JP6544782B1 - 感温発色性樹脂組成物及びそれを用いた感温発色性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温領域で発色する感温発色性樹脂組成物及びそれを用いた感温発色性フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係る感温発色性樹脂組成物は、成分(a):ロイコ染料と、成分(b):前記ロイコ染料を発色させる顕色剤としてのアルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステル又はその誘導体と、成分(c):液状シリコーンゴムとを含有する。成分(b)の融点は30〜100℃であることが好ましい。成分(c)の25℃における粘度は40Pa・s以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、低温領域で発色する感温発色性樹脂組成物及びそれを用いた感温発色性フィルムに関する。
従来、支持体上に、ロイコ染料とそれを発色させる顕色剤とを含む感熱記録層を設けた感熱記録材料が知られている。この感熱記録材料は、一般に100℃を超える熱を加えることで発色することから、例えばサーマルヘッドにより局所的に加熱することで、簡便に印刷することができる。
特許文献1には、支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱発色層を設けてなる感熱記録材料において、該顕色剤としてp,p’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン及び3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンから成る群の中の少なくとも1つの顕色剤を使用することを特徴とする感熱記録材料が記載されている。
特開平5−254255号公報
しかし、特許文献1に記載された感熱記録材料では、100℃以下の低温領域で発色させることはできないことから、室温付近(約25℃)〜90℃といった低温領域における熱履歴を記録する用途には使用することはできなかった。
そこで、本発明は、低温領域で発色する感温発色性樹脂組成物及びそれを用いた感温発色性フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る感温発色性樹脂組成物は、成分(a):ロイコ染料と、成分(b):前記ロイコ染料を発色させる顕色剤としての、融点が20〜100℃であるアルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステル又はアルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステルの誘導体と、成分(c):液状シリコーンゴムとを含有し、前記成分(c)の含有率が30〜89重量%であり、前記成分(a)と前記成分(b)は前記成分(c)に均一分散しており、加熱することで前記成分(a)が酸化還元反応により不可逆的に化学構造が変化して発色する。
本発明によれば、低温領域で発色する感温発色性樹脂組成物及びそれを用いた感温発色性フィルムを提供できる。
本発明に係る感温発色性樹脂組成物は、ロイコ染料(成分(a))と、ロイコ染料を発色させる顕色剤(成分(b))と、液状シリコーンゴム(成分(c))とを含有する。
成分(a)であるロイコ染料は、酸化還元反応により不可逆的に化学構造が変化して発色する染料のことであり、それ自体は無色又は淡色の染料前駆体である。ロイコ染料としては、トリフェニルメタンフタリド系ロイコ化合物、トリアリルメタン系ロイコ化合物、フルオラン系ロイコ化合物、フェノチジアン系ロイコ化合物、チオフルオラン系ロイコ化合物、キサンテン系ロイコ化合物、インドフタリル系ロイコ化合物、スピロピラン系ロイコ化合物、アザフタリド系ロイコ化合物、クロメノピラゾール系ロイコ化合物、メチン系ロイコ化合物、ローダミンアニリノラクタム系ロイコ化合物、ローダミンラクタム系ロイコ化合物、キナゾリン系ロイコ化合物、ジアザキサンテン系ロイコ化合物、ビスラクトン系ロイコ化合物などが挙げられる。なかでも、トリフェニルメタンフタリド系ロイコ化合物、フルオラン系ロイコ化合物、又はアザフタリド系ロイコ化合物が好ましい。ロイコ染料は、1種でもよく、2種以上を組み合わせもよい。
ロイコ染料の具体例としては、例えば、下記[1]〜[6]の化合物が挙げられる。
[1]式(a1)で表される3−(N−シクロヘキル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(CAS:55250−84−5、発色時の色:黒)
Figure 0006544782
[2]下記式(a2)で表される3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン(CAS:26567−23−7、発色時の色:赤)
Figure 0006544782
[3]下記式(a3)で表される3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(N,N’−ジベンルアミノ)フルオラン(CAS:34372−72−0、発色時の色:緑)
Figure 0006544782
[4]下記式(a4)で表される3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフオラン(CAS:21934−68−9、発色時の色:橙)
Figure 0006544782
[5]下記式(a5)で表される6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[p−(ジメチルアミノ)フェニル]フタリド(CAS:1552−42−7、発色時の色:青紫)
Figure 0006544782
[6]下記式(a6)で表される3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(CAS:69898−40−4、発色時の色:青)
Figure 0006544782
成分(a)の含有率は、1〜20重量%であることが好ましい。成分(a)の含有率を1重量%以上とすることで、十分な濃度で発色するようになる。成分(a)の含有率は高くても構わないが、20重量%を超えても発色濃度はあまり変わらない。成分(a)の含有率は、3〜17重量%であることがより好ましく、5〜14重量%であることがさらに好ましく、7〜11重量%であることがさらに好ましい。
成分(b)である顕色剤は、成分(a)であるロイコ染料を発色させるためのものである。本発明では、顕色剤として、アルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステル又はその誘導体を用いる。こうすることで、低温領域で発色する感温発色性樹脂組成物が得られる。特に、顕色剤の融点が、20〜100℃であることが好ましく、35〜95℃であることがより好ましく、50〜90℃であることがさらに好ましい。こうすることで、約25〜90℃という低温領域において発色する感温発色性樹脂組成物が得られる。
アルコキシフェノールとしては、2−アルコキシフェノール(o−アルコキシフェノール)、3−アルコキシフェノール(m−アルコキシフェノール)、又は4−アルコキシフェノール(p−アルコキシフェノール)を用いることができるが、取り扱い性などの観点から、4−アルコキシフェノールが好ましい。4−アルコキシフェノールの具体例としては、4−メトキシフェノール(融点:55〜58℃)、4−エトキシフェノール(融点:63〜67℃)、4−プロポキシフェノール(融点:53〜56℃)、4−ブトキシフェノール(融点:64〜67℃)、4−アミルオキシフェノール(融点:47〜49℃)、4−ヘキシルオキシフェノール(融点:44〜47℃)、4−ヘプチルオキシフェノール(融点:60〜63℃)、4−オクチルオキシフェノール(融点:59〜62℃)などが挙げられる。アルコキシフェノール誘導体の具体例としては、上記のアルコキシフェノールが有するベンゼン環に結合している水素原子の1つ又は複数がハロゲン原子(F、Cl、Br、Iなど)で置換された化合物、上記のアルコキシフェノールが有するベンゼン環に結合している水素原子の1つ又は複数がアルコキシ基(炭素数は1〜4など)で置換された化合物、上記のアルコキシフェノールのアルキル基に結合している水素原子の1つ又は複数がハロゲン原子(F、Cl、Br、Iなど)で置換された化合物などが挙げられる。なかでも、4−メトキシフェノール又は4−エトキシフェノールが好ましい。
ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルとしては、2−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル(o−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル)、3−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル(m−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル)、又は4−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル(p−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル)を用いることができるが、取り扱い性などの観点から、4−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルが好ましい。4−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルの具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル(融点:96〜99℃)、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル(融点:84〜87℃)、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル(融点:69〜72℃)、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル(融点:75〜79℃)、4−ヒドロキシ安息香酸ヘプチル(融点:45〜50℃)、4−ヒドロキシ安息香酸オクチル(融点:51〜55℃)、4−ヒドロキシ安息香酸ドデシル(融点:52〜58℃)などが挙げられる。ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル誘導体の具体例としては、上記のヒドロキシ安息香酸アルキルエステルが有するベンゼン環に結合している水素原子の1つ又は複数がハロゲン原子(F、Cl、Br、Iなど)で置換された化合物、上記のヒドロキシ安息香酸アルキルエステルが有するベンゼン環に結合している水素原子の1つ又は複数がアルコキシ基(炭素数は1〜4など)で置換された化合物、上記のヒドロキシ安息香酸アルキルエステルのアルキル基に結合している水素原子の1つ又は複数がハロゲン原子(F、Cl、Br、Iなど)で置換された化合物などが挙げられる。なかでも、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、又は4−ヒドロキシ安息香酸イソブチルが好ましい。
成分(b)の含有率は、10〜50重量%であることが好ましい。成分(b)の含有率を10重量%以上とすることで、ロイコ染料を十分に発色させることができるようになる。成分(b)の含有率は高くても構わないが、50重量%を超えてもロイコ染料の発色濃度はあまり変わらない。成分(b)の含有率は、15〜45重量%であることがより好ましく、20〜40重量%であることがさらに好ましく、25〜35重量%であることが特に好ましい。
また、成分(a)に対する成分(b)の重量比(成分(b)/成分(a))は、1.0〜10であることが好ましい。成分(b)/成分(a)を1以上とすることで、ロイコ染料を十分に発色させることができるようになる。成分(b)/成分(a)は大きくても構わないが、10を超えてもロイコ染料の発色濃度はあまり変わらない。成分(b)/成分(a)は、1.5〜8であることがより好ましく、2.0〜6であることがさらに好ましく、2.5〜4であることが特に好ましい。
成分(c)である液状シリコーンゴムは、成分(a)であるロイコ染料と成分(b)である顕色剤を均一分散させるマトリックス樹脂である。一般的には、ロイコ染料と顕色剤は水などの溶媒中や、水と水溶性バインダー(例えばポリビニルアルコール)のバインダー混合物中に分散させるが、本発明で使用する顕色剤であるアルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステル又はその誘導体は、溶媒又はバインダー混合物に溶解してしまうため、ロイコ染料と混合した時点でロイコ染料が発色してしまう。そこで、本発明では、成分(c)として、成分(a)であるロイコ染料と成分(b)である顕色剤を均一分散させるマトリックス樹脂となる液状シリコーンゴムを使用する。
なお、液状シリコーンゴムの粘度が低すぎると、溶媒を用いた場合と同様にロイコ染料と混合した時点でロイコ染料が発色してしまう場合があり、また顕色剤の結晶が大きくなって十分な発色が得られない場合がある。したがって、液状シリコーンゴムの25℃における粘度は、30Pa・s以上であることが好ましく、40Pa・s以上であることがより好ましく、50Pa・s以上であることがさらに好ましい。また、液状シリコーンゴムの粘度が高すぎると、混合が難しくなることから、液状シリコーンゴムの25℃における粘度は、200Pa・s以下であることが好ましく、150Pa・s以下であることがより好ましく、100Pa・s以下であることがさらに好ましい。
液状シリコーンゴムとしては、室温硬化型シリコーンゴム、UV硬化型シリコーンゴム、加熱硬化型シリコーンゴムなどが挙げられるが、加熱すると顕色剤が溶融してロイコ染料が発色してしまう場合があることから、室温硬化型シリコーンゴム又はUV硬化型シリコーンゴムが好ましい。また、ロイコ染料又は顕色剤と液状シリコーンゴムを混合する際に加熱する場合を考慮して、2液型RTVシリコーンゴムを用いることが好ましい。すなわち、本発明の感温発色性樹脂組成物は、さらに成分(d)として、液状シリコーンゴムを架橋するための硬化剤を含有することが好ましい。
成分(c)の含有率は、30〜89重量%であることが好ましい。成分(c)の含有率を30重量%以上とすることで、マトリックス樹脂としての機能を充分に発揮できるようになる。成分(c)の含有率を89重量%以下とすることで、発色に十分な量のロイコ染料及び顕色剤を分散させることができる。成分(c)の含有率は、38〜82重量%であることがより好ましく、46〜75重量%であることがさらに好ましく、54〜69重量%であることが特に好ましい。成分(d)の含有率は、成分(c)の含有率及び硬化特性などを考慮して定めればよいが、成分(c)の重量に対して5〜30重量%とすることが好ましく、10〜20重量%とすることがより好ましい。
本発明の感温発色性樹脂組成物は、用途及び目的などを考慮して、成分(a)〜成分(d)以外の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、発色安定剤としての脂肪族カルボン酸又は脂肪族アルコールなどが挙げられる。他の成分の含有率は、適宜設定すればよいが、例えば発色安定剤としての脂肪族カルボン酸又は脂肪族アルコールの含有率であれば、成分(b)(顕色剤)の重量に対して10〜30重量%とすることが好ましく、15〜25重量%とすることがより好ましい。
本発明の感温発色性樹脂組成物を製造する方法としては、ロイコ染料(成分(a))と顕色剤(成分(b))が共存する条件で加熱しなくて済む方法が好ましい。例えば、まず、顕色剤(成分(b))と液状シリコーンゴム(成分(c))を必要に応じて加熱しながら混合し、そこにロイコ染料(成分(a))を混合する方法が挙げられる。
本発明の感温発色性樹脂組成物を支持体上に塗布して感温発色層を形成することで、感温発色フィルムを得ることができる。すなわち、本発明の感温発色フィルムは、支持体と、前記支持上に形成された上記の感温発色層とを有するものである。感温発色層の厚さは、例えば10〜100μm(好ましくは30〜70μm)とすることができる。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂などで形成された基材フィルムを用いることができる。支持体の厚さは、例えば10〜100μm(好ましくは30〜70μm)とすることができる。
その他の層として、被着体に貼り付けるための粘着層、UVカット層、外気(酸素)や水の浸入を防ぐ保護層などが挙げられる。本発明の感温発色フィルムは、例えば、粘着層/支持体/感温発色層/保護層/UVカット層の層構成とすることができる。各層の厚さは、目的に応じて適宜設定すればよい。
以上のような本発明の感温発色性樹脂組成物及びそれを用いた感温発色フィルムは、約25〜90℃といった低温領域において発色することから、低温領域の熱履歴を記録する用途には使用することができる。具体的には、医薬品や生鮮食品などを輸送中の温度上昇検知、電化製品やバッテリーなどの異常発熱部位の特定、プラントの点検、低温で印字可能なラベルやタグ、手軽に発熱を目視できる簡易サーモセンサー、近/遠赤外線レーザーを使用する場合の感温マーカーなどに好適である。
<実施例1>
4−メトキシフェノール(MOP、融点:55〜58℃)30重量部と、液状シリコーンゴム(信越化学工業製、商品名:KE−1606、25℃における粘度:60Pa・s)60重量部とを混合し、90℃に加熱した後、20℃まで冷却した。得られた混合物に、ロイコ染料として式(a1)で表される化合物(3−(N−シクロヘキル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン)10重量部と、硬化剤(信越化学工業製、商品名:CAT−RG)10重量部とを加えて攪拌することで、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、バーコーター(RDS#20)を用いて白色のポリプロピレン製合成紙上に塗工して、厚さ50μmのフィルムを作製した。得られたフィルムを20℃から50℃まで加熱したところ、約40〜50℃の温度域において白色から黒色に変化した。20℃から60℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<実施例2>
ロイコ染料として、式(a2)で表される化合物(3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から50℃まで加熱したところ、約40〜45℃の温度域において白色から赤色に変化した。20℃から50℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<実施例3>
ロイコ染料として、式(a4)で表される化合物(3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフオラン)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から50℃まで加熱したところ、約35〜45℃の温度域において白色から橙色に変化した。20℃から50℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<実施例4>
ロイコ染料として、式(a5)で表される化合物(6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[p−(ジメチルアミノ)フェニル]フタリド)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から50℃まで加熱したところ、約30〜40℃の温度域において白色から青紫色に変化した。20℃から50℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<実施例5>
ロイコ染料として、式(a6)で表される化合物(3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から50℃まで加熱したところ、約25〜30℃の温度域において白色から青色に変化した。20℃から50℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<実施例6>
顕色剤として、4−エトキシフェノール(EOP、融点:63〜67℃)を用い、明度の測定を50〜100℃の範囲で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から50℃まで加熱したところ、約45〜55℃の温度域において白色から黒色に変化した。30℃から60℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<実施例7>
顕色剤として、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル(B−PP、ブチルパラベン、融点:69〜72℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から100℃まで加熱したところ、約60〜65℃の温度域において白色から黒色に変化した。50℃から100℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表2に示す。
<実施例8>
顕色剤として、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル(IB−PP、イソブチルパラベン、融点:84〜87℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から100℃まで加熱したところ、約70〜85℃の温度域において白色から黒色に変化した。50℃から100℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表2に示す。
<実施例9>
顕色剤として、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル(P−PP、プロピルパラベン、融点:96〜99℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、50℃から100℃まで加熱したところ、約80〜90℃の温度域において白色から黒色に変化した。50℃から100℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表2に示す。
<比較例1>
4−メトキシフェノールを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、乳白色半透明の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から100℃まで加熱したところ、色の変化は起きなかった。20℃から100℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1及び表2に示す。
<比較例2>
4−メトキシフェノールの代わりにp,p’−ビフェノール(BP、融点:280〜282℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に対し、実施例1と同様にして、20℃から100℃まで加熱したところ、色の変化は起きなかった。20℃から100℃まで色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1及び表2に示す。
<比較例3>
4−メトキシフェノール(MOP、融点:55〜58℃)30重量部と、水60重量部とを混合し、90℃に加熱した後、20℃まで冷却した。得られた混合物に、ロイコ染料として式(a1)で表される化合物(3−(N−シクロヘキル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン)10重量部を加えて攪拌したところ、ロイコ染料が発色し、黒色の水溶液を得た。この水溶液を20℃から60℃まで加熱した際の、色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
<比較例4>
4−メトキシフェノール(MOP、融点:55〜58℃)30重量部と、10重量%ポリビニルアルコール水溶液60重量部とを混合し、90℃に加熱した後、20℃まで冷却した。得られた混合物に、ロイコ染料として式(a1)で表される化合物(3−(N−シクロヘキル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン)10重量部を加えて攪拌したところ、ロイコ染料が発色し、黒色の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を20℃から60℃まで加熱した際の、色彩色差計により明度(ΔL)を測定した結果を表1に示す。
Figure 0006544782
Figure 0006544782
以上のように、本発明に係る感温発色性樹脂組成物は、約25〜90℃という低温領域において発色することが分かった。特に、成分(a)の種類により発色する色を変えることができ、成分(b)の種類により発色する温度領域を変えることが可能であることから、様々な用途に有用である。

Claims (10)

  1. 成分(a):ロイコ染料と、
    成分(b):前記ロイコ染料を発色させる顕色剤としての、融点が20〜100℃であるアルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステル又はアルコキシフェノール若しくはヒドロキシ安息香酸アルキルエステルの誘導体と、
    成分(c):液状シリコーンゴムと
    を含有し、
    前記成分(c)の含有率が30〜89重量%であり、
    前記成分(a)と前記成分(b)は前記成分(c)に均一分散しており、加熱することで前記成分(a)が酸化還元反応により不可逆的に化学構造が変化して発色する
    感温発色性樹脂組成物。
  2. 前記成分(a)が、
    下記式(a1)で表される3−(N−シクロヘキル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン:
    Figure 0006544782
    下記式(a2)で表される3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン:
    Figure 0006544782
    下記式(a3)で表される3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(N,N’−ジベンルアミノ)フルオラン:
    Figure 0006544782
    下記式(a4)で表される3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフオラン:
    Figure 0006544782
    下記式(a5)で表される6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[p−(ジメチルアミノ)フェニル]フタリド:
    Figure 0006544782
    又は、下記式(a6)で表される3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド:
    Figure 0006544782
    である
    請求項1に記載の感温発色性樹脂組成物。
  3. 前記成分(b)が、4−アルコキシフェノール若しくは4−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル又は4−アルコキシフェノール若しくは4−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルの誘導体である
    請求項1又は2に記載の感温発色性樹脂組成物。
  4. 前記成分(b)が、4−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、又は4−ヒドロキシ安息香酸イソブチルである
    請求項3に記載の感温発色性樹脂組成物。
  5. 前記成分(c)の25℃における粘度が、40Pa・s以上である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の感温発色性樹脂組成物。
  6. 前記成分(c)の25℃における粘度が、200Pa・s以下である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の感温発色性樹脂組成物。
  7. 前記成分(a)の含有率が1〜20重量%であり、
    前記成分(b)の含有率が10〜50重量%である
    請求項1〜のいずれか1項に記載の感温発色性樹脂組成物。
  8. 前記成分(a)に対する前記成分(b)の重量比(成分(b)/成分(a))が1.0〜10である
    請求項1〜のいずれか1項に記載の感温発色性樹脂組成物。
  9. さらに、成分(d):前記液状シリコーンゴムを架橋するための硬化剤
    を含有する
    請求項1〜のいずれか1項に記載の感温発色性樹脂組成物。
  10. 支持体と、
    前記支持上に形成された、請求項1〜のいずれか1項に記載の感温発色性樹脂組成物を含む感温発色層と
    を有する
    感温発色フィルム。
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