JP6558453B1 - 負極集電体、負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池内部の短絡を防止したリチウム二次電池及びこれに適した負極集電体及び負極を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係るリチウム二次電池用集電体は、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される少なくとも一つの結晶粒子を有し、前記結晶粒子の平均結晶子サイズが4000Å以上6000Å以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、負極集電体、負極及びリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、高容量化を実現することができ、携帯電話やノートパソコン等のモバイルバッテリーから自動車用バッテリーや大型の電力貯蔵用バッテリーまで広く利用されている。
負極に金属リチウムを用いるリチウム二次電池は、リチウム金属が析出、溶解することで充放電を行う。リチウム金属は極めて卑な電位を有するため、リチウム二次電池は高い理論容量密度を実現できると期待されている。
リチウム二次電池の抱える課題の一つとして、電池内部での短絡がある。特許文献1は、正極活物質層の表面を絶縁性で、かつ、リチウムを吸蔵可能な酸化物で被覆することで、デンドライト(金属リチウムが析出開始点を根として樹上に析出したもの)が正極へ到達した場合でもマイクロショートを抑制できることが記載されている。
特許文献2及び3には、このデンドライトを抑制する手段が記載されている。特許文献2は、金属析出面に実質的に粒界のないアモルファス金属又はアモルファス合金を負極集電体として用いている。結晶粒界や配向面の食い違いが充放電時の電流分布の不均一の原因であり、この負極集電体を用いることでデンドライトが抑制できることが特許文献2に記載されている。
特許文献3は、金属析出面の表面粗さ(Rz)を10μm以下とした負極集電体をリチウム二次電池に用いている。金属析出面を平滑化することで、充放電時の電流分布の不均一を防ぎ、デンドライトが抑制できることが特許文献3に記載されている。
特開2014−154220号公報 特開2001−250559号公報 特開2001−243957号公報
デンドライトはリチウム二次電池の内部短絡の大きな原因の一つであるが、リチウム二次電池の内部短絡はデンドライトのみによって生じるわけではない。例えば、リチウムの析出状態が変化し、端部からはみ出すように析出する等の反応が生じると、端部で負極と正極とが内部短絡する。つまり、デンドライトを抑制するだけでなく、リチウム金属の析出、溶解の反応場を安定化させることが求められている。また特許文献2及び3に記載の負極集電体を用いてもデンドライトの発生を十分抑制することができなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、内部短絡が抑制されたリチウム二次電池及びこれに適した負極集電体及び負極を提供することを目的とする。
本発明者らは、結晶粒子を構成する結晶子サイズに着目し、結晶子サイズを所定の範囲内とすると、リチウム二次電池の内部短絡を抑制できることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる負極集電体は、負極に金属リチウムを用いるリチウム二次電池用の負極集電体であって、銅からなると共に、銅の結晶粒子を有し、前記結晶粒子の平均結晶子サイズが4000Å以上6000Å以下である。
(2)上記態様にかかる負極集電体は、X線回折測定における(200)面における半値幅d1と、(220)面における半値幅d2と、が0.7≦d2/d1≦1.1の関係を満たしてもよい。
(3)上記態様にかかる負極集電体は、前記結晶粒子の大きさが2.5μm以上8.0μm以下であってもよい。
(4)第2の態様にかかる負極は、上記態様にかかる負極集電体を備える。
)第3の態様にかかるリチウム二次電池は、負極に金属リチウムを用いるリチウム二次電池であって、上記態様にかかる負極と、前記負極と対向する正極と、前記負極と前記正極との間に位置するセパレータと、を備える。
上記態様に係る負極集電体を用いると、電池内部の短絡が抑制されたリチウム二次電池を得ることができる。
本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第1実施形態」
[リチウム二次電池]
図1は、第1実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウム二次電池100は、発電部40と、外装体50と、リード60、62とを備える。外装体50は、発電部40を密閉した状態で収容する。一対のリード60、62の一端は、発電部40に接続され、他端は外装体50の外部まで延在している。また図示されていないが、発電部40とともに電解液が、外装体50内に収容されている。
(発電部)
発電部40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されている。図1では、外装体50内に発電部40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。
<負極>
負極30は、負極集電体32と負極活物質層34とを備える。負極30において金属リチウムの析出、溶解反応を用いる場合、負極活物質層34は初期状態では無くてもよい。電解液中のリチウムイオンが負極集電体32の一面に金属リチウムとして析出するためである。一方で、1回以上充電を行うと析出した金属リチウムが残存するため、この金属リチウムを含む層を負極活物質層34とみなすことができる。また充放電に寄与するリチウム量が不足することに備えて、充放電前の初期状態から集電体の一面にリチウム箔を設けてもよい。
一方で、負極において合金化、脱合金化反応を用いる場合は、負極活物質層34としてSi、Sn等が用いられる。この場合でも、合金化反応より析出反応が早い場合において異常析出が起きる場合があり、内部短絡の抑制が求められている。
負極集電体32は、銅、ニッケル、ステンレス、チタンからなる群から選択される少なくとも一つの結晶粒子を有する。負極集電体32は、これらの金属うちの少なくともいずれかの金属箔であることが好ましい。これらの金属は、いずれも導電性に優れ、リード60を介して発生した電子を速やかに外部に出力できる。
負極集電体32を構成するこの結晶粒子の平均結晶子サイズは、4000Å以上6000Å以下であり、5000Å以上6000Å以下であることが好ましい。ここで結晶子とは、単結晶とみなせる最大の集まりをいい、一つの結晶粒子は複数の結晶子によって構成されている。平均結晶子サイズは、X線回折における回折ピークの半値幅からシェラーの式により求められる。測定にもちいたX線の波長は1.54Å、ブラッグ角(回折角の半分)は35°〜40°、半値幅の測定に用いた回折ピークは2θで74.14°とした。
結晶粒子の平均結晶子サイズが当該範囲内にあると、リチウム二次電池100の内部短絡が抑制される。内部短絡が抑制される原因は明確ではないが、平均結晶子サイズが所定の範囲内となることで、充放電反応時の反応場が適切になったことが一つの大きな要因であると考えられる。
結晶粒子の平均結晶子サイズが小さいと、電解液と結晶子との反応面積が増え、反応場が増大する。例えば、負極端部に活性な反応場が形成されると、その反応場で集中的にリチウムの析出反応が生じ、正極との短絡の原因となる。一方で、結晶粒子の平均結晶子サイズが大きいと、結晶粒子のサイズが大きくなりやすくなる。結晶粒子のサイズが大きいと、負極集電体32内の導電性が面内で不均一になり、反応場が不均一になる。すなわち局所的に活性な反応場が形成されやすくなり、正極との短絡の原因となる。
これに対し、結晶粒子の平均結晶子サイズが上記の範囲内であると、リチウムの析出、溶解反応に寄与する反応場が負極30の面内で安定化し、局所的なリチウムの析出反応が抑制され、内部短絡が抑制される。
また結晶粒子の平均結晶子サイズが上記の範囲内にあると、デンドライトの発生も抑制できる。デンドライトは、セパレータを貫通し正極10に至る場合があり、内部短絡の原因の一つである。
結晶粒子の平均結晶子サイズが小さいと、結晶粒子を構成する金属元素が拡散しやすくなる。拡散した金属元素は、負極活物質層34を構成する元素(活物質)と反応し合金化する。上述のように初期状態として負極活物質層34がない場合でも、1回以上の充電後には金属リチウムが負極活物質層34となるため、拡散した金属元素と金属リチウムとの合金化反応が生じる。
負極活物質層34において合金化反応が生じると、活物質が体積膨張する。活物質が体積膨張すると、負極活物質層34内に圧縮応力が生じる。圧縮応力は活物質の粒子界面において特に強く生じ、負極活物質層34の面内における圧力分布を不均一にする。リチウムの析出状態は、析出面の状態の影響を強く受ける。たとえば、強い圧力を受けている部分では、圧力を解放するように析出面に対して交差する方向に金属リチウムが成長しやすくなる。析出面に対して交差する方向に析出する金属リチウムはデンドライトである。
結晶粒子の平均結晶子サイズが4000Å以上であれば、結晶粒子を構成する金属元素の拡散は十分抑制できる。
負極集電体32は、X線回折測定における(200)面における半値幅d1と(220)面における半値幅d2とが、0.7≦d2/d1≦1.1の関係を満たすことが好ましく、0.8<d2/d1≦1.1の関係を満たすことが好ましい。
負極集電体32の平均結晶子サイズは、焼結状態によって変化し、未焼結で小さく、焼結状態で大きい。また負極集電体32のX線回折測定結果は、未焼結では(200)面の結晶性が高く(半値幅d1が狭く)、焼結状態では(220)面の結晶性が高い(半値幅d2が狭い)。負極集電体32を構成する金属元素が結晶成長すると、平均結晶子サイズが大きくなり、X線の回折条件が変化したためと考えられる。
X線回折における(200)面における半値幅d1と(220)面における半値幅d2とが上記の関係を満たすと、リチウム二次電池100の内部短絡が抑制される。この原因は明確ではないが、結晶粒子の平均結晶子サイズに加えて、結晶の配向状態が特定の状態になることで反応場が安定化し、局所的なリチウムの析出が抑制されるためと考えられる。
負極集電体32の結晶粒子の大きさは2.5μm以上8.0μm以下であることが好ましく、2.5μm以上5.0μm以下であることより好ましい。結晶粒子の大きさが当該範囲内にあるとリチウム二次電池100の内部短絡がより抑制される。
結晶粒子の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)等による観察において一つの粒子としてみなせる粒子の大きさであり、SEMで撮像した5000倍又は10000倍の平面画像から算出する。具体的には、画像の視野内で任意に選択した10個の結晶粒子の長軸長さ及び短軸長さを測定し、その平均値を求める。測定した結晶粒子の短軸長さ及び長軸長さを平均したものが、結晶粒子の大きさに対応する。
負極集電体32の結晶粒子の形状は柱状であることが好ましい。結晶粒子の形状が柱状であるとは、SEMで撮像した5000倍又は10000倍の断面画像において、任意に選択した10個の結晶粒子の平均長軸長さを平均短軸長さで割ったアスペクト比が、1.4以上であることを意味する結晶粒子を構成する結晶子の配向状態が変化すると、金属リチウムの析出、溶解の反応状態が変化する。その結果、リチウム二次電池100の内部短絡がより抑制される。
<正極>
正極20は、正極集電体22と、その一面に設けられた正極活物質層24とを有する(図1参照)。正極集電体22は、導電性を有する材料により構成されていればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMna2(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
また正極活物質層24は、導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層24は導電材を含んでいなくてもよい。
また正極活物質層24は、バインダーを含む。バインダーは、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
<セパレータ>
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
(電解液)
電解液は、発電部40内に含浸される。電解液には、リチウム塩等を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する非水系電解質溶液) を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水系電解質溶液)であることが好ましい。
非水系電解質溶液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
また非水系電解質溶液としてイオン液体を用いてもよい。イオン液体は、カチオンとアニオンの組合せによって得られる100℃未満でも液体状の塩である。イオン液体は、イオンのみからなる液体であるため、静電的な相互作用が強く、不揮発性、不燃性と言う特徴を有する。電解液としてイオン液体を用いたリチウム二次電池100は、安全性に優れる。
(外装体)
外装体50は、その内部に発電部40及び電解液を密封する。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
「リード」
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。リード60、62を正極20、負極30にそれぞれ溶接し、正極20と負極30との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解液と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールする。
上述のように、本実施形態にかかるリチウム二次電池は、負極集電体32の平均結晶子サイズが所定の範囲内である。そのため、反応場が安定化し、リチウム二次電池100の内部短絡が抑制される。
[リチウム二次電池の製造方法]
本実施形態にかかるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。まず正極20及び負極30を作製する。
正極20は、正極集電体22上に正極活物質を含む塗料を塗布、乾燥して作製する。正極活物質を含む塗料は、正極活物質、バインダー及び溶媒を含み、必要に応じて導電材が混合されている。溶媒には、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
塗料における正極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。
そして作製した塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、正極集電体22上に正極活物質層24が形成された正極20が得られる。
負極30は、負極集電体32として用いる金属箔を準備する。準備した金属箔を焼結して金属膜を構成する結晶粒子の平均結晶子サイズを調整する。結晶粒子の平均結晶子サイズと焼結温度とはある程度の相関があり、焼結温度が高くなると平均結晶子サイズは大きくなる。そのため、厳密な検量線が準備できればその検量線に従って金属箔を焼結することで、所定の負極集電体32が得られる。平均結晶子サイズを4000Å以上6000Å以下とするためには、焼結温度は350℃から600℃程度とすることが好ましい。
一方で、焼結炉内は温度分布や様々な要因により平均結晶子サイズは同条件で焼結しても変動することが多い。4000Å以上6000Å以下という領域内で、平均結晶子サイズを厳密に制御することは難しい。そこで、焼結後にX線回折により平均結晶子サイズを測定し、特定の範囲内に収まっているものを負極集電体32として利用する。
金属膜を焼結する際は、還元雰囲気又は真空中で焼結することが好ましい。例えば、銅等は酸化しやすい。還元雰囲気又は真空中で焼結することで、負極集電体32内に酸化銅が形成されることを抑制し、導電性が不均一化することをより抑制できる。
金属リチウム以外のSi、Sn等を負極活物質層34として用いる場合は、負極活物質、バインダー及び溶媒を含む溶媒を、負極集電体32に塗布し、溶媒を除去する。溶媒を除去する際に、負極集電体32を焼結してもよい。
次いで作製した正極20と負極30とを、セパレータ10を介して積層し、電解液と共に、外装体50内に封入する。例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、予め作製した袋状の外装体50に、発電部40を入れる。電解液は、外装体50内に注入してもよいし、発電部40内に含浸させてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
(実施例1)
まず正極を準備した。正極活物質としてNCA(組成式:Li1.0Ni0.78Co0.19Al0.03)、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてPVDFを準備した。これらを溶媒中で混合し、塗料を作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後に、溶媒は除去した。
次いで負極集電体を準備した。銅箔を設定温度350℃で焼結し、X線回折により平均結晶子サイズを求めた。そして、平均結晶子サイズが4000Åのものを負極集電体として用いた。
そして作製された正極と負極とをセパレータを介して積層し発電部を作製した。正極と負極の積層数は1層とした。セパレータには、ポリエチレンとポリプロピレンの積層体を用いた。得られた発電部を非水電解液に含浸させてから外装体内に封入した。電解液にはN−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(P13−FSI)を用い、1mol/Lの濃度となるようにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li−TFSI)を溶解させたものを用いた。
そして同条件で10個のセルを作製し、充放電時の内部短絡の有無を確認した。内部短絡の有無は、初回の充放電後に確認し、満充電時の電圧および充電放電容量に対して電圧及び充放電容量が、急激に低下したものは内部短絡したと判断した。
(実施例2、3)
実施例2は、平均結晶子サイズが4500Åのものを負極集電体として選択した点が実施例1と異なり、実施例3は、平均結晶子サイズが5000Åのものを負極集電体として選択した点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様として内部短絡の有無を確認した。
(実施例4、5)
実施例4、5は、銅箔を設定温度500℃で焼結した点が実施例1と異なる。そして実施例4では平均結晶子サイズが5500Åのものを負極集電体として選択し、実施例5では平均結晶子サイズが6000Åのものを負極集電体として選択した。その他の条件は、実施例1と同様にして内部短絡の有無を確認した。
(比較例1〜3)
比較例1は、平均結晶子サイズが2000Åのものを負極集電体として選択した点が実施例1と異なり、比較例2は、平均結晶子サイズが3000Åのものを負極集電体として選択した点が実施例1と異なり、比較例3は、平均結晶子サイズが3500Åのものを負極集電体として選択した点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様として内部短絡の有無を確認した。
(比較例4〜6)
比較例4〜6は、銅箔を設定温度500℃で焼結した点が実施例1と異なる。そして比較例4では平均結晶子サイズが6500Åのものを負極集電体として選択し、比較例5では平均結晶子サイズが7000Åのものを負極集電体として選択し、比較例6では平均結晶子サイズが7500Åのものを負極集電体として選択した。その他の条件は、実施例1と同様にして内部短絡の有無を確認した。
Figure 0006558453
表1に示すように、平均結晶子サイズが4000Å以上6000Å以下の範囲内において、リチウム二次電池の内部短絡が抑制された。
(実施例6〜15)
次いで、平均結晶子サイズを4500Åに固定して、X線回折測定における(200)面における半値幅d1と(220)面における半値幅d2との関係性を変更した。これらの関係性は、焼結条件により変化すると考えられるが明確な制御因子が不明なため、設定温度350℃で焼結後の負極集電体の表面をX線回折により測定し、半値幅の関係が以下の実施例の関係を満たすものを抽出した。その他の条件は、実施例2と同様にして内部短絡の有無を確認した。
Figure 0006558453
(実施例15〜23)
次いで、平均結晶子サイズを4500Åに固定して、結晶粒子サイズを変更した。結晶粒子サイズは、焼結時間および焼結炉内の真空度を変えて制御した。その他の条件は、実施例3と同様にして内部短絡の有無を確認した。
Figure 0006558453
10 セパレータ
20 正極
22 正極集電体
24 正極活物質層
30 負極
32 負極集電体
34 負極活物質層
40 発電部
50 外装体
60,62 リード
100 リチウム二次電池

Claims (5)

  1. 負極に金属リチウムを用いるリチウム二次電池用の負極集電体であって、
    銅からなると共に、銅の結晶粒子を有し、
    前記結晶粒子の平均結晶子サイズが4000Å以上6000Å以下である、負極集電体。
  2. X線回折測定における(200)面における半値幅d1と、(220)面における半値幅d2と、が0.7≦d2/d1≦1.1の関係を満たす、請求項1に記載の負極集電体。
  3. 前記結晶粒子の大きさが2.5μm以上8.0μm以下である、請求項1又は2に記載の負極集電体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の負極集電体を備えた、負極。
  5. 負極に金属リチウムを用いるリチウム二次電池であって、
    請求項4に記載の負極と、
    前記負極と対向する正極と、
    前記負極と前記正極との間に位置するセパレータと、を備えるリチウム二次電池。
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