JP6526552B2 - 感光性ポリマーを使用したカラーフィルタ部材および感光性ポリマーの製造方法 - Google Patents

感光性ポリマーを使用したカラーフィルタ部材および感光性ポリマーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高い耐熱性を有する感光性ポリマーに関するものである。
感光性ポリマーは、土木建築材料から電子情報材料にいたるまで様々な工業分野で使われている材料であるが、主要な用途のひとつにレジスト材料(以下、単に「レジスト」と記載することがある。)がある。レジスト材料は、一般的には感光性ポリマー、硬化成分、硬化成分を硬化させるための光開始剤、溶剤を含む樹脂組成物で、フォトリソグラフィ技術において不可欠で有用な工業材料である。レジストとしては、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、めっきレジスト、カラーフィルタ用レジスト、タッチパネル用レジストなど、用途に合わせて様々なレジストがある。
カラーフィルタは、カラー液晶表示パネルを構成する主要部材であり、色を分離するための微細な着色層を有しており、これにより液晶表示パネルのカラー化が可能となる。この着色層を形成する方法としては、感光性ポリマー、ラジカル重合性単量体、光開始剤、着色成分としての色材、色材の分散剤を含んだレジスト材料を使用し、フォトリソグラフィ技術により形成する方法が主流である。カラーフィルタや液晶表示パネルの作製においては200℃を越える温度を加える工程が何度もあり、カラーフィルタの着色層にはこの熱履歴に耐えるだけの耐熱性(耐熱分解性、耐熱透明性など)が要求されている(例えば特許文献1参照)。
タッチパネルは、液晶ディスプレイの表示装置を構成する主要部材であり、その多くに透明材料が使用されている。透明材料の一つとして、電子部品の劣化や損傷を防止するための保護膜(硬化膜)が使用されており、多くは感光性ポリマーを用いて形成されている。このような硬化膜の形成には、例えば、基板上に感光性ポリマーからなる塗膜を形成し、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光し、アルカリ現像液で現像して不要部分を溶解除去し、その後ポストベークする方法が主流である。保護膜の作製においては200℃を越える温度を加える工程が何度もあり、保護膜の形成にも耐熱性が要求されている(例えば特許文献2,3参照)。
本発明の目的は、上記のような従来の課題を、入手のし易い、取扱い易い、コストパフォーマンスの高い原料のみを使用し、解決し、耐熱性に優れた感光性ポリマーを提供することにある。
特開2010−168581号公報 特開2010−224067号公報 特開2011− 39165号公報
本発明の課題は、高い耐熱性を有する感光性ポリマーを使用したカラーフィルタ部材を提供することにある。
本発明のカラーフィルタ部材は、下記一般式(I)で表される構成単位を有する感光性ポリマーを使用したカラーフィルタ部材であって、前記感光性ポリマーの重量平均分子量が10,000以上であり、前記感光性ポリマーがカラーフィルタ着色層用または白色硬化膜用であることを特徴とする。
Figure 0006526552
(式中、R1,R2は水素またはメチル、R3はフェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、a/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
本発明の感光性ポリマーの製造方法は、下記一般式(II)で表される構成単位を有する共重合体(A)に(メタ)アクリル酸を反応させ、下記一般式(I)で表される構成単位を有する感光性ポリマーを製造する製造法であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(MwA)に対する感光性ポリマーの重量平均分子量(MwB)の比(MwB/MwA)が1.5以上になるように、前記(メタ)アクリル酸を導入することを特徴とする。
Figure 0006526552
(式中、R2は水素またはメチル、R3フェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、(a+b)/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
Figure 0006526552
(式中、R1,R2は水素またはメチル、R3フェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、a/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
本発明のカラーフィルタ部材に使用される感光性ポリマー、側鎖に多数の不飽和二重結合を有するので、高い耐熱性を有し、またその硬度が高い。また本発明の感光性ポリマーの製造方法によれば、耐熱性が高い感光性ポリマーを、高品質で安定的に製造することができる。
本発明の感光性ポリマーは、下記一般式(I)で表される構成単位を有する。
Figure 0006526552
(式中、R1,R2は水素またはメチル、R3フェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、a/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
式(I)において、繰り返し数bを有するセグメントは、メタクリル酸グリシジルからなる単量体成分を重合した繰り返し単位である。また繰り返し数aを有するセグメントは、メタクリル酸グリシジルを重合したセグメントが有するエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を反応させ不飽和二重結合を導入したセグメントである。この不飽和二重結合を多く有することにより、高い耐熱性および高い硬度を有する感光性ポリマーにすることができる。繰り返し数bを有するセグメントが有するエポキシ基にアクリル酸を反応させたときR1が水素、メタクリル酸を反応させたときR1がメチルになる。
式(I)中の繰り返し数cを有するセグメントについて、R2は水素またはメチル、R3はヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。R3は、フェニル基である。なおR2およびR3は繰り返し数cを有するセグメント中で複数の種類でもよい。
繰り返し数cを有するセグメントは、(メタ)アクリル酸以外のラジカル重合性化合物からなるセグメントである。ラジカル重合性化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
これらの中でも特に、スチレン[ST]、α−メチルスチレンからなる群から選択された一種以上が好ましい。これらのラジカル重合性化合物を、メタクリル酸グリシジルと共重合させた感光性ポリマーが、硬度、耐熱性に優れるため好ましい。
なお更に他のラジカル重合性化合物として、シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルや、(メタ)アクリル酸アミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物を挙げることができる。これら他のラジカル重合性化合物は、繰り返し数cを有するラジカル重合性化合物とともに共重合することができる。
式(I)において、a,b,cは0以上の実数であり、a/(a+b+c)≧0.8を満たす。繰り返し数aはbおよびcより大きい実数であり、a/(a+b+c)が大きいほど、側鎖に多数の不飽和二重結合を有することを意味し、感光性ポリマーの耐熱性および硬度を高くすることができる。a/(a+b+c)は、より好ましくは0.8〜1.00、更に好ましくは0.81〜1.00、特に好ましくは0.82以上であるとよい。a/(a+b+c)の上限は1.00であり、0.98以下、0.95以下にすることもできる。
なおbは、0≦b/(a+b+c)≦0.2、好ましくは0.02≦b/(a+b+c)≦0.18、より好ましくは0.05≦b/(a+b+c)≦0.15にすることができる。またcは、0≦c/(a+b+c)≦0.2、好ましくは0.02≦c/(a+b+c)≦0.18、より好ましくは0.05≦c/(a+b+c)≦0.15にすることができる。
本発明の感光性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算で、10,000以上である。感光性ポリマーの重量平均分子量が5000未満である場合にはアルカリ溶解性が強くなり、光硬化した際の現像液耐性が低下する虞がある。またアフターキュア後の塗膜硬度を確保するため、重量平均分子量は10,000以上であるとよい。また、感光性ポリマーの重量平均分子量は、100,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましい。感光性ポリマーの重量平均分子量が100,000を超える場合には、レジスト材料中の他の組成物との相溶性が低下して、透明性が低下する傾向があるため、重量平均分子量を50,000以下にするとよい。
本発明の感光性ポリマーは、その二重結合当量が500g/mol以下であることが好ましく、350g/mol以下がより好ましい。感光性ポリマーの500g/molよりも多い場合、アフターキュア後の塗膜硬度が低下する虞がある。また耐熱性を確保するため二重結合当量が350g/mol以下であるとよい。
本発明の感光性ポリマーは、下記一般式(II)で表される構成単位を有する共重合体(A)に(メタ)アクリル酸を付加反応させることにより製造することができる。この際、共重合体(A)の重量平均分子量(MwA)に対する前記一般式(I)で表される構成単位を有する感光性ポリマーの重量平均分子量(MwB)の比(MwB/MwA)が1.5以上になるように、(メタ)アクリル酸を導入することを特徴とする。
Figure 0006526552
(式中、R2は水素またはメチル、R3フェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、(a+b)/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
式(II)において、R2は水素またはメチル、好ましくはメチルである。R3フェニル基である。式(II)に記載されたR2およびR3は、上述した式(I)におけるR2およびR3と同様に説明することができる。
式(II)において、a,b,cは0以上の実数であり、(a+b)/(a+b+c)≧0.8を満たす。(a+b)/(a+b+c)が大きいほど、メタクリル酸グリシジルからなるセグメントの割合が高いことを意味し、感光性ポリマーを製造するとき不飽和二重結合を多く導入することができ、これにより耐熱性および硬度を優れたものにすることができる。(a+b)/(a+b+c)は、より好ましくは0.8〜1.00、更に好ましくは0.81〜1.00である。とりわけ感光性ポリマーの耐熱性を確保するため、(a+b)/(a+b+c)を0.82以上にするとよい。(a+b)/(a+b+c)が0.8未満では、アフターキュア後の塗膜硬度が低下する虞がある。
また共重合体(A)は、前記一般式(II)で表される構成単位以外に、他のラジカル共重合性化合物からなるセグメントを有することができる。他のラジカル共重合性化合物としては、シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルや、(メタ)アクリル酸アミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物を挙げることができる。これら他のラジカル重合性化合物は、繰り返し数cを有するラジカル重合性化合物とともに共重合することができる。
本発明の感光性ポリマーを得る方法として、メタクリル酸グリシジルを、メタクリル酸グリシジル以外のラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤を用いて公知の方法によりラジカル重合した後、例えば特開平05−170517号公報に記載の方法にて、(メタ)アクリル酸を付加反応することによって製造する方法が挙げられる。
感光性ポリマーを合成する方法の形態としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調節剤を用いて単量体成分を重合する方法等が好適である。この場合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、乳化重合、又は、これらを適宜組み合わせた形態等により重合を行うことができる。
単量体成分を重合する方法は特に限定されるものではなく、全量一括仕込みで行ってもよいし、一部を一括仕込みし、残りを滴下して行ってもよい。あるいは、全量を滴下して行ってもよい。なお、発熱量の制御の点で、一部を一括仕込みして残りを滴下するか、あるいは全量を滴下して行うことが好ましい。単量体成分を重合する方法の中でも、溶液重合により重合を行うことが好ましい。
本発明の感光性ポリマーを溶液重合にて製造する場合に使用する溶剤としては、原料である単量体成分と、生成する感光性ポリマーの両方を溶解し得る液体であれば特に限定されず、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
溶剤に使用するエーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
溶剤に使用する芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
溶剤に使用するケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
溶剤に使用するアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
溶剤に使用するエステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3− メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2 − オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
溶剤に使用するアミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
本発明において使用する溶剤としては、上記有機溶剤を単独、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンを含むことが好ましい。
共重合体(A)を得る際に用いられるラジカル重合開始剤や、単量体成分の重合条件等は特に限定されず、重合方法や、共重合する単量体の種類、使用比率等に応じて適宜設定すればよい。
共重合体(A)を得る際に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ開始剤等の1種又は2種以上を用いることができる。具体的には、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの中でも、分解温度、入手のし易さ、取扱い易さ等の点から、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)が好ましい。開始剤の投入方法は、特に制限されず、全量一括仕込みで行ってもよいし、一部を一括仕込みして残りを滴下して行ってもよく、全量を滴下して行ってもよい。また、単量体成分とともに滴下すると、反応の制御が容易となるので好ましく、さらに単量体成分滴下後も添加すると、残存単量体成分を低減できるので好ましい。
カルボキシル基を有する共重合体(A)を得る際に用いられるラジカル重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、例えば、全単量体成分100重量部に対して、0.001重量部以上であることが好ましく、0.05重量部以上であることがより好ましい。また、ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体成分100重量部に対して、5.0重量部以下であることが好ましく、3.0重量部以下であることがより好ましい。
共重合体(A)を得るための重合温度としては、使用するラジカル重合開始剤等により適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、50℃以上とすることが好ましく、80℃以上とすることがより好ましい。重合温度を50℃未満とする場合には、分解温度の低いラジカル重合開始剤を用いる必要があり、ラジカル重合開始剤を冷却保存する設備等が必要となる等、工業製造に不利となる場合がある。また、重合温度は、200℃以下とすることが好ましく、150℃以下とすることがより好ましい。重合温度が200℃を超えると、ラジカル重合開始剤が分解温度に達する前に単量体成分が熱重合し始める場合がある。
共重合反応時には、分子量調整のために、必要に応じて、通常用いられる連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、n−ドデカンチオール等のチオール系連鎖移動剤や、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、連鎖移動効果が高く、残存する単量体成分を低減でき、入手も容易なn−ドデカンチオールが好ましい。
また、共重合反応時には、単量体成分、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤の投入後、必要に応じて熟成を行うことが好ましい。
感光性ポリマーを得るために使用する、共重合体(A)が有するエポキシ基と(メタ)アクリル酸との反応に使用する触媒としては、トリフェニルホスフィン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ナフテン酸リチウム、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸クロム、アセチルアセトネートクロム、塩化クロムなどが挙げられる。これらの触媒は、必要に応じて使用することができ、反応性の速さからジメチルベンジルアミン、トリフェニルホスフィンを用いることが好ましい。反応は、溶剤中などで側鎖にエポキシ基を有する共重合体(A)、(メタ)アクリル酸および必要に応じて前記触媒を混合し、加温し、攪拌を行う等の公知の方法で実施可能である。
触媒の使用量は、感光性ポリマーの合計に対して、好ましくは0.01〜5重量%である。反応温度は、好ましくは60〜150℃である。また、反応時間は、好ましくは1〜60時間である。このようにして側鎖にエポキシ基を有する共重合体(A)に、(メタ)アクリル酸を反応させることができ、感光性ポリマーを得ることができる。
本発明の感光性ポリマーは、カラーフィルタ着色層、白色硬化膜、保護膜等に好適に使用することができる。また感光性ポリマー、これからなる層および膜は、カラーフィルタ部材、液晶部材、タッチパネル部材に好適に使用することができる。
本発明の感光性ポリマーを含む感光性樹脂組成物の代表的な製造方法について以下に説明する。感光性組成物は、上述した感光性ポリマー、光重合開始剤、有機溶媒と、必要に応じて各種添加剤とを、公知の方法で混合し、得られた感光性ポリマー溶液を濾過することにより得ることができる。
また、感光性ポリマー溶液の固形分濃度(溶剤を除く感光性ポリマーの濃度)は、目的、用途等に応じて、適宜、選択されるが、例えば、5〜50重量%とすることができ、好ましくは10〜40重量%である。感光性ポリマー溶液の固形分濃度が5〜50重量%である場合には、後述する硬化パターンの形成に好適な塗膜の膜厚を得ることができる。
感光性樹脂組成物は、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの公知の方法によって下地基板上に塗布することができる。得られた塗布膜は、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークすることができる。塗布膜のプリベークは、50〜150℃の範囲で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとすることが好ましい。
プリベークされた膜は、露光機を用いて、10〜4000J/m2(波長365nm露光量換算)程度の光を所望のマスクを介してあるいは介さずに照射することができる。露光光源に制限はなく、i線、g線、h線などの紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどを用いることができる。その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で150〜450℃の範囲で1時間程度加熱する露光後ベークを行ってもよい。
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、パターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドなどの4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50〜150℃の範囲で乾燥ベークを行ってもよい。その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で100〜280℃の範囲で1分〜1時間程度熱硬化することにより、硬化膜を得る。
ここで、感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜の膜厚は、1〜10μm、好ましくは1〜5μmである。硬化膜の膜厚が1μm未満であると、薬品が浸透しやすくなり、薬品耐性が低下する原因となる。また硬化膜の膜厚が5μmを超えると、パターニング露光後、現像により未露光部が溶解しにくくなり、良好なパターンを得ることができなくなる。
感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル用保護膜、各種ハードコート材、TFT用平坦化膜、カラーフィルター用オーバーコート、反射防止フィルム、パッシベーション膜などの各種保護膜および、光学フィルター、タッチパネル用絶縁膜、TFT用絶縁膜、カラーフィルター用フォトスペーサーなどに用いることができる。また、本発明の感光性ポリマーを含む感光性樹脂組成物は、アルカリ現像液で現像することができ、残渣がなく、十分な解像度を有するため、この感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜はタッチパネル用へ好適に用いることができる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例1〜6、比較例5により前記一般式(I)で表される感光性ポリマーB1,B2,B5〜B9を合成した。なお感光性ポリマーB1,B2,B5〜B9の合成にあたり、前記一般式(II)で表される共重合体A1,A2,A5〜A9を合成し、(メタ)アクリル酸を反応させた。また比較例1,2により共重合体A10,A11を合成し、これらを感光性ポリマーB10,B11と見なした。さらに比較例3、4により共重合体A12〜A13を合成し、(メタ)アクリル酸を反応させ感光性ポリマーB12,B13を合成した。得られた感光性ポリマー(B1,B2,B5〜B13)について後述する評価方法により、耐熱分解性および耐熱変色性を評価した。なお、本明細書において共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
実施例1 感光性ポリマー(B1)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを500g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を100g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A1を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にメタクリル酸[MAA]を165g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B1)溶液を得た。得られた共重合体A1の重量平均分子量は7,000、感光性ポリマーB1の重量平均分子量は12,000であった。感光性ポリマーB1溶液の固形分濃度は34.7%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB1の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
実施例2 感光性ポリマー(B2)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを550g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を100g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A2を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にアクリル酸[AA]を197g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B2)溶液を得た。得られた共重合体A2の重量平均分子量は8,000、感光性ポリマーB2の重量平均分子量は13,000であった。感光性ポリマーB2溶液の固形分濃度は35.1%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB2の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
実施例 感光性ポリマー(B5)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを440g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を100g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A5を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にメタクリル酸[MAA]を137g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B5)溶液を得た。得られた共重合体A5の重量平均分子量は7,000、感光性ポリマーB5の重量平均分子量は11,000であった。感光性ポリマーB5溶液の固形分濃度は35.0%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB5の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
実施例 感光性ポリマー(B6)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを500g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を100g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A6を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にアクリル酸[AA]を164g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B6)溶液を得た。得られた共重合体A6の重量平均分子量は8,000、感光性ポリマーB6の重量平均分子量は12,000であった。感光性ポリマーB6溶液の固形分濃度は34.5%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB6の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
実施例 感光性ポリマー(B7)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを440g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を89g、スチレン[ST]を11g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A7を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にメタクリル酸[MAA]を135g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B7)溶液を得た。得られた共重合体A7の重量平均分子量は8,000、感光性ポリマーB7の重量平均分子量は13,000であった。感光性ポリマーB7溶液の固形分濃度は34.8%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB7の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
実施例 感光性ポリマー(B8)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを480g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を89g、スチレン[ST]を11g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A8を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にアクリル酸[AA]を161g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B8)溶液を得た。得られた共重合体A8の重量平均分子量は9,000、感光性ポリマーB4の重量平均分子量は14,000であった。感光性ポリマーB8溶液の固形分濃度は35.2%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB8の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
比較例5 感光性ポリマー(B9)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを500g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を100g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A9を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にメタクリル酸[MAA]を165g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B9)溶液を得た。得られた共重合体A9の重量平均分子量は7,500、感光性ポリマーB9の重量平均分子量は9,000であった。感光性ポリマーB9溶液の固形分濃度は34.7%であった。共重合体Aおよび感光性ポリマーBの重量平均分子量(MwA)および(MwB)、並びに両者の比(MwB/MwA)を表1に示した。感光性ポリマーB9の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)≧0.8を満たした。
比較例1 重合体(A10)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを185g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を45g、スチレン[ST]を55g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A10を得た。共重合体A10の重量平均分子量は9,000であった。共重合体A10溶液の固形分濃度は35.1%であった。後述する耐熱分解性および耐熱変色性の評価では、共重合体A10を感光性ポリマーB10と見なして評価を行った。
比較例2 重合体(A11)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを185g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を100g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A11を得た。共重合体A11の重量平均分子量は7,000であった。共重合体A11溶液の固形分濃度は35.1%であった。後述する耐熱分解性および耐熱変色性の評価では、共重合体A11を感光性ポリマーB11と見なして評価を行った。
比較例3 感光性ポリマー(B12)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを400g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を68g、スチレン[ST]を32g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A12を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にメタクリル酸[MAA]を112g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B12)溶液を得た。得られた共重合体A12の重量平均分子量は9,000、感光性ポリマーB12の重量平均分子量は13,000であった。感光性ポリマーB12溶液の固形分濃度は34.6%であった。感光性ポリマーB12の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)<0.8であった。
比較例4 感光性ポリマー(B13)溶液の合成
攪拌機と冷却管、温度計を備えたフラスコに、3−メトキシ−1−ブタノールを430g仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル[GMA]を68g、スチレン[ST]を32g、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2g仕込み、窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を110℃に上昇させ、3時間加熱攪拌した後、α,α−アゾビスイソブチロニトリルを2gを仕込み、5時間加熱撹拌し、共重合体A13を得た。次に、フラスコを空気置換し、得られた溶液にアクリル酸[AA]を133g、トリフェニルホスフィンを3g、p−メトキシフェノールを0.5g添加、容器温度を110℃で24時間加熱撹拌し、感光性ポリマー(B13)溶液を得た。得られた共重合体A13の重量平均分子量11,000、感光性ポリマーB13の重量平均分子量は15,000であった。感光性ポリマーB13溶液の固形分濃度は35.2%であった。感光性ポリマーB13の組成を一般式(I)に当てはめると、a/(a+b+c)<0.8であった。
<耐熱分解性の評価>
得られた感光性ポリマー(B1,B2,B5〜B13)の一部をテトラヒドロフランで希釈し、過剰のヘキサンに投入して再沈殿を行った。沈殿物を濾過により取り出した後、70℃で真空乾燥(5時間以上)することによってポリマーの白色粉末を得た。得られた粉末を熱重量測定装置(TGA Q−50)(TAインスツルメントジャパン社製)を用いて(窒素フロー100ml/分、昇温速度=10℃/分)、熱重量分析を行い、TG曲線から5%重量減少温度を算出し、熱分解温度とした。得られた5%重量減少温度の結果を以下の判定基準により評価し、表1に示した。
判定基準
◎:耐熱温度熱分解温度が300℃以上
○:耐熱温度290℃以上300℃未満
△:耐熱温度270℃以上290℃未満
×:耐熱温度270℃未満
<耐熱変色性の評価>
得られた感光性ポリマー(B1,B2,B5〜B13)をガラス基板に塗布し、オーブンを用いて空気中250℃で1時間キュアして膜厚10μmの硬化膜を作製した。得られた硬化膜の色差(△b)を測定し、耐熱変色性の評価を行った。得られた色差(△b)の結果を以下の判定基準により評価し、表1に示した。
判定基準
○:△bが5.0未満
△:△bが5.0以上10.0未満
×:△bが10.0以上
Figure 0006526552

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される構成単位を有する感光性ポリマーを使用したカラーフィルタ部材であって、前記感光性ポリマーの重量平均分子量が10,000以上であり、前記感光性ポリマーがカラーフィルタ着色層用または白色硬化膜用であることを特徴とするカラーフィルタ部材
    Figure 0006526552
    (式中、R1,R2は水素またはメチル、R3はフェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、a/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
  2. 下記一般式(II)で表される構成単位を有する共重合体(A)に(メタ)アクリル酸を反応させ、下記一般式(I)で表される構成単位を有する感光性ポリマーを製造する製造法であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(MwA)に対する感光性ポリマーの重量平均分子量(MwB)の比(MwB/MwA)が1.3以上になるように、前記(メタ)アクリル酸を導入することを特徴とする感光性ポリマーの製造方法。
    Figure 0006526552
    (式中、R2は水素またはメチル、R3はフェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、(a+b)/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
    Figure 0006526552
    (式中、R1,R2は水素またはメチル、R3はフェニル基、a,b,cは0以上の実数であり、a/(a+b+c)≧0.8を満たす。)
  3. 前記感光性ポリマーが、カラーフィルタ着色層用または白色硬化膜用である請求項に記載の感光性ポリマーの製造方法。
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