JP6525594B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
感光体と、
前記感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーとキャリアとを含む現像剤を蓄積し、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像する現像器であって、隔壁によって第1室と第2室とに分かれており、前記隔壁の一部は前記第1室と前記第2室とが連通するような形状になっている前記現像器と、
前記現像器の前記第1室に設けられ、前記第1室の現像剤を第1方向へ搬送するために回転する第1スクリューと、前記現像器の前記第2室に設けられ、前記第2室の現像剤を前記第1方向と異なる第2方向へ搬送するために回転する第2スクリューとを備え、前記現像器内の現像剤を循環させる循環手段と、
画像が形成される記録媒体に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記循環手段を駆動させる駆動手段と、
前記現像器にトナーを補給する補給手段と、
前記現像器の前記第1室に蓄積された現像剤のトナー濃度に応じて変化する出力値を出力する出力手段と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記現像器内の前記現像剤が前記第1室と前記第2室とを循環することによって前記出力値に生じるリップルの影響を抑制するための演算条件を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記演算条件に基づいて、前記出力手段から出力された前記出力値から、前記現像器へのトナーの補給量を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記補給量に基づいて前記補給手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本実施例は、たとえば感光体や誘電体等を用いた像担持体上に電子写真方式や静電記録方式等により画像を形成する画像形成装置に適用できる。画像形成装置は、画像信号に対応した潜像を像担持体上に形成し、二成分現像剤を用いた現像装置によって潜像を現像して可視画像(トナー像)を形成する。二成分現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子を主成分としている。画像形成装置は、可視画像を紙等の転写材に転写し、定着装置にて転写材に定着させる。また、画像形成装置は、プリンタや複写機、複合機、ファクシミリなどのいずれの製品でもよい。
図3は実施例の補給コントローラ110のブロック図である。補給コントローラ110は、とりわけ、バンドストップフィルタ113と第1決定部114を有している。バンドストップフィルタ113は、濃度センサ20により検知されるトナー濃度においてスクリュー58、59による現像剤の循環周期に応じて発生する長周期のリップルを低減するフィルタ手段の一例である。第1決定部114は、バンドストップフィルタ113により長周期のリップルを低減されたトナー濃度に基づき補給量のうち第1補給量を決定する第1決定手段の一例である。図3が示すその他の機能については図4を参照しながら説明する。現像剤の循環周期に応じて発生するリップルの周期は、たとえば、30secや60secなどである。一方で、スクリュー58、59の回転周期(攪拌周期)に応じてトナー濃度には短周期のリップルが生じする。このリップルの周期は、たとえば、0.1secや0.2sec程度である。短周期のリップルについては平均化部121によって低減される。
Yn=b0×Xn+Pn−1 ・・・(1)
Pn=b1×Xn−a1×Yn+Qn−1 ・・・(2)
Qn=b2×Xn−a2×Yn ・・・(3)
ここで、Xnは差分部111の現在の出力値である。Ynはバンドストップフィルタ113の今回の出力値である。Pn、Qnは今回の遅延演算変数である。Pn−1、Qn−1は前回の遅延演算変数であり、記憶部68から読み出されたものである。CPU67は今回の演算で求めた遅延演算変数Pn、Qnを記憶部68に記憶し、次回の演算時に利用する。係数a1、a2、b0、b1、b2は画像形成装置の設計時や工場出荷時に予め決定されるフィルタ係数である。本実施例では、Ynが0.1secごとに演算される。
a1=−1.97723・・・(4)
a2=0.977668・・・(5)
b0=0.990025・・・(6)
b1=−1.97723・・・(7)
b2=0.987643・・・(8)
このようにこれらのフィルタ係数は低減すべきリップルの周期に応じて予め決定される。なお、フィルタ係数を変更せずに、Ynの演算を実行する間隔(演算実行間隔)を変更してもバンドストップフィルタ113の特性を変えることができる。
Tn=Tn−1+Yn・・・(10)
g1、g2はゲインであり、予め設定される係数である。
本実施例では濃度センサ20の出力値をフィードバックする補給量の決定処理はスクリュー58、59の動作中に0.1sec間隔で実行される。ただし、ビデオカウント値は1枚の画像あたりの積算値である。積算値をそのまま補給量に換算してしまうと、0.1secごとの補給量が過剰になってしまう。これは第1補給量R1nが0.1secごとに出力される濃度センサ20の出力値に基づいて決定されるからである。よって、ビデオカウント値に基づいて決定される第2補給量R2nも0.1secごとに分散された補給量とされる。そこで、第2決定部116はビデオカウント値に基づく補給量を所定回数に分割して出力する。
U2k=g2×(U2k−1×C+V)÷D・・・(11)
ここでU2kは今回決定された第2補給量である。U2k−1は前回決定された第2補給量である。Vは入力されたビデオカウント値(積算値)である。Dは分割数である。Cは分割カウンタの現在値である。分割カウンタCは0以上の整数であり、初期値は分割数Dである。分割カウンタCは0になるまでS308において0.1secごとに1ずつ減算される。
C=D ・・・(12)
S307で第2決定部116は分割カウンタCが0かどうかを判定する。分割カウンタCが0でなければビデオカウント値Vに基づく分割補給が完了していないため、S308に進む。S308で第2決定部116は分割カウンタCから1を減算する。一方で、分割カウンタCが0であれば分割補給が完了しているため、S309に進む。S309で第2決定部116は第2補給量R2nに0を設定する。
スクリュー58が回転している間、濃度センサ20の検出値には特定の周波数のリップルが生じる。長周期のリップルの周波数はトナーの循環周期の逆数である。バンドストップフィルタ113は、この長周期のリップルを濃度センサ20の検出値から低減するために設けられている。さらに、スクリュー58の攪拌周期(回転周期)に応じた短周期のリップルも発生する。トナーの循環に伴うリップルの周期は30sec程度であるのに対して、回転周期に伴うリップルの周期は0.1sec程度である。これらの周期の数値は例示にすぎない。よって、短周期のリップルを低減するための手段も必要となる。なお、スクリュー58が回転している間、濃度センサ20の検出値は所定間隔で取得される。
実施例の効果を説明するために比較例1について説明する。比較例1は実施例から平均化部121とバンドストップフィルタ113を省略したものである。
R1n=g1×Xn + g2×Tn・・・(13)
Tn=Tn−1 + Xn・・・(14)
なお、比較例1の第2補給量R2nは実施例のものと同じである。比較例1のフローチャートは実施例のフローチャートから平均化部121とバンドストップフィルタ113に関連したステップを省略したものとなる。つまり、省略されるステップは、S202の変数の読み出しやS204のフィルタ演算などである。
比較例2は、実施例1のS207で、図6に示すビデオカウント値に基づく補給量を所定回数に分割して出力する処理を省略したものである。つまり、ビデオカウント値(1枚の画像あたりの積算値)から換算される補給量が一度に合算値に反映されることになる。比較例2において実施例のS207および図6に示した処理を除くその他の処理は実施例と同じである。つまり、比較例2のブロック図は図3と同じものとなる。また、図8に示したマスク処理も使用される。第2の補給量R2nはゼロでないVが入力されたときは(15)式で算出される。Vがゼロのときは、第2の補給量R2nもゼロとなる
R2n=g2×V・・・(15)
<実施例の補給制御の効果の説明>
実施例を比較例1と比較例2と比較することで実施例の効果を説明する。図10(A)は実施例における濃度センサ20の出力値を示している。図10(B)は比較例1の濃度センサ20の出力値を示している。なお、実施例の出力値と比較例1の出力値にはそれぞれ等価なフィードバックゲインが設定されている。図10(C)は比較例1のゲインを実施例よりも低下させたときの出力値を示している。
画像形成装置は、複数のプロセス速度(画像形成速度や搬送速度と呼ばれることもある)を有し、転写材48などの記録媒体の特性(厚みや素材など)に応じてプロセス速度を切り替える。たとえば、厚紙に画像を形成するときのプロセス速度は普通紙のプロセス速度よりも遅い。厚紙にトナーを定着させるには、定着器においてより多くの熱を厚紙に加える必要があるからである。そのため、プロセス速度を遅くすることで厚紙が定着器を通過する時間を長くし、厚紙への熱量を増加させている。
本実施例によれば、補給制御手段110はバンドストップフィルタ113と第1決定部114を備えている。バンドストップフィルタ113は濃度センサ20により検知されるトナー濃度においてスクリュー58、59によるトナーの循環周期に応じて発生する長周期のリップルを低減する。第1決定部114はバンドストップフィルタ113により長周期のリップルを低減されたトナー濃度に基づき第1補給量R1nを決定する。これにより現像器44へのトナーの補給を高精度に制御することが可能となる。とりわけ、現像器44の小型化や低容量化を図ろうとすると、長周期のリップルが目立つようになる。よって、この長周期のリップルを低減することで、現像器44へのトナーの補給が高精度になる。つまり、これまでは両立の難しかった補給の高精度化と現像器44の小型化や低容量化とを両立できるようになる。
Claims (9)
- 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
感光体と、
前記感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーとキャリアとを含む現像剤を蓄積し、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像する現像器であって、隔壁によって第1室と第2室とに分かれており、前記隔壁の一部は前記第1室と前記第2室とが連通するような形状になっている前記現像器と、
前記現像器の前記第1室に設けられ、前記第1室の現像剤を第1方向へ搬送するために回転する第1スクリューと、前記現像器の前記第2室に設けられ、前記第2室の現像剤を前記第1方向と異なる第2方向へ搬送するために回転する第2スクリューとを備え、前記現像器内の現像剤を循環させる循環手段と、
画像が形成される記録媒体に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記循環手段を駆動させる駆動手段と、
前記現像器にトナーを補給する補給手段と、
前記現像器の前記第1室に蓄積された現像剤のトナー濃度に応じて変化する出力値を出力する出力手段と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記現像器内の前記現像剤が前記第1室と前記第2室とを循環することによって前記出力値に生じるリップルの影響を抑制するための演算条件を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記演算条件に基づいて、前記出力手段から出力された前記出力値から、前記現像器へのトナーの補給量を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記補給量に基づいて前記補給手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記演算手段は、前記出力手段から出力された前記出力値を平均し、前記決定手段により決定された前記演算条件に基づいて前記出力値の平均値から前記補給量を演算することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記感光体は前記取得手段により取得された前記情報に応じた回転速度に基づき回転駆動されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記情報は、前記画像形成装置が画像を形成する前記記録媒体の種類に関する情報であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記補給手段により前回補給が実施されてから所定時間が経過していなければ、前記補給手段に、前記現像器へトナーを補給させることを禁止する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 入力された画像データに基づいて、前記現像器からのトナーの消費量を予測する予測手段を更に有し、
前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記消費量と、前記演算手段により演算された前記補給量とに基づいて、前記補給手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記消費量を前記演算手段により前記補給量が演算される時間間隔に基づいて分割し、前記分割された消費量と前記演算手段により演算された前記補給量とに基づいて、前記補給手段を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記演算条件は、前記演算手段が前記補給量の演算を実行する時間間隔であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記演算条件は、補給量を演算するために用いるデジタルフィルタのフィルタ係数であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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