以下に、第1の実施の形態について、図1乃至図11を参照して説明する。なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、第1の実施形態に係るダンパ装置1を示す断面図である。図1に示すように、ダンパ装置1は、外側にあるドライブプレート2と、内側にある中間プレート3と、さらに内側にあるドリブンプレート4とを有する。ドライブプレート2は、第2の回転体の一例である。中間プレート3は、第3の回転体の一例である。ドリブンプレート4は、第1の回転体の一例である。
ドライブプレート2と、中間プレート3と、ドリブンプレート4とは、それぞれ、図1に示す回転軸Ax回りに回転可能である。回転軸Axは、回転中心の一例である。以下、回転軸Axに直交する方向を回転軸Axの径方向又は単に径方向、回転軸Axに沿う方向を回転軸Axの軸方向又は単に軸方向、回転軸Ax回りに回転する方向を回転軸Axの周方向又は単に周方向とそれぞれ称する。
ドライブプレート2は、中間プレート3に対して独立して回転可能であるとともに、ドリブンプレート4に対して独立して回転可能である。言い換えると、ドライブプレート2と、中間プレート3と、ドリブンプレート4とは、互いに相対的に回転可能である。
ドライブプレート2は、例えば、フライホイールを介して、エンジンのクランクシャフトに接続される。なお、ドライブプレート2はエンジンに限らず、モータのような他の駆動源、又は他の装置に接続されても良い。
クランクシャフトは、回転軸Axに沿って延びる。フライホイールは、例えば、回転軸Axの径方向に延びる円盤状に形成される。エンジンがクランクシャフトを介してフライホイールを回転させることで、ドライブプレート2がフライホイールとともに回転させられる。すなわち、エンジンが生じさせる回転が、フライホイールを介してドライブプレート2に伝達される。
ドライブプレート2は、回転軸Axに近い方から順に、ブッシュ21と、第1のディスクプレート22と、第2のディスクプレート23と、支持プレート24と、二つのライニング部25とを有する。
ブッシュ21は、二つのボス部21aと、複数の係止部21bとを有する。ボス部21aは、第2の固定部の一例であり、回転軸Axに沿って延びる略円筒状の部分である。二つのボス部21aは、隙間を介して回転軸Axの軸方向に並んで配置される。係止部21bは、二つのボス部21aの外周面から、回転軸Axの径方向にそれぞれ突出する部分である。
図2は、第1のディスクプレート22の一部を切り欠いてダンパ装置1の一部を示す正面図である。図2において、ドライブプレート2は、第1のディスクプレート22のみ示される。
図2に示すように、第1のディスクプレート22は、回転軸Axの径方向に延びる円盤状に形成される。第1のディスクプレート22は、内枠部22aと、外枠部22bと、二つの第1のフレーム部22cと、二つの第2のフレーム部22dとを有する。なお、第1のフレーム部22cと第2のフレーム部22dとの数はこれに限らない。
内枠部22aは、回転軸Axの径方向に延びる円盤状の部分である。内枠部22aは、回転軸Axに沿って延びる嵌合孔22eを有した円環状に形成される。内枠部22aは、嵌合孔22eの内周面から径方向に延びる複数の溝によって形成されるスプライン部22fをさらに有する。
図1に示すように、嵌合孔22eに、ブッシュ21の一方のボス部21aが嵌まる。ボス部21aから突出する係止部21bが、第1のディスクプレート22のスプライン部22fに嵌められる。これにより、第1のディスクプレート22がブッシュ21に取り付けられ、第1のディスクプレート22とブッシュ21とが回転軸Ax回りに一体的に回転可能となる。
図2に示すように、外枠部22bは、回転軸Axの径方向に延びる円盤状の部分である。外枠部22bは、隙間を介して内枠部22aを囲む円環状に形成される。すなわち、外枠部22bの内径は、内枠部22aの外径よりも大きい。
第1のフレーム部22cと第2のフレーム部22dとは、内枠部22aの外周と外枠部22dの内周との間を接続する。二つの第1のフレーム部22cは、内枠部22aから回転軸Axの径方向に、互いに反対方向に延びる。二つの第2のフレーム部22dは、内枠部22aから回転軸Axの径方向に、互いに反対方向に延びる。本実施形態において、第1のフレーム部22cが延びる方向と第2のフレーム部22dが延びる方向とは略直交するが、第1及び第2のフレーム部22c、22dが延びる方向はこれに限られない。
内枠部22a、外枠部22b、第1のフレーム部22c、及び第2のフレーム部22dは、複数の開口部22gを形成する。開口部22gは、第1のディスクプレート22に覆われたダンパ装置1の内部を露出させる。
図1に示すように、第1のディスクプレート22と第2のディスクプレート23とは、回転軸Axの軸方向に隙間を介して並んで配置される。第1のディスクプレート22と第2のディスクプレート23とは、軸方向に延びる第1の接続部材27によって互いに接続される。
第1の接続部材27の一方の端部は、第1のディスクプレート22に、例えばかしめによって固定される。第1の接続部材27の他方の端部は、第2のディスクプレート23に、例えばかしめによって固定される。第1の接続部材27は、第1のディスクプレート22と第2のディスクプレート23とが相対的に回転することを制限する。これにより、第1のディスクプレート22と第2のディスクプレート23とは、回転軸Ax回りに一体的に回転可能である。
第2のディスクプレート23は、第1のディスクプレート22と同じく、内枠部23a、外枠部23b、二つの第1のフレーム部23c、二つの第2のフレーム部23d(図4に示す)、嵌合孔23e、スプライン部23f、及び複数の開口部23gを有する。
第2のディスクプレート23の内枠部23a、外枠部23b、第1のフレーム部23c、第2のフレーム部23d、嵌合孔23e、スプライン部23f、及び開口部23gは、第1のディスクプレート22の内枠部22a、外枠部22b、第1のフレーム部22c、第2のフレーム部22d、嵌合孔22e、スプライン部22f、及び開口部22gと略同一形状を有するが、異なる形状を有しても良い。
第2のディスクプレート23の内枠部23a、外枠部23b、第1のフレーム部23c、及び第2のフレーム部23dは、第1のディスクプレート22の内枠部22a、外枠部22b、第1のフレーム部22c、及び第2のフレーム部22dと、回転軸Axの軸方向に並んで配置される。第2のディスクプレート23のスプライン部23fは、第1のディスクプレート22のスプライン部22fと、回転軸Axの周方向にずらされるが、一致するよう設けられても良い。
支持プレート24は、回転軸Axの径方向に延びる円盤状の部分である。支持プレート24は、第1及び第2のディスクプレート22,23の外枠部22b、23bより大きい円環状に形成される。
支持プレート24の内周部分は、例えば第1の接続部材27やネジによって、第1のディスクプレート22の外枠部22bに取り付けられる。支持プレート24は、第1のディスクプレート22の外枠部22bから、回転軸Axの径方向に張り出す。なお、支持プレート24は、第2のディスクプレート23のような他の部分に取り付けられても良い。
ライニング部25は、例えば、回転軸Axの径方向に延びる円盤状の部分である。ライニング部25は、隙間を介して第1及び第2のディスクプレート22,23を囲む円環状に形成される。
二つのライニング部25は、支持プレート24の外周部分において、回転軸Axの軸方向における支持プレート24の両側に取り付けられる。言い換えると、軸方向において、二つのライニング部25の間に支持プレート24が配置される。二つのライニング部25は、フライホイールに接触する。
フライホイールが回転すると、フライホイールとライニング部25との間の摩擦力により、ドライブプレート2が回転させられる。ダンパ装置1に作用するトルクが過剰になると、ライニング部25とフライホイールとの間で滑りが発生する。
中間プレート3は、回転軸Axの軸方向において、ドライブプレート2の第1のディスクプレート22と第2のディスクプレート23との間に配置される。中間プレート3は、第1のプレート31と、第2のプレート32とを有する。第1のプレート31は、第1の壁部の一例である。第2のプレート32は、第2の壁部の一例である。
回転軸Axの軸方向において、第1のプレート31は、第2のプレート32よりも、ドライブプレート2の第1のディスクプレート22に近く配置される。第2のプレート32は、第1のプレート31よりも、ドライブプレート2の第2のディスクプレート23に近く配置される。
図3は、ドライブプレート2を省略してダンパ装置1を示す正面図である。なお、図3は、ドライブプレート2の第1のディスクプレート22の外周部を二点鎖線で示す。図3に示すように、第1のプレート31は、中間部31aと、二つのアーム31bとを有する。アーム31bは、第2の延部の一例である。なお、アーム31bの数は二つに限らない。
中間部31aは、回転軸Axの径方向に延びる円盤状の部分である。中間部31aは、回転軸Axに沿って延びる挿通孔31cを有した円環状に形成される。挿通孔31cは、開口部の一例である。
図1に示すように、挿通孔31cに、ドライブプレート2のブッシュ21のボス部21aが嵌められる。挿通孔31cに嵌められたボス部21aは、第1のプレート31が回転軸Axの径方向に移動することを制限する。言い換えると、ブッシュ21のボス部21aは、第1のプレート31を回転軸Axに合わせて配置(センタリング)する。挿通孔31cの内周面とボス部21aとの外周面との間には、ボス部21aと第1のプレート31とを回転軸Ax回りに相対的に回転可能にする隙間が形成される。
図3に示すように、二つのアーム31bは、中間部31aから回転軸Axの径方向に、互いに反対方向に延びる。図3において、二つのアーム31bは、左上及び右下に延びる。回転軸Axの径方向において、回転軸Axからアーム31bの外周面までの長さは、回転軸Axから第1のディスクプレート22の外枠部22bの外周面までの長さよりも短い。
アーム31bの先端部に、二つの張出部31dが設けられる。張出部31dは、アーム31bの先端部から、回転軸Axの周方向の両側に突出した部分である。言い換えると、二つの張出部31dは、アーム31bの先端部から、回転軸Axの周方向において互いに反対方向に突出する。
図4は、図1と異なる位置におけるダンパ装置1の一部を示す断面図である。図4に示すように、第1のプレート31と第2のプレート32とは、回転軸Axの軸方向に隙間を介して並んで配置される。
第1のプレート31と第2のプレート32とに、回転軸Axの軸方向に延びる第2の接続部材34が取り付けられる。第2の接続部材34は、第1の固定部の一例である。第2の接続部材34は、第1のプレート31と第2のプレート32とを互いに接続する。
第2の接続部材34の一方の端部は、第1のプレート31に、例えばかしめによって固定される。第2の接続部材34の他方の端部は、第2のプレート32に、例えばかしめによって固定される。第2の接続部材34は、第1のプレート31と第2のプレート32とが相対的に回転することを制限する。これにより、第1のプレート31と第2のプレート32とは、回転軸Ax回りに一体的に回転可能である。
第2のプレート32は、第1のプレート31と同じく、中間部32a、二つのアーム32b、挿通孔32c、及び二つの張出部32d(図7に示す)を有する。第2のプレート32の中間部32a及びアーム32bは、第1のプレート31の中間部31a及びアーム31bと略同一形状を有するが、異なる形状を有しても良い。第2のプレート32の中間部32a及びアーム32bは、第1のプレート31の中間部31a及びアーム31bと、回転軸Axの軸方向に並んで配置される。
ドリブンプレート4は、例えば、入力軸を介して、トランスミッションに接続される。なお、ドリブンプレート4はトランスミッションに限らず、モータのような他の装置に接続されても良い。図1に示すように、ドリブンプレート4は、内側ハブ41と、外側ハブ42と、スプリング43とを有する。
内側ハブ41は、ボス部41aと、複数の係止部41bとを有する。ボス部41aは、回転軸Axに沿って延びる略円筒状の部分である。ボス部41aの内側に入力軸が嵌められる。ボス部41aと入力軸との間で、例えばスプラインやキーを介して回転が伝達される。係止部41bは、ボス部41aの外周面から、回転軸Axの径方向にそれぞれ突出する部分である。
内側ハブ41のボス部41aは、ドライブプレート2のブッシュ21のボス部21aの内側に嵌められる。内側ハブ41のボス部41aの外周面と、ブッシュ21のボス部21aの内周面との間には、内側ハブ41のボス部41aとブッシュ21のボス部21aとを回転軸Ax回りに相対的に回転可能にする隙間が形成される。
ドライブプレート2のブッシュ21の二つのボス部21aは、回転軸Axの軸方向において、内側ハブ41の係止部41bの両側に配置される。言い換えると、ブッシュ21の二つのボス部21aの間の隙間に、内側ハブ41の係止部41bが配置される。
外側ハブ42は、回転軸Axの軸方向において、中間プレート3の第1のプレート31と第2のプレート32との間に配置される。なお、外側ハブ42はこれに限らず、第1及び第2のプレート31,32の外側に配置されても良い。
図3に示すように、外側ハブ42は、中間部42aと、二つのアーム42bとを有する。なお、図3は、内側ハブ41及びスプリング43を省略してドリブンプレート4を示す。アーム42bは、第1の延部の一例である。アーム42bの数は二つに限らない。
中間部42aは、回転軸Axの径方向に延びる円盤状の部分である。中間部42aは、回転軸Axに沿って延びる挿通孔42cを有した円環状に形成される。中間部42aは、挿通孔42cの内周面から径方向に延びる複数の溝によって形成されるスプライン部42dをさらに有する。
内側ハブ41のボス部41aは、外側ハブ42の挿通孔42cの内側に嵌められる。内側ハブ41のボス部41aの外周面と、外側ハブ42の挿通孔42cの内周面との間には、内側ハブ41と外側ハブ42とを回転軸Ax回りに相対的に回転可能にする隙間が形成される。
図1に示すように、外側ハブ42のスプライン部42dに、内側ハブ41の係止部41bが嵌められる。回転軸Axの周方向において、外側ハブ42のスプライン部42dの端部と、内側ハブ41係止部41bの端部との間に隙間が形成される。これにより、内側ハブ41と外側ハブ42とは、所定の角度だけ相対的に回転可能である。
内側ハブ41と外側ハブ42とが所定の角度だけ相対的に回転すると、回転軸Axの周方向における外側ハブ42のスプライン部42dの端部と、内側ハブ41係止部41bの端部とが接触する。これにより、内側ハブ41と外側ハブ42とのさらなる相対的な回転が制限される。
スプリング43は、コイル状の圧縮バネである。スプリング43は、回転軸Axの周方向における、外側ハブ42のスプライン部42dの端部と、内側ハブ41係止部41bの端部との間の隙間に配置される。言い換えると、スプリング43は、周方向において、内側ハブ41と外側ハブ42との間に介在する。
スプリング43は、内側ハブ41と外側ハブ42とが回転軸Ax回りに相対的に回転すると、回転軸Axの周方向における、外側ハブ42のスプライン部42dの端部と、内側ハブ41係止部41bの端部とによって圧縮される。スプリング43は、回転軸Ax回りの一方向に相対的に回転した内側ハブ41と外側ハブ42とに、反対方向に回転する力を作用させる。
図3に示すように、外側ハブ42の二つのアーム42bは、中間部42aから回転軸Axの径方向に、互いに反対方向に延びる。図3において、二つのアーム42bは、右上及び左下に延びる。回転軸Axの径方向において、回転軸Axからアーム42bの外周面までの長さは、回転軸Axから第1のディスクプレート22の外枠部22bの外周面までの長さよりも短い。
図2に示すように、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない場合、外側ハブ42のアーム42bは、回転軸Axの軸方向において、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cに重ねられる。なお、外側ハブ42のアーム42bと、第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cとの位置はこれに限られない。
アーム42bの先端部に、二つの張出部42eが設けられる。張出部42eは、アーム42bの先端部から、回転軸Axの周方向の両側に突出した部分である。言い換えると、二つの張出部42eは、アーム42bの先端部から、回転軸Axの周方向において互いに反対方向に突出する。
回転軸Axの周方向において、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bの幅は、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b、32bの幅よりも広い。なお、回転軸Axの周方向における外側ハブ42のアーム42bの幅と、第1及び第2のプレート31,32のアーム31b、32bの幅とは、これに限らない。
ダンパ装置1は、二つの第1のトーションスプリング5と、二つの第2のトーションスプリング6と、ストッパ機構7とをさらに有する。第1のトーションスプリング5は、第1の弾性部及び第1のコイルスプリングの一例である。第2のトーションスプリング6は、第2の弾性部及び第2のコイルスプリングの一例である。なお、第1のトーションスプリング5と第2のトーションスプリング6との数は二つに限らない。図2及び図3は、第1のトーションスプリング5及び第2のトーションスプリング6の断面を模式的に示す。
第1のトーションスプリング5は、コイル状の圧縮バネである。第1のトーションスプリング5は、回転軸Axの周方向において、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bと、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bとの間に介在する。
また、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない場合、第1のトーションスプリング5は、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム22c,23cと、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bとの間にも介在する。
第2のトーションスプリング6は、コイル状の圧縮バネである。第2のトーションスプリング6は、回転軸Axの周方向において、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bと、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cとの間に介在する。
また、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない場合、第2のトーションスプリング6は、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bと、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bとの間にも介在する。
第2のトーションスプリング6の長さは、第1のトーションスプリング5の長さと略同一である。第2のトーションスプリング6のバネ定数は、第1のトーションスプリング5のバネ定数よりも大きい。なお、第1及び第2のバネ5,6の長さ及びバネ定数はこれに限らない。
ストッパ機構7は、二つの第1のシート71と、二つの第2のシート72と、二つの第3のシート73と、二つの第4のシート74とを有する。第1のシート71は、第1のストッパ部及び第1の支持部材の一例である。第2のシート72は、第2のストッパ部及び第2の支持部材の一例である。第3のシート73は、第3のストッパ部及び第3の支持部材の一例である。第4のシート74は、第4のストッパ部及び第4の支持部材の一例である。第1乃至第4のシート71〜74は、例えば、合成樹脂材料によって作られる。なお、第1乃至第4のシート71〜74の材料はこれに限られない。
二つの第1のシート71は、ドリブンプレート4の外側ハブ42の二つのアーム42bにそれぞれ取り外し可能に支持される。第1のシート71は、外側ハブ42のアーム42bに設けられた張出部42eによって支持される。
同時に、二つの第1のシート71は、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の二つの第1のフレーム部22c,23cにも取り外し可能に支持される。第1のシート71は、第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cによっても支持される。
図5は、ドライブプレート2、ドリブンプレート4、第1のシート71、及び第4のシート74を概略的に示す上面図である。図6は、中間プレート3、ドリブンプレート4、第1のシート71、及び第2のシート72を示す断面図である。図5に示すように、第1のシート71は、支持壁71aと、二つの延壁71bと、凸部71cと、覆部71dとを有する。凸部71cは、第1の凸部の一例である。
支持壁71aは、回転軸Axの周方向における、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bの一方の端部を覆う。図3に示すように、支持壁71aは、第1のトーションスプリング5の一方の端部5aを支持する。
図5に示すように、二つの延壁71bは、支持壁71aから回転軸Axの周方向にそれぞれ延び、回転軸Axの軸方向に隙間を介して並んで配置される。二つの延壁71bの間に、外側ハブ42のアーム42bが配置される。さらに、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cの間に、二つの延壁71bが配置される。これにより、外側ハブ42のアーム42bと、第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cとは、第1のシート71が軸方向に移動することを制限する。
支持壁71aと二つの延壁71bとによって、回転軸Axの周方向に開口する凹部71eが形成される。凹部71eに、外側ハブ42の張出部42eが嵌められる。これにより、第1のシート71は、外側ハブ42の張出部42eによって支持される。
図6に示すように、例えば外側ハブ42の張出部42eに設けられた凸部142eが第1のシート71の支持壁71aに設けられた凹部171aに挿入されることで、外側ハブ42の張出部42eが第1のシート71を支持する。当該凸部142e及び凹部171aを挟んだ回転軸Axの径方向の内側及び外側の少なくとも一方に、隙間Gが形成される。すなわち、外側ハブ42が第1のシート71を支持した状態で、外側ハブ42と第1のシート71との間に隙間(空間)Gが設けられる。当該隙間Gが設けられるため、第1のシート71は、外側ハブ42に対して揺動可能である。
ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cに、回転軸Axの周方向に開口する凹部22h,23hがそれぞれ形成される。凹部22h,23hに、第1のシート71の延壁71bがそれぞれ嵌められる。これにより、第1のシート71は、第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cによって揺動可能に支持される。
図3に示すように、凸部71cは、支持壁71aから、回転軸Axの周方向に突出する。凸部71cは、略円柱状に形成されるが、他の形に形成されても良い。凸部71cは、第1のトーションスプリング5の一方の端部5aから、第1のトーションスプリング5の内部に挿入される。言い換えると、凸部71cは、第1のトーションスプリング5の内部に配置される。
覆部71dは、支持壁71aから、回転軸Axの周方向に延びる。覆部71dは、二つの延壁71bの反対方向に延びる。覆部71dは、第1のトーションスプリング5の一部を、回転軸Axの径方向における外側から覆う。
二つの第2のシート72は、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32の二つのアーム31b,32bにそれぞれ支持される。第2のシート72は、第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bに設けられた張出部31d,32dによって支持される。
図7は、中間プレート3と、第2のシート72と、第3のシート73とを概略的に示す上面図である。図7に示すように、第2のシート72は、支持壁72aと、三つの延壁72bと、凸部72cとを有する。凸部72cは、第2の凸部の一例である。
支持壁72aは、回転軸Axの周方向における、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bの一方の端部を覆う。図3に示すように、支持壁72aは、第1のトーションスプリング5の他方の端部5bを支持する。
図7に示すように、三つの延壁72bは、二つの外側延壁172bと、一つの内側延壁272bとを有する。外側延壁172bと内側延壁272bとは、支持壁72aから回転軸Axの周方向にそれぞれ延び、回転軸Axの軸方向に隙間を介して並んで配置される。二つの外側延壁172bの間に、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bがそれぞれ配置される。さらに、第1のプレート31のアーム31bと、第2のプレート32のアーム32bとの間に、一つの内側延壁272bが配置される。これにより、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bは、第2のシート72が軸方向に移動することを制限する。なお、外側延壁172b及び内側延壁272bのいずれか一方が省略されても良い。
支持壁72aと三つの延壁72bとによって、回転軸Axの周方向に開口する凹部72dが形成される。すなわち、外側延壁172bと内側延壁272bとの間に凹部72dが形成される。凹部72dに、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32の張出部31d,32dが嵌められる。これにより、第2のシート72は、第1及び第2のプレート31,32の張出部31d,32dによって支持される。
図6に示すように、例えば第1及び第2のプレート31,32の張出部31d,32dに設けられた凸部131dが第2のシート72の支持壁72aに設けられた凹部172aに挿入されることで、第1及び第2のプレート31,32の張出部31d,32dが第2のシート72を支持する。当該凸部131d及び凹部172aを挟んだ回転軸Axの径方向の内側及び外側の少なくとも一方に、隙間Gが形成される。すなわち、第1及び第2のプレート31,32が第2のシート72を支持した状態で、第1及び第2のプレート31,32と第2のシート72との間に隙間(空間)Gが設けられる。当該隙間Gが設けられるため、第2のシート72は、第1及び第2のプレート31,32に対して揺動可能である。
図3に示すように、凸部72cは、支持壁72aから、回転軸Axの周方向に突出する。回転軸Axの周方向において、第2のシート72の凸部72cは、第1のシート71に向かって突出する。さらに、第1のシート71の凸部71cは、第2のシート72に向かって突出する。
凸部72cは、略円柱状に形成されるが、他の形に形成されても良い。凸部72cは、第1のトーションスプリング5の他方の端部5bから、第1のトーションスプリング5の内部に挿入される。言い換えると、凸部72cは、第1のトーションスプリング5の内部に配置される。
二つの第3のシート73は、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32の二つのアーム31b,32bにそれぞれ支持される。第3のシート73は、第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bに設けられた張出部31d,32dによって支持される。
第3のシート73は、支持壁73aと、三つの延壁73bと、凸部73cとを有する。凸部73cは、第3の凸部の一例である。
支持壁73aは、回転軸Axの周方向における、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bの他方の端部を覆う。支持壁73aは、第2のトーションスプリング6の一方の端部6aを支持する。
図7に示すように、三つの延壁73bは、二つの外側延壁173bと、一つの内側延壁273bとを有する。外側延壁173bと内側延壁273bとは、支持壁73aから回転軸Axの周方向にそれぞれ延び、回転軸Axの軸方向に隙間を介して並んで配置される。二つの外側延壁173bの間に、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bが配置される。さらに、第1のプレート31のアーム31bと、第2のプレート32のアーム32bとの間に、一つの内側延壁273bが配置される。これにより、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bは、第3のシート73が軸方向に移動することを制限する。なお、外側延壁173b及び内側延壁273bのいずれか一方が省略されても良い。
支持壁73aと三つの延壁73bとによって、回転軸Axの周方向に開口する凹部73dが形成される。すなわち、外側延壁173bと内側延壁273bとの間に凹部72dが形成される。凹部73dに、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32の張出部31d,32dが嵌められる。これにより、第3のシート73は、第1及び第2のプレート31,32の張出部31d,32dによって揺動可能に支持される。第2のシート72と同様に、第1及び第2のプレート31,32が第3のシート73を支持した状態で、第1及び第2のプレート31,32と第3のシート73との間に、第3のシート73を揺動可能にする隙間Gが設けられる。
第2及び第3のシート72,73は、中間プレート3が第2及び第3のシート72,73を支持する部分を中心に、回転軸Axに近づく方向又は回転軸Axから遠ざかる方向に揺動可能である。例えば、第2及び第3のシート72,73は、図7の手前側又は奥側に向かって揺動可能である。
図3に示すように、凸部73cは、支持壁73aから、回転軸Axの周方向に突出する。凸部73cは、略円柱状に形成されるが、他の形に形成されても良い。凸部73cは、第2のトーションスプリング6の一方の端部6aから、第2のトーションスプリング6の内部に挿入される。言い換えると、凸部73cは、第2のトーションスプリング6の内部に配置される。
図5に示すように、二つの第4のシート74は、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の二つの第1のフレーム部22c,23cにそれぞれ取り外し可能に支持される。第4のシート74は、第1及び第2のディスクプレート22,23の二つの第1のフレーム部22c,23cによって支持される。
同時に、二つの第4のシート74は、ドリブンプレート4の外側ハブ42の二つのアーム42bにもそれぞれ取り外し可能に支持される。第4のシート74は、外側ハブ42のアーム42bに設けられた張出部42eによっても支持される。
第4のシート74は、支持壁74aと、二つの延壁74bと、凸部74cと、覆部74dとを有する。凸部74cは、第4の凸部の一例である。
支持壁74aは、回転軸Axの周方向における、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bの他方の端部を覆う。図3に示すように、支持壁74aは、第2のトーションスプリング6の他方の端部6bを支持する。
図5に示すように、二つの延壁74bは、支持壁74aから回転軸Axの周方向にそれぞれ延び、回転軸Axの軸方向に隙間を介して並んで配置される。二つの延壁74bの間に、外側ハブ42のアーム42bが配置される。さらに、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cの間に、二つの延壁74bが配置される。これにより、外側ハブ42のアーム42bと、第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cとは、第4のシート74が軸方向に移動することを制限する。
支持壁74aと二つの延壁74bとによって、回転軸Axの周方向に開口する凹部74eが形成される。凹部74eに、外側ハブ42の張出部42eが嵌められる。これにより、第4のシート74は、外側ハブ42の張出部42eによって揺動可能に支持される。第1のシート71と同様に、外側ハブ42が第4のシート74を支持した状態で、外側ハブ42と第4のシート74との間に、第4のシート74を揺動可能にする隙間Gが設けられる。
ドライブプレート2に形成された凹部22h,23hに、第4のシート74の延壁74bがそれぞれ嵌められる。これにより、第4のシート74は、第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c,23cによって揺動可能に支持される。
第1及び第4のシート71,74は、ドリブンプレート4及びドライブプレート2が第1及び第4のシート71,74を支持する部分を中心に、回転軸Axに近づく方向又は回転軸Axから遠ざかる方向に揺動可能である。例えば、第1及び第4のシート71,74は、図5の手前側又は奥側に向かって揺動可能である。
第1及び第4のシート71,74は、ドリブンプレート4とドライブプレート2とが相対的に回転すると、ドリブンプレート4及びドライブプレート2のいずれか一方に支持される。例えば、ドリブンプレート4とドライブプレート2が相対的に回転すると、ドリブンプレート4が図5の左方向に移動する。この場合、第1のシート71はドリブンプレート4に支持されるとともに、ドライブプレート2から外れる。一方、第4のシート74はドライブプレート2に支持されるとともに、ドリブンプレート4から外れる。
図3に示すように、凸部74cは、支持壁74aから、回転軸Axの周方向に突出する。回転軸Axの周方向において、第4のシート74の凸部74cは、第3のシート73に向かって突出する。さらに、第3のシート73の凸部73cは、第4のシート74に向かって突出する。
凸部74cは、略円柱状に形成されるが、他の形に形成されても良い。凸部74cは、第2のトーションスプリング6の他方の端部6bから、第2のトーションスプリング6の内部に挿入される。言い換えると、凸部74cは、第2のトーションスプリング6の内部に配置される。
覆部74dは、支持壁74aから、回転軸Axの周方向に延びる。覆部74dは、二つの延壁74bの反対方向に延びる。覆部74dは、第2のトーションスプリング6の一部を、回転軸Axの径方向における外側から覆う。
第1のトーションスプリング5は、回転軸Axの周方向において、ドリブンプレート4及びドライブプレート2に支持された第1のシート71と、中間プレート3に支持された第2のシート72との間に介在する。ドリブンプレート4、中間プレート3、及びドライブプレート2が相対的に回転すると、第1及び第2のシート71,72に支持された第1のトーションスプリング5が圧縮又は引張され、弾性変形する。
相対的に回転することにより、回転軸Ax回りの中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度が小さくなると、第1のトーションスプリング5は圧縮される。圧縮された第1のトーションスプリング5は、中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度を大きくするよう、中間プレート3とドリブンプレート4とを押す。
第2のトーションスプリング6は、回転軸Axの周方向において、中間プレート3に支持された第3のシート73と、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に支持された第4のシート74との間に介在する。ドリブンプレート4、中間プレート3、及びドライブプレート2が相対的に回転すると、第3及び第4のシート73,74に支持された第2のトーションスプリング6が圧縮又は引張され、弾性変形する。
相対的に回転することにより、回転軸Ax回りのドライブプレート2と中間プレート3との間の角度が小さくなると、第2のトーションスプリング6は圧縮される。圧縮された第2のトーションスプリング6は、ドライブプレート2と中間プレート3との間の角度を大きくするよう、ドライブプレート2と中間プレート3とを押す。
ドライブプレート2とドリブンプレート4とに外力が作用しない場合、第1及び第2のトーションスプリング5,6によって、回転軸Ax回りのドライブプレート2と中間プレート3との間の角度が一定に保たれる。同様に、中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度が一定に保たれる。このとき、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bが延びる方向と、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bが延びる方向とは略直交する。なお、それぞれのアーム31b,32b,42bが延びる方向はこれに限らない。
第1のトーションスプリング5は、第1のシート71をドライブプレート2及びドリブンプレート4に向かって押す。これにより、第1のシート71は、ドライブプレート2及びドリブンプレート4の少なくとも一方によって支持される。同様に、第1のトーションスプリング5は、第2のシート72を中間プレート3に向かって押す。これにより、第2のシート72は、中間プレート3によって支持される。
第1のトーションスプリング5は、揺動可能な第1のシート71及び第2のシート72を押す。これにより、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない場合、第1のシート71の支持壁71aと第2のシート72の支持壁72aとは、略平行に保たれる。
第1のトーションスプリング5は、第1及び第2のディスクプレート22,23が第1のトーションスプリング5を押すと、反力によって回転軸Axの径方向の外側に向かって扇状に撓む。言い換えれば、第1のトーションスプリング5の両端部5a,5bは、第1及び第2のディスクプレート22,23の周方向に沿って移動する。第1のトーションスプリング5がこのように撓むことで、第1のトーションスプリング5の長さ(ストローク)が延びる。
第1及び第2のシート71,72は、第1のトーションスプリング5の撓みに応じて揺動する。このため、第1のシート71と第2のシート72との間の角度は変化可能である。第1のシート71の覆部71dが、撓んだ第1のトーションスプリング5を支持する。
第2のトーションスプリング6は、第3のシート73を中間プレート3に向かって押す。これにより、第3のシート73は、中間プレート3によって支持される。同様に、第2のトーションスプリング6は、第4のシート74をドライブプレート2及びドリブンプレート4に向かって押す。これにより、第4のシート74は、ドライブプレート2及びドリブンプレート4の少なくとも一方によって支持される。
第2のトーションスプリング6は、揺動可能な第3のシート73及び第4のシート74を押す。これにより、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない場合、第3のシート73の支持壁73aと第4のシート74の支持壁74aとは、略平行に保たれる。
第2のトーションスプリング6は、第1及び第2のプレート31,32が第2のトーションスプリング6を押すと、反力によって回転軸Axの径方向の外側に向かって扇状に撓む。言い換えれば、第2のトーションスプリング6の両端部6a,6bは、第1及び第2のプレート31,32の周方向に沿って移動する。第2のトーションスプリング6がこのように撓むことで、第2のトーションスプリング6の長さ(ストローク)が延びる。
第3及び第4のシート73,74は、第2のトーションスプリング6の撓みに応じて揺動する。このため、第3のシート73と第4のシート74との間の角度は変化可能である。第4のシート74の覆部74dが、撓んだ第2のトーションスプリング6を支持する。
上述のように、ダンパ装置1のドライブプレート2は、フライホイールを介してエンジンのクランクシャフトに接続される。ドリブンプレート4は、入力軸を介してトランスミッションに接続される。エンジンが駆動することによってフライホイールに伝達されるトルクは、例えば、ドライブプレート2から、第4のシート74、第2のトーションスプリング6、第3のシート73、中間プレート3、第2のシート72、第1のトーションスプリング5、及び第1のシート72を通って、ドリブンプレート4に伝達される。ドリブンプレート4は、当該トルクを、入力軸を通してトランスミッションに伝達する。
エンジンのクランクシャフトの回転速度は、ドライバーの操作やエンジンの行程によって変動する。このようなクランクシャフトの回転速度の変化により、入力軸の回転速度がクランクシャフトの回転速度よりも速くなる場合がある。この場合、トルクは、例えば、ドリブンプレート4から、第1のシート72、第1のトーションスプリング5、第2のシート72、中間プレート3、第3のシート73、第2のトーションスプリング6、及び第4のシート74を通って、ドライブプレート2に伝達され得る。
ドライブプレート2とドリブンプレート4との間のトルクの伝達経路において、第1のトーションスプリング5と、第2のトーションスプリング6とが直列に接続される。直列に接続された二つのバネのバネ定数は、計算上、並列に接続された二つのバネのバネ定数の四分の一となる。このため、第1のトーションスプリング5と第2のトーションスプリング6とを直列に接続したダンパ装置1の捩れ剛性は、第1のトーションスプリング5と第2のトーションスプリング6とを並列に接続した場合の捩れ剛性よりも低くなり得る。
図4に示すように、ダンパ装置1は、複数の第1の摩擦部材11と、第1の板バネ12と、複数の第2の摩擦部材13と、第2の板バネ14と、をさらに有する。
複数の第1の摩擦部材11は、ドライブプレート2の第1のディスクプレート22と、第2のディスクプレート23とにそれぞれ取り付けられる。第1の摩擦部材11は、回転軸Axの軸方向において、ドライブプレート2と中間プレート3との間に介在する。第1の摩擦部材11は、中間プレート3との間に摩擦力を生じさせる。
第1の板バネ12は、第1の摩擦部材11と第2のディスクプレート23との間に介在する。第1の板バネ12は、第1の摩擦部材11を中間プレート3に向かって押す。第1の板バネ12は、第1の摩擦部材11と中間プレート3との間に生じる摩擦力を大きくする。
複数の第2の摩擦部材13は、中間プレート3の第1のプレート31と第2のプレート32とにそれぞれ取り付けられる。第2の摩擦部材13は、回転軸Axの軸方向において、中間プレート3とドリブンプレート4との間に介在する。第2の摩擦部材13は、ドリブンプレート4との間に摩擦力を生じさせる。
第2の板バネ14は、第2の摩擦部材13と中間プレート3の第1のプレート31との間に介在する。第2の板バネ14は、第2の摩擦部材13をドリブンプレート4に向かって押す。第2の板バネ14は、第2の摩擦部材13とドリブンプレート4との間に生じる摩擦力を大きくする。
以下、上記構成のダンパ装置1の作用の一例について説明する。なお、ダンパ装置1の作用は、以下に説明されるものに限らない。
図8は、ダンパ装置1の特性の一例を示すグラフである。図8において、縦軸は、ダンパ装置1に作用するトルクを示す。横軸は、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない状態からの、ドライブプレート2とドリブンプレート4との間の相対的な回転角度(捩れ角)を示す。すなわち、図8のグラフは、ダンパ装置1に作用するトルクに対する、ドライブプレート2とドリブンプレート4との間の捩れ角を示す。
図8のグラフの傾きは、ダンパ装置1の捩れ剛性に比例する。すなわち、グラフの傾きが小さいほど、ダンパ装置1の捩れ剛性は低い。ダンパ装置1の捩れ剛性が高いほど、ドライブプレート2に対してドリブンプレート4が相対的に回転しやすい。
図8に示すように、ダンパ装置1のトルクに対する捩れ角のグラフは、捩れ角に応じて直列領域F1、並列領域F2、及び当接領域F3の三つの領域を有する。直列領域F1、並列領域F2、及び当接領域F3における、ダンパ装置1の固有角振動数はそれぞれ異なる。なお、ダンパ装置1はこれに限らず、これら三つの領域のいずれか二つの領域のみを有しても良い。
図9は、直列領域F1におけるダンパ装置1を示す正面図である。直列領域F1は、直列に接続された第1のトーションスプリング5と第2のトーションスプリング6とがエンジンの回転変動を減衰させる領域である。すなわち、直列領域F1において、第1のトーションスプリング5と第2のトーションスプリング6とは、ともに伸縮可能である。
直列領域F1において、ダンパ装置1にトルクが作用すると、ドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4が回転軸Ax回りに相対的に回転する。すなわち、ダンパ装置1にトルクが作用することによって、ドライブプレート2とドリブンプレート4との間の捩れ角θtが生じる。
トルクが大きくなるに従って、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bと、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bとの間の角度θ1が小さくなる。さらに、トルクが大きくなるに従って、ドライブプレート2の第1及び第2のディスクプレート22,23の第1のフレーム部22c、23cと、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b,32bとの間の角度θ2が小さくなる。
図8に示すように、ダンパ装置1に作用するトルクが増大することで捩れ角が第1の当接捩れ角θt1に到達すると、ダンパ装置1は、直列領域F1から並列領域F2に変移する。第1の当接捩れ角θt1は、第1の角度の一例である。並列領域F2におけるトルクに対する捩れ角のグラフの傾きは、直列領域F1おけるトルクに対する捩れ角のグラフの傾きよりよりも大きい。すなわち、並列領域F2におけるダンパ装置1の捩れ剛性は、直列領域F1におけるダンパ装置1の捩れ剛性よりも高い。
図10は、並列領域F2におけるダンパ装置1を示す正面図である。図10に示すように、捩れ角が第1の当接捩れ角θt1に到達すると、中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度θ1は、第1の当接角度θ1maxに到達する。
中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度が第1の当接角度θ1maxまで小さくなると、第1のシート71の凸部71cは、第2のシート72の凸部72cに接触する。第1のシート71の凸部71cは、第2のシート72の凸部72cに接触することで、中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度が第1の当接角度θ1maxより小さくなることを制限する。言い換えると、第1及び第2のシート71,72は、互いに当接し、第1のトーションスプリング5が縮むことを制限する。
このように、ドライブプレート2に対してドリブンプレート4が、回転方向の一方側に第1当接捩れ角θt1回転すると、第1のシート71の凸部71cは、第2のシート72の凸部72cに接触する。これにより、第1及び第2のシート71,72は、ドリブンプレート4が中間プレート3に対して回転方向の一方側に相対的に回転することを制限する。
一方、第3のシート73の凸部73cは、第4のシート74の凸部74cから離間したままである。このため、並列領域F2において、第2のトーションスプリング6は伸縮可能である。
上述のように、並列領域F2において、第1のトーションスプリング5が縮むことが制限され、第2のトーションスプリング6は伸縮可能である。すなわち、並列領域F2は、並列に接続された二つの第2のトーションスプリング6がエンジンの回転変動を減衰させる領域である。
中間プレート3とドリブンプレート4との間の角度が第1の当接角度θ1maxまで小さくなったときに、コイル状に巻かれた第1のトーションスプリング5の隣り合う金属線は、互いに離間したままである。すなわち、第1及び第2のシート71,72が無い場合、第1のトーションスプリング5はさらに圧縮され得る。第1及び第2のシート71,72は、互いに当接することで、第1のトーションスプリング5が過剰に圧縮され、密着限界が生じることを抑制する。
図8に示すように、ダンパ装置1に作用するトルクが増大することで捩れ角が第2の当接捩れ角θt2に到達すると、ダンパ装置1は、並列領域F2から当接領域F3に変移する。第2の当接捩れ角θt2は、第2の角度の一例である。第2の当接捩れ角θt2は、第1の当接捩れ角θt1よりも大きい。当接領域F3において、トルクの増加に対する捩れ角の増加は止まる。すなわち、当接領域F3におけるダンパ装置1の捩れ剛性は、並列領域F2におけるダンパ装置1の捩れ剛性よりも高い。
図11は、当接領域F3におけるダンパ装置1を示す正面図である。図11に示すように、捩れ角が第2の当接捩れ角θt2に到達すると、ドライブプレート2と中間プレート3との間の角度θ2は、第2の当接角度θ2maxに到達する。
ドライブプレート2と中間プレート3との間の角度が第2の当接角度θ2maxまで小さくなると、第3のシート73の凸部73cは、第4のシート74の凸部74cに接触する。第3のシート73の凸部73cは、第4のシート74の凸部74cに接触することで、ドライブプレート2と中間プレート3との間の角度が第2の当接角度θ2maxより小さくなることを制限する。言い換えると、第3及び第4のシート73,74は、互いに当接し、第2のトーションスプリング6が縮むことを制限する。
このように、ドライブプレート2に対してドリブンプレート4が、回転方向の一方側に第2当接捩れ角θt2回転すると、第3のシート73の凸部73cは、第4のシート74の凸部74cに接触する。これにより、第3及び第4のシート73,74は、中間プレート3がドライブプレート2に対して回転方向の一方側に相対的に回転することを制限する。
当接領域F3においても、第1のシート71の凸部71cと第2のシート72の凸部72cとは接触したままである。このため、当接領域F3においても、第1のトーションスプリング5が縮むことは制限される。
上述のように、当接領域F3において、第1のトーションスプリング5が縮むことと、第2のトーションスプリング6が縮むこととが、ともに制限される。すなわち、当接領域F3は、第1及び第2のトーションスプリング5,6がエンジンの回転変動を減衰させない領域である。
第1及び第2のシート71,72の凸部71c、72cの長さは、第3及び第4のシート73,74の凸部73c、74cの長さよりも短い。このため、第1の当接角度θ1maxは、第2の当接角度θ2maxよりも小さい。これにより、第1及び第2のシート71,72が接触した後に、第3及び第4のシート73,74が接触する。
ドライブプレート2と中間プレート3との間の角度が第2の当接角度θ2maxまで小さくなったときに、コイル状に巻かれた第2のトーションスプリング6の隣り合う金属線は、互いに離間したままである。すなわち、第3及び第4のシート73,74が無い場合、第2のトーションスプリング6はさらに圧縮され得る。第3及び第4のシート73,74は、互いに当接することで、第2のトーションスプリング6が過剰に圧縮され、密着限界が生じることを抑制する。
図8に示すように、ダンパ装置1に、常用トルクT1と、滑りトルクT2とが設定される。常用トルクT1は、エンジンの回転が常用域(例えば6,000rpm)である場合の最大のトルクである。滑りトルクT2は、ドライブプレート2のライニング部25とフライホイールとの間に滑りが生じるトルクである。すなわち、トルクが増加して滑りトルクT2に達すると、ドライブプレート2のライニング部25とフライホイールとの間に滑りが生じる。滑りトルクT2は、常用トルクT1よりも大きい。
ダンパ装置1は、トルクが常用トルクT1に到達したときに、捩れ角が第2の当接捩れ角θt2となるよう設定される。例えば、第1乃至第4のシート71〜74の凸部71c〜74cの長さや、第1及び第2のトーションスプリング5,6のバネ定数によって、トルクに対する第2の当接捩れ角θt2が調整され得る。
なお、ダンパ装置1は、トルクが常用トルクT1に到達した後に、捩れ角が第2の当接捩れ角θt2となるよう設定されても良い。この場合、トルクが滑りトルクT2に到達する前に、捩れ角が第2の当接捩れ角θt2となるように設定される。
さらに、ダンパ装置1は、ドライブプレート2及びドリブンプレート4に外力が作用しない状態から第1の当接捩れ角θt1に達するまでの捩れ角が、第1の当接捩れ角θt1から第2の当接捩れ角θt2に達するまでの捩れ角よりも大きくなるよう設定される。すなわち、第1当接捩れ角θt1は、第2当接捩れ角θt2と第1の当接捩れ角θt1との差よりも大きい。
第1の実施の形態に係るダンパ装置1において、ドリブンプレート4とドライブプレート2との間に、第1及び第2のトーションスプリング5,6が直列に介在し、第1及び第2のトーションスプリング5,6がともに圧縮される状態が得られる。よって、ドリブンプレート4とドライブプレート2との間に一つのトーションスプリングが介在する構成又は複数のトーションスプリングが並列に介在する構成と比べて、ダンパ装置1の捩れ剛性がより低く設定されやすい。また、中間プレート3が無く、ドリブンプレート4とドライブプレート2との間に一つの長いトーションスプリングが介在する構成と比べて、第1及び第2のトーションスプリング5,6の座屈が抑制されやすい。
さらに、ドライブプレート2に対してドリブンプレート4が回転方向の一方側に第1の当接捩れ角θt1回転した状態で、第1のシート71と第2のシート72とが接触し、ドリブンプレート4が中間プレート3に対して回転方向の一方側に相対的に回転することが制限される。また、前記ドライブプレート2に対して前記ドリブンプレート4が前記回転方向の一方側に第2の当接捩れ角θt2回転した状態で、第3のシート73と第4のシート74とが接触し、中間プレート3が前記ドライブプレート2に対して前記回転方向の一方側に相対的に回転することが制限される。したがって、コイルスプリングの密着限界によって二つの回転体の角度範囲が制限される構成に比べて、第1及び第2のトーションスプリング5,6の損傷が抑制されやすい。また、コイルスプリングが密着限界とならないよう、コイルスプリングの剛性が高められた構成に比べて、ダンパ装置1の捩れ剛性がより低く設定されやすい。
第1乃至第4のシート71〜74は、ドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4の相対回転を制限するとともに、第1及び第2のトーションスプリング5,6の端部5a,5b,6a,6bを支持する。これにより、ダンパ装置1の部品点数の増加が抑制され、ダンパ装置1がより小型化され得る。
第1乃至第4のシート71〜74は、対応するドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4に揺動可能にそれぞれ支持されるとともに、対応する第1及び第2のトーションスプリング5,6をそれぞれ支持する。第1及び第2のトーションスプリング5,6と対応するドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4との間に第1乃至第4のシート71〜74があり、ストッパ部は、揺動可能に支持される場合、回転体の周方向に沿ってストッパ部が移動できる空間が形成されるため、ストッパ部が移動できる領域を広くとることができる。
第1及び第2のトーションスプリング5,6は、コイルスプリングである。第1乃至第4のシート71〜74は、第1及び第2のトーションスプリング5,6の内部に配置され、ドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4の相対回転を制限する第1乃至第4の凸部71c〜74cを有する。これにより、第1乃至第4のシート71〜74がより小型化され得る。
第1の当接捩れ角θt1と第2の当接捩れ角θt2とが異なる。このため、ダンパ装置1に作用するトルクによって生じるドリブンプレート4とドライブプレート2との間の捩れ角θtにより、直列に接続された第1のトーションスプリング5及び第2のトーションスプリング6がダンパ装置1の捩れ剛性を生じさせる状態(直列領域F1)と、第2のトーションスプリング6がダンパ装置1の捩れ剛性を生じさせる状態(並列領域F2)と、第1乃至第4のシート71〜74によって相対回転が制限されたドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4がダンパ装置1の捩れ剛性を生じさせる状態(当接領域F3)と、にダンパ装置1が変移する。すなわち、複数種類の捩れ方向の固有角振動数が設定され得る。このような複数の捩れ剛性を組み合わせることにより、回転変動を減衰させることがより容易になる。さらに、複数の捩れ剛性を調整することにより、所定の捩れ角の範囲内において、各捩れ剛性の割り振りができる。このため、ダンパ装置1が単一の捩れ剛性だけを持つ場合と比較して、所望のトルク容量を確保することができる。
第1乃至第4のシート71〜74が合成樹脂材料によって作られる。これにより、例えば金属材料で構成されたような場合に比べて、第1乃至第4のシート71〜74の摩耗や騒音が抑制されやすい。
中間プレート3は、回転軸Axの軸方向において、ドリブンプレート4の両側に配置される第1のプレート31と第2のプレート32とを有する。第1のトーションスプリング5は、中間プレート3とドリブンプレート4との間に介在し、中間プレート3及びドリブンプレート4によって圧縮される。第1のトーションスプリング5が圧縮される際、断面の中央部に力を作用された方が、偏った位置に力を作用されるよりも性能上及び耐久性上有利である。
第1のトーションスプリング5の断面中央部に力を作用させるために、例えば、中間プレート3及びドリブンプレート4の少なくとも一方を回転軸Axの軸方向に曲げることで、回転軸Axの軸方向における中間プレート3が第1のトーションスプリング5を押す位置と、ドリブンプレート4が第1のトーションスプリング5を押す位置とを一致させる方法がある。しかし、中間プレート3及びドリブンプレート4の少なくとも一方を曲げると、例えば遠心力の影響によって、曲げられた部分の耐久性が低下しやすい。当該耐久性の低下を抑制するために中間プレート3及びドリブンプレート4の厚さを増大させると、ダンパ装置1の回転軸Axの軸方向の大きさが増大する。
一方、本実施形態のダンパ装置1のように、中間プレート3が第1及び第2のプレート31,32を有し、ドリブンプレート4が回転軸Axの軸方向において第1及び第2のプレート31,32の間に配置されることで、ドリブンプレート4が第1のトーションスプリング5の断面中央部に力を作用させることができる。さらに、第1及び第2のプレート31,32が第1のトーションスプリング5にバランス良く力を作用させることができる。この構造では、中間プレート3及びドリブンプレート4の少なくとも一方を曲げる必要が無い。これにより、中間プレート3の強度の低下とダンパ装置1の大きさの増大とが抑制される。
第1のプレート31は、第2のプレート32と一体的に回転軸Ax回りに回転可能である。このため、第1のプレート31と第2のプレート32とが、一体化されていない場合に比べて、第1及び第2のトーションスプリング5,6により安定的に力を作用させ、弾性変形させる。これにより、ダンパ装置1の性能がより安定化され得る。
第2の接続部材34が、第1のプレート31と第2のプレート32とに取り付けられ、第1のプレート31と第2のプレート32とが相対的に回転することを制限する。これにより、第1のプレート31と第2のプレート32とが一体的に回転軸Ax回りに回転可能となり、ダンパ装置1の性能がより安定化され得る。
第1及び第2のプレート31,32は、回転軸Axの軸方向に沿った第2及び第3のシート72,73の移動を制限する。このため、回転軸Axの軸方向において第2のシート72と第3のシート73との位置がずれることが抑制される。これにより、第1及び第2のトーションスプリング5,6の位置や姿勢の変化が抑制され、ダンパ装置1の性能がより安定化され得る。
ブッシュ21のボス21aが、中間プレート3に取り付けられ、中間プレート3が回転軸Axの径方向に移動することを制限する。これにより、ドライブプレート2が第1及び第2のトーションスプリング5,6に圧縮力又は引張力を作用させる回転軸Axの径方向における位置が変わることが抑制され、ダンパ装置1の性能がより安定化され得る。
回転軸Axに沿って延びる第2のブッシュ21のボス21aが、中間プレート3に設けられた挿通孔31c,32cの中に配置されることで、中間プレート3が回転軸Axの径方向に移動することを制限する。これにより、比較的簡単な構成によって、中間プレート3が回転軸Axの径方向において移動することが抑制される。
回転軸Axの周方向において、ドリブンプレート4のアーム42bの幅は、中間プレート3のアーム31b、32bの幅と異なる。回転軸Axの周方向におけるアーム31b,32b,42bの幅に応じて、第1のトーションスプリング5の長さがより長く又はより短くされ得る。これにより、条件に応じたダンパ装置1の捩れ剛性がより容易に設定され得る。
以下に、第2の実施の形態について、図12を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図12は、第2の実施の形態に係るダンパ装置1を示す正面図である。図12に示すように、回転軸Axの径方向において、中間プレート3の第1及び第2のプレート31,32のアーム31b、32bの長さは、ドリブンプレート4の外側ハブ42のアーム42bの長さよりも短い。
第1のトーションスプリング5が延びる方向は、回転軸Axの周方向に対して傾斜する。同様に、第2のトーションスプリング6が延びる方向も、回転軸Axの周方向に対して傾斜する。
第2の実施形態のダンパ装置1において、回転軸Axの径方向において、ドリブンプレート4のアーム42bの長さは、中間プレート3のアーム31b,32bの長さと異なる。回転軸Axの径方向におけるアーム31b,32b,42bの長さに応じて、第1のトーションスプリング5の長さがより長く又はより短くされ得る。これにより、条件に応じたダンパ装置1の捩れ剛性がより容易に設定され得る。
以下に、第3の実施の形態について、図13を参照して説明する。図13は、第3の実施の形態に係るダンパ装置1を示す正面図である。図13に示すように、回転軸Axの周方向において、第1及び第4のシート71,74の覆部71d、74dの長さは、凸部71c、74cの長さよりも長い。
ドライブプレート2に対してドリブンプレート4が回転方向の一方側に第1の当接捩れ角θt1回転すると、第1のシート71の覆部71dは、第2のシート72の支持壁71aに接触する。第1のシート71の覆部71dは、第2のシート72の支持壁72aに接触することで、ドリブンプレート4が中間プレート3に対して回転方向の一方側に相対的に回転することを制限する。
ドライブプレート2に対してドリブンプレート4が回転方向の一方側に第2の当接捩れ角θt2回転すると、第4のシート74の覆部74dは、第3のシート73の支持壁73aに接触する。第4のシート74の覆部74dは、第3のシート73の支持壁73aに接触することで、中間プレート3がドライブプレート2に対して回転方向の一方側に相対的に回転することを制限する。
上記第3の実施形態のように、凸部71c〜74cに限らず、覆部71d,74dと支持壁72a,73aとのような、第1乃至第4のシート71〜74の他の部分が、ドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4の相対回転を制限しても良い。
以上の記載は、ドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4が、回転方向の一方側に相対回転する場合について説明した。しかし、ダンパ装置1は、ドライブプレート2、中間プレート3、及びドリブンプレート4が、回転方向の他方側に相対回転する場合についても同一の作用及び効果を奏する。
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
例えば、第1及び第2の弾性部は、第1及び第2のトーションスプリング5,6に限らない。例えば、第1及び第2の弾性部は、弾性変形可能な合成ゴムのような、種々の部材であっても良い。
以下、実施形態のダンパ装置について付記する。実施形態のダンパ装置では、前記第1乃至第4のストッパ部が合成樹脂材料によって作られる。よって、実施形態のダンパ装置によれば、例えば金属材料で構成されたような場合に比べて、第1乃至第4のストッパ部の摩耗や騒音が抑制されやすい。
また、上記ダンパ装置では、前記第3の回転体は、前記回転軸心方向に並んで配置された第1の壁部と第2の壁部とを有し、前記第1の回転体は、前記回転軸心方向において、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に配置される。
第1の弾性部は、第1の回転体と第3の回転体との間に介在し、第1及び第3の回転体によって圧縮される。第1の弾性部が圧縮される際、断面の中央部に力を作用された方が、偏った位置に力を作用されるよりも性能上及び耐久性上有利である。
第1の弾性部の断面中央部に力を作用させるために、例えば、第1及び第3の回転体の少なくとも一方を回転軸心方向に曲げることで、回転軸心方向における第1の回転体が第1の弾性部を押す位置と、第3の回転体が第1の弾性部を押す位置とを一致させる方法がある。しかし、第1及び第3の回転体の少なくとも一方を曲げると、例えば遠心力の影響によって曲げられた回転体の耐久性が低下しやすい。当該耐久性の低下を抑制するために曲げられた回転体の厚さを増大させると、ダンパ装置の回転軸心方向の大きさが増大する。
一方、上記ダンパ装置のように、第3の回転体が第1及び第2の壁部を有し、第1の回転体が回転軸心方向において第1及び第2の壁部の間に配置されることで、第1の回転体が第1の弾性部の断面中央部に力を作用させることができる。さらに、第1及び第2の壁部が第1の弾性部にバランス良く力を作用させることができる。この構造では、第1及び第3の回転体の少なくとも一方を曲げる必要が無い。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第3の回転体の強度の低下とダンパ装置の大きさの増大とが抑制される。
また、上記ダンパ装置では、前記第1の壁部は、前記第2の壁部と一体的に前記回転中心回りに回転可能である。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第1の壁部と第2の壁部とが、一体化されていない場合に比べて、第1及び第2の弾性部により安定的に力を作用させ、弾性変形させる。これにより、ダンパ装置の性能がより安定化され得る。
また、上記ダンパ装置では、第1の固定部が、前記第1の壁部と前記第2の壁部とに取り付けられるため、前記第1の壁部と前記第2の壁部とが相対的に回転することが制限される。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第1の壁部と第2の壁部とが一体的に回転中心回りに回転可能となり、ダンパ装置の性能がより安定化され得る。
また、上記ダンパ装置では、前記第1の壁部と前記第2の壁部とは、前記回転軸心方向に沿った前記第2及び第3の支持部材の移動を制限する。よって、実施形態のダンパ装置によれば、回転軸心方向において第2の支持部材と第3の支持部材との位置がずれることが抑制される。これにより、第1及び第2の弾性部の位置や姿勢の変化が抑制され、ダンパ装置の性能がより安定化され得る。
また、上記ダンパ装置は、前記第3の回転体に取り付けられ、前記第3の回転体が前記第1の回転体の径方向に移動することを制限する第2の固定部をさらに備える。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第2の回転体が第1及び第2の弾性部に圧縮力又は引張力を作用させる第1の回転体の径方向における位置が変わることが抑制され、ダンパ装置の性能がより安定化され得る。
また、上記ダンパ装置では、前記第3の回転体は、前記回転中心に沿って延びる開口部を有し、前記第2の固定部は、前記回転中心に沿って延びるとともに、前記開口部の中に配置されることで前記第3の回転体が前記第1の回転体の径方向に移動することを制限する。よって、実施形態のダンパ装置によれば、比較的簡単な構成によって、第3の回転体が第1の回転体の径方向において移動することが抑制される。
また、上記ダンパ装置では、前記第1の回転体は、前記第1の回転体の径方向に延びる第1の延部を有し、前記第3の回転体は、前記第1の回転体の径方向に延びる第2の延部を有し、前記第1の弾性部は、前記第1の延部と前記第2の延部との間に介在し、前記第1の回転体の周方向における前記第1の延部の幅が、前記第1の回転体の周方向における前記第2の延部の幅と異なる。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第1の回転体の周方向における第1及び第2の延出部の幅に応じて、第1の弾性部の長さがより長く又はより短くされ得る。これにより、条件に応じたダンパ装置の捩れ剛性がより容易に設定され得る。
また、上記ダンパ装置では、前記第1の回転体は、前記第1の回転体の径方向に延びる第1の延部を有し、前記第3の回転体は、前記第1の回転体の径方向に延びる第2の延部を有し、前記第1の弾性部は、前記第1の延部と前記第2の延部との間に介在し、前記第1の回転体の径方向における前記第1の延部の長さが、前記第1の回転体の径方向における前記第2の延部の長さと異なる。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第1の回転体の径方向における第1及び第2の延出部の長さに応じて、第1の弾性部の長さがより長く又はより短くされ得る。これにより、条件に応じたダンパ装置の捩れ剛性がより容易に設定され得る。
また、上記ダンパ装置では、前記第1の支持部材が前記第1の回転体に支持された状態で、前記第1の支持部材と前記第1の回転体との間に、前記第1の支持部材を前記第1の回転体に対して揺動可能とする空間が形成され、前記第2の支持部材が前記第3の回転体に支持された状態で、前記第2の支持部材と前記第3の回転体との間に、前記第2の支持部材を前記第3の回転体に対して揺動可能とする空間が形成され、前記第3の支持部材が前記第3の回転体に支持された状態で、前記第3の支持部材と前記第3の回転体との間に、前記第3の支持部材を前記第3の回転体に対して揺動可能とする空間が形成され、前記第4の支持部材が前記第2の回転体に支持された状態で、前記第4の支持部材と前記第2の回転体との間に、前記第4の支持部材を前記第2の回転体に対して揺動可能とする空間が形成される。よって、実施形態のダンパ装置によれば、第1及び第2の弾性部が第1の回転体の径方向の外側に扇状に撓むことができ、第1及び第2の弾性部の長さ(ストローク)が延びる。