するものの、容器自体の気密性は良好とはいえず、主に冷凍食品等の包装に限られている。そこで、容器自体の気密性を高めるとともに、予め水蒸気の逃げ道を確保すべく、容器、包装袋の一部に自動通気部を備えた包装袋が提案されている。自動通気部は常時閉塞しているものの、加熱時に内容物から生じた水蒸気の膨張圧力を受けて最初に開封する。充満した水蒸気は包装袋外部へ放出させられ、容器内圧力を低下させる安全弁の役割を担う。
本発明者は、先に包装袋自体の置き方に上下の制約を設けることなく水蒸気の排気を行うことが可能な自動通気包装袋を開発した(例えば、特許文献1参照)。この自動通気包装袋は、袋状本体の上面部と下面部との間に自動通気部を備えた中間部が設けられ、中間部が断面視W字形状に折り重ねて形成され、自動通気部が中間ヒートシール部と、弧状に突出させた通気予定部と、中間ヒートシール部よりも短く中間ヒートシール部及び通気予定部と接続された筒状部と、水蒸気を外部へ排気する排気部を有するポケット部とを備えており、上面部と中間部との上部ヒートシール部と、下面部と中間部との下部ヒートシール部とが備えられ、上部ヒートシール部の横方向の左右両側の上部ヒートシール端部から側辺ヒートシール部にかけて傾斜状にヒートシールされた上部傾斜ヒートシール部が設けられ、下部ヒートシール部の横方向の左右両側の下部ヒートシール端部から側辺ヒートシール部にかけて傾斜状にヒートシールされた下部傾斜ヒートシール部が設けられている。
上記自動通気包装袋では、袋全体が電子レンジの加熱により内容物から発生した水蒸気に伴って膨張され、この水蒸気の膨張力を利用して水蒸気が通気予定部に集約されて、通気予定部に破壊開口部が生じ、水蒸気の排気が行われる。この時、袋底部は、上部ヒートシール部及び下部ヒートシール部のヒートシール形状に起因する凹凸のうねりのある膨張形状となることにより、通気予定部の破壊開口部が広げられてその形状が保持されるため、水蒸気が安定して排気されて良好な排気効率が得られ、膨張破裂が回避される。
また、この自動通気包装袋は、横倒しされた状態で電子レンジ内に載置されて加熱が行われる。その際、通気予定部は袋底部の上面部と下面部との間の中間部に設けられているため、上下の制約を設けることなく使用することができる。しかも、膨張時に中間部の通気予定部が接地面から上方へ移動するため、特にカレー等の汁物状が内容物であったとしても、内容物の液面が通気予定部に到達しにくくなる。さらに、通気予定部には筒状部が接続されているため、内容物が通気予定部に到達した場合であっても筒状部内に噴出した内容物が保持される。
上記自動通気包装袋では、加熱時に内容物の吹き出しを抑制することができ、特に汁状物の内容物において効果的である。汁気が少ない固形の内容物においても、同様に加熱時の吹き出しが効果的に抑制される。しかしながら、内容物の汁気が少ない場合には、汁状の内容物と比較して水蒸気の発生は少なく、液面の問題も生じない。そこで、汁気が少ない固形の内容物に対応して、複雑な構造を必要としない簡易な構造としながら、良好な排気を行うことが可能な自動通気包装袋が求められている。
特許第5946415号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、従来に比してより簡易な構造としながら良好な排気を行うことが可能な自動通気包装袋を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、重ね合わせたフィルム体の側辺部及び底辺部のヒートシールにより形成された開放口部を有する包装袋であって、前記側辺部に、前記開放口部側から前記底辺部側にかけてヒートシール幅が一定となる側辺定幅シール部と、前記側辺定幅シール部から前記底辺部にかけてヒートシール幅が減少する側辺漸減シール部とが備えられ、前記底辺部には、前記底辺部の両端側から中央側にかけてヒートシール幅が減少する底辺漸減シール部が備えられ、前記底辺部の中央に前記底辺漸減シール部のヒートシール幅より狭小のヒートシール幅であり前記包装袋の中心部側に向け弧状に突出してヒートシールされた通気予定部が備えられ、かつ、前記底辺部における前記通気予定部の背後側に前記フィルム体同士でヒートシールされていない排気通過部が設けられていることを特徴とする自動通気包装袋に係る。
請求項2の発明は、前記側辺漸減シール部と前記底辺漸減シール部との間の前記側辺部に前記側辺定幅シール部よりヒートシール幅が狭小で一定となる狭小定幅シール部が備えられる請求項1に記載の自動通気包装袋に係る。
請求項3の発明は、前記底辺漸減シール部と前記通気予定部との間にヒートシール幅が一定となる底辺定幅シール部が備えられ、前記通気予定部のヒートシール幅が前記底辺定幅シール部よりも狭小である請求項1または2に記載の自動通気包装袋に係る。
請求項4の発明は、前記通気予定部の最大突出位置が、前記底辺漸減シール部の最大幅よりも前記包装袋の中心部側に入り込んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動通気包装袋に係る。
請求項5の発明は、前記排気通過部に前記重ね合わせたフィルム体を圧着する圧着封止部が備えられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動通気包装袋に係る。
請求項6の発明は、前記底辺漸減シール部の前記側辺部側に補強シール部が備えられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の自動通気包装袋に係る。
請求項1の発明に係る自動通気包装袋によると、重ね合わせたフィルム体の側辺部及び底辺部のヒートシールにより形成された開放口部を有する包装袋であって、前記側辺部に、前記開放口部側から前記底辺部側にかけてヒートシール幅が一定となる側辺定幅シール部と、前記側辺定幅シール部から前記底辺部にかけてヒートシール幅が減少する側辺漸減シール部とが備えられ、前記底辺部には、前記底辺部の両端側から中央側にかけてヒートシール幅が減少する底辺漸減シール部が備えられ、前記底辺部の中央に前記底辺漸減シール部のヒートシール幅より狭小のヒートシール幅であり前記包装袋の中心部側に向け弧状に突出してヒートシールされた通気予定部が備えられ、かつ、前記底辺部における前記通気予定部の背後側に前記フィルム体同士でヒートシールされていない排気通過部が設けられているため、従来に比して構造が簡易で製造が容易であり、製造コストが低減されるとともに、加熱膨張時に発生した水蒸気を効率よく通気予定部側へ集中させることができて適切かつ安全に水蒸気の排気を行うことができる。また、このような自動通気包装袋は、汁気が少ない固形の内容物に最適である。
請求項2の発明に係る自動通気包装袋によると、請求項1の発明において、前記側辺漸減シール部と前記底辺漸減シール部との間の前記側辺部に前記側辺定幅シール部よりヒートシール幅が狭小で一定となる狭小定幅シール部が備えられるため、ヒートシール部分の長さに応じて側辺漸減シール部の傾斜位置を調整することができる。
請求項3の発明に係る自動通気包装袋によると、請求項1または2の発明において、前記底辺漸減シール部と前記通気予定部との間にヒートシール幅が一定となる底辺定幅シール部が備えられ、前記通気予定部のヒートシール幅が前記底辺定幅シール部よりも狭小であるため、ヒートシール部分の長さに応じて底辺漸減シール部の傾斜を調整することができる。
請求項4の発明に係る自動通気包装袋によると、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記通気予定部の最大突出位置が、前記底辺漸減シール部の最大幅よりも前記包装袋の中心部側に入り込んでいるため、通気予定部が最初に加熱膨張時の内圧を受けやすくなって、フィルム間の融着を効率よく破壊することができる。
請求項5の発明に係る自動通気包装袋によると、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記排気通過部に前記重ね合わせたフィルム体を圧着する圧着封止部が備えられているため、加熱膨張前の排気通過部を閉鎖状態とすることができるとともに、加熱膨張による通気予定部の破壊時には容易に圧着解除して開放させることができる。
請求項6の発明に係る自動通気包装袋によると、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記底辺漸減シール部の前記側辺部側に補強シール部が備えられるため、底辺漸減シール部の側辺部側のヒートシールを補強することができる。
本発明の実施形態に係る自動通気包装袋の全体斜視図である。 自動通気包装袋の上面模式図である。 自動通気包装袋の側辺部側の模式図である。 自動通気包装袋の底辺部側の模式図である。 通気予定部の模式図である。 自動通気包装袋の膨張概念図である。 比較構造の包装袋の上面模式図である。 自動通気包装袋の側辺部へのヒートシール加工を模式的に表した斜視図である。 他の実施形態に係る自動通気包装袋の底辺部側の模式図である。
図1,2に示す本発明の自動通気包装袋10は、フィルム体Fからなり、ヒートシール加工により製袋される。この自動通気包装袋10は、レトルト食品や冷凍食品等の包装袋であり、特に電子レンジ(高周波レンジ、microwave oven)を用いて当該包装袋10ごと加熱調理が可能である。この包装袋10では、内容物が充填された後、レトルト殺菌される。自動通気包装袋10に充填される内容物は、米飯、炒飯、ピラフ、焼そば、焼きうどん、ピザ、中華まん、野菜炒め、餃子、シュウマイ、焼き鳥、ハンバーグ、干物、煮魚等の主に汁気の少ない固形状の食品である。
自動通気包装袋10は、図1に示すように、重ね合わせたフィルム体F1,F2の側辺部11及び底辺部12のヒートシールにより形成された開放口部15を有する。この自動通気包装袋10は、側辺部11に側辺定幅シール部20と側辺漸減シール部21とが備えられ、底辺部12に底辺漸減シール部30と通気予定部40が備えられ、かつ、通気予定部40に排気通過部50が設けられている。自動通気包装袋10では、内容物の充填後、図2に示すように、開放口部15が封止されて開口ヒートシール部16となる。そして、自動通気包装袋10では、加熱調理により内容物から発生する水蒸気で膨張した際に、通気予定部40から袋内の水蒸気の排出が行われる。なお、自動通気包装袋10において、側辺部11は左右対称に構成される。
フィルム体Fとしては公知のレトルト包装用資材であるフィルムが用いられる。フィルム体Fは、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体等からなる二軸延伸フィルム、酸化アルミ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム、シリカ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム、ポリメタキシリレンアジパミド系ポリアミド延伸フィルム、あるいは、これらと6−ナイロン等との共押出し積層フィルム等の電子レンジ(高周波レンジ)に対応可能な耐熱フィルムが例示される。通常、列記のフィルムは、内容物と接しヒートシールにより相互に融着する面側となるシーラントフィルムと当該フィルムを保護するポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂のフィルムが積層(ラミネート)されて形成される2層または3層以上の積層フィルムである。フィルム体では、各フィルム層の厚さ、積層数、樹脂組成、内容物の特性、耐熱温度、ヒートシール温度、包装袋としての強度、流通経路、流通形態等が総合的に勘案され選択される。例えば、ポリプロピレンフィルムでは、東レフィルム加工株式会社製ZK93KM等が利用され、ポリメタキシリレンアジパミド系ポリアミド延伸フィルムでは、三菱樹脂株式会社製SP−R等が利用される。
側辺定幅シール部20は、図3に示すように、側辺部11に開放口部15側から底辺部12側にかけてヒートシール幅W1が一定となるようにヒートシールされた部位である。側辺定幅シール部20は、自動通気包装袋10の加熱膨張時に、開口ヒートシール部16とともに袋上部側の封止状態を保持して、袋上部側からの破裂の発生を防止する。側辺定幅シール部20のヒートシール幅W1は、8〜12mmである。ヒートシール幅W1が8mmより狭い場合、後述の側辺漸減シール部21を適切に形成することが困難となるおそれがある。12mmより広い場合はヒートシール幅W1が必要以上となって袋の内容量が低下する等の問題がある。
側辺漸減シール部21は、図3に示すように、側辺部11に側辺定幅シール部20から底辺部12にかけてヒートシール幅W2が減少するようにヒートシールされた部位である。側辺漸減シール部21は、底辺部12にかけてヒートシール幅W2が減少する形状によって、加熱膨張時の内圧を底辺部12側(特に通気予定部40側)へ集中させるように作用する。側辺漸減シール部21の傾斜角度は3〜8度であり、好ましくは約5度である。傾斜角度が3度より小さい場合、ヒートシール幅の変化が少なく、底辺部12側を優先させる膨張が少なくなり、効率よく通気予定部40側へ内圧を集中させることが困難となる。8度より大きい場合、ヒートシール幅の変化が過剰で底辺部12側の適切な膨張が困難となる。
側辺漸減シール部21と側辺定幅シール部20との接続位置、すなわちヒートシール幅W2の減少開始位置S1は、側辺部11の長さ方向のほぼ中間位置である。減少開始位置S1が開放口部15側へ寄りすぎていた場合、ヒートシール幅の変化がなくなり、底辺部12側を優先させる膨張が少なくなり、効率よく通気予定部40側へ内圧を集中させることが困難となる。減少開始位置S1が底辺部12側へ寄りすぎていた場合も、ヒートシール幅の変化が乏しく、底辺部12側へ内圧を集中させられない。
また、側辺漸減シール部21の底辺部12側端部のヒートシール幅W3、すなわち側辺最小ヒートシール幅W3は、4〜6mmである。この側辺最小ヒートシール幅W3が4mmより狭い場合、密着力が不十分となって加熱膨張時に破裂するおそれがある。12mmより広い場合、側辺定幅シール部20に対して傾斜が小さくなりすぎて、底辺部12側へ内圧を集中させにくくなる。なお、側辺漸減シール部21は、側辺定幅シール部20のヒートシール幅W1から側辺最小ヒートシール幅W3との間で、ヒートシール幅W2が漸次減少される。
側辺漸減シール部21と底辺漸減シール部30との間の側辺部11には、図3に示すように、側辺定幅シール部20よりヒートシール幅W4が狭小で一定となる狭小定幅シール部22が備えられる。狭小定幅シール部22は、ヒートシール部分の長さに応じて側辺漸減シール部21の傾斜位置を調整する部位である。例えば、包装袋10が大容量で側辺部11が長い場合には狭小定幅シール部22のヒートシールを長くし、包装袋10が小容量で側辺部11が短い場合には狭小定幅シール部22のヒートシールを短くする。これにより、多様な内容量の包装袋に対応して側辺漸減シール部21が適切な位置に配置される。なお、狭小定幅シール部22のヒートシール幅W4は、側辺漸減シール部21の側辺最小ヒートシール幅W3に相当する。
底辺漸減シール部30は、図2〜4に示すように、底辺部12の両端側から中央側にかけてヒートシール幅W5が減少するようにヒートシールされた部位である。底辺漸減シール部30は、底辺部12の中央側にかけてヒートシール幅W5が減少する形状によって、加熱膨張時の内圧を後述の通気予定部40側へ集中させるように作用する。底辺漸減シール部30の中央側のヒートシール幅、すなわち底辺最小ヒートシール幅W6は、2〜4mmである。この底辺最小ヒートシール幅W6が2mmより狭い場合、密着力が不十分となって加熱膨張時に破裂するおそれがある。4mmより広い場合、通気予定部40側へ内圧を集中させにくくなるおそれがある。なお、底辺漸減シール部30の側辺部11側のヒートシール幅、すなわち底辺最大ヒートシール幅W7は、底辺最小ヒートシール幅W6より広い幅であれば特に限定されない。そして底辺漸減シール部30は、底辺最大ヒートシール幅W7から底辺最小ヒートシール幅W6との間で、ヒートシール幅W5が漸次減少される。
底辺漸減シール部30と通気予定部40との間の底辺部12には、図4に示すように、ヒートシール幅が一定となる底辺定幅シール部31が備えられる。底辺定幅シール部31は、ヒートシール部分の長さに応じて底辺漸減シール部30の傾斜を調整する部位である。底辺定幅シール部31のヒートシール幅W8は、底辺漸減シール部30の底辺最小ヒートシール幅W6に相当する。底辺漸減シール部30と底辺定幅シール部31との接続位置S2は、底辺部12の側辺部11側から通気予定部40までの長さ方向のほぼ中間位置から通気予定部40までの範囲である。当該形状から把握できるように、底辺部12に緩やかな弧状が形成されている。
通気予定部40は、図2〜5に示すように、底辺部12の中央に底辺漸減シール部30のヒートシール幅(底辺最小ヒートシール幅W6)より狭小のヒートシール幅W9であり包装袋10の中心部側に向け弧状に突出してヒートシールされた部位である。図5(a)に示すように、通気予定部40は偏平な台形の形状である。通気予定部40は、加熱膨張時に最初にヒートシールによるフィルム間の密着が破壊(壊裂)されて、袋内の水蒸気は排気される。通気予定部40は、意図的に形成した脆弱部位であり、当該自動通気包装袋10のいずれの部位の中で最もヒートシール幅が少ない。また、通気予定部40は、その最大突出位置が、底辺漸減シール部30の最大幅(底辺最大ヒートシール幅W7)よりも包装袋10の中心部側に入り込んで形成される。これにより、通気予定部40は最初に加熱膨張時の内圧を受けやすくなる。つまり、ヒートシールされた辺部同士が離れようとする力を最初に受ける。従って、通気予定部40のフィルム間の密着は、効率よく破壊される。
排気通過部50は、図2〜5に示すように、底辺部12における通気予定部40の背後側にフィルム体同士でヒートシールされていない部位である。排気通過部50は、通気予定部40が破壊された際に、袋内の水蒸気を通過させて袋外へ排気する。また、排気通過部50には、重ね合わせたフィルム体Fを圧着する圧着封止部51が備えられている。圧着封止部51は、図5(b)に示すようにヒートシール加工を施すことなく重ね合わせたフィルム体Fを封止することによって、加熱膨張前の排気通過部50を閉鎖状態とする。そのため、排気通過部50内へ異物が入り込みにくくなる。また、圧着封止部51は、加熱膨張による通気予定部40の破壊時に容易に圧着解除される。そのため、通気予定部40の破壊にあわせて排気通過部50が開放され、効率よく排気される。実施形態の圧着封止部51は、重ね合わせたフィルム体Fを針等により凹状または貫通させて形成した複数のエンボス部である。この他、点状のヒートシールとしてもよい。これにより、極めて簡便に圧着封止部51が形成される。
次に、図6,7を用いて、本発明の自動通気包装袋10の加熱膨張時の変形する様子を比較構造の包装袋200と対比しながら説明する。図7(a)に示す比較構造の包装袋200は、側辺部211のヒートシール幅が全体に亘ってほぼ一定、すなわち側辺漸減シール部が形成されていない包装袋である。図7において、符号212は底辺部、216は開口ヒートシール部、220は側辺シール部、230は底辺シール部、240は通気予定部、250は排気通過部である。
まず、本発明の自動通気包装袋10では、図6に示すように、加熱により包装袋10内の内容物から発生した水蒸気Vp(太点線矢印)が袋内に充満して袋を膨張させる。この時、包装袋10の側辺部11に側辺漸減シール部21が形成されているため、ヒートシール幅の大小よりフィルム体Fの押さえつけ量が異なる。そこで、側辺漸減シール部21から開口ヒートシール部16(開放口部15)側の容積より、側辺漸減シール部21から底辺部12側の容積が大きくなる。このため、底辺部12側の膨張が顕著となる。自動通気包装袋10の底辺部12側において、通気予定部40は最も内部側へ入り込んだ部位である。そのため、通気予定部40に対して水蒸気の圧力が加わりやすくなる。水蒸気発生に伴うこの時点の内圧は各部のヒートシール強度よりも低いため、ヒートシール部位の破壊は生じていない。
ここで、通気予定部40は、当該自動通気包装袋10のいずれの部位の中でヒートシール幅が最も狭められており、ヒートシール強度を意図的に脆弱にした部位である。通気予定部40の周囲に集中した内圧が高められて通気予定部40のヒートシール強度を上回ると、通気予定部40のヒートシール(融着)が破壊され、通気予定部40が開口されて排気通過部50と連通される。いったん、通気予定部40が開口されると、袋内の圧力が高められて膨張していたことにより、通気予定部40から排気通過部50を経由して水蒸気の排気が円滑に行われ、直ちに内圧が減圧される。水蒸気の排気は、内圧が外気圧とほぼ釣り合うようになるまで継続して行われる。このように包装袋10内の内圧が減少されることにより、内圧が通気予定部40以外の部位のヒートシール強度を上回ることがないため、通気予定部40以外の部位のヒートシールは破壊されない。
一方、比較構造の包装袋200では、図7(b)に示すように、加熱により発生した水蒸気Vp5(太点直線矢印)は、袋内に充満して袋を膨張させる。この時、包装袋200の側辺シール部220は、ヒートシール幅が全体に亘って一定であるため、フィルム体Fの押さえつけ量に差異がない。そのため、包装袋200が全体的に膨張されて、本発明の包装袋10のように膨張に偏りが生じない。比較構造の包装袋200では、包装袋10の通気予定部40と同様に通気予定部240が脆弱部位であるが、底辺部212側の膨張が他の部位と変わらないため、本発明の包装袋10より通気予定部240へ圧力が加わらず、破壊されにくくなる。そのため、包装袋200が過剰に膨張したり、通気予定部240より先に他の部位でのヒートシールの破壊が発生したりする可能性がある。
このように、本発明の自動通気包装袋10では、側辺部11のヒートシール幅の変化により底辺部12側の膨張が顕著となる構造であるため、過剰な膨張、破裂は回避され内部の水蒸気は安全に排気される。なお、当該自動通気包装袋10の内容物は汁気の少ない固形食品であるため、水蒸気の噴出のみである。
次に、図8を用いて自動通気包装袋10の側辺部11に対するヒートシール加工、すなわち側辺定幅シール部20と、側辺漸減シール部21と、狭小定幅シール部22とを形成する手順について説明する。側辺部11へ各シール部20,21,22を形成する場合には、図8に示すヒートシール装置100が用いられる。ヒートシール装置100は、図8(a)(b)に示すように、直線状の圧着面111を有する第1熱板110と、傾斜部122が形成された圧着面121を有する第2熱板120とを備える。なお、ヒートシール装置100では、図示の都合上、付属の装置を省略する。
このヒートシール装置100では、図8(b)に示すように、第1熱板110の側部に第2熱板120が密接され、第2熱板120が第1熱板110に対して前後にスライドされて所望する位置へ配置される。すなわち、第2熱板120の傾斜部122が側辺漸減シール部21に相当し、かつ、第1熱板110と第2熱板120の密接部分側が側辺定幅シール部20、第2熱板120が密接していない部分の第1熱板110が狭小定幅シール部22にそれぞれ相当する。そして、載置部130に2枚のフィルム体F1,F2を重ね合わせて載置させ、図8(c)に示すように、密接された第1熱板110及び第2熱板120が重ね合わせたフィルム体Fに圧着され、フィルム体Fに側辺定幅シール部20、側辺漸減シール部21、狭小定幅シール部22がそれぞれ形成される。
このように、ヒートシール装置100を用いることによって効率よく側辺部11のヒートシール加工を実施することができる。特に、ヒートシール装置100は、第1熱板110に対して第2熱板120を前後にスライドさせることによって、側辺漸減シール部21の位置を自在に調整することができるため、長さの異なる包装袋の製袋に柔軟に対応できる。そこで、多様な内容量の包装袋についても第2熱板120の位置変更のみにより作り分けが可能である。なお、図示の例では一側の側辺部に対してヒートシール加工を実施したが、フィルム体の両側にヒートシール装置を対称配置させて、両側の側辺部を一度にヒートシール加工してもよい。このようにすれば、より効率よくヒートシール加工が実施できる。
図9は、他の実施形態に係る自動通気包装袋10A,10Bの模式図である。図9(a)に示す自動通気包装袋10Aは、側辺部11に狭小定幅シール部を形成せずに側辺漸減シール部21の端部を底辺部12まで到達させるとともに、底辺定幅シール部を形成せずに底辺漸減シール部30の端部を通気予定部40まで到達させた例である。例えば、包装袋が極小容量の場合等には、側辺漸減シール部21の傾斜角度と減少開始位置との関係から、狭小定幅シール部が形成できないことがある。このように狭小定幅シール部や底辺定幅シール部を有しない場合であっても、底辺部12側を顕著に膨張させることができる。
また、図9(b)に示す自動通気包装袋10Bは、底辺漸減シール部30の側辺部11側に補強シール部35が備えられた例である。補強シール部35は、側辺漸減シール部21または狭小定幅シール部22と底辺漸減シール部30との接続部分である底辺部12の両端部分のヒートシールを補強する部位である。補強シール部35の形状は、側辺部11と底辺部12とを結ぶ円弧状36または直線状37である。
以上図示し説明したように、本発明の自動通気包装袋は、汁気が少ない固形の内容物の収容に対応した包装袋であって、側辺部に側辺定幅シール部と側辺漸減シール部とが形成されるとともに、底辺部に底辺漸減シール部と通気予定部と排気通過部とが形成された構造である。従って、従来に比して構造が極めて簡易であり、製造が容易で製造効率の向上を図ることができるとともに、製造コストも低減される。また、側辺部の側辺漸減シール部と、底辺部の底辺漸減シール部とにより、加熱膨張時に発生した水蒸気を効率よく通気予定部側へ集中させることができる。そのため、通気予定部から適切かつ安全に水蒸気の排気を行うことができる。
本発明の自動通気包装袋は、汁気が少ない固形の内容物の収容に対応させた包装袋であって、従来より構造が簡易で製造効率や製造コストの改善が図られ、加熱膨張時に適切かつ安全に水蒸気の排気を行うことができる。そのため、市販の固形食品用の加熱調理可能な包装袋の代替として有望である。
10 自動通気包装袋
11 側辺部
12 底辺部
15 開放口部
16 開口ヒートシール部
20 側辺定幅シール部
21 側辺漸減シール部
22 狭小定幅シール部
30 底辺漸減シール部
31 底辺定幅シール部
35 補強シール部
36 円弧状の補強シール部
37 直線状の補強シール部
40 通気予定部
50 排気通過部
51 圧着封止部
100 ヒートシール装置
110 第1熱板
120 第2熱板
130 載置部
F,F1,F2 フィルム体
S1 減少開始位置
S2 底辺漸減シール部と底辺定幅シール部との接続位置
Vp 水蒸気
W1 側辺定幅シール部のヒートシール幅
W2 側辺漸減シール部のヒートシール幅
W3 側辺最小ヒートシール幅
W4 狭小定幅シール部のヒートシール幅
W5 底辺漸減シール部のヒートシール幅
W6 底辺最小ヒートシール幅
W7 底辺最大ヒートシール幅
W8 底辺定幅シール部のヒートシール幅
W9 通気予定部のヒートシール幅

Claims (6)

  1. 重ね合わせたフィルム体の側辺部及び底辺部のヒートシールにより形成された開放口部を有する包装袋であって、
    前記側辺部に、前記開放口部側から前記底辺部側にかけてヒートシール幅が一定となる側辺定幅シール部と、前記側辺定幅シール部から前記底辺部にかけてヒートシール幅が減少する側辺漸減シール部とが備えられ、
    前記底辺部には、前記底辺部の両端側から中央側にかけてヒートシール幅が減少する底辺漸減シール部が備えられ、
    前記底辺部の中央に前記底辺漸減シール部のヒートシール幅より狭小のヒートシール幅であり前記包装袋の中心部側に向け弧状に突出してヒートシールされた通気予定部が備えられ、かつ、前記底辺部における前記通気予定部の背後側に前記フィルム体同士でヒートシールされていない排気通過部が設けられている
    ことを特徴とする自動通気包装袋。
  2. 前記側辺漸減シール部と前記底辺漸減シール部との間の前記側辺部に前記側辺定幅シール部よりヒートシール幅が狭小で一定となる狭小定幅シール部が備えられる請求項1に記載の自動通気包装袋。
  3. 前記底辺漸減シール部と前記通気予定部との間にヒートシール幅が一定となる底辺定幅シール部が備えられ、前記通気予定部のヒートシール幅が前記底辺定幅シール部よりも狭小である請求項1または2に記載の自動通気包装袋。
  4. 前記通気予定部の最大突出位置が、前記底辺漸減シール部の最大幅よりも前記包装袋の中心部側に入り込んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動通気包装袋。
  5. 前記排気通過部に前記重ね合わせたフィルム体を圧着する圧着封止部が備えられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動通気包装袋。
  6. 前記底辺漸減シール部の前記側辺部側に補強シール部が備えられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の自動通気包装袋。
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