JP2011022193A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011022193A
JP2011022193A JP2009164573A JP2009164573A JP2011022193A JP 2011022193 A JP2011022193 A JP 2011022193A JP 2009164573 A JP2009164573 A JP 2009164573A JP 2009164573 A JP2009164573 A JP 2009164573A JP 2011022193 A JP2011022193 A JP 2011022193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
latent image
image forming
developer
developing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009164573A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kawamoto
啓之 川本
Kazunari Tonami
一成 戸波
Hideji Hirai
秀二 平井
Hiroshi Okuda
宏 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2009164573A priority Critical patent/JP2011022193A/ja
Publication of JP2011022193A publication Critical patent/JP2011022193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】温度及び湿度などの環境特性や経時出力情報からトナー補給量の算出を行うことのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成部と、潜像形成部が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像ユニット31Yと、現像ユニット31Yの現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給部62Yと、を備え、入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得部と、画素カウント値取得部が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出部と、を備える画像形成装置であって、機器内部の温度および湿度を検知する温湿度センサ74Yをさらに備え、温湿度センサ74Yによって検知された結果から、補給量算出部の保持するデジタルフィルタを切り替え可能とする画像形成装置を提供する。
【選択図】図12

Description

この発明は、潜像担持体上の潜像を二成分現像剤により現像することで得られるトナー像を記録材上に転移させて画像形成を行う画像形成装置に関する。
現像装置(現像手段)内を現像剤循環搬送路に沿って循環搬送される二成分現像剤が画像形成によりトナーを消費すると、その消費分のトナーがトナー補給手段により二成分現像剤に補給される。このトナー補給の際に採用される従来のトナー補給方法としては、次のような2つの補給方法が知られている。
第1の方法では、例えば、潜像担持体上に露光装置(潜像形成手段)が潜像形成する際に用いる画素書込情報(画像情報)から、その潜像を現像することで消費すると予想されるトナー消費量を算出する。そして、算出したトナー消費量に見合った量のトナーを一括してまたは一定間隔で断続的に二成分現像剤に補給する。
また、第2の方法では、現像装置内で二成分現像剤を循環搬送するための搬送スクリュー(現像剤搬送手段)上の所定箇所(所定の検出箇所)にトナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)を設ける。そして、このトナー濃度センサで上記所定の検出箇所におけるトナー濃度を測定し、そのトナー濃度が目標トナー濃度となるように、トナーを一括してまたは一定間隔で断続的に二成分現像剤に補給する。
しかし、いずれのトナー補給方法も、トナーを一括してまたは一定間隔で断続的に二成分現像剤へ補給するものであった。このため、現像装置内を循環搬送される二成分現像剤の循環方向のトナー濃度ムラ(以下、単に「トナー濃度ムラ」という。)を解消することは困難であった。以下、図面を参照して詳しく説明する。
図25は、現像剤循環搬送路に沿って二成分現像剤を循環搬送する現像装置の一例を示す説明図である。
この現像装置では、2本の搬送スクリュー8,11により図中矢印Aで示す方向に二成分現像剤が循環搬送される。現像剤循環搬送路のうち第2搬送スクリュー11が設置された部分には現像ロール12が対向しており、この部分では二成分現像剤が現像ロール表面に汲み上げられ、かつ、現像領域を通過した二成分現像剤が戻される。また、現像剤循環搬送路のうち第2搬送スクリュー11が設置された部分には、その上部にトナー補給口17が設けられ、このトナー補給口17を介して図示しないトナー補給手段によりトナーが補給される。また、図中Bに示す箇所は、トナー濃度センサによりトナー濃度ムラを測定する測定箇所である。
図26は、トナーを一括して二成分現像剤へ補給する場合のトナー補給とトナー濃度ムラとの関係を示すグラフである。図27は、トナーを一定間隔で断続的に二成分現像剤へ補給する場合のトナー補給とトナー濃度ムラとの関係を示すグラフである。
これらのグラフにおいて細実線で示す波形(消費波形)は、トナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて所定の潜像を現像した後の二成分現像剤について、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサによりトナー濃度を測定した結果を示す波形である。すなわち、この消費波形は、現像後に生じるトナー濃度ムラの一例を示している。
また、点線で示す波形(補給波形)は、トナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤に対してそれぞれの方法でトナー補給を行った後の二成分現像剤について、上記トナー濃度センサによりトナー濃度を測定した結果を示す波形である。なお、図27の二点鎖線で示す各波形は、断続的に行われる各トナー補給の個別補給波形を示すものであり、二点鎖線で示す各個別補給波形を合成した波形が点線で示す補給波形となる。
また、太実線で示す波形は、消費波形と補給波形とを合成したものであり、所定の潜像を現像した後の二成分現像剤についてそれぞれの補給方法によりトナー補給を行った後のトナー濃度ムラを示すものである。
図26および図27の太実線で示すように、トナーを一括して二成分現像剤に補給する方法(上記第1の方法)や、トナーを一定間隔で断続的に二成分現像剤に補給する方法(上記第2の方法)では、トナー補給後の二成分現像剤でトナー濃度ムラが存在することがわかる。
特に、実際の画像形成における消費波形は、形成する画像によって、具体的には現像対象となる潜像の位置や大きさ等によって変化するため、一定でない。そのため、従来の補給方法のように、消費波形の違いに関わらず消費分のトナーを一定のタイミングおよび一定の速度で補給する場合には、トナー補給後の二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することはできない。
この点についてさらに説明する。図25に示した現像装置では、第2搬送スクリュー11により搬送される二成分現像剤は、現像ロール12による現像剤搬送方向に対して直交する方向へ現像剤循環搬送路に沿って搬送され、現像ロール12の表面に担持されて現像領域へ搬送される。そして、現像領域で現像に寄与した後、再び現像剤循環搬送路へ戻され、第2搬送スクリュー11により搬送される。
潜像担持体上で潜像の位置が偏在していると、現像後の二成分現像剤にはトナーを多く消費する部分とトナーをほとんど消費していない部分とが存在しうる。そして、そのような状態の二成分現像剤が現像剤循環搬送路へ戻されることになる。この場合、現像剤循環搬送路に戻された後の二成分現像剤にはトナー濃度ムラが発生する。しかも、そのトナー濃度ムラの状態は、潜像担持体上における潜像の偏在状況によって変わってくる。
図28は、潜像担持体上における潜像の偏在状況と、トナー濃度ムラの状態との関係を示す説明図である。なお、図中矢印Aは、第2搬送スクリュー11による二成分現像剤の搬送方向を示す。また、図中矢印Cは、潜像担持体の表面移動方向を示す。
同図の上部は、記録材上に形成された3つの画像パターンを示す。同図の下部は、各画像パターンにそれぞれ対応する潜像をトナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて現像した後の二成分現像剤について、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサによりトナー濃度を測定したときの測定結果(消費波形)を示すグラフである。
同図に示すように、潜像担持体上における潜像の偏在状況によって、消費波形すなわちトナー濃度ムラの状態が変わってくることがわかる。なお、図中左に描かれた画像パターンと図中右に描かれた画像パターンとを比較すると、後者の方が前者よりも消費波形がブロードになっている。これは、トナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される位置からトナー濃度センサによる測定箇所Bまでの現像剤搬送距離が後者の方が長く、搬送スクリューによる攪拌を多く受けることによる違いである。すなわち、後者の方が、トナーを消費した二成分現像剤の部分がトナー濃度センサの測定箇所Bへ搬送されるまでに搬送スクリューによる攪拌を多く受けているため、前者よりもトナー濃度ムラが幾分解消された結果、消費波形がブロードになったものである。
図29は、潜像担持体上における潜像の位置と、トナー濃度ムラの状態との関係を更に詳しく示した説明図である。
同図には、第2搬送スクリューによる二成分現像剤の搬送方向で互いに異なる3つの位置に潜像が形成された3つの画像パターンと、潜像担持体表面移動方向で互いに異なる2つの位置に潜像が形成された2つの画像パターンとが描かれている。なお、一部の画像パターンは重複している。また、いずれの画像パターンも画像面積は同じである。
また、同図の下部は、上記3つの画像パターンそれぞれに対応する潜像をトナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて現像した後に、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサにより二成分現像剤のトナー濃度を測定したときの測定結果(消費波形)を示すグラフである。また、同図の左部は、上記2つの画像パターンそれぞれに対応する潜像をトナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて現像した後に、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサにより二成分現像剤のトナー濃度を測定したときの測定結果(消費波形)を示すグラフである。
第2搬送スクリュー11による二成分現像剤搬送方向で互いに異なる位置に同一面積の潜像を形成した場合、同図の下部に示すように、各画像パターンに対応する消費波形は、そのピーク時期および半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度が異なる。これは、上述したように、トナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される位置からトナー濃度センサによる測定箇所Bまでの現像剤搬送距離の違いによるものである。詳しくは、ピーク時期の違いは、単純に、トナーを消費した二成分現像剤の部分がトナー濃度センサによる測定箇所Bへ到達するまでの時間の違いによるものである。また、半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度の違いは、トナーを消費した二成分現像剤の部分がトナー濃度センサによる測定箇所Bへ到達するまでに受けた攪拌の量の違いによるものである。
一方、潜像担持体表面移動方向で互いに異なる位置に同一面積の潜像を形成した場合、同図の左部に示すように、各画像パターンに対応する消費波形は、そのピーク時期が異なるだけでその半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度に違いはない。これは、各画像パターンは、いずれもトナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される位置が同じであり、トナー濃度センサによる測定箇所Bまでの現像剤搬送距離に違いはないためである。したがってトナー濃度センサによる測定箇所Bへ到達するまでに受ける攪拌量に違いは生じない。すなわち、半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度に違いは発生しない。しかし、トナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される時期が異なるため、ピーク時期に違いが生じる。
以上のように、消費波形は、潜像担持体上における潜像の大きさはもとより、潜像の位置によっても変わってくるので、実際の画像形成では一定にならない。そのため、従来の補給方法では、現像装置内に存在する二成分現像剤全体の平均トナー濃度を目標トナー濃度に維持することはできても、二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することはできない。
特許文献1には、画像データの濃度分布をヒストグラム解析し、その解析結果に基づいて複数のトナー補給口から補給量を互いに独立して制御できる構成により現像装置内のトナー濃度ムラを抑えるというトナー補給方法が提案されている。この方法によれば、二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することも可能である。
また、特許文献2では、画像データを有限個の区画に分割し、各区画内のドット数に基づいて各区画に対応したトナー補給手段からトナーを補給する構成により、現像装置内のトナー濃度ムラを抑えるというトナー補給方法が提案されている。
しかしながら、経時的なトナー特性の変化、または温度・湿度などの環境変化によって現像器内のトナー特性が変わった場合、トナー消費波形も変化するため、ある時点において最適に設計された逆位相フィルタを用いてトナー補給量を算出しても、実際のトナー消費波形の逆位相波形とは誤差が生じてしまい、結果としてトナー濃度変動が生じてしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、トナー補給量を算出する画像形成装置において、温度及び湿度などの環境特性や経時出力情報を入力としてトナー補給量の算出を行うことで精度を向上させ、トナー濃度変動を抑えることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像手段と、現像手段の現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と、を備え、入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得手段と、画素カウント値取得手段が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出手段と、を備える画像形成装置であって、機器内部の温度および湿度を検知する温湿度検知手段をさらに備え、温湿度検知手段によって検知された結果から、補給量算出手段の保持するデジタルフィルタを切り替え可能とすることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像手段と、現像手段の現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と、を備え、入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得手段と、画素カウント値取得手段が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出手段と、を備える画像形成装置であって、トナーおよび現像剤の劣化度を計測する劣化度計測手段をさらに備え、劣化度計測手段で計測した劣化度に基づいて、補給量算出手段のデジタルフィルタを切り替えることを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置は、潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像手段と、現像手段の現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と、を備え、入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得手段と、画素カウント値取得手段が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出手段と、を備える画像形成装置であって、機器内部の温度および湿度を検知する温湿度検知手段と、トナーおよび現像剤の劣化度を計測する劣化度計測手段と、をさらに備え、劣化度計測手段で計測した劣化度に基づいて、補給量算出手段のデジタルフィルタを切り替え可能とすることを特徴とする。
本発明によれば、現像器付近の温湿度の変化によるトナー等の拡散性が変化する場合であっても、その拡散性に対応した最適な逆位相フィルタを用いてトナー補給量を算出することができ、トナー濃度の変動が生じるのを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、トナー等の劣化度の代用特性としての印刷の出力枚数によって、逆位相フィルタを選択的に適用してトナー補給量の算出を行うことができるため、トナー濃度ムラの発生を防止することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。 図2は、プロセスユニットの構成を示す概略図である。 図3は、プロセスユニットの外観を示す斜視図である。 図4は、現像剤循環搬送路周辺の現像ユニット構成を示す説明図である。 図5は、トナー補給制御を行う機構の機能ブロック図である。 図6は、画像情報取得部が取得する画像情報の流れを示す図である。 図7は、分割した領域と、トナー補給波形および消費波形の関係を示す図である。 図8は、逆位相フィルタと他の波形との関係を示す説明図である。 図9は、逆位相フィルタ(補給信号)、補給波形及び逆位相波形の関係を示す説明図である。 図10は、画像情報と、主走査方向の領域毎の消費波形に対する各逆位相フィルタを示す説明図である。 図11は、画像情報から逆位相フィルタを用いて、予測データに基づいたトナー補給方法について説明した図である。 図12は、温湿度センサを配置した現像ユニット構成を示す説明図である。 図13は、温度および湿度の情報から複数セットの逆位相フィルタを選択する場合の説明図である。 図14は、逆位相フィルタを選択的に適用する場合の例を示したテーブルである。 図15は、トナー等の流動性と印刷用紙の出力枚数の関係を示したグラフである。 図16は、出力枚数から複数セットの逆位相フィルタを選択する場合の説明図である。 図17は、出力枚数から逆位相フィルタを選択する際の逆位相フィルタの種類を示したテーブルである。 図18は、各色出力枚数及び各色出力画素数情報を用いて算出した劣化度に対する逆位相フィルタの適用について説明した図である。 図19は、各色出力枚数及び各色空転枚数の例を示したテーブルである。 図20は、出力時及び空転時におけるトナー及び現像剤の劣化係数を示すテーブルである。 図21は、劣化度Wの範囲条件に応じた逆位相フィルタ種類の選択を説明するテーブルである。 図22は、空転時におけるトナー劣化係数α2と各色累積出力画素数Sxの関係を示すグラフである。 図23は、温度T及び湿度Hによって、現像剤移流計数Pxを決定することを示したテーブルである。 図24は、各色出力枚数、各色空転枚数に関して、現像器交換時の数値を初期化する例範囲を示したテーブルである。 図25は、現像剤循環搬送路に沿って二成分現像剤を循環搬送する現像装置の一例を示す説明図である。 図26は、トナーを一括して二成分現像剤へ補給する場合のトナー補給とトナー濃度ムラとの関係を示すグラフである。 図27は、トナーを一定間隔で断続的に二成分現像剤へ補給する場合のトナー補給とトナー濃度ムラとの関係を示すグラフである。 図28は、潜像担持体上における潜像の偏在状況と、トナー濃度ムラの状態との関係を示す説明図である。 図29は、潜像担持体上における潜像の位置と、トナー濃度ムラの状態との関係を更に詳しく示した説明図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「第1の実施形態」という。)について説明する。
まず、第1の実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す。)用の4つのプロセスユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kのトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
図2は、Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yの構成を示す概略図である。図3は、プロセスユニット1Yの外観を示す斜視図である。このプロセスユニット1Yは、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すように、プロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。ただし、プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット7Yを感光体ユニット2Yに対して着脱することができる。
感光体ユニット2Yは、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。帯電手段である帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図2中時計回り方向に回転駆動する感光体3Yの表面を帯電ローラ6Yにより一様帯電させる。具体的には、図2中反時計回りに回転駆動する帯電ローラ6Yに対して図示しない電源から帯電バイアスを印加し、その帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接又は接触させることで、感光体3Yを一様帯電させる。なお、帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシ等の他の帯電部材を近接又は接触させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャのように、チャージャ方式によって感光体3Yを一様帯電させるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電した感光体3Yの表面は、後述する潜像形成手段としての光書込ユニット20から発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
図4は、現像ユニット内を二成分現像剤が循環する現像剤循環搬送路周辺の現像ユニット構成を示す説明図である。現像手段である現像ユニット7Yは、図2や図4に示すように、現像剤搬送手段としての第1搬送スクリュー8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、現像剤搬送手段としての第2搬送スクリュー11Y、現像剤担持体としての現像ロール12Y、現像剤規制部材としてのドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる二成分現像剤である図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュー8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図2中手前側(図4中矢印Aの方向)へ搬送する。そして、第1搬送スクリュー8Yにより第1剤収容部9Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口18Yを経て第2剤収容部14Y内に進入する。
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュー11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、Y現像剤を図2中奥側(図4中矢印Aの方向)へ搬送する。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュー11Yの図2中上方には、現像ロール12Yが第2搬送スクリュー11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール12Yは、図2中反時計回り方向に回転駆動する非磁性スリーブからなる現像スリーブ15Y内に固定配置されたマグネットローラ16Yを内包した構成となっている。第2搬送スクリュー11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Yの表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ15Yの表面と所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュー11Y上に戻される。そして、第2搬送スクリュー11Yにより第2剤収容部14Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口19Yを経て第1剤収容部9Y内に戻る。このようにして、Y現像剤は現像ユニット内を循環搬送される。
次に、感光体3Y上にYトナー像を形成した後の処理についてさらに説明する。感光体3Y上に形成されたYトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト41に中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Yの表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Yの表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色用のプロセスユニット1C,1M,1Kにおいても、同様にして感光体3C,3M,3K上にCトナー像、Mトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト41上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの図1中下方には、光書込ユニット20が配設されている。光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上には、それぞれY用、C用、M用、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイを採用したものを用いてもよい。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これらの給紙カセット内には、それぞれ、記録材である記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a及び第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図1中反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図1中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図1中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図1中下側から上側に向けて搬送される。また、給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの図1中上方には、中間転写ベルト41を張架しながら図1中反時計回りに無端移動させる転写ユニット40が配設されている。転写ユニット40は、中間転写ベルト41のほか、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y、45C、45M、45K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これらのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図1中反時計回りに無端移動する。4つの1次転写ローラ45Y、45C、45M、45Kは、このように無端移動する中間転写ベルト41を感光体3Y、3C、3M、3Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の内周面にトナーとは逆極性(本第1の実施形態ではプラス極性)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY用、C用、M用、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、その外周面に感光体3Y,3C,3M,3K上の各色トナー像が重なり合うように1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
なお、転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本実施形態のプリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY用、C用、M用の1次転写ローラ45Y,45C,45Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY用、C用、M用の感光体3Y、3C、3Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y、1C、1M、1Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY用、C用、M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着手段としての定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図1中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63の掛け回し箇所には、図1中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が記録紙Pに定着する。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Yトナー、Cトナー、Mトナー、Kトナーをそれぞれ収容する4つのトナー収容器であるトナーカートリッジ72Y、72C、72M,72Kが配設されている。トナーカートリッジ72Y、72C、72M、72K内の各色トナーは、トナー補給装置70により、それぞれ、プロセスユニット1Y、1C、1M、1Kの現像ユニット7Y、7C、7M、7Kに適宜供給される。トナーカートリッジ72Y、72C、72M、72Kは、プロセスユニット1Y、1C、1M、1Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
ここで、消費されたトナーを補給するトナー補給制御の概要について説明する。図5は、トナー補給制御を行う機構の機能ブロック図である。本実施形態では、補給波形を事前に考慮して消費波形に対して逆位相となる補給波形を生成するトナー補給量を指示する逆位相フィルタを用いることにより、補給結果が予測データの逆位相となるための制御サンプリング毎の補給量を画像情報より直接的に算出する。パーソナルコンピュータや画像読取装置からの画像データ(画像情報)を取得する画像情報取得手段としての画像情報取得部101が制御部100に設けられている。
補給制御部102は、画像情報から直接補給量を算出する逆位相フィルタ(図示せず)を備えている。画像情報取得部101は、取得した画像情報に応じた擬似インパルス信号(後述)を逆位相フィルタへ送る。逆位相フィルタは、受信した擬似インパルス信号から、補給結果が逆位相波形となる補給パターンを生成し、画像情報に基づく補給パターンにより、制御サンプリング周期毎の補給量を算出する。なお、本実施形態2でも、パーソナルコンピュータや画像読取装置からの画像情報を入力し、その画像情報に基づいて補給量の算出を行うが、光書込ユニット20から発せられるレーザー光の数(ドット数)をカウントした情報を画像情報とし、その画像情報に基づいて補給量の算出を行うようにしてもよい。
上記逆位相フィルタは、予め実験等を行うことで得ることができる。以下、逆位相フィルタの作成手順について説明する。
まず、第1剤収容部9Yにおける上記トナー補給口17よりも現像剤循環方向下流側に位置する測定箇所B(図4参照)を通過する現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサを配置する。そして、トナー補給口17よりトナーの補給を行い、測定箇所Bのトナー濃度センサでトナー濃度の時間変化(補給波形)を測定する。このように測定して測定される補給波形は、図7(b)に示したグラフのようになる。また、本実施形態で補給波形は代表的な補給量でトナーの補給をした際に生じる1パターンのみを単位補給波形として計測している。
次に、感光体表面移動方向に対して直交する方向(以下、「主走査方向」という)について感光体3の表面を複数の領域に分割し、各領域にトナー濃度検出用の単位面積に相当する同一の単位画像の潜像をそれぞれ形成する。そして、各潜像をトナー濃度ムラがない状態の現像剤を用いてそれぞれ現像した後の現像剤を、トナー補給を行わずに測定箇所Bのトナー濃度センサでトナー濃度の時間変化(消費波形)を測定する。
ここで、消費波形を求める際のトナー濃度検出用の単位面積としては、画像情報の1ドット面積が理想ではある。ところが、現実的にはセンサの分解能やノイズの影響あるいはトナー補給装置70の微小量補給性能などにより制限される。よって、これらを考慮して、なるべく小さい設定が可能なトナー濃度検出用の単位面積を決定するのがよい。例えば、画像情報の分解能が低い場合やコントローラの処理速度に制限のある場合には、単位面積の最小単位を印刷用紙1枚全部として、消費波形の振幅を印刷1枚毎のトータル画像面積として近似しても良い。
また、感光体3Yの表面を上述したように複数の領域に分割する場合の分割間隔は、トナー濃度検出用の単位面積に応じて適宜設定される。
このようにして測定される消費波形は、同図(b)に示したグラフのようになる。ただし、同図(b)に描かれている消費波形のグラフは、同図(a)に示す上述した複数の領域の領域Aだけについてのものである。
上述したようにして求めた補給波形および消費波形から図8の関係を満たすような逆位相フィルタを構築する。同図に示す逆位相フィルタの縦軸は、制御サンプリング周期毎の補給量指示値(トナー量[mg]やモータ駆動時間換算値[msec]など)である。また、逆位相フィルタの横軸は、制御サンプリング周期(逆位相フィルタのグラフに示される棒と棒との間が1サンプル周期であり、通常固定値であって例えば200[msec]など)である。
ここで、各逆位相フィルタの設計方法について説明する。図8は、逆位相フィルタと他の波形との関係を示す説明図であり、図9は、逆位相フィルタ(補給信号)、補給波形及び逆位相波形の関係を示す説明図である。図8について、図9を用いて簡単に説明すると次のようになる。任意の画像面積率の消費を1回行うと、画像面積率に応じた擬似インパルス信号が逆位相フィルタに与えられる。なお、画像面積率とは、単位面積内での画素値が0でない画素の割合を表す。画素値が2値(0または1)の場合は、画像面積率は画素値の平均値に相当する。画素値が多値(例えば0〜3)の場合は、画像面積率の代わりに画素値の平均値を最大画素値で除算した値を用いればよい。以下では、画像面積率を用いる場合を例に説明する。
逆位相フィルタは、この擬似インパルス信号により制御サンプリング周期毎にインパルス応答を作成し、インパルス応答の振幅に従って補給量を指示する逆位相波形が作成される。この逆位相波形により指示された補給量を補給することにより、逆位相波形は消費波形の逆位相であるので、消費波形を打ち消すこととなる。また、逆位相フィルタの作成方法としては、一般に知られている「Filtered−X LMS」というシステム同定手法を用いたが、これに限るものではない。逆位相フィルタとしては、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などに実装されているFIRフィルタなどでも良いし、IIRフィルタを用いたパラトリックモデルで近似しても良い。
また、消費波形と補給波形とにタイムラグが生じる場合には、逆位相フィルタの前後に時間遅れ要素を別途設けるなどしても良い。
図10(a)に示すような画像情報を基に主走査方向を領域A,B,C,Dに区分けした感光体3の表面に形成される画像の主走査方向の領域毎の最小単位面積での各消費波形A,B,C,Dに対する各逆位相フィルタA,B,C,Dを上述した手法により作成すると同図(b)に示すようなものになる。
ここで、画像位置や画像面積が変化したとき、トナー補給量は最小単位面積の逆位相フィルタの出力結果の重ね合わせによって求めることができ、任意の逆位相波形を作ることができる。つまり、逆位相フィルタは、任意の時刻に任意の振幅の擬似インパルス信号を入力すると、以降入力振幅に比例した振幅の出力を自動的に行う。上記主走査方向の各領域での逆位相フィルタの形状や個数はあくまでも1つであり、逆位相フィルタに別々の擬似インパルス信号を順次入力していくと、それらが自動的に入力振幅に比例し、またタイムラグ分ずらして重ね合わせた逆位相波形を出力する。
また、実際の画像面積率が最小単位面積よりも小さい場合は、逆位相フィルタに与える擬似インパルス信号の振幅を、最小単位面積に対する画像面積率倍したものとする。これによって、逆位相フィルタの出力値は自動的に最小単位面積に対する画像面積率倍に変更される。
図11は、画像情報から逆位相フィルタを用いて、予測データに基づいたトナー補給方法について説明した図である。画像情報から逆位相フィルタを用いて消費波形に対して逆位相となる逆位相波形を予測データとして算出し、算出した逆位相波形の予測データに基づいた補給量でトナー補給することによって、測定箇所Bにおけるトナー濃度ムラを解消することができる。
ユーザが同図に示す画像情報に基づいた印刷を行うと、画像情報取得部101によって感光体3の表面における主走査方向の領域A、B、C、D毎に各最小単位面積の位置での画像面積率が算出される。そして、画像情報取得部101により印刷のタイムラグを考慮して、画像面積率に応じた振幅の擬似インパルス信号が主走査方向の領域毎の各逆位相フィルタに与えられる。各逆位相フィルタは、この擬似インパルス信号により制御サンプリング周期毎にインパルス応答を生成し、インパルス応答の振幅に従って補給量を指示する主走査方向の領域毎の消費波形に対して補給結果が逆位相波形となる補給パターンを算出する。このように算出した主走査方向の領域毎の補給量は、制御サンプリング周期毎に合計され、補給結果が測定箇所Bを通過する。トナー補給を行わないときの現像剤のトナー濃度の時間変化の予測データの逆位相となる補給量が算出される。この補給量を基にして補給制御部102によってトナー補給動作を制御されたトナー補給装置70が制御サンプリング周期毎に所定の補給量でトナーを補給する。この補給に係る主走査方向の領域毎の逆位相波形を重ね合わせた波形予測データが消費波形の逆位相波形であるので、上記補給量に応じてトナー補給装置70がトナー補給を行うことにより、上記画像情報に基づいて印刷を行ったときの消費波形を打ち消すことができる。
本実施形態では、逆位相フィルタを複数パターン用意して、温湿度センサからトナー拡散性に適した逆位相フィルタを選択する方法を用いる。すなわち、現像器付近に設置された温湿度センサの測定結果を利用して、現像器内のトナーの拡散性を推測し、その拡散性に最も適した逆位相フィルタに切り替える方法について説明を行う。
図12は、温湿度センサを配置した現像ユニットの構成を示す説明図である。この現像ユニット31Yは、図1に示した現像ユニット7Y,7C,7M,7Kのそれぞれと置換されるものである。
現像手段である現像ユニット31Yは、現像剤搬送手段としての第1搬送スクリュー41Y、現像剤担持体としての現像スリーブ51Y、現像剤搬送手段としての第2搬送スクリュー61Y、トナーを補給するためのトナー補給口62Y、及びトナー濃度検出部73Yを備えた従来の現像ユニットの構成に加えて、さらに、現像ユニット31Yの中央部に現像ユニット内の温度及び湿度を検知する温湿度センサ74Yを備えている。
トナー及び現像剤(以下、トナー等とする)は、その流動性において、温度及び湿度の影響を強く受ける。一般的に湿度が上がると流動性は低下し、湿度が下がると粒状性が良くなり流動性も良好になる。また、温度は現像システムによって依存度が変わるものであるが、湿度に比べてその影響は小さい。そこで、トナー等が温度及び湿度の影響を受ける場合でもトナー濃度ムラの発生を防止するために、温度及び湿度の組合せに対してのトナー等の流動性を予め測定し、それらに対する複数個の逆位相フィルタを適用させるようにする。
ここで、温湿度による流動性の変動は、トナー等の消費波形に対しても、補給波形に対しても影響するものである。図10及び11で作成したような逆位相フィルタA〜Dを、例えば、異なるトナー拡散性に対応して予め複数セットを設計しておき、それを保持する。
図13は、温度および湿度の情報から複数セットの逆位相フィルタを選択する場合の説明図である。図13に示したように、温湿度の情報から予め設計された逆位相フィルタA〜Dを選択的に適用する。
図14は、逆位相フィルタを選択的に適用する場合の例を示したテーブルである。図14に示すように、温度Tの範囲がT<T、T<T<T、T<Tであり(ここで、T<T)、湿度Hの範囲がH<H、H<H<H、H<Hであって(ここで、H<H)、それぞれに対して予め設計しておいた逆位相フィルタA〜Dを選択できるようにする。例えば、測定された温度TがTより低く、湿度HがHより高い場合、予め設計された逆位相フィルタ種類は、A31、B31、C31、D31の組合せとなる。このような構成にすることによって、逆位相フィルタの切り替えをリアルタイムに行うことが可能となる。
それぞれのトナーの拡散性に対応した逆位相フィルタを設計するために、逆位相フィルタAht〜Dhtを設計するには、温度T、湿度Hの状態における消費波形Aと単位補給波形のデータを計測し、そのデータを用いて逆位相フィルタを設計する必要がある。この消費波形と単位補給波形のデータは、温度T、湿度Hの状態における条件で実験的にトナーの特性を変えてデータを計測する方法を用いて算出しても良い。または、現像器内部の振る舞いをシミュレートするシミュレータを用いて、消費波形と補給波形のデータを計算する方法を用いても良い。
以上のような構成により、現像器付近の温湿度の変化によるトナー等の拡散性が変化する場合であっても、その拡散性に対応した最適な逆位相フィルタを用いてトナー補給量を算出することができ、トナー濃度ムラが生じるのを防止することができる。
本実施形態によれば、逆位相フィルタを切り替え可能にすることによって、環境変動や経時変動でトナー特性に変化が生じた場合でもトナー補給量を高精度に算出することができる最適な逆位相フィルタを求めることができ、これによりトナー濃度変動を高精度に補正することが可能となる。
前述したように、本発明による画像形成装置は、YCMKの4つの現像器3Y、3C、3M、3Kを有し、これらの現像器は並列に配置されている。この配置によれば、現像器3Kの上方に定着ユニット60が配置されており、この定着ユニット60は機器内部の最大の熱源となっている。すなわち、定着ユニット60により近い位置にある現像器3Kと、定着ユニット60から遠い位置にある現像器3Yとでは、与えられる熱量が異なってしまうために、受ける温湿度の影響も変化してくる。異なる温湿度の影響は、結果的にトナーの流動性に変化をもたらすものである。
したがって、現像器ごとに温湿度センサを配置して、それぞれの現像器3Y、3C、3M、3Kに対して、トナー等の補給を行うことのできる逆位相フィルタを選択する。図13で示した逆位相フィルタ選択装置は、現像器3Y、3C、3M、3Kのそれぞれに対して準備する。
このように、各現像器が温湿度センサを持つことにより、各現像器の温湿度特性にあった逆位相フィルタを用いてトナー補給量の算出を行うことができるので、トナー濃度のバラつきが生じるのを防止して、トナー濃度を安定させることができる。
以上のように、温湿度センサで検出された情報に基づいて、予め求めていたトナー補給量を高精度に算出することのできる最適な逆位相フィルタに自動的に切り替えることが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、温湿度の変動によるトナー補給量の算出を最適に行う逆位相フィルタを選択するための構成について説明を行ったが、第2の実施形態では、トナー及び現像剤の劣化に係るトナー補給量の算出を最適に行う逆位相フィルタを選択する構成について説明する。なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成を有するプリンタを使用するため、プリンタの説明については省略する。
トナー及び現像剤(以下、トナー等とする)は、時間の経過や機器の使用状態に応じて使用開始後から劣化する。トナー等の劣化度は、劣化の度合いを簡便に検出できる劣化度センサのようなものでも得られるが、本実施形態では、印刷の出力枚数から劣化度を推定する方法を用いて、劣化度を算出する。
トナー等の劣化度を示す特性値として流動性が挙げられる。ここで、トナー等の流動性と印刷用紙の出力枚数には、図15に示すグラフのような関係が存在する。図15は、トナー等の流動性と印刷用紙の出力枚数の関係を示したグラフである。グラフによれば、出力枚数が増加すればするほどトナー等の流動性は減少する。このことから、トナー等の劣化によるトナー補給量の算出は、印刷の出力枚数に応じて逆位相フィルタを選択的に決定することによって行う。これにより、トナー等の劣化に起因したトナー濃度ムラを抑えることができる。
図16は、出力枚数Mから複数セットの逆位相フィルタを選択する場合の説明図である。温湿度一定の条件において、CMYKの決まった面積率の画像を連続して出力する場合、使用条件がある程度一定であれば、現像剤の流動性を予測することができる。それに基づいて、補給用の逆位相フィルタを最適に選択することで、トナー濃度の安定化を図ることができる。図16に示す逆位相フィルタ選択装置は、出力枚数Mの条件から予め設計しておいた逆位相フィルタA〜Dを選択できる。
図17は、出力枚数Mから逆位相フィルタを選択する際の逆位相フィルタの種類を示したテーブルである。図17に示されたように、出力枚数がM<M、M<M<M、M<M(ここで、M<M)のそれぞれの条件に対して、逆位相フィルタA〜Dを選択できるようにする。このような構成にすることによって、リアルタイムでの逆位相フィルタの切り替えを行うことが可能となる。
以上のような構成により、トナー等の劣化度の代用特性としての印刷の出力枚数によって、逆位相フィルタを選択的に適用してトナー補給量の算出を行うことができるため、トナー濃度ムラの発生を防止することができる。
本実施形態によれば、トナー及び現像剤の流動性と拡散性の経時劣化に対しても、また、出力枚数を計測することで経時変化によるトナー及び現像剤の劣化度を推定することによっても、予め求めておいたトナー補給量を高精度に算出することのできる最適な逆位相フィルタ係数に自動的に切り替えることが可能になり、経時状態に合わせた最適なトナー補給制御を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、トナー等の劣化度をより正確に導き出すために、各色出力枚数及び各色出力画素数の情報を用いて、トナー補給量の算出を最適に行うための構成について説明を行う。なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成を有するプリンタを使用するため、プリンタの説明については省略する。
図18は、各色出力枚数及び各色出力画素数情報を用いて算出した劣化度に対する逆位相フィルタの適用について説明した図である。ここでは、流動性と相関の高い劣化度Wをシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各版の使用頻度及び消費を考慮して、各色出力枚数(M、M、M、M)及び各色出力画素数(S、S、S、S)を用いて算出する。
ここで、各色出力枚数から劣化度を得る際に考慮すべき、各色空転枚数について説明する。図19は、出力枚数から各色出力枚数(M、M、M、M)及び各色空転枚数(S、S、S、S)を決定する例を示したテーブルである。出力枚数とは、印刷が行われる際にトナーを消費させながら出力した枚数であり、空転枚数とは、他色のみの出力であって、トナーを消費することなく、空転だけが行なわれた枚数を示している。
図19のように、CMYKの4色を用いたフルカラーモードでA4サイズの用紙を40枚出力し、また、K単色では30枚、C単色では10枚、M単色では20枚、Y単色では0枚を出力した場合を例に挙げると、各色出力枚数及び各色空転枚数は、表中の数であり、各色の合計は表中の太枠で囲まれた数で示される。現在の一般的なタンデム構造の電子写真機器は単色で出力する場合、出力されないその他の色の現像ユニットも一様に回転する構造となっている。図19に示すように、CMYK4色で出力する40枚については、各色の出力枚数が全て40枚となるが、K単色で出力する場合は、K版の出力枚数は30枚であるが、その他のC版、M版、Y版は空転枚数がそれぞれ30枚となる。
各色出力枚数と各色空転枚数を別にカウントするのには理由がある。現像剤及びトナーは、いずれも図12に示した第1搬送スクリュー41Y及び第2搬送スクリュー61Yで攪拌されることにより劣化する。画像が出力された色の現像剤は攪拌されて劣化するが、トナーは消費された分だけ新しいトナーが補給されるため、トナーの劣化は抑えられる。一方、画像の出力されない色のトナー及び現像剤は、空転するだけなので攪拌されて劣化が進む。
まず、簡単な説明のために、図18中の各色出力画素数(S、S、S、S)を考慮せずに、各色出力枚数Mと各色空転枚数Fのみから劣化度Wを次の式(1)から求める。
=M・(α1+β)+F・(α1+β) (1)
ここで、x={c,m,y,k}であり、α1、α2、βは、実験から求められる劣化度係数である。
図20は、出力時及び空転時におけるトナー及び現像剤の劣化係数を示すテーブルである。トナーの劣化度係数であるα(α1、α2)、現像剤の劣化度係数であるβについて、図20を参照すると、αはA4横一枚の出力時及び空転時における攪拌に対するトナーの劣化度係数であり、βはA4横一枚の出力時及び空転時における攪拌に対する現像剤の劣化度係数である。ここで、出力時は空転時に比べ、劣化度は低いのでα1<α2である。
次に、各色出力画素数(S、S、S、S)を考慮すると、各色の出力画素数S、S、S、Sが表すのは、各色の累積の出力画素数である。この累積出力画素数は、トナーがどれだけ消費されたかを示す数値であって、トナーは消費されれば補給されることから、トナーがどれだけ補給されたかを表す量でもある。所定の出力枚数に対して出力画素数が多いときは、トナーもたくさん補給されるので、全体的なトナーの劣化は抑えられる。
図22は、トナー劣化係数αと各色出力画素数Sxの関係を示すグラフである。縦軸は出力時のトナー劣化係数α1であり、横軸は累積出力画素数Sである。出力時のトナー劣化係数α1は、空転時のトナー劣化係数α2と各色累積出力画素数Sxと図22に示すグラフの示す関係を有しており、次の式(2)に近似する。
α1=α2・(1−S/S) {0<S<S
α1=0 {S>S} (2)
ここで、x={c,m,y,k}であり、α2、Sは、実験から求められる劣化度係数である。
ここで、横軸の累積画素数が0の場合(すなわち、縦軸上にあるとき)は空転時を示しており、出力時のトナー劣化係数α1は空転時のトナー劣化係数α2と等しくなる。累積出力画素数Sが一定の値S以上となった場合は、トナーの消費及び補給が十分行なわれている状態であるので、劣化係数α1は0となる。
前述した式(1)及び式(2)より、トナー等の劣化度を求めることができる。図21は、劣化度Wの範囲条件に応じた逆位相フィルタ種類の選択を説明するテーブルである。図21によれば、各色における出力枚数M、空転枚数F、出力画素数Sを用いて劣化度を推定することで、より最適な逆位相フィルタを求めることができる。
本実施形態によれば、経時劣化によって特性の変化するトナー及び現像剤の流動性と拡散性に応じて、各色の累積の出力枚数、累積出力画素数、またはその両方を用いて、予め求めておいたトナー補給量を高精度に算出することができる最適な逆位相フィルタ係数に各色で自動的に切り替えることが可能になる。また、現像ユニットの版毎に異なっていた使用量に対して最適なトナー補給制御ができるため、トナー濃度変動が生じるのを防止することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1の実施形態で算出した温湿度情報に基づいたトナー等の劣化について、劣化度の値を算出し、逆位相フィルタを適用する方法について説明する。なお、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成を有するプリンタを使用するため、プリンタの説明については省略する。
温度、湿度は短期間で変化するものであるが、一方で現像剤などの劣化は長期間にわたって行われる非可逆的な変化である。これらの変化を考慮して、逆位相フィルタの種類を求める。
図23は、温度T及び湿度Hから、現像剤移流計数Pを決定することを示すテーブルである。図23に示すように、温度Tの範囲がT<T、T<T<T、T<Tであり(ここで、T<T)、湿度Hの範囲がH<H、H<H<H、H<Hであって(ここで、H<H)、温度条件及び湿度条件の重なる範囲における現像剤移流計数Pが求められる。
次に、現像剤移流計数Pと劣化度Wの関係について、式(3)に示す。
=P・{M・(α1+β)+F・(α2+β)} (3)
ここで、x={c,m,y,k}であり、α1、α2、βは、実験から求められる劣化度係数である。図23のテーブルから現像剤移流計数Pを求め、式(3)で劣化度Wを計算することによって、例えば、図21に示したように逆位相フィルタの種類を決定することができる。
本実施形態のように、温湿度情報から現像剤移流計数Pを得られるように構成することによって、劣化度Wを算出して逆位相フィルタ種類を選択することによって、トナー等の劣化と温湿度変化による影響を抑制することが可能となる。
本実施形態によれば、機器内部の温湿度を検知する検知手段と、トナー及び現像剤の劣化度を計測する手段を有し、その検知結果によって逆位相フィルタを切り替え可能とすることで、経時変動と温湿度変化がいずれも発生している場合にもトナー補給量を高精度に算出することができる最適なトナー補給制御を行うことができるため、トナー濃度の変動が生じるのを防止することが可能となる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、画像形成装置のメインテナンスを行った際の経時変化による劣化度を、メインテナンスの状態に応じて初期化する場合について説明を行う。第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成を有するプリンタを使用するため、プリンタの説明については省略する。
画像形成装置の現像ユニット(または各色現像器)の交換は、画像形成装置をメインテナンスすることによって、また、印刷によるトナーの消耗等によって生じる。現像ユニット(または各色現像器)には新しいトナー及び現像剤が備えられており、現像ユニット(現像器、現像剤、トナー)の交換が行われれば、現像剤及びトナーの劣化度Wを構成する数値を初期化する必要がある。
図24は、各色出力枚数、各色空転枚数に関して、現像器交換時の数値を初期化する範囲を示したテーブルである。図24では、CMKYの各版のうちからK版の現像器のみを交換する場合を例に挙げて説明する。
K版の現像器を交換する際、K版の出力枚数を初期化する。ここで、K版の出力枚数のみを初期化するのではなく、その際のC,M,Y版の空転枚数をも初期化するよう設定する。すなわち、図24中の太枠で囲まれた部分全体を初期化する。先に述べた式(1)〜式(3)に適用することによって、劣化度Wを再度算出し直すことなく、図21で求められる逆位相フィルタA,B,C,Dを条件に応じて適用させることが可能である。
なお、現像器の交換は、使用頻度の高い現像器のみに対して行なわれる場合が多いため、先に述べたような累積出力枚数/累積空転枚数の初期化は、各版の現像器毎に行なえるようにしておくと良い。また、各色の累積出力枚数/累積空転枚数の初期化は、使用者が操作パネルから手動で行なっても良いが、初期化のし忘れを防止するために現像器の交換に伴って自動的に初期化されるよう設定しても良い。
本実施形態によれば、現像器の交換、現像剤の交換、トナーの補給などの保守作業が行われたときに、交換済み現像器の出力枚数を自動的に又は手動で初期状態に戻すようにするので、現像器等の交換によっても、最適なトナー補給を行うことができ、安定した使用が保たれる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
1Y、1C、1M、1K プロセスユニット
3Y、3C、3M、3K 感光体
7Y、7C、7M、7K 現像ユニット
8Y 第1搬送スクリュー
9Y 第1剤収容部
11Y 第2搬送スクリュー
12Y 現像ロール
14Y 第2剤収容部
17Y トナー補給口
20 光書込ユニット
40 転写ユニット
50 2次転写ローラ
60 定着ユニット
70 トナー補給装置
71Y 駆動源
72Y、72C、72M、72K トナーカートリッジ
73Y トナー濃度検出部
74Y 温湿度センサ
100 制御部
101 画像情報取得部
102 補給制御部
604 プリンタコントローラ
605 半導体メモリ
606 ハードディスク
610 エンジン部
611 読み取りユニット
612 スキャナ補正部
613 カラー多値データ圧縮器
614 カラー多値データ伸張器
615 プリンタ補正部
616 エンジンコントローラ
620 汎用バス
特開平11−219015号公報 特開2006−171177号公報

Claims (9)

  1. 潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像形成手段が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像手段と、
    前記現像手段の現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と、
    を備え、
    入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得手段と、
    前記画素カウント値取得手段が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    機器内部の温度および湿度を検知する温湿度検知手段をさらに備え、
    前記温湿度検知手段によって検知された結果から、前記補給量算出手段の保持するデジタルフィルタを切り替え可能とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記温湿度検知手段は、前記現像手段に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記温湿度検知手段は、多色版の現像手段のそれぞれに配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像形成手段が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像手段と、
    前記現像手段の現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と、
    を備え、
    入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得手段と、
    前記画素カウント値取得手段が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    トナーおよび現像剤の劣化度を計測する劣化度計測手段をさらに備え、
    前記劣化度計測手段で計測した劣化度に基づいて、前記補給量算出手段のデジタルフィルタを切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記劣化度計測手段は、出力枚数を計数する出力枚数計数手段が用いられることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記劣化度計測手段は、前記出力枚数計数手段が計数した各色の出力枚数を用いることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記劣化度計測手段は、各色の累積出力画素数と前記出力枚数計数手段で計数した各色の出力枚数とを用いることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
  8. 潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像形成手段が潜像担持体上に形成した潜像を二成分現像剤により現像する現像手段と、
    前記現像手段の現像剤循環搬送路における所定の補給箇所で、循環中の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と、
    を備え、
    入力画像の画素カウント値を取得する画素カウント値取得手段と、
    前記画素カウント値取得手段が取得した画素カウント値にデジタルフィルタ演算を施すことによってトナー補給量を算出する補給量算出手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    機器内部の温度および湿度を検知する温湿度検知手段と、
    トナーおよび現像剤の劣化度を計測する劣化度計測手段と、
    をさらに備え、
    前記劣化度計測手段で計測した劣化度に基づいて、前記補給量算出手段のデジタルフィルタを切り替え可能とすることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記補給量算出手段は、現像器等の交換に応じて前記デジタルフィルタを決定するための累積出力枚数及び累積出力画素数を初期化させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
JP2009164573A 2009-07-13 2009-07-13 画像形成装置 Pending JP2011022193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009164573A JP2011022193A (ja) 2009-07-13 2009-07-13 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009164573A JP2011022193A (ja) 2009-07-13 2009-07-13 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011022193A true JP2011022193A (ja) 2011-02-03

Family

ID=43632359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009164573A Pending JP2011022193A (ja) 2009-07-13 2009-07-13 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011022193A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013037091A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016126298A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 キヤノン株式会社 画像形成装置
WO2017208944A1 (ja) 2016-05-30 2017-12-07 セントラル硝子株式会社 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0527527A (ja) * 1991-07-18 1993-02-05 Canon Inc 画像形成装置
JPH08227213A (ja) * 1995-02-21 1996-09-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2008299315A (ja) * 2007-05-01 2008-12-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0527527A (ja) * 1991-07-18 1993-02-05 Canon Inc 画像形成装置
JPH08227213A (ja) * 1995-02-21 1996-09-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2008299315A (ja) * 2007-05-01 2008-12-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013037091A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016126298A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 キヤノン株式会社 画像形成装置
WO2017208944A1 (ja) 2016-05-30 2017-12-07 セントラル硝子株式会社 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5424074B2 (ja) 画像形成装置
US8311423B2 (en) Image forming apparatus
JP5195298B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2011170156A (ja) 画像形成装置
JP5382519B2 (ja) 画像形成装置
JP2019035827A (ja) 画像形成装置
JP2011022193A (ja) 画像形成装置
JP2006208919A (ja) 画像形成装置
JP5732780B2 (ja) トナー補給制御システム及び画像形成装置
JP2009217086A (ja) カラー画像形成装置
JP2009020252A (ja) 電子写真画像形成装置
JP7302366B2 (ja) 画像形成装置
JP5278065B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2018040990A (ja) 画像形成装置、画像形成方法
JP6136535B2 (ja) 画像形成装置
JP5316122B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP5310134B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP6132191B2 (ja) 画像形成装置
JP7338288B2 (ja) 画像形成装置
JP5369786B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP5195299B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2014149487A (ja) 画像形成装置
JP5578434B2 (ja) 画像形成装置
JP2012048148A (ja) トナー補給制御システム及び画像形成装置
JP2021086062A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140107