JP2005041151A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地肌の白色度、熱応答性に優れ、耐可塑剤性、耐湿熱性、耐熱性等の記録画像、地肌部の保存安定性に優れた性能バランスの良い感熱記録材を提供する。
【解決手段】 ロイコ染料、有機酸性物質及び増感剤を含む感熱発色層中に、有機酸性物質として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有し、更に増感剤としてAr(R1)m(OSO2R2)n(但し、Arはナフタレン環を示し、R1はハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基又はアルキルオキシカルボニル基を示し、R2はC1〜C4のアルキル基を示し、mは0〜4、nは1〜4の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体を含有することを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感熱記録材料に関し、地肌の白色度、熱応答性に優れ、耐可塑剤性、耐湿熱性、耐熱性等の記録画像、地肌部の保存安定性に優れた性能バランスの良い感熱記録材料に関する。
常温で無色又は淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料と反応して発色させる有機酸性物質とを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料は、印字装置が比較的簡単でコンパクト化可能なこと、インクやリボン等の消耗品を必要とせずメンテナンスフリーであること等の利点が多く、コンピュータのアウトプット、電卓等のプリンタ、各種計測機器のレコーダ、ファクシミリ、自動発券機、感熱複写機、ラベル等の多くの分野で採用されている。
そして、感熱記録材料の用途が拡大するにつれ、発色感度を維持したまま、地肌の白色度、耐可塑剤性、耐湿熱性、耐熱性等の記録画像、地肌部の保存安定性に対する要求が厳しくなっている。これら記録画像や地肌の安定性を向上するため、新規なロイコ染料、有機酸性物質又は増感剤の提案が多数なされているが、発色感度を維持したまま、多様な保存性に対する要求を十分に満足することは困難である。
汎用の有機酸性物質として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(特許文献4)が挙げられるが、これらは発色感度に優れるが、記録画像の保存性や地肌の耐熱性の面では満足いくものではなかった。
特開昭57−11088号公報 特開昭58−119893号公報、 特開昭61−160292号公報 特開昭60−13852号公報 特開平8−72406号公報 特開2001−113833号公報 特公平7−12749号公報 特公平1−59919号公報 特公平3−31157号公報
一方、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは比較的耐可塑剤性に優れていることが知られており、例えば、特許文献1〜3には、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを有機酸性物質として使用することにより、可塑剤性に対する発色画像の安定性、あるいは地肌部の安定性などが改善することが開示されている。しかしながら、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは融点が高く、汎用の染料、汎用の増感剤との相溶性に劣るため、発色濃度が低い欠点を有していた。
特許文献5には、有機酸性物質として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、増感剤としてアシル酢酸アニリド類を併用すること、特許文献6には、有機酸性物質として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、増感剤としてp−トルエンスルホン酸−β−フェノキシエチルエステルを併用することが提案されている。4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンとアシル酢酸アニリド類やp−トルエンスルホン酸−β−フェノキシエチルエステルを併用した場合には、発色感度と耐可塑剤性の優れた感熱記録材料を提供できるが、その一方で、地肌部の耐熱性が低下するという問題があった。
また、特許文献7には、有機酸性物質として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、増感剤を併用することにより、発色感度、及び耐可塑剤性、耐光性を向上できることが提案されている。有機酸性物質として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、増感剤を併用することにより、発色感度、保存安定性に優れた感熱記録材料を提供できるが、この文献で教える増感剤では地肌部の保存安定性や耐熱性、発色感度の観点からは充分に満足できるものではなかった。
一方、特許文献8〜9では、スルホン酸エステル誘導体を含有することにより、発色感度、耐可塑剤性に優れる感熱記録材料が提案されているが、有機酸性物質としては、もっぱら2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン類、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル類、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン類が用いられており、画像の保存安定性や地肌の保存安定性、特に耐熱性については教えるものではない。例えば、特許文献8ではRSO2OR'(Rはアルキル、フェニル等、R'はフェニル又はナフチル)で表されるスルホン酸エステル誘導体を増感剤として使用することを教えているが、具体的に使用されているスルホン酸エステル誘導体は、p-トルエンスルホン酸フェニルエステルであり、使用される有機酸性物質はビスフェノールAであり、このような組合せでは今日の高度な要求を満足する感熱記録材料が得られない。
本発明は、かかる観点に鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、地肌の白色度、熱応答性に優れ、耐可塑剤性、耐湿熱性、耐熱性等の記録画像、地肌部の保存安定性に優れた性能バランスの良い感熱記録材を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、有機酸性物質として特定のジヒドロキシジフェニルスルホン類を含有し、更に増感剤として特定のスルホン酸エステル類を含有させることにより地肌の白色度、耐可塑剤性、耐湿熱性、耐熱性等の記録画像、地肌部の保存安定性に優れた性能バランスの良い感熱記録材を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、常温で無色又は淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料と反応して発色させる有機酸性物質とを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料において、有機酸性物質として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも一種を含有し、更に増感剤として一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体を少なくとも一種含有することを特徴とする感熱記録材料である。
Ar(R1)m(OSO2R2)n (1)
(但し、Arはナフタレン環を示し、R1はハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基又はアルキルオキシカルボニル基を示し、R2はC1〜C4のアルキル基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは1〜4の整数を示す。また、m又はnが2以上のときは、2以上のR1又はR2は同一であっても異なってもよい)
また、本発明は、一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体が、融点範囲80℃〜130℃である前記の感熱記録材料である。更に、本発明は、一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体が、メタンスルホン酸−2−ナフチルエステル又はメタンスルホン酸−6−メチル−2−ナフチルエステルである前記の感熱記録材料である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感熱記録材料は必須成分として、常温で無色又は淡色のロイコ染料、有機酸性物質としての上記ジヒドロキシジフェニルスルホン及び増感剤としての上記アルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体を含み、これらが支持体としての紙、フィルム等に支持されてなる。
本発明の感熱記録材料において、発色剤として使用されるロイコ染料は、常温で無色又は淡色で、加熱により有機酸性物質と反応して発色する物質である。このようなロイコ染料としては、例えば、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−(i-ブチル)アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−7−(o―クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−(p−トリル)アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染料や、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタン系染料や、例えば、4,4’−ビスジメチルアミノベンズヒドリドベンジルエーテル等のジフェニルメタン系染料や、例えば、ベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系染料や、例えば、3−メチルスピロジナフトピラン等のスピロ系染料、その他のロイコオーラミン系、インドリン系、インジゴ系等の各染料等があげられる。これらのロイコ染料は、1種又は2種以上を使用することができる。
本発明において使用する有機酸性物質は、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのいずれか一方又は両者である。
また、各種性能を補う目的で、他の有機酸性物質を混合使用してもよい。かかる他の有機酸性物質の具体例としては、例えば、p−オクチルフェノール、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニルエーテル)、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−1,3−ジオキサヘプタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノール、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸などのフェノール類、安息香酸、フタル酸、サリチル酸などの有機カルボン酸、他のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体、サリチル酸亜鉛などの金属塩が挙げられる。他の有機酸性物質は、全有機酸性物質の50wt%以下、好ましくは20wt%以下にとどめることがよい。
有機酸性物質の使用量については、使用するロイコ染料の種類によっても異なるが、通常、ロイコ染料1重量部に対して0.5〜6重量部、好ましくは1.0〜2.5重量部である。
本発明の感熱記録材料で使用する増感剤は、前記一般式(1)で表される少なくとも一種のアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体であり、好適には融点60℃〜160℃の化合物であり、更に好ましくは80℃〜130℃である。融点60℃未満の化合物は感熱記録材料の製造時に発色反応を起こしたり、感熱記録材料の地肌の保存安定性が減少したりする欠点が見られることがあり、特に耐熱性の観点から80℃以上が好ましい。また160℃を越える融点を有する化合物は、高感度な感熱記録材料を得ることが困難になる。特に発色感度の観点からは130℃以下が好ましい。
一般式(1)において、Arはナフタレン環を示す。R1はアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基又はアルキルオキシカルボニル基を示す。ここで、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル等のC1〜C4のアルキル基(以下、低級アルキル基といい、この項においてRで表す)が好ましく挙げられる。ハロゲン原子としてはF、Cl、Brが好ましく挙げられる。アルコキシ基としては、ROで表される低級アルコキシ基が好ましく挙げられ、メトキシ基が例示される。アリールオキシ基としては、C6〜C10のアリールオキシ基が好ましく挙げられ、フェノキシ基が例示される。アシル基としては、RCO又はArCO(ArはC6〜C10のアリール基を示す)で表されるアシル基が好ましく挙げられ、アセチル基が例示される。アルキルオキシカルボニル基としては、ROCOで表される低級アルキルオキシカルボニル基が好ましく挙げられ、メトキシカルボニル基が例示される。また、R2はC1〜C4のアルキル基を示す。また、mは0〜4の整数を示し、nは1〜4の整数を示すが、m+nは好ましくは1〜4である。mとnの一方又は両方が2以上のときは複数のR1及びR2は同一であっても、異なってもよい。しかしながら、上記好ましい化合物に挙げられないものであっても、上記融点範囲にあるものであれば、同様に好ましく使用される。
具体的には、例えば、下記に示す化合物1(mp:104℃)、化合物2(mp:114℃)、化合物3(mp:114℃)、化合物4(mp:110℃)、化合物5(mp:118℃)、化合物6(mp:95℃)及び化合物7(mp:82℃)が挙げられ、特にメタンスルホン酸−2−ナフチルエステル(化合物1)、メタンスルホン酸−6−メチル−2−ナフチルエステル(化合物2)が好ましい。
Figure 2005041151
Figure 2005041151
また、場合によっては、一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体以外の増感剤として公知の化合物を、特性改良を目的として混合使用することも可能であるが、全増感剤の30wt%以下、好ましくは10wt%以下にとどめることがよい。
かかる他の増感剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、カプリン酸アミド、リノール酸アミド、アテアリン酸アニリド等の含窒素化合物、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、2−ナフトエ酸ベンジルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸−n−ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル等のエステル化合物、4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジイソプロピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1,2−ビス(2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,2−ビス(2,4,5−トリメチルフェニル)エタン等の芳香族炭化水素化合物、4−アセチルビフェニル、4−エチル−4’−アセチルビフェニル、4−イソプロピル−4’−アセチルビフェニル、4−ベンゾイルビフェニル等の芳香族アシル化合物、2−ベンジルオキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ジフェノキシベンゼン、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニル、ジフェニルスルホン、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノキシジフェニルチオエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル等のエーテル化合物、含硫黄化合物等を挙げることができる。
一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体を使用することにより、発色感度の向上や、地肌の安定性、耐熱性の向上がなされる。このアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体が増感剤として好適に使用できる理由は解明されていないが、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンとの相性が特に良く、相互溶解性に優れるためと考えられる。
増感剤の使用量については、使用するロイコ染料、有機酸性物質の種類によっても異なるが、通常、ロイコ染料1重量部に対して0.1〜6重量部、好ましくは0.5〜2.5重量部である。
本発明の感熱記録材料は、紙、フィルム等の支持体上に感熱発色層を設けてなるが、高度な画像保存性を要求される場合には、感熱発色層上にオーバーコート層を付与することが望ましい。
更に、高度の画像保存性が要求される場合には、感熱発色層中に、必要に応じて公知の保存安定剤を存在させることが望ましい。
上記保存安定剤としては、例えば、トリス(2,6−ジメチル−4−第三ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(2−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジメチル4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホンなどのエポキシ化合物、その他、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどが挙げられる。これらの保存安定剤は、通常、染料1重量部に対して、0.1から10重量部が使用される。
また、長期の耐光性の付与を要求される場合には、本発明の感熱記録材料の感熱発色層中及び/又はオーバーコート層中に、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。該紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどの2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどの置換オキザニリド類、エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどのシアノアクリレート類、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジンなどのトリアゾールトリアジン類などが挙げられる。
更に、本発明の感熱記録材料には、その用途等に応じて種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、微粒子上に分散したロイコ染料と有機酸性物質とを互いに隔離した状態で固着させる結着剤、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ラテックス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸カゼイン、ゼラチン、デンプンあるいはこれらの誘導体等や、感熱発色層の白色度、筆記具の滑り性、スティッキングを目的に添加される白色顔料、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン等があげられる。これらの添加剤は、混合されて又は別個に、紙、フィルム等の支持体上に塗布されて感熱発色層を形成する。
また、本発明の感熱記録材料は、発色感度を向上させるために、紙、フィルム等の支持体と感熱発色層間に、アンダーコート層などの他の層を有することも望ましい。
本発明の感熱記録材料は、地肌の白色度、熱応答性に優れ、耐可塑剤性、耐湿熱性、耐熱性等の記録画像、地肌部の保存安定性に優れ、性能バランスの良い感熱記録材となる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
(1)A液の調製
ロイコ染料として3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル‐7−アニリノフルオラン20g及び10%ポリビニルアルコール水溶液100gをボールミルで充分に磨砕し、平均粒径0.8μmの粉末が懸濁したA液を調製する。
(2)B液の調製
有機酸性物質として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン20g及び10%ポリビニルアルコール水溶液100gをボールミルで充分に磨砕し、平均粒径0.8μmの粉末が懸濁したB液を調製する。
(3)C液の調製
増感剤として前記化合物(1)20g及び10%ポリビニルアルコール水溶液100gをボールミルで充分に磨砕し、平均粒径0.8μm粉末が懸濁したC液を調製する。
(4)感熱記録紙の調製
上記分散液A、B及びCを1:2:2の重量比で混合し、この混合液200gに対し、炭酸カルシウム50gを添加し、充分に分散して塗液とし、この塗液を基紙上に塗布して乾燥し、乾燥後の塗布量6g/m2の感熱記録紙を調製した。
(5)発色試験
このようにして調製した感熱記録紙について、動的発色試験(24V、1.0ms)を行い、印字部及び地肌の発色濃度測定を行った。動的発色試験は、印字試験機(大倉電気製)を使用し、発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914を使用して測定する方法で行った。
(6)耐湿度性試験
動的発色試験を行った感熱記録紙を恒温恒湿器(50℃、相対湿度90%)に24時間保存し、その後印字部及び地肌の発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914を使用して測定する方法で行った。
(7)耐可塑剤性試験
動的発色試験を行った感熱記録紙に塩化ビニルラップを印字面全面に密着させる。この試験用感熱記録紙を乾燥器(40℃)に24時間保存し、その後印字部及び地肌の発色濃度を、マクベス反射濃度計RD−914を使用して測定する方法で行った。
(8)耐熱性試験
動的発色試験を行った感熱記録紙を恒温乾燥機(80℃)に24時間保存し、その後印字部及び地肌の発色濃度を、マクベス反射濃度計RD−914を使用して測定する方法で行った。
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、化合物(2)を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、化合物(3)を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、化合物(4)を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、化合物(5)を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、化合物(6)を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、化合物(7)を使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例1のB液調製の際、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例2のB液調製の際、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は実施例2と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例2の場合と同様に試験を行った。
比較例1
実施例1のB液調製の際、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
比較例2
実施例1のB液調製の際、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
比較例3
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、2−ベンジルオキシナフタレンを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
比較例4
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、ジフェニルスルホンを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
比較例5
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、アセト酢酸-o-クロロアニリドを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
比較例6
実施例1のC液調製の際、化合物(1)の代わりに、p−トルエンスルホン酸−β−フェノキシエチルエステルを使用した以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1の場合と同様に試験を行った。
実施例及び比較例で調製した感熱記録紙について、動的発色試験、耐湿度制試験、耐可塑剤性試験、耐熱性試験の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005041151
表1から明らかなように、本発明の実施例で調製した感熱記録材料は、優れた発色感度を示すのみでなく、各種試験において発色画像及び地肌部の反射濃度の変化が少なく、保存安定性に優れることが分かる。

Claims (3)

  1. 常温で無色又は淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料と反応して発色させる有機酸性物質とを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料において、有機酸性物質として、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも一種を含有し、更に増感剤として下記一般式(1)
    Ar(R1)m(OSO2R2)n (1)
    (但し、Arはナフタレン環を示し、R1はハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基又はアルキルオキシカルボニル基を示し、R2はC1〜C4のアルキル基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは1〜4の整数を示す。また、m又はnが2以上のときは、2以上のR1又はR2は同一であっても異なってもよい)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体を少なくとも一種含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体が、融点範囲80℃〜130℃である請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸ナフチルエステル誘導体が、メタンスルホン酸−2−ナフチルエステル又はメタンスルホン酸−6−メチル−2−ナフチルエステルである請求項1記載の感熱記録材料。
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