以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、第1の実施の形態の現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関などに設置され、顧客との間で入金取引や出金取引などの現金に関する取引を行う。尚、ここでは、現金自動預払機1の筐体2における、顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、前側に対峙した顧客から見て上下左右をそれぞれ上側、下側、左側及び右側と定義する。
この現金自動預払機1は、筐体2の前面上部に、接客部3が設けられている。接客部3は、硬貨入出金口4、紙幣入出金口5、通帳挿入口6、カード挿入口7及び操作表示部8などからなり、顧客との間で現金や通帳などを直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行う部分である。
硬貨入出金口4及び紙幣入出金口5は、顧客が入金する硬貨及び紙幣がそれぞれ投入され、また顧客へ出金する硬貨及び紙幣がそれぞれ排出される部分である。通帳挿入口6は、取引で使用される通帳が挿入され、また取引が終了すると通帳が排出される部分である。この通帳挿入口6の奥には、取引内容などを通帳に記録する通帳処理部(図示せず)が設けられている。カード挿入口7は、キャッシュカードなどの各種カードが挿入又は排出される部分である。このカード挿入口7の奥には、各種カードに記録された口座番号などの読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。操作表示部8は、取引に関する各種画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引種類を選択したり暗証番号や取引金額を入力したりする為のタッチパネルとで構成されている。
また、筐体2は、前面や後面の一部が開閉可能な扉となっている。つまり、筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う際には、この扉が閉じられていることにより内部に保有している紙幣や硬貨などを保護する一方で、作業者がメンテナンス作業を行う際には、この扉が開けられることにより内部に容易にアクセスできるようになっている。
次に、現金自動預払機1の内部構成について図2を用いて説明する。図2は、図1の現金自動預払機1を矢印Aで示すように左側から見た内部構成図であり、現金自動預払機1の内部構成のうち、主に紙幣の処理に関する部分を示している。
この図2に示すように、現金自動預払機1は、筐体2内部の上部に、紙幣入出金口5を有する紙幣入出金部10と、紙幣の金種や真偽を鑑別する鑑別部11と、入金紙幣などを一時的に収納する一時保留部12が設けられている。また、紙幣入出金部10の紙幣入出金口5には、シャッタ(図示せず)が設けられていて、このシャッタが開閉することで、紙幣入出金口5を開放及び閉塞するようになっている。さらに、筐体2内部の下部には、紙幣を金種別に貯蔵する紙幣収納庫13と、鑑別部11により破損紙幣と鑑別された紙幣などを集積するリジェクト庫14が設けられている。
さらに、これら紙幣入出金部10、鑑別部11、一時保留部12、紙幣収納庫13及びリジェクト庫14が、搬送部15により接続されている。搬送部15は、図示しないモータ、ギヤ、ローラ及びベルトなどで構成され、図中太線で示す搬送路15Rに沿って長方形の紙幣を例えば短辺方向に搬送するようになっている。また、搬送路15Rの分岐点には、紙幣の搬送先を切り替える為のセレクタ(図示せず)が設けられている。
さらに、筐体2の内部の所定箇所には、現金自動預払機1の全体を統括制御する制御部20が設けられている。制御部20は、例えば顧客との間で入金取引を行う入金取引時、顧客により操作表示部8を介して入金取引が選択されると、紙幣入出金口5のシャッタを開き、紙幣入出金口5に紙幣が投入されると、シャッタを閉じる。
つづいて制御部20は、投入された紙幣を紙幣入出金部10から1枚ずつ搬送部15へと繰り出して鑑別部11に搬送する。ここで、制御部20は、鑑別部11により入金可能な正常紙幣と鑑別された紙幣については一時保留部12に搬送して一時的に保留する一方、入金に適していないリジェクト紙幣(例えば現金自動預払機1では取り扱っていない紙幣)と鑑別された紙幣については紙幣入出金部10へ戻してシャッタを開くことで顧客に返却する。
その後、制御部20は、操作表示部8を介して顧客により入金金額が確定されると、一時保留部12に収納している紙幣を鑑別部11に搬送して鑑別結果を得る。ここで、制御部20は、鑑別部11により紙幣収納庫13へ収納可能な正常紙幣と鑑別された紙幣については、その金種に対応する紙幣収納庫13へ搬送して収納する。一方で、紙幣収納庫13へ収納すべきでないリジェクト紙幣(例えば破損している紙幣)と鑑別された紙幣については、リジェクト庫14へ搬送して、収納可能な正常紙幣とは分けて保管する。
このように、現金自動預払機1は、入金取引時、紙幣入出金口5に投入された紙幣を鑑別部11により鑑別し、その鑑別結果に応じて紙幣の搬送先を決定し、その搬送先に紙幣を搬送するようになっている。
[1−2.鑑別部の構成]
次に、図3〜図5を用いて、鑑別部11の構成について説明する。尚、図3は鑑別部11を左側から見た内部構成図である。鑑別部11は、直方体状の筐体30を有している。筐体30は、上側の上部ユニット30Aと、下側の下部ユニット30Bとでなり、上部ユニット30Aと下部ユニット30Bとの間に、前後方向に延びる搬送路31を形成している。鑑別部11は、この搬送路31に沿って紙幣を前方向又は後方向に走行させながら、紙幣の鑑別を行うようになっている。尚、図4は、上部ユニット30Aを上側から見た内部構成図であり、図5は、下部ユニット30Bを上側から見た内部構成図である。
また、筐体30の内部には、モジュールとしての第1搬送部32、磁気検出部33、第2搬送部34、光学検出部35及び厚み検出部36がこの並び順で後側から前側に向かって配置されている。尚、各モジュールは、筐体30を小型化するとともに各モジュール間で紙幣を確実に受け渡すことができるよう、それぞれ前後方向に近接して配置されている。さらに、筐体30の内部の所定箇所には、鑑別部11の各部を制御する制御部37が現金自動預払機1の制御部20とは別に設けられている。
[1−2−1.第1搬送部の構成]
次に、鑑別部11の第1搬送部32の構成についてさらに詳しく説明する。第1搬送部32は、搬送路31の下側に配置された第1搬送ローラ40と、搬送路31の上側に配置された第1テンションローラ41とを有している。第1搬送ローラ40は、ゴムで形成された左右方向に延びる円筒状のローラであり、第1搬送ローラ40よりも左右方向に長い円柱状の軸(これを第1搬送ローラ軸と呼ぶ)42に中心部が貫通されるようにして固定されている。図5に示すように、この第1搬送ローラ軸42には、左右方向に所定の間隔を隔てて複数個(例えば4個)の第1搬送ローラ40(40A〜40D)が固定されている。
第1搬送ローラ軸42は、左右方向の長さが筐体30の左右方向の長さと同程度でなり、筐体30に回転可能に支持されているとともに、タイミングベルトなどの駆動伝達部43を介してモータなどの駆動機構44と連結されていて、駆動伝達部43を介して駆動機構44による駆動力が伝達されることにより、双方向(図3での時計回り方向及び反時計回り方向)に回転するようになっている。したがって、第1搬送ローラ40A〜40Dは、第1搬送ローラ軸42とともに一体となって回転することになる。また、第1搬送ローラ軸42は、筐体30に対して着脱可能となっていて、鑑別部11から容易に取り外すことができるようになっている。
図3に示すように、第1テンションローラ41は、樹脂で形成された左右方向に延びる円筒状のローラであり、左右方向に延びる円柱状の軸(これを第1テンションローラ軸と呼ぶ)45に中心部が貫通されるようにして回転可能に支持されている。図4に示すように、第1テンションローラ軸45は、第1搬送ローラ軸42の半分程度の長さでなり、左右方向に所定の間隔を隔てて例えば2本設けられ、それぞれに、複数個(例えば2個)の第1テンションローラ41が左右方向に所定の間隔を隔てて支持されている。つまり、第1テンションローラ軸45Aには、第1テンションローラ41A、41Bが支持され、第1テンションローラ軸45Bには、第1テンションローラ41C、41Dが支持されている。尚、第1テンションローラ41A〜41Dのそれぞれは、第1搬送ローラ40A〜40Dのそれぞれと上下方向に対向する位置に配置されている。
また、第1テンションローラ軸45(45A、45B)は、筐体30に対して上下方向に揺動可能に支持されているとともに、図示しないスプリングにより下方(すなわち第1搬送ローラ軸42に近づく方向)に付勢されている。よって、第1テンションローラ41A〜41Dは、それぞれ第1搬送ローラ40A〜40Dに押し付けられている。尚、第1テンションローラ軸45(45A、45B)は、第1搬送ローラ軸42とは異なり回転はしない。また、第1テンションローラ軸45A、45Bも、それぞれ筐体30に対して着脱可能となっていて、鑑別部11から容易に取り外すことができるようになっている。
第1搬送部32は、このような構成でなり、第1テンションローラ41(41A〜41D)を、第1搬送ローラ40(40A〜40D)に押し付け、これらの間に紙幣を挟み込んで第1搬送ローラ40(40A〜40D)と第1テンションローラ41(41A〜41D)が回転することにより、紙幣を搬送路31に沿って前方向又は後方向へ搬送できるようになっている。
[1−2−2.磁気検出部の構成]
次に、磁気検出部33の構成についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、磁気検出部33は、搬送路31の上側に配置された磁気センサ50と、搬送路31の下側に配置された押付部51及びガイドローラ52とを有している。
磁気センサ50は、図4に示すように、左右方向に長い直方体状でなり、その下面に磁気検出素子53が配置されている。尚、磁気センサ50の下面には、左右方向に所定の間隔を隔てて複数個の磁気検出素子53が配置されている。
図3及び図5に示すように、押付部51は、樹脂で形成された左右方向に薄い板状部材であり、磁気センサ50の左右の端部のそれぞれの下方に設けられている。この押付部51は、筐体30に上下方向に揺動可能に支持されているとともに、スプリング54により上方(すなわち磁気センサ50に近づく方向)に付勢されている。よって、押付部51は、その上面を磁気センサ50の下面に押し付けるようになっている。
図5に示すように、ガイドローラ52は、ゴムで形成された左右方向に延びる円柱状のローラであり、左右方向に延びる円柱状のガイドローラ軸55に中心部が貫通されるようにして固定されている。このガイドローラ軸55には、左右方向に所定の間隔を隔てて複数個(例えば13個)のガイドローラ52(52A〜52M)が固定されている。尚、磁気センサ50の下面には、ガイドローラ52A〜52Mと同数(例えば13個)の磁気検出素子53のそれぞれが、ガイドローラ52A〜52Mのそれぞれの上方に配置されている。
ガイドローラ軸55は、左右両端のガイドローラ52A、52Mの固定位置より外側に位置する左右両端部が、それぞれ左右の押付部51に回転可能に支持されている。よって、ガイドローラ52A〜52Mは、押付部51に支持されているガイドローラ軸55とともに、上方に付勢されている。尚、押付部51の上面が磁気センサ50の下面に接触しているとき、ガイドローラ52A〜52Mと磁気センサ50の下面との間には、紙幣1枚分の厚さ程度の隙間が空くようになっている。
さらに、ガイドローラ軸55は、駆動伝達部43、56を介して駆動機構44と連結されていて、駆動伝達部43、56を介して駆動機構44による駆動力が伝達されることにより、双方向(図3での時計回り方向及び反時計回り方向)に回転するようになっている。したがって、ガイドローラ52A〜52Mは、ガイドローラ軸55とともに一体となって回転することになる。また、ガイドローラ軸55は、押付部51に対して着脱可能となっていて、鑑別部11から容易に取り外すことができるようになっている。
磁気検出部33は、このような構成でなり、搬送路31に沿って前側又は後側から紙幣が搬送されてくると、ガイドローラ52(52A〜52M)が紙幣を磁気センサ50の下面に押し付けながら回転することにより、紙幣を搬送しながら紙幣の磁気を磁気センサ50の磁気検出素子53で検出するようになっている。磁気検出素子53から出力される検出結果は、鑑別部11の制御部37に送られる。また、制御部37は必要に応じて、この検出結果を制御部20に送る。
[1−2−3.第2搬送部の構成]
次に、第2搬送部34の構成についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、第2搬送部34は、第1搬送部32と同様、搬送路31の下側に配置された第2搬送ローラ60と、搬送路31の上側に配置された第2テンションローラ61とを有している。第2搬送ローラ60は、図5に示すように、第1搬送ローラ40と同様、ゴムで形成された左右方向に延びる円筒状のローラであり、左右方向に延びる円柱状の第2搬送ローラ軸62に中心部が貫通されるようにして固定されている。この第2搬送ローラ軸62には、左右方向に所定の間隔を隔てて複数個(例えば4個)の第2搬送ローラ60(60A〜60D)が固定されている。
第2搬送ローラ軸62は、筐体30に回転可能に支持されているとともに、駆動伝達部43を介して駆動機構44と連結されていて、駆動伝達部43を介して駆動機構44による駆動力が伝達されることにより、双方向(図3での時計回り方向及び反時計回り方向)に回転するようになっている。したがって、第2搬送ローラ60A〜60Dは、第2搬送ローラ軸62とともに一体となって回転することになる。また、第2搬送ローラ軸62は、筐体30に対して着脱可能となっていて、鑑別部11から容易に取り外すことができるようになっている。
第2テンションローラ61は、第1テンションローラ41と同様、樹脂で形成された左右方向に延びる円筒状のローラであり、左右方向に延びる円柱状の第2テンションローラ軸63に中心部が貫通されるようにして回転可能に支持されている。図4に示すように、第2テンションローラ軸63は、第2搬送ローラ軸62の半分程度の長さでなり、左右方向に所定の間隔を隔てて例えば2本設けられ、それぞれに、複数個(例えば2個)の第2テンションローラ61が左右方向に所定の間隔を隔てて支持されている。つまり、第2テンションローラ軸63Aには、第2テンションローラ61A、61Bが支持され、第2テンションローラ軸63Bには、第2テンションローラ61C、61Dが支持されている。尚、第2テンションローラ61A〜61Dのそれぞれは、第2搬送ローラ60A〜60Dのそれぞれと上下方向に対向する位置に配置されている。
また、この第2テンションローラ軸63(63A、63B)は、第1テンションローラ軸45と同様、筐体30に対して上下方向に揺動可能に支持されているとともに、図示しないスプリングにより下方(すなわち第2搬送ローラ軸62に近づく方向)に付勢されている。よって、第2テンションローラ61A〜61Dは、それぞれ第2搬送ローラ60A〜60Dに押し付けられている。尚、第2テンションローラ軸63(63A、63B)は、第2搬送ローラ軸62とは異なり回転はしない。また、第2テンションローラ軸63A、63Bは、それぞれ筐体30に対して着脱可能となっていて、鑑別部11から容易に取り外すことができるようになっている。
第2搬送部34は、このような構成でなり、第2テンションローラ61(61A〜61D)を、第2搬送ローラ60(60A〜60D)に押し付け、これらの間に紙幣を挟み込んで第2搬送ローラ60(60A〜60D)と第2テンションローラ61(61A〜61D)が回転することにより、第1搬送部32と同様、紙幣を搬送路31に沿って前方向又は後方向へ搬送できるようになっている。
[1−2−4.光学検出部の構成]
次に、光学検出部35の構成についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、光学検出部35は、搬送路31の上側に配置された画像センサ35Aと、搬送路31の下側に配置された画像センサ35Bとを有している。光学検出部35は、このような構成でなり、画像センサ35A、35Bにより、搬送路31を通る紙幣の画像パターンを検出するようになっている。検出された画像パターンは、鑑別部11の制御部37に送られる。
[1−2−5.厚み検出部の構成]
次に、厚み検出部36の構成についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、厚み検出部36は、搬送路31の下側に配置された基準ローラ70と、搬送路31の上側に配置された厚み検出ローラ71とを有している。基準ローラ70は、金属で形成された左右方向に延びる円筒状のローラであり、基準ローラ70よりも左右方向に長い円柱状の基準ローラ軸72に中心部が貫通されるようにして固定されている。図5に示すように、この基準ローラ軸72には、左右方向に所定の間隔を隔てて複数個(例えば10個)の基準ローラ70が固定されている。
基準ローラ軸72は、筐体30に回転可能に支持されているとともに、駆動伝達部43を介して駆動機構44と連結されていて、駆動伝達部43を介して駆動機構44による駆動力が伝達されることにより、双方向(図3での時計回り方向及び反時計回り方向)に回転するようになっている。したがって、基準ローラ70は、基準ローラ軸72とともに一体となって回転することになる。
厚み検出ローラ71は、金属で形成された左右方向に延びる円筒状のローラであり、厚み検出ローラ71よりも左右方向に長い円柱状の厚み検出ローラ軸73に中心部が貫通されるようにして回転可能に支持されている。図4に示すように、厚み検出ローラ軸73は、左右方向に所定の間隔を隔てて複数本(例えば5本)設けられ、それぞれに複数個(例えば2個)の厚み検出ローラ71が支持されている。
厚み検出ローラ軸73は、ブラケット74(図3)に保持されている。ブラケット74は、左右方向に所定の間隔を隔てて複数個(例えば5個)設けられ、それぞれ金属板をコの字型に折り曲げた形状でなり、左右方向の長さが厚み検出ローラ軸73と同程度でなる天板部と天板部の左右両端のそれぞれから下方に延びる側板部とで構成されている。
ブラケット74の左右の側板部には、それぞれ前側に厚み検出ローラ軸73を挿通する為の軸孔が形成されている。厚み検出ローラ軸73は、左右両端部が、ブラケット74の左右の側板部の軸孔に挿通されることで、ブラケット74に保持されている。また、ブラケット74の左右の側板部には、それぞれ後側に回動孔が形成されていて、この回動孔に、左右方向に延びる円柱状の回動軸75が挿通されている。ブラケット74は、この回動軸75を介して、厚み検出部36の筐体76に回動自在に取り付けられている。また、複数のブラケット74は、複数の厚み検出ローラ71のそれぞれが、複数の基準ローラ70のそれぞれと上下方向に対向する位置となるように、回動軸75に取り付けられている。
すなわち、ブラケット74は、厚み検出ローラ71を基準ローラ70の真上で回転自在に保持するとともに、厚み検出ローラ71を上下方向(すなわち基準ローラ70から遠ざかる方向及び近づく方向)に変位可能に保持するようになっている。
さらに、各ブラケット74は、スプリング77により、厚み検出ローラ71を基準ローラ70に押し付ける方向(すなわち下方)に付勢されている。よって、厚み検出ローラ71は、それぞれ基準ローラ70に押し付けられている。
さらに、ブラケット74の上方には変位センサ78が設けられている。変位センサ78は、厚み検出ローラ71が基準ローラ70に接触するときのブラケット74の上面の位置を基準位置として、この基準位置からのブラケット74の上面の変位量を検出する。
厚み検出部36は、このような構成でなり、搬送路31を紙幣が通る際に、基準ローラ70と厚み検出ローラ71との間に紙幣が挟持されることにより、この紙幣の厚みに応じて厚み検出ローラ71とともにブラケット74が上方向に変位する。このとき、厚み検出部36は、変位センサ78によりブラケット74の変位量(すなわち厚み検出ローラ71の変位量)を検出して、検出結果を鑑別部11の制御部37に送るようになっている。制御部37は、この検出結果をもとに、変位量が紙幣1枚分であるか、複数枚分であるかを判定する。
[1−2−6.ローラの外径と回転数]
ところで、鑑別部11では、磁気センサ50近傍に配置されている、第1搬送ローラ40及び第1テンションローラ41と、ガイドローラ52と、第2搬送ローラ60及び第2テンションローラ61の計5種類のローラの外径(すなわち直径)がそれぞれ異なっている。
さらに、鑑別部11では、搬送路31を通る紙幣の速度(すなわち搬送速度)が一定となるよう、このような外径の異なる5種類のローラの回転数が以下のように設定されている。ここでは、紙幣の搬送速度をX、第1搬送ローラ40の外径をD1、回転数をRt1とする。また、ガイドローラ52の外径をD2、回転数をRt2、第2搬送ローラ60の外径をD3、回転数をRt3、第1テンションローラ41の外径をD4、回転数をRt4、第2テンションローラ61の外径をD5、回転数をRt5とする。尚、搬送速度の単位は例えば[mm/min]、外径の単位は例えば[mm]、回転数の単位は例えば[rpm]であるとする。
第1搬送ローラ40の回転数Rt1、ガイドローラ52の回転数Rt2、第2搬送ローラ60の回転数Rt3は、それぞれ、次式(1)〜(3)のように設定されている。
Rt1=X/(πD1)……(1)
Rt2=X/(πD2)……(2)
Rt3=X/(πD3)……(3)
また、第1テンションローラ41の回転数Rt4、第2テンションローラ61の回転数Rt5は、それぞれ次式(4)、(5)のように設定されている。
Rt4=X/(πD4)……(4)
Rt5=X/(πD5)……(5)
さらに、鑑別部11では、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の外径D1、D2、D3、D4、D5が、例えば、次式(6)の大小関係を満たすように設定されている。
D2>D1>D4>D3>D5……(6)
したがって、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の回転数Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5は、次式(7)の大小関係を満たすことになる。
Rt5>Rt3>Rt4>Rt1>Rt2……(7)
このように、鑑別部11は、鑑別部11内を通る紙幣の搬送速度Xを一定に保つようにして、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の外径D1、D2、D3、D4、D5をそれぞれ異なる大きさとすることで、それぞれの回転数Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5に差が出るように構成されている。
これら第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61は、磁気センサ50の近傍に配置されている為、汚れた紙幣などを多く搬送した際に鉄粉などの磁性を有する塵埃が付着すると、磁気センサ50による検出結果に、塵埃に起因する磁気ノイズが現れることになる。
例えば、ガイドローラ52の外周に塵埃が付着すると、この塵埃がガイドローラ52とともに回転することになり、この塵埃が磁気センサ50に近づくにつれて磁気センサ50の検出結果に現れる磁気ノイズが増加する。そして、ガイドローラ52に付着した塵埃が磁気センサ50に最も近づいたときに磁気ノイズがピークとなる。つまり、例えば図6(A)のように、ガイドローラ52が回転している間、ガイドローラ52に付着した塵埃に起因する磁気ノイズは、ガイドローラ52の回転周期ごとにピークとなるように変化する。
ここで、仮に、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の外径が全て等しく、また回転数も全て等しくなっているとすると、これら5種類のローラに付着した塵埃のそれぞれに起因して磁気センサ50の検出結果に現れる磁気ノイズは、これら5種類のローラが回転する際に、全て同じ周期でピークとなるような変化をする。この為、磁気センサ50の検出結果に現れた磁気ノイズが、どのローラに付着した塵埃に起因するものかを特定することは難しい。
そこで、第1の実施の形態では、鑑別部11の第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の外径D1、D2、D3、D4、D5をそれぞれ違う大きさにして、それぞれの回転数Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5に差が出るようにした。
このようにすると、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61に付着した塵埃のそれぞれに起因する磁気ノイズは、これら5種類のローラが回転する際に、それぞれの回転数に応じた周期、つまりそれぞれ異なる周期でピークとなるような変化をする。例えば、図6(B)に示す第1搬送ローラ40に付着した塵埃に起因する磁気ノイズのピークの周期は、図6(A)に示すガイドローラ52に付着した塵埃に起因する磁気ノイズのピークの周期より短くなる。
よって、現金自動預払機1では、制御部20が、鑑別部11の制御部37から送られてくる磁気センサ50の検出結果を周波数解析して、検出結果に現れた磁気ノイズのピークの周期を特定することで、その周期に対応する回転数のローラ(つまり磁気ノイズの原因となる塵埃が付着しているローラ)がメンテナンス(清掃)すべきローラであると判断するようになっている。
具体的に、制御部20は、例えば、操作表示部8を介して、鑑別部11のローラを点検するローラチェックを行うよう指示されると、鑑別部11を紙幣が通過していないことを確認したうえで、鑑別部11の第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61を、それぞれ設定されている回転数Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5で回転させる。このとき、制御部20は、磁気センサ50の検出結果として磁気検出値の時間的な変化を示す波形を得る。尚、このときの波形には、当然のことながら、紙幣から検出される磁気情報としての磁気検出値は含まれていない。
ここで、例えば、第1搬送ローラ40とガイドローラ52に塵埃が付着しているとすると、磁気センサ50の検出結果として得られる波形は、図6(A)に示す波形と図6(B)に示す波形とを合成した図6(C)に示すような波形となる。
制御部20は、この波形をフーリエ解析などの既存の周波数解析方法を用いて周波数解析することで、図7に示すような周波数ごとの磁気検出値(振幅)を示す波形を得る。さらに、制御部20は、磁気検出値に対して設定されている閾値Thを参照して、磁気検出値がこの閾値Thを越えている周波数を特定する。そして、磁気検出値が閾値Thを超えている周波数に対応する回転数のローラを、磁気ノイズの原因となっている塵埃が付着しているローラ、つまりメンテナンス(すなわち清掃)が必要なローラと判断する。
尚、図7に示す周波数F1、F2、F3、F4、F5は、それぞれ第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の回転数Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5に対応している。つまり、図7では、第1搬送ローラ40に対応する周波数F1とガイドローラ52に対応する周波数F2で磁気検出値が閾値Thを超えている為、制御部20は、第1搬送ローラ40とガイドローラ52とを清掃が必要なローラと判断する。
尚、磁気センサ50は、上述したように、左右方向(すなわちガイドローラ軸55の軸方向)に複数の磁気検出素子53を有していて、磁気検出素子53ごとに検出結果を得、全ての検出結果を制御部20に送るようになっている。よって、制御部20は、磁気検出素子53ごとに得られた複数の検出結果のそれぞれに対して周波数解析を行い、少なくとも1個の検出結果で磁気検出値が閾値Thを超えている周波数に対応するローラを、清掃が必要なローラと判断するようになっている。
そして、制御部20は、ローラチェックの結果として、例えば、第1搬送ローラ40とガイドローラ52を清掃するよう促すメッセージを操作表示部8に表示させるようになっている。こうすることで、現金自動預払機1は、例えばメンテナンスの作業者に対して鑑別部11のどのローラを清掃すればよいのかを知らせることができる。
[1−3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、鑑別部11の磁気センサ50の近傍に配置された、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の外径をそれぞれ違う大きさにして、それぞれの回転数に差が出るようにした。
こうすることで、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61を回転させたときに得られる磁気センサ50の検出結果に、これら5種類のローラのそれぞれに付着した塵埃による磁気ノイズが異なる周期で現れるようになる。
そして、現金自動預払機1の制御部20が、この検出結果を解析して磁気ノイズが現れている周波数を特定し、その周波数に対応する回転数のローラを、磁気ノイズの原因となっている塵埃が付着しているローラ、つまり清掃が必要なローラと判断するようにした。
こうすることで、現金自動預払機1は、例えば、メンテナンスを行う作業者に対して、鑑別部11の第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のうち、どのローラを清掃すればよいのかを知らせることができる。かくして、例えば、メンテナンスを行う作業者が、鑑別部11のどのローラに塵埃が付着しているのかを目視で確認してから塵埃が付着しているローラを清掃したり、或いは全てのローラを清掃したりする場合と比べて、メンテナンス性を大幅に向上させることができる。
さらに、現金自動預払機1では、第1搬送ローラ軸42、ガイドローラ軸55、第2搬送ローラ軸62、第1テンションローラ軸45、第2テンションローラ軸63を、鑑別部11に対して着脱可能としたことで、清掃すべきローラを軸ごと鑑別部11から取り外して容易に清掃することができる。
くわえて、鑑別部11では、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のそれぞれの外径D1、D2、D3、D4、D5の大小関係をD2>D1>D4>D3>D5とした。
まず、ガイドローラ52の外径D2を一番大きな径とした理由について説明する。ガイドローラ52は、搬送路31を通る紙幣を、磁気センサ50の磁気検出素子53へとガイドする為のローラであり、紙幣を安定して走行させて磁気検出素子53へとガイドする為には、磁気検出素子53からできるだけ離れた位置で紙幣と接触して磁気検出素子53までガイドすることが望ましい。このような理由から、鑑別部11では、ガイドローラ52の外径D2を一番大きな径としている。
次に、第1搬送ローラ40の外径D1を2番目に大きな径とした理由について説明する。第1搬送ローラ40は、鑑別部11の筐体30の一端側(つまり搬送路31の一端側)に配置されていて、筐体30の一端側から筐体30の内部へと進入してくる紙幣を、搬送路31へとガイドして搬送する為のローラである。ここで、筐体30の内部に進入してくる紙幣は、その先端が下方に折れ曲がったり垂れ下がったりしている場合があり、このような紙幣をスムーズに搬送路31へとガイドする為には、図8に示す、紙幣BLの先端と第1搬送ローラ40の外周面とが接触するときの当たり角度θをできるだけ大きくすることが望ましい。このような理由から、鑑別部11では、第1搬送ローラ40の外径D1を2番目に大きな径としている。
次に、第1テンションローラ41の外径D4を3番目に大きな径とした理由について説明する。第1テンションローラ41も、第1搬送ローラ40と同様、鑑別部11の筐体30の一端側(つまり搬送路31の一端側)に配置されていて、筐体30の一端側から筐体30の内部へと進入してくる紙幣を、搬送路31へとガイドして搬送する為のローラである。ここで、筐体30の内部に進入してくる紙幣は、その先端が上方に折れ曲がっている場合があり、このような紙幣をスムーズに搬送路31へとガイドする為には、紙幣の先端と第1テンションローラ41の外周面とが接触するときの当たり角度をできるだけ大きくすることが望ましい。また一方で、第1テンションローラ41は、樹脂製のローラであり、第1搬送ローラ40よりも紙幣との間の摩擦力が小さい為、第1搬送ローラ40よりも当たり角度が小さくても紙幣をスムーズにガイドできる。このような理由から、鑑別部11では、第1テンションローラ41の外径D4を3番目に大きな径としている。
次に、第2搬送ローラ60の外径D3を4番目に大きな径とした理由と、第2テンションローラ61の外径D5を一番小さな径とした理由について説明する。第2搬送ローラ60及び第2テンションローラ61は、第1搬送ローラ40及び第1テンションローラ41よりも筐体30の内側に配置されている。この為、紙幣の先端が折れ曲がった状態で、これら第2搬送ローラ60及び第2テンションローラ61に接触する可能性は、第1搬送ローラ40及び第1テンションローラ41よりも低くなる。ゆえに、これら第2搬送ローラ60及び第2テンションローラ61は、第1搬送ローラ40及び第1テンションローラ41より径が小さくてもスムーズに紙幣を搬送することができる。また、第2テンションローラ61は、第2搬送ローラ60よりも紙幣との間の摩擦力が小さい。このような理由から、鑑別部11では、第2搬送ローラ60の外径D3を4番目に大きな径とし、第2テンションローラ61の外径D5を一番小さな径としている。
このように第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のそれぞれの外径D1、D2、D3、D4、D5が選定されていることにより、鑑別部11では、鑑別部11へと搬送されてきた紙幣を、スムーズに磁気センサ50へとガイドすることができる。
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、ローラチェックの結果として操作表示部8に表示する表示内容が第1の実施の形態とは異なる実施の形態である。現金自動預払機1の構成及び鑑別部11の構成については、第1の実施の形態と同様である為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、ローラチェックについて説明することとする。
[2−1.ローラチェック]
図9のフローチャートに、ローラチェックの具体的な処理手順を示す。尚、このローラチェックは、現金自動預払機1の制御部20が主体となって行う処理である。まず、制御部20は、操作表示部8を介して、操作表示部8に表示している保守管理画面(図示せず)からローラチェックの項目が選択されると、ローラチェックを開始する。
制御部20は、このようにしてローラチェックを開始すると、ステップSP1において、鑑別部11の内部に紙幣が存在しないことを確認したうえで、鑑別部11の第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61を駆動させて、それぞれ設定されている回転数Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5で回転させる。
つづくステップSP2において制御部20は、磁気センサ50の複数の磁気検出素子53のそれぞれから出力される検出結果を、鑑別部11の制御部37を介して取得する。尚、ここでは、磁気ノイズのピークの周期を特定する必要がある為、制御部20は、1番大きい外径D2でなるガイドローラ52が少なくとも2回転する間、検出結果を取得し続ける。つづくステップSP3において制御部20は、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の駆動を停止させる。
つづくステップSP4において制御部20は、複数の磁気検出素子53のそれぞれから取得した検出結果を解析する。具体的には、第1の実施の形態と同様に、複数の磁気検出素子53から取得した複数の検出結果のそれぞれに対して周波数解析を行い、磁気検出値が閾値Thを超えている周波数に対応するローラ、すなわち清掃すべきローラを特定する。
ところで、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61は、図4、5に示したように、それぞれ左右方向に複数設けられている。そこで、この第2の実施の形態では、清掃すべきローラが、例えば複数の第1搬送ローラ40A〜40Dのどれであるのかまで特定するようになっている。つまり、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61を、ローラの種類とすると、第1の実施の形態では清掃すべきローラの種類のみを特定していたのに対して、この第2の実施の形態では、清掃すべきローラの種類にくわえて、左右方向の位置まで特定するようになっている。
上述したように、磁気センサ50には、ガイドローラ52A〜52Mのそれぞれと対向するようにして、左右方向に複数の磁気検出素子53が配置されている。したがって、どの磁気検出素子53から閾値Thを超える磁気検出値が検出されたのかが分かれば、清掃すべきローラの種類にくわえて左右方向の位置まで特定することができる。
具体的には、例えば、ガイドローラ52Cの真上に位置する磁気検出素子53の検出結果から、閾値Thを超える磁気検出値として第1搬送ローラ40に対応する周波数の磁気検出値が検出されたとする。この場合、第1搬送ローラ40A〜40Dのうち、ガイドローラ52の真上に位置する磁気検出素子53に最も近い位置の第1搬送ローラ40Aが清掃すべきローラとなる。
制御部20は、このようにして、閾値Thを超える磁気検出値が検出された磁気検出素子53の左右方向の位置と、閾値Thを超える磁気検出値の周波数とをもとに、清掃すべきローラの種類と左右方向の位置を特定する。
つづくステップSP5において、制御部20は、ステップSP4による解析の結果、すなわちローラチェックの結果を示すローラチェック画面を操作表示部8に表示させる。ここで、図10に、ローラチェック画面100の表示例を示す。
ローラチェック画面100は、図10(A)〜(D)に示すように、第1画面100A〜第4画面100Dの4つの画面で構成されている。第1画面100Aには、ローラチェックを実行する為の実行ボタン101、ローラチェックを中止する為の中止ボタン102が配置されている。また、第1画面100Aには、第1搬送ローラ40の回転数Rt1に対応する周波数の磁気検出値が表示される表示欄103Aと、第1搬送ローラ40のメンテナンスが必要であるか否か(つまり清掃すべきであるか否か)を示す情報が表示される表示欄103Bとが配置されている。表示欄103A、103Bは、「第1搬送ローラ」というテキストの横に配置される。
さらに、第1画面100Aには、ガイドローラ52の回転数Rt2に対応する周波数の磁気検出値が表示される表示欄104Aと、ガイドローラ52のメンテナンスが必要であるか否かを示す情報が表示される表示欄104Bとが配置されている。さらに、第1画面100Aには、第2搬送ローラ60の回転数Rt3に対応する周波数の磁気検出値が表示される表示欄105Aと、第2搬送ローラ60のメンテナンスが必要であるか否かを示す情報が表示される表示欄105Bとが配置されている。表示欄104A、104Bは、「ガイドローラ」というテキストの横に配置され、表示欄105A、105Bは、「第2搬送ローラ」というテキストの横に配置される。
尚、図10(A)の例では、例えば、表示欄103Aに、第1搬送ローラ40による磁気検出値として「32」が表示され、表示欄103Bに、第1搬送ローラ40のメンテナンスが必要である旨を示す「要」が表示されている。つまり、これらは、第1搬送ローラ40による磁気ノイズが高くメンテナンスが必要であることを示している。ちなみに、ここでは一例として、磁気検出値に対する閾値Thが「30」に設定されているとする。ゆえに、第1搬送ローラ40による磁気検出値が「32」であれば、この第1搬送ローラ40が清掃すべきローラと判断される。
尚、第1搬送ローラ40の回転数Rt1に対応する周波数の磁気検出値は、複数の磁気検出素子53のそれぞれから検出される為、表示欄103Aには、複数の磁気検出素子53のそれぞれから検出された、第1搬送ローラ40に対応する磁気検出値の最大値を表示させるようにすればよい。表示欄103Bに表示されるガイドローラ52による磁気検出値、及び表示欄103Cに表示される第2搬送ローラ60による磁気検出値についても同様である。
このような画面構成により、第1画面100Aでは、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60のうち、メンテナンスが必要なローラの種類がどれであるのかを、メンテナンスを行う作業者が一目で確認できるようになっている。
第2画面100Bには、実行ボタン101と中止ボタン102にくわえて、第1搬送ローラ40A〜40Dのうちのどれがメンテナンスが必要なのかを示す第1搬送ローラ模式図110と、ガイドローラ52A〜52Mのうちのどれがメンテナンスが必要なのかを示すガイドローラ模式図111と、第2搬送ローラ60A〜60Dのうちのどれがメンテナンスが必要なのかを示す第2搬送ローラ模式図112とが配置されている。第1搬送ローラ模式図110は、「第1搬送ローラ」というテキストの横に配置され、ガイドローラ模式図111は、「ガイドローラ」というテキストの横に配置され、第2搬送ローラ模式図112は、「第2搬送ローラ」というテキストの横に配置される。
第1搬送ローラ模式図110は、図11(A)に示すように、鑑別部11に配置された第1搬送ローラ40A〜40Dを上から見た場合の模式図であり、第1搬送ローラ40A〜40Dのそれぞれに対応する長方形状の第1搬送ローラ図形110A〜110Dにより構成されている。
そして、これら第1搬送ローラ図形110A〜110Dは、メンテナンスが必要ない場合には例えば白色で表示され、メンテナンスが必要である場合には例えば赤色で表示されるようになっていて、これにより、第1搬送ローラ40A〜40Dのどれがメンテナンスが必要なのか一目で確認できるようになっている。尚、図10の例では、第1搬送ローラ図形110Bが赤色で表示されているので、メンテナンスが必要なのは第1搬送ローラ40Bであることが分かる。
また、ガイドローラ模式図111も同様に、鑑別部11に配置されたガイドローラ52A〜52Mを上から見た場合の模式図であり、ガイドローラ52A〜52Mのそれぞれに対応する長方形状のガイドローラ図形111A〜111Mにより構成されている。第2搬送ローラ模式図112も同様に、鑑別部11に配置された第2搬送ローラ60A〜60Dを上から見た場合の模式図であり、第2搬送ローラ60A〜60Dのそれぞれに対応する長方形状の第2搬送ローラ図形112A〜112Dにより構成されている。
このような画面構成により、第2画面100Bでは、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60のそれぞれにおいて、左右方向のどの位置にあるローラがメンテナンスが必要であるのかを一目で確認できるようになっている。
第3画面100Cには、実行ボタン101と中止ボタン102にくわえて、第1テンションローラ41の回転数Rt4に対応する周波数の磁気検出値が表示される表示欄120Aと、第1テンションローラ41のメンテナンスが必要であるか否かを示す情報が表示される表示欄120Bと、第2テンションローラ61の回転数Rt5に対応する周波数の磁気検出値が表示される表示欄121Aと、第2テンションローラ61のメンテナンスが必要であるか否かを示す情報が表示される表示欄121Bとが配置されている。表示欄120A、120Bは、「第1テンションローラ」というテキストの横に配置され、表示欄121A、121Bは、「第2テンションローラ」というテキストの横に配置される。
このような画面構成により、第3画面100Cでは、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のうち、メンテナンスが必要なローラの種類がどれであるのかを、メンテナンスを行う作業者が一目で確認できるようになっている。
第4画面100Dには、実行ボタン101と中止ボタン102にくわえて、第1テンションローラ41A〜41Dのうちのどれがメンテナンスが必要なのかを示す第1テンションローラ模式図130と、第2テンションローラ61A〜61Dのうちのどれがメンテナンスが必要なのかを示す第2テンションローラ模式図131とが配置されている。第1テンションローラ模式図130は、「第1テンションローラ」というテキストの横に配置され、第2テンションローラ模式図131は、「第2テンションローラ」というテキストの横に配置される。
第1テンションローラ模式図130は、図11(B)に示すように、鑑別部11に配置された第1テンションローラ41A〜41Dを上から見た場合の模式図であり、第1テンションローラ41A〜41Dのそれぞれに対応する長方形状の第1テンションローラ図形130A〜130Dにより構成されている。また、第2テンションローラ模式図131は、鑑別部11に配置された第2テンションローラ61A〜61Dを上から見た場合の模式図であり、第2テンションローラ61A〜61Dのそれぞれに対応する長方形状の第2テンションローラ図形131A〜131Dにより構成されている。
これら第1テンションローラ図形130A〜130D、及び第2テンションローラ図形131A〜131Dも、メンテナンスが必要ない場合には例えば白色で表示され、メンテナンスが必要である場合には例えば赤色で表示されるようになっている。
このような画面構成により、第4画面100Dでは、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のそれぞれにおいて、左右方向のどの位置にあるローラがメンテナンスが必要であるのかを一目で確認できるようになっている。
尚、これら第1画面100A〜第4画面100Dは、例えば、操作表示部8の操作に応じて、順次切り替えて操作表示部8に表示されるようになっている。また、第1画面100A〜第4画面100Dの実行ボタン101を押下すれば、再度、ローラチェックを行うことができるようにもなっている。
このような第1画面100A〜第4画面100Dからなるローラチェック画面100を表示させた後、制御部20は、ローラチェックの処理を終了する。
[2−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、現金自動預払機1の制御部20が、左右方向(すなわちガイドローラ軸55の軸方向)に複数設けられた磁気検出素子53のそれぞれから得られる検出結果を解析することで、閾値Thを超える磁気検出値が検出された磁気検出素子53の左右方向の位置と、閾値Thを超える磁気検出値の周波数とを得て、清掃すべきローラの種類と、その種類において清掃すべきローラの左右方向(すなわち軸方向)の位置を特定する。
つまり、清掃すべきローラが、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のうちのどの種類のどの位置にあるローラであるのかを特定する。
そして、制御部20は、第1搬送ローラ40A〜40D、ガイドローラ52A〜52M、第2搬送ローラ60A〜60D、第1テンションローラ41A〜61D、第2テンションローラ61のそれぞれを上から見た場合の模式図によって、清掃すべきローラの種類と位置を示すローラチェック画面100を表示するようにした。
こうすることで、この第2の実施の形態では、ローラチェック画面100を介して、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のそれぞれにおいて、左右方向のどの位置にあるローラがメンテナンスが必要なのかを一目で確認させることができるようになっている。換言すれば、第2の実施の形態は、清掃すべきローラの種類と位置を作業者に提示するようになっている為、清掃すべきローラの種類のみを作業者に提示する第1の実施の形態よりも、メンテナンス性が向上していると言える。
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、鑑別部11の磁気センサ50近傍に配置された、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の5種類の外径D1、D2、D3、D4、D5をそれぞれ違う大きさにした。これに限らず、例えば、塵埃が付着し易いゴムローラである第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60の3種類のローラの外径D1、D2、D3のみをそれぞれ違う大きさにして、これら第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60のみをローラチェックの対象としてもよい。この場合、制御部20では、清掃すべきローラが、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60のどれであるのかを判断するようにすればよい。
また、これに限らず、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60のうちの2種類をローラチェックの対象として外径を違う大きさとするようにしてもよい。例えば、第1搬送ローラ40とガイドローラ52をローラチェックの対象として、それぞれの外径を違う大きさとしてもよい。尚、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60のうち、最も塵埃が付着し易いのは、鑑別部11へと搬送されてくる紙幣と1番最初に接触することになる1番外側の第1搬送ローラ40である為、少なくともこの第1搬送ローラ40をローラチェックの対象とすることが望ましい。尚、第2の実施の形態についても同様であり、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60の3種類の外径D1、D2、D3のみを異なる大きさにするなどしてもよい。
[3−2.他の実施の形態2]
また、上述した第2の実施の形態では、磁気センサ50が左右方向に配置された複数の磁気検出素子53を有していて、制御部20が、閾値Thを超える磁気検出値が検出された磁気検出素子53の左右方向の位置と、閾値Thを超える磁気検出値の周波数とをもとに、清掃すべきローラの種類と左右方向の位置を特定するようにした。
一方で、磁気センサ50が例えば1個の磁気検出素子53しか有していない場合も考えられる。この場合、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61の5種類の外径D1、D2、D3、D4、D5をそれぞれ違う大きさにしただけでは、閾値Thを超える磁気検出値の周波数から清掃すべきローラの種類を特定することはできても、清掃すべきローラの左右方向の位置まで特定することはできない。
そこで、例えば、左右方向に複数設けられた第1搬送ローラ40A〜40D、ガイドローら52A〜52M、第2搬送ローラ60A〜60D、第1テンションローラ41A〜61D、第2テンションローラ61A〜62Dの計29個のローラの外径をそれぞれ違う大きさにし、各々の周速が一定の搬送速度となるようにそれぞれに異なる駆動機構をそなえてもよい。このようにすれば、磁気検出素子53が1個でも、閾値Thを超える磁気検出値の周波数から清掃すべきローラの種類と左右方向の位置を特定することができる。
[3−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第2の実施の形態では、操作表示部8に表示している保守管理画面からローラチェックの項目が選択されることに応じて、ローラチェックを行うようにしたが、これに限らず、例えば、現金自動預払機1の電源投入時にローラチェックを行うようにしてもよい。要は、鑑別部11の搬送路31を紙幣が走行していないときであれば、いつでもローラチェックを行うことができる。
[3−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、磁気センサ50の磁気検出素子53から得られる検出結果を解析して、磁気ノイズが現れている周波数を特定し、その周波数に対応する回転数のローラを、磁気ノイズの原因となっている塵埃が付着しているローラ、つまり清掃が必要なローラと判断するようにした。そして、清掃が必要なローラの種類を操作表示部8に表示するようにした。
一方で、磁気検出素子53の検出結果には、鑑別部11のローラに付着している塵埃以外の要因で磁気ノイズが現れることがある。そこで、制御部20が、ローラチェック時に得られた磁気検出素子53の検出結果に、各ローラの回転数に対応する周波数以外の周波数に磁気ノイズが現れている場合や、周期的ではなく連続的な磁気ノイズが現れている場合には、鑑別部11のローラに付着している塵埃以外の要因で磁気ノイズが現れているものとして、ローラ以外の部分をチェックするよう操作表示部8に表示するなどしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
[3−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第1の実施の形態では、磁気検出素子53の検出結果として得られる磁気検出値が閾値Thを超えている場合に、その磁気検出値の周波数から清掃すべきローラの種類を特定するようにしたが、この閾値Thを、例えば保守管理画面などで任意の値に変更できるようにしてもよい。
実際、この閾値Thを小さくすれば、小さな磁気ノイズも見逃さないよう厳しくローラのチェックを行うことになる為、磁気センサ50の検出精度は保たれるが、ローラのメンテナンス頻度が多くなる。これに対して、この閾値Thを大きくすれば、小さな磁気ノイズは見逃すようローラのチェックを行うことになる為、磁気センサ50の検出精度は低下するが、ローラのメンテナンス頻度は少なくなる。ゆえに、閾値Thについては、検出精度とメンテナンスの頻度のどちらを重要視するかなどに応じて、適宜、設定するようにすればよい。第2の実施の形態についても同様であり、閾値Thを適宜変更できるようにしてもよい。
[3−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した第2の実施の形態では、清掃すべきローラの種類を示す第1画面100A及び第3画面100Cと、清掃すべきローラの左右方向の位置を種類ごとに示す第2画面100B及び第4画面100Dとからなるローラチェック画面100を操作表示部8に表示させるようにした。これに限らず、清掃すべきローラの種類と種類ごとの左右方向の位置を作業者に確認させることができる画面であれば、第1画面100A〜第4画面100Dとは異なる画面を、ローラチェック画面として操作表示部8に表示させるようにしてもよい。また、例えば、第1の実施の形態において、ローラチェックの結果として、ローラチェック画面100の第1画面100Aと第3画面100Cを、操作表示部8に表示させるようにしてもよい。
[3−7.他の実施の形態7]
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、第1搬送ローラ軸42、ガイドローラ軸55、第2搬送ローラ軸62、第1テンションローラ軸45、第2テンションローラ軸63を、鑑別部11に対して着脱可能な構造とすることで、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61を、鑑別部11から取り外して容易に清掃できるようにした。これに限らず、例えば、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61が、それぞれ鑑別部11に対して着脱可能な構造であればよく、例えば、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61が、それぞれ第1搬送ローラ軸42、ガイドローラ軸55、第2搬送ローラ軸62、第1テンションローラ軸45、第2テンションローラ軸63に対して着脱可能な構造となっていてもよい。
[3−8.他の実施の形態8]
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、現金自動預払機1の制御部20が、鑑別部11の磁気センサ50の複数の磁気検出素子53のそれぞれから出力される検出結果を鑑別部11の制御部37を介して取得して周波数解析することで、清掃すべきローラを特定するようにした。これに限らず、例えば、鑑別部11の制御部37が周波数解析を行う程度の処理能力を有している場合には、この制御部37が、複数の磁気検出素子53のそれぞれから出力される検出結果を周波数解析して、清掃すべきローラを特定するようにしてもよい。つまり、検出部からの検出結果を周波数解析してメンテナンスすべきローラを判断する制御部の具体例として、鑑別部11の制御部37を用いるようにしてもよい。
[3−9.他の実施の形態9]
さらに、上述した各実施の形態では、本発明を、媒体鑑別装置としての鑑別部11に適用したが、本発明は、これに限らず、磁気検出部33のような紙幣の磁気情報を検出する検出部を有する媒体鑑別装置であれば、鑑別部11とは異なる構成の媒体鑑別装置にも適用できる。
さらに、上述した各実施の形態では、本発明を、自動取引装置としての現金自動預払機1に適用したが、これに限らず、媒体の磁気情報を用いて鑑別を行う鑑別部を有する自動取引装置であれば、現金自動預払機1とは異なる構成の自動取引装置にも適用できる。例えば、紙、切符など、紙幣以外の媒体を扱う自動取引装置であっても、媒体の磁気情報を用いて鑑別を行う鑑別部を有する自動取引装置であれば適用できる。
さらに、上述した各実施の形態では、搬送される媒体の磁気情報を検出する検出部の具体例として、磁気センサ50を用いたが、これに限らず、搬送される媒体の磁気情報を検出するものであれば、磁気センサ50とは異なる構成の検出部を用いるようにしてもよい。さらに、上述した各実施の形態では、メンテナンスすべきローラの種類と軸方向の位置とを示す画面を表示する表示部の具体例として、操作表示部8を用いたが、これに限らず、操作表示部8とは異なる構成の表示部を用いてもよい。
さらに、上述した各実施の形態では、第1搬送ローラと対向する位置に配置される第1対向ローラの具体例として第1テンションローラ41を用いたが、これに限らず、第1搬送ローラと対向するように配置されるローラであれば、第1テンションローラ41とは異なるローラを用いてもよい。さらに、上述した各実施の形態では、第2搬送ローラと対向する位置に配置される第2対向ローラの具体例として第2テンションローラ61を用いたが、これに限らず、第2搬送ローラと対向するように配置されるローラであれば、第2テンションローラ61とは異なるローラを用いてもよい。
さらに、上述した各実施の形態では、第1搬送ローラ40、ガイドローラ52、第2搬送ローラ60、第1テンションローラ41、第2テンションローラ61のそれぞれの材質及び軸方向の個数について述べたが、各実施の形態で述べた各ローラの材質及び個数は一例であり、各実施の形態で述べた材質及び個数とは異なる材質及び個数にしてもよい。
[3−10.他の実施の形態10]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態と他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。