JP6534736B2 - 塩化ビニリデン系樹脂延伸フィルム - Google Patents

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Description

本発明は塩化ビニリデン系樹脂フィルムに関する。
一般に、塩化ビニリデン系樹脂組成物は、酸素ガス遮断性および水蒸気遮断性に優れているため、ソーセージなどの食品を包装するフィルムなどに使用されている。
食品を包装するフィルムにおいては、低温で包装、運搬または保管されるため、耐寒性に優れたものが求められている。また、当該フィルムを包装機械で加工する際に必要な性質である包装機械適性が求められている。しかし、塩化ビニリデン系樹脂自体は耐寒性および包装機械適性に優れた樹脂ではない。耐寒性が不十分であると、例えば、フィルムの脆化、破れおよびピンホール発生などがおこる。また、包装機械適性のうち、例えば、滑り性が不十分であると、フィルムの走行性が悪くなったり、製袋時のシール性に乱れが生じたりするなど、作業性悪化につながる問題が生じる。
特許文献1には、少なくとも2種の塩化ビニリデン共重合体からなる混合塩化ビニリデン樹脂と、エチレンおよび酢酸ビニルの共重合体とを含む塩化ビニリデン共重合体含有樹脂組成物が開示されている。当該組成物から形成されたフィルムは、耐寒性および包装機械適性等に優れることが記載されている。
ところで、特許文献2〜5において、球状シリカ等の球状粒子を含む樹脂からなるフィルムは、球状シリカ等の球状粒子を含まない樹脂からなるフィルムに比べて、特定の性質に優れていることが記載されている。
特許文献2には、防曇剤含有球状シリカを含む高分子組成物からなる高分子フィルムが開示されており、この高分子フィルムは透明性および防曇性に優れることが記載されている。
特許文献3には、球状シリカを含むポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレンフィルムが開示されており、このポリプロピレンフィルムは耐ブロッキング性(吸湿時の流動性)および耐傷付き性等に優れることが記載されている。
特許文献4には、球状シリカを含むポリオレフィン系樹脂組成物からなる包装用フィルムが開示されており、この包装用フィルムは耐ブロッキング性、滑り性および透明性に優れることが記載されている。
特許文献5には、平均粒径が0.2〜4μmである球状シリカを含む熱可塑性重合体からなる熱可塑性重合体フィルムが開示されており、この熱可塑性重合体フィルムは製膜性、ハンドリング性および滑り性等に優れることが記載されている。
国際公開WO96/034050号(1996年10月31日公開) 日本国公開特許公報「特開平8−40718号公報(1996年2月13日公開)」 日本国公開特許公報「特開2013−79343号公報(2013年5月2日公開)」 日本国公開特許公報「特開2002−256116号公報(2002年9月11日公開)」 日本国公開特許公報「特公平7−47645号公報(1995年5月24日公告)」
しかしながら、特許文献1に記載のフィルムのように、塩化ビニリデン共重合体にエチレンと酢酸ビニルとの共重合体(EVA)を添加した場合でも、その耐寒性は必ずしも十分ではなく、耐寒性のさらなる向上が求められている。
また、特許文献2〜4では、塩化ビニリデン系樹脂の耐寒性を向上させることについては記載されていない。同様に、特許文献5においても、熱可塑性重合体フィルムの耐寒性を向上させることについては記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、耐寒性および包装機械適性に優れる塩化ビニリデン系樹脂フィルムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、以下の本発明に達した。
本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムは、平均粒子径が4μmより大きく、15μm以下である球状粒子を含むことを特徴とする。
本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムは、耐寒性および包装機械適性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムの一実施形態について説明する。
<塩化ビニリデン系樹脂フィルム>
本実施形態に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムは、平均粒子径が4μmより大きく、15μm以下である球状粒子を含んでいるものである。これにより、耐寒性および包装機械適性に優れる塩化ビニリデン系樹脂フィルムとなる。
〔球状粒子〕
塩化ビニリデン系樹脂フィルムに添加される球状粒子は平均粒子径が4μmより大きく、15μm以下であればよい。ここで、平均粒子径は、公知のレーザ回折式粒子径分布測定装置を用いて測定すればよく、例えば、島津製作所製レーザ回折式粒子径分布測定装置SALD−2000Jを用いて測定することが挙げられる。
球状粒子の平均粒子径の下限値としては、4μmより大きければよく、4.5μm以上であることが好ましい。また、上限値としては、15μm以下であればよく、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましい。球状粒子の平均粒子径が4μm以下だと、塩化ビニリデン系樹脂フィルムは耐寒性に優れるものの、十分な包装機械適性が得られなくなる。また、球状粒子の平均粒子径が15μmよりも大きいと、包装機械適性に優れるものの、十分な耐寒性が得られなくなる。したがって、上述の範囲内にあることにより、耐寒性および包装機械適性の両方に優れている塩化ビニリデン系樹脂フィルムを得ることができる。
一般的な球状シリカの製造方法としては、シリカゾルをスプレードライヤーで造粒乾燥する方法および界面活性剤を含む非極性有機溶媒中で珪酸ソーダを乳化させた後ゲル化させる方法等が挙げられ、界面活性剤を含む非極性有機溶媒中で珪酸ソーダを乳化させた後ゲル化させる方法であることが好ましい。
球状粒子の含有量は、塩化ビニリデン系樹脂フィルムを形成している塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.04〜0.4重量部の範囲であることが好ましく、0.05〜0.2重量部の範囲であることがより好ましい。上述の好ましい範囲内にあることにより、より耐寒性および包装機械適性に優れる塩化ビニリデン系樹脂フィルムを得ることができ、フィルムが白化せず透明なフィルムを得ることができる。
球状粒子としては、例えば、球状シリカ、球状炭酸カルシウム、球状アルミナ、球状チタニア、球状ジルコニア等の球状無機粒子およびポリマービーズ等が挙げられ、球状シリカ、球状炭酸カルシウムまたはポリマービーズであることが好ましく、球状シリカであることがより好ましい。球状シリカを添加することにより、より耐寒性および包装機械適性に優れる塩化ビニリデン系樹脂フィルムを得ることができる。なお、ポリマービーズの具体例としては、例えば、ポリブチルメタクリレートのポリマービーズ、ポリメチルメタクリレートのポリマービーズ、シリコーンのポリマービーズ、およびメチルメタクリレート/スチレンのコポリマーのポリマービーズ等が挙げられる。
〔塩化ビニリデン系樹脂〕
塩化ビニリデン系樹脂フィルムを形成している塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデン共重合体を主成分として含有する。塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデン60〜98重量%および塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の少なくとも一種2〜40重量%から形成される共重合体である。塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデンモノマー(単量体)と塩化ビニリデンと共重合可能な単量体とを、懸濁重合または乳化重合して製造されるものである。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体(以下、共単量体)としては、例えば塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルおよびアクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18);メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルおよびタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18);アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等のシアン化ビニル;スチレン等の芳香族ビニル;酢酸ビニル等の炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸のビニルエステル;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸等のビニル重合性不飽和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸等のビニル重合性不飽和カルボン酸のアルキルエステル(部分エステルを含み、アルキル基の炭素数1〜18);その他、ジエン系単量体、官能基含有単量体ならびに多官能性単量体等を挙げられる。これらの共単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。共単量体の中でも、塩化ビニル、アクリル酸メチルまたはアクリル酸ブチルが好ましく、塩化ビニルがより好ましい。したがって、より好ましい塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体である。塩化ビニリデン共重合体における塩化ビニリデンの含有比率は、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。塩化ビニリデンの含有比率の上限は特にないが、包装機械適性の一つである押出加工性等の観点から、98重量%が好適であり、95重量%がより好適である。
塩化ビニリデン系樹脂の還元粘度は、0.035〜0.070の範囲であることが好ましく、0.040〜0.065の範囲であることがより好ましい。還元粘度を0.035以上とすることにより、フィルムの成形品への押出加工性に優れたものとなる。また、還元粘度を0.70以下とすることにより、着色を抑えるとともに、溶融成形が容易となる。
[添加剤]
塩化ビニリデン系樹脂は、さらに種々の添加剤を含んでもいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、スリップ剤およびアンチブロッキング剤(AB剤)等が挙げられる。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えば、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、ジオクチルフタレート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、アセチル化モノグリセライド、アセチル化ジグリセライドおよびアセチル化トリグリセライド等が挙げられる。
(スリップ剤)
スリップ剤としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミドおよびチオエーテル系化合物等が挙げられる。
飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、ブチルアミド、吉草酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドおよびベヘニン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミドおよびエルカ酸アミド等が挙げられる。置換アミドとしては、例えば、N−オレイルパルチミン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミドおよびN−ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。チオエーテル系化合物としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)およびペンタエリスリトールテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
(AB剤)
AB剤としては、本実施形態に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムに含まれる球状粒子が該当するため、さらなるAB剤を添加する必要は必ずしもない。しかしながら、さらなるAB剤を含ませる態様を排除するものではなく、球状粒子以外の粒子をAB剤として塩化ビニリデン系樹脂フィルムにさらに含ませてもよい。含ませ得る粒子としては、不定形シリカ、不定形炭酸カルシウムおよびタルク等が挙げられる。球状粒子以外の粒子をAB剤として含ませる場合、本実施形態に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムの奏する効果が損なわれないように、球状粒子の含有量に対して、50重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましい。
添加剤の含有量としては、添加剤が可塑剤等の液体添加剤である場合には、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲であることが好ましく、1.0〜7.0重量部の範囲であることがより好ましい。可塑剤の添加量が上記範囲内であることにより、より耐寒性および包装機械適性に優れる塩化ビニリデン系樹脂フィルムを最終的に得ることができる。また、添加剤がスリップ剤等の紛体添加剤である場合には、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.1〜6.0重量部の範囲であることがより好ましい。
〔塩化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法〕
塩化ビニリデン系樹脂フィルムは、溶融押出法、溶液流延法およびカレンダー法等の成形方法によって製造でき、中でも溶融押出法によって製造することが好ましい。溶融押出法としては、Tダイ法およびインフレーション法等があり、中でもインフレーション法が好ましい。インフレーション法は設備そのものが簡易であり、小さな金型から幅の広いフィルムを製造できる。以下、インフレーションを用いた場合の塩化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法の具体例について説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
[工程1]
塩化ビニリデンおよび塩化ビニリデンと共重合可能な単量体を重合して得られた塩化ビニリデン系樹脂に対して、上述の球状粒子、可塑剤およびスリップ剤を混合機等により混合する。このようにして塩化ビニリデン共重合体含有樹脂組成物を作製する。
塩化ビニリデン系樹脂の重合法としては、不均一系重合法である懸濁重合法および乳化重合法が好ましく、懸濁重合法がより好ましい。
球状粒子を混合する割合としては、混合させる塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.04〜0.4重量部の範囲であることが好ましく、0.05〜0.2重量部の範囲であることがより好ましい。上述の好ましい範囲内にあることにより、より耐寒性および包装機械適性に優れる塩化ビニリデン系樹脂フィルムを最終的に得ることができる。
混合する装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機およびレディゲミキサー等が挙げられ、ヘンシェルミキサーまたはリボン型混合器であることが好ましい。
[工程2]
調製した混合物を溶融押出し、インフレーション法により、フィルムを得る。フィルムは、シングルフィルムまたは用途によってはダブルフィルムとして用いられる。フィルムの厚さとしては、5μm〜90μmの範囲であることが好ましく、15μm〜70μmの範囲であることがより好ましく、20μm〜50μmの範囲であることがさらに好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムは、平均粒子径が4μmより大きく、15μm以下である球状粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムにおいて、上記塩化ビニリデン系樹脂フィルムを形成している塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、上記球状粒子を0.04〜0.4重量部含むことが好ましい。
また、本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムにおいて、上記球状粒子は球状シリカ、球状炭酸カルシウムまたはポリマービーズであることが好ましい。
また、本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂フィルムにおいて、上記球状粒子は球状シリカであることが好ましい。
<塩化ビニリデン系樹脂フィルムの製造例>
〔工程1〕
塩化ビニリデンおよび塩化ビニルの共重合体を重量比81:19で懸濁重合法によって重合させ、還元粘度0.062の塩化ビニリデン系樹脂を得た。この塩化ビニリデン系樹脂に、液体添加剤(可塑剤)、粉末添加剤(スリップ剤)およびAB剤を加え、ヘンシェルミキサーにより混合した。これにより、コンパウンド(塩化ビニリデン共重合体含有樹脂組成物)を調製した。なお、液体添加剤として、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油およびジブチルセバケートを合計で6.5重量部添加した。なお、これらの液体添加剤は重合時にも加えることができる。また、粉末添加剤として、ステアリン酸アミドおよびジステアリルチオジプロピネートを合計で0.1重量部添加した。また、AB剤の種類および塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対する添加量は表1に示す。
〔工程2〕
工程1で調製したコンパウンドを、口径40mmの溶融押出機を用いて、180℃で混練、溶融し、環状に溶融押出した。常法によって溶融押出した環状体を7℃の冷却槽で急冷した。急冷した環状体を25℃の温水浴槽を通して温度を上昇させた。その後、2組の回転表面速度の異なるピンチロール間で空気を圧入して環状体を膨張させて二軸延伸を行い、巻き取り側のピンチロールにより折り畳んでフィルムを得た。結果を表1に示す。
Figure 0006534736
なお、表1のMDおよびTDは、それぞれ長さ方向および幅方向の延伸倍率を示している。
<耐寒性試験>
フィルム脆化温度試験機を用いて、上述の実施例1〜4および比較例1〜9の塩化ビニリデン系樹脂フィルムの耐寒性を試験した。試験サンプルとしては、塩化ビニリデン系樹脂フィルムを、幅約30mm、長さ約500mmにカットしたシングルフィルム(以下、試験フィルム)を用いた。フィルム脆化温度試験機は、試験フィルムを挟むための上側フィルム保持板および下側フィルム保持板を備えている。
下側フィルム保持板には、突き上げピンの先端を貫通させるための貫通孔が設けられている。突き上げピンは、直径が3mmで、先端部の曲率半径が1.5mmである。上側フィルム保持板には下側フィルム保持板を貫通した突き上げピンの先端部を受ける凹状の受け孔が設けられている。受け孔の直径は7mmである。試験時には、上側フィルム保持板および下側フィルム保持板の内部に伝熱媒体を流し、各フィルム保持板の温度を予め測定温度に調整している。突き上げピンはスプリングによって動かされ、スプリングのばね定数は、0.71g/cmである。
試験フィルムを、上側フィルム保持板および下側フィルム保持板の間に挟み、23秒間保持することで測定温度に調整した。
試験フィルムの下面側から、突き上げピンを衝撃力4.41kg・m/秒、打ち抜きスピード0.92m/秒、フィルム面への到達時間0.06秒で試験フィルムに向けて突き上げ、試験フィルムの破壊の有無を調べた。試験フィルムに穴が開いていたら破壊と判定した。突き上げを行った後、毎回新しい試験フィルムを、上側フィルム保持板および下側フィルム保持板の間に挟み、23秒間保持して測定温度に調整した後、新しい試験フィルムに対して突き上げを行った。突き上げ試験は各測定温度で20回ずつ行った。
実施例1〜4および比較例1〜9それぞれにおいて、20回の突き上げ試験において1回も試験フィルムが破壊しない(破壊率0%)最低温度から試験を開始し、2℃間隔で温度を下げながら各温度における破壊の頻度を測定し、20回の突き上げ試験において全ての試験フィルムが破壊する(破壊率100%)温度まで測定した。破壊率100%となる温度および式1により、試験フィルムの50%破壊温度(Tb)(以下、脆化温度)を求めた。また、この脆化温度の結果および表2の基準により、耐寒性の評価をした結果を表3に示す。
Tb=T100+B{(A/100)−0.5} ・・・(式1)
100:試験フィルムが100%破壊する温度(℃)
B:測定温度間隔(2℃)
A:総破壊数/総測定数(%)
Figure 0006534736
Figure 0006534736
<滑り性試験>
実施例1〜4および比較例1〜9の試験フィルムの静摩擦係数を、JISK7125(プラスチック−フィルムおよびシート−摩擦係数試験方法)に準拠する方法で測定した。静摩擦係数の測定結果を表5に示す。また、この静摩擦係数の測定結果および表4の基準により、包装機械適性の一つである滑り性の評価をした結果を表5に示す。
Figure 0006534736
Figure 0006534736
なお、表5の比較例9の静摩擦係数の「−」は、測定可能な範囲を超えるほど大きいものであることを意味する。
本発明は、ソーセージなどの食品を包装するフィルムに利用することができる。

Claims (2)

  1. 平均粒子径が4μmより大きく、15μm以下である球状シリカまたは球状炭酸カルシウムを含み、厚さが20μm〜50μmであり、二軸延伸されていることを特徴とする塩化ビニリデン系樹脂延伸フィルム。
  2. 上記塩化ビニリデン系樹脂延伸フィルムを形成している塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、上記球状シリカまたは上記球状炭酸カルシウムを0.04〜0.4重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニリデン系樹脂延伸フィルム。
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