JP6557753B2 - レーザ素子及びレーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ素子及びレーザ装置に関する。
特許文献1のレーザ素子に用いられるフォトニック結晶層は、ベースとなる基本層内に、複数の異屈折率領域を周期的に埋め込んで構成されている。このレーザ素子は、2層のフォトニック結晶層を有しており、それぞれのフォトニック結晶層は、周期的に配置された同一パターン有しているが、パターンは、フォトニック結晶層毎に異なる。
特許文献2は、レーザビームの直線偏光の強度に関する技術の一例を開示している。同文献によれば、従来、フォトニック結晶層を構成する基本層内に、複数の円形異屈折率領域を正方格子の格子点位置にそれぞれ埋め込んできたが、この場合には、面内における偏光方向が一定とはならないという問題点が指摘されている。すなわち、フォトニック結晶層内では、内部で発生しているモードの縮退により、個々の異屈折率領域の周囲を囲むように電界ベクトル(偏光方向)が発生する。そこで、同文献では、正方格子上から外れた非対称位置に、別の異屈折率領域を配置することにより、モードの縮退を解放し、電界ベクトルの向きを、全体として揃えることができる旨を開示している。
特開2009−76900号公報 特開2003−23193号公報
近年、様々なパターンのレーザビームを出力することが可能なレーザ素子及びレーザ装置が期待されている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、様々なパターンのレーザビームを出射することが可能なレーザ素子及びレーザ装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者らが、レーザ素子構造について鋭意検討した結果、フォトニック結晶層における異屈折率領域を工夫することで、概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略正多角形の第1異屈折率領域の周囲に、これよりも微小な第2異屈折率領域を配置し、第1屈折率領域に対する第2異屈折率領域の回転位置を、座標に応じて異ならせることにより、様々なパターンのレーザビームを出射できることを見出した。
なお、概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略正多角形とは、平面視において、円形又は正方形又は90°の回転対称性を有する正多角形に設計された形状であるが、製造時において若干の歪みが生じたものを含む形状を意味するものとする。
すなわち、本態様のレーザ素子は、レーザ光の入射されるフォトニック結晶層を備えたレーザ素子において、前記フォトニック結晶層は、第1屈折率媒質からなる基本層と、前記第1屈折率媒質とは屈折率の異なる第2屈折率媒質からなり前記基本層内に存在する複数の異屈折率領域と、を備え、複数の前記異屈折率領域は、平面形状が概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略正多角形であり、厚み方向に垂直な第1面積を有する第1異屈折率領域と、厚み方向に垂直な第2面積を有する第2異屈折率領域と、を備え、前記第1異屈折率領域の重心位置は、三角格子の格子点に位置し、前記第2面積は、前記第1面積よりも小さく、単位構成領域が、1つの前記第1異屈折率領域と、この周囲の最も近くに設けられた1つの前記第2異屈折率領域とからなることとし、これら一対の異屈折率領域のみが各単位構成領域内に存在し、最も近くで隣接する前記第1異屈折率領域の重心位置間を接続した線分を規定し、この線分の垂直二等分線で囲まれた領域のうち、1つの前記第1異屈折率領域の全てが含まれる最小の領域が、それぞれの前記単位構成領域であり、この単位構成領域内において、前記一対の異屈折率領域の全てが、位置しており、前記単位構成領域内における、前記第1異屈折率領域に対する前記第2異屈折率領域の回転角度をφとし、X軸及びY軸を含むXY平面内において、複数の前記単位構成領域が二次元的に配置されており、それぞれの前記単位構成領域のXY座標をそれぞれの前記第1異屈折率領域の重心位置で与えられることとし、前記単位構成領域のXY座標が(X,Y)の場合には、回転角度φが当該座標により異なっており、前記フォトニック結晶層の全体の中で、少なくとも3以上の異なる回転角度φを含むことを特徴とする。本発明では3つ或いは4つで一組となる強度パターンを組み合わせることにより、様々なパターンのレーザビームを得ることも可能となる。このとき、第2異屈折率領域の回転角度φを変えることにより各領域の強度が変調される原理に基づいているため、必然的に3以上の異なる回転角度が含まれることになる。
また、このレーザ素子は、前記レーザ光を発生する活性層と、前記活性層を挟む上部及び下部クラッド層と、前記上部又は下部クラッド層と前記活性層との間に設けられた前記フォトニック結晶層とを備えることを特徴とする。
また、本発明のレーザ装置は、上記レーザ素子と、前記レーザ素子の光出射面に対向配置された偏光板と、を備えることを特徴とする。
本発明のレーザ素子及びレーザ装置によれば、様々なパターンのレーザビームを出射することができる。
図1はレーザ装置の構成を示す図である。 図2は第1のレーザ素子の構成を示す図である。 図3は第2のレーザ素子の構成を示す図である。 図4はレーザ素子本体部の構成を示す図である。 図5は第3のレーザ素子の縦断面構成を示す図である。 図6はレーザ素子を構成する要素の材料、導電型、厚み(nm)の関係を示す図表である。 図7は第4のレーザ素子の縦断面構成を示す図である。 図8はフォトニック結晶層の平面図である。 図9は異屈折率領域の位置関係を説明するための図である。 図10は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図11はフーリエ変換後の遠視野像である。 図12は異屈折率領域と電界分布の位置関係を示す図である。 図13はフォトニック結晶層の平面図である。 図14は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図15はフーリエ変換後の遠視野像である。 図16は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図17はフーリエ変換後の遠視野像である。 図18は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図19はフーリエ変換後の遠視野像である。 図20は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図21はフーリエ変換後の遠視野像である。 図22は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図23はフーリエ変換後の遠視野像である。 図24は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図25はフーリエ変換後の遠視野像である。 図26は出射光の強度分布パターンを示す図である。 図27はフーリエ変換後の遠視野像である。 図28はレーザ素子の縦断面構成を示す図である。 図29は異屈折率領域と電界分布の位置関係を示す図である。 図30はフォトニック結晶層の縦断面図である。 図31は異屈折率領域の位置を示すグラフである。 図32はフォトニック結晶層で得られるモードを示す図である。 図33はレーザ素子と偏光板を備えたレーザ装置を示す図である。 図34は偏光板とレンズを備えたレーザ装置の主要部を示す図である。
以下、実施の形態に係るレーザ素子及びレーザ装置について説明する。同一要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、レーザ装置の構成を示す図である。
支持基板SB上には、複数のレーザ素子LDが一次元又は二次元状に配置されている。個々のレーザ素子LDは、支持基板SBの裏面又は内部に設けられた駆動回路DRVによって駆動される。すなわち、制御回路CONTからの指示により、駆動回路DRVは、個々のレーザ素子LDに駆動電流を供給する。例えば、二次元状に配置されたレーザ素子LDに、これらが配置されたアドレスの順番に従って駆動電流を供給する。レーザ素子LDからはレーザビームが基板に垂直な方向に出射される。レーザ素子LDがアドレスの順番に順次点灯すると、疑似的にレーザビームで対象物が走査されることになる。対象物によって反射されたレーザビームLBは、フォトダイオードなどの光検出器PDによって検出することができる。
制御回路CONTには、光検出器PDによって検出されたレーザビーム強度を示す検出信号が入力される。レーザ素子LDがパルス駆動される場合には、光検出器PDは、レーザビームの出射タイミングから検出タイミングまでの時間を測定、すなわち対象物までの距離を測定することができる。
かかるレーザ装置は、例えば、以下の用途に用いることができる。例えば、対象物にレーザビームを照射し、レーザビーム照射位置までの距離を計測することにより、対象物の三次元形状を計測することができる。三次元形状のデータを用いれば、これを種々の加工装置や医療機器に利用することができる。また、車両などの移動体にレーザビームを出力すれば、障害物までの方向に応じた距離を測定することができ、距離に応じて、ブレーキやハンドルを自動制御又はアシスト制御する安全装置に利用することも可能である。
以下、上述のレーザ装置に用いられるレーザ素子の詳細構造について説明する。レーザ素子は、様々な強度パターンのレーザ光を出射することができる。
図2は、第1のレーザ素子の構成を示す図である。
このレーザ素子LDは、レーザ光の入射されるフォトニック結晶層6を備えている。半導体レーザ素子などのレーザ素子本体LD1から、光ファイバFを介して、或いは、直接的に、フォトニック結晶層6内にレーザ光が入射する。光ファイバFは、フォトニック結晶層6の側面に取り付けられている。光ファイバFの数は複数であることとしてもよく、この場合にはフォトニック結晶層6の側面に沿って整列した複数の光ファイバFから、フォトニック結晶層6内にレーザ光が入射する。フォトニック結晶層6内に入射したレーザ光は、フォトニック結晶層6内においてフォトニック結晶の格子に応じた所定のモードを形成し、フォトニック結晶層6の表面から垂直方向にレーザビームとして、外部に出射される。フォトニック結晶層6の下面にはアルミニウム等の金属からなる反射膜RFが設けられており、フォトニック結晶層6の下面方向に進行するレーザ光は、反射膜RFによって反射され、上面方向へと向かう。したがって、反射膜RFにより、レーザビームLBの強度が高くなるという効果を奏する。
図3は、第2のレーザ素子の構成を示す図である。
このレーザ素子LDは、端面発光型のレーザ素子本体LD1の端面に、上述のフォトニック結晶層6の側面を直接隣接させたものである。フォトニック結晶層6の側面は、接着剤等でレーザ素子本体LD1の端面に固定してもよいが、フォトニック結晶層6の厚みを調整することにより、1つの半導体基板から、レーザ素子本体LD1及びフォトニック結晶層6の双方を連続的に形成することも可能である。レーザ素子本体LD1は、化合物半導体層を積層してなり、当該積層体の下面には第1電極E1が設けられ、上面には第2電極E2が設けられている。第1電極E1と第2電極E2との間に駆動電流を流すことにより、レーザ素子本体LD1の活性層4が発光し、レーザ光Lがフォトニック結晶層6内に入射し、入射したレーザ光は、フォトニック結晶層6内において所定のモードを形成して、レーザビームとして、基板表面に垂直な方向に出射される。フォトニック結晶層6の下面には、上記と同様に反射膜RFが設けられており、上記と同様の作用効果を奏する。
図4は、上述のレーザ素子本体LD1の構成を示す図である。
半導体基板1上には、下部クラッド層2、下部光ガイド層3、活性層4、上部光ガイド層5、上部クラッド層7、コンタクト層8が順次積層されており、半導体基板1の下面には第1電極E1が設けられ、コンタクト層8の上面には第2電極E2が設けられている。第1電極E1と第2電極E2との間に駆動電流が供給された場合、活性層4内において電子と正孔の再結合が生じ、活性層4が発光する。これらの発光に寄与するキャリア及び発生した光は、上下の光ガイド層3,5とクラッド層2,7によって、これらの間に効率的に閉じ込められる。また、第1電極E1は、半導体基板1の下面全面に設けられているが、第2電極E2は、共振長の方向(レーザ光Lの出射方向)に沿って延びるように、コンタクト層8の上面の一部領域上に設けられている。
レーザ素子本体LD1から出射したレーザ光Lは、上述のように、フォトニック結晶層6内部に入射する。
図5は、第3のレーザ素子の縦断面構成を示す図である。
このレーザ素子LDは、フォトニック結晶層6を、図4に示したレーザ素子本体内に取り込んだ構造を有しており、いわゆるフォトニック結晶面発光レーザを構成している。
このレーザ素子LDは、レーザ光を発生する活性層4と、活性層4を挟む上部クラッド層7及び下部クラッド層2と、これらの間に設けられ活性層4を挟む光ガイド層3,5を備えており、上部クラッド層7と活性層4との間には、フォトニック結晶層6が設けられている。なお、図5に示す構造では、第2電極E2は、コンタクト層8の中央領域に設けられている。
この構造においては、半導体基板1上には、下部クラッド層2、下部光ガイド層3、活性層4、上部光ガイド層5、フォトニック結晶層6、上部クラッド層7、コンタクト層8が順次積層されており、半導体基板1の下面には第1電極E1が設けられ、コンタクト層8の上面には第2電極E2が設けられている。第1電極E1と第2電極E2との間に駆動電流が供給された場合、活性層4内において電子と正孔の再結合が生じ、活性層4が発光する。これらの発光に寄与するキャリア及び発生した光は、上下の光ガイド層3,5とクラッド層2,7によって、これらの間に効率的に閉じ込められる。
活性層4から出射されたレーザ光は、フォトニック結晶層6の内部に入射し、所定のモードを形成する。なお、フォトニック結晶層6は、第1屈折率媒質からなる基本層6Aと、第1屈折率媒質とは屈折率の異なる第2屈折率媒質からなり、基本層6A内に存在する複数の異屈折率領域6Bとを備えている。複数の異屈折率領域6Bは周期構造を含んでいる。フォトニック結晶層6内に入射したレーザ光は、上部クラッド層7、コンタクト層8、上部電極E2を介して、レーザビームとして、基板表面に垂直に外部に出射される。
図6は、レーザ素子を構成する各化合物半導体層の材料、導電型、厚み(nm)の関係を示す図表である。
各要素の材料は、図6に示す通りであり、半導体基板1はGaAsからなり、下部クラッド層2はAlGaAsからなり、下部光ガイド層3はAlGaAsからなり、活性層4は多重量子井戸構造MQW(障壁層:AlGaAs/井戸層:InGaAs)からなり、上部光ガイド層5は、下層AlGaAs/上層GaAsからなり、フォトニック結晶層(屈折率変調層)6は基本層6AがGaAs、基本層6A内に埋め込まれた異屈折率領域(埋込層)6BがAlGaAsからなり、上部クラッド層7がAlGaAsからなり、コンタクト層がGaAsからなる。
なお、各層には、図6に示すように、第1導電型(N型)の不純物又は、第2導電型(P型)の不純物が添加されており(不純物濃度は1×1017〜1×1021/cm)、意図的にはいずれの不純物も添加されていない領域は真性(I型)となっている。I型の不純物濃度は1×1015/cm以下である。
また、クラッド層のエネルギーバンドギャップは、光ガイド層のエネルギーバンドギャップよりも大きく、光ガイド層のエネルギーバンドギャップは活性層4の井戸層のエネルギーバンドギャップよりも大きく設定されている。AlGaAsにおいては、Alの組成比を変更することで、容易にエネルギーバンドギャップと屈折率を変えることができる。AlGa1−XAsにおいて、相対的に原子半径の小さなAlの組成比Xを減少(増加)させると、これと正の相関にあるエネルギーバンドギャップは小さく(大きく)なり、GaAsに原子半径の大きなInを混入させてInGaAsとすると、エネルギーバンドギャップは小さくなる。すなわち、クラッド層のAl組成比は、光ガイド層のAl組成比よりも大きく、光ガイド層のAl組成比は、活性層の障壁層(AlGaAs)よりもAl組成以上である。クラッド層のAl組成比は0.2〜0.4に設定され、本例では0.3とする。光ガイド層及び活性層における障壁層のAl組成比は0.1〜0.15に設定され、本例では0.1とする。
また、各層の厚みは、図6に示す通りであり、同図内の数値範囲は好適値を示し、括弧内の数値は最適値を示している。なお、フォトニック結晶層は、単位構成領域内におけるXY平面内の偏光の向きを変えるものであるが、それぞれの領域内における位相を合わせることはできる。出射されるレーザ光の位相は、フォトニック結晶層の特性にも依存するため、位相変調層としても機能している。
なお、図28に示すように、下部クラッド層2と活性層4との間に、フォトニック結晶層6を設けることとしてもよい。この場合には、フォトニック結晶層6は、下部クラッド層2と光ガイド層3との間に挟まれる位置に配置することができる。この構造においても、上記と同様の作用を奏する。すなわち、活性層4から出射されたレーザ光は、フォトニック結晶層6の内部に入射し、所定のモードを形成する。フォトニック結晶層6内に入射したレーザ光は、下部光ガイド層、活性層4、上部光ガイド層5、上部クラッド層7、コンタクト層8、上部電極E2を介して、レーザビームとして、基板表面に垂直な方向に向けて出射される。なお、レーザビームは、基板表面に垂直な方向から傾けて出射させることもできる。
図7は、第4のレーザ素子の縦断面構成を示す図である。
このレーザ素子LDの構造は、図5に示したものと、電極の形状のみが異なる。すなわち、半導体基板1の下面に設けられた第1電極E1は、中央部に開口を有する開口電極であり、第1電極E1の開口内及び周辺には、反射防止膜Mが設けられている。反射防止膜Mは、窒化シリコン(SiN)、二酸化シリコン(SiO)などの誘電体単層膜或いは誘電体多層膜からなる。誘電体多層膜としては、例えば、酸化チタン(TiO)、二酸化シリコン(SiO)、一酸化シリコン(SiO)、酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化セリウム(CeO)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)などの誘電体層群から選択される2種類以上の誘電体層を適当に積層した膜を用いることができる。例えば、波長λの光に対する光学膜厚で、λ/4の厚さの膜を積層する。なお、反射膜や反射防止膜は、スパッタ法を用いて形成することができる。
コンタクト層8の上面には、第2電極E2が設けられている。なお、コンタクト電極E2の形成領域以外の領域は、必要に応じて、絶縁膜9で被覆し、表面を保護することができる。
この構造においても、半導体基板1上には、下部クラッド層2、下部光ガイド層3、活性層4、上部光ガイド層5、フォトニック結晶層6、上部クラッド層7、コンタクト層8が順次積層されている。第1電極E1と第2電極E2との間に駆動電流が供給された場合、活性層4内において電子と正孔の再結合が生じ、活性層4が発光する。これらの発光に寄与するキャリア及び発生した光は、上下の光ガイド層3,5とクラッド層2,7によって、これらの間に効率的に閉じ込められる。
活性層4から出射されたレーザ光は、フォトニック結晶層6の内部に入射し、所定のモードを形成する。なお、フォトニック結晶層6は、第1屈折率媒質からなる基本層6Aと、第1屈折率媒質とは屈折率の異なる第2屈折率媒質からなり、基本層6A内に存在する複数の異屈折率領域6Bとを備えている。複数の異屈折率領域6Bは周期構造を有している。フォトニック結晶層6内に入射したレーザ光は、上部光ガイド層5、活性層4、下部光ガイド層3、下部クラッド層2、半導体基板1、反射防止膜Mを介して、レーザビームとして、外部に出射される。半導体基板1の下面において、第2電極E2に対向する領域には、第1電極E1が設けられておらず、レーザビームLBは下面から外部に出射する。なお、基本層6Aの孔内に異屈折率領域6Bを埋め込んだ後、更に、その上に異屈折率領域6Bと同一の材料した異屈折率被覆層を堆積してもよい。
図8は、上述のフォトニック結晶層6の平面図である。
フォトニック結晶層6は、第1屈折率媒質からなる基本層6Aと、第1屈折率媒質とは屈折率の異なる第2屈折率媒質からなる異屈折率領域6Bとからなる。異屈折率領域6Bは、化合物半導体であるが、アルゴン、窒素又は空気等が封入された空孔であってもよい。
複数の異屈折率領域6Bは、平面形状が概略円形であり、厚み方向(Z軸)に垂直な第1面積(XY平面内の面積S1)を有する孔内の第1異屈折率領域6B1と、厚み方向に垂直な第2面積(XY平面内の面積S2)を有する孔内の第2異屈折率領域6B2とを備えている。第2面積S2は、第1面積S1よりも小さい(S2<S1)。
ここで、単位構成領域R11〜R34を規定する。それぞれの単位構成領域R11〜R34は、1つの第1異屈折率領域6B1と、この周囲に設けられた1つの第2異屈折率領域6B2とからなる。単位構成領域R11〜R34内における、第1異屈折率領域6B1の(重心G)に対する第2異屈折率領域6B2の(重心)の回転角度をφとする。回転角度φがX軸の正方向に一致している場合をφ=0°とする。
図8に示すように、フォトニック結晶層6においては、X軸及びY軸を含むXY平面内において、複数の単位構成領域R11〜R34が二次元的に配置されており、それぞれの単位構成領域のXY座標をぞれぞれの第1異屈折率領域6B1の重心位置Gで与えられることとする。単位構成領域R11〜R34のXY座標(重心Gの座標)を(X,Y)とする。
単位構成領域R11の座標は(X1、Y1)であり、単位構成領域Rmnの座標は(Xm、Yn)である(m、nは自然数)。同図では、X軸上の座標が大きくなるに比例して、回転角度φが等間隔で増加しているが、Y軸上の座標が変化しても、回転角度φには変化はない。すなわち、回転角度φは、xの関数である。この関数としては、例えば、φ=φ+aX(但し、φは定数、aは0以外の定数)で与えられる。光出射面内においては、位置に応じた偏光変調パターンが得られるが、偏光板を透過させることにより、強度変調パターンに変換することができる。強度変調パターンを、凸レンズを介して、フーリエ変換すると、所望の形状のビームスポットとなる。例えば、レーザビームの形状はスポット(円形)に変換することができる。この関数はフォトニック結晶層全体又は特定領域内に適用することもできる。
図9は、異屈折率領域の位置関係の一例を説明するための図である。なお、この図では、単位構成領域内において、前述の重心Gを原点とし、X軸及びY軸に平行なx軸及びy軸を設定した。
図9(A)はφ=0(rad)の場合を示し、図9(B)はφ=0.25π(rad)の場合を示し、図9(C)はφ=0.5π(rad)の場合を示し、図9(D)はφ=0.75π(rad)の場合を示し、図9(E)はφ=π(rad)の場合を示し、図9(F)はφ=1.7π(rad)の場合を示している。
図10は、偏光板P(図33)を通過した後の出射光の強度分布パターンを示す図である。
図10において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。なお、強度は偏光の向きに対応する。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図11のようになる。図の中心がデバイスの面垂直方向すなわちフォトニック結晶層に対して垂直な方向に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、レーザビームの形状はスポット(円形)となる。
図12は、異屈折率領域と電界分布の位置関係を示す図である。
同図は、互いに隣接する4つの単位構成領域R11、R12,R21,R22の平面状態を示している。フォトニック結晶層6の内部には、レーザ光によって6B1を取り巻くように電界が分布するモードが生じている。正方格子状に6B1が配列した構造において格子間隔と波長がほぼ一致する条件下ではその対称性から4種類のモードが生じうることが知られているが、これら4種類のモードは周波数が異なっているので、フォトニック結晶層に入射する光の周波数を適切に選択することによって、前述したように6B1を取り巻くように電界が分布するモードを生じさせることが出来る。このモードでは、矢印で示す電界ベクトルが、それぞれ重心Gを中心に回転するように位置している。これらの電界ベクトルの重心位置に、第1異屈折率領域6B1の重心位置Gを一致させ、4つの第1異屈折率領域6B1の重心位置Gを結ぶ線分によって正方形を構成する。すなわち、第1異屈折率領域6B1は、正方格子の格子点位置に配置されている。構成された正方形の対角線の交点を中心として周囲を回転する電界ベクトルも存在する。
ここで、各単位構成領域内において、微小な第2異屈折率領域6B2が存在する場合、かかる位置における電界ベクトルのみが有効に残留して機能し、残りの電界ベクトルは相殺される傾向にある。マクスウェル方程式の境界条件に従って、XY平面内の電界成分は屈折率境界の内外領域間の誘電率差に応じて変化する。この結果、回転角度φの位置の電界ベクトル(偏光の向き)のみが、直線偏光の点光源として残る。換言すれば、フォトニック結晶層6内には、二次元平面上の偏光の向きが異なる複数の点光源が分布しているものと考えることができる。なお、この点光源の分布の遠視野像は、これらの点光源をフーリエ変換したもの考えることができる。
図13は、フォトニック結晶層の平面図である。
図8に示したものとの相違点は、φがXのみならず、Yの関数でもある点である。すなわち、Xが増加するに比例して、φも等間隔で増加するが、Yが増加するに比例してφも等間隔で増加する構成となっている。この関数は、φ=φ+aX+bY(但し、φは定数、aは0以外の定数、bは0以外の定数)で与えられる。この場合、上記とは別のレーザビームパターンが得られる。この関数はフォトニック結晶層全体又は特定領域内に適用することもできる。
図14は、偏光板通過後の出射光の強度分布パターンを示す図である。
図14において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図15のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、レーザビームの形状はスポット(円形)となる。
なお、本発明の手法を用いることにより、任意の強度分布を実現することが可能となる。換言すれば、任意の強度分布をもった点光源の集合体を実現することが可能である。この点光源の集合体から得られる遠視野像は、この点光源の強度分布をフーリエ変換したもので与えられるので、任意の強度分布を実現することが出来れば、任意の遠視野像を得ることが可能となる。具体的には、所望の遠視野像を逆フーリエ変換して得られた強度分布を本発明の手法により配置すれば、任意の遠視野像が得られる。幾つかの強度分布のパターンの例を以下に示す。
図16は、出射光の強度分布パターンを示す図である。
図16において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図17のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、Y軸方向に沿ったラインパターンのレーザビームを得ることができる。
図18は、出射光の強度分布パターンを示す図である。
図18において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図19のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、円環状のパターンのレーザビームを得ることができる。
図20は、出射光の強度分布パターンを示す図である。
図20において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図21のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、3点マルチスポットのレーザビームを得ることができる。
図22は、出射光の強度分布パターンを示す図である。
図22において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図23のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、「光」という文字形状のレーザビームを得ることができる。
図24は、出射光の強度分布パターンを示す図である。
図24において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図25のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、二重円環状のレーザビームを得ることができる。
図26は、出射光の強度分布パターンを示す図である。
図26において、色は各場所(座標)におけるレーザ光の強度分布(φに対応)を表しており、黒色から白色に向かって0から最大値までの強度に対応している。この場合の、レンズ又はホログラム通過後のレーザビームの形状或いは遠視野像は、例えば図27のようになる。図の中心が、デバイスの光出射面の中心から垂直方向に延びた位置、すなわち、フォトニック結晶層の中心から垂直方向に延びた位置に対応している。白い部分がレーザビームの形状に対応する。この場合、ラゲールガウスビームと呼ばれるベクトルビームを得ることができる。
以上のように、レーザビームのフーリエ変換後の遠視野像は、単一若しくは複数のスポット形状、円環形状、直線形状、文字形状、二重円環形状、又は、ラゲールガウスビーム形状などの各種の形状をとることができる。
以上、説明したように、上述の構造の場合、個々の第2異屈折率領域6B2からのレーザ光は、回転角度φが座標の関数であるため、空間的な座標が異なると、個々のレーザ光の偏光の向き(偏光板通過後の強度)が異なることとなる。したがって、個々の第2異屈折率領域6B2を点光源と見做すことができ、回転角度φの位置によって、個々の強度を座標毎に変化させることができる。二次元的に分布する個々の点光源の強度が調整できれば、様々なレーザビームパターンを出射することが可能となる。
前述の通り、二次元的に分布する点光源群の遠視野像は、点光源群のフーリエ変換像と考えることができる。フーリエ変換によって円形のレーザビームスポットを構成する場合には、特定の位置の円形の逆フーリエ変換を行って、各点光源の強度を設定すればよい。すなわち、特定位置の円形の逆フーリエ変換を行った場合の各点光源の強度に、各回転角度φを対応させて設定すれば、特定の位置に円形のレーザビームスポットを得ることができる。換言すれば、二次元強度分布が単峰性のスポットを斜め方向の位置に得ることもできる。
また、上述のレーザ装置は、それぞれのレーザビーム出射角度が異なり、一次元又は二次元状に複数配置された上述のいずれかのレーザ素子と、レーザ素子を駆動する駆動回路とを備えており、複数の方向にレーザビームを出力させることができる。この装置は、疑似的なレーザビーム走査装置として機能させることも可能である。
なお、上記では、各異屈折率領域6B1,6B2の形状は概略円形としたが、それぞれは概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略多角形であってもよい。異屈折率領域6B2は、点対称形状の度合いが少なくても機能を奏するため、概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略多角形でなくてもよい。なお、概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略多角形とは、平面視において、円形又は正方形又は90°の回転対称性を有する多角形に設計された形状であるが、製造時において若干の歪みが生じたものを含む形状を意味するものとする。
なお、上述の構造において、活性層4およびフォトニック結晶層6を含む構成であれば、材料系、膜厚、層の構成には自由度を持つ。レーザ素子の製造においては、各化合物半導体層は、有機金属気相成長(MOCVD)法を用いる。半導体基板1の(001)面上に結晶成長を行うが、これに限られるものではない。また、上述のAlGaNを用いたレーザ素子の製造においては、AlGaAsの成長温度は500℃〜850℃であって、実験では550〜700℃を採用し、成長時におけるAl原料としてTMA(トリメチルアルミニム)、ガリウム原料としてTMG(トリメチルガリウム)およびTEG(トリエチルガリウム)、As原料としてはAsH3(アルシン)、N型不純物用の原料としてSi26(ジシラン)、P型不純物用の原料としてDEZn(ジエチル亜鉛)を用いる。GaAsの成長においては、TMGとアルシンを用いるが、TMAを用いない。InGaAsは、TMGとTMI(トリメチルインジウム)とアルシンを用いて製造する。絶縁膜の形成は、その構成物質を原料としてターゲットをスパッタして形成すればよい。
すなわち、上述のレーザ素子は、まず、N型の半導体基板(GaAs)1上に、N型のクラッド層(AlGaAs)2、ガイド層(AlGaAs)3、多重量子井戸構造(InGaAs/AlGaAs)4、光ガイド層(GaAs/AaGaAs)5、フォトニック結晶層となる基本層(GaAs)6Aを、MOCVD(有機金属気相成長)法を用いて順次、エピタキシャル成長させる。次に、エピタキシャル成長後のアライメントをとるため、PCVD(プラズマCVD)法により、SiN層を基本層6A上に形成し、次に、レジストを、SiN層上に形成する。更に、レジストを露光・現像し、レジストをマスクとしてSiN層をエッチングし、SiN層を一部残留させて、アライメントマークを形成する。残ったレジストは除去する。
次に、基本層6Aに別のレジストを塗布し、アライメントマークを基準とし、レジスト上に電子ビーム描画装置で2次元微細パターンを描画し、現像することでレジスト上に2次元微細パターンを形成する。その後、レジストをマスクとして、ドライエッチングにより100nm程度の深さを持つ2次元微細パターンを基本層6A上に転写し、孔(穴)を形成する、レジストを除去する。孔の深さは、100nmである。この孔の中に、異屈折率領域6B(AlGaAs)となる化合物半導体を孔の深さ以上に再成長させる。次に、上部クラッド層(AlGaAs)7、コンタクト層(GaAs)8を順次MOCVDで形成し、適当な電極材料を蒸着法又はスパッタ法で基板の上下面に形成して第1及び第2電極を形成する。また、必要に応じて、基板の上下面に絶縁膜をスパッタ法等で形成することができる。
フォトニック結晶層を活性層の下部に備える場合には、活性層及び下部光ガイド層の形成前に、下部クラッド層上にフォトニック結晶層を形成すればよい。
フォトニック結晶層を備えないレーザ素子本体を製造する場合は、この製造工程を省略すればよい。また、柱状の異屈折率領域を空隙とし、空気、窒素又はアルゴン等の気体が封入されてもよい。また、上述の正方格子における縦及び横の格子線の間隔は、波長を等価屈折率で除算した程度であり、具体的には300nm程度に設定されることが好ましい。正方格子の格子点位置でなく、三角格子における格子点位置に第1異屈折率領域を配置することもできる。三角格子の場合の横及び斜めの格子線の間隔は、波長を等価屈折率で除算し、さらにSin60°で除算した程度であり、具体的には350nm程度に設定されることが好ましい。
なお、格子間隔aの正方格子の場合、直交座標の単位ベクトルをx、yとすると、基本並進ベクトルa=ax、a=ayであり、並進ベクトルa、aに対する逆格子基本ベクトルb=(2π/a)y、b=(2π/a)xである。フォトニック結晶のエネルギーバンドギャップにおける波数ベクトルk=nb+mb(n、mは任意の整数)の場合に、波数kがΓ点となり、格子間隔aが波長λに等しい共振モード(XY平面内における定在波)が得られる。なお、モードAは、共振モードの中で最も周波数が低いものであり、モードBは、その次に周波数の低いものである。
なお、上述のフォトニック結晶層内の定在波の面内電磁界分布(点光源の面内偏光分布)を偏光板を介して強度変調し、しかる後、フーリエ変換して得られる形状は、単峰ビーム(スポット)であるばかりでなく、前述したように、文字形状、2以上の同一形状スポット群、ベクトルビームなどとすることも可能である。
なお、基本層6Aの屈折率は3.0〜3.5、異屈折率領域6Bの屈折率は1.0〜3.4であることが好ましい。また、基本層6Aの孔内の各異屈折率領域6B1の平均径は38nm〜76nm、孔内の各異屈折率領域6B2の平均径は24nm〜54nmであることが好ましい。
以上、説明したように、上述のいずれのレーザ素子も、レーザ光の入射されるフォトニック結晶層を備えたレーザ素子であり、フォトニック結晶層における複数の異屈折率領域は、平面形状が概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略多角形である。また、単位構成領域のXY座標が(x,y)の場合には、回転角度φが、場所(座標)により異なっており、フォトニック結晶層の全体の中で、少なくとも3以上の異なる回転角度φを含んでいる。回転角度φに応じた位相差が生じることで、所望の方向のレーザビームを得ることも可能となる。そして、回転角度φが、フォトニック結晶層の全体の中で、或いは特定領域内において、xの関数又は、x及びyの関数であり、スポットを形成することができる。
スポットの集合体は、これよりも複雑な形状を構成することができる。上述のレーザ素子では、偏光板を透過したレーザビームの遠視野像は、単一若しくは複数のスポット形状、円環形状、直線形状、文字形状、二重円環形状、又は、ラゲールガウスビーム形状からなると共に、この遠視野像を逆フーリエ変換して得られる像の二次元強度分布は、それぞれの単位構成領域の位置における第2異屈折率領域の回転角度φの分布に対応している。
図29は、異屈折率領域と電界分布の位置関係を示す図である。
第2異屈折率領域6B2のXY平面内の面積は、位置に応じて異ならせることとしてもよい。すなわち、右上の第2異屈折率領域6B2と左下の第2異屈折率領域6B2の直径は異なり、面積が異なる。格子点となる重心Gの周囲に、直径の小さな第2異屈折率領域6B2を配置することにより、この場所における電束密度を変化させることができる。同図では、2種類の大きさの第2異屈折率領域6B2を用いており、これらは、斜め方向に隣接する格子点を結んだ線(重心Gを含む四角形の対角線)上に位置している。この場合、各第2異屈折率領域6B2における電束密度のベクトル和により、電束密度が与えられる。各第2異屈折率領域6B2の大きさは異なるため、全体としては、図示の四角形の内部における電束密度に偏りが生じ、一定の向きの偏光成分を有することになる。右上の第2異屈折率領域6B2は右下に向けた偏光成分を有しており、左下の第2異屈折率領域6B2左上に向けた偏光成分を有しているため、これらの成分の一部が相殺するが、残留する成分が、この単位領域内における全体の偏光成分となる。
図30は、図29に示したフォトニック結晶層のA−A矢印線縦断面図である。
フォトニック結晶層を構成する第2異屈折率領域6B2の深さ(厚み)は、同図(A)に示すように同一であってもよりが、同図(B)に示すように異ならせることもできる。深さが異なると、屈折率が変化する。したがって、第2異屈折率領域6B2の深さを調整することにより、出射光の位相を変更することもできる。同図(B)では、大きな径の第2異屈折率領域6B2の方が、小さな径の第2異屈折率領域6B2よりも深い状態が示されている。
図31は、異屈折率領域の位置を示すグラフである。
第1異屈折率領域6B1の重心Gに対して、第2異屈折率領域6B2が、(x,y)の位置に存在している。第2異屈折率領域6B2とx軸との成す角度はφ(x,y)である。
この場合、偏光板を通過した後のレーザ光の強度Iは、以下の通りとなる。
I(x、y)∝f(x,y)×g(φ,θ)×h(D)×p(X,Y)=f(x,y)×g{(φ(x,y),θ)×h(D)×p(X,Y)
以下、詳説する。
f(x,y)は、副孔(第2異屈折率領域6B2)の単位格子内配置位置(x, y) による強度変化を示す関数である。
図32は、フォトニック結晶層で得られるモードを示す図であり、図32を参照すると、正方格子構造で理論上存在しうる電界分布は、mode1〜4である。フォトニック結晶層に外部から光を導入する構成の場合、mode1〜4は共振周波数が異なるため、導入する光の波長により、モードを選択できる。このとき扱いやすいのはmode1又はmode2である。
また、主孔(第1異屈折率領域)が発振のための共振器となる構成の場合、mode3, mode4は共振器からの光漏れが大きく、発振する可能性は極めて低く、発振する可能性があるのはmode1又はmode2のどちらかである。上記を踏まえ、まずmode1或いはmode2を採用することが好ましい。
mode1(図32(A))の場合、主孔の位置において磁界振幅が最大となる(図中のAの位置)。また、これとx方向およびy方向に格子間隔の半分ずつ離れた箇所でも磁界振幅が最大となる(図中のBの位置)。AとBの磁界は、位相が互いにπ異なる。これらAとBを磁界の腹と呼ぶこととすると、電界はこれら磁界の腹を取り巻くように存在し、Aを取り巻く電界と、Bを取り巻く電界は互いにある瞬間での向きが互いに逆となる。また、隣接するAとBを結ぶ線分の中点部分では、電界振幅は最大値を取る。また、隣接するAとAを結ぶ線分の中点部分および隣接するBとBを結ぶ線分の中点部分では、電界振幅はゼロとなる。なお、A1、A2は電界(偏光)の向きを示す。
mode2(図32(B))の場合の電磁界分布は、mode1の電磁界分布がx方向またはy方向に格子間隔の半分だけシフトしたような分布となっている。mode1, 2の電磁界分布は、以上のような特徴を有している。副孔を配置する部分の電界の強度に応じてf(x、y)は変化する。
g(φ,θ)は、副孔位置での偏光方向φと偏光板の透過軸方向θによる強度変化を示す関数(但し、fは位置(x、y)により変化する)である。偏光板の透過軸方向θと、φ(x,y)における偏光の向きが一致すれば、透過率は高くなり、強度は増加する。
詳説すれば、g(φ,θ)=Icos(θ―φ)で与えられる。但し、Iは偏光板による光損失によって決まる値で、θ=φ の場合の偏光板の透過率に対応する。φは副孔での出力光の偏光方向、θは偏光板透過軸方向である。
h(D)は副孔の直径による強度変化を示す関数である。
前述したとおり、用いる可能性があるのはmode1或いはmode2の電界分布となる。mode1, 2どちらにおいても、その電界分布は副孔が無い場合には主孔の中心に関して必ず反対称となる。言い替えると、主孔の中心に関して対称な位置にある電界同士は向きが反対で大きさが同一である。このため、副孔が無い場合にはz方向に回折した光は、逆向きの電界同士が互いに打ち消しあって(消失性干渉)、正味のエネルギー伝搬量が(無限周期構造の場合には)ゼロとなる。ここに、副孔を設けると、副孔の側壁を垂直に横切るxy面内の電界は孔の内外の誘電率差に応じて変化する。すなわち、副孔の内部の電界は、主孔の中心に関して副孔と対称な位置にある電界と向きが反対で大きさが異なることになる。両者の差分が、Z方向に回折される。このような開口変化に依存したxy面内での電界非対称による変化をha(D)とおくこととする。
これに加え、孔の大きさが変化することによってz軸方向への回折強度が変化する。この回折効率は、孔形状をフーリエ変換した際の一次の係数で表される光結合係数κ1に比例する。光結合係数については、例えばK. Sakai et al.,“Coupled-Wave Theory for Square-Lattice Photonic Crystal Lasers With TEPolarization,IEEE J.Q. E. 46, 788-795 (2010)”に記載されている。この場合、h(D)∝ha(D)×κ1(D)で与えられる。但し、ha(D)は開口変化に依存したxy平面内での電界非対称による変化、κ1(D)は開口変化に依存した一次の光結合係数である。重心Gの間隔を規定する格子定数をaとすると、異屈折率領域のフィリングファクターF=π×(D/2)/aで与えられる。
p(X,Y)は、フォトニック結晶層内の位置(X,Y)における強度分布関数を示している。素子全体に係る包絡強度分布として、Y. Liang et al., “Three-dimensional coupled-wave analysis forsquare-lattice photonic crystal surface emitting lasers withtransverse-electric polarization: finite-size effects,” Opt. Express 20,15945-15961 (2012)に記載の光結合波理論を用いて計算することも可能である。
図33は、レーザ素子と偏光板を備えたレーザ装置を示す図である。
レーザ素子LDの光出射面からは、複数の偏光の向きDpを有するレーザ光が出力される(図33(A))。このレーザ光は、偏光板Pを通過することで、強度変調される。図33(B)。すなわち、レーザ装置は、上述のレーザ素子LDと、レーザ素子LDの光出射面に対向配置された偏光板Pとを備えている。
上述のレーザ素子では、単位格子毎に副孔配置が異なっており,これにより単位格子毎に偏光の異なる光が得られる。従って出射側に偏光板を組み合わせることで、単位格子毎に強度が異なるが位相の揃っている平面波が得られる。
このように上述のレーザ素子では、単位格子毎に強度の異なる平面波が出射光として得られる。言い換えれば、場所毎に強度の異なる平面波が出射光として得られる。場所毎に強度の異なる平面波が得られれば、W. H. Lee, “Sampled fourier transform hologram generated bycomputer,”Appl. Opt. 9, 639-643 (1970)に記載の手法を用いてホログラムを得ることが可能となる。従って、任意のビームパターンを得ることが可能となる。
具体的な手順について一例を示すと、例えば、所望のビームパターン、すなわち2次元の角度−強度情報を2次元配列として用意し、これを2次元離散フーリエ変換、或いは2次元高速フーリエ変換することにより、複素振幅の2次元配列が得られる。このとき、元々用意したビームパターンの角度−強度情報の2次元配列の要素数と変換後の複素振幅の2次元配列の要素数は一致する。各要素の複素振幅は実部と虚部から構成され、実部と虚部はそれぞれ正または負の値をとる。
上述のLeeの文献の手法によれば、上述の各複素振幅1つに対して4つに分割された等幅の短冊状の領域を対応させ、分割された領域それぞれの強度を以下の手順に従って割り当てる。このとき、この短冊状の領域を左から順に第一の領域、第二の領域、第三の領域、第四の領域とする。前述の複素振幅の実部が正の値をとる場合、第一の領域に前述の複素振幅の実部の値を割り当て、第三の領域に零を割り当てる。前述の複素振幅の実部が負の値をとる場合、第一の領域に零を割り当て、第三の領域に前述の複素振幅の実部の値の絶対値を割り当てる。前述の複素振幅の実部が零をとる場合、第一の領域および第三の領域に零を割り当てる。また、前述の複素振幅の虚部が正の値をとる場合、第二の領域に前述の複素振幅の虚部の値を割り当て、第四の領域に零を割り当てる。前述の複素振幅の虚部が負の値をとる場合、第二の領域に零を割り当て、第四の領域に前述の複素振幅の虚部の値の絶対値を割り当てる。前述の複素振幅の虚部が零をとる場合、第二の領域および第四の領域に零を割り当てる。このようにして割り当てた値は、全て非負の値であり、強度分布を対応させることが出来る。
上述の手順にて短冊状の各領域に強度分布を割り当てた後、所望の強度分布が得られるよう副孔の位置を割り当てる。すなわち、上述のように副孔位置での偏光方向φと偏光板の透過軸方向θによる強度変化を示す関数g(φ,θ)に従って、場所毎の強度分布を副孔の配置に変換する。上述の手順により、所望のビームパターンを得るための副孔の配置を得ることが出来る。
なお、ここでは所望のビームパターンから副孔の配置を決める方法として一例としてLeeの方法を示したが、本発明は副孔の配置により位相の揃った任意の強度分布が得られることが特長であり、副孔の配置を決める方法はLeeの方法以外にも考えられる。例えば、C. B. Burckhardt, “A simplificationof Lee’s method of generating holograms by computer,” Appl. Opt. 9, 1949 (1970)には3つの短冊状の領域に強度分布を割り当てることでLeeの方法と同様の結果が得られることが記載されているが、この方法に従っても良いし、等価な結果が得られる他の方法に従っても良い。
図34は、偏光板Pと光学素子LSを備えたレーザ装置の主要部を示す図である。すなわち、偏光板Pの後段にレンズ又はホログラムなどの光学素子LSを配置することができる。光学素子LSは、入射したレーザ光をフーリエ変換して出力することができる。
6…フォトニック結晶層、6A…基本層、6B1…第1異屈折率領域、6B2…第2異屈折率領域。

Claims (3)

  1. レーザ光の入射されるフォトニック結晶層を備えたレーザ素子において、
    前記フォトニック結晶層は、
    第1屈折率媒質からなる基本層と、
    前記第1屈折率媒質とは屈折率の異なる第2屈折率媒質からなり前記基本層内に存在する複数の異屈折率領域と、
    を備え、
    複数の前記異屈折率領域は、
    平面形状が概略円形又は概略正方形又は90°の回転対称性を有する概略多角形であり、厚み方向に垂直な第1面積を有する第1異屈折率領域と、
    厚み方向に垂直な第2面積を有する第2異屈折率領域と、
    を備え、
    前記第1異屈折率領域の重心位置は、三角格子の格子点に位置し、
    前記第2面積は、前記第1面積よりも小さく、
    単位構成領域が、1つの前記第1異屈折率領域と、この周囲の最も近くに設けられた1つの前記第2異屈折率領域とからなることとし、これら一対の異屈折率領域のみが各単位構成領域内に存在し、
    最も近くで隣接する前記第1異屈折率領域の重心位置間を接続した線分を規定し、この線分の垂直二等分線で囲まれた領域のうち、1つの前記第1異屈折率領域の全て含まれる最小の領域が、それぞれの前記単位構成領域であり、この単位構成領域内において、前記一対の異屈折率領域の全てが、位置しており、
    前記単位構成領域内における、前記第1異屈折率領域に対する前記第2異屈折率領域の回転角度をφとし、
    X軸及びY軸を含むXY平面内において、複数の前記単位構成領域が二次元的に配置されており、
    それぞれの前記単位構成領域のXY座標をそれぞれの前記第1異屈折率領域の重心位置で与えられることとし、
    前記単位構成領域のXY座標が(X,Y)の場合には、回転角度φが座標により異なっており、前記フォトニック結晶層の全体の中で、少なくとも3以上の異なる回転角度φを含むことを特徴とするレーザ素子。
  2. 前記レーザ光を発生する活性層と、
    前記活性層を挟む上部及び下部クラッド層と、
    前記上部又は下部クラッド層と前記活性層との間に設けられた前記フォトニック結晶層と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザ素子。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ素子と、
    前記レーザ素子の光出射面に対向配置された偏光板と、
    を備えることを特徴とするレーザ装置。
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