JP6555930B2 - イソシアヌレート化合物の製造方法 - Google Patents

イソシアヌレート化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6555930B2
JP6555930B2 JP2015103924A JP2015103924A JP6555930B2 JP 6555930 B2 JP6555930 B2 JP 6555930B2 JP 2015103924 A JP2015103924 A JP 2015103924A JP 2015103924 A JP2015103924 A JP 2015103924A JP 6555930 B2 JP6555930 B2 JP 6555930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isocyanurate
compound
producing
reaction
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015103924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016216399A (ja
Inventor
卓哉 前田
卓哉 前田
池田 義弘
義弘 池田
考広 安本
考広 安本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2015103924A priority Critical patent/JP6555930B2/ja
Publication of JP2016216399A publication Critical patent/JP2016216399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6555930B2 publication Critical patent/JP6555930B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、純度の高いイソシアヌレート化合物を高い収率で製造する方法に関するものである。
モノアリルイソシアヌレートの製造法として、イソシアヌル酸とアリルクロライドを反応させる方法が知られている。例えば特許文献1には、トリアリルイソシアヌレートを製造する際に、中間体として生成されるモノアリルイソシアヌレートやジアリルイソシアヌレートを回収する方法が開示されている。
また、特許文献2には、パラジウム化合物または白金化合物と有機リン化合物を組み合わせてなる触媒を用いて、イソシアヌル酸とアリルアルコールからモノアリルイソシアヌレートが合成された例が記載されている。
しかしながら、上記の何れの製造法においても、モノアリルイソシアヌレートを選択的に且つ高収率で得ることができず、工業的な製造方法としては適さないものであった。
前記以外では、トリアリルシアヌレートを熱分解してモノアリルイソシアヌレートを製造する方法が知られている。例えば特許文献3には、キシレン溶媒中で、フェノールやキシレノール等のフェノール化合物と活性漂白土(Activated bleaching earth)を併用して、トリアリルシアヌレートからモノアリルイソシアヌレートを得る方法が例示されている。
しかしながら、前記のフェノール化合物は発ガン性を有するものとして知られ、その取り扱いには注意を要するものであるから、商業生産の原料として使用するには不適なものである。
特許文献4には、トリアリルシアヌレート化合物、カルボン酸化合物及び金属塩を溶媒中で加熱することにより、モノアリルイソシアヌレート化合物並びにジアリルイソシアヌレートを得る方法が例示されている。しかしながら、モノアリルイソシアヌレートの収率は最大で70.1%であり、ジアリルイソシアヌレートの収率は79.0%で、更なる収率向上を目指した改善の余地があった。加えて、本製法によれば、大きなスケールでの量産化設備における反応熱の除去が困難で、反応の暴走の危険性があり、反応制御が容易で安全性を確保できる方法を見出す必要があった。
非特許文献1には、トルエン溶媒中で酢酸と塩化第二銅を併用し、トリアリルシアヌレートを加熱してジアリルイソシアヌレートを得る方法が例示されている。しかしながら、本製法によるジアリルイソシアヌレートの収率は85%で、更なる収率並びに反応選択性向上を目指した改善の余地があった。加えて、本製法によれば、大きなスケールでの量産化設備における反応熱の除去が困難で、反応制御が容易で安全性を確保できる方法を見出す必要があった。
特開平4−49285号公報 特開平4−321655号公報 米国特許第2830051号公報 特許第4251890号
「Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii」,1988年,第3巻,p.376−9
本発明の目的は、毒性が低い原料を使用し、量産設備であっても、容易に反応制御ができ、安全性を確保しつつ、選択的に高収率でイソシアヌレート化合物を製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、トリアリルシアヌレート化合物、カルボン酸化合物、金属塩及び溶媒を反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とし、加熱することにより、毒性が低い原料を使用し、量産設備であっても、容易に反応制御ができ、安全性を確保しつつ、選択的に高収率でイソシアヌレート化合物を製造する方法を見出し、本発明に至った。以下に詳細を記す。
1).トリアリルシアヌレート化合物、カルボン酸化合物、金属塩及び溶媒を反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とし、加熱することを特徴とするイソシアヌレート化合物の製造方法。
2).反応槽内気相部の酸素濃度が0.3体積%以下であることを特徴とする1)に記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
3).反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とする方法として、不活性ガスの置換によって行われることを特徴とする1)〜2)のいずれかに記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
4).反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とする方法として液相部への不活性ガスによるバブリング方法によって行われることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
5).上記不活性ガスが、窒素、アルゴン、ヘリウムおよびネオンからなる群より選択されるものであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
6).反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満にする方法として、反応槽内気相部を減圧することを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
7).反応槽内気相部を減圧する際の反応槽内気相部の真空度が1500PaABS以下であることを特徴とする6)に記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
8).反応開始温度が60℃から100℃であることを特徴とする1)〜7)いずれか1項に記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
9).トリアリルシアヌレート化合物に対するカルボン酸化合物の仕込モル当量が0.8未満であることを特徴とする1)〜8)いずれかに記載のトリアリルイソシアヌレートの製造方法。
10).トリアリルシアヌレート化合物に対するカルボン酸化合物の仕込モル当量が0.8以上2未満であることを特徴とする1)〜8)いずれかに記載のジアリルイソシアヌレートの製造方法。
11).トリアリルシアヌレート化合物に対するカルボン酸化合物の仕込モル当量が2以上4以下であることを特徴とする1)〜8)いずれか1項に記載のモノアリルイソシアヌレートの製造方法。
12).純度を99重量%以上とする1)〜11)のいずれかに記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
13).1)〜8)、10)、11)のいずれかに記載の製造方法によって得られたイソシアヌレート化合物をアルキル化することによって得られる純度99%以上のアルキルアリルイソシアヌレートの製造方法。
14).1)〜8)、10)、11)のいずれかに記載の製造方法によって得られたイソシアヌレート化合物をグリシジル化することによって得られる純度99%以上のアリルグリシジルイソシアヌレートの製造方法。
15).12)の製造方法で得られたイソシアヌレート化合物。
16).1)〜8)、10)、11)のいずれかに記載の製造方法によって得られたイソシアヌレート化合物をアルキル化することによって得られる純度99%以上のアルキルアリルイソシアヌレート。
17).1)〜8)、10)、11)のいずれかに記載の製造方法によって得られたのイソシアヌレート化合物をグリシジル化することによって得られる純度99%以上のアリルグリシジルイソシアヌレート。
本発明によれば、毒性が低い原料を使用し、量産設備であっても、容易に反応制御ができ、安全性を確保しつつ、選択的に高収率でイソシアヌレート化合物を製造する方法を提供することができる。
また、本発明によれば、光学材料や耐熱性材料、不飽和ポリエステルやエポキシ樹脂の添加剤として有用なイソシアヌレート樹脂組成物を提供できる。
本発明は、トリアリルシアヌレート化合物、カルボン酸化合物、金属塩及び溶媒を反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とし、加熱することにより、毒性が低い原料を使用し、量産設備であっても、容易に反応制御ができ、安全性を確保しつつ、選択的に高収率でイソシアヌレート化合物を製造する方法を提供することを特徴とする。
本発明の実施において使用されるトリアリルシアヌレート化合物は、塩化シアヌルとアリルアルコール化合物を反応させる等、公知の合成方法により得ることができる。
本発明のイソシアヌレート化合物の製造方法は、トリアリルシアヌレート化合物、カルボン酸化合物、金属塩及び溶媒を反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とし、加熱することにより、選択的にイソシアヌレート化合物を得るものである。
その際、トリアリルイソシアヌレートを合成する場合、カルボン酸化合物の仕込量は、トリアリルシアヌレート化合物に対して、1倍モル未満が好ましい。ジアリルイソシアヌレートを合成する場合、カルボン酸化合物の仕込量は、1倍モル以上2倍モル未満が好ましい。モノアリルイソシアヌレートを合成する場合、カルボン酸化合物の仕込量は、2倍モル以上4倍モル以下が好ましい。4倍モルよりも多い場合には、イソシアヌレート化合物の収率が低下するので好ましくない。
本発明の実施において使用される代表的なカルボン酸化合物としては、酢酸、モノクロロ酢酸、トリメチル酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、サリチル酸等のモノカルボン酸化合物、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸化合物、またトリメリット酸、トリメシン酸等のトリカルボン酸などが挙げられるが、原料コストの安価な酢酸が好ましい。
本発明の実施において使用される金属塩としては、塩化第一銅、塩化第二銅、硫酸銅、酢酸銅、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化チタン(IV)等が挙げられる。
なお金属塩の仕込量は、トリアリルシアヌレート化合物に対して、0.005〜0.5倍モルが好ましい。
本発明の実施において使用される溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の無極性溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の極性溶媒が挙げられるが、生産性の点において、反応終了後にモノアリルイソシアヌレート化合物が析出する無極性溶媒が好ましい。
「反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満」にする方法として、1)不活性ガスの置換により、反応槽中の気相部の酸素濃度を4体積%未満にする方法、2)反応槽内気相部を減圧する方法、3)反応槽内気相部を減圧、不活性ガスの置換を併用する方法がある。
本発明の実施においては、反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満、好ましくは0.3体積%以下とすることが特に重要である。
1)不活性ガスの置換により、反応槽中の気相部の酸素濃度を0.4体積%未満にする方法について説明する。1)の方法は、気相部への不活性ガスの導入による置換によって実施するか、液相部への不活性ガスによるバブリングによって行われる。
1)の方法における上記不活性ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウムおよびネオンからなる群より選択して使用し、経済的観点から窒素を使用することが好ましい。
2)反応槽内気相部を減圧する方法について説明する。
2)方法は、真空度を2000PaABS未満とすることが必要であり、1500PaABS以下とすることが好ましく、1000PaABS以下とすることが更に好ましい。通常大気中の酸素濃度は20体積%強なので、反応槽内気相部の真空度を2000PaABSとした場合、反応槽内気相部の酸素濃度は0.4体積%となる。従って、真空度が1500PaABSを超えると、脱酸素が不十分となり、イソシアヌレート化合物の収率が低下するので好ましくない。2)の方法の場合、一旦減圧下にして酸素を除去した後は、ポンプ等により絶えず真空度を2000Pa未満に保ってもよいし、酸素が入らないように閉鎖しただけの状態にしてもよい。
3)の反応槽内気相部を減圧、不活性ガスの置換を併用する方法について説明する。3)の方法は、1)と2)の方法を併用したものである。反応槽内気相部を減圧し、不活性ガスの置換することにより、効率よく反応槽内気相部の酸素濃度下げることが出来る。加熱(反応)時には、1)のように大気圧であっても良いし、2)のように減圧状態でもよい。
本発明の実施において、反応温度は60〜100℃であることが好ましい。60℃より低い場合は、反応時間が長くなるので生産効率が低下し、また100℃より高い場合には、イソシアヌレート化合物の収率が低下すると同時に、反応速度が大きくなって、ラボレベルであっても1000mlを超える大きなスケールでは反応熱の除熱が困難となり、反応制御が難しくなる場合がある。100L〜数10mの様な量産設備に本件の発明を適用した場合、安全性が確保できるとともに、大きな冷却装置を用意する必要がなく、設備費を削減できるため更に好ましい。
本発明の実施において得たイソシアヌレート化合物のアミノ基をジメチル硫酸と炭酸カリウムを用い、アルキル化させる等、公知の合成方法によりアルキルアリルイソシアヌレートを得ることができる。
また、本発明の実施において得たイソシアヌレート化合物のアミノ基を臭化4メチル窒素などの相間移動触媒を用い、エピクロロヒドリンでハロヒドロ化し、これを水酸化ナトリウムなどを用いて環化させる等、公知の合成方法によりアリルグリシジルイソシアヌレートを得ることができる。
本発明の製造方法によれば、着色の少ないイソシアヌレート化合物が得られるため、得られた化合物はLEDの封止剤等の透明性を要求される用途に適している。また、本発明の製造方法によれば、不純物が少ないイソシアヌレート化合物が得られるため、得られた化合物は電気絶縁性を要求される用途にも有用である。
本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、参考例、および比較例における測定値の測定方法は次の通りである。
(純度及び収率の測定)
反応終了後の組成物に対して、ガスクロマトグラフ分析を行い、モノアリルイソシアヌレート量はジアリルイソシアヌレートとのエリア比で求めた。収率については、精製単離後のイソシアヌレート化合物量と理論収率から求めた。トリアリルイソシアヌレート量は、精製濾過後の全濾液の有機相をエバポレーターで蒸発させた残量とした。
参考例1)
2Lセパラブルフラスコにキシレン407g、塩化第二銅2水和物7.63g(0.045mol)を仕込み、ツインスター翼、棒バッフル1本をセッティングし、ウォーターバスにセットした。滴下ロートにトリアリルシアヌレート254g(1.02mol)、キシレン102gを入れ、セパラブルフラスコに取り付け、残りの口に窒素シール用の三方コックを付けたリフラックスコンデンサー(冷却管)、並びに温度計を取り付けた。
コンデンサー上部から窒素シールを行いながら、セパラブルフラスコ内、滴下ロート内を窒素にて共に3回置換し、酸素濃度が0.3体積%以下であることを確認し、攪拌(508rpm)を開始した。
ウォーターバスを昇温し、内温を65℃にコントロールしていることを確認後、滴下ロートの原料の半分を仕込んだ。約90分後に反応熱による発熱が観察され、ピーク温度が100℃となり、その後反応がほぼ終了して温度が75℃以下になった時点で、残りの原料を全量投入し、約120分後に反応熱による発熱が観察され、ピーク温度が98℃となり、発熱が落ち着いた後20分攪拌を継続した。得られた反応液からキシレンを留去し、桐山ロートにて濾過し、油状物を得た。ガスクロマトグラフィーの分析から、トリアリルイソシアヌレートの純度は99.7%であり、その収率は90%であった。
(実施例2)
酢酸を61g(1.02mol)滴下ロート側に入れた以外は、参考例1と同様にして反応を行い、反応終了後に40℃まで冷却した。
反応後の溶液に水を127g仕込み、固形分(ジアリルイソシアヌレート)を完全に析出させた後、桐山ロートにて濾過し、得られたケーキにトルエン127gでケーキ洗浄を行った。更に水127gでケーキ洗浄を行った。
得られた固形分(ジアリルイソシアヌレート)を真空乾燥機に入れ、70℃、1000PaABC以下で7時間乾燥させた。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は90%であった。
(実施例3)
酢酸を244g(4.08mol)滴下ロート側に入れた以外は、参考例1と同様にして反応を行い、反応終了後に室温まで冷却して、析出した結晶を濾別した。
得られた固形分(モノアリルイソシアヌレート)を真空乾燥機に入れ、70℃、1000PaABC以下で7時間乾燥させた。
ガスクロマトグラフィーの分析から、モノアリルイソシアヌレートの純度は99.3%であり、その収率は85%であった。
(実施例4)
500L攪拌槽にて仕込量を2Lスケールの393.7倍とした以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は91%であった。
(実施例5)
使用した不活性ガスをアルゴンにした以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は90%であった。
(実施例6)
コンデンサー上部から窒素シールを行いながら、セパラブルフラスコ内、滴下ロート内を窒素にてバブリングした以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は90%であった。
(実施例7)
系内を1000PaABSまで減圧して脱酸素した以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は90%であった。
(実施例8)
反応温度を60℃とし、滴下ロートの原料を一括で仕込んだ以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は92%であった。
(実施例9)
反応温度を100℃とした(オイルバスを使用)以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は99.9%であり、その収率は85%であった。
(実施例10)
実施例2で得たジアリルイソシアヌレートを150g(0.72mol)、炭酸カリウム99g(0.72mol)、N,N−ジメチルホルムアミド180gをフラスコに入れ、滴下ロートに炭酸ジメチル97g(1.1mol)を入れ、120℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃で6時間反応させ、室温まで冷却した。反応液を水225gで洗浄後、トルエン300gを加えて、液液抽出操作を行った。さらに、トルエン層を水60gで3回洗浄した。トルエン層をエバポレーターで濃縮して得られた茶色の油状物に2−メチルヒドロキノン0.075gを加えて、減圧蒸留(5mmHg、沸点145℃)により精製し、ジアリルメチルイソシアヌレートを120g(0.54mol、収率77%)得た。
(実施例11)
実施例2で得たジアリルイソシアヌレートを50g(0.24mol)、トルエン200g、水4.3g、テトラブチルアンモニウムブロミド1.7g(0.0052mol)をフラスコに入れ、88℃で滴下ロートからエピクロロヒドリン33g(0.36mol)とトルエン25gを加えた。88℃で4時間反応後、0℃に冷却し、水酸化ナトリウム50%水溶液28.7g(0.36mol)を滴下ロートから30分かけて滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。反応液を水75gで洗浄後、10%リン酸二水素ナトリウム水溶液75gで洗浄した。さらに水100gで洗浄した後、エバポレーターで濃縮し、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを茶色の油状物として58g(0.21mol、収率88%)を得た。
(比較例1)
脱酸素を実施しなかった以外は、参考例1と同様にして反応を行ったが、反応熱による発熱が8時間経過しても見られず、反応は進行しなかった。
(比較例2)
脱酸素を実施しなかった以外は、実施例2と同様にして反応を行ったが、反応熱による発熱が8時間経過しても見られず、反応は進行しなかった。
(比較例3)
脱酸素を実施しなかった以外は、実施例3と同様にして反応を行ったが、反応熱による発熱が8時間経過しても見られず、反応は進行しなかった。
(比較例4)
系内の酸素濃度を0.4体積%とした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。反応熱による発熱が確認できたのは、反応開始から4時間経過してからであり、2回目の添加後は7時間経過しても反応熱による発熱が見られず、ジアリルイソシアヌレートの収率は45%であった。
(比較例5)
系内の真空度を2000PaABSとした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。反応熱による発熱が確認できたのは、反応開始から5時間経過してからであり、2回目の添加後は7時間経過しても反応熱による発熱が見られず、ジアリルイソシアヌレートの収率は42%であった。
(比較例6)
反応温度を55℃とした以外は、実施例8と同様にして反応を行った。反応開始から8時間経過しても反応熱による発熱が見られず、反応は進行しなかった。
(比較例7)
反応温度を120℃とした(オイルバスを使用)以外は、参考例1と同様にしてトリアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、トリアリルイソシアヌレートの純度は98.9%であり、その収率は77%であった。
(比較例8)
反応温度を120℃とした(オイルバスを使用)以外は、実施例2と同様にしてジアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、ジアリルイソシアヌレートの純度は98.9%であり、その収率は77%であった。
(比較例9)
反応温度を120℃とした(オイルバスを使用)以外は、実施例3と同様にしてモノアリルイソシアヌレートを得た。
ガスクロマトグラフィーの分析から、モノアリルイソシアヌレートの純度は96.2%であり、その収率は67%であった。

Claims (9)

  1. トリアリルシアヌレート化合物、カルボン酸化合物、金属塩及び溶媒を反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とし、加熱することを特徴とするイソシアヌレート化合物の製造方法であって、
    反応槽内気相部の酸素濃度を0.4体積%未満とする方法が、不活性ガスの置換によって、又は、液相部への不活性ガスによるバブリング方法によって、又は、反応槽内気相部を減圧することによって、行われ
    反応温度が60℃から100℃であり、
    前記溶媒がトルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はジメチルアセトアミドである、イソシアヌレート化合物の製造方法
  2. 反応槽内気相部の酸素濃度が0.3体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
  3. 上記不活性ガスが、窒素、アルゴン、ヘリウムおよびネオンからなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
  4. 反応槽内気相部を減圧する際の反応槽内気相部の真空度が1500PaABS以下であることを特徴とする請求項に記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
  5. トリアリルシアヌレート化合物に対するカルボン酸化合物の仕込モル当量が0.8以上2未満であることを特徴とする請求項1〜いずれかに記載のジアリルイソシアヌレートの製造方法。
  6. トリアリルシアヌレート化合物に対するカルボン酸化合物の仕込モル当量が2以上4以下であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載のモノアリルイソシアヌレートの製造方法。
  7. 純度を99重量%以上とする請求項1〜のいずれかに記載のイソシアヌレート化合物の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法によってイソシアヌレート化合物を得ることと、得られたイソシアヌレート化合物をアルキル化することによってアルキルアリルイソシアヌレートを得ることと、を含む、純度99%以上のアルキルアリルイソシアヌレートの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法によってイソシアヌレート化合物を得ることと、得られたイソシアヌレート化合物をグリシジル化することによってアリルグリシジルイソシアヌレートを得ることと、を含む、純度99%以上のアリルグリシジルイソシアヌレートの製造方法。
JP2015103924A 2015-05-21 2015-05-21 イソシアヌレート化合物の製造方法 Active JP6555930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015103924A JP6555930B2 (ja) 2015-05-21 2015-05-21 イソシアヌレート化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015103924A JP6555930B2 (ja) 2015-05-21 2015-05-21 イソシアヌレート化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016216399A JP2016216399A (ja) 2016-12-22
JP6555930B2 true JP6555930B2 (ja) 2019-08-07

Family

ID=57578014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015103924A Active JP6555930B2 (ja) 2015-05-21 2015-05-21 イソシアヌレート化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6555930B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT371816B (de) * 1979-10-08 1983-08-10 Henkel Kgaa Verfahren zur herstellung von neuen isocyanurs[urederivaten
JPS6081225A (ja) * 1983-10-07 1985-05-09 Unitika Ltd 耐熱性ポリエステルの製造法
JPH10316665A (ja) * 1997-05-13 1998-12-02 Nippon Kasei Chem Co Ltd 置換イソシアヌレートの製造方法
JP3477111B2 (ja) * 1999-06-01 2003-12-10 四国化成工業株式会社 熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP4251890B2 (ja) * 2003-03-13 2009-04-08 四国化成工業株式会社 モノアリルイソシアヌレート化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016216399A (ja) 2016-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6147856B2 (ja) インテグラーゼインヒビターを調製するためのプロセスおよび中間体
JP6934872B2 (ja) 1,3−ベンゾジオキソール複素環化合物の製造方法
WO2007148597A1 (ja) 環状ジスルホン酸エステルの製造方法
JP5341747B2 (ja) クルクミンの合成
JP6555930B2 (ja) イソシアヌレート化合物の製造方法
JP5476992B2 (ja) トリフェニレン類の製造方法及び当該製造方法により得られる結晶
EP2958899B1 (en) Process for producing pyridazinone compound and production intermediates thereof
JP5092140B2 (ja) 非対称型ビス(ターピリジン)化合物の合成方法
KR20170070038A (ko) 1-(3,5-디클로로페닐)-2,2,2-트리플루오로에타논 및 그의 유도체의 제조 방법
JP6553647B2 (ja) アミンボラン及び多面体ボランの合成
EP2937331B1 (en) A process for preparing an intermediate of vitamin b1
JP2006213646A (ja) オキシジフタル酸無水物の製造方法
JP7205493B2 (ja) ジオールの製造方法
JP7103349B2 (ja) cis,cis-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸結晶の製造方法
JP2012519172A (ja) 3,4’ジアセトキシベンゾフェノン製造用中間体としての3,4’ジヒドロキシベンゾフェノンの製造方法
JP4251890B2 (ja) モノアリルイソシアヌレート化合物の製造方法
CN105218343B (zh) 一种3‑溴环己‑2‑烯‑1‑酮的合成方法
CN111132955A (zh) 用于生产β-春烯的新方法
CN114805094B (zh) 一种双(3-氨基-4-羟基苯基)六氟丙烷的制备方法
RU2522553C1 (ru) Способ получения 1, 1-дихлор-2, 2-бис(3-нитро-4-n, n-диметиламинофенил)этилена
JP6802815B2 (ja) ジクロロキノン誘導体の製造方法
TW201305104A (zh) 3-氯-4-甲基苯甲酸異丙酯及其製造方法
JP2016169165A (ja) 2,6−ジフルオロベンゾイル蟻酸化合物の製造方法
JP2015174853A (ja) 2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノールの製造方法
JP6723817B2 (ja) (トリフルオロメチル)マロン酸エステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181225

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190222

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6555930

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250