JP6544852B2 - 免震化方法 - Google Patents
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この基礎免震レトロフィット工事は、既存建物の基礎の直下を掘削し、この掘削した部分に支保工を架設して、掘削した部分の底面に反力をとって基礎を仮支持する。その後、積層ゴムなどの免震装置を基礎の直下に取り付けて、その後、ジャッキを取り外す。これにより、免震装置で基礎を支持して、既存建物を免震化する。
すなわち、既存建物の外側に山留壁を構築し、この山留壁と既存建物の外壁面との間の地盤を掘削して、既存建物の基礎よりも深い位置まで掘り下げる。これにより、既存建物の側方に掘削空間を形成する。その後、この側方の掘削空間の底面付近から水平方向に掘り進んで、この既存建物の基礎の直下に掘削空間を形成する。
そこで、既存建物の側方の掘削空間にて、既存建物と山留壁との間に、鋼材やスラブなどの水平移動拘束材を架設して、既存建物の水平移動を拘束する(特許文献1参照)。
このとき、水平移動拘束部を、既存建物の外周の掘削空間ではなく耐圧盤上に設けたので、外周の掘削空間を通して建設資材を容易に搬送できるから、作業効率が低下するのを防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る免震化方法の適用対象となる既存建物1の基礎部分の断面図である。
既存建物1は、地下躯体2を有しており、この地下躯体2は、既存杭4を有する基礎3と、この基礎3から上方に延びる複数本の柱5と、を備えている。
基礎3は、フーチング10と、これらフーチング10同士を連結する基礎梁11と、基礎梁11同士の間に設けられた図示しない耐圧盤と、を備える。
上述の柱5は、各フーチング10の中心部から上方に延びている。また、各フーチング10について、複数本の既存杭4が配置されている。
具体的には、以下のような構造となる。
設置スペース20の底面には、全面に亘って、鉄筋コンクリート造の耐圧盤としてのマットスラブ21が構築されている。
アイソレータ30は、マットスラブ21に反力をとって基礎3のフーチング10の中心部を下から支持している。
すなわち、地下躯体2の周囲には、擁壁23が形成されており、免震クリアランス22は、この擁壁23と地下躯体2との間の空間となっている。この免震クリアランス22は、設置スペース20に連続する空間である。
下部ダンパ基礎50は、マットスラブ21に一体に構築されている。下部ダンパ基礎50の鉄筋53は、籠状に組まれて、マットスラブ21に定着している。この鉄筋53のうち上下方向に延びるものを鉄筋531とすると、この鉄筋531は、下端がマットスラブ21に定着し、上端が下部ダンパ基礎50の上面に露出して、この露出した部分に防錆塗料が塗布されている。
ここで、下部ダンパ基礎50と上部ダンパ基礎52とが互いに接近あるいは離隔する相対移動については、シリンダ44内部をロッド45が摺動することで、この相対移動に抵抗する。
ステップS1では、既存建物1の外周を掘削する。
すなわち、図6に示すように、既存建物1の外側に山留壁61を構築し、この山留壁61と既存建物1の地下躯体2の外壁面との間の地盤6を掘削して、外周切梁62を架設しながら、既存建物1の基礎3よりも深い位置まで掘り下げる。これにより、既存建物の側方に掘削空間60を形成する。
すなわち、図6に示すように、掘削空間60の底面付近から水平方向に地盤6を掘り進んで、この既存建物1の基礎3の直下に掘削空間63を形成し、この掘削空間63の底面に、捨てコンクリート25を打設する。
すなわち、図7に示すように、掘削空間63の底面に配筋して、コンクリートを打設し、マットスラブ21を構築する。
すなわち、図7に示すように、既存建物1の基礎3の下面に補強躯体51を構築するとともに、補強躯体51に上部ダンパ基礎52を構築する。また、マットスラブ21と補強躯体51との間に水平移動拘束部80を構築する。
ここで、水平移動拘束部80の鉄筋53のうち上下方向に延びるものを鉄筋531とすると、この鉄筋531の下端をマットスラブ21に定着させ、上端が補強躯体51に定着させておく。また、この鉄筋531の中間高さに、定着板532を取り付けておく。このとき、鉄筋531をねじ鉄筋とし、この鉄筋531に螺合する雌ねじ部を定着板532に設けておけば、鉄筋531と定着板532との固定度を向上でき、定着板532の取付作業が容易となるので、好ましい。
すなわち、図7に示すように、マットスラブ21の上で既存建物1の柱5の直下近傍の位置に、仮受支柱70を設置する。
仮受支柱70は、マットスラブ21の上に設けられた油圧ジャッキ71と、この油圧ジャッキ71の上から鉛直方向に延びて基礎3の下面に至る支柱本体72と、を備える。
次に、仮受支柱70の油圧ジャッキ71を駆動することで、仮受支柱70は、マットスラブ21に反力をとって基礎3を下から仮支持する。
すなわち、図9に示すように、既存杭4の杭頭部のうちマットスラブ21から露出した部分を切断して撤去して、既存杭4と既存建物1の基礎3との縁を切る。これにより、既存建物1の荷重は、仮受支柱70を介してマットスラブ21に伝達されるとともに、既存建物1のマットスラブ21に対する相対移動は、水平移動拘束部80により拘束される。
すなわち、図9に示すように、マットスラブ21の上でかつ既存建物1の柱5の直下に、下部免震基礎31を構築し、この下部免震基礎31の上にアイソレータ30を設置する。続いて、アイソレータ30の上に上部免震基礎32を構築する。
すなわち、仮受支柱70の油圧ジャッキ71を駆動してジャッキダウンし、仮受支柱70による仮支持を解除して、その後、この仮受支柱70を撤去する。これにより、既存建物1の基礎3は、アイソレータ30により支持される。
すなわち、ワイヤソーを用いて、水平移動拘束部80の上部を定着板532よりも上側の破線B(図8参照)で切断して撤去し、切断面に露出した鉄筋に防錆塗料を塗布しておく。そして、水平移動拘束部80の残った部分を下部ダンパ基礎50とする。
(1)既存建物1を免震化する際に、マットスラブ21と既存建物1とを連結する水平移動拘束部80を設けたので、工事期間中における既存建物1の水平移動を拘束して、水平保有耐力を確保できる。
また、水平移動拘束部80をマットスラブ21上に設けたので、掘削空間60を通して建設資材を容易に搬送できるから、作業効率が低下するのを防止できる。
例えば、本実施形態では、水平移動拘束部80の上部を撤去して残った部分を下部ダンパ基礎50とし、補強躯体51に上部ダンパ基礎52を構築したが、これに限らない。すなわち、水平移動拘束部80の下部を撤去して残った部分を上部ダンパ基礎とし、マットスラブ21上に下部ダンパ基礎を別途構築してもよい。また、水平移動拘束部80を2つ並べて構築して、一方の水平移動拘束部80の一部を撤去して下部ダンパ基礎とし、他方の水平移動拘束部80の一部を撤去して上部ダンパ基礎としてもよい。
10…フーチング 11…基礎梁
20…設置スペース 21…マットスラブ 22…免震クリアランス 23…擁壁 25…捨てコンクリート
30…アイソレータ 31…下部免震基礎 32…上部免震基礎 40…オイルダンパ
41…ダンパ本体 42…下部取付部材 43…上部取付部材
44…シリンダ 45…ロッド
50…下部ダンパ基礎 51…補強躯体 52…上部ダンパ基礎 53、54…鉄筋
60…掘削空間 61…山留壁 62…外周切梁 63…掘削空間
70…仮受支柱(仮支持部材) 71…油圧ジャッキ 72…支柱本体 80…水平移動拘束部
421…シリンダ支持部材 422…プレート 423…連結部材 424…回転軸
431…ロッド支持部材 432…プレート 433…連結部材 434…回転軸
531…鉄筋 532…定着板 541…鉄筋
Claims (1)
- 既存建物を免震化する免震化方法であって、
前記既存建物の下方の地盤を掘削して掘削空間を形成する工程と、
当該掘削空間の底面上に耐圧盤を構築する工程と、
当該耐圧盤の上に、前記既存建物を仮支持する仮支持部材を設けるとともに、前記耐圧盤と前記既存建物との間に、前記耐圧盤と前記既存建物とを連結する鉄筋コンクリート造の水平移動拘束部を構築する工程と、
前記耐圧盤と前記既存建物との間にアイソレータを設ける工程と、
前記水平移動拘束部の一部を撤去して、当該水平移動拘束部の残りの部分をダンパ基礎としてダンパを設ける工程と、を備え、
前記水平移動拘束部を構築する工程では、前記水平移動拘束部に、上下方向に延びて下端が耐圧盤に定着しかつ上端が既存建物に定着するねじ鉄筋を埋設するとともに、当該ねじ鉄筋の中間高さに定着板を螺合しておき、
前記水平移動拘束部の一部を撤去する工程では、前記水平移動拘束部を水平方向に切断して、前記水平移動拘束部のうち前記ダンパ基礎として残す部分に前記定着板を配置するとともに、切断面に露出したねじ鉄筋に防錆塗料を塗布することを特徴とする免震化方法。
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