JP2017193617A - ポリアミドフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】無機フィラーを配合した場合に生じるポリアミド樹脂製フィルムが有する欠点を克服し、透明性と滑り性に優れ、連続製膜を行なっても外観不良が生じにくいポリアミド樹脂製フィルムを提供することを課題とする。。【解決手段】 ポリアミドと無機フィラー粒子とアルカリ土類金属を配合した樹脂組成物を使用してフィルムを形成することによって、上記課題を解決しうることを見いだした。 本発明は、ポリアミド樹脂100重量部と表面処理された無機フィラー0.01〜0.60重量部とアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物0.01〜0.50重量部を配合した樹脂組成物からなり、単膜のヘイズが1.0〜8.0%である二軸延伸ポリアミドフィルムである。。【選択図】なし

Description

本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムは、フィルム生産時の熱安定性に優れ外観不良が少なく安定した製造ができ、また強靭性、機械的特性、熱的特性、ガスバリア性において優れ、加工適性が高く、包装材料として好適に用いることができる。
二軸延伸ポリアミドフィルムは、強靭性、機械的特性、熱的特性に優れるとともに高いガスバリア性を有し、包装用途に多岐に渡って使用されている。包装用途を中心に用いられるフィルムには、印刷、蒸着、ラミネート、製袋及び充填時の作業性に優れたものであることが要求されるが、従来よりポリアミド系樹脂フィルムは、特に高湿度環境下で滑り性が悪化するという問題があり、特に梅雨期等の高湿度下環境での加工適性に問題があったため二軸延伸ポリアミドフィルムの滑り性を改善する手段として、数々の方法が提案されている。
例えば特許文献1〜3には無機フィラー添加によりフィルム表面に突起を形成させる方法が記載されている。特許文献4〜8には無機フィラーの表面を疎水化処理することにより、延伸時のフィラー界面のボイドによる無機フィラーの脱落やフィルムの白化を防止し滑り性を向上させることが記載されている。特許文献9〜11には更に滑り性を向上させる目的で無機フィラーに加えて滑剤を添加する方法が提案されている。
しかし、無機フィラーがシリカの場合、樹脂押出機内の混練によりシリカ凝集物を核とする異物が発生する場合があり、フィルム表面に付着し延伸を阻害する要因となり安定的にフィルム成形することが困難であるため、異物を除去するために押出機を停止して清掃するため生産性が低下する等問題があった。
ポリオレフィン系樹脂における異物の発生を抑制するために、可塑剤を配合すること(特許文献1)、燐系難燃可塑剤を配合すること(特許文献2)、特定のエチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体及び酸変性したエチレン系重合体を配合すること(特許文献3)、ホスファイト及び/又はホスホナイト系酸化防止剤と、パラフィンワックスを配合すすること(特許文献4)、分子量20000〜200000のフッ素系ポリマーを配合すすること(特許文献5)等が提案されている。
しかしながら、これらの異物抑制方法は、特定のポリマーに対して特定の抑制剤を組み合わせて行われ、汎用性がなく、また抑制剤の使用量もかなり多く使用しないと効果がない。
その他、特定のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルを配合すること(特許文献6)、高級脂肪酸を配合する方法が提案されている(特許文献7)
また、ポリアミド系樹脂における異物の発生を抑制するために脂肪酸金属塩を配合すること(特許文献8)、シリカの代替として繊維状ゾノトライト+表面処理品を使用すること等が提案されている(特許文献9)
特許第3490132号公報 特許第3471066号公報 特許第3510314号公報 特開2001−59045号公報 特開平9−143318号公報 特許第3834582号公報 特開昭51−011833号公報 特開平6−179813号公報 特開平9−111117号公報
本発明者らは、このような従来のポリアミド樹脂製フィルムが有する欠点を克服し、透明性と滑り性に優れ、連続製膜を行なっても外観不良が生じにくい、ポリアミド樹脂に表面処理された無機フィラーを配合したポリアミド樹脂製フィルムを提供すべく鋭意検討した。
ポリアミドと無機フィラー粒子とアルカリ土類金属を配合した樹脂組成物を使用してフィルムを形成することによって、上記課題を解決しうることを見いだした。
すなわち、本発明は、ポリアミド樹脂100重量部と表面処理された無機フィラー0.01〜0.60重量部とアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物0.01〜0.50重量部を配合した樹脂組成物からなり、単膜のヘイズが1.0〜8.0%である二軸延伸ポリアミドフィルムである。
具体的には
(1)ポリアミド樹脂100重量部と表面処理された無機フィラー0.02〜0.60重量部とアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物0.01〜0.50重量部を配合し、単膜のヘイズが1.0〜8.0%である二軸延伸ポリアミドフィルム
(2)(1)に記載の無機フィラーの細孔容積が0.5ml/g以下のものである二軸延伸ポリアミドフィルム
(3)(1)に記載の無機フィラーがシリカである請求項1に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム
(4)(1)に記載のフィルムの静摩擦係数が23℃×50%下で0.15〜0.80である二軸延伸ポリアミドフィルム

である。
本発明によると、ポリアミド樹脂と無機フィラーを配合して溶融混練させた際、アルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物を共押出することで、無機フィラーの凝集を抑制できるため長時間安定的に生産でき、且つ透明性と滑り性が良好なフィルムを生産できる。
本発明において使用されるポリアミド樹脂は特に制限はないが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン12などのポリアミド樹脂であり、これらの熱可塑性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよい。また、ナイロン6原料において、数平均分子量は10000〜30000が好ましく、特に好ましくは22000〜24000である。数平均分子量が10000未満の場合、得られたONyフィルムの衝撃強度や引張強度が不十分である。また数平均分子量が30000より大きい場合、分子鎖の絡み合いが著しく、延伸加工により過度なひずみが生じるため、延伸加工時に破断やパンクが頻繁に発生し、安定的に生産出来ない。
本発明において使用される無機フィラーは、シリカ、タルク、カオリンおよびゼオライトなどを挙げることができる。シリカは合成条件を変えることでその粒子形、サイズ、比表面積や細孔容積等の多孔度を任意に調整できる点で好適である。
本発明に使用される無機フィラーの細孔容積は0.5ml/g以下、望ましくは0.2ml/g以下が好ましい。従来、シリカ微粒子の比表面積や細孔容積が大きい多孔質度の高いものが用いられてきたが、これは多孔質内にポリアミド樹脂が入り込むことによるアンカー効果で、フィルム延伸時のポリアミド樹脂とシリカ界面のボイドを抑制するためであったと考えられる。しかしながら多孔質度の高いシリカは樹脂の押出混練時に破壊され易く本発明の凝集防止効果を受け難い。
本発明に使用される無機フィラーの平均粒子径は1〜8μm、より好ましくは2〜4μmである。平均粒子径が1μm未満では良好な滑り性を得るために多量の添加量が必要となり、一方平均粒子径8μmを超えるとフィルムの外観を悪くしたり、フィルム生産工程でのフィルム切れが発生しやすくなる。無機フィラーの平均粒子径が2〜4μmであれば、二軸延伸後のフィルムの表面に望ましい高さの突起が生じ、滑り性の優れたフィルムが得られやすい。
無機フィラーは、ポリアミド樹脂配合前に表面処理剤によって疎水化しておいたほうが好ましい。表面処理によってポリアミド樹脂への分散が容易かつ均一になるし、またフィルムの製膜工程での延伸時にポリアミド樹脂と無機フィラーとの界面におけるボイドを抑制し、無機フィラーの脱落やフィルムの透明性の低下を抑制することができる。
無機フィラーがシリカの場合、比表面積は好ましくは200m/g以下、より好ましくは100m/g以下、特に好ましくは50m/g以下である。
無機フィラーの表面処理剤の種類や添加量は、使用される無機フィラーの種類によっても異なるが、例えば、無機微粒子が前述のシリカである場合には、一般的にアミノ基あるいはエポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に使用される。具体的には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノジチオプロピルトリヒドロキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノプロピル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシランおよびγ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤、あるいは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤を挙げることができる。さらにこれらのシランカップリング剤を2種以上混合したものも使用することができる。
また、表面処理剤の添加量についても、無機フィラーの多孔質度によって変わってくるが上記シランカップリング剤の添加量は、これらのシリカに対して概ね2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%である。添加量が2重量%より少ないと、シリカ微粒子の表面疎水性が十分とならず、ポリアミド樹脂中の分散性が不十分となる。一方、添加量が10重量%を超える場合は、添加量を増加しても無機フィラーのポリアミド樹脂中での分散性は向上しない上に、最終的に得られるポリアミドフィルムの機械的性質を損なうなどの問題が生じる。表面処理方法は、特に限定しないが、例えば、上述のシリカの所定量に、加熱攪拌下、適量の水で希釈した前記表面処理剤の所定量を加えて表面処理する方法や、それぞれ所定量の前記表面処理剤と上述のシリカとをヘンシェルミキサーなどの適当な装置で混合し、次いで所定の温度で熱処理する方法など、一般に行われる方法を適用することができる。
無機フィラーのポリアミド樹脂に対する含有量は0.20〜0.60重量%であり、より好ましくは0.25〜0.45重量%である。含有量が0.20重量%未満では、フィルム表面の突起が少なく、特に高湿度下でのフィルムの滑り性が低い。一方、無機フィラーの含有量が0.60重量%を超えると、得られたフィルムの透明性が低くなることがあるため好ましくない。
無機フィラーをポリアミド樹脂に添加する方法としては特に限定されない。ポリアミド樹脂を製造する重合工程で添加しても良く、またポリアミド樹脂に無機フィラーのマスターバッチをドライブレンドして使用することもできる。本発明の表面処理された無機フィラーはポリアミド樹脂への分散において問題無い。更に多孔質度の低い無機フィラーを使用することでより容易にポリアミド樹脂への均一分散を達成できる。
ポリアミド樹脂中に無機フィラーを配合したことにより、フィルム製造時の延伸工程により、フィルム表面の凹凸が形成され、それがフィルム同士の接触面積を低下させることで良好な滑り性を発現できる。
本発明において使用するアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物に特に制限はないが、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの酸化物又は水酸化物が使用できる。これらの酸化物又は水酸化物は複数併用して使用することも可能であり、同じ種類で、平均粒子径、比表面積が異なる粒子を複数併用してもかまわない。
本発明において使用するアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物に特に制限はないがベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの酸化物若しくは水酸化物が特に好ましく、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムが特に好ましい。
本発明で用いるアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の添加量はポリアミド樹脂100重量部に対して0.01〜0.50重量部であり、0.02〜0.30重量部の範囲が好ましく、0.04〜0.25重量部の範囲がより好ましい。0.01重量部より少ないと、無機フィラーの凝集防止効果が弱く、0.50重量部よりも多いと透明性の低下や押出トラブルが発生するので好ましくない。
本発明で用いるアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の比表面積に特に制限はないが、BET法で求めた比表面積に対して、10〜500μm/gが好ましく、20〜300μm/gがさらに好ましい。300μm/を超えると急速な吸湿を伴うことがあり、製造時の取り扱いが困難になることがある。
本発明で用いるアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の平均粒径に特に制限はないが、5μ以下であることが好ましく、1μ以下であることがより好ましい。
本発明で用いるアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の表面処理として処理無しでも使用できるが、透明性が低下することがある。そのため、表面処理をした方が良い。表面処理剤、表面処理方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で良い。例えば表面処理剤としては、シラン、チタンおよびアルミニウム系カップリング剤、高級脂肪酸および燐酸エステル、それらのアルカリ金属塩、多価アルコールと脂肪酸のエステル類等で表面処理したものが好適に利用できる。この際表面処理方法は、水またはアルコールなどの溶媒中にアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物を懸濁させ、20℃〜80℃に加温させる。その中に水またはアルコールなどの溶媒に溶解した表面処理剤溶液を注加した後固液分離し、洗浄して乾燥させる湿式方法、あるいはアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の粉末を50℃〜150℃の温度で攪拌しながら、前記表面処理剤溶液を注加する乾式方法が挙げられる。
本発明で用いるアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物は分散性を向上させる目的で事前にポリアミド樹脂に溶融混練したものを使用してもよい。
ラミ強度の低下やフィルム強度へ大きく支障をきたさない範囲で、必要に応じて通常配合される添加剤及び改質剤を配合することができる。例えば耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤および着色剤(顔料、染料など)が挙げられる。
本発明のフィルムを製造するには公知のフィルム製膜法によって、本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムに成形することができる。例えば、Tダイから溶融ポリマーを押出後、キャスティングロールで冷却して未延伸シートを作製し、これを同時二軸延伸、または、逐次二軸延伸する。また他の方法としてはリングダイから溶融ポリマーを円筒状に押し出し、一旦冷却後、前後のニップロール中に空気を保持させて加熱しながら連続同時二軸延伸するチューブラー製膜が挙げられる。
延伸倍率はMD及びTD共、2〜6倍、好ましくは2.5〜4倍である。2倍未満では必要な強度物性が得られない。6倍より大きい延伸倍率では、延伸の安定性に欠け、フィルムの切断等トラブルが多くなる。
二軸延伸後のフィルムは寸法安定性を良くするために、必要に応じ熱処理を施す。また、必要に応じて、コロナ放電処理をおこなってもよい。
上記の方法で得られる本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みは8〜50μm、好ましくは10〜30μmである。本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムは、単層フィルムであってもよいし、共押出やラミネートなどにより、他のフィルムを積層して使用することができる。
本発明のポリアミドフィルムは優れた強靭性、耐ピンホール性、寸法安定性、包装袋用として好適である。本発明のフィルムを包装袋用として使用する場合、通常、ヒートシール性を付与したり、ガスバリア性や意匠性を付与するためにポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリエステルなどのプラスチックフィルムや紙、アルミニウムなどの金属箔などと積層して用いられる。この場合、本発明のフィルムは少なくとも1層に用いられ、積層数などは特に限定されない。この包装袋は、強靭性、機械的特性、熱的特性、ガスバリア性において優れるため、スープ、ジャム、レルトパウチなどの食品をはじめ、医薬品、日用品、トイレタリーなどの包装袋として有用である。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの各物性は、以下に示す方法によって求めた。
(1)ヘイズ:ヘイズ値、グロス値はJISK7105に準じて測定した。
(2)静摩擦係数、動摩擦係数:温度23℃、相対湿度50%でASTMD1894に準じコロナ放電処理していないフィルム/フィルム同士の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
(3)無機フィラーの凝集:フィルムに付着してくるシリカ凝集物を核とする異物を目視にて運転開始からの異物発生時間を測定し、12時間未満、12〜24時間、24〜48時間、48時間以上のいずれかを判定した。
フィルムの製造に使用した無機微粒子およびそのマスターバッチは下記の方法により調製した。
(1)無機微粒子の表面処理方法
無機微粒子1kgとγ−アミノプロピルトリエトキシシラン50gを200mlの水に入れ80℃で撹拌しながら混合し水を蒸発させ、次いで105℃で乾燥し表面処理された無機微粒子を得た。
(2)使用した無機微粒子
微粒子A:ゲルタイプ不定形シリカ。平均粒子径2.5μm、比表面積380m/g、細孔容積1.9ml/g
微粒子B:沈降タイプの不定形シリカ。平均粒子径2.4μm、比表面積40m/g、細孔容積0.1ml/g
(3)微粒子マスターバッチの調製
(方法1)相対粘度2.5のパウダーレジン10kgと無機微粒子600gをドライブレンドし、二軸押出機で混練しながらストランド状に押し出し、水槽で冷却した後、カッティングして、無機微粒子のポリアミド樹脂マスターバッチを作成した。
(方法2)内容積50リットルの攪拌機付きオートクレーブに10kgのε−カプロラクタム、1kgの水、および600gの無機微粒子を投入し、100℃に加熱し、この温度で反応系内が均一な状態になるように攪拌した。引き続き、さらに温度を260℃まで昇温させ、15kg/cm Gの圧力下で1時間攪拌した。その後、放圧して水分を反応容器から揮散させながら常圧下、260℃で2時間重合反応を行い、さらに400mmHgの減圧下に260℃の温度で1時間重合反応させた。反応終了後、ストランド状に取り出して水槽で冷却した後、カッティングして、無機微粒子のポリアミド樹脂マスターバッチを作成した。
以下に、本願をさらに詳細に説明するため、実施例を記載する。ただし、本願発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
相対粘度3.5のナイロン6樹脂(ポリアミド樹脂:宇部興産(株)製)100重量部と微粒子マスターバッチAを樹脂成分に対して800ppm、水酸化マグネシウムを樹脂成分に対して400ppm添加した混合物をリングダイより溶融押出し、内外水冷マンドレルで冷却し、厚さ150μmのチューブ状フィルムを得た。該チューブフィルムを低速ニップロールと高速ニップロールの速度差及びその間に存在する空気圧によりMDとTDに同時に二軸延伸した。その後チューブを折り畳んで両端部で2枚に切り開き、テンターオーブンにて210℃で10秒間熱処理し、厚さ15μmのフィルムを得、その両耳を切除して平面フィルムとし、2本のロールに巻き取った。
実施例2〜7及び比較例1〜5及び参考例1
無機フィラー種類、無機フィラー添加量、アルカリ土類金属添加量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムの評価結果を表1に示す。
本発明のポリアミド樹脂製フィルムは、透明性と滑り性に優れ、フィルム製膜時のフィラー凝集が生じにくいため、フィルム生産時の外観不良が少なく安定した製造ができ、また強靭性、機械的特性、熱的特性、ガスバリア性において優れ、加工適性が高く、包装材料として好適に用いることができる。
Figure 2017193617

Claims (4)

  1. ポリアミド樹脂100重量部と無機フィラー0.02〜0.60重量部とアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物0.01〜0.50重量部を配合し、単膜のヘイズが1.0〜8.0%である二軸延伸ポリアミドフィルム
  2. 請求項1に記載の無機フィラーの細孔容積が0.5ml/g以下のものである二軸延伸ポリアミドフィルム
  3. 請求項1に記載の無機フィラーがシリカである請求項1に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム
  4. 請求項1に記載のフィルムの静摩擦係数が23℃×50%下で0.15〜0.80である二軸延伸ポリアミドフィルム
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