JP6522432B2 - 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、硫化水素やアンモニア等の生活臭を消臭する材料が求められ始めており、そのような材料の開発も求められている。
1. 下記(A)〜(E)成分を下記含有量で含む難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
[成分]
(A)ポリオレフィン系樹脂
(B)有機ハロゲン系難燃剤
(C)酸化アンチモン
(D)酸化亜鉛
(E)酸化珪素
[含有量]
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して1〜50重量部
(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部
(D)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.13〜1.9重量部
(E)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.37〜5.1重量部
2. 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤、テトラブロモビスフェノールS系難燃剤、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート、臭素化アルキルシアヌレート、及び臭素化アルキルイソシアヌレートから選択される1種以上である1に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
3. 前記(D)酸化亜鉛と(E)酸化珪素の混合物を添加することにより製造することを特徴とする1又は2に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
4. 前記(C)酸化アンチモンの含有量が、前記(A)成分100重量部に対して3〜7重量部である1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
5. 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含む1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
6. 1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形した成形品。
[成分]
(A)ポリオレフィン系樹脂
(B)有機ハロゲン系難燃剤
(C)酸化アンチモン
(D)酸化亜鉛
(E)酸化珪素
[含有量]
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して1〜50重量部
(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部
(D)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.13〜1.9重量部
(E)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.37〜5.1重量部
以下、本発明の組成物の各成分について説明する。
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンに由来する単量体単位を含有する重合体である。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、エチレン−カルボン酸アルケニルエステル共重合体樹脂、エチレン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)系樹脂等が例示される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のポリオレフィン系樹脂のうち、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂が好ましい。
上記プロピレンを主成分とする共重合体としては、特に制限はないが、例えば、プロピレンと1種又は2種以上のプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、及びプロピレンと1種又は2種以上のプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセン等が挙げられる。
ここで、「プロピレンを主成分とする共重合体」の「プロピレンを主成分とする」とは、共重合体においてプロピレン由来の構造が一番多く占めることをいう。
上記エチレンを主成分とする共重合体としては、特に制限はないが、例えば、エチレンと1種又は2種以上のエチレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、及びエチレンと1種又は2種以上のエチレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体が挙げられる。
エチレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセン等が挙げられる。
ここで、「エチレンを主成分とする共重合体」の「エチレンを主成分とする」とは、共重合体においてエチレン由来の構造が一番多く占めることをいう。
エチレン単独重合体の190℃でのメルトマスフローレートが上記範囲内であれば、得られる樹脂組成物の流動性及び成形体の表面外観に不具合生じるおそれがない。
エチレンを主成分とする共重合体の190℃でのメルトマスフローレートが上記範囲内であれば、得られる樹脂組成物の流動性及び成形体の表面外観に不具合生じるおそれがない。
有機ハロゲン系難燃剤は、ハロゲンを含む有機系の難燃剤を意味し、臭素や塩素を含むことが好ましい。すなわち、有機ハロゲン系難燃剤は、臭素又は塩素を含む有機系の難燃剤が好ましい。より好ましくは、有機ハロゲン系難燃剤は、臭素を含む有機系の難燃剤である。
これら有機ハロゲン系難燃剤は、1種単独で、又は2種以上を組合わせて用いてよい。
本発明の組成物が難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含むことで、耐熱性に優れる成形品が得られる。
有機ハロゲン系難燃剤の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合、充分な難燃性が得られないおそれがある。一方、有機ハロゲン系難燃剤の含有量が、ポリオレフィン100重量部に対して50重量部超である場合、得られる成形品の機械物性の低下や比重が増加するおそれがあるほか、組成物の安定的混練作業が困難となるおそれがある。
有機ハロゲン系難燃剤がテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤であって、これら難燃剤の含有量が上記範囲にあることで、耐熱性に優れる成形品が得られる。
(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤が3〜15重量部及びテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が2〜10重量部含有することがより好ましく、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤が3〜9重量部及びテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が2〜9重量部含有することが最も好ましい。なお、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤が合計で5〜15重量部含むことが最も好ましい。
有機ハロゲン系難燃剤がテトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤であって、これら難燃剤の含有量が上記範囲にあることで、更に耐熱性に優れる成形品が得られる。
酸化アンチモンは、本発明の組成物では難燃助剤として機能し、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)等の一般に入手可能なものであれば、特に制限なく使用できる。これら酸化アンチモンは1種単独で、又は2種以上を組合わせて用いてよい。
ここで、三酸化アンチモンが最も好ましい。三酸化アンチモンが最も難燃性を高くすることができる。
上記酸化アンチモンの平均粒径は、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜3μmがより好ましい。
酸化アンチモンの含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5重量部未満である場合、難燃剤との十分な相乗効果が得られず難燃効果が低下するおそれがある。一方、酸化アンチモンの含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して10重量部超である場合、難燃効果が向上するものでもなく、機械物性が低下するおそれがあるほか、非経済的である。
酸化亜鉛及び酸化珪素は、本発明の組成物では防臭剤として機能し、いずれも通常の粉状のものを使用することができる。
酸化亜鉛の平均粒径は1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましい。
酸化珪素の平均粒径が1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましい。
また、酸化珪素は二酸化珪素であることが好ましい。
また、添加する原料は、酸化亜鉛と酸化珪素の混合物であることが好ましい。
上記第4級アンモニウムイオンは、窒素原子に4個の炭素結合が直結している1価の陽イオンであり、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムイオン、ジアルキルジメチルエチルアンモニウムイオン、アルキルジメチルエチルアンモニウムイオン、アルキルジメチルベンジルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルキノリウムイオン、アルキルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ベンジルジメチルp−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ)エチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
ここで、弱酸性〜中性領域とは、pH5〜7の範囲であり、好ましくはpH6〜7の範囲である。弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液に含まれる金属塩としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、硫酸チタニル、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化スズ、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
酸化亜鉛の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.13重量部未満であると十分な消臭性能が得られないおそれがある。
一方、酸化亜鉛の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1.9重量部を超えると難燃性及び耐熱性が低下するおそれがある。
酸化珪素の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.37〜5.1重量部であり、0.6〜3.7重量部であることが好ましい。
酸化珪素の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.37重量部未満であると十分な消臭性能が得られないおそれがある。
一方、酸化珪素の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5.1重量部を超えると難燃性及び耐熱性が低下するおそれがある。
酸化亜鉛及び酸化珪素の合計の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜7重量部であることが好ましく、0.8〜5重量部がより好ましい。
酸化亜鉛及び酸化珪素の合計の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上であれば、より高い消臭性能を有する。一方、酸化亜鉛及び酸化珪素の合計の含有量が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して7重量部以下であれば、より高い難燃性及びより高い耐熱性を得ることができる。
以下、これら任意成分について説明する。
上記(A)ポリオレフィン系樹脂のほかに、ビニル系樹脂、ジエン系ゴム、及び熱可塑性エラストマーから選択される1種以上のその他樹脂成分をさらに添加してもよい。
上記ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等から選ばれる1種又は2種以上のモノマーの(共)重合体等〕、及びスチレン系樹脂〔ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、HIPS等〕等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジエン系ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム〔アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等〕等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、及びこれらを水添した誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部であることが好ましく、0.08〜2重量部であることがより好ましく、0.08〜0.5重量部がさらに好ましく、0.08〜0.3重量部が最も好ましい。また、リン系酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部であることが好ましく、0.1〜2重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部がさらに好ましく、0.1〜0.4重量部が最も好ましい。
尚、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]及びトリス(2,4−ditert−ブチルフェニル)ホスファイトは、それぞれAO60及びアデカスタブ2112として市販されている(いずれも株式会社ADEKA製)。
本発明の樹脂組成物が含む紫外線吸収剤には、樹脂成分の劣化を促進する紫外線を吸収する成分である紫外線吸収剤だけでなく、樹脂成分の劣化を促進するラジカルを取り込む成分であるヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の光安定剤も含む。
尚、紫外線吸収剤及び光安定剤は、それぞれ単独で用いてもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
紫外線安定剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HALSの具体例としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑剤としては、特に限定されないが、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸金属塩系滑剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪酸系滑剤のうち不飽和脂肪酸としては、ミリストレイン酸(テトラデセン酸)、パルミトレイン酸(ヘキサデセン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、エライジン酸(trans−9−オクタデセン酸)、リシノール酸(オクタデカジエン酸)、バクセン酸(cis−11−オクタデセン酸)、リノール酸(オクタデカジエン酸)、リノレン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、エレステアリン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、ガドレイン酸(イコサン酸)、エルカ酸(ドコサン酸)、ネルボン酸(テトラドコサン酸)等が挙げられる。
これらの脂肪酸系滑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟化剤としては、特に限定されないが、流動パラフィン、鉱物油系軟化剤(プロセスオイル)、非芳香族系ゴム用鉱物油系軟化剤(プロセスオイル)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟化剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
帯電防止剤としては、特に限定されないが、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、グリセリン脂肪酸モノエステル等の脂肪酸部分エステル類が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属不活性化剤としては、特に限定されないが、ヒドラジン系金属不活性化剤、窒素化合物系金属不活性化剤、亜リン酸エステル系金属不活性化剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドラジン系金属不活性化剤としては、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、デカンジカルボン酸ジサリチロイルビドラジド、シュウ酸ビスベンジリデンヒドラジド等が挙げられる。
窒素化合物系金属不活性化剤としては、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミド、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4,−トリアゾール、酸アミド系金属不活性化剤、メラミン等が挙げられる。
亜リン酸エステル系金属不活性化剤としては、トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5−t−ブチル)フェニル−5−メチル]ホスファイト等が挙げられる。
これら金属不活性化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
抗菌・抗カビ剤としては、特に限定されないが、有機化合物系抗菌・抗カビ剤、天然物有機系抗菌抗カビ剤、無機物系抗菌・抗カビ剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機化合物系抗菌・抗カビ剤としては、チアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、パラオキシ安息酸メチル、パラオキシ安息酸エチル、パラオキシ安息酸プロピル、N−(フルオロシクロメチルチオ)−フタルイミド、ビス(1−ヒドロキシ−2(IH)ピリジンチオナート−O,S)亜鉛、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン等が挙げられる。
天然物有機系抗菌・抗カビ剤としては、イソチオシアン酸アリル等が挙げられる。
無機物系抗菌・抗カビ剤としては、銀を担持したシリカゲル、銀を担持したゼオライト、銀イオンを担持したヒドロキシアパタイト、銀イオンを担持した水ガラス、銀イオンを担持したリン酸ジルコニウム、銀イオンを担持したポリリン酸アンモニウム、銀及び銅イオンを担持したゼオライト、亜鉛を担持したゼオライト等が挙げられる。
これらの抗菌・抗カビ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、特に限定されないが、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。
無機顔料の具体例としては、酸化チタン、ベンガラ、アルミナホワイト、黄色酸化鉄、カドミウムレッド、朱、黄鉛、モリブデートオレンジ、石膏、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、鉛白、群青、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、エメラルドグリーン、紺青、カーボンブラック、アルミニウム粉、亜鉛粉等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、酸性染料レーキ、塩基性染料レーキ、縮合多環顔料等が挙げられる。
これらの顔料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶核剤としては、特に限定されないが、ソルビトール類、リン系核剤、ロジン類、石油樹脂類等が挙げられる。
結晶核剤としては、アルキル置換ベンジリデンソルビトール等のソルビトール類(例えば1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−o−メチルベンジリデン2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール等)、リン系核剤(例えばリン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、有機リン酸塩系複合品等)、安息香酸ナトリウム、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリンクレー、タルク、ロジン類、石油樹脂類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、上述した各原料を配合して溶融混練し、ペレタイザーにてペレットとして調製することができる。このときの配合及び混練は、通常用いられている機器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。
混練の際の加熱温度は、通常150〜280℃の範囲であり、適宜選択すればよい。
[(A)ポリプロピレン系樹脂]
樹脂A: ポリプロピレン
(プライムポリマー社製 J−700GP、密度=0.905g/cm3、MFR=6.8g/10分(230℃、2.16kg))
樹脂B: ポリエチレン
(プライムポリマー社製 1300J、密度=0.961g/cm3、MFR=12g/10分(190℃、2.16kg))
難燃剤A: テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル
(丸菱油化工業製、ノンネンPR−2(商品名))
難燃剤B: テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル
(寿光市海洋化工有限公司製、XZ−6800(商品名))
難燃剤C: トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート
(大八化学工業所製、CR−900(商品名))
難燃剤D:トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート
(第一工業製薬製、ピロガードSR−750(商品名))
三酸化アンチモン(日本精鉱社製 三酸化アンチモンPATOX-KF、平均粒子径0.8μm)
[(D)酸化亜鉛及び(E)酸化珪素]
二酸化珪素を60%、酸化亜鉛22%、水(残分)の混合比率からなる平均粒径2〜3μmの粒子の粉末混合物(ラサ工業製 シュークレンズ GF KD―211)
防止剤A: フェノール系酸化防止剤(ADEKA製 AO80)
防止剤B: フェノール系酸化防止剤(ADEKA製 AO60)
防止剤C: リン系酸化防止剤(ADEKA製 アデカスタブ2112)
表1に示す各成分を表1に示す配合量で添加し、ヘンシェルミキサー又はタンブラーで予備混合した。得られた予備混合物を、二軸混練機(池貝鉄鋼(株)製 商品名PCM45I)を用いて160℃〜240℃で混練して組成物を作製し、ストランドカットを用いてペレット化した。
得られた組成物ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業(株)製 NEX110II、東芝機械(株)製 EC100)を用いてシリンダー温度190〜210℃、金型温度50℃で射出成形して試験片を作製した。
試験片の特性を下記評価方法で評価した。結果を表1に示す。
難燃性評価試験機(Atlas社製、HVULプラスチックUL燃焼テストチャンバー)を用いて、試験片の厚み1/16インチについて、UL94に従って垂直燃焼試験を行った。具体的には5本の試験片について、それぞれ1回目と2回目の燃焼時間、及び綿の発火の有無等から、UL−94V規格に従って燃焼ランクを付けた。
ここで燃焼ランクはV−0が最高であり、V−1、V−2となるに従って燃焼性の評価は低下する。また、V−0〜V−2のランクのいずれにも該当しないものはnot−Vとした。
(2−1)アンモニアと硫化水素の消臭試験
試験片(8cm×8cm×0.3cm)を袋(25cm×40cm)に入れ、ヒートシールで封緘後、空気3Lを封入し、設定した初期ガス濃度(アンモニア:100ppm、硫化水素:20ppm)になるよう対象ガスを添加した。経過時間(6時間後及び24時間後)ごとに、ガス濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)で測定した。
1Lビーカーにペレット200gと100℃の水を500mL入れ、アルミホイルで蓋をして、1分間静置した。その後、穴開きお玉でペレットをすくい上げ、臭いを嗅ぎ、5点:全く臭わない、4点:ほとんど臭わない、3点:やや臭う、2点:やや強く臭う、1点:強く臭う、の評価基準で評価した。
試験片(8cm×8cm×0.3cm)を150℃の恒温槽に静置し、表面にクラックが発生する時間を測定した。
実施例1〜3及び8〜14と三酸化アンチモンを含まない比較例2とを比較すると、実施例1〜3及び8〜14は難燃性に優れていることが分かる。尚、実施例1〜3及び8〜14の耐熱性は比較例1、2と比較すると少し下がるが、高い難燃性を得るためには、許容できる範囲である。
実施例1〜3及び8〜14と酸化亜鉛及び二酸化珪素を含まない比較例3及び7と比較すると、実施例1〜3及び8〜14が消臭性に優れていることがわかる。但し、酸化亜鉛及び酸化珪素を含有すれば良いというわけではなく、比較例4のように酸化亜鉛及び二酸化珪素の含有量が過大であると、耐熱性が著しく低下してしまうことが分かる。
実施例4〜7及び15〜18は、難燃性、消臭性、難燃剤臭気の点では、実施例1〜3と同等又は優れていることに加え、難燃剤を含まない比較例1と三酸化アンチモンを含まない比較例2と比較して耐熱性に優れている。通常、難燃剤や三酸化アンチモンを添加することにより耐熱性が低くなるが、実施例4〜7及び15〜18は、難燃剤Aと難燃剤Bを併用することにより耐熱性を向上するという驚くべき効果を見出した。
実施例4〜7及び15〜18の耐熱性は、同じように難燃剤Aと難燃剤Bを併用した比較例5及び6と同じであり、消臭性の観点で見ると、酸化亜鉛及び二酸化珪素を含む実施例4〜7及び15〜18の消臭性は、これらを含まない比較例5及び6に比べて格段に優れていることが分かる。
Claims (6)
- 下記(A)〜(E)成分を下記含有量で含む難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
[成分]
(A)ポリオレフィン系樹脂(4−メチル−1−ペンテン系重合体を除く)
(B)有機ハロゲン系難燃剤
(C)酸化アンチモン
(D)酸化亜鉛
(E)酸化珪素
[含有量]
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して1〜50重量部
(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部
(D)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.13〜1.9重量部
(E)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.37〜5.1重量部 - 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤、テトラブロモビスフェノールS系難燃剤、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート、臭素化アルキルシアヌレート、及び臭素化アルキルイソシアヌレートから選択される1種以上である請求項1に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 前記(E)酸化珪素が二酸化珪素である請求項1又は2に記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 前記(C)酸化アンチモンの含有量が、前記(A)成分100重量部に対して3〜7重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 前記(B)有機ハロゲン系難燃剤が、テトラブロモビスフェノールA系難燃剤とテトラブロモビスフェノールS系難燃剤の両方を含む請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形した成形品。
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