図1は、この発明の一実施の形態による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図である。図1において、この電力変換システムは、複数台(図では3台)のインバータ1.1〜1.3と、複数(この場合は3つ)の電流検出器2.1〜2.3と、複数(この場合は3つ)の制御回路3.1〜3.3と、複数(この場合は3つ)の通信ケーブル4.1〜4.3とを備える。インバータ1.1〜1.3の各々は電気機器を構成し、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1〜4.3は制御システムを構成する。
インバータ1.1〜1.3は、それぞれ制御回路3.1〜3.3からの制御信号CNT1〜CNT3に基づいて動作し、それぞれ直流電源5.1〜5.3から供給される直流電圧を一定周波数(たとえば商用周波数)の交流電圧に変換する。インバータ1.1〜1.3の出力電圧は、負荷6に対して並列に印加される。直流電源5.1〜5.3の各々は、バッテリでもよいし、コンデンサでもよいし、交流電力を直流電力に変換するコンバータでも構わない。
電流検出器2.1〜2.3は、それぞれインバータ1.1.〜1.3から負荷6に流れる電流IL1〜IL3の瞬時値を検出し、検出値を示す信号φ1〜φ3をそれぞれ出力する。信号φ1〜φ3は、それぞれ制御回路3.1〜3.3に与えられる。
制御回路3.1,3.2は通信ケーブル4.1,4.2を介して後段の制御回路3.2,3.3にそれぞれ接続され、制御回路3.3は通信ケーブル4.3を介して後段の制御回路3.1に接続されている。制御回路3.1の前段は制御回路3.3であり、制御回路3.1の後段は制御回路3.2である。制御回路3.2の前段は制御回路3.1であり、制御回路3.2の後段は制御回路3.3である。制御回路3.3の前段は制御回路3.2であり、制御回路3.3の後段は制御回路3.1である。制御回路3.1〜3.3は、通信ケーブル4.1〜4.3によって環状に接続されており、通信ケーブル4.1〜4.3を介して互いにデータ信号を授受する。制御回路3.1はマスターであり、制御回路3.2,3.3の各々はスレーブである。
制御回路3.1は、電流検出器2.1の出力信号φ1によって示される負荷電流値IL1と、制御回路3.2,3.3からのデータ信号D2,D3によって示される負荷電流値IL2,IL3との総和値IL1+IL2+IL3を求め、その総和値をインバータ1.1〜1.3の台数(すなわち3)で除算して分担電流IS=(IL1+IL2+IL3)/3を求める。
制御回路3.1は、負荷電流値IL1から分担電流ISを減算して横流IC1=IL1−ISを求め、求めた横流IC1が0Aになるように制御信号CNT1を生成してインバータ1.1を制御する。たとえば、制御回路3.1は、横流IC1が正の値である場合はインバータ1.1の出力電圧の値を徐々に減少させ、横流IC1が負の値である場合はインバータ1.1の出力電圧の値を徐々に増大させる。あるいは、制御回路3.1は、横流IC1が正の値である場合はインバータ1.1の出力電圧の位相を徐々に遅らせ、横流IC1が負の値である場合はインバータ1.1の出力電圧の位相を徐々に進ませる。
制御回路3.1は、求めた分担電流ISを示すデータ信号D1を制御回路3.2,3.3に送信する。データ信号D1は、インバータ1.1〜1.3を制御するための信号となる。
制御回路3.2は、電流検出器2.2によって検出された負荷電流値IL2から、制御回路3.1からのデータ信号D1によって示される分担電流ISを減算して横流IC2=IL2−ISを求め、求めた横流IC2が0Aになるように制御信号CNT2を生成してインバータ1.2を制御する。
制御回路3.2は、電流検出器2.2によって検出された負荷電流値IL2を示すデータ信号D2を制御回路3.1に送信する。データ信号D2は、インバータ1.2の制御結果を示す信号となる。制御回路3.2は、データ信号の通信に異常が発生した場合は、その旨を報知する警報信号AL2を出力する。警報信号AL2に応答して、光、音、画像などによってデータ信号の通信に異常が発生した旨を報知する光源、音源、ディスプレイなどを設けてもよい。
制御回路3.3は、電流検出器2.3によって検出された負荷電流値IL3から、制御回路3.1からのデータ信号D1によって示される分担電流ISを減算して横流IC3=IL3−ISを求め、求めた横流IC3が0Aになるように制御信号CNT3を生成してインバータ1.3を制御する。
制御回路3.3は、電流検出器2.3によって検出された負荷電流値IL3を示すデータ信号D3を制御回路3.1に送信する。データ信号D3は、インバータ1.3の制御結果を示す信号となる。制御回路3.3は、データ信号の通信に異常が発生した場合は、その旨を報知する警報信号AL3を出力する。警報信号AL3に応答して、光、音、画像などによってデータ信号の通信に異常が発生した旨を報知する光源、音源、ディスプレイなどを設けてもよい。
通信ケーブル4.1は、制御回路3.1,3.2間に接続され、前段の制御回路3.1から後段の制御回路3.2にデータ信号を伝達させるための通信線L1と、後段の制御回路3.2から前段の制御回路3.1にデータ信号を伝達させるための通信線L2とを含む。
通信ケーブル4.2は、制御回路3.2,3.3間に接続され、前段の制御回路3.2から後段の制御回路3.3にデータ信号を伝達させるための通信線L1と、後段の制御回路3.3から前段の制御回路3.2にデータ信号を伝達させるための通信線L2とを含む。
通信ケーブル4.3は、制御回路3.3,3.1間に接続され、前段の制御回路3.3から後段の制御回路3.1にデータ信号を伝達させるための通信線L1と、後段の制御回路3.1から前段の制御回路3.3にデータ信号を伝達させるための通信線L2とを含む。
なお、通信ケーブル4.1は、多芯ケーブルである。通信線L1〜L3の各々は、複数の信号線を含む。通信ケーブル4.1の一方端および他方端の各々にはコネクタ(図示せず)が設けられている。通信ケーブル4.2,4.3の各々は、通信ケーブル4.1と同じ構成である。通信ケーブル4.1の一方端のコネクタは制御回路3.1のコネクタに接続され、通信ケーブル4.1の他方端のコネクタは制御回路3.2のコネクタに接続される。通信ケーブル4.2の一方端のコネクタは制御回路3.2のコネクタに接続され、通信ケーブル4.2の他方端のコネクタは制御回路3.3のコネクタに接続される。通信ケーブル4.3の一方端のコネクタは制御回路3.3のコネクタに接続され、通信ケーブル4.3の他方端のコネクタは制御回路3.1のコネクタに接続される。
制御回路3.1と3.2,3.2と3.3,3.3と3.1のそれぞれの間でデータ信号の通信が正常に行なわれている場合は、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1〜4.3の通信線L1によって環状の第1の通信経路が形成されるとともに、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1〜4.3の通信線L2によって環状の第2の通信経路が形成される。
第1の通信経路では、制御回路3.1から通信ケーブル4.1の通信線L1を介して制御回路3.2にデータ信号D1が送信され、制御回路3.2から通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3にデータ信号D1,D2が送信され、制御回路3.3から通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1にデータ信号D1〜D3が送信される。
第2の通信経路では、制御回路3.1から通信ケーブル4.3の通信線L2を介して制御回路3.3にデータ信号D1が送信され、制御回路3.3から通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2にデータ信号D1,D3が送信され、制御回路3.2から通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1にデータ信号D1〜D3が送信される。
制御回路3.1と制御回路3.2の間でデータ信号の通信が正常に行なわれなくなった場合は、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.2,4.3によって環状の第3の通信経路が形成される。
第3の通信経路では、制御回路3.1から通信ケーブル4.3の通信線L2を介して制御回路3.3にデータ信号D1が送信され、制御回路3.3から通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2にデータ信号D1,D3が送信され、制御回路3.2から通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3にデータ信号D1〜D3が送信され、制御回路3.3から通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1にデータ信号D1〜D3が送信される。
制御回路3.2と制御回路3.3の間でデータ信号が正常に伝達されなくなった場合は、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1,4.3によって環状の第4の通信経路が形成される。
第4の通信経路では、制御回路3.1から通信ケーブル4.3の通信線L2を介して制御回路3.3にデータ信号D1が送信され、制御回路3.3から通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1にデータ信号D1,D3が送信され、制御回路3.1から通信ケーブル4.1の通信線L1を介して制御回路3.2にデータ信号D1,D3が送信され、制御回路3.2から通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1にデータ信号D1〜D3が送信される。
制御回路3.3と制御回路3.1の間でデータ信号が正常に伝達されなくなった場合は、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1,4.2によって環状の第5の通信経路が形成される。
第5の通信経路では、制御回路3.1から通信ケーブル4.1の通信線L1を介して制御回路3.2にデータ信号D1が送信され、制御回路3.2から通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3にデータ信号D1,D2が送信され、制御回路3.3から通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2にデータ信号D1〜D3が送信され、制御回路3.2から通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1にデータ信号D1〜D3が送信される。
図2は、制御回路3.1の構成を示すブロック図である。図2において、制御回路3.1は、受信機11,12、送信機13,14、判定器15,16、および内部回路17を含む。
受信機11は、制御回路3.3から通信ケーブル4.3の通信線L1を介して送信されたデータ信号D1〜D3を受信し、受信したデータ信号D1〜D3を判定器15および内部回路17に与える。判定器15は、受信機11からのデータ信号D1〜D3が正常であるか否かを判定し、そのデータ信号D1〜D3が正常である場合は信号φ15を「L」レベルにし、そのデータ信号D1〜D3が異常である場合は信号φ15を「H」レベルにする。信号φ15は、内部回路17に与えられる。
受信機12は、制御回路3.2から通信ケーブル4.1の通信線L2を介して送信されたデータ信号D1〜D3を受信し、受信したデータ信号D1〜D3を判定器16および内部回路17に与える。判定器16は、受信機12からのデータ信号D1〜D3が正常であるか否かを判定し、そのデータ信号D1〜D3が正常である場合は信号φ16を「L」レベルにし、そのデータ信号D1〜D3が異常である場合は信号φ16を「H」レベルにする。信号φ16は、内部回路17に与えられる。
なお、判定器15,16におけるデータ信号D1〜D3が正常であるか否かの判定は、たとえばパリティチェック方式によって行なわれる。パリティチェック方式では、データ信号を構成するビット列が一定の単位毎に区切られ、各単位に含まれる、値が「1」であるビットの数が奇数であるか偶数であるかを示すパリティビットが各単位に添付される。受信側では各単位毎に「1」の個数とパリティビットとを比較し、データ伝送中に誤りが生じたか否かを検出する。さらに、データサイズが正常であるか否かを判別したり、特開2006−340082号公報(特許文献2)に記載されている方法を採用しても構わない。
内部回路17は、判定器15,16によってデータ信号D1〜D3が正常であると判定されて信号φ15,φ16がともに「L」レベルにされ、かつ受信機11からのデータ信号D2,D3と受信機12からのデータ信号D2,D3とが互いに一致している場合は、受信したデータ信号D2,D3(すなわち負荷電流値IL2,IL3)と電流検出器2.1の出力信号φ1(すなわち負荷電流値IL1)とに基づいて、インバータ1.1〜1.3を制御するための新たなデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)を生成する。内部回路17は、このようにデータ通信が正常に行なわれた場合において、データ信号D1を生成するために使用した最新のデータ信号D2,D3を記憶する。
内部回路17は、判定器15,16によってデータ信号D1〜D3が正常であると判定され、かつ受信機11からのデータ信号D1〜D3と受信機12からのデータ信号D1〜D3とが互いに一致していない場合は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D2,D3(すなわち負荷電流値IL2,IL3)と電流検出器2.1の出力信号φ1(すなわち負荷電流値IL1)とに基づいて、インバータ1.1〜1.3を制御するための新たなデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)を生成する。
内部回路17は、判定器15によって受信機11からのデータ信号D1〜D3が正常であると判定されて信号φ15が「L」レベルにされ、かつ判定器16によって受信機12からのデータ信号D1〜D3が異常であると判定されて信号φ16が「H」レベルにされた場合は、受信機11からのデータ信号D2,D3(すなわち負荷電流値IL2,IL3)と電流検出器2.1の出力信号φ1(すなわち負荷電流値IL1)とに基づいて、インバータ1.1〜1.3を制御するための新たなデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)を生成する。
内部回路17は、判定器15によって受信機11からのデータ信号D1〜D3が異常であると判定されて信号φ15が「H」レベルにされ、かつ判定器16によって受信機12からのデータ信号D1〜D3が正常であると判定されて信号φ16が「L」レベルにされた場合は、受信機12からのデータ信号D2,D3(すなわち負荷電流値IL2,IL3)と電流検出器2.1の出力信号φ1(すなわち負荷電流値IL1)とに基づいて、インバータ1.1〜1.3を制御するための新たなデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)を生成する。
内部回路17は、判定器15,16によってデータ信号D1〜D3が異常であると判定された場合は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D2,D3(すなわち負荷電流値IL2,IL3)と電流検出器2.1の出力信号φ1(すなわち負荷電流値IL1)とに基づいて、インバータ1.1〜1.3を制御するための新たなデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)を生成する。
内部回路17は、生成した新たなデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.1の出力信号φ1(すなわち負荷電流値IL1)とに基づいて横流IC=IL1−ISを求め、その横流ICが0Aになるように制御信号CNT1を生成してインバータ1.1を制御する。
送信機13は、内部回路17によって生成された新たなデータ信号D1を通信ケーブル4.1の通信線L1を介して制御回路3.2に送信する。送信機14は、内部回路17によって生成された新たなデータ信号D1を通信ケーブル4.3の通信線L2を介して制御回路3.3に送信する。
図3は、内部回路17の動作を示すフローチャートである。ステップS1において内部回路17は、受信機11,12を介してデータ信号D1〜D3を受信する。ステップS2において内部回路17は、判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるか否かを判別する。
ステップS2において信号φ15,φ16がともに「L」レベルである場合、ステップS3において内部回路17は、受信機11からのデータ信号D2,D3と受信機12からのデータ信号D2,D3とが一致しているか否かを判別する。
ステップS3において受信機11,12からのデータ信号D2,D3が一致していると判別した場合、ステップS4において内部回路17は、受信機11,12からのデータ信号D2,D3を用いて処理する。すなわち、内部回路17は、受信したデータ信号D2,D3と電流検出器2.1の出力信号φ1とに基づいて新たなデータ信号D1を生成し、新たなデータ信号D1を制御回路3.2,3.3に送信し、データ信号D1を生成するために使用した最新のデータ信号D2,D3を記憶するとともに、新たなデータ信号D1を用いてインバータ1.1を制御し、ステップS1に戻る。
ステップS3において受信機11,12からのデータ信号D2,D3が一致していないと判別した場合、ステップS5において内部回路17は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D2,D3を用いて処理する。すなわち、内部回路17は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D2,D3と電流検出器2.1の出力信号φ1とに基づいて新たなデータ信号D1を生成し、新たなデータ信号D1を制御回路3.2,3.3に送信するとともに、新たなデータ信号D1を用いてインバータ1.1を制御し、ステップS1に戻る。
ステップS2において信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるという条件が否定された場合、ステップS6において内部回路17は、信号φ15または信号φ16が「L」レベルであるか否かを判別する。
ステップS6において信号φ15または信号φ16が「L」レベルであると判別した場合、ステップS7において内部回路17は、受信機11,12からのデータ信号D1〜D3のうちの正常な方のデータ信号D1〜D3に含まれるデータ信号D2,D3を用いて処理する。すなわち、内部回路17は、正常な方のデータ信号D2,D3と電流検出器2.1の出力信号φ1とに基づいて新たなデータ信号D1を生成し、新たなデータ信号D1を制御回路3.2,3.3に送信するとともに、新たなデータ信号D1を用いてインバータ1.1を制御し、ステップS1に戻る。
ステップS6において信号φ15または信号φ16が「L」レベルであるという条件が否定された場合、ステップS8において内部回路17は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D2,D3を用いて処理する。すなわち、内部回路17は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D2,D3と電流検出器2.1の出力信号φ1とに基づいて新たなデータ信号D1を生成し、新たなデータ信号D1を制御回路3.2,3.3に送信するとともに、新たなデータ信号D1を用いてインバータ1.1を制御し、ステップS1に戻る。
図4は、制御回路3.2の構成を示すブロック図であって、図2と対比される図である。図4を参照して、制御回路3.2が制御回路3.1と異なる点は、異常検出器21,22が追加され、内部回路17が内部回路23によって置換されている点である。
受信機11は、制御回路3.1から通信ケーブル4.1の通信線L1を介して送信されたデータ信号D1を受信し、受信したデータ信号D1を判定器15および内部回路23に与える。判定器15は、受信機11からのデータ信号D1が正常であるか否かを判定し、そのデータ信号D1が正常である場合は信号φ15を「L」レベルにし、そのデータ信号D1が異常である場合は信号φ15を「H」レベルにする。信号φ15は、内部回路23に与えられる。
受信機12は、制御回路3.3から通信ケーブル4.2の通信線L2を介して送信されたデータ信号D1,D3を受信し、受信したデータ信号D1,D3を判定器16および内部回路23に与える。判定器16は、受信機12からのデータ信号D1,D3が正常であるか否かを判定し、そのデータ信号D1,D3が正常である場合は信号φ16を「L」レベルにし、そのデータ信号D1,D3が異常である場合は信号φ16を「H」レベルにする。信号φ16は、内部回路23に与えられる。
異常検出器21は、判定器15の出力信号φ15が連続して3回(予め定められた回数)、「H」レベルにされた場合に、異常検出信号φ21を非活性化レベルの「L」レベルから活性化レベルの「H」レベルに立ち上げる。異常検出器22は、判定器16の出力信号φ16が連続して3回(予め定められた回数)、「H」レベルにされた場合に、異常検出信号φ22を非活性化レベルの「L」レベルから活性化レベルの「H」レベルに立ち上げる。
内部回路23は、判定器15,16によってデータ信号D1およびデータ信号D1,D3が正常であると判定されて信号φ15,φ16がともに「L」レベルにされ、かつ受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが互いに一致している場合は、そのデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.2の出力信号φ2(すなわち負荷電流値IL2)とに基づいて横流IC2を求め、その横流IC2が0Aになるように制御信号CNT2を生成してインバータ1.2を制御する。さらに内部回路23は、電流検出器2.2の出力信号φ2に基づいてデータ信号D2(すなわち負荷電流値IL2)を生成する。内部回路23は、このようにデータ通信が正常に行なわれた場合において、インバータ1.2を制御するために使用した最新のデータ信号D1を記憶する。
内部回路23は、判定器15,16によってデータ信号D1およびデータ信号D1,D3が正常であると判定され、かつ受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが互いに一致していない場合は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.2の出力信号φ2(すなわち負荷電流値IL2)とに基づいて横流IC2を求め、その横流IC2が0Aになるように制御信号CNT2を生成してインバータ1.2を制御する。さらに内部回路23は、電流検出器2.2の出力信号φ2に基づいてデータ信号D2(すなわち負荷電流値IL2)を生成する。
内部回路23は、判定器15によって受信機11からのデータ信号D1が正常であると判定されて信号φ15が「L」レベルにされ、かつ判定器16によって受信機12からのデータ信号D1,D3が異常であると判定されて信号φ16が「H」レベルにされた場合は、受信機11からのデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.2の出力信号φ2(すなわち負荷電流値IL2)とに基づいて横流IC2を求め、その横流IC2が0Aになるように制御信号CNT2を生成してインバータ1.2を制御する。さらに内部回路23は、電流検出器2.2の出力信号φ2に基づいてデータ信号D2(すなわち負荷電流値IL2)を生成する。
内部回路23は、判定器15によって受信機11からのデータ信号D1が異常であると判定されて信号φ15が「H」レベルにされ、かつ判定器16によって受信機12からのデータ信号D1,D3が正常であると判定されて信号φ16が「L」レベルにされた場合は、受信機12からのデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.2の出力信号φ2(すなわち負荷電流値IL2)とに基づいて横流IC2を求め、その横流IC2が0Aになるように制御信号CNT2を生成してインバータ1.2を制御する。さらに内部回路23は、電流検出器2.2の出力信号φ2に基づいてデータ信号D2(すなわち負荷電流値IL2)を生成する。
内部回路23は、判定器15,16の両方によってデータ信号D1が異常であると判定された場合は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1(すなわち分担電流IS)と電流検出器2.2の出力信号φ2(すなわち負荷電流値IL2)とに基づいて横流IC2を求め、その横流IC2が0Aになるように制御信号CNT2を生成してインバータ1.2を制御する。さらに内部回路23は、電流検出器2.2の出力信号φ2に基づいてデータ信号D2(すなわち負荷電流値IL2)を生成する。
さらに、内部回路23は、スイッチSW1〜SW4を含む。スイッチSW1は、受信機11と送信機13の間に接続される。スイッチSW2は、受信機12と送信機14の間に接続される。スイッチSW3は、受信機11と送信機14の間に接続される。スイッチSW4は、受信機12と送信機13の間に接続される。
異常検出信号φ21,φ22がともに非活性化レベルの「L」レベルである場合は、スイッチSW1,SW2がオンされるとともにスイッチSW3,SW4がオフされる。内部回路23は、受信機11からのデータ信号D1と新たなデータ信号D2とをスイッチSW1を介して送信機13に与えるとともに、受信機12からのデータ信号D1,D3と新たなデータ信号D2とをスイッチSW2を介して送信機14に与える。送信機13は、内部回路23からのデータ信号D1,D2を通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3に送信する。送信機14は、内部回路23からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1に送信する。
異常検出信号φ21,φ22がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルになった場合は、スイッチSW4がオンされるとともにスイッチSW1〜SW3がオフされる。内部回路23は、受信機11からのデータ信号D1の受信を停止するとともに、受信機12からのデータ信号D1,D3と新たなデータ信号D2とをスイッチSW4を介して送信機13に与える。送信機13は、内部回路23からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3に送信する。送信機14からのデータ信号の送信は停止される。
異常検出信号φ21,φ22がそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルになった場合は、スイッチSW3がオンされるとともにスイッチSW1,SW2,SW4がオフされる。内部回路23は、受信機12からのデータ信号D1,D3の受信を停止するとともに、受信機11からのデータ信号D1と新たなデータ信号D2とをスイッチSW3を介して送信機14に与える。送信機14は、内部回路23からのデータ信号D1,D2を通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1に送信する。送信機13からのデータ信号の送信は停止される。
判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるが、受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが一致しないことが連続して3回発生した場合は、スイッチSW3がオンされるとともにスイッチSW1,SW2,SW4がオフされる。内部回路23は、受信機12からのデータ信号D1,D3の受信を停止するとともに、受信機11からのデータ信号D1と新たなデータ信号D2とをスイッチSW3を介して送信機14に与える。送信機14は、内部回路23からのデータ信号D1,D2を通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1に送信する。送信機13からのデータ信号の送信は停止される。内部回路23は、データ信号の通信に異常が発生したことを報知する警報信号AL2を出力する。
なお、判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるが、受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが一致しないことが連続して3回発生した場合には、スイッチSW4をオンさせるとともにスイッチSW1〜SW3をオフさせても構わない。内部回路23は、受信機11からのデータ信号D1の受信を停止するとともに、受信機12からのデータ信号D1,D3と新たなデータ信号D2とをスイッチSW4を介して送信機13に与える。送信機13は、内部回路23からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3に送信する。送信機14からのデータ信号の送信は停止される。
図5は、内部回路23の動作を示すフローチャートである。ステップS11において内部回路23は、受信機11,12を介してデータ信号D1,D3を受信する。ステップS12において内部回路23は、判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるか否かを判別する。
ステップS12において信号φ15,φ16がともに「L」レベルである場合、ステップS13において内部回路23は、受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが一致しているか否かを判別する。
ステップS13において受信機11,12からのデータ信号D1が一致していると判別した場合、ステップS14において内部回路23は、受信機11,12からのデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路23は、受信したデータ信号D1と電流検出器2.2の出力信号φ2とに基づいてインバータ1.2を制御し、最新のデータ信号D1を記憶するとともに、信号φ2に基づいて新たなデータ信号D2を生成して制御回路3.1,3.3に送信し、ステップS11に戻る。
ステップS13において受信機11,12からのデータ信号D1が一致していないと判別した場合、ステップS15において内部回路23は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路23は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1と電流検出器2.2の出力信号φ2とに基づいてインバータ1.2を制御するとともに、信号φ2に基づいて新たなデータ信号D2を生成して制御回路3.1,3.3に送信する。
ステップS16において内部回路23は、データ通信が正常に行なわれたときのデータ信号D1が3回連続して使用されたか否かを判別する。ステップS16においてデータ通信が正常に行なわれたときのデータ信号D1が3回連続して使用されたと判別された場合、ステップS17において内部回路23は、スイッチSW1〜SW4を切換えるとともに、警報信号AL2を出力し、ステップS11に戻る。その際、スイッチSW3がオンされるとともにスイッチSW1,SW2,SW4がオフされる。ステップS16において通信が正常に行なわれたときのデータ信号D1が3回連続して使用されたという条件が否定された場合、内部回路23による処理はステップS11に戻る。
ステップS12において信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるという条件が否定された場合、ステップS18において内部回路23は、信号φ15または信号φ16が「L」レベルであるか否かを判別する。
ステップS18において信号φ15または信号φ16が「L」レベルであると判別した場合、ステップS19において内部回路23は、受信機11,12からのデータ信号D1のうちの正常な方のデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路23は、正常な方のデータ信号D1と電流検出器2.2の出力信号φ2とに基づいてインバータ1.2を制御するとともに、信号φ2に基づいて新たなデータ信号D2を生成して制御回路3.1,3.3に送信し、ステップS21に進む。
ステップS18において信号φ15または信号φ16が「L」レベルであるという条件が否定された場合、ステップS20において内部回路23は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路23は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1と電流検出器2.2の出力信号φ2とに基づいてインバータ1.2を制御するとともに、信号φ2に基づいて新たなデータ信号D2を生成して制御回路3.1,3.3に送信し、ステップS21に進む。
ステップS21において内部回路23は、異常検出信号φ21またはφ22が「H」レベルであるか否かを判別し、異常検出信号φ21またはφ22が「H」レベルである場合はステップS22においてスイッチSW1〜SW4を切換えるとともに、警報信号AL2を出力し、ステップS11に戻る。その際、異常検出信号φ21が「H」レベルである場合は、スイッチSW1〜SW3がオフされるとともにスイッチSW4がオンされ、異常検出信号φ22が「H」レベルである場合は、スイッチSW1,SW2,SW4がオフされるとともにスイッチSW3がオンされる。ステップS21において異常検出信号φ21またはφ22が「H」レベルであるという条件が否定された場合、内部回路23による処理はステップS11に戻る。
図6は、制御回路3.3の構成を示すブロック図であって、図4と対比される図である。図6を参照して、制御回路3.3が制御回路3.2と異なる点は、内部回路23が内部回路24によって置換されている点である。
受信機11は、制御回路3.2から通信ケーブル4.2の通信線L1を介して送信されたデータ信号D1,D2を受信し、受信したデータ信号D1,D2を判定器15および内部回路24に与える。判定器15は、受信機11からのデータ信号D1,D2が正常であるか否かを判定し、そのデータ信号D1,D2が正常である場合は信号φ15を「L」レベルにし、そのデータ信号D1,D2が異常である場合は信号φ15を「H」レベルにする。信号φ15は、内部回路24に与えられる。
受信機12は、制御回路3.1から通信ケーブル4.3の通信線L2を介して送信されたデータ信号D1を受信し、受信したデータ信号D1を判定器16および内部回路24に与える。判定器16は、受信機12からのデータ信号D1が正常であるか否かを判定し、そのデータ信号D1が正常である場合は信号φ16を「L」レベルにし、そのデータ信号D1が異常である場合は信号φ16を「H」レベルにする。信号φ16は、内部回路24に与えられる。異常検出器21,22の動作は、図4を用いて説明した通りである。
内部回路24は、判定器15,16によってデータ信号D1,D2およびデータ信号D1が正常であると判定されて信号φ15,φ16がともに「L」レベルにされ、かつ受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが互いに一致している場合は、そのデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.3の出力信号φ3(すなわち負荷電流値IL3)とに基づいて横流IC3を求め、その横流IC3が0Aになるように制御信号CNT3を生成してインバータ1.3を制御する。さらに内部回路24は、電流検出器2.3の出力信号φ3に基づいてデータ信号D3(すなわち負荷電流値IL3)を生成する。内部回路24は、このようにデータ通信が正常に行なわれた場合において、インバータ1.3を制御するために使用した最新のデータ信号D1を記憶する。
内部回路24は、判定器15,16によってデータ信号D1,D2およびデータ信号D1が正常であると判定され、かつ受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが互いに一致していない場合は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.3の出力信号φ3(すなわち負荷電流値IL3)とに基づいて横流IC3を求め、その横流IC3が0Aになるように制御信号CNT3を生成してインバータ1.3を制御する。さらに内部回路24は、電流検出器2.3の出力信号φ3に基づいてデータ信号D3(すなわち負荷電流値IL3)を生成する。
内部回路24は、判定器15によって受信機11からのデータ信号D1,D2が正常であると判定されて信号φ15が「L」レベルにされ、かつ判定器16によって受信機12からのデータ信号D1が異常であると判定されて信号φ16が「H」レベルにされた場合は、受信機11からのデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.3の出力信号φ3(すなわち負荷電流値IL3)とに基づいて横流IC3を求め、その横流IC3が0Aになるように制御信号CNT3を生成してインバータ1.3を制御する。さらに内部回路24は、電流検出器2.3の出力信号φ3に基づいてデータ信号D3(すなわち負荷電流値IL3)を生成する。
内部回路24は、判定器15によって受信機11からのデータ信号D1,D2が異常であると判定されて信号φ15が「H」レベルにされ、かつ判定器16によって受信機12からのデータ信号D1が正常であると判定されて信号φ16が「L」レベルにされた場合は、受信機12からのデータ信号D1(すなわち分担電流値IS)と電流検出器2.3の出力信号φ3(すなわち負荷電流値IL3)とに基づいて横流IC3を求め、その横流IC3が0Aになるように制御信号CNT3を生成してインバータ1.3を制御する。さらに内部回路24は、電流検出器2.3の出力信号φ3に基づいてデータ信号D3(すなわち負荷電流値IL3)を生成する。
内部回路24は、判定器15,16の両方によってデータ信号D1が異常であると判定された場合は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1(すなわち分担電流IS)と電流検出器2.3の出力信号φ3(すなわち負荷電流値IL3)とに基づいて横流IC3を求め、その横流IC3が0Aになるように制御信号CNT3を生成してインバータ1.3を制御する。さらに内部回路24は、電流検出器2.3の出力信号φ3に基づいてデータ信号D3(すなわち負荷電流値IL3)を生成する。
さらに、内部回路24は、スイッチSW1〜SW4を含む。スイッチSW1は、受信機11と送信機13の間に接続される。スイッチSW2は、受信機12と送信機14の間に接続される。スイッチSW3は、受信機11と送信機14の間に接続される。スイッチSW4は、受信機12と送信機13の間に接続される。
異常検出信号φ21,φ22がともに非活性化レベルの「L」レベルである場合は、スイッチSW1,SW2がオンされるとともにスイッチSW3,SW4がオフされる。内部回路24は、受信機11からのデータ信号D1,D2と新たなデータ信号D3とをスイッチSW1を介して送信機13に与えるとともに、受信機12からのデータ信号D1と新たなデータ信号D3とをスイッチSW2を介して送信機14に与える。送信機13は、内部回路24からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1に送信する。送信機14は、内部回路24からのデータ信号D1,D3を通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2に送信する。
異常検出信号φ21,φ22がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルになった場合は、スイッチSW4がオンされるとともにスイッチSW1〜SW3がオフされる。内部回路24は、受信機11からのデータ信号D1,D2の受信を停止するとともに、受信機12からのデータ信号D1,D3と新たなデータ信号D2とをスイッチSW4を介して送信機13に与える。送信機13は、内部回路24からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1に送信する。送信機14からのデータ信号の送信は停止される。
異常検出信号φ21,φ22がそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルになった場合は、スイッチSW3がオンされるとともにスイッチSW1,SW2,SW4がオフされる。内部回路24は、受信機12からのデータ信号D1の受信を停止するとともに、受信機11からのデータ信号D1,D2と新たなデータ信号D3とをスイッチSW3を介して送信機14に与える。送信機14は、内部回路24からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2に送信する。送信機13からのデータ信号の送信は停止される。
判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるが、受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが一致しないことが連続して3回発生した場合は、スイッチSW3がオンされるとともにスイッチSW1,SW2,SW4がオフされる。内部回路24は、受信機12からのデータ信号D1の受信を停止するとともに、受信機11からのデータ信号D1,D2と新たなデータ信号D3とをスイッチSW3を介して送信機14に与える。送信機14は、内部回路24からのデータ信号D1〜D3を通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2に送信する。送信機13からのデータ信号の送信は停止される。内部回路24は、データ信号に異常が発生したことを報知する警報信号AL3を出力する。
なお、判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるが、受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが一致しないことが連続して3回発生した場合には、スイッチSW4をオンさせるとともにスイッチSW1〜SW3をオフさせても構わない。内部回路24は、受信機11からのデータ信号D1,D2の受信を停止するとともに、受信機12からのデータ信号D1と新たなデータ信号D3とをスイッチSW4を介して送信機13に与える。送信機13は、内部回路24からのデータ信号D1,D3を通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1に送信する。送信機14からのデータ信号の送信は停止される。
図7は、内部回路24の動作を示すフローチャートである。ステップS31において内部回路24は、受信機11,12を介してデータ信号D1,D2を受信する。ステップS32において内部回路24は、判定器15,16の出力信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるか否かを判別する。
ステップS32において信号φ15,φ16がともに「L」レベルである場合、ステップS33において内部回路24は、受信機11からのデータ信号D1と受信機12からのデータ信号D1とが一致しているか否かを判別する。
ステップS33において受信機11,12からのデータ信号D1が一致していると判別した場合、ステップS34において内部回路24は、受信機11,12からのデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路24は、受信したデータ信号D1と電流検出器2.3の出力信号φ3とに基づいてインバータ1.3を制御し、最新のデータ信号D1を記憶するとともに、信号φ3に基づいて新たなデータ信号D3を生成して制御回路3.1,3.2に送信し、ステップS31に戻る。
ステップS33において受信機11,12からのデータ信号D1が一致していないと判別した場合、ステップS35において内部回路24は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路24は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1と電流検出器2.3の出力信号φ3とに基づいてインバータ1.3を制御するとともに、信号φ3に基づいて新たなデータ信号D3を生成して制御回路3.1,3.2に送信する。
ステップS36において内部回路24は、データ通信が正常に行なわれたときのデータ信号D1が3回連続して使用されたか否かを判別する。ステップS36においてデータ通信が正常に行なわれたときのデータ信号D1が3回連続して使用されたと判別された場合、ステップS37において内部回路24は、スイッチSW1〜SW4を切換えるとともに、警報信号AL3を出力し、ステップS31に戻る。その際、スイッチSW3がオンされるとともにスイッチSW1,SW2,SW4がオフされる。ステップS36において通信が正常に行なわれたときのデータ信号D1が3回連続して使用されたという条件が否定された場合、内部回路24による処理はステップS31に戻る。
ステップS32において信号φ15,φ16がともに「L」レベルであるという条件が否定された場合、ステップS38において内部回路24は、信号φ15または信号φ16が「L」レベルであるか否かを判別する。
ステップS38において信号φ15または信号φ16が「L」レベルであると判別した場合、ステップS39において内部回路24は、受信機11,12からのデータ信号D1のうちの正常な方のデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路24は、正常な方のデータ信号D1と電流検出器2.3の出力信号φ3とに基づいてインバータ1.3を制御するとともに、信号φ3に基づいて新たなデータ信号D3を生成して制御回路3.1,3.2に送信し、ステップS41に進む。
ステップS38において信号φ15または信号φ16が「L」レベルであるという条件が否定された場合、ステップS40において内部回路24は、通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1を用いて処理する。すなわち、内部回路24は、データ通信が正常に行なわれたときに使用して記憶した最新のデータ信号D1と電流検出器2.3の出力信号φ3とに基づいてインバータ1.3を制御するとともに、信号φ3に基づいて新たなデータ信号D3を生成して制御回路3.1,3.2に送信し、ステップS41に進む。
ステップS41において内部回路24は、異常検出信号φ21またはφ22が「H」レベルであるか否かを判別し、異常検出信号φ21またはφ22が「H」レベルである場合はステップS42においてスイッチSW1〜SW4を切換えるとともに、警報信号AL3を出力し、ステップS31に戻る。その際、異常検出信号φ21が「H」レベルである場合は、スイッチSW1〜SW3がオフされるとともにスイッチSW4がオンされ、異常検出信号φ22が「H」レベルである場合は、スイッチSW1,SW2,SW4がオフされるとともにスイッチSW3がオンされる。ステップS41において異常検出信号φ21またはφ22が「H」レベルであるという条件が否定された場合、内部回路24による処理はステップS31に戻る。
図8は、制御回路3.1と3.2,3.2と3.3,3.3と3.1のそれぞれの間においてデータ通信が正常に行なわれている場合における通信経路を示す回路ブロック図である。図8において、制御回路3.2,3.3の各々において、スイッチSW1,SW2がオンされるとともに、スイッチSW3,SW4がオフされる。制御回路3.1〜3.3と通信ケーブル4.1〜4.3の通信線L1によって第1の通信経路P1が形成されるとともに、制御回路3.1〜3.3と通信ケーブル4.1〜4.3の通信線L2によって第2の通信経路P2が形成される。
第1の通信経路P1においては、制御回路3.1内で生成されたデータ信号D1が送信機13と通信ケーブル4.1の通信線L1とを介して制御回路3.2の受信機11に送信される。制御回路3.2の受信機11によって受信されたデータ信号D1と制御回路3.2内で生成されたデータ信号D2とが、スイッチSW1と送信機13と通信ケーブル4.2の通信線L1を介して制御回路3.3の受信機11に送信される。制御回路3.3の受信機11によって受信されたデータ信号D1,D2と制御回路3.3内で生成されたデータ信号D3とが、スイッチSW1と送信機13と通信ケーブル4.3の通信線L1とを介して制御回路3.1の受信機11に送信される。
第2の通信経路P2においては、制御回路3.1内で生成されたデータ信号D1が送信機14と通信ケーブル4.3の通信線L2とを介して制御回路3.3の受信機12に送信される。制御回路3.3の受信機12によって受信されたデータ信号D1と制御回路3.3内で生成されたデータ信号D3とが、スイッチSW2と送信機14と通信ケーブル4.2の通信線L2を介して制御回路3.2の受信機12に送信される。制御回路3.2の受信機12によって受信されたデータ信号D1,D3と制御回路3.2内で生成されたデータ信号D2とが、スイッチSW2と送信機14と通信ケーブル4.1の通信線L2とを介して制御回路3.1の受信機12に送信される。制御回路3.1は、受信機11,12によって受信されたデータ信号D2,D3に基づいて新たなデータ信号D1を生成する。
図9は、制御回路3.1と3.2の間においてデータ通信が異常になった場合の通信経路を示す回路ブロック図である。このような状態は、たとえば、通信ケーブル4.1の一方側のコネクタと制御回路3.1のコネクタとの接触不良が発生した場合、通信ケーブル4.1の他方側のコネクタと制御回路3.2のコネクタとの接触不良が発生した場合、制御回路3.1の受信機12および送信機13が故障した場合、制御回路3.2の受信機11および送信機14が故障した場合などに発生する。
図9において、制御回路3.2において、スイッチSW1〜SW3がオフされるとともに、スイッチSW4がオンされる。制御回路3.3において、スイッチSW1,SW2がオンされるとともに、スイッチSW3,SW4がオフされる。制御回路3.1〜3.3と通信ケーブル4.2,4.3の通信線L1,L2によって第3の通信経路P3が形成される。
第3の通信経路P3においては、制御回路3.1内で生成されたデータ信号D1が送信機14と通信ケーブル4.3の通信線L2とを介して制御回路3.3の受信機12に送信される。制御回路3.3の受信機12によって受信されたデータ信号D1と制御回路3.3内で生成されたデータ信号D3とが、スイッチSW2と送信機14と通信ケーブル4.2の通信線L2とを介して制御回路3.2の受信機12に送信される。
制御回路3.2の受信機12によって受信されたデータ信号D1,D3と制御回路3.2内で生成されたデータ信号D2とが、スイッチSW4と送信機13と通信ケーブル4.2の通信線L1とを介して制御回路3.3の受信機11に送信される。制御回路3.3の受信機11によって受信されたデータ信号D1,D2と制御回路3.3内で生成されたデータ信号D3とが、スイッチSW1と送信機13と通信ケーブル4.3の通信線L1とを介して制御回路3.1の受信機11に送信される。制御回路3.1は、受信機11によって受信されたデータ信号D2,D3に基づいて新たなデータ信号D1を生成する。
この場合は、制御回路3.2から警報信号AL2が出力され、制御回路3.3から警報信号AL3が出力されないので、制御回路3.1と3.2の間でデータ通信が異常になったことが分かる。したがって、たとえば、通信ケーブル4.1のコネクタと制御回路3.1または3.2のコネクタとの接触不良を解消することにより、制御回路3.1と3.2の間のデータ通信を正常な状態に戻すことができる。
図10は、制御回路3.2と3.3の間においてデータ通信が異常になった場合の通信経路を示す回路ブロック図である。このような状態は、たとえば、通信ケーブル4.2の一方側のコネクタと制御回路3.2のコネクタとの接触不良が発生した場合、通信ケーブル4.2の他方側のコネクタと制御回路3.3のコネクタとの接触不良が発生した場合、制御回路3.2の受信機12および送信機13が故障した場合、制御回路3.3の受信機11および送信機14が故障した場合などに発生する。
図10において、制御回路3.2において、スイッチSW1,SW2,SW4がオフされるとともに、スイッチSW3がオンされる。制御回路3.3において、スイッチSW1〜SW3がオフされるとともに、スイッチSW4がオンされる。制御回路3.1〜3.3と通信ケーブル4.1,4.3の通信線L1,L2によって第4の通信経路P4が形成される。
第4の通信経路P4においては、制御回路3.1内で生成されたデータ信号D1が送信機14と通信ケーブル4.3の通信線L2とを介して制御回路3.3の受信機12に送信される。制御回路3.3の受信機12によって受信されたデータ信号D1と制御回路3.3内で生成されたデータ信号D3とが、スイッチSW4と送信機13と通信ケーブル4.3の通信線L1を介して制御回路3.1の受信機11に送信される。
制御回路3.1の受信機11によって受信されたデータ信号D1,D3が、送信機13と通信ケーブル4.1の通信線L1を介して制御回路3.2の受信機11に送信される。制御回路3.2の受信機11によって受信されたデータ信号D1,D3と制御回路3.2内で生成されたデータ信号D2とが、スイッチSW3と送信機14と通信ケーブル4.1の通信線L2を介して制御回路3.1の受信機12に送信される。制御回路3.1は、受信機12によって受信されたデータ信号D2,D3に基づいて新たなデータ信号D1を生成する。
この場合は、制御回路3.2,3.3から警報信号AL2,AL3が出力されるので、制御回路3.2と3.3の間でデータ通信が異常になっていることが分かる。したがって、たとえば、通信ケーブル4.2のコネクタと制御回路3.2または3.3のコネクタとの接触不良を解消することにより、制御回路3.2と3.3の間のデータ通信を正常な状態に戻すことができる。
図11は、制御回路3.3と3.1の間においてデータ通信が異常になった場合の通信経路を示す回路ブロック図である。このような状態は、たとえば、通信ケーブル4.3の一方側のコネクタと制御回路3.3のコネクタとの接触不良が発生した場合、通信ケーブル4.3の他方側のコネクタと制御回路3.1のコネクタとの接触不良が発生した場合、制御回路3.3の受信機12および送信機13が故障した場合、制御回路3.1の受信機11および送信機14が故障した場合などに発生する。
図11において、制御回路3.2において、スイッチSW3,SW4がオフされるとともに、スイッチSW1,SW2がオンされる。制御回路3.3において、スイッチSW1,SW2,SW4がオフされるとともに、スイッチSW3がオンされる。制御回路3.1〜3.3と通信ケーブル4.1,4.2の通信線L1,L2によって第5の通信経路P5が形成される。
第5の通信経路P5においては、制御回路3.1内で生成されたデータ信号D1が送信機13と通信ケーブル4.1の通信線L1とを介して制御回路3.2の受信機11に送信される。制御回路3.2の受信機11によって受信されたデータ信号D1と制御回路3.2内で生成されたデータ信号D2とが、スイッチSW1と送信機13と通信ケーブル4.2の通信線L1とを介して制御回路3.3の受信機11に送信される。
制御回路3.3の受信機11によって受信されたデータ信号D1,D2と制御回路3.3内で生成されたデータ信号D3とが、スイッチSW3と送信機14と通信ケーブル4.2の通信線L2とを介して制御回路3.2の受信機12に送信される。制御回路3.2の受信機12によって受信されたデータ信号D1,D3と制御回路3.2内で生成されたデータ信号D2とが、スイッチSW2と送信機14と通信ケーブル4.1の通信線L2とを介して制御回路3.1の受信機12に送信される。制御回路3.1は、受信機12によって受信されたデータ信号D2,D3に基づいて新たなデータ信号D1を生成する。
この場合は、制御回路3.2から警報信号AL2が出力されず、制御回路3.3から警報信号AL3が出力されるので、制御回路3.3と3.1の間でデータ通信が異常になっていることが分かる。したがって、たとえば、通信ケーブル4.3のコネクタと制御回路3.3または3.1のコネクタとの接触不良を解消することにより、制御回路3.3と3.1の間のデータ通信を正常な状態に戻すことができる。
以上のように、本実施の形態では、制御回路3.1〜3.3を通信ケーブル4.1〜4.3によって環状に接続し、制御回路3.1をマスターとし、制御回路3.2,3.3の各々をスレーブとしたので、データ通信量の低減化、通信速度の高速化を図ることができる。
さらに、制御回路3.1〜3.3間のデータ通信が正常である場合は、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1〜4.3の通信線L1によって環状の第1の通信経路P1が形成されるとともに、制御回路3.1〜3.3および通信ケーブル4.1〜4.3の通信線L2によって環状の第2の通信経路P2が形成される。たとえば、制御回路3.1,3.2間のデータ通信が異常になった場合は、通信ケーブル4.2,4.3の通信線L1,L2と制御回路3.1〜3.3とによって環状の第3の通信経路P3が形成される。したがって、2つの制御回路間のデータ通信に異常が発生した場合でもインバータ1.1〜1.3を制御することができる。
なお、本実施の形態では、本願発明が3つの制御回路3.1〜3.3を備えた電力変換システムに適用された場合について説明したが、これに限るものではなく、本願発明はN個の制御回路を備えた電力変換システムに適用可能である。Nは2以上の整数である。上記実施の形態では、N=3の場合が説明されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明でなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。