JP6521596B2 - 熱成形容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱成形容器及びその製造方法に関する。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」と略すことがある)は、溶融成形が可能でガスバリア性に優れる材料として広く用いられている。例えば、EVOHは、溶融成形により形成されるフィルムやシートの材料として用いられる。このシート等からなるEVOH層は、オレフィン系樹脂等を主成分とする熱可塑性樹脂層と積層されることで包装材として用いられている。このようなEVOH層を含む包装材は、熱成形することで包装容器として利用される。かかる包装容器は、EVOH層を含むことで酸素バリア性に優れるため、酸素バリア性が要求される用途、例えば食品、化粧品、医化学薬品、トイレタリー等の種々の分野で広く使用されている。
ところが、EVOH層は、オレフィン系樹脂等を主成分とする熱可塑性樹脂層に比べて一般的に熱成形性に欠ける。そのため、EVOH層を含む包装材は、熱成形時にピンホール、クラック等の欠陥が発生しやすく、包装容器に外観不良が発生しやすい。EVOH層を含む包装材はさらに、熱成形後に厚みムラが生じやすいことから、包装容器のガスバリア性及び機械強度の低下等の問題を生じる傾向がある。
かかる問題を改善するために、EVOHを主成分とするシート等を形成するための樹脂組成物に、可塑剤を添加すること(特開昭53−088067号公報及び特開昭59−020345号公報参照)、ポリアミドをブレンドすること(特開昭52−141785号公報参照)等が検討されているが、いずれもガスバリア性の低下が大きい。
また、EVOHの製造法として、EVOHの重合工程において、エチレン及び酢酸ビニルに加えてクロトンアルデヒドを共存させる方法が知られている(特開2007−31725号公報参照)。この製造法によれば、重合中にクロトンアルデヒドを共存させることで、重合缶内部のスケール付着を抑制することができる。その結果、この製造法により得られるEVOHのフィルムは、スケールの混入に起因するフィッシュアイの発生を減らすことができるとされている。
しかし、重合時に添加したクロトンアルデヒドは、重合工程及びけん化工程で部分的に消費される。また、クロトンアルデヒドは、水への溶解度が18.1g/100g(20℃)(The MERCK INDEX 14th 2006)と高い。一方、EVOHの製造法は、通常、けん化後の中和により生成する酢酸ナトリウムを水洗浄する工程を含む。そのため、重合時に添加したクロトンアルデヒドは、EVOH製造時の水洗工程において略完全に除去され、EVOHフィルム等の製品中には残留し難い。従って、上記製造法では、熱成形における熱安定性や長時間運転特性(ロングラン性)の改善等の不飽和アルデヒドの添加効果は未知である。
特開昭53−088067号公報 特開昭59−020345号公報 特開昭52−141785号公報 特開2007−31725号公報
本発明は、溶融成形における欠陥の発生及び着色が抑制されることで外観に優れ、かつ十分な強度を有する熱成形容器を提供することを目的とする。また、本発明は、このような特性を有する熱成形容器を提供でき、かつロングラン性(粘度安定性)に優れる製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とするEVOH層(A)を備える熱成形容器であって、上記EVOH層(A)が飽和ケトン(II)を含有し、上記EVOH層(A)における上記飽和ケトン(II)の含有量が0.01ppm以上100ppm以下である熱成形容器である。
本発明の熱成形容器は、飽和ケトン(II)の含有量が特定範囲であるEVOH層(A)を備えている。このEVOH層(A)は、例えばEVOHを主成分とし、かつ特定量の飽和ケトン(II)を含有する樹脂組成物を溶融成形することで形成される。この溶融成形では、上記樹脂組成物が特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、その作用は明確ではないが、ゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、微細なピンホールやクラックの発生、着色を抑制できる。その結果、上記樹脂組成物から得られるEVOH層(A)ひいてはこのEVOH層(A)を含む熱成形容器は、外観に優れかつ十分な強度を有する。また、EVOH層(A)が特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、熱成形容器の製造工程におけるセルフパージ性に優れ、当該熱成形容器の製造コストを低減できる。
なお、上記樹脂組成物を用いる溶融成形品(EVOH層(A)用のフィルム等)でのストリーク等の欠陥の発生及び着色を抑制する飽和ケトン(II)の作用は、必ずしも明確ではないが、溶融成形時のEVOH(I)の酸化劣化を飽和ケトン(II)が酸化されることで防止されることによるものと推定される。このようなEVOH(I)の酸化防止作用により、ゲル状ブツ等の熱劣化物の生成が抑制されるものと考えられる。
上記飽和ケトン(II)としては飽和脂肪族ケトンが好ましい。飽和脂肪族ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン又はこれらの組み合わせが好ましい。当該熱成形容器は、EVOH層(A)が飽和ケトン(II)として上記特定の物質を含有することで、外観により優れかつより十分な強度を有する。
上記EVOH層(A)が共役ポリエン化合物(III)をさらに含有するとよい。上記EVOH層(A)における上記共役ポリエン化合物(III)の含有量としては0.01ppm以上1,000ppm以下が好ましい。特定量の共役ポリエン化合物(III)をさらに含有するEVOH層(A)は、このEVOH層(A)の溶融成形時の酸化劣化が共役ポリエン化合物(III)によって抑制されることで、ゲル状ブツ等の欠陥の発生、着色等がより低減され、外観がより向上する。従って、当該熱成形容器は、特定量の共役ポリエン化合物(III)をさらに含有するEVOH層(A)を備えることで、欠陥の発生がより低減され、外観がより向上する。また、溶融成形によりEVOH層(A)を形成するときのセルフパージ性にもより優れるため、当該熱成形容器の製造コストをより低減することができる。
上記共役ポリエン化合物(III)としてはソルビン酸、ソルビン酸塩又はこれらの組み合わせが好ましい。共役ポリエン化合物(III)としてソルビン酸等をさらに含有するEVOH層(A)は、このEVOH層(A)の溶融成形時の酸化劣化がソルビン酸等によって効果的に抑制されることで、ゲル状ブツ等の欠陥の発生、着色等がより低減され、外観がより向上する。従って、当該熱成形容器は、特定量の共役ポリエン化合物(III)をさらに含有するEVOH層(A)を備えることで、欠陥の発生がより低減され、外観がより向上する。また、溶融成形によりEVOH層(A)を形成するときのセルフパージ性にさらに優れるため、当該熱成形容器の製造コストをさらに低減することができる。
当該熱成形容器は、上記EVOH層(A)の一方の面側及び他方の面側にそれぞれ積層される熱可塑性樹脂層(B)、及び上記EVOH層(A)と上記熱可塑性樹脂層(B)との間に配置され、かつカルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン層(C)をさらに備えるとよい。Fedorsの式から算出される上記熱可塑性樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂の溶解性パラメータ(SP値)としては11(cal/cm1/2以下が好ましい。このようなSP値の熱可塑性樹脂層(B)及びポリオレフィン層(C)をさらに備えることで、高湿度下でのガス遮蔽性、耐油性、耐衝撃性等を向上させることができる。
当該熱成形容器としては、カップ状容器又はトレイ状容器が好ましい。すなわち、当該熱成形容器は、ガスバリア性が要求されるカップ状容器又はトレイ状容器に好適に使用でき、しかも外観性にも優れる。
本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とし、かつ上記飽和ケトン(II)を含有する樹脂組成物を用いてEVOH層(A)を形成する工程と、上記EVOH層(A)を含む層を熱成形する工程とを備え、上記樹脂組成物における上記飽和ケトン(II)の含有量が0.01ppm以上100ppm以下である熱成形容器の製造方法を含む。
当該熱成形容器の製造方法によれば、EVOH層(A)の形成時のゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色を抑制できると共に、特定量の飽和ケトン(II)を含有するEVOH層(A)が得られる。そのため、当該製造方法により得られる熱成形容器は、外観に優れかつ十分な強度を有する。また、上記樹脂組成物及びEVOH層(A)が特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、熱成形容器の製造工程におけるセルフパージ性に優れ、製造コストを低減できる。加えて、当該製造方法は、特定量の飽和ケトン(II)を含有する樹脂組成物を用いるものであるため、EVOHの酸化が防止され、かつロングラン性(粘度安定性)に優れる。
ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。「ppm」とは、当該熱成形容器を構成する層中の該当成分の質量割合をいい、1ppmは0.0001質量%である。「Fedorsの式から算出される溶解性パラメータ」とは、下記式から算出されるSP値である。
SP値δ=(E/V)1/2
E:分子凝集エネルギー(cal/mol)であり、化合物を構成する原子又は原子団の蒸発エネルギーの総和として求められる。
V:分子容(cm/mol)であり、化合物を構成する原子又は原子団のモル体積の総和として求められる。
本発明の熱成形容器は、EVOH層(A)に特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生及び着色が抑制されるため外観性に優れ、かつ十分な強度を有する。さらに、当該熱成形容器は、EVOH層(A)が特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、製造工程におけるセルフパージ性にも優れ、当該熱成形容器の製造コストを低減することができる。そのため、当該熱成形容器は、様々な用途に用いることができる。本発明の製造方法は、特定量の飽和ケトン(II)を含有する樹脂組成物を用いるものであるためEVOHの酸化が防止され、かつロングラン性(粘度安定性)に優れる。
本発明の熱成形容器の一実施形態であるカップ状容器を示す模式的斜視図である。 図1のカップ状容器の断面図である。 図1のカップ状容器の要部を示す模式的断面図である。 図1のカップ状容器の製造方法を説明するための模式図である。 図1のカップ状容器の製造方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の熱成形容器及びその製造方法の一実施形態について説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施形態には限定されない。
<熱成形容器>
本発明の熱成形容器は、酸素バリア性が要求される用途、例えば食品、化粧品、医化学薬品、トイレタリー等の種々の分野で利用される。この熱成形容器は、例えば多層体を熱成形することで、収容部を有するものとして形成される。
[収容部]
収容部は、食品等の内容物を収容する部分である。この収容部の形状は、内容物の形状に対応して決定される。具体的には、当該熱成形容器は、例えばカップ状容器、トレイ状容器、バッグ状容器、ボトル状容器、パウチ状容器等として形成される。
収容部の形態は、一つの指標として、絞り比(S)で表すことができる。ここで、絞り比(S)とは、容器の最深部の深さを容器の開口に内接する最大径の円の直径で割った値である。すなわち、絞り比(S)は、値が大きいほど底の深い容器であり、値が小さいほど底が浅い容器であることを意味する。例えば、熱成形容器がカップ状である場合には、絞り比(S)が大きく、トレイである場合には絞り比(S)が小さい。なお、内接する最大径の円の直径は、例えば収容部の開口が円形である場合には円の直径、楕円である場合には短径(短軸長さ)、長方形である場合には短辺の長さである。
絞り比(S)は、当該熱成形容器を形成するための多層体がフィルムであるかシートであるか、すなわち多層体の厚みによって好適値が異なる。当該熱成形容器がフィルムを熱成形したものである場合、絞り比(S)としては0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.4以上がさらに好ましい。一方、当該熱成形容器がシートを成形したものである場合、絞り比(S)としては0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。なお、フィルムとは厚みが0.2mm未満で軟質性のものをいい、シートとはフィルムよりも厚みが大きいもの、例えば厚みが0.2mm以上で軟質性のものをいう。
[多層体]
多層体は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分するEVOH層(A)を備え、このEVOH層(A)の一方の面及び他方の面の少なくとも一方の面側に他の層が積層されるものである。ここで、一方の面とは上記多層体を熱成形容器としたときの収容部の内表面側であり、他方の面とは収容部の外表面側である。この多層体は、フィルム状の形態であっても、シート状の形態であってもよい。
EVOH層(A)の一方の面側に積層される他の層の合計厚みIと、EVOH層(A)の他方の面側に積層される他の層の合計厚みOとの厚み比(I/O)の下限としては、1/99が好ましく、30/70がより好ましい。また、上記I/Oの上限としては、70/30が好ましく、55/45がより好ましい。なお、多層体の全層又は単層の厚みは、ミクロトームを用いて多層体の複数箇所から切り出したサンプルについて、光学顕微鏡観察により測定した厚みの平均値であり、熱成形容器の全層又は単層の厚みと実質的に一致する。
熱成形容器の全体平均厚みの下限としては、300μmが好ましく、500μmがより好ましく、700μmがさらに好ましい。また、熱成形容器の全体平均厚みの上限としては、10,000μmが好ましく、8,500μmがより好ましく、7,000μmがさらに好ましい。なお、全体平均厚みは、熱成形容器の収容部における全層の厚みをいい、その測定方法は多層体の全層の厚みを測定する場合と同様である。全体平均厚みが上記上限を超えると、熱成形容器の製造コストが上昇する。一方、全体平均厚みが上記上限未満であると、剛性が保てず、熱成形容器が容易に破壊されてしまうおそれがある。従って、熱成形容器の全体平均厚みは、容量や用途に対応した厚みを設定することが重要である。
EVOH層(A)に積層される他の層としては、例えば熱可塑性樹脂層(B)、ポリオレフィン層(C)、回収層(D)等が挙げられる。以下、EVOH層(A)、熱可塑性樹脂層(B)、ポリオレフィン層(C)及び回収層(D)について詳述する。
<EVOH層(A)>
EVOH層(A)は、EVOH(I)を主成分とする層であり、飽和ケトン(II)を含有する。このEVOH層(A)は、共役ポリエン化合物(III)をさらに含有することが好ましく、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
[EVOH(I)]
EVOH(I)は、エチレンとビニルエステルとの共重合体をけん化した共重合体である。上記ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、酢酸ビニルが好ましい。これらのビニルエステルは、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
EVOH(I)は、エチレン及びビニルエステル以外の単量体に由来する他の構造単位を含んでいてもよい。このような単量体としては、例えばビニルシラン系化合物、その他の重合性化合物が挙げられる。上記他の構造単位の含有量の下限としては、EVOH(I)の全構造単位に対して、0.0002モル%が好ましい。また、上記他の構造単位の含有量の上限としては、EVOH(I)の全構造単位に対して、0.2モル%が好ましい。
上記ビニルシラン系化合物としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランが好ましい。
上記その他の重合性化合物としては、例えば
プロピレン、ブチレン等の不飽和炭化水素;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸又はそのエステル;
N−ビニルピロリドン等のビニルピロリドンなどが挙げられる。
EVOH(I)のエチレン含有量の下限としては、通常20モル%であり、24モル%が好ましく、27モル%がより好ましい。また、EVOH(I)のエチレン含有量の上限としては、通常60モル%であり、55モル%が好ましく、45モル%がより好ましく、42モル%がさらに好ましく、38モル%が特に好ましい。エチレン含有量が上記下限未満であると、溶融押出時の熱安定性が低下してゲル化しやすくなり、ストリーク、フィッシュアイ等の欠陥が発生し易くなるおそれがある。特に、一般的な溶融押出時の条件よりも高温又は高速の条件下で長時間運転を行うとゲル化する可能性が高くなる。一方、エチレン含有量が上記上限を超えると、ガスバリア性等が低下し、EVOH(I)が有する有利な特性を十分に発揮できないおそれがある。
EVOH(I)のビニルエステルに由来する構造単位のけん化度としては、通常85%以上であり、90%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましい。このけん化度が85%未満であると、熱安定性が不十分となるおそれがある。
EVOH層(A)におけるEVOH(I)の含有量の下限としては、通常95質量%であり、98質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、99.5質量%がさらに好ましい。EVOH(I)の含有量を上記下限以上とすることで、EVOH(I)が有する有利な特性を十分に発揮できるため、EVOH層(A)はガス遮蔽性、耐油性等により優れる。
[飽和ケトン(II)]
飽和ケトン(II)は、当該熱成形容器のEVOH層(A)の必須成分である。当該熱成形容器は、飽和ケトン(II)を含むEVOH層(A)を備えることで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生を抑制することができ、外観性に優れる。また、EVOH層(A)が特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、熱成形容器の製造工程におけるセルフパージ性にも優れるため、製造コストを低減することができる。
飽和ケトン(II)とは、分子内のカルボニル基以外の部分に不飽和結合を含まないケトンをいう。飽和ケトン(II)は、カルボニル基以外の部分に不飽和結合を含まない限りは、直鎖状のケトンであっても、分枝状のケトンであっても、分子内に環構造を有するケトンであってもよい。飽和ケトン(II)の分子内のカルボニル基の数は、1であっても2以上であってもよい。
飽和ケトン(II)としては、例えば飽和脂肪族ケトン、飽和環状ケトン等が挙げられる。飽和脂肪族ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノン、3−メチル−2−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、3−オクタノン、6−メチル−2−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、メチルシクロペンチルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、エチルシクロペンチルケトン、エチルシクロヘキシルケトン等が挙げられる。飽和環状ケトンとしては、例えばシクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等が挙げられる。
飽和ケトン(II)の炭素数の下限としては、飽和ケトン(II)の水溶性向上の観点から、3が好ましい。また、飽和ケトン(II)の炭素数の上限としては、50が好ましく、15がより好ましく、8がさらに好ましい。飽和ケトン(II)としては、例示した中でも、欠陥の発生を抑制する観点から、飽和脂肪族ケトンが好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン又はこれらの組み合わせがより好ましく、アセトンがさらに好ましい。
飽和ケトン(II)は、本発明の効果を損なわない範囲において、水素原子の一部又は全部が置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基等が挙げられる。
EVOH層(A)における飽和ケトン(II)の含有量の下限としては、0.01ppmであり、0.05ppmが好ましく、0.1ppmがより好ましい。一方、飽和ケトン(II)の含有量の上限としては、100ppmであり、50ppmが好ましい。飽和ケトン(II)の含有量が上記下限未満であると、溶融成形において経時的なゲル状ブツの発生の増加を抑制することが不十分となる。一方、飽和ケトン(II)の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時に飽和ケトン(II)同士の縮合やEVOHと飽和ケトン(II)同士の縮合物との架橋が起こり、フィッシュアイやスジの発生を誘発するおそれがあり、またEVOH層(A)が着色し易くなるおそれがある。
[共役ポリエン化合物(III)]
共役ポリエン化合物(III)は、溶融成形時の酸化劣化を抑制するものである。ここで、共役ポリエン化合物(III)とは、炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合とが交互に繋がってなる構造を有し炭素−炭素二重結合の数が2個以上である、いわゆる共役二重結合を有する化合物である。この共役ポリエン化合物(III)は、共役二重結合を2個有する共役ジエン、3個有する共役トリエン、又はそれ以上の数を有する共役ポリエンであってもよい。また、共役二重結合が互いに共役せずに1分子中に複数組あってもよい。例えば、桐油のように共役トリエン構造が同一分子内に3個ある化合物も共役ポリエン化合物(III)に含まれる。共役ポリエン化合物(III)の共役二重結合の数の下限としては、7個が好ましい。当該樹脂組成物は、共役二重結合を8個以上有する共役ポリエン化合物(III)を含有すると、多層体ひいては熱成形容器の着色が起こる可能性が高くなる。
共役ポリエン化合物(III)は、共役二重結合に加えて、カルボキシル基及びその塩、水酸基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、ジアゾ基、ニトロ基、スルホン基及びその塩、スルホニル基、スルホキシド基、スルフィド基、チオール基、リン酸基及びその塩、フェニル基、ハロゲン原子、二重結合、三重結合等のその他の官能基を有していてもよい。
共役ポリエン化合物(III)の炭素数の下限としては、4が好ましい。また、共役ポリエン化合物(III)の炭素数の上限としては、30が好ましく、10がより好ましい。共役ポリエン化合物(III)としては、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、ミルセン及びこれらのうちの2以上の混合物が好ましく、ソルビン酸、ソルビン酸塩(ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等)及びこれらの混合物がより好ましい。ソルビン酸、ソルビン酸塩及びこれらの混合物は、高温での酸化劣化の抑制効果が高く、また食品添加剤としても広く工業的に使用されているため衛生性や入手性の観点からも好ましい。
共役ポリエン化合物(III)の分子量としては、通常1,000以下であり、500以下が好ましく、300以下がより好ましい。共役ポリエン化合物(III)の分子量が上記上限を超えると、EVOH(A)中への共役ポリエン化合物(III)の分散状態が悪化し、溶融成形後の外観が悪化するおそれがある。
EVOH層(A)における共役ポリエン化合物(III)の含有量の下限としては、0.01ppmが好ましく、0.1ppmがより好ましく、0.5ppmがさらに好ましく、1ppmが特に好ましい。また、EVOH層(A)における共役ポリエン化合物(III)の含有量の上限としては、1,000ppmが好ましく、800ppmがより好ましく、500ppmがさらに好ましい。共役ポリエン化合物(III)の含有量が上記下限未満であると、溶融成形時の酸化劣化を抑制する効果を十分に得られないおそれがある。一方、共役ポリエン化合物(III)の含有量が上記上限を超えると、EVOH層(A)を形成するための樹脂組成物のゲル化を促進するおそれがある。
[その他の任意成分]
EVOH層(A)は、その他の任意成分としてホウ素化合物、酢酸類、リン化合物、アルカリ金属又はその塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、熱安定剤、他の樹脂、高級脂肪族カルボン酸の金属塩等を含んでいてもよい。EVOH層(A)は、これらの成分を2種以上含有してもよい。EVOH層(A)におけるこれらの成分の合計含有量の上限としては、1質量%が好ましい。
ホウ素化合物は、溶融成形時のゲル化を抑制すると共に押出成形機等のトルク変動(加熱時の粘度変化)を抑制するものである。上記ホウ素化合物としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等のホウ酸類;ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル等のホウ酸エステル;上記ホウ酸類のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ホウ砂等のホウ酸塩;水素化ホウ素類などが挙げられる。これらの中でも、ホウ酸類が好ましく、オルトホウ酸(以下、「ホウ酸」ともいう)がより好ましい。EVOH層(A)におけるホウ素化合物の含有量の下限としては、100ppmが好ましく、150ppmがより好ましい。また、EVOH層(A)におけるホウ素化合物の含有量の上限としては、5,000ppmが好ましく、4,000ppmがより好ましく、3,000ppmがさらに好ましい。ホウ素化合物の含有量が上記下限未満であると、押出成形機等のトルク変動を十分に抑制することができないおそれがある。一方、ホウ素化合物の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時にゲル化を起こし易くなり多層体ひいては熱成形容器の外観が悪化するおそれがある。なお、ホウ素化合物の含有量は、乾燥樹脂組成物中のホウ素化合物のホウ素元素換算含有量である。
酢酸類は、多層体ひいては熱成形容器の着色を防止すると共に溶融成形時のゲル化を抑制するものである。この酢酸類は、酢酸及び酢酸塩を含む。酢酸類としては、酢酸及び酢酸塩を併用することが好ましく、酢酸及び酢酸ナトリウムを併用することがより好ましい。EVOH層(A)における酢酸類の含有量の下限としては、50ppmが好ましく、100ppmがより好ましく、150ppmがさらに好ましく、200ppmが特に好ましい。また、EVOH層(A)における酢酸類の含有量の上限としては、1,000ppmが好ましく、500ppmがより好ましく、400ppmがさらに好ましい。酢酸類の含有量が上記下限未満であると、十分な着色防止の効果を得られず、多層体ひいては熱成形容器に黄変が発生するおそれがある。一方、酢酸類の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時、特に長時間に及ぶ溶融成形時にゲル化が生じ易くなり多層体ひいては熱成形容器の外観が悪化するおそれがある。
リン化合物は、ストリーク、フィッシュアイ等の欠陥の発生及び着色を抑制すると共に、ロングラン性を向上させるものである。このリン化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸等のリン酸塩等が挙げられる。上記リン酸塩としては、第一リン酸塩、第二リン酸塩及び第三リン酸塩のいずれの形でもよい。また、リン酸塩のカチオン種についても特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましく、これらのうちリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸水素二カリウムがより好ましく、リン酸二水素ナトリウム及びリン酸水素二カリウムがさらに好ましい。EVOH層(A)におけるリン化合物の含有量の下限としては、1ppmが好ましく、2ppmがより好ましく、3ppmがさらに好ましく、5ppmが特に好ましい。EVOH層(A)におけるリン化合物の含有量の上限としては、200ppmが好ましく、150ppmがより好ましく、100ppmがさらに好ましい。リン化合物の含有量が上記下限未満である場合、又は上記上限を超える場合、熱安定性が低減し、長時間にわたる溶融成形を行なう際のゲル状ブツの発生、着色が生じ易くなるおそれがある。
アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、上記アルカリ金属の塩としては、例えば1価の金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、金属錯体等が挙げられ、具体的には、酢酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられる。EVOH層(A)におけるアルカリ金属の含有量の下限としては、20ppmが好ましく、50ppmがより好ましい。また、EVOH層(A)におけるアルカリ金属の含有量の下限としては、1,000ppmが好ましく、500ppmがより好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばエチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキトシキベンゾフェノン等が挙げられる。
可塑剤としては、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール(商品名:カーボワックス)等が挙げられる。
滑剤としては、例えばエチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート等が挙げられる。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等が挙げられる。
充填剤としては、例えばグラスファイバー、ウォラストナイト、ケイ酸カルシウム、タルク、モンモリロナイト等が挙げられる。
熱安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
他の樹脂としては、例えばポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられる。
高級脂肪族カルボン酸の金属塩としては、例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
なお、ゲル化対策として、例えば上記熱安定剤として例示したヒンダードフェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物、上記高級脂肪酸カルボン酸の金属塩、ハイドロタルサイト系化合物等を添加してもよい。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。ゲル化対策のための化合物の添加量の下限は、EVOH層(A)に対して、通常0.01質量%である。また、ゲル化対策のための化合物の添加量の上限は、EVOH層(A)に対して、通常1質量%である。
EVOH層(A)の平均厚みの下限としては、特に限定されるものではないが、バリア性及び機械強度等の観点から、全体平均厚みに対して、0.02%が好ましく、0.5%がより好ましく、1.0%がさらに好ましく、1.5%が特に好ましい。また、EVOH層(A)の平均厚みの上限としては、特に限定されるものではないが、バリア性及び機械強度等の観点から、全体平均厚みに対して、34%が好ましく、5%がより好ましく、4.5%がさらに好ましい。EVOH層(A)の平均厚みの下限としては、例えば2μmである。また、EVOH層(A)の平均厚みの上限としては、例えば100μmである。
<EVOH層(A)の製造方法>
EVOH層(A)は、EVOH(I)及び飽和ケトン(II)を含有するEVOH含有樹脂組成物を、例えば押出成形することで形成できる。
[EVOH含有樹脂組成物の調製方法]
EVOH含有樹脂組成物は、EVOH(I)中に飽和ケトン(II)を均一にブレンドでき、EVOH層(A)に0.01ppm以上100ppm以下の飽和ケトン(II)を含有させられる製造方法であれば特に限定されない。EVOH含有樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」ともいう)の調製方法としては、例えば
(1)エチレンとビニルエステルとを共重合させる工程、及び
(2)工程(1)により得られた共重合体をけん化する工程
を備える製造方法により得ることができる。
樹脂組成物中に特定量の飽和ケトン(II)を含有させる方法としては、特に限定されないが、例えば
上記工程(1)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法、
上記工程(2)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法、
上記工程(2)により得られたEVOH(I)に、特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法等が挙げられる。しかし、上記工程(1)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法、又は上記工程(2)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法を採用する場合には、得られる樹脂組成物中に所望量の飽和ケトン(II)を含有させるためには、上記工程(1)における重合反応、上記工程(2)におけるけん化反応で消費される量を考慮して添加量を多くする必要がある。したがって、重合反応やけん化反応工程で飽和ケトン(II)を添加する場合は消費される飽和ケトン(II)の量を加算して添加することが好ましい。一方、上記工程(2)より得られたEVOH(I)に特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法は工程内での消費を考慮せずに添加できるため、操作性に優れている。
EVOH(I)に特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法としては、例えば飽和ケトン(II)を予めEVOH(I)に配合してペレットを造粒する方法、エチレン−ビニルエステル共重合体のけん化後にペーストを析出させる工程で析出させたストランドに飽和ケトン(II)を含浸させる方法、析出させたストランドをカットした後に飽和ケトン(II)を含浸させる方法、乾燥樹脂組成物のチップを再溶解したものに飽和ケトン(II)を添加する方法、EVOH(I)及び飽和ケトン(II)の2成分をブレンドしたものを溶融混練する方法、押出機の途中からEVOH溶融物に飽和ケトン(II)をフィードし含有させる方法、飽和ケトン(II)をEVOH(I)の一部に高濃度で配合して造粒したマスターバッチを作成しEVOH(I)とドライブレンドして溶融混練する方法等が挙げられる。
これらのうち、EVOH(I)中に微量の飽和ケトン(II)を均一に分散することができる観点から、飽和ケトン(II)混合工程としては、飽和ケトン(II)を予めEVOH(I)に配合してペレットを造粒する工程であることが好ましい。具体的には、樹脂組成物を水/メタノール混合溶媒等の良溶媒に溶解させた溶液に、飽和ケトン(II)を添加し、その混合溶液をノズル等から貧溶媒中に押出して析出及び/又は凝固させ、それを洗浄及び/又は乾燥することにより、樹脂組成物に飽和ケトン(II)が均一に混合されたペレットを得ることができる。
また、重合工程の後工程で共役ポリエン化合物(III)と同時に飽和ケトン(II)を添加することもできる。共役ポリエン化合物(III)と同時に添加することにより、共役ポリエン化合物(III)の補助的な機能を発揮し、熱溶融しにくい物質の生成を抑制する。その結果、外観に優れたフィルムを得ることができる。
EVOH層(A)中に飽和ケトン(II)以外の各成分を含有させる方法としては、例えば上記ペレットを各成分と共に混合して溶融混練する方法、上記ペレットを調製する際に、飽和ケトン(II)と共に各成分を混合する方法、上記ペレットを各成分が含まれる溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。なお、各成分の混合には、リボンブレンダー、高速ミキサーコニーダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミキサー等を用いることができる。
<熱可塑性樹脂層(B)>
熱可塑性樹脂層(B)はEVOH(I)以外の熱可塑性樹脂を含む層である。この熱可塑性樹脂としては、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11以下(cal/cm1/2である熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂層(B)に含有される熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、ポリブテンやポリペンテン等のオレフィンの単独重合体又は共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリカーボネート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン及びポリスチレンが好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
上記高密度ポリエチレンの密度の下限としては、剛性、耐衝撃性、成形性、耐ドローダウン性、耐ガソリン性等の観点から、0.93g/cmが好ましく、0.95g/cmがより好ましく、0.96g/cmがさらに好ましい。また、上記高密度ポリエチレンの密度の上限としては、剛性、耐衝撃性、成形性、耐ドローダウン性、耐ガソリン性等の観点から、0.98g/cmが好ましい。さらに、上記高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)の下限としては、190℃、2,160g荷重下において、0.01g/10分が好ましい。また、上記高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)の上限としては、190℃、2,160g荷重下において、0.5g/10分が好ましく、0.1g/10分がより好ましい。
なお、上記高密度ポリエチレンは、通常市販品の中から適宜選択して使用することができる。また、熱可塑性樹脂層(B)は、本発明の効果を損なわない限り、EVOH層(A)と同様のその他の任意成分を含んでいてもよい。その他の任意成分としては、例えばEVOH層に含んでいてもよい着色剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層(B)の平均厚みの下限としては、特に限定されるものではないが、機械強度等の観点から、全体平均厚みに対して、0.05%が好ましい。また、熱可塑性樹脂層(B)の平均厚みの上限としては、特に限定されるものではないが、機械強度等の観点から、全体平均厚みに対して、15%が好ましい。熱可塑性樹脂(B)の平均厚みの下限としては、例えば5μmである。また、熱可塑性樹脂(B)の平均厚みの上限としては、例えば1000μmである。
<ポリオレフィン層(C)>
ポリオレフィン層(C)は、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする層である。このポリオレフィン層(C)は、EVOH層(A)と熱可塑性樹脂層(B)等との間の接着層として機能させることができる。なお、カルボン酸変性ポリオレフィンとは、オレフィン系重合体に、エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を、付加反応、グラフト反応等により化学的に結合させて得られる、カルボキシル基又はその無水物基を有するオレフィン系重合体のことをいう。
エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えばモノカルボン酸、モノカルボン酸エステル、ジカルボン酸、ジカルボン酸モノエステル、ジカルボン酸ジエステル、ジカルボン酸無水物等が挙げられる。具体的には、エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
上記オレフィン系重合体としては、例えば
低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテン等のポリオレフィン;
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のオレフィン−ビニルエステル共重合体;
オレフィンと不飽和カルボン酸エステル等のコモノマーとの共重合体などが挙げられる。これら中でも、直鎖状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が5質量%〜55質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エチル含有量8質量%〜35質量%であるエチレン−アクリル酸エチル共重合体が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が5質量%〜55質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
カルボン酸変性ポリオレフィンは、例えばキシレン等の溶媒、過酸化物等の触媒の存在下で、オレフィン系重合体に、エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を、付加反応又はグラフト反応により導入することにより得られる。このときのカルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加量又はグラフト量(変性度)の下限としては、オレフィン系重合体に対して0.01質量%が好ましく、0.02質量%がより好ましい。また、上記カルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加量又はグラフト量(変性度)の上限としては、15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。カルボン酸変性ポリオレフィンは、1種を使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。なお、ポリオレフィン層(C)は、本発明の効果を損なわない範囲で、カルボン酸変性ポリオレフィン以外にEVOH層(A)と同様のその他の任意成分を含んでいてもよい。
ポリオレフィン層(C)の平均厚みの下限としては、特に限定されるものではないが、全体平均厚みに対して、0.3%が好ましく、0.6%がより好ましく、1.2%がさらに好ましい。また、ポリオレフィン層(C)の平均厚みの上限としては、特に限定されるものではないが、全体平均厚みに対して、12%が好ましく、9%がより好ましい。ポリオレフィン層(C)の厚みが上記下限未満であると、接着性が低下するおそれがある。一方、ポリオレフィン層(C)の厚みが上記上限を超えると、コスト高となるおそれがある。ポリオレフィン層(C)の平均厚みの下限としては、例えば2μmmである。また、ポリオレフィン層(C)の平均厚みの上限としては、例えば100μmである。
<回収層(D)>
回収層(D)は、熱成形容器の製造工程におけるEVOH層(A)、熱可塑性樹脂層(B)及びポリオレフィン層(C)のうちの少なくとも1つの層の回収物を用いて形成される層である。この回収層(D)は、EVOH(I)、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下の熱可塑性樹脂及びカルボン酸変性ポリオレフィンのうちの少なくとも1種を含有する。また、回収層(D)は、熱成形容器の製造工程におけるEVOH層(A)、熱可塑性樹脂層(B)及びポリオレフィン層(C)の回収物、検定の不合格品等を用いて形成される。かかるスクラップ等を再利用した回収層(D)を設けることで、熱成形容器の製造時に使用される樹脂のロスを低減し、コストの低減を図ることが可能となる。
回収層(D)は、熱可塑性樹脂層(B)の代わりとして用いることも可能であるが、一般的には熱可塑性樹脂層(B)よりも回収層(D)の機械的強度が低くなることが多いため、回収層(D)は熱可塑性樹脂層(B)と積層して用いることが好ましい。このような回収層(D)は、EVOH層(A)よりも、収容部の外表面側となるように配置することが好ましい。これは、熱成形容器が外部から衝撃を受けた場合には、熱成形容器に応力の集中が生じ、応力集中部において衝撃に対する圧縮応力が容器内層側(収容部の内表面側)で働き、破損が起こる可能性があるからである。また、回収層(D)は、スクラップの発生が多い場合等、多量の樹脂をリサイクルする必要がある場合は、EVOH層(A)の両側に回収層(D)を配置してもよい。
回収層(D)におけるEVOH(I)の含有量の上限としては、9.0質量%が好ましい。回収層(D)におけるEVOH(I)の含有量が9.0質量%を超えると、熱可塑性樹脂層(B)との界面でクラックが発生し易くなり、そのクラックを起点として熱成形容器全体の破壊が起こるおそれがある。
<多層体の製造方法>
多層体は、共押出成形装置を用いて形成することができる。この多層体は、例えばEVOH層(A)を形成する樹脂組成物、熱可塑性樹脂層(B)を形成する樹脂組成物、ポリオレフィン層(C)を形成する樹脂組成物、回収層(D)を形成する樹脂組成物等を別々の押出機に仕込み、これらの押出機で共押出することで所定の層構成を有するものとして形成される。
各層の押出成形は、単軸又は二軸スクリューを備えた押出機を所定の温度で運転することにより行われる。EVOH層(A)を形成する押出機の温度の下限としては、例えば170℃である。また、EVOH層(A)を形成する押出機の温度の上限としては、例えば210℃である。熱可塑性樹脂層(B)を形成する押出機の温度の下限としては、例えば200℃である。また、熱可塑性樹脂層(B)を形成する押出機の温度の上限としては、例えば240℃である。ポリオレフィン層(C)を形成する押出機の温度の下限としては、例えば160℃である。また、ポリオレフィン層(C)を形成する押出機の温度の上限としては、例えば220℃である。回収層(D)を形成する押出機の温度の下限としては、例えば200℃である。また、回収層(D)を形成する押出機の温度の上限としては、例えば240℃である。
<熱成形>
熱成形容器は、フィルム、シート等の多層体を加熱して軟化させた後に、金型形状に成形することで形成することができる。熱成形方法としては、例えば真空あるいは圧空を用い、必要によりプラグを併せ用いて金型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法等)、プレス成形する方法等が挙げられる。成形温度、真空度、圧空の圧力、成形速度等の各種成形条件は、プラグ形状や金型形状、原料フィルムやシートの性質等により適当に設定される。成形温度は、成形するのに十分なだけ樹脂が軟化できる温度であれば特に限定されるものではなく、フィルム、シート等の多層体の構成によってその好適な温度範囲は異なる。
フィルムを熱成形する場合、加熱によるフィルムの溶解が生じたり、ヒーター板の金属面の凹凸がフィルムに転写したりするほど高温にはしない一方、賦形が十分でない程低温にしないことが望ましく、具体的なフィルム温度の下限としては、通常50℃であり、60℃が好ましく、70℃がより好ましい。また、上記フィルム温度の上限としては、通常120℃であり、110℃が好ましく、100℃がより好ましい。
一方、シートを熱成形する場合、フィルムの場合より高温でも成形が可能な場合がある。この場合のシート温度の下限としては、例えば130℃である。また、上記シート温度の上限としては、例えば180℃である。
熱成形容器は、EVOH(I)を主成分とする樹脂組成物を用いて熱成形する工程を有し、上記樹脂組成物が飽和ケトン(II)を含有し、この飽和ケトン(II)の上記樹脂組成物における含有量が0.05ppm以上50ppm以下である製造方法により製造することが好ましい。飽和ケトン(II)の上記樹脂組成物における含有量の下限としては、0.1ppmが好ましく、0.15ppmがより好ましい。また、飽和ケトン(II)の上記樹脂組成物における含有量の上限としては、30ppmが好ましく、20ppmがより好ましい。
<層構成>
本発明の熱成形容器は、少なくともEVOH層(A)を備えていればよく、単層からなってもよいし複数層からなってもよい。熱成形容器が複数層である場合の層構成は、用途等に応じて適宜設定すればよい。
当該熱成形容器が複数層からなる場合の層構成としては、熱可塑性樹脂層(B)を最外層に配置することが好ましい。すなわち、収容部の内表面から外表面に向かって、熱可塑性樹脂層(B)/ポリオレフィン層(C)/EVOH層(A)/ポリオレフィン層(C)/熱可塑性樹脂層(B)(以下、「(内表面)(B)/(C)/(A)/(C)/(B)(外表面)」のように表記する)が耐衝撃性の観点から好ましい。また、回収層(D)を含む場合の層構成としては、例えば
(内表面)(B)/(C)/(A)/(C)/(D)/(B)(外表面)、
(内表面)(B)/(D)/(C)/(A)/(C)/(B)(外表面)、
(内表面)(B)/(D)/(C)/(A)/(C)/(D)/(B)(外表面)、
(内表面)(D)/(C)/(A)/(C)/(D)(外表面)等が挙げられ、これらの層構成において熱可塑性樹脂(B)層の代わりに回収層(D)を備える層構成であってもよい。これらの中でも、(内表面)(B)/(C)/(A)/(C)/(D)/(B)(外表面)、(内表面)(B)/(D)/(C)/(A)/(C)/(D)/(B)(外表面)が好ましい。なお、層(A)〜層(D)がそれぞれ複数用いられている場合、それぞれの層を構成する樹脂は同一でも異なっていてもよい。
<カップ状容器>
次に、本発明の熱成形容器について、図1及び図2に示すカップ状容器を例にとって、具体的に説明する。但し、カップ状容器は熱成形容器の一例に過ぎず、以下のカップ状容器の説明は、本発明の範囲を限定するものではない。
図1及び図2のカップ状容器1は、収容部としてのカップ本体10、及びフランジ部11を備える。このカップ状容器1は、カップ本体10に内容物を収容し、カップ本体10の開口12を塞ぐようにフランジ部11に蓋2をシールすることで使用される。シールとしては、例えば樹脂フィルム、金属箔、金属樹脂複合フィルム等が挙げられ、中でも、樹脂フィルムに金属層を積層した金属樹脂複合フィルムが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。金属層としては、特に限定はないが、金属箔、金属蒸着層が好ましく、ガスバリア性及び生産性の観点からアルミ箔がより好ましい。
カップ状容器1は、例えばフィルム状、シート状等の多層体を熱成形することで得られる。この多層体は、EVOH層(A)を備え、EVOH層(A)に他の層が積層されることが好ましい。他の層としては、例えば熱可塑性樹脂層(B)、ポリオレフィン層(C)、回収層(D)等が挙げられる。
カップ状容器1の層構成としては、図3に示す構成が好ましい。図示した層構成は、EVOH層(A)10Aの一方の面側(カップ1のカップ本体10の内表面13側)にポリオレフィン層(C)10Cを介して熱可塑性樹脂層(B)10Bが積層され、他方の面側(カップ1のカップ本体10の外表面14側)にポリオレフィン層(C)10Cを介して回収層(D)10D及び熱可塑性樹脂層(B)10Bが積層されるものである。
<カップ状容器の製造方法>
カップ状容器1は、図4に示すようにフィルム状、シート状等の連続多層体3を加熱装置4により加熱して軟化させた後に、金型装置5を用いて熱成形することで製造される。
(加熱装置)
加熱装置4は、一対のヒーター40,41を備えるものであり、これらのヒーター40,41の間を連続多層体3が通過可能とされている。なお、加熱装置4としては、熱プレスにより加熱するものを用いることもできる。
(金型装置)
金型装置5は、プラグアシスト法による熱成形に適するものであり、チャンバー(図示略)内に収容される下型50及び上型51を備える。下型50及び上型51は、それぞれ個別に上下方向に移動可能であり、離間状態において、これらの下型50及び上型51の間を連続多層体3が通過可能とされている。下型50は、熱成形容器1の収容部10を形成するための複数の凹部52を有する。上型51は、下型51に向けて突出する複数のプラグ53を備える。複数のプラグ53は、下型50の複数の凹部52に対応した位置に設けられている。各プラグ53は、対応する凹部52に挿入可能である。
(熱成形)
まず、図5(A)に示すように、加熱装置4により軟化させた連続多層体3に対して、下型50を上動させることで下型50に密着させると共に連続多層体3を若干持ち上げて連続多層体3にテンションを付与する。次に、図5(B)に示すように、上型51を下動させることでプラグ53を凹部52に挿入する。
続いて、図5(C)に示すように、上型51を上動させてプラグ53を凹部52から離間させた後にチャンバー(図示略)内を真空引きし、連続多層体3を凹部52の内面に密着させる。その後、エアーの噴射により成形部を冷却することで形状を固定する。図5(D)に示すように、チャンバー(図示略)内を大気開放すると共に下型50を下動させて下型50を離型することで一次成形品が得られる。この一次成形品を切断することで、図1及び図2に示すカップ状容器1が得られる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下において、「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
<EVOHの合成>
[合成例1]
250Lの加圧反応槽を用いて以下の条件で重合を実施し、エチレン−酢酸ビニル共重合体を合成した。
(仕込み量)
酢酸ビニル83.0kg
メタノール26.6kg
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(2.5g/Lメタノール溶液)の供給量 1119.5mL/hr
(重合条件)
重合温度 60℃
重合槽エチレン圧力 3.6MPa
重合時間 5.0時間
得られた共重合体における酢酸ビニルの重合率は約40%であった。この共重合反応液にソルビン酸を添加した後、追出塔に供給し、塔下部からのメタノール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂より除去して、エチレン−酢酸ビニル共重合体の41%メタノール溶液を得た。このエチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量は32モル%であった。このエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液をけん化反応器に仕込み、苛性ソーダ/メタノール溶液(80g/L)を、共重合体中のビニルエステル成分に対して0.4当量となるように添加し、メタノールを加えて共重合体濃度が20%になるように調整した。この溶液を60℃に昇温し、反応器内に窒素ガスを吹き込みながら約4時間反応させた。この溶液を円形の開口部を有する金板から水中に押し出して析出させ、切断することで直径約3mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られたペレットを遠心分離機で脱液し、さらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返した。
[合成例2]
合成例1において、ソルビン酸とアセトンとを同時に添加した以外は合成例1と同様に操作し、ペレットを得た。
<実施例1>
[EVOH含有樹脂組成物の調製]
合成例1で得られた脱液したペレット20kgを、180kgの水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌して完全に溶解させた。得られた溶液にアセトン、及び共役ポリエン化合物(III)としてのソルビン酸を添加し、さらに1時間攪拌してアセトン及びソルビン酸を完全に溶解させ、樹脂組成物溶液を得た。この樹脂組成物溶液を直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=90/10(質量比)の凝固浴中に連続的に押出してストランド状に凝固させた。このストランドをペレタイザーに導入して多孔質の樹脂組成物チップを得た。得られた多孔質の樹脂組成物チップを酢酸水溶液及びイオン交換水を用いて洗浄を行った。この洗浄液と樹脂組成物チップとを分離して脱液した後、熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、さらに100℃で16時間乾燥を行って樹脂組成物(乾燥樹脂組成物ペレット)を得た。
[共押出製膜の作製]
共押出成形装置を用い、熱可塑性樹脂層(B)を形成するホモポリプロピレン(三菱ノーブレン社の「PY220」)、EVOH層(A)を形成するEVOH樹脂組成物、ポリオレフィン層(C)を形成するカルボン酸変性ポリオレフィン(三井化学アドマー社の「QF−500」)、回収層(D)を形成するための樹脂混合物を別々の押出機に仕込み、(B):425μm/(C):50μm/(A):50μm/(C):50μm/(D):250μm/(B):425μmの層構成を有する全層厚みが1250μmの多層シートを作製した。押出成形は、ホモポリプロピレンは直径65mm、L/D=22の単軸スクリューを備えた押出機を200℃〜240℃の温度とし、EVOH樹脂組成物は直径40mm、L/D=26の単軸スクリューを備えた押出機を170℃〜210℃の温度とし、カルボン酸変性ポリオレフィンは直径40mm、L/D=26の単軸スクリューを備えた押出機を160℃〜220℃の温度とし、回収層(D)の樹脂混合物は二軸押出機(東洋精機製作所社の「2D25W」、直径25mm、スクリュー回転数100rpm)のシリンダ及びダイを220℃の温度とし、フィードブロック型ダイ(巾600mm)を255℃で運転することにより実施した。
なお、回収層(D)を形成するための樹脂混合物は、以下のように調製した。EVOH層(A)を形成するEVOH樹脂組成物6.7質量部、熱可塑性樹脂層(B)を形成するホモポリプロピレン(三菱ノーブレン社の「PY220」)88.3質量部、及びオレフィン層(C)を形成するカルボン酸変性ポリオレフィン(三井化学アドマー社の「QF−500」)5.0質量部をドライブレンド後、二軸押出機(東洋精機製作所社の「2D25W」、直径25mm、スクリュー回転数100rpm)のシリンダ及びダイを220℃の温度とし、窒素雰囲気下で押出しペレット化を行い、ペレットを得た。このペレットを窒素雰囲気下、二軸押出機中で混合してから取り出す操作をさらに4回繰り返し、回収層(D)を形成するための樹脂混合物を得た。
[熱成形容器の作製]
共押出成形装置にて得られた多層シートを15cm角に裁断し、浅野製作所社のバッチ式熱成形試験機にてシート温度150℃の条件で、カップ状(金型形状70φ×70mm、絞り比S=1.0)に熱成形(圧空:5kg/cm、プラグ:45φ×65mm、シンタックスフォーム、プラグ温度:150℃、金型温度:70℃)することで熱成形容器を作製した。
<実施例2〜14並びに比較例1及び2>
各成分の含有量が表1に記載の通りとなるように樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして多層シートを作製し、この多層シートを熱成形することで熱成形容器を作製した。
<比較例3>
合成例2で得られたペレットを用いた以外は実施例2と同様にして多層シートを作製し、この多層シートを熱成形することで比較例3の熱成形容器を作製した。
<評価>
実施例1〜14及び比較例1〜3で調製した樹脂組成物、多層シート及び熱成形容器について、以下に説明する手法に従い、飽和ケトン(II)の含有量、共役ポリエン化合物(III)の含有量、EVOH層(A)の平均厚み、EVOH層(A)中のEVOHの含有量、成形時の臭気、溶液外観、モータートルク変動評価、外観性及び耐衝撃性を評価した。評価結果については表1に示す。
[飽和ケトン(II)の含有量の定量]
50%の2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)溶液200mgに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)50mL、酢酸11.5mL及びイオン交換水8mLを添加し、DNPH調整溶液を作製する。その後、乾燥樹脂組成物ペレット1gをDNPH調整溶液20mLに添加し、35℃にて1時間攪拌溶解させた。この溶液にアセトニトリルを添加してEVOHを沈降させ、溶液を濾過、濃縮し、抽出サンプルを得た。この抽出サンプルを高速液体クロマトグラフィーにて定量分析することで、飽和ケトン(II)の量を定量した。また、定量に際しては、飽和ケトン(II)の標品を用いて作成した検量線を使用した。
[共役ポリエン化合物(III)の含有量の定量]
乾燥樹脂組成物ペレットを凍結粉砕により粉砕し、呼び寸法0.150mm(100メッシュ)のふるい(JIS規格Z8801−1〜3準拠)によって粗大粒子を除去して得た粉砕物10gをソックスレー抽出器に充填し、クロロホルム100mLを用いて48時間抽出処理した。この抽出液中の共役ポリエン化合物(III)の量を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析することで、共役ポリエン化合物(III)の量を定量した。なお、定量に際しては、それぞれの共役ポリエン化合物(III)の標品を用いて作成した検量線を使用した。
[EVOH層(A)の平均厚みの測定]
EVOH層(A)の平均厚みの測定は、熱成形容器から採取したサンプルの断面を走査型電子顕微鏡で観察することで得られた写真を画像処理し、このときに得られる画像の任意の10点の厚みの平均値の全体平均厚みに対する割合(%)として算出した。
[EVOH層(A)中のEVOHの含有量]
EVOH層(A)中のEVOHの含有量は、EVOH層(A)を形成するために用いた乾燥樹脂組成物における含有量とした。
[成形時の臭気]
成形時の臭気を以下の方法で評価した。上記ラボプラストミルで混練して得られた樹脂組成物20gを100mLガラス製サンプル管に入れ、アルミホイルで口部に蓋をした後、熱風乾燥機内において150℃で90分加熱した。乾燥機から取り出し、室温で1時間放冷した後、サンプル管を2〜3回振り混ぜた後、アルミホイルの蓋を取り臭気を確認した。試料ペレットの臭気の強さは、以下の基準で評価した。
A(良好):臭いなし
B(やや良好):弱い臭い
C(やや不良):明らかに感じる臭い
D(不良):刺激臭を伴う激しい臭い
[溶液外観の評価]
空気中120℃で15時間熱処理したEVOHペレット10gを300mLの三角フラスコに取り、100mLの水/プロパノール混合溶液(45/55(質量比))を加え、75℃で3時間攪拌して溶解した。得られた溶液の外観を下記基準で評価した。
(透明性評価基準)
A(良好):透明、目視で確認できる浮遊物なし。
B(やや良好):やや白濁、目視で確認できる浮遊物あり。
C(不良):白濁、浮遊物あり。
(溶液の着色評価基準)
A(良好):無色
B(やや良好):やや黄変
C(不良):著しく黄変
[モータートルク変動評価]
EVOHペレット60gをラボプラストミル(東洋精機製作所社の「20R200」二軸異方向)にて100rpm、260℃で混練したときのトルク変化を測定した。モータートルクの評価は、混練開始から5分後のトルクを測定し、トルク値がその5分後のトルクの1.5倍になるまでの時間として評価した。この時間が長いほど、粘度変化が少なく、ロングラン性に優れていることを示す。
(判定基準)
A:60分以上
B:40分以上60分未満
C:20分以上40分未満
[熱成形容器の外観評価]
共押出成形装置の立ち上げ開始から6時間後に得られた多層シートを用いて成形した熱成形容器について、目視にてストリーク及び着色を下記基準にて外観性を評価した。
(ストリークの評価基準)
A(良好):ストリークは認められなかった。
B(やや良好):ストリークが確認された。
C(不良):多数のストリークが確認された。
(着色の評価基準)
A(良好):無色
B(やや良好):黄変
C(不良):著しく黄変
[耐衝撃性評価]
共押出成形装置の立ち上げ開始から20分後、40分後、及び10時間後の多層シートから形成した熱成形容器に、エチレングリコールを250mL入れ、開口部を3層構造のフィルム(ポリエチレン40μm/アルミ箔12μm/ポリエチレンテレフタレート12μm)で熱シールして蓋をした。この熱成形容器を−40℃で3日間冷却し、開口部が上になるように6mの高さから10個の熱成形容器を落下させ、破壊した熱成形容器の個数で評価した。なお、共押出成形装置の立ち上げ開始から20分後の耐衝撃性がセルフパージ性の指標となる。
(耐衝撃性の評価基準)
A(良好):3個未満
B(やや良好):3個以上6個未満
C(不良):6個以上
Figure 0006521596
表1に示すように、実施例1〜14の熱成形容器は、比較例1〜3の熱成形容器に比べ、ストリークの発生及び着色が抑制され、外観性に優れていた。また、実施例1〜14の熱成形容器は、共押出成形装置の立ち上げ開始から20分後に成形されたものであっても耐衝撃性に優れていた。実施例1〜14の熱成形容器は、セルフパージ性に優れるEVOH含有樹脂組成物を用いていることで、共押出成形装置の立ち上げ開始から僅かな時間で、耐衝撃性を低下させるゲル状ブツ等の発生が抑制されていることがわかった。
本発明の熱成形容器は、EVOH層(A)に特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生及び着色が抑制されるため外観性に優れ、かつ十分な強度を有する。さらに、当該熱成形容器は、EVOH層(A)が特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、製造工程におけるセルフパージ性にも優れ、当該熱成形容器の製造コストを低減することができる。そのため、当該熱成形容器は、様々な用途に用いることができる。本発明の製造方法は、特定量の飽和ケトン(II)を含有する樹脂組成物を用いるものであるためEVOHの酸化が防止され、かつロングラン性(粘度安定性)に優れる。
1 カップ状容器
10 カップ本体
10A EVOH層(A)
10B 熱可塑性樹脂層(B)
10C ポリオレフィン層(C)
10D 回収層(D)
11 フランジ部
12 開口
13 内表面
14 外表面
2 蓋
3 連続多層体
4 加熱装置
40,41 ヒーター
5 金型装置
50 下型
51 上型
52 凹部
53 プラグ

Claims (8)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とするEVOH層(A)を備える熱成形容器であって、
    上記EVOH層(A)が飽和ケトン(II)及び共役ポリエン化合物(III)を含有し、かつ
    上記EVOH層(A)における上記飽和ケトン(II)の含有量が0.3ppm以上90ppm以下であり、
    上記EVOH層(A)における上記共役ポリエン化合物(III)の含有量が0.1ppm以上1,000ppm以下である熱成形容器。
  2. 上記飽和ケトン(II)が飽和脂肪族ケトンである請求項1に記載の熱成形容器。
  3. 上記飽和脂肪族ケトンが、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン又はこれらの組み合わせである請求項2に記載の熱成形容器。
  4. 上記共役ポリエン化合物(III)がソルビン酸、ソルビン酸塩又はこれらの組み合わせである請求項1、請求項2又は請求項3に記載の熱成形容器。
  5. 上記EVOH層(A)の一方の面側及び他方の面側にそれぞれ積層される熱可塑性樹脂層(B)、及び
    上記EVOH層(A)と上記熱可塑性樹脂層(B)との間に配置され、かつカルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン層(C)をさらに備え、
    Fedorsの式から算出される上記熱可塑性樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂の溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱成形容器。
  6. カップ状容器である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱成形容器。
  7. トレイ状容器である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の熱成形容器。
  8. エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とし、かつ飽和ケトン(II)及び共役ポリエン化合物(III)を含有する樹脂組成物を用いてEVOH層(A)を形成する工程と、
    上記EVOH層(A)を含む層を熱成形する工程とを備え、
    上記樹脂組成物における上記飽和ケトン(II)の含有量が0.3ppm以上90ppm以下であり、
    上記樹脂組成物における上記共役ポリエン化合物(III)の含有量が0.1ppm以上1,000ppm以下である熱成形容器の製造方法。
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