JP3838245B2 - 無停電電源システム、その電源制御方法、無停電電源装置 - Google Patents

無停電電源システム、その電源制御方法、無停電電源装置 Download PDF

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Description

本発明は、無停電電源システム、その電源制御方法、無停電電源装置に関し、特に、入力電源の電圧を監視することで停電発生を検出し、並列接続している電源装置の出力電流を検出して平衡化し負荷装置への給電の負荷分担を制御することで、停電した側の電源装置が停止する瞬間に正常な側の電源装置に過渡的に発生する出力電圧の変動を抑止し、負荷装置への給電電圧の安定度を向上させた無停電電源システム、その電源制御方法、無停電電源装置に関する。
情報処理システムのコンピュータは、24時間連続稼働で業務を遂行する用途の拡大に伴い、無停止運転を維持するため、コンピュータ用の電源装置の冗長化構成は、必須要件となってきている。
電源装置の故障のみならず、入力電源となる商用電源の停電時においても、コンピュータへ常に安定した電源電圧を供給することが必要となる。
そこで、並列電流バランス型冗長運転回路において、一方の電源装置に故障が発生したとき、電圧手段としての抵抗の値と定電流回路の値とを適切に設定して、他方の電源装置の出力電圧の低下を防止するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、複数台並列接続されたインバータのうち1台に故障が発生したとき、故障の発生したインバータの電圧を徐々に下げるか、或いは位相を遅らせ、故障の発生したインバータの負荷を残りのインバータに徐々に移行させた後に故障したインバータを解列することにより、並列母線の出力電圧変動を小さくするものもある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9ー288518公報 特開昭61ー58431公報
上述の特許文献1、2に記載の技術は、並列運転する電源装置の1台が故障した際における電源装置が停止する瞬間、または、停止後に発生する出力電圧の変動を少なくしているが、故障した電源装置が停止する瞬間に、故障していない他方の電源装置に過渡的に発生する出力電圧の変動を抑止することはできないという課題がある。
本発明の目的は、入力電源を二重化した冗長化構成の電源装置において、入力電源の一方が停電した際に、電源装置の切り替わる瞬間の過度的な出力電圧の変動を抑制し、負荷装置へ常に安定した電源電圧を供給する無停電電源装置、その電源制御方法を提供することにある。
本発明の無停電電源システムは、複数の入力電源と、複数の入力電源に対応して設けられ複数の入力電源の出力を入力する複数の電源装置と、並列接続した複数の電源装置から電源を受給する負荷装置とを有する冗長化構成の無停電電源システムにおいて、複数の入力電源の出力電圧を監視する電源電圧監視回路と、複数の電源装置の出力電流を入力して平衡化し負荷装置への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路とを有し、電流平衡制御回路は、電源電圧監視回路の監視信号により電流平衡バランスを制御するバランス制御回路と、複数の電源装置の出力電流の平均値を算出する平均化演算部と、平均化演算部の出力電流と複数の電源装置の各々の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する複数の比較演算部とを有することを特徴とする。
電源電圧監視回路により複数の入力電源の何れかの出力電圧の異常を検出したとき、バランス制御回路は、異常系を判別し、平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離し、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行い、異常系の比較演算部に割り込み信号を入力することを特徴とする。
本発明の無停電電源システムは、第一入力電源と、第一入力電源の出力を入力する第一電源装置と、第二入力電源と、第二入力電源の出力を入力する第二電源装置と、並列接続した第一電源装置と第二電源装置とから電源を受給する負荷装置とを有する冗長化構成の無停電電源システムにおいて、第一入力電源と第二入力電源との出力電圧を監視する電源電圧監視回路と、第一電源装置と第二電源装置との出力電流を入力して平衡化し負荷装置への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路とを有し、電流平衡制御回路は、電源電圧監視回路の監視信号により電流平衡バランスを制御するバランス制御回路と、第一電源装置の出力電流と第二電源装置の出力電流との平均値を算出する平均化演算部と、平均化演算部の出力電流と第一電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第一比較演算部と、平均化演算部の出力電流と第二電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第二比較演算部とを有することを特徴とする。
第一電源装置と第二電源装置とは、各々、主電源回路と、主電源回路からの出力電流を検出する出力電流検出回路と、出力電圧を調整するフィードバック信号を電流平衡制御回路から入力し主電源回路からの出力電圧を制御する出力電圧制御回路とを有することを特徴とする。
平均化演算部は、第一電源装置の出力電流を入力する第一バッファと、第二電源装置の出力電流を入力する第二バッファと、第一バッファと第二バッファとの出力電流を入力し平均値を演算する平均値演算回路と、バランス制御回路の制御信号により第一バッファと第二バッファと平均値演算回路とを制御する演算部制御回路とを有することを特徴とする。
第一比較演算部は、平均値演算回路の出力信号とバランス制御回路の出力信号とを加算して基準信号を生成する第一加算回路と、第一加算回路の出力信号と第一電源装置の出力電流との比較演算を行う第一比較演算回路とを有することを特徴とする。
第二比較演算部は、平均値演算回路の出力信号とバランス制御回路の出力信号とを加算して基準信号を生成する第二加算回路と、第二加算回路の出力信号と第二電源装置の出力電流との比較演算を行う第二比較演算回路とを有することを特徴とする。
電源電圧監視回路により第一入力電源または第二入力電源の出力電圧の異常を検出したとき、バランス制御回路は、異常系を判別し、平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離し、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行い、異常系の比較演算部に割り込み信号を入力することを特徴とする。
電圧監視回路は、第一入力電源または第二入力電源の停電を検出することを特徴とする。
第一入力電源と第二入力電源とは、共に商用電源を有することを特徴とする。
電流平衡制御回路は、停電発生時に正常係の電源装置に100%負荷分担させる手段を有することを特徴とする。
本発明の無停電電源システムの電源制御方法は、第一入力電源と、第一入力電源の出力を入力する第一電源装置と、第二入力電源と、第二入力電源の出力を入力する第二電源装置と、並列接続した第一電源装置と第二電源装置とから電源を受給する負荷装置とを有する冗長化構成の無停電電源システムの電源制御方法において、電源電圧監視回路により第一入力電源と第二入力電源との出力電圧を監視するステップと、電流平衡制御回路により第一電源装置と第二電源装置との出力電流を入力して平衡化し負荷装置への給電の負荷分担を制御するステップとを有し、電流平衡制御回路は、電源電圧監視回路の監視信号を入力しバランス制御回路により平均化演算部を制御するステップと、第一電源装置の出力電流と第二電源装置の出力電流との平均値を平均化演算部により算出するステップと、平均化演算部の出力電流と第一電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを第一比較演算部により調整するステップと、平均化演算部の出力電流と第二電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを第二比較演算部により調整するステップと、第一電源装置と第二電源装置とにそれぞれ第一比較演算部と第二比較演算部とから出力電圧を調整するフィードバック信号を入力するステップとを有することを特徴とする。
電源電圧監視回路により第一入力電源または第二入力電源の出力電圧の異常を検出したとき、バランス制御回路は、異常系を判別するステップと、平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離すステップと、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行うステップと、異常系の比較演算部に割り込み信号を入力するステップとを有することを特徴とする。
本発明の無停電電源装置は、第一入力電源の出力を入力する第一電源装置と第二入力電源の出力を入力する第二電源装置とを並列接続し負荷装置へ電源を供給する冗長化構成の無停電電源装置において、第一入力電源と第二入力電源との出力電圧を監視する電源電圧監視回路と、第一電源装置と第二電源装置との出力電流を入力して平衡化し負荷装置への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路とを有し、電流平衡制御回路は、電源電圧監視回路の監視信号により平均化演算部を制御し電流平衡バランスを制御するバランス制御回路と、第一電源装置の出力電流と第二電源装置の出力電流との平均値を算出する平均化演算部と、平均化演算部の出力電流と第一電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第一比較演算部と、平均化演算部の出力電流と第二電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第二比較演算部とを有することを特徴とする。
電源電圧監視回路により第一入力電源または第二入力電源の出力電圧の異常を検出したとき、バランス制御回路は、異常系を判別し、平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離し、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行い、異常系の比較演算部に割り込み信号を入力することを特徴とする。
本発明の無停電電源システム、その電源制御方法、無停電電源装置は、入力電源の一方が停電した際に、正常な電源装置へ切り替わる瞬間における正常な電源装置の過度的な出力電圧の変動を抑制し、負荷装置へ常に安定した電源電圧を供給することができるという効果がある。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の無停電電源システム20を示す概略構成ブロック図、図2は、図1中の電流平衡制御回路6の詳細を示す構成ブロック図である。
図1を参照すると、無停電電源システム20は、第一商用電源1と、第二商用電源2と、第一商用電源1と第二商用電源2との出力を入力する無停電電源装置10と、無停電電源装置10から電源を受給する負荷装置7とで構成する。
無停電電源装置10は、第一商用電源1の出力を入力する第一電源装置3と、第二商用電源2の出力を入力する第二電源装置4と、第一商用電源1と第二商用電源2との出力電圧を監視する電源電圧監視回路5と、並列接続した第一電源装置3と第二電源装置4との出力電流を入力して平衡化し、負荷装置7への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路6とで構成する。
第一電源装置3と第二電源装置4とは、各々、主電源回路31、41と、主電源回路31、41からの出力電流を検出する出力電流検出回路33、43と、出力電圧を調整するよう電流平衡制御回路6からフィードバック信号を入力し、主電源回路31、41からの出力電圧を制御する出力電圧制御回路32、42とで構成する。
電流平衡制御回路6は、電源電圧監視回路5の監視信号により電流平衡バランスを制御するバランス制御回路62と、出力電流検出回路33の出力電流と出力電流検出回路43の出力電流との平均値を算出する平均化演算部61と、平均化演算部61の出力電流と出力電流検出回路33の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第一比較演算部64と、平均化演算部61の出力電流と出力電流検出回路43の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第二比較演算部63とで構成する。
電流平衡制御回路6の詳細を示す図2を参照すると、平均化演算部61は、出力電流検出回路33の出力電流を入力する第一バッファ612と、出力電流検出回路43の出力電流を入力する第二バッファ611と、第一バッファ612と第二バッファ611との出力電流を入力し平均値を演算する平均値演算回路613と、バランス制御回路62の制御を受け第一バッファ612と第二バッファ611と平均値演算回路613とを制御する演算部制御回路614とで構成する。
第一比較演算部64は、平均値演算回路613の出力信号とバランス制御回路62の出力信号とを加算して基準信号を生成する第一加算回路641と、第一加算回路641の出力信号と第一電源装置3の出力電流検出回路33の出力電流との比較演算を行う第一比較演算回路642とで構成する。
第二比較演算部63は、平均値演算回路613の出力信号とバランス制御回路62の出力信号とを加算して基準信号を生成する第二加算回路631と、第二加算回路631の出力信号と第二電源装置4の出力電流検出回路43の出力電流との比較演算を行う第二比較演算回路632とで構成する。
次に、上述のように構成した無停電電源システム20の動作について、図面を参照して説明する。
図3は、無停電電源システム20の動作を示すフローチャートである。
図3、および図2、3を参照すると、第一商用電源1と第二商用電源2とが正常なときは、出力電圧制御回路32、42の制御により、主電源回路31、41から安定した電圧を出力し、出力電流も平衡化するよう負荷分担して運転する。
各々の出力電流検出回路33、43は、主電源回路31、41の出力電流を検知し(S11)、電流値に応じた信号を電流平衡制御回路6に伝達する(S12)。
出力電流検出回路33、43からの電流信号は、各々第一バッファ612と第二バッファ611とを通して平均値演算回路613に入力し(S13)、平均値演算回路613は、各系統の電流値の平均値となる平均値信号を生成する(S14)。
平均値演算回路613からの出力信号とバランス制御回路62からの出力信号とは、第二加算回路631と第一加算回路641とに入力し(S15)、第二加算回路631と第一加算回路641とは、各々加算演算を行い基準信号を生成する(S16)。
通常動作時(第一商用電源1と第二商用電源2とが正常なとき)においては、バランス制御回路62からの関与はないため、第二加算回路631と第一加算回路641からの出力信号(基準信号)は、共に、平均値演算回路613の出力信号(平均値信号)に等しくなる。
次に、第一加算回路641からの出力信号と出力電流検出回路33からの電流信号とを第一比較演算回路642に入力すると共に、第二加算回路631からの出力信号と出力電流検出回路43からの電流信号とを第二比較演算回路632に入力する(S17)。
第一比較演算回路642、第二比較演算回路632は、各々、両信号の比較演算を行い、差分を求める(S18)。
第一比較演算回路642および第二比較演算回路632は、求めた差分を縮小する方向に出力電圧を調整するよう出力電圧制御回路32、42にフィードバック信号を出力する(S19)。
ここに、出力電流検出回路43の電流信号と第二加算回路631の出力信号との差分が正(+)、或いは、出力電流検出回路33の電流信号と第一加算回路641の出力信号との差分が正(+)となるとき、出力電圧を下げて出力電流を抑制し、逆に、差分が負(−)となるとき、出力電圧を上げて出力電流を増加させることで、出力電流の平衡化を行う。
出力電圧制御回路32、42は、第一比較演算回路642、第二比較演算回路632からフィードバック信号を入力し、主電源回路31、41の出力電流を制御し、安定化電圧を出力する(S20)。
次に、無停電電源システム20の片係に停電が発生(一例として、第二商用電源2に停電が発生)したときの動作について、図面を参照して説明する。
図4は、第二商用電源2に停電が発生したときの動作を示すフローチャート、図5は、そのときの電流と電圧との関係を説明するためのタイミングチャートである。
図4、図5を参照すると、第二商用電源2が停電したとき(S51)、電源電圧監視回路5は、第二商用電源2の異常電圧の検出により停電の発生を検出し(ステップ52)、電流平衡制御回路6のバランス制御回路62へ停電の発生を伝達する(ステップ53)。
なお、第一電源装置3、第二電源装置4は、第一商用電源1、第二商用電源2の停電発生後、内蔵コンデンサ(図示せず)により、10ms〜30ms程度の短時間、出力を維持できるものである(図5、図7参照)。
バランス制御回路62は、異常系(第二商用電源2系)を判別し(S54)、異常系の出力電流検出回路43からの入力信号の切り離し(第二バッファ611の停止)と、平均値演算回路61での異常系を除いた平均値演算動作に切り替えるよう演算部制御回路614へ制御信号を送信する(S55)。
演算部制御回路614は、第二バッファ611を停止し(S56)、平均値演算回路61は、異常系を除いた平均値演算を行う(S57)。ここで、平均値演算結果として、平均値信号は、出力電流検出回路33の出力と等しくなる。
バランス制御回路62は、異常系の第二加算回路631に割込信号を入力し、第二加算回路631は、平均値演算回路61の平均値信号と割込信号とを加算する(S58)。
割込信号は、平均値信号と割込信号との加算値がリニアに電圧を下げるような信号であり、第二比較演算回路632は、第二加算回路631の出力信号と出力電流検出回路43の出力信号とを入力し、両信号の比較演算を行う(S59)。
図6に示すように、割込信号は、第二加算回路631の出力信号が出力電流検出回路33、43の出力信号の何れよりも小さくなるように設定する。
出力電流検出回路43の出力信号は、第二加算回路631の出力信号より大きい値となるため(第二電源装置4が、第二商用電源2の停電発生後、内蔵コンデンサにより、出力を維持できる時間内)、第二比較演算回路632は、電源出力電圧を下げるフィードバック信号のみを出力電圧制御回路42へ出力し、第二電源装置4を停止させる(S60)。
出力電圧制御回路42は、出力電圧を下げる制御を主電源回路41に対して行う(S61)。
一方、正常系(第一商用電源1系)は、上記S58において、バランス制御回路62からの関与はない(第一加算回路641に割込信号が入力されない)ため、第一加算回路641からの出力信号は、出力電流検出回路33の出力信号と等しくなる。
出力電流検出回路33からの電流信号と第一加算回路641の出力とを第一比較演算回路642に入力し、第一比較演算回路642は、両信号の比較演算を行い、差分を求めてフィードバック信号を出力電圧制御回路42へ出力するため、第一電源装置3は、給電を継続し、異常系の出力電流が抑制されるため、負荷分担が100%となる(S62)。
バランス制御回路62からの割込信号レベルを緩やかに変化させることで、負荷分担が切り替わる瞬間の過度的な第一電源装置3の出力電圧の急峻な変化を抑制することができる(図5参照)。
図5を参照すると、その後、異常系の第二電源装置4は、出力保持時間を超過し、出力電圧が垂下するが、既に出力電流の分担は、正常系の第一電源装置3に移行しているため、出力電圧の変動は、発生しないことになる。
ここで、参考のため、何れかの商用電源に停電が発生したとき、負荷分担が切り替わる瞬間に正常系の電源装置の出力電圧に過度的な変化を発生する様子について、図面を参照して説明する。
図7は、図1において、電源電圧監視回路5と、バランス制御回路62とを構成要素から除いた構成としたとき、第二商用電源2に停電が発生したときの電流と電圧との関係を示すタイミングチャートである。
図7を参照すると、第二商用電源2が停電したとき、負荷分担の平衡状態が乱れ、平衡状態を維持しようとして電流平衡制御回路(図示せず)は、正常な電源(第一商用電源1)側の第一電源装置3の出力電流の急激に増加するのを抑制する方向に制御し、即ち、出力電圧を下げる方向に制御するため、電源装置3の出力電圧は、大きな瞬時低下を発生する。
以上説明したように、本発明の無停電電源システム20によれば、電源電圧監視回路5は、第二商用電源2の停電の発生を即時に検出し、電流平衡制御回路6は、第二商用電源2の停電発生後、第二電源装置4が出力を維持できる時間内に電流平衡化の調整を行い、正常な第一電源装置3に負荷分担を100%移行させることにより、異常発生側の第二電源装置4は、出力電圧の垂下する前に実効的に給電ラインから切り離し、並列接続した給電ラインの電圧変動を抑制することができる。
なお、以上の実施の形態では、常時二系統(第一電源装置3と第二電源装置4)から運用系として負荷装置7へ給電する無停電電源システム20について述べたが、第一電源装置3と第二電源装置4との何れか一方を運用系、他方を予備系とし、停電発生時に運用系から予備系に切り替えて負荷装置7へ給電する無停電電源システムにおいても、運用系の商用電源の停電発生を検出し、予備系を即時スタートアップさせることにより、出力電圧変動を抑制できることは明白であり、この場合も本発明に含まれることは云うまでもない。
本発明の無停電電源システムを示す概略構成ブロック図である。 図1中の電流平衡制御回路の詳細を示す構成ブロック図である 本発明の無停電電源システムの動作を示すフローチャートである。 第二商用電源に停電が発生したときの動作を示すフローチャートである。 第二商用電源に停電が発生したときの電流と電圧との関係を説明するためのタイミングチャートである。 割込信号を説明するための図である。 第二商用電源に停電が発生したとき、第一電源装置の出力電圧に過度的な変化を発生する様子を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 第一商用電源
2 第二商用電源
3 第一電源装置
4 第二電源装置
5 電源電圧監視回路
6 電流平衡制御回路
61 平均化演算部
611 第二バッファ
612 第一バッファ
613 平均値演算回路
614 演算部制御回路
62 バランス制御回路
63 第二比較演算部
631 第二加算回路
632 第二比較演算回路
64 第一比較演算部
641 第一加算回路
642 第一比較演算回路
7 負荷装置
10 無停電電源装置
20 無停電電源システム
31、41 主電源回路
32、42 出力電圧制御回路
33、43 出力電流検出回路

Claims (15)

  1. 複数の入力電源と、前記複数の入力電源に対応して設けられ前記複数の入力電源の出力を入力する複数の電源装置と、並列接続した前記複数の電源装置から電源を受給する負荷装置とを有する冗長化構成の無停電電源システムにおいて、前記複数の入力電源の出力電圧を監視する電源電圧監視回路と、前記複数の電源装置の出力電流を入力して平衡化し前記負荷装置への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路とを有し、前記電流平衡制御回路は、前記電源電圧監視回路の監視信号により電流平衡バランスを制御するバランス制御回路と、前記複数の電源装置の出力電流の平均値を算出する平均化演算部と、前記平均化演算部の出力電流と前記複数の電源装置の各々の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する複数の比較演算部とを有することを特徴とする無停電電源システム。
  2. 前記電源電圧監視回路により前記複数の入力電源の何れかの出力電圧の異常を検出したとき、前記バランス制御回路は、異常系を判別し、前記平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離し、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行い、異常系の比較演算部に割り込み信号を入力することを特徴とする請求項1記載の無停電電源システム。
  3. 第一入力電源と、前記第一入力電源の出力を入力する第一電源装置と、第二入力電源と、前記第二入力電源の出力を入力する第二電源装置と、並列接続した前記第一電源装置と前記第二電源装置とから電源を受給する負荷装置とを有する冗長化構成の無停電電源システムにおいて、前記第一入力電源と前記第二入力電源との出力電圧を監視する電源電圧監視回路と、前記第一電源装置と前記第二電源装置との出力電流を入力して平衡化し前記負荷装置への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路とを有し、前記電流平衡制御回路は、前記電源電圧監視回路の監視信号により電流平衡バランスを制御するバランス制御回路と、前記第一電源装置の出力電流と前記第二電源装置の出力電流との平均値を算出する平均化演算部と、前記平均化演算部の出力電流と前記第一電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第一比較演算部と、前記平均化演算部の出力電流と前記第二電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第二比較演算部とを有することを特徴とする無停電電源システム。
  4. 前記第一電源装置と前記第二電源装置とは、各々、主電源回路と、前記主電源回路からの出力電流を検出する出力電流検出回路と、出力電圧を調整するフィードバック信号を前記電流平衡制御回路から入力し前記主電源回路からの出力電圧を制御する出力電圧制御回路とを有することを特徴とする請求項3記載の無停電電源システム。
  5. 前記平均化演算部は、前記第一電源装置の出力電流を入力する第一バッファと、前記第二電源装置の出力電流を入力する第二バッファと、前記第一バッファと前記第二バッファとの出力電流を入力し平均値を演算する平均値演算回路と、前記バランス制御回路の制御信号により前記第一バッファと前記第二バッファと前記平均値演算回路とを制御する演算部制御回路とを有することを特徴とする請求項3記載の無停電電源システム。
  6. 前記第一比較演算部は、平均値演算回路の出力信号と前記バランス制御回路の出力信号とを加算して基準信号を生成する第一加算回路と、前記第一加算回路の出力信号と前記第一電源装置の出力電流との比較演算を行う第一比較演算回路とを有することを特徴とする請求項3記載の無停電電源システム。
  7. 前記第二比較演算部は、平均値演算回路の出力信号と前記バランス制御回路の出力信号とを加算して基準信号を生成する第二加算回路と、前記第二加算回路の出力信号と前記第二電源装置の出力電流との比較演算を行う第二比較演算回路とを有することを特徴とする請求項3記載の無停電電源システム。
  8. 前記電源電圧監視回路により前記第一入力電源または前記第二入力電源の出力電圧の異常を検出したとき、前記バランス制御回路は、異常系を判別し、前記平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離し、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行い、異常系の前記比較演算部に割り込み信号を入力することを特徴とする請求項3記載の無停電電源システム。
  9. 前記電圧監視回路は、前記第一入力電源または前記第二入力電源の停電を検出することを特徴とする請求項8記載の無停電電源システム。
  10. 前記第一入力電源と前記第二入力電源とは、共に商用電源を有することを特徴とする請求項3、8、9の何れか1項記載の無停電電源システム。
  11. 前記電流平衡制御回路は、停電発生時に正常係の電源装置に100%負荷分担させる手段を有することを特徴とする請求項3記載の無停電電源システム。
  12. 第一入力電源と、前記第一入力電源の出力を入力する第一電源装置と、第二入力電源と、前記第二入力電源の出力を入力する第二電源装置と、並列接続した前記第一電源装置と前記第二電源装置とから電源を受給する負荷装置とを有する冗長化構成の無停電電源システムの電源制御方法において、電源電圧監視回路により前記第一入力電源と前記第二入力電源との出力電圧を監視するステップと、電流平衡制御回路により前記第一電源装置と前記第二電源装置との出力電流を入力して平衡化し前記負荷装置への給電の負荷分担を制御するステップとを有し、前記電流平衡制御回路は、前記電源電圧監視回路の監視信号を入力しバランス制御回路により平均化演算部を制御するステップと、前記第一電源装置の出力電流と前記第二電源装置の出力電流との平均値を前記平均化演算部により算出するステップと、前記平均化演算部の出力電流と前記第一電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを第一比較演算部により調整するステップと、前記平均化演算部の出力電流と前記第二電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを第二比較演算部により調整するステップと、前記第一電源装置と前記第二電源装置とにそれぞれ前記第一比較演算部と前記第二比較演算部とから出力電圧を調整するフィードバック信号を入力するステップとを有することを特徴とする無停電電源システムの電源制御方法。
  13. 前記電源電圧監視回路により前記第一入力電源または前記第二入力電源の出力電圧の異常を検出したとき、前記バランス制御回路は、異常系を判別するステップと、前記平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離すステップと、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行うステップと、異常系の比較演算部に割り込み信号を入力するステップとを有することを特徴とする請求項12記載の無停電電源システムの電源制御方法。
  14. 第一入力電源の出力を入力する第一電源装置と第二入力電源の出力を入力する第二電源装置とを並列接続し負荷装置へ電源を供給する冗長化構成の無停電電源装置において、前記第一入力電源と前記第二入力電源との出力電圧を監視する電源電圧監視回路と、前記第一電源装置と前記第二電源装置との出力電流を入力して平衡化し前記負荷装置への給電の負荷分担を制御する電流平衡制御回路とを有し、前記電流平衡制御回路は、前記電源電圧監視回路の監視信号により平均化演算部を制御し電流平衡バランスを制御するバランス制御回路と、前記第一電源装置の出力電流と前記第二電源装置の出力電流との平均値を算出する平均化演算部と、前記平均化演算部の出力電流と前記第一電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第一比較演算部と、前記平均化演算部の出力電流と前記第二電源装置の出力電流とを入力し出力電流平衡レベルを調整する第二比較演算部とを有することを特徴とする無停電電源装置。
  15. 前記電源電圧監視回路により前記第一入力電源または前記第二入力電源の出力電圧の異常を検出したとき、前記バランス制御回路は、異常系を判別し、前記平均化演算部の異常系の電源装置の出力電流を切り離し、異常系を除いた電源装置の出力電流の平均値演算の制御を行い、異常系の前記比較演算部に割り込み信号を入力することを特徴とする請求項14記載の無停電電源装置。
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