JP6538162B2 - ラップフィルム - Google Patents
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Description
下記式(1):
Δn=nx−ny=Re/d (1)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、Reはフィルムの面内レタデーション(単位:nm)を表し、dはフィルムの厚み(単位:nm)を表す)
により求められる複屈折度Δnが下記式(1a):
0.0003≦Δn≦0.0013 (1a)
で表される条件を満たし、
下記式(2):
ΔP=(nx+ny)/2−nz (2)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、nzはフィルムの厚さ方向の屈折率を表す)
により求められる面配向度ΔPが下記式(2a):
−0.0120≦ΔP≦−0.0102 (2a)
で表される条件を満たすものである。
0.0003≦Δn≦0.0013 (1a)
で表される条件を満たし、面配向度ΔPが下記式(2a):
−0.0120≦ΔP≦−0.0102 (2a)
で表される条件を満たすように、溶融押出したフィルムの冷却温度、延伸温度、延伸倍率、緩和温度、緩和率を調整する。前記複屈折度Δnが0.0003未満、或いは前記面向度ΔPが−0.0120未満になると、インフレーション二軸延伸時の破裂が起きやすくなり、安定製膜が困難となる。また、前記複屈折度Δnが0.0013超過、或いは前記面配向度ΔPが−0.0102超過になると、ラップフィルムが伸びやすくなり、ラップフィルムを弱い力で容易にカットすることが困難となる。こうした観点から、前記複屈折度Δnは下記式(1b):
0.0005≦Δn≦0.0013 (1b)
で表される条件を満たすことが好ましく、また、面配向度ΔPが下記式(2b):
−0.0115≦ΔP≦−0.0102 (2b)
で表される条件を満たすことが好ましい。
Δn=nx−ny=Re/d (1)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、Reはフィルムの面内レタデーション(単位:nm)を表し、dはフィルムの厚み(単位:nm)を表す)
により求められるものであり、面配向度ΔPは、下記式(2):
ΔP=(nx+ny)/2−nz (2)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、nzはフィルムの厚さ方向の屈折率を表す)
により求められるものである。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂1gを50mlのテトラヒドロフランに添加し、40℃に加熱して溶解した。この溶液をメタノールにを加え、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を析出させ、ろ過により回収した後、乾燥した。乾燥後のポリ塩化ビニリデン系樹脂80mgを秤量し、溶媒として30℃のシクロヘキサノン20mlを添加し、70℃で60分間加熱して溶解した。その後、室温で冷却し、ろ過して試料溶液を得た。
η=(1/4)×{(t2/t1)−1}
(式中、t1は30℃のシクロヘキサノン(溶媒)の流下秒数(単位:秒)を表し、t2は30℃の試料溶液の流下秒数(単位:秒)を表す)
により還元粘度(η)を求めた。
ラップフィルムを位相差測定装置(王子計測機器(株)製「KOBRA−WR」)に、フィルムの縦方向(MD)が測定装置の0°方向となるように装着し、波長589nmにおけるラップフィルムの面内レタデーションReを測定し、下記式(1):
Δn=nx−ny=Re/d (1)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、Reはフィルムの面内レタデーション(単位:nm)を表し、dはフィルムの厚み(単位:nm)を表す)
によりラップフィルムの複屈折度Δnを求めた。この測定を無作為に抽出した5カ所の測定点について行い、その平均値を求めた。なお、この平均値は、小数点以下5桁目を四捨五入して小数点以下4桁の値として求めた。また、配向角表示範囲を−90度から90度とした。それにより、配向角が−45度から45度の範囲であれば、ポリ塩化ビニリデンは負の固有複屈折を持つため、ラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であることを意味する。すなわち、ラップフィルムの横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことを意味し、また、Δnが小さくなるにつれて縦方向(MD)の配向が強くなっていることを意味する。
ラップフィルムを位相差測定装置(王子計測機器(株)製「KOBRA−WR」)に、フィルムの縦方向(MD)が測定装置の0°方向となるように装着し、傾斜中心軸を進相軸として入射角が40°となるようにフィルムを傾斜させ、波長589nmにおけるラップフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率ny、厚さ方向の屈折率nzを、平均屈折率Nave=1.609として、低位相差モードで測定し、下記式(2):
ΔP=(nx+ny)/2−nz (2)
によりラップフィルムの面配向度ΔPを求めた。この測定を無作為に抽出した5カ所の測定点について行い、その平均値を求めた。なお、この平均値は、小数点以下5桁目を四捨五入して小数点以下4桁の値として求めた。
塩化ビニリデン(VD)と塩化ビニル(VC)とを、VD:VC=82:18(質量比)で混合し、懸濁重合法により、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体(PVDC樹脂、還元粘度(η):0.044L/g)を合成した。このPVDC樹脂100質量部に、添加剤として、アセチルトリブチルサイトレート(ATBC)、ジアセチル化モノグリセライド(DALG)、エポキシ化大豆油及び流動パラフィンを合計8.4質量部となるように添加して混合し、PVDC樹脂組成物を調製した。
図1に示す製造装置を用いてラップフィルムを作製した。すなわち、調製例1で得られたPVDC樹脂組成物を、直径75cmの単軸押出機1を用いて175℃で環状ダイから溶融押出した後、得られた管状パリソンを10℃の冷却バス(1浴)2で急冷し、次いで、40℃の温水バス(2浴)3中を通過させた。その後、回転速度の異なるピンチローラ4と5の間で管状パリソン内に空気を圧入して膨張させ、延伸温度25℃、縦方向(MD)4.2倍、横方向(TD)5.1倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、さらに、回転速度の異なるピンチローラ5と6の間で、緩和温度25℃、縦方向(MD)10.1%、横方向(TD)4.0%の緩和率で緩和処理を行なった後、巻取りローラ7で巻き取った後、スリットと巻き返しを行い、20m巻のラップフィルム巻回体(幅30cm)を得た。なお、前記延伸温度とは、2浴から取り出した管状パリソンが二軸延伸時に曝される雰囲気の温度(すなわち、ピンチローラ4と5の間の領域の環境温度)であり、前記緩和温度とは、二軸延伸後のフィルムが緩和処理時に曝される雰囲気の温度(すなわち、ピンチローラ5と6の間の領域の環境温度)である。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)4.4倍、横方向(TD)5.0倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)10.1%、横方向(TD)4.8%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)4.6倍、横方向(TD)4.7倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)5.0%、横方向(TD)5.1%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
冷却バス(1浴)の温度を11℃に、温水バス(2浴)の温度を45℃に変更し、延伸温度25℃、縦方向(MD)4.0倍、横方向(TD)5.1倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)5.0%、横方向(TD)5.3%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)4.5倍、横方向(TD)4.8倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)5.0%、横方向(TD)4.0%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例4と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
温水バス(2浴)の温度を30℃に変更し、延伸温度30℃、縦方向(MD)4.2倍、横方向(TD)4.6倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度40℃、縦方向(MD)10.8%、横方向(TD)4.2%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例4と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度30℃、縦方向(MD)4.1倍、横方向(TD)4.8倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度40℃、縦方向(MD)10.7%、横方向(TD)6.1%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例6と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度30℃、縦方向(MD)4.3倍、横方向(TD)4.5倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度40℃、縦方向(MD)10.7%、横方向(TD)4.3%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例6と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)3.2倍、横方向(TD)5.4倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)10.1%、横方向(TD)4.9%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)3.4倍、横方向(TD)3.3倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)10.1%、横方向(TD)3.5%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)3.4倍、横方向(TD)4.4倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)10.1%、横方向(TD)3.5%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
冷却バス(1浴)の温度を12℃に、温水バス(2浴)の温度を30℃に変更し、延伸温度25℃、縦方向(MD)4.0倍、横方向(TD)5.1倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)10.1%、横方向(TD)3.9%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例1と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)3.5倍、横方向(TD)5.3倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)5.0%、横方向(TD)5.2%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例4と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度25℃、縦方向(MD)4.0倍、横方向(TD)4.7倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度25℃、縦方向(MD)5.0%、横方向(TD)5.8%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例4と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度30℃、縦方向(MD)4.0倍、横方向(TD)4.7倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行ない、緩和温度40℃、縦方向(MD)10.8%、横方向(TD)4.2%の緩和率で緩和処理を行った以外は実施例6と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
延伸温度30℃、縦方向(MD)4.0倍、横方向(TD)4.7倍の延伸倍率でインフレーション二軸延伸を行い、緩和温度40℃、縦方向(MD)10.7%、横方向(TD)4.6%の緩和率で緩和処理を行なった以外は実施例6と同様にしてラップフィルム巻回体を作製した。得られたラップフィルムについて、厚みを測定し、複屈折度Δn(平均値)及び面配向度ΔP(平均値)を求めた。その結果を表1に示す。また、得られたラップフィルムの配向角は−45度から45度の範囲であった。このことから、得られたラップフィルムの遅相軸方向が縦方向(MD)であり、横方向(TD)の配向が縦方向(MD)よりも強いことがわかった。
実施例及び比較例で得られたラップフィルム巻回体を樹脂製のノコ刃が装着された市販の新品のNEWクレラップ(登録商標)用カートン(30cm幅用)に装填した。カートンからラップフィルムを約30cm引き出し、カートンの蓋を確実に閉め、親指が所定の位置にくるようにカートンを持ち、カートンを内側に回転させてラップフィルムを中央部から横方向(TD)外側に向かって切断した。このラップフィルムの切断を10人のモニターを対象に実施し、下記基準で判定した。その結果を表1に示す。
A:弱い力でカットしやすいもの。
B:弱い力でカットできるが、カットしにくいもの。
C:弱い力でカットできず、比較的強い力が必要なもの。
実施例及び比較例で得られたラップフィルムを横方向(TD)に40mm、縦方向(MD)に140mmに裁断して試験用ラップフィルムを作製した。樹脂製のノコ刃が装着された市販の新品のNEWクレラップ(登録商標)用カートン(30cm幅用)の内部に試験用ラップフィルムの縦方向(MD)の一端をテープで固定し、専用の冶具に装着した。その際、カートンからはみ出している試験用ラップフィルムの中央部がカートンのノコ刃のV字部先端に接触するように固定した。次に、試験用ラップフィルムの縦方向(MD)の他端をテンシロン万能材料試験機((株)オリエンテック製「RTC−210A」)のチャック部分で挟持し、ノコ刃と試験用ラップフィルムとの角度が80°となるように治具の角度を調整した。その後、試験用ラップフィルムを上方へ引張速度1000mm/分で引っ張り、ラップフィルムがカットされた時の強さ(ピーク値(単位:N))を測定し、実施例1で得られたラップフィルムのカット力を各実施例で得られたラップフィルムのカット力で除して、実施例1で得られたラップフィルムのカット力を基準とする相対点数を求めた。その結果を表1に示す。なお、相対点数が1.00以上のラップフィルムは、実施例1で得られたラップフィルムと同等以下の弱い力で容易にカットできるラップフィルムであることを意味し、他方、相対点数が1.00未満のラップフィルムは、実施例1で得られたラップフィルムに比べて強い力を必要とするカットしにくいラップフィルムであることを意味する。
0.0003≦Δn≦0.0013 (1a)
で表される条件を満たし、面配向度ΔPが下記式(2a):
−0.0120≦ΔP≦−0.0102 (2a)
で表される条件を満たすラップフィルム(実施例1〜8、図2の点線枠内)は、弱い力で容易にカットできるものであり、実施例2〜8で得られたラップフィルムは実施例1で得られたラップフィルムに対する相対点数が1.00以上であった。
2:冷却バス
3:温水バス
4〜6:ピンチローラ
7:巻取りローラ
Claims (6)
- ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有する単層のラップフィルムであって、
下記式(1):
Δn=nx−ny=Re/d (1)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、Reはフィルムの面内レタデーション(単位:nm)を表し、dはフィルムの厚み(単位:nm)を表す)
により求められる複屈折度Δnが下記式(1a):
0.0003≦Δn≦0.0013 (1a)
で表される条件を満たし、
下記式(2):
ΔP=(nx+ny)/2−nz (2)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはフィルム面内の前記遅相軸方向に垂直な方向の屈折率を表し、nzはフィルムの厚さ方向の屈折率を表す)
により求められる面配向度ΔPが下記式(2a):
−0.0120≦ΔP≦−0.0102 (2a)
で表される条件を満たす、単層のラップフィルム。 - 厚みが5〜15μmである、請求項1に記載の単層のラップフィルム。
- 前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂が塩化ビニリデンと該塩化ビニリデンと共重合可能なコモノマーとの共重合体である、請求項1又は2に記載の単層のラップフィルム。
- 前記コモノマーが塩化ビニルである、請求項3に記載の単層のラップフィルム。
- フィルム面内の遅相軸方向がラップフィルムの縦方向(MD)である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の単層のラップフィルム。
- 請求項5に記載の単層のラップフィルムからなる巻回体であって、該単層のラップフィルムの縦方向(MD)が巻方向であり、ノコ刃が装着されたカートンに装填されている単層のラップフィルム巻回体。
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