JPH05262034A - 可逆的熱変色材料 - Google Patents

可逆的熱変色材料

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JPH05262034A
JPH05262034A JP4093867A JP9386792A JPH05262034A JP H05262034 A JPH05262034 A JP H05262034A JP 4093867 A JP4093867 A JP 4093867A JP 9386792 A JP9386792 A JP 9386792A JP H05262034 A JPH05262034 A JP H05262034A
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JP
Japan
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color
group
carbon atoms
acid
alkyl group
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JP4093867A
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English (en)
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Eiichi Kawamura
栄一 川村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有色から異なった有色に可逆的に変色する、
混色のない鮮明なコントラストの優れた熱変色材料を得
る。 【構成】 加熱により発色する可逆的熱変色材料と加熱
により消色する可逆的熱変色材料とを含有する可逆的熱
変色材料であって、前記加熱発色及び加熱消色する熱変
色材料はいずれも電子供与性呈色性化合物、電子受容性
化合物及び変色温度調節化合物を主成分として別々のマ
イクロカプセルにより内包する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度変化に応じて可逆的
に変色性を呈する材料に関するものである。より詳細に
はある色相の状態から加熱によって異なった色相に変化
する可逆的な熱変化を示す変色材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可逆的熱変色性を呈する材料とし
て金属錯塩、コレステリック液晶、電子供与性呈色性有
機化合物と電子受容性化合物および変色温度調節化合物
の混合系等多くの材料が提案され、その可逆的特徴を生
かした温度測定、温度管理用等の示温剤、各種センサ
ー、ディスプレイ、衣料、インク、トナー、筆記具、教
材、玩具等広い用途に利用されている。
【0003】特に、電子供与性呈色性有機化合物と電子
受容性化合物および変色温度調節化合物の三成分を必須
とする可逆性熱変色材料は変色温度も広い範囲に設定が
できることと、色の変化が大きく色彩も豊富で毒性のな
いことなどの利点から多くの出願がなされている。例え
ば、特公昭51-44706、特公昭51-44709、特公昭52-776
4、特開昭63-15877、特開昭63-251487、特開平1-12139
4、特開平1-174591号等多数出願されている。
【0004】しかしながら上記出願の多くのものは、あ
る温度で発色しているが、加熱により所定の温度に達す
ると消色し、温度が下がると元の色に復色する可逆的変
化を行うものがほとんどで、有色から異なった有色に可
逆的に変色させるには、可逆性のない色材で着色した上
に加熱消色型の可逆的変化材料で処理して発色状態での
混合色と加熱による消色状態(元の着色)の二色の変化
を行っている。この方法では混色により色の鮮明さが得
られず、色相も限定されコントラストの良い組み合わせ
が得難い欠点がある。
【0005】また、無色の状態から加熱によって発色
し、温度が下がるとふたたび元の無色の状態に戻る可逆
的な変化を行う加熱発色型を示すものもあったが非常に
少なく、しかもこれらのものは加熱によって消色するタ
イプに比べて熱応答性が遅く、発色濃度も低く消色も不
十分である欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有色から異
なった有色に可逆的に変化する混色のない鮮明なコント
ラストの優れた可逆的変色材料を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の目的
を達成すべく種々検討した結果、加熱発色型及び加熱消
色型の各可逆的熱変色材料をそれぞれマイクロカプセル
化して組み合わせることが有効であるとの知見を得て本
発明に至った。
【0008】即ち、本発明は加熱により発色する可逆的
熱変色材料と加熱により消色する可逆的熱変色材料とを
含有する可逆的熱変色材料であって、前記両変色材料は
いずれも電子供与性呈色性化合物、電子受容性化合物及
び変色温度調節化合物を主成分として別々のマイクロカ
プセルにより内包されていることを特徴とする可逆的熱
変色材料にある。
【0009】本発明によれば、温度変化に応じて、即ち
加熱により加熱消色型可逆的熱変色材料が有色から無色
に変化し、加熱発色型可逆的熱変色材料が無色から有色
に変化する一方、冷却により全く逆の変化が起こり、完
全に異なった色相を可逆的に確実に繰り返すことができ
る。
【0010】本発明の変色の状態を第1図に示したグラ
フによって説明する。グラフの縦軸は発色濃度、横軸は
温度を表わしており、実線は加熱発色型の可逆的熱変色
材料の熱特性、一点鎖線は加熱消色型の可逆的熱変色材
料の熱特性を示したものである。T0以下の温度では加
熱発色型材料は無色の状態Aにあり、加熱消色型材料は
発色した状態CでありC単独の鮮明な色相を呈してい
る。次にT1以上の温度では加熱発色型材料は発色した
状態Bになり、加熱消色型材料は消色した状態Dに変化
しB単独の鮮明な色相を呈することになる。この状態か
らT0以下の温度に戻せばふたたびCの色相に変化し繰
り返し行うことができる。
【0011】色相は電子供与性呈色性化合物により広い
範囲で選択することができるので、加熱発色型と加熱消
色型のそれぞれの組み合わせによって自由な色相の変化
が可能である。
【0012】本発明に使用する前記可逆的熱変色材料
は、前述の如く電子供与性呈色性化合物、電子受容性化
合物及び変色温度調節化合物を必須成分とし、更に添加
剤として低発揮性溶剤等を含量させることにより性能を
向上することができる。
【0013】本発明に用いられる電子供与性呈色性化合
物は、単独又は二種以上混合して適用されるが、それ自
身無色あるいは淡色の色素前駆体であり、例えば、トリ
フェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合
物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合
物、ローダミンラクタム系化合物、スピロピラン系化合
物、インドリノフタリド系化合物等がある。
【0014】加熱消色型可逆的熱変色材料における電子
供与性呈色性化合物の具体例としては、例えば、以下の
ようなものが挙げられる。3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミ
ノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルア
ミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−
5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロル
フルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロ
リジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−
{(N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−
ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)
キサンチル安息香酸ラクタム、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N
−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロ
ロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリ
ノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロ
ルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−5−クロロ−7−(α−フェニルエチルアミノ)
フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7
−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−
7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ
−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチ
ルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シ
クロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナプ
チルアミノ−4’−プロモフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾ
フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイル
ロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ
−ベンゾインドリノースピロピラン、6’−ブロモ−
3’−メトキシ−ベンゾインドリノースピロピラン、3
−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−メトキシ−(2’−メトキシ−5’
−クロロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ
−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メト
キシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−
ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−
(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−
メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N
−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノ
フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フ
ルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフ
タリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプ
ロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メ
チル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオ
ラン、3,6−ジメトキシフルオラン等。
【0015】本発明で用いられる好ましい加熱発色型電
子供与性呈色性化合物は、第一に置換基としてハロゲン
を含有するものである。このようなものとしては、例え
ば以下のものが挙げられる。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル
フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロモフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジプロピ
ルアミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−クロル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−
ピロリジノ−6−クロル−7−フェニルアミノ−フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−(m−ト
リフロロメチルフェニル)アミノ−フルオラン、3−シ
クロヘキシルアミノ−6−クロル−7−(o−クロルフ
ェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−クロル−7−(2’,3’ジクロルフェニル)アミノ
−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロル−
7−エトキシエチルアミノ−フルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロモフェニル)
アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−
クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジブチルア
ミノ−7−(o−フルオロフェニル)アミノ−フルオラ
ン、6’−ブロモ−3’メトキシベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン3−(2’−メトキシ−4’ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2’ヒドロキシ−4’−クロル−
5’クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキ
シ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’メト
キシ−5’−クロルフェニル)フタリド、2−{3,6
−ビス(ジェチルアミノ)}−9−(o−クロルフェニ
ル)アミノ−キサンチル安息香酸ラクタム、3−N−エ
チル−N−イソアミルアミノ−7−クロルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフロロ
メチルアニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチ
ル−7−m−トリフロロメチルアニリノフルオラン、3
−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メ
チル−7−m−トリフロロメチルアニリノフルオラン、
3−モルホリノ−7−(N−n−プロピル−N−m−ト
リフロロメチルフェニル)アミノフルオラン
【0016】本発明で用いる好ましい加熱発色型の電子
供与性呈色性化合物は、第二に次の一般式(I)で示さ
れる化合物である。
【0017】
【化1】 …………………………(I)
【0018】(但し、R1は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基、R2は水素原子又は置換されていてもよ
いアミノ基、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
又はフェニルアミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基、m及びn
は1又は2の整数を表わす)
【0019】この一般式(1)で示される化合物の具体
例を示すと、例えば、以下のものが例示される。 3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノ
−フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミ
ノ)−7−アミノ−フルオラン、3−(N−プロピル−
N−フェニルアミノ)−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
7−アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p
−メチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラ
ン、3−(N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−(N−メチル
−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−エチルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−(N−
プロピル−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(2’,
4’ジメチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオ
ラン、3−{N−エチル−N−(2’,4’ジメチルフ
ェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N
−プロピル−N−(2’,4’ジメチルフェニル)アミ
ノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルア
ミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチ
ルフェニル)アミノ}−7−(N−メチル−N−フェニ
ル)アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p
−メチルフェニル)アミノ}−7−ジ(p−メチルベン
ジル)アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−7−アセチルアミノ
−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフ
ェニル)アミノ}−7−ベンゾイルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−7−(o−メトキシベンゾイル)アミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−6−メチル−7−フェニルアミノ−フル
オラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−6−メチル−7−フェニルアミノ−フル
オラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−6−t−ブチル−7−(p−メチルフェ
ニル)アミノ−フルオラン、3−(N−エチル−N−フ
ェニルアミノ}−6−メチル−7−(N−エチル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ−フルオラン、3−{N
−プロピル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6
−メチル−7−(N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−フルオラン、3−{N−エチル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メチル−7−ベ
ンジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−5−クロロ−7−ジ
ベンジルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メトキシ−7−
ジベンジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−メトキシ−フルオラン等。
【0020】本発明で好ましく用いられる第三の加熱発
色型の電子供与性呈色性化合物は、次の一般式(II)で
示される。
【0021】
【化2】 …………………………(II)
【0022】(但し、R3は炭素数1〜12のアルキル
基、環状アルキル基、アルコキシアルキル基、アリル
基、アリール基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、
アルコキシアルキル基、アリル基を表わす)
【0023】この一般式(II)で示されるものの具体例
を以下に示す。 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−
(N−エチル−N−イゾアミルアミノ)−7,8−ベン
ゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチルア
ミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−N、N−ジブ
チルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−メ
チル−N−シクロヘキシルアミノ)−7,8−ベンゾフ
ルオラン、3−(N−エチル−N−p−メチルフェニル
アミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−N、N−ジ
アリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−
エトキシエチル−N−エチルアミノ)−7,8−ベンゾ
フルオラン、
【0024】本発明で用いられる電子受容性化合物は、
加熱消色型可逆的熱変色材料の系では感熱紙に一般に使
用されている顕色剤の中から選択できる。例えばフェノ
−ル性化合物、チオ尿素誘導体、オキシ芳香族カルボン
酸、カルボン酸及びその金属塩等を使用することがで
き、その具体例としては以下のものが挙げられる。 4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’
−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリープ
チルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフ
ェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロ
ロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル
−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2’−メ
チレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェ
ノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリ
ーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブ
チル−フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル
−2−メチルフェノール)、4,4’−ジェフェノール
スルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジェフェノールスルホ
キシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒ
ドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジ
ル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸
オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−プロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N’−ジフェ
ニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チ
オ尿素、5−クロロ−サリチルアニリド、ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3
−ビス(4−ヒドロキシクミル)−ベンゼン、1,4−
ビス(4−ヒドロキシクミル)−ベンゼン、2,4’−
ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’
−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’
−メチルジフェニルスルホン1−アセチルオキシ−2−
ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸
亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,
α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−αメチルトルエ
ン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロ
モビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS
等。
【0025】加熱発色型可逆的熱変色材料の電子受容性
化合物では、前記加熱消色型と比較してその選択範囲は
狭く、本発明で用いられる特に好ましい加熱発色型の電
子受容性化合物は以下に示す一般式(III)〜(VII)の
化合物が挙げられる。
【0026】下記一般式(III)で示される有機リン酸
化合物
【化3】 …………………………(III) (但し、R5は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす。)
【0027】この有機リン酸化合物の具体例としては、
例えば、以下のものが挙げられる。オクチルホスホン
酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホ
スホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホス
ホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン
酸、ドコシルホスホン酸、テトラドコシルホスホン酸
等。
【0028】下記一般式(IV)で示されるα一位炭素に
水酸基を有する有機酸
【化4】 …………………………(IV) (但し、R6は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす。)
【0029】このα一位炭素に水酸基を有する有機酸の
具体例としては、例えば以下のもが挙げられる。 α−ヒドロキシオクタノイック酸、α−ヒドロキシドデ
カノイック酸、α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、
α−ヒドロキシヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシ
オクタデカノイック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシエイコサノイック酸、α−ヒド
ロキシドコサノイック酸等。
【0030】下記一般式(V)で示される二塩基酸
【化5】 (但し、R7は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基、Zは酸素原子又はイオウ原
子、mは0、1又は2の整数を表わす。)
【0031】一般式(V)で示される二塩基酸の具体例
として以下ものもが挙げられる。 オクチルコハク酸、デシルコハク酸、ドデシルコハク
酸、テトラデシルコハク酸、ヘキサデシルコハク酸、オ
クタデシルコハク酸、エイコシルコハク酸、ドコシルコ
ハク酸、テトラドコシルコハク酸、オクチルリンゴ酸、
デシルリンゴ酸、ドデシルリンゴ酸、テトラデシルリン
ゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデシルリンゴ酸、
エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、テトラドコシ
ルリンゴ酸、オクチルチオリンゴ酸、デシルチオリンゴ
酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラデシルチオリンゴ
酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オクタデシルチオリン
ゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコシルチオリンゴ
酸、テトラドコシルチオリンゴ酸、オクチルジチオリン
ゴ酸、デシルジチオリンゴ酸、ドデシルジチオリンゴ
酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキサデシルジチオ
リンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ酸、エイコシルジ
チオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、テトラドコシ
ルジチオリンゴ酸等。
【0032】下記一般式(VI)で示される二塩基酸
【化6】 (但し、R8は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又は炭素数
1〜30のアルキル基を示す。)
【0033】この一般式(VI)で示される二塩基酸の具
体例として以下のものが挙げられる。 オクチルマロン
酸、デシルマロン酸、ドデシルマロン酸、テトラデシル
マロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン
酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラド
コシルマロン酸、ジオクチルマロン酸、ジデシルマロン
酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラデシルマロン酸、ジ
ヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエ
イコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタ
デシルマンロ酸、メチルエイコシルマロン酸、メチルド
コシルマロン酸、メチルテトラドコシルマロン酸、エチ
ルオクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、
エチルドコシルマロン酸、エチルテトラドコシルマロン
酸等。
【0034】下記一般式(VII)で表わされるフェノー
ル化合物
【化7】 ………………………(VII) (式中、R10は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす。)
【0035】この一般式(VII)で示されるフェノール
化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。 P−(オクチルチオ)フェノール、P−(ノニルチオ)
フェノール、P−(デシルチオ)フェノール、P−(デ
シルチオ)フェノール、P−(ドデシルチオ)フェノー
ル、P−(テトラデシルチオ)フェノール、P−(ヘキ
サデシルチオ)フェノール、P−(オクタデシルチオ)
フェノール、P−(エイコシルチオ)フェノール、P−
(ドコシルチオ)フェノール、P−(テトラドコシルチ
オ)フェノール等。
【0036】変色温度調節化合物としては高沸点のアル
コール類、エステル類、酸アミド類、カルボン酸類、エ
ーテル類及びケトン類が挙げられ、例えばラリウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチ
ン酸ステアリル、パルミチン酸プロピル、ステアリン酸
エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリ
ル、グリセリントリステアラート、グリセリントリミリ
ステート、プロピレングリコールジステアレート、グリ
セリンモノセチルエーテル、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸、ジデシルエーテル、ジドデシルエーテ
ル、ステアリン酸アミド等がある。
【0037】低揮発性溶剤は一般に感圧オイルとして用
いられるもの中から選択することができる。アルキルナ
フタレン系化合物、ジアリールアルカン系化合物、アル
キルビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、トリ
アリルメタン系化合物等が挙げられる。例えばジメチル
ナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフ
タレン、1−メチル−1−ジメチルフェニル−1−フェ
ニルメタン、1−メチル−1−エチルフェニル−1−フ
ェニルメタン、ジメチルビフェニル、ジエチルビフェニ
ル、ジイソプロピルビフェニル、水添ターフェニル、ト
リトルイルメタン等がある。
【0038】各成分の混合比は、使用する材料の物性に
よって適切な比率を選択する必要があるが、実際にはか
なり広範囲で選択することができ、電子供与性呈色性化
合物:電子受容性化合物:変色温度調節化合物の混合比
(重量)は1:1〜10:5〜50の範囲が適当である。
【0039】低揮発性溶剤の混合比は重量比で30〜80%
の範囲が好ましく、少なすぎると熱応答速度及び発色濃
度の向上は少ない。又、多すぎると発色、消色の可逆性
は悪くなり、特に消色が十分でなくなる。
【0040】前記構成による可逆的熱変色材料は加熱消
色型及び加熱発色型をそれぞれ別々にマイクロカプセル
に内包して用いることが、それぞれの内容物の分離及び
保護による機能低下の防止、取り扱い性の点で好まし
い。
【0041】マイクロカプセル化は、例えばコアセルベ
ーション法、界面重合法、In situ重合法等公知の技術
によって1〜数10μm程度の粒径のマイクロカプセルの
形態で用いることができる。
【0042】得られたマイクロカプセルは加熱消色型と
加熱発色型を混合して用いる。混合比率は重量比で1:
1が基本であるが、それぞれの発、消色特性、使用目的
等により好ましい比率で使用することが好ましい。
【0043】混合物はその用途に応じ適当な材料、例え
ば合成樹脂、ワックス類等と一緒に用いてもよいが、こ
れらに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中の部は重量部を表す。
【0045】実施例1 〔加熱消色型マイクロカプセル(A)の作成〕 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン1部、4,
4’−イソプロピリデンビスフェノール2部、n−セチ
ルアルコール25部を約100℃にて均一に溶解する。pH
を6.0に調整したエチレン−無水マレイン酸共重合体
の4%水溶液80部を70℃に加温し前記溶解物を加えてミ
キサーを用いて平均粒子径が約5μmになるように乳化
分散した。続いてメラミン−ホルマリンプレポリマー
(商品名ニカラックMX−54、三和ケミカル社製)50%水
溶液11.0gを加えてpHを4.5に調整し、70℃で4時
間撹拌し反応を行いマイクロカプセル分散液(A)を得
た。
【0046】〔加熱発色型マイクロカプセル(B)の作
成〕 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミ
ノ−フルオラン1部、オクタデシルホスホン酸3部、ミ
リスチルアルコール5部、ジイソプロピルナフタレン5
部からなる組成物を前記加熱消色型マイクロカプセル
(A)の作成と同様にしてマイクロカプセル分散液
(B)を得た。
【0047】得られたマイクロカプセル分散液(A)20
部、マイクロカプセル分散液(B)20部を10%ポリビニ
ルアルコール20部に混合し上質紙に乾燥後の付着量が15
g/m2となるように塗布した。得られた試料は、20℃では
鮮やかな赤色を呈していたが45℃に加熱すると赤色は消
えて鮮やかな黒色に高濃度に変色した。冷却すると黒色
が消えて再び元の赤色に戻った。この可逆的な熱変色は
くり返し同じ挙動を示した。
【0048】実施例2 〔加熱消色型マイクロカプセル(C)の作成〕 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン1
部、p−ヒドロキシ安息香酸メチル2部、n−ミリスチ
ルアルコール25部を約100℃にて均一に溶解する。pH
を7.0に調整した5%ゼラチン水溶液80部を70℃に加
温し、前記溶解液を加えてミキサーを用いて平均粒子径
が約5μmになるように乳化分散した。次に70℃に加温
した5%アラビアゴム水溶液80部を加えて70℃温水170
部で稀釈し撹拌下に10%酢酸溶液を徐々に滴下してpH
を4.3に調整してコアセルベーションを起させ、次い
で10℃まで冷却してゲル化させた後に25%グルタルアル
デヒド1.5部を添加し、pHを9.0に調整して12時間
撹拌を続けてマイクロカプセル分散液(C)を液た。
【0049】〔加熱発色型マイクロカプセル(D)の作
成〕 3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミ
ノ}−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ−フルオ
ラン1部、α−ヒドロキシオクタデカノイック酸3部、
ステアリルアルコール10部、ジイソプロピルビフェニル
10部からなる組成物を前記加熱消色型マイクロカプセル
(C)の作成と同様にしてマイクロカプセル分散液
(D)を得た。
【0050】〔変色特性の評価〕得られたマイクロカプ
セル分散液(C)20部、マイクロカプセル分散液(D)
20部を10%ポリビニルアルコール10部に混合し実施例1
と同様にして試料を作成した。得られた試料は20℃では
鮮やかな橙色を呈していたが、33℃で橙色は消えて無色
になり45℃で鮮やかな緑色に変色した。冷却すると緑色
は消えて無色から再び元の橙色に戻った。この色の変色
は可逆的にくり返された。
【0051】実施例3 〔加熱消色型マイクロカプセル(E)の作成〕 クリスタルバイオレットラクトン1部、p−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル4部、ステアリン酸ステアリル10部、
ジフェニールメタン系溶剤(日本石油化学社製、SAS
−296)10部を約100℃にて均一に溶解する。pHを4.
5に調整したスチレン−無水マレイン酸共重合体の3%
水溶液50部を80℃に加温した中に前記溶解物25部を滴下
し、ミキサーを用いて1〜8μmの微小滴になるように
乳化分散する。続いて得られた乳化液を撹拌しながら尿
素−ホルマリンプレポリマー(三井東圧化学社製、ユー
ラミン、P−1500)11.0gを加えて70℃で3時間反応さ
せて平均粒子径3.5μmのマイクロカプセル分散液
(E)を得た。
【0052】〔加熱発色型マイクロカプセル(F)の作
成〕 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン1部、
オクタデシルチオリンゴ酸3部、ステアリン酸ステアリ
ル5部、ジイソプロピルナフタレン10部からなる組成物
を前記加熱消色型マイクロカプセル(E)の作成と同様
にしてマイクロカプセル(F)を得た。
【0053】〔変色特性評価〕得られたマイクロカプセ
ル分散液(E)20部、マイクロカプセル分散液(F)20
部を10%アクリルエマルジョン20部に混合し合成紙に乾
燥後の付着量が10g/m2となるように塗布した。得られた
試料は20℃では鮮やかな青色を呈し、50℃に加熱すると
青色は消えて鮮やかな桃色に変色した。冷却すると桃色
は消えて再び元の青色に戻った。この可逆性は同様の繰
り返し特性を示した。
【0054】実施例4 〔加熱消色型マイクロカプセル(G)の作成〕 実施例1の電子供与性呈色性化合物を3,6−ジメトキ
シフルオランに代えてマイクロカプセル分散液(G)を
作成した。
【0055】〔加熱発色型マイクロカプセル(H)の作
成〕 実施例1の電子供与性呈色性化合物を3−{N−エチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−
7−フェニルアミノ−フルオランに、電子受容性化合物
をオクタデシルマロン酸に代えてマイクロカプセル分散
液(H)を作成した。
【0056】〔変色特性評価〕得られたそれぞれのマイ
クロカプセル分散液を用いて、実施例1と同様にして試
料を作成し、評価を行った結果、加熱により黄色から黒
色の鮮明な変化が認められ、冷却によって再び黒色から
元の黄色の状態に戻った。
【0057】実施例5 〔加熱消色型マイクロカプセル(I)の作成〕 実施例3の電子供与性呈色性化合物を3−(ジブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、ステアリ
ン酸ステアリルをステアリン酸ブチルに代えてマイクロ
カプセル分散液(I)を作成した。
【0058】〔加熱発色性マイクロカプセル(J)の作
成〕 実施例3の電子供与性呈色性化合物を3−ジエチルアミ
ノ−7−クロルフルオラン、電子受容性化合物をp−
(ヘキサデシルチオ)フェノール、ステアリン酸ステア
リルをステアリン酸ブチルに代えてマイクロカプセル分
散液(J)を作成した。
【0059】
【変色特性評価】得られたそれぞれのマイクロカプセル
分散液を用いて、実施例3と同様にして試料を作成し評
価を行った結果、常温では黒色を呈していたが、加熱に
より35℃で黒色から赤色に迅速に鮮明な変化が認められ
た。加熱を止めて常温に戻すと再び赤色の状態になり、
可逆的な受動を示した。
【0060】実施例6 実施例1で作成したマイクロカプセル分散液(A)及び
(B)を用いてそれぞれ孔版印刷用インキを作成し、孔
版印刷機(リコー製リコープリポートSS865G)に
より異なった図柄の印刷を上質紙に行った。この印刷物
は常温では赤色の図柄のみが鮮明に見られたが、加熱に
より赤色の図柄は消えて黒色の別の図柄が現われた。冷
却すると再び赤色の図柄が現われ、この可逆的な変化を
50回繰り返したが性能の劣化は認められなかった。
【0061】比較例1 シアニンブルーで青に着色した上質紙に実施例1で作成
した加熱消色型マイクロカプセル(A)20部、10%ポリ
ビニルアルコール10部の混合溶液を乾燥後の付着量が15
g/m2となるよう塗布した。得られた試料は20℃では着色
紙の青色ではなく混色によってくすんだ赤紫色を呈して
おり、45℃に加熱すると青色に変色した。冷却によって
元に戻ったが目的とする青色から赤色に変色する鮮明な
可逆性のある変色性は示さなかった。
【0062】比較例2 ブリリアントカーミン6Bで赤に着色した上質紙に実施
例2で作成した加熱発色型マイクロカプセル(D)20
部、10%ポリビニルアルコール5部の混合溶液を比較例
1と同様に塗布した。得られた試料は20℃ではやや白っ
ぽい赤色を呈していたが45℃に加熱するとくすんだ赤黒
色に変色した。冷却によって元に戻ったが、目的とする
鮮明な変色は得られなかった。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有色から
異なった色へ温度変化に応じて可逆的に変色が行なわ
れ、鮮明な色相でコントラストの優れた任意に色相を選
択できる幅広い用途に応用可能な可逆的熱変色材料を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱消色型及び加熱発色型の可逆的熱
変色材料の温度変化による発消色特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
A−B 加熱発色型可逆的熱変色材料の熱特性を示す
曲線 C-−-D 加熱消色型可逆的熱変色材料の熱特性を示す
曲線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により発色する可逆的熱変色材料と
    加熱により消色する可逆的熱変色材料とを含有する可逆
    的熱変色材料であって、前記加熱発色及び加熱消色する
    熱変色材料はいずれも電子供与性呈色性化合物、電子受
    容性化合物及び変色温度調節化合物を主成分として別々
    のマイクロカプセルにより内包されていることを特徴と
    する可逆的熱変色材料。
  2. 【請求項2】 加熱により発色する可逆的熱変色材料を
    構成する電子供与性呈色性化合物が下記(1)〜(3)
    に示す化合物のいずれか1種であることを特徴とする請
    求項1記載の可逆的熱変色材料。 (1)ハロゲン又はハロゲンを含む置換基で置換されて
    いる化合物。 (2)下記一般式(I)で示された化合物。 …………………………(I) (但し、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    2は水素原子又は置換1されていてもよいアミノ基、
    Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル
    アミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
    は炭素数1〜2のアルコキシ基、m及びnは1又は2の
    整数を表わす。) (3)下記一般式(II)で示された化合物。 …………………………(II) (但し、R3は炭素数1〜12のアルキル基、環状アル
    キル基、アルコキシアルキル基、アリル基、アリール
    基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、アリル基を表わす。)
  3. 【請求項3】 加熱により発色する可逆的熱変色材料を
    構成する電子受容性化合物が下記一般式(III)〜(VI
    I)で示される化合物のいずれか1種であることを特徴
    とする請求項1記載の可逆的熱変色材料。 R5−PO(OH)2 …………………………(III) (但し、R5は炭素数8〜30の直鎖又は分枝状のアル
    キル基又はアルケニル基を表す。) R6−CH(OH)COOH …………………………(IV) (但し、R6は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基を表す。) (但し、R7は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基、Zは酸素原子又はイオウ原
    子、mは0、1又は2を示す。) (但し、R8は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又は炭素数
    1〜30のアルキル基を示す。) …………………………(VII) (式中、R10は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基を表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018008473A (ja) * 2016-07-15 2018-01-18 平岡織染株式会社 可撓性調光シート
WO2020203603A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 パイロットインキ株式会社 可逆熱変色性組成物、それを内包してなる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、及びそれを用いた筆記具

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