JP2018170128A - リチウム二次電池用集電体及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用集電体及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係るリチウム二次電池用集電体は、表面に誘電体を有し、前記誘電体の間から前記表面の少なくとも一部が露出している。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム二次電池用集電体及びリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、高容量化を実現することができ、携帯電話やノートパソコン等のモバイルバッテリーから自動車用バッテリーや大型の電力貯蔵用バッテリーまで広く利用されている。
リチウム二次電池は、電極を構成する材料内にリチウムイオンを挿入、脱離することで充放電を行うリチウムイオン二次電池とは異なり、リチウム金属が析出、溶解することで充放電を行う。リチウム金属は極めて卑な電位を有するため、リチウム二次電池は高い理論容量密度を実現できると期待されている。
リチウム二次電池は、充電時に金属リチウムが析出する。金属リチウムは、析出開始点を根として樹状に析出する(デンドライトを形成する)場合がある。樹状に析出した金属リチウムは、リチウム二次電池の放電時に溶解する。樹状に析出した金属リチウムの枝の部分から金属リチウムが順に溶解すれば問題はないが、根元の部分が先に溶解する場合がある。この場合、根元を失った金属リチウムは電解液中に浮遊し、導通が取れなくなる。電解液中に浮遊する金属リチウムは、導通が取れないため、以降の充放電には寄与することができない。その結果、リチウム二次電池のサイクル特性は低減する。
特許文献1には、集電体の表面に3μm以下の細孔を設けることが記載されている。細孔により集電体の比表面積が大きくなり、実効電流密度が低減され、デンドライトの形成が抑制される。
また特許文献2には、集電体の表面にリチウムイオン伝導性保護膜を設けることが記載されている。リチウムイオン伝導性保護膜により面内方向への電子の伝導性を高めることで、特定の場所に電力集中が起きることを防ぎ、デンドライトの形成が抑制される。
特開平8−321310号公報 特表2016−527679号公報
しかしながら、特許文献1に記載の集電体は、微小な細孔を表面に形成する必要があり、作製することが難しい。また特許文献2に記載の集電体は、リチウムイオン伝導性保護膜により面内方向の電子伝導性を高めているが、温度、振動等の外因の影響を受けた際に、デンドライトの形成を充分抑制することができない。そのため、特許文献1及び2に記載の集電体を用いても、リチウム二次電池のサイクル特性が充分とは言えない場合があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、表面に誘電体を設けることで、まずリチウムイオンを誘電体に引き寄せてから、集電体表面に段階的に金属リチウムを析出させることで、デンドライトが形成することを抑制し、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を得ることができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるリチウム二次電池用集電体は、表面に誘電体を有し、前記誘電体の間から前記表面の少なくとも一部が露出している。
(2)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記誘電体は、誘電体粒子であってもよい。
(3)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記誘電体粒子の粒径は、0.02μm以上3μm以下であってもよい。
(4)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体の前記表面において、前記誘電体粒子の個数密度は、2×10個/m以上1×1011個/m以下であってもよい。
(5)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記誘電体の間から露出する露出面の面積は前記表面の表面積の30%以上であってもよい。
(6)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記誘電体はBaTiO、SrTiO、BaSr1−x、SrTaON、SrBiTa、(Bi,La)Ti12及びLiNbOからなる群から選択されるいずれか一つ以上の物質を有してもよい。
(7)第2の態様にかかるリチウム二次電池は、上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体を負極として用い、前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極の間のリチウムイオンの伝導を担う電解液と、を備える。
上記態様に係るリチウム二次電池用集電体によれば、サイクル特性に優れるリチウム二次電池を得ることができる。
本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。 本実施形態にかかる負極を有するリチウム二次電池の動作の様子を模式的に示した図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第1実施形態」
[リチウム二次電池]
図1は、第1実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウム二次電池100は、発電部40と、外装体50と、リード60、62とを備える。外装体50は、発電部40を密閉した状態で収容する。一対のリード60、62の一端は、発電部40に接続され、他端は外装体50の外部まで延在している。また図示されていないが、発電部40とともに電解質が、外装体50内に収容されている。
(発電部)
発電部40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されている。図1では、外装体50内に発電部40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられている。
<負極>
負極30は、集電体と金属リチウムとを有する。金属リチウムは、充放電過程によっては存在しない場合もある。充電時には集電体の表面に金属リチウムが析出し、放電時には表面に析出した金属リチウムが溶出する。すなわち、充電時には集電体と金属リチウムとを含むものが負極30となり、放電時には集電体が負極30となる。また充放電に寄与するリチウム量が不足することに備えて、充放電前の初期状態から集電体の一面にリチウム箔を設けてもよい。
図2は、本実施形態にかかる負極30を有するリチウム二次電池100の動作の様子を模式的に示した図である。図2に示すように集電体31は、金属箔32表面に誘電体33を有する。金属箔32の表面は誘電体33の間において露出している。
金属箔32は、電気伝導性に優れる金属により構成されている。電気伝導性に優れる金属としては、銅、ニッケル、アルミ、鉄、白金、金等を用いることができる。また金属箔32を構成する金属は、リチウムと合金を作りにくい材料であることが好ましい。具体的には、銅、ニッケル、チタン、ステンレス、白金及びこれらの合金からなる群から選択されるいずれかであることが好まく、銅であることが特に好ましい。
誘電体33は、金属箔32の一部を露出する構成であれば特に問わない。例えば、誘電体33は、開口部を有する膜、網目上に形成された構造体、パターン構造体、点在する粒子等のいずれの構造でもよい。集電体31を容易に製造するためには、誘電体33は誘電体粒子であることが好ましい。
誘電体33は、外部電界により物質内部に電気分極が誘起される性質を有する物質である。誘電体33は、10以上500000以下の誘電率を有することが好ましい。また誘電体33は、強誘電材料であることが好ましい。例えば、誘電体33は、BaTiO、SrTiO、BaSr1−x、SrTaON、SrBiTa、(Bi,La)Ti12及びLiNbOからなる群から選択されるいずれか一つ以上の物質を有することが好ましい。
集電体31が表面に誘電体33を有すると、リチウム二次電池100のサイクル特性が向上する。この理由は明確ではないが、以下のような現象が起きているのではないと考えられる。
図2に示すように、正極20と負極30の間には、電解液70が設けられている。電解液70は、図1においてはセパレータ10及び正極活物質層24中に含浸されている。リチウム二次電池100は、電解液70を介して正極20及び負極30間でリチウムイオン71が移動することにより充放電を行う。すなわち、正極20、負極30及び電解液70があれば、リチウム二次電池100は動作する。
図2に示すように、リチウム二次電池100を充電すると、負極30の金属箔32はマイナスに帯電する。その外部電界を受けて誘電体33は分極する。誘電体33の金属箔32側の一面33Bは、マイナスに帯電する金属箔32の影響を受けてプラスに帯電する。一方で、誘電体33の電解液70側の一面33Aは、プラスに帯電した誘電体33の金属箔32側の一面33Bに対して電気的な平衡を保つためにマイナスに帯電する。
電解液70中に存在するリチウムイオン71はプラスの電荷を帯びているため、まず誘電体33の一面33Aに引き寄せられる。一方、誘電体33は、金属箔32よりは導電性に劣るため、誘電体33の一面33Aに大きな電力集中が起こることはない。そのため、誘電体33の一面33Aからデンドライトは形成されない。
次いで、誘電体33の一面33Aに引き寄せられたリチウムイオン71がマイナスに帯電する金属箔32に引き寄せられる、または、誘電体33の一面33Aに引き寄せられたリチウムイオン71が凝集して金属リチウム72を析出し、析出した金属リチウム72が金属箔32側に落ち込む。負極30を構成する集電体31の表面でいずれの反応が生じているかは明確ではないが、何れの場合でもデンドライトの形成は抑制されると考えられる。
まず前者のリチウムイオン71の状態で金属箔32に引き寄せられる場合について説明する。リチウムイオン71は、誘電体33の一面33Aに引き寄せられてから金属箔32の表面に段階的に引き寄せられる。そのため、外因等により局所的に電力集中が起きた場合でも、金属リチウム72が一箇所に急激に集中することが抑制され、デンドライトの形成が抑制される。
また誘電体33の一面33Bはプラスに帯電している。そのため、金属箔32の一面の特定の場所が強くマイナスに帯電することはそもそも抑制されており、電力集中自体が生じにくい状態となっている。
ついで、後者の金属リチウム72が析出し、金属箔32側に落ち込む場合について説明する。上述のように、誘電体33は金属箔32よりは導電性に劣るため、誘電体33の一面33Aに金属リチウム72がある程度析出すると、それ以上の金属リチウム72は析出することができなくなる。そして析出した金属リチウム72は、誘電体33の一面33Aから金属箔32に落ち込む。
析出した金属リチウム72は電荷を有さない。そのため、金属リチウム72は、誘電体33の間に堆積していくのであり、局所的な電力集中が生じてもその影響は受けない。つまり、金属リチウム72は、誘電体33の一面33A及び金属箔32の表面のいずれにおいても過剰に析出することができず、デンドライトの形成が抑制される。
誘電体33の間から金属箔32が露出する露出面積は、金属箔32の表面積全体の30%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここで「表面積」とは誘電体33が存在する面の面積を意味する。
誘電体33は、リチウム二次電池100の充放電反応の効率を高めるためには少ない方が好ましい。誘電体33は、電気伝導性が金属箔32よりも劣るためである。デンドライトの形成を抑制する誘電体33と、電池の充放電反応を効率的に行う金属箔32とが、特定の比率で存在することで、初期の充放電容量及び複数回充放電を繰り返した際のサイクル特性のいずれも高めることができる。
また誘電体33が誘電体粒子である場合、誘電体粒子の粒径は、0.02μm以上3μm以下であることが好ましく、0.02μm以上1μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上1μm以下であることがさらに好ましい。
誘電体粒子の粒径は複数の誘電体粒子の平均粒径であり、粒度分布測定で得られた分布曲線における積算値が50%である粒子の直径(D50)である。粒子の粒度分布は、レーザ回折・散乱法(マイクロトラック法)を用いた粒度分布測定装置により測定できる。
誘電体粒子の粒径が大きすぎると、誘電体33の一面33Aに析出する金属リチウム72の量が多くなる。そのため、誘電体33の一面33A上にデンドライトが形成される可能性が高まる。一方で、誘電体粒子の粒子径が小さすぎると、金属リチウム72が最初に析出又は堆積する誘電体33間の隙間の容積が少なくなる。誘電体33の高さ以上に金属リチウム72が析出すると、誘電体33によるデンドライトを抑制する効果が低下する。
また表面における誘電体粒子の個数密度は、2×10個/m以上1×1011個/m以下であることが好ましく、5×10個/m以上8×1010個/m以下であることがより好ましい。
誘電体粒子の個数密度が低いと、金属箔32が広い面積で露出する可能性が高まる。この露出した部分は、ミクロには誘電体粒子が無い部分であり、デンドライトが形成する可能性が高くなる。また誘電体粒子の個数密度が高いと、金属リチウム72が最初に析出又は堆積する誘電体33間の隙間の容積が少なくなる。誘電体33間の隙間が埋まってしまうと、誘電体33によるデンドライトを抑制する効果が低下する。
<正極>
正極20は、正極集電体22と、その一面に設けられた正極活物質層24とを有する(図1参照)。正極集電体22は、導電性を有する材料により構成されていればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMna2(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
また正極活物質層24は、導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層24は導電材を含んでいなくてもよい。
また正極活物質層24は、バインダーを含む。バインダーは、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
<セパレータ>
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
<電解液>
電解液70は、発電部40内に含浸される。電解液70には、リチウム塩等を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
非水電解質溶液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
また非水電解質溶液としてイオン液体を用いてもよい。イオン液体は、カチオンとアニオンの組合せによって得られる100℃未満でも液体状の塩である。イオン液体は、イオンのみからなる液体であるため、静電的な相互作用が強く、不揮発性、不燃性と言う特徴を有する。電解質としてイオン液体を用いたリチウム二次電池100は、安全性に優れる。
(外装体)
外装体50は、その内部に発電部40及び電解質を密封する。外装体50は、電解質の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。リード60、62を正極20、負極30にそれぞれ溶接し、正極20と負極30との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解質と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールする。
上述のように、本実施形態にかかるリチウム二次電池は、負極を構成する集電体が誘電体を有する。そのため、誘電体が金属リチウムの局所的な析出を抑制し、デンドライトの形成を抑制する。そのため、放電時に電解液中に浮遊し、以降の充放電に寄与できなくなる金属リチウムが発生することが抑制され、リチウム二次電池のサイクル特性が向上する。
[リチウム二次電池の製造方法]
本実施形態にかかるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。まず正極20及び負極30を作製する。
正極20は、正極集電体22上に正極活物質を含む塗料を塗布、乾燥して作製する。正極活物質を含む塗料は、正極活物質、バインダー及び溶媒を含み、必要に応じて導電材が混合されている。溶媒には、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
塗料における正極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。
そして作製した塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、正極集電体22上に正極活物質層24が形成された正極20が得られる。
負極30は、集電体31として用いる金属箔32を準備する。金属箔32は、市販のものを利用できる。準備した金属箔32の表面に誘電体33を設ける。誘電体33は、種々の方法で設けることができる。例えば、金属箔32の表面に誘電体材料をスパッタリングしてもよいし、誘電体塗料をコーティング後にエンボス加工を施してもよいし、非溶媒誘起相分離法(NIPS)法を用いてもよいし、熱誘起相分離法(TIPS)法を用いてもよいし、コールドスプレー(CS)法を用いてもよいし、誘電体塗料にフタル酸ジブチル(DBP)ビーズを混合しコーティング後乾燥させてからDBPビーズをヘキサンで抽出する方法を用いてもよい。
次いで作製した正極20と負極30とを、セパレータ10を介して積層し、電解液と共に、外装体50内に封入する。例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、予め作製した袋状の外装体50に、発電部40を入れる。電解液は、外装体50内に注入してもよいし、発電部40内に含浸させてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
(実施例1)
まず正極を準備した。正極活物質としてNCA(組成式:Li1.0Ni0.78Co0.19Al0.03)、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてPVDFを準備した。これらを溶媒中で混合し、塗料を作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後に、溶媒は除去した。
次いで負極を準備した。負極は、集電体として銅箔を用いた。そして銅箔表面にBaTiOからなる誘電体粒子を粒子密度7×10個/mで設けた。誘電体粒子の直径は0.01μmであった。誘電体粒子は、スパッタリング法により銅箔表面に設けた。
そして作製された正極と負極とをセパレータを介して積層し発電部を作製した。正極と負極の積層数は1層とした。セパレータには、ポリエチレンとポリプロピレンの積層体を用いた。得られた発電部を電解液に含浸させてから外装体内に封入した。電解液にはN−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(P13−FSI)を用い、1mol/Lの濃度となるようにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li−TFSI)を溶解させたものを用いた。そして得られたリチウム二次電池の充放電を行い、容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。容量維持率は、初回の放電時の放電容量に対する100サイクル目の放電時の放電容量の容量比率を意味する。
(実施例2〜6)
実施例2〜6では、誘電体粒子の粒径を変更した点が実施例1と異なる。誘電体粒子の粒径は、スパッタリングする際の置換ガスの流量及び基板温度を変更することで調整した。その他の条件は実施例1と同じとして、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例7〜11)
実施例7〜11では、誘電体粒子の個数密度を変更した点が実施例1と異なる。誘電体粒子の個数密度は、スパッタリングする際の置換ガスの流量及び放電電流値を変えることで変更した。その他の条件は実施例1と同じとして、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例12〜16)
実施例12〜16では、誘電体粒子の個数密度と誘電体の粒径とを共に変更した点が実施例1と異なる。誘電体粒子の個数密度及び誘電体の粒径は、上述と同様の手段で変更した。その他の条件は実施例1と同じとして、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例17〜22)
実施例17〜22では、誘電体を構成する材料と、誘電体の粒子密度を変更した点が実施例1と異なる。実施例17〜21は誘電体をLiNbOとし、22は誘電体をAlとした。誘電体粒子の個数密度は上述の手段で変更した。その他の条件は実施例1と同じとして、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例23)
実施例23では、誘電体粒子ではなく、開口部を有する誘電体の多孔膜を金属箔上に設けた。誘電体の多孔膜は、金属箔の表面に誘電体塗料をコーティングした後に、エンボス加工を施して作製した。その他の条件は実施例1と同じとして、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1では、誘電体を金属箔上に設けなかった。その他の条件は、実施例1と同じとしてリチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2018170128
実施例1〜23は、誘電体を有さない比較例1よりもいずれも容量維持率が優れていた。また誘電体粒子の粒径が0.02μm以上3μm以下であり、個数密度が2×10個/m以上1×1011個/m以下であるものは特に容量維持率が優れていた。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、31…集電体、32…金属箔、33…誘電体、40…発電部、50…外装体、60,62…リード、70…電解液、71…リチウムイオン、72…金属リチウム、100…リチウム二次電池

Claims (7)

  1. 表面に誘電体を有し、
    前記誘電体の間から前記表面の少なくとも一部が露出している、リチウム二次電池用集電体。
  2. 前記誘電体は、誘電体粒子である、請求項1に記載のリチウム二次電池用集電体。
  3. 前記誘電体粒子の粒径は、0.02μm以上3μm以下である、請求項2に記載のリチウム二次電池用集電体。
  4. 前記表面における前記誘電体粒子の個数密度は、2×10個/m以上1×1011個/m以下である、請求項2又は3に記載のリチウム二次電池用集電体。
  5. 前記誘電体の間から露出する露出面の面積は、前記表面の面積の30%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体。
  6. 前記誘電体はBaTiO、SrTiO、BaSr1−x、SrTaON、SrBiTa、(Bi,La)Ti12及びLiNbOからなる群から選択されるいずれか一つ以上の物質を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体を負極として用い、
    前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極の間のリチウムイオンの伝導を担う電解液と、を備える、リチウム二次電池。
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