JP6522432B2 - 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂は、成形材料として広範な分野で使用されている。しかし、これら樹脂は可燃性であるために火災に対する安全性が求められている。特に自動車部品、家電製品部品、建材等に使用されているポリオレフィンは着火しやすく、燃えやすいという欠点を解消ため、種々の難燃剤を配合して高度な難燃化が施されている。
上記難燃剤にはハロゲン系難燃剤とノンハロ系難燃剤があり、特にポリオレフィンについては、ポリオレフィン自身の難燃性が著しく低いため、難燃化効果の高いデカブロモジフェニルオキシド、臭素化ビスフェノールA誘導体、臭素化ビスフェノールS誘導体、臭素化イソシアヌレート誘導体等のハロゲン系難燃剤が使用される。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は臭いが強く、ハロゲン系難燃剤を添加した樹脂組成物は、近年の生活水準の向上、快適な生活環境が求められる中では、トイレやキッチン等の居住空間や自動車内空間の用途には使用できない問題があった。
また、硫化水素やアンモニア等の生活臭を消臭する材料が求められ始めており、そのような材料の開発も求められている。
ここで、難燃剤を含む樹脂組成物の臭いを消臭する手段や硫化水素等を消臭する手段として、消臭スプレー、芳香剤等に使用される消臭剤の調材による化学的消臭が挙げられる。具体的な化学的消臭の手段としては、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物を代表とする無機系消臭剤、フタロシアニン等の含窒素化合物を代表とする有機系消臭剤、ローズマリーエキス等の植物抽出物を代表とする天然化合物系消臭剤を例として挙げることができ、これら消臭剤をプラスチック材料樹脂に練りこんで、消臭機能を付与する方法が知られている(特許文献1−3)。
特開2005−42060号公報 特開平9−170177号公報 特開2002−029003号公報
本発明の目的は、難燃性を有し、難燃剤由来の匂いが気にならず、アンモニアや硫化水素に対して消臭効果を有する成形品を製造できるポリオレフィン系樹脂組成物を提供することである。
本発明によれば、以下の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物が提供される。
1. 下記(A)〜(E)成分を下記含有量で含む難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
[成分]
(A)ポリオレフィン系樹脂
(B)有機ハロゲン系難燃剤
(C)酸化アンチモン
(D)酸化亜鉛
(E)酸化珪素
[含有量]
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して1〜50重量部
(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部
(D)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.13〜1.9重量部
(E)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.37〜5.1重量部
2. 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤、テトラブロモビスフェノールS系難燃剤、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート、臭素化アルキルシアヌレート、及び臭素化アルキルイソシアヌレートから選択される1種以上である1に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
3. 前記(D)酸化亜鉛と(E)酸化珪素の混合物を添加することにより製造することを特徴とする1又は2に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
4. 前記(C)酸化アンチモンの含有量が、前記(A)成分100重量部に対して3〜7重量部である1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
5. 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含む1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
6. 1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形した成形品。
本発明によれば、難燃性を有し、難燃剤由来の臭いが気にならず、アンモニアや硫化水素に対して消臭効果を有する成形品を製造できる難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物が提供できる。
本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物は、下記(A)〜(E)成分を下記含有量で含む。
[成分]
(A)ポリオレフィン系樹脂
(B)有機ハロゲン系難燃剤
(C)酸化アンチモン
(D)酸化亜鉛
(E)酸化珪素
[含有量]
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して1〜50重量部
(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部
(D)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.13〜1.9重量部
(E)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.37〜5.1重量部
上記組成を有する本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」という場合がある)は、高い難燃性を示し、且つ、難燃剤由来の臭いもなく、生活臭の代表的な悪臭成分であるアンモニア、硫化水素に対して消臭効果を有する組成物である。
以下、本発明の組成物の各成分について説明する。
(A)ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンに由来する単量体単位を含有する重合体である。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、エチレン−カルボン酸アルケニルエステル共重合体樹脂、エチレン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)系樹脂等が例示される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のポリオレフィン系樹脂のうち、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合、当該ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体、及びプロピレンを主成分とする共重合体等から選ばれる1種又は2種以上で構成することができる。
上記プロピレンを主成分とする共重合体としては、特に制限はないが、例えば、プロピレンと1種又は2種以上のプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、及びプロピレンと1種又は2種以上のプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセン等が挙げられる。
ここで、「プロピレンを主成分とする共重合体」の「プロピレンを主成分とする」とは、共重合体においてプロピレン由来の構造が一番多く占めることをいう。
上記プロピレンの単独重合体は、軽量且つ成形性の観点から、230℃でのメルトマスフローレート0.1〜200g/10分であるプロピレン単独重合体が好ましい。また、さらに樹脂組成物の剛性や耐衝撃性の観点から230℃でのメルトマスフローレートが0.2〜60g/10分以下であることがより好ましい。
上記プロピレンを主成分とする共重合体は、軽量且つ成形性の観点から、230℃でのメルトマスフローレート0.1〜200g/10分であるプロピレン共重合体が好ましい。また、さらに樹脂組成物の剛性や耐衝撃性の観点から230℃でのメルトマスフローレートが0.2〜60g/10分以下であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である場合、当該ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体、及びエチレンを主成分とする共重合体等から選ばれる1種又は2種以上で構成することができる。
上記エチレンを主成分とする共重合体としては、特に制限はないが、例えば、エチレンと1種又は2種以上のエチレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、及びエチレンと1種又は2種以上のエチレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体が挙げられる。
エチレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセン等が挙げられる。
ここで、「エチレンを主成分とする共重合体」の「エチレンを主成分とする」とは、共重合体においてエチレン由来の構造が一番多く占めることをいう。
上記エチレンの単独重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられるが、軽量且つ成形性の観点から、密度が0.910〜0.965g/cmであって、190℃でのメルトマスフローレート0.01〜200g/10分であるエチレン単独重合体が好ましい。190℃でのメルトマスフローレートは、0.01〜60g/10分以下であることがより好ましい。
エチレン単独重合体の190℃でのメルトマスフローレートが上記範囲内であれば、得られる樹脂組成物の流動性及び成形体の表面外観に不具合生じるおそれがない。
上記エチレンを主成分とする共重合体は、軽量且つ成形性の観点から、190℃でのメルトマスフローレートが0.01〜200g/10分であるエチレン共重合体が好ましく、190℃でのメルトマスフローレートが0.01〜60g/10分であるエチレン共重合体がより好ましい。
エチレンを主成分とする共重合体の190℃でのメルトマスフローレートが上記範囲内であれば、得られる樹脂組成物の流動性及び成形体の表面外観に不具合生じるおそれがない。
(B)有機ハロゲン系難燃剤
有機ハロゲン系難燃剤は、ハロゲンを含む有機系の難燃剤を意味し、臭素や塩素を含むことが好ましい。すなわち、有機ハロゲン系難燃剤は、臭素又は塩素を含む有機系の難燃剤が好ましい。より好ましくは、有機ハロゲン系難燃剤は、臭素を含む有機系の難燃剤である。
有機ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロムベンゼン、ペンタブロムベンゼン、ペンタブロムトルエン、テトラブロムトルエン、テトラブロムキシレン、トリブロムキシレン、テトラブロムフェノール、テトラブロムレゾルシン、トリブロムピロガロール、臭素化ビフェニル、臭素化ジフェニルエーテル、臭素化ジフェニチオエーテル、臭素化ナフタリン誘導体等の臭素化芳香族化合物;ヘキサクロルベンゼン、ペンタクロルベンゼン、ペンタクロルトルエン、テトラクロルトルエン、テトラクロルキシレン、トリクロルキシレン、ペンタクロルフェノール、テトラクロルレゾルシン、トリクロルピロガール、塩素化ジフェニルエーテル、塩素化ジフェニルチオエーテル、塩素化ナフタリン誘導体等の塩素化芳香族化合物;テトラクロルロブロムブタン、ペンタクロルペンタン、ヘキサクロルヘキサン、ペンタクロルヘプタン、塩素化パラフィン等の塩素化脂肪族化合物;、塩素化ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA(臭素化芳香族エーテル)、塩素化ビスフェノールA(塩素化芳香族エーテル)等のハロゲン化ビスフェノールA誘導体;臭素化ビスフェノールS、塩素化ビスフェノールS、臭素化ビスフェノールS(臭素化芳香族エーテル)、塩素化ビスフェノールS(塩素化芳香族エーテル)等のハロゲン化ビスフェノールS誘導体;トリス(ジブロムプロピル)シアヌレート、ビス(ジブロムペンチル)シアヌレート等の臭素化アルキルシアヌレート;トリス(ジブロムプロピル)イソシアヌレート、ビス(ジブロムプロピル)イソシアヌレート、トリス(テトラブロムペンチル)イソシアヌレート等の臭素化アルキルイソシアヌレート;トリス(ジクロルプロピル)シアヌレート、ビス(ジクロルプロピル)シアヌレート、トリス(テトラクロルペンチル)シアヌレート等の塩素化アルキルシアヌレート;トリス(ジクロルプロピル)イソシアヌレート、ビス(ジクロルプロピル)イソシアヌレート、トリス(テトラクロルペンチル)イソシアヌレート等の塩素化アルキルイソシアヌレート;トリス〔3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル〕ホスフェート、トリス〔2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル〕ホスフェート、トリス(2−ブロモメチル−2−メチルプロピル)ホスフェート等のトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
これら有機ハロゲン系難燃剤は、1種単独で、又は2種以上を組合わせて用いてよい。
上記ハロゲン化ビスフェノールA誘導体は、ビス(ジブロモプロピルエーテル)−テトラブロモビスフェノールA、ビス(ジブロモエチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールA、ビス(ジブロモブチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールA、ビス(トリブロモブチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールA、ビス(テトラブロモブチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールA等のテトラブロモビスフェノールA誘導体であるテトラブロモビスフェノールA系難燃剤が好ましい。
上記ハロゲン化ビスフェノールS誘導体は、ビス(ジブロモプロピルエーテル)−テトラブロモビスフェノールS、ビス(ジブロモエチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールS、ビス(ジブロモブチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールS、ビス(トリブロモブチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールS、ビス(テトラブロモブチルエーテル)−テトラブロモビスフェノールS等のテトラブロモビスフェノールS誘導体であるテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が好ましい。
上記有機ハロゲン系難燃剤のうち、難燃化効果が顕著であることから、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤、テトラブロモビスフェノールS系難燃剤、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート、臭素化アルキルシアヌレート、及び臭素化アルキルイソシアヌレートから選択される1種以上であると好ましい。
有機ハロゲン系難燃剤は、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含むことがさらに好ましい。
本発明の組成物が難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含むことで、耐熱性に優れる成形品が得られる。
有機ハロゲン系難燃剤の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であり、好ましくは2〜40重量部であり、さらに好ましくは3〜30重量部である。
有機ハロゲン系難燃剤の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合、充分な難燃性が得られないおそれがある。一方、有機ハロゲン系難燃剤の含有量が、ポリオレフィン100重量部に対して50重量部超である場合、得られる成形品の機械物性の低下や比重が増加するおそれがあるほか、組成物の安定的混練作業が困難となるおそれがある。
有機ハロゲン系難燃剤がテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤である場合、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤が1〜25重量部及びテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が1〜25重量部含有することが好ましい。
有機ハロゲン系難燃剤がテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤であって、これら難燃剤の含有量が上記範囲にあることで、耐熱性に優れる成形品が得られる。
(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤が3〜15重量部及びテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が2〜10重量部含有することがより好ましく、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤が3〜9重量部及びテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が2〜9重量部含有することが最も好ましい。なお、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が合計で5〜15重量部含むことが最も好ましい。
有機ハロゲン系難燃剤がテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤であって、これら難燃剤の含有量が上記範囲にあることで、更に耐熱性に優れる成形品が得られる。
(C)酸化アンチモン
酸化アンチモンは、本発明の組成物では難燃助剤として機能し、三酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)等の一般に入手可能なものであれば、特に制限なく使用できる。これら酸化アンチモンは1種単独で、又は2種以上を組合わせて用いてよい。
ここで、三酸化アンチモンが最も好ましい。三酸化アンチモンが最も難燃性を高くすることができる。
上記酸化アンチモンの平均粒径は、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜3μmがより好ましい。
酸化アンチモンの含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部であり、3〜7重量部が好ましく、3〜6重量部がより好ましい。
酸化アンチモンの含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5重量部未満である場合、難燃剤との十分な相乗効果が得られず難燃効果が低下するおそれがある。一方、酸化アンチモンの含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して10重量部超である場合、難燃効果が向上するものでもなく、機械物性が低下するおそれがあるほか、非経済的である。
(D)酸化亜鉛及び(E)酸化珪素
酸化亜鉛及び酸化珪素は、本発明の組成物では防臭剤として機能し、いずれも通常の粉状のものを使用することができる。
酸化亜鉛の平均粒径は1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましい。
酸化珪素の平均粒径が1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましい。
また、酸化珪素は二酸化珪素であることが好ましい。
また、添加する原料は、酸化亜鉛と酸化珪素の混合物であることが好ましい。
組成物中の酸化亜鉛及び酸化珪素は、これらが互いに複合化した酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物であってもよく、第4級アンモニウムイオンがさらに複合化した、第4級アンモニウムイオン、酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物であってもよい。また、原料に用いる酸化亜鉛及び酸化珪素これらが互いに複合化した酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物であってもよく、第4級アンモニウムイオンがさらに複合化した、第4級アンモニウムイオン、酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物であってもよい。
上記第4級アンモニウムイオンは、窒素原子に4個の炭素結合が直結している1価の陽イオンであり、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムイオン、ジアルキルジメチルエチルアンモニウムイオン、アルキルジメチルエチルアンモニウムイオン、アルキルジメチルベンジルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルキノリウムイオン、アルキルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ベンジルジメチルp−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ)エチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
組成物中の酸化亜鉛及び酸化珪素が、第4級アンモニウムイオン、酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物である場合、当該第4級アンモニウムイオンは、酸化亜鉛及び酸化珪素のゲル状物(酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物)のゲル骨格内にイオンあるいは珪酸塩の状態で取り込まれて複合化している。
酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物は、珪酸塩水溶液と亜鉛塩水溶液を反応させることによって得られる。また、第4級アンモニウムイオン、酸化亜鉛及び酸化珪素の無定形複合物は、第4級アンモニウムイオンを含む水溶液系において、珪酸塩水溶液と亜鉛塩水溶液を反応させることによって得られる。
上記無定形複合物の調製において、弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)の調整工程を含むと好ましく、当該水素イオン濃度(pH)の調整は、珪酸塩水溶液、亜鉛塩水溶液、及び弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を混合することにより実施できる。
ここで、弱酸性〜中性領域とは、pH5〜7の範囲であり、好ましくはpH6〜7の範囲である。弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液に含まれる金属塩としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、硫酸チタニル、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化スズ、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
酸化亜鉛の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.13〜1.9重量部であり、0.25〜1.5重量部が好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.13重量部未満であると十分な消臭性能が得られないおそれがある。
一方、酸化亜鉛の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1.9重量部を超えると難燃性及び耐熱性が低下するおそれがある。
酸化珪素の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.37〜5.1重量部であり、0.6〜3.7重量部であることが好ましい。
酸化珪素の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.37重量部未満であると十分な消臭性能が得られないおそれがある。
一方、酸化珪素の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5.1重量部を超えると難燃性及び耐熱性が低下するおそれがある。
酸化亜鉛及び酸化珪素の合計の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜7重量部であることが好ましく、0.8〜5重量部がより好ましい。
酸化亜鉛及び酸化珪素の合計の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上であれば、より高い消臭性能を有する。一方、酸化亜鉛及び酸化珪素の合計の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して7重量部以下であれば、より高い難燃性及びより高い耐熱性を得ることができる。
本発明の組成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)有機ハロゲン系難燃剤、(C)酸化アンチモン、(D)酸化亜鉛及び(E)酸化珪素を含めばよく、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分として(A’)その他樹脂成分、(F)酸化防止剤、(G)紫外線吸収剤、(H)滑剤、(I)軟化剤、(J)帯電防止剤、(K)金属不活性剤、(L)抗菌・抗カビ剤、(M)顔料、(N)結晶核剤から選択される1以上を含んでもよい。
以下、これら任意成分について説明する。
(A’)その他樹脂成分
上記(A)ポリオレフィン系樹脂のほかに、ビニル系樹脂、ジエン系ゴム、及び熱可塑性エラストマーから選択される1種以上のその他樹脂成分をさらに添加してもよい。
上記ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等から選ばれる1種又は2種以上のモノマーの(共)重合体等〕、及びスチレン系樹脂〔ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、HIPS等〕等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジエン系ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム〔アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等〕等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、及びこれらを水添した誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他樹脂成分の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。例えばその他樹脂成分の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して20重量部以下である。
(F)酸化防止剤
酸化防止剤としては、特に限定されないが、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、具体的には、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記リン系酸化防止剤としては、具体的には、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト、トリス(2,4−ditert−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
チオエーテル系酸化防止剤としては、具体的には、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類;ペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
これら酸化防止剤のうち、本発明の組成物は、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤の両方を含むと好ましい。この場合、フェノール系酸化防止剤は、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]が好ましく、リン系酸化防止剤は、トリス(2,4−ditert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部であることが好ましく、0.08〜2重量部であることがより好ましく、0.08〜0.5重量部がさらに好ましく、0.08〜0.3重量部が最も好ましい。また、リン系酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部であることが好ましく、0.1〜2重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部がさらに好ましく、0.1〜0.4重量部が最も好ましい。
尚、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]及びトリス(2,4−ditert−ブチルフェニル)ホスファイトは、それぞれAO60及びアデカスタブ2112として市販されている(いずれも株式会社ADEKA製)。
(G)紫外線吸収剤
本発明の樹脂組成物が含む紫外線吸収剤には、樹脂成分の劣化を促進する紫外線を吸収する成分である紫外線吸収剤だけでなく、樹脂成分の劣化を促進するラジカルを取り込む成分であるヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の光安定剤も含む。
尚、紫外線吸収剤及び光安定剤は、それぞれ単独で用いてもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾフェノン化合物、トリアゾール化合物、ベンゾエート化合物等が挙げられる。
紫外線安定剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HALSとしては、特に制限されないが、N−H型ヒンダードアミン化合物、N−メチル型ヒンダードアミン化合物、N−O−R型ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
HALSの具体例としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく0.03〜4重量部がより好ましく、0.05〜3重量部がさらに好ましい。
(H)滑剤
滑剤としては、特に限定されないが、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸金属塩系滑剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪酸アミド系滑剤としては、具体的には、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪酸エステル系滑剤としては、具体的には、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸オクチル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、ラウリル酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、炭素数28〜30の直鎖状で分岐がない飽和モノカルボン酸(以下モンタン酸と略記する)とエチレングリコールのエステル、モンタン酸とグリセリンのエステル、モンタン酸とブチレングリコールのエステル、モンタン酸とトリメチロールエタンのエステル、モンタン酸とトリメチロールプロパンのエステル、モンタン酸とペンタエリスリトールのエステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスクイオレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪酸系滑剤のうち飽和脂肪酸としては、具体的には、ラウリン酸(ドデカン酸)、イソデカン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、イソステアリン酸、ツベルクロステアリン酸(ノナデカン酸)、2−ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸(イコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、リグノセリン酸(テトラドコサン酸)、セロチン酸(ヘキサドコサン酸)、モンタン酸(オクタドコサン酸)、メリシン酸等が挙げられ、特に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びモンタン酸等が挙げられる。
上記脂肪酸系滑剤のうち不飽和脂肪酸としては、ミリストレイン酸(テトラデセン酸)、パルミトレイン酸(ヘキサデセン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、エライジン酸(trans−9−オクタデセン酸)、リシノール酸(オクタデカジエン酸)、バクセン酸(cis−11−オクタデセン酸)、リノール酸(オクタデカジエン酸)、リノレン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、エレステアリン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、ガドレイン酸(イコサン酸)、エルカ酸(ドコサン酸)、ネルボン酸(テトラドコサン酸)等が挙げられる。
これらの脂肪酸系滑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸金属塩系滑剤としては、上記脂肪酸系滑剤の脂肪酸のリチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
(I)軟化剤
軟化剤としては、特に限定されないが、流動パラフィン、鉱物油系軟化剤(プロセスオイル)、非芳香族系ゴム用鉱物油系軟化剤(プロセスオイル)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟化剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
(J)帯電防止剤
帯電防止剤としては、特に限定されないが、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、グリセリン脂肪酸モノエステル等の脂肪酸部分エステル類が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
帯電防止剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムメソスルフェート、(3−ラウリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ステアロアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硝酸塩、ステアロアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムリン酸塩、カチオン性ポリマー、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硝酸エステル塩、リン酸アルキルエステル塩、アルキルホスフェートアミン塩、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ジグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミン脂肪酸モノエステル、アルキルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリエーテルブロックコポリマー、セチルベタイン、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
帯電防止剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
(K)金属不活性剤
金属不活性化剤としては、特に限定されないが、ヒドラジン系金属不活性化剤、窒素化合物系金属不活性化剤、亜リン酸エステル系金属不活性化剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドラジン系金属不活性化剤としては、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、デカンジカルボン酸ジサリチロイルビドラジド、シュウ酸ビスベンジリデンヒドラジド等が挙げられる。
窒素化合物系金属不活性化剤としては、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミド、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4,−トリアゾール、酸アミド系金属不活性化剤、メラミン等が挙げられる。
亜リン酸エステル系金属不活性化剤としては、トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5−t−ブチル)フェニル−5−メチル]ホスファイト等が挙げられる。
これら金属不活性化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属不活性化剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
(L)抗菌・抗カビ剤
抗菌・抗カビ剤としては、特に限定されないが、有機化合物系抗菌・抗カビ剤、天然物有機系抗菌抗カビ剤、無機物系抗菌・抗カビ剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機化合物系抗菌・抗カビ剤としては、チアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、パラオキシ安息酸メチル、パラオキシ安息酸エチル、パラオキシ安息酸プロピル、N−(フルオロシクロメチルチオ)−フタルイミド、ビス(1−ヒドロキシ−2(IH)ピリジンチオナート−O,S)亜鉛、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン等が挙げられる。
天然物有機系抗菌・抗カビ剤としては、イソチオシアン酸アリル等が挙げられる。
無機物系抗菌・抗カビ剤としては、銀を担持したシリカゲル、銀を担持したゼオライト、銀イオンを担持したヒドロキシアパタイト、銀イオンを担持した水ガラス、銀イオンを担持したリン酸ジルコニウム、銀イオンを担持したポリリン酸アンモニウム、銀及び銅イオンを担持したゼオライト、亜鉛を担持したゼオライト等が挙げられる。
これらの抗菌・抗カビ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
抗菌・抗カビ剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
(M)顔料
顔料としては、特に限定されないが、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。
無機顔料の具体例としては、酸化チタン、ベンガラ、アルミナホワイト、黄色酸化鉄、カドミウムレッド、朱、黄鉛、モリブデートオレンジ、石膏、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、鉛白、群青、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、エメラルドグリーン、紺青、カーボンブラック、アルミニウム粉、亜鉛粉等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、酸性染料レーキ、塩基性染料レーキ、縮合多環顔料等が挙げられる。
これらの顔料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
(N)結晶核剤
結晶核剤としては、特に限定されないが、ソルビトール類、リン系核剤、ロジン類、石油樹脂類等が挙げられる。
結晶核剤としては、アルキル置換ベンジリデンソルビトール等のソルビトール類(例えば1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−o−メチルベンジリデン2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール等)、リン系核剤(例えばリン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、有機リン酸塩系複合品等)、安息香酸ナトリウム、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリンクレー、タルク、ロジン類、石油樹脂類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶核剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物は、公知の方法で製造できる。
例えば、上述した各原料を配合して溶融混練し、ペレタイザーにてペレットとして調製することができる。このときの配合及び混練は、通常用いられている機器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。
混練の際の加熱温度は、通常150〜280℃の範囲であり、適宜選択すればよい。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物は、上記の溶融混練成形機、あるいは、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、及び発泡成形法等により各種成形品を製造することができる。特に、上記溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、次いでこのペレットを用いて、射出成形による射出成形品の製造、及び押出成形による押出成形品の製造に好適に用いることができる。また、押出成形にて押出シートにした後に熱成形して成形体としてもよい。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物から得られる成形体は、難燃性を有し、難燃剤由来の匂いが気にならず、アンモニアや硫化水素に対して消臭効果を有することから、トイレ、キッチン、浴室、等の衛生製品や、電気ポット、食器乾燥機、食器用洗浄機、電子レンジ、生ごみ処理機等の生活家電に使用できる。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた材料及びこれら材料に対応する表1中の記号を以下に示す。
[(A)ポリプロピレン系樹脂]
樹脂A: ポリプロピレン
(プライムポリマー社製 J−700GP、密度=0.905g/cm、MFR=6.8g/10分(230℃、2.16kg))
樹脂B: ポリエチレン
(プライムポリマー社製 1300J、密度=0.961g/cm、MFR=12g/10分(190℃、2.16kg))
[(B)有機ハロゲン系難燃剤]
難燃剤A: テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル
(丸菱油化工業製、ノンネンPR−2(商品名))
難燃剤B: テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル
(寿光市海洋化工有限公司製、XZ−6800(商品名))
難燃剤C: トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート
(大八化学工業所製、CR−900(商品名))
難燃剤D:トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート
(第一工業製薬製、ピロガードSR−750(商品名))
[(C)酸化アンチモン]
三酸化アンチモン(日本精鉱社製 三酸化アンチモンPATOX-KF、平均粒子径0.8μm)
[(D)酸化亜鉛及び(E)酸化珪素]
二酸化珪素を60%、酸化亜鉛22%、水(残分)の混合比率からなる平均粒径2〜3μmの粒子の粉末混合物(ラサ工業製 シュークレンズ GF KD―211)
[(F)酸化防止剤]
防止剤A: フェノール系酸化防止剤(ADEKA製 AO80)
防止剤B: フェノール系酸化防止剤(ADEKA製 AO60)
防止剤C: リン系酸化防止剤(ADEKA製 アデカスタブ2112)
実施例1−18及び比較例1−7
表1に示す各成分を表1に示す配合量で添加し、ヘンシェルミキサー又はタンブラーで予備混合した。得られた予備混合物を、二軸混練機(池貝鉄鋼(株)製 商品名PCM45I)を用いて160℃〜240℃で混練して組成物を作製し、ストランドカットを用いてペレット化した。
得られた組成物ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業(株)製 NEX110II、東芝機械(株)製 EC100)を用いてシリンダー温度190〜210℃、金型温度50℃で射出成形して試験片を作製した。
試験片の特性を下記評価方法で評価した。結果を表1に示す。
(1)難燃性評価(UL94試験)
難燃性評価試験機(Atlas社製、HVULプラスチックUL燃焼テストチャンバー)を用いて、試験片の厚み1/16インチについて、UL94に従って垂直燃焼試験を行った。具体的には5本の試験片について、それぞれ1回目と2回目の燃焼時間、及び綿の発火の有無等から、UL−94V規格に従って燃焼ランクを付けた。
ここで燃焼ランクはV−0が最高であり、V−1、V−2となるに従って燃焼性の評価は低下する。また、V−0〜V−2のランクのいずれにも該当しないものはnot−Vとした。
(2)消臭評価
(2−1)アンモニアと硫化水素の消臭試験
試験片(8cm×8cm×0.3cm)を袋(25cm×40cm)に入れ、ヒートシールで封緘後、空気3Lを封入し、設定した初期ガス濃度(アンモニア:100ppm、硫化水素:20ppm)になるよう対象ガスを添加した。経過時間(6時間後及び24時間後)ごとに、ガス濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)で測定した。
(2−2)難燃剤の臭気試験
1Lビーカーにペレット200gと100℃の水を500mL入れ、アルミホイルで蓋をして、1分間静置した。その後、穴開きお玉でペレットをすくい上げ、臭いを嗅ぎ、5点:全く臭わない、4点:ほとんど臭わない、3点:やや臭う、2点:やや強く臭う、1点:強く臭う、の評価基準で評価した。
(3)耐熱性評価
試験片(8cm×8cm×0.3cm)を150℃の恒温槽に静置し、表面にクラックが発生する時間を測定した。
Figure 0006522432
(表中、成分(A)〜(F)の配合量は全て重量部である)
実施例1〜3及び8〜14と難燃剤を含まない比較例1とを比較すると実施例1〜3及び8〜14は難燃性に優れていることが分かる。
実施例1〜3及び8〜14と三酸化アンチモンを含まない比較例2とを比較すると、実施例1〜3及び8〜14は難燃性に優れていることが分かる。尚、実施例1〜3及び8〜14の耐熱性は比較例1、2と比較すると少し下がるが、高い難燃性を得るためには、許容できる範囲である。
実施例1〜3及び8〜14と酸化亜鉛及び二酸化珪素を含まない比較例3及び7と比較すると、実施例1〜3及び8〜14が消臭性に優れていることがわかる。但し、酸化亜鉛及び酸化珪素を含有すれば良いというわけではなく、比較例4のように酸化亜鉛及び二酸化珪素の含有量が過大であると、耐熱性が著しく低下してしまうことが分かる。
実施例4〜7及び15〜18は、難燃性、消臭性、難燃剤臭気の点では、実施例1〜3と同等又は優れていることに加え、難燃剤を含まない比較例1と三酸化アンチモンを含まない比較例2と比較して耐熱性に優れている。通常、難燃剤や三酸化アンチモンを添加することにより耐熱性が低くなるが、実施例4〜7及び15〜18は、難燃剤Aと難燃剤Bを併用することにより耐熱性を向上するという驚くべき効果を見出した。
実施例4〜7及び15〜18の耐熱性は、同じように難燃剤Aと難燃剤Bを併用した比較例5及び6と同じであり、消臭性の観点で見ると、酸化亜鉛及び二酸化珪素を含む実施例4〜7及び15〜18の消臭性は、これらを含まない比較例5及び6に比べて格段に優れていることが分かる。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(E)成分を下記含有量で含む難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
    [成分]
    (A)ポリオレフィン系樹脂(4−メチル−1−ペンテン系重合体を除く)
    (B)有機ハロゲン系難燃剤
    (C)酸化アンチモン
    (D)酸化亜鉛
    (E)酸化珪素
    [含有量]
    (B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して1〜50重量部
    (C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部
    (D)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.13〜1.9重量部
    (E)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.37〜5.1重量部
  2. 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤、テトラブロモビスフェノールS系難燃剤、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート、臭素化アルキルシアヌレート、及び臭素化アルキルイソシアヌレートから選択される1種以上である請求項1に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 前記(E)酸化珪素が二酸化珪素である請求項1又は2に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 前記(C)酸化アンチモンの含有量が、前記(A)成分100重量部に対して3〜7重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含む請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形した成形品。
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