JP6349067B2 - ブロー成形容器及びブロー成形容器の製造方法 - Google Patents

ブロー成形容器及びブロー成形容器の製造方法 Download PDF

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本発明は、ブロー成形容器及びブロー成形容器の製造方法に関する。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)は、酸素等のガスバリア性、耐油性、非帯電性等に優れた高分子材料である。そのため、EVOH含有樹脂組成物は、容器、フィルム、シート等に成形され、包装材等として広く用いられている。特に、ブロー成形容器としては、上記EVOH含有樹脂組成物からなる層と、耐湿性、耐衝撃性等に優れる他の熱可塑性樹脂の層等とからなる多層構造が広く採用されている。
上記ブロー成形容器の製造においては、一般に溶融成形が行われるが、この溶融成形によりゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥が発生し、成形品の外観を損ねる場合がある。加えて、上記ゲル状ブツ等は成形品の外観を損ねるだけでなく性能劣化をも引き起こすため、これらの発生を抑制することが必要とされる。
また、ブロー成形容器の生産工程において、樹脂の切り替え、休日等の生産停止、成形金型の交換作業等のため、溶融成形装置の運転を一旦停止し、一定期間の後に再起動させる必要がある。この場合、溶融成形装置内に残留した少量の樹脂組成物が、この装置の昇温・降温過程で劣化し、再起動時にゲルとなって、成形品の外観や強度等の品質を悪化させるという不都合が生じる。そのため、上記装置の再起動後は、一定時間運転してこのようなゲル等の発生がなくなり、成形品の外観が通常状態に回復するまで待つ必要がある。生産コストの観点からは、上記通常状態に回復するまでにかかる時間が短いこと、即ちセルフパージ性が良好であることが好ましいが、従来のEVOH含有樹脂組成物のセルフパージ性は良好とは言い難い。
そこで、セルフパージ性を改善したEVOH含有樹脂組成物として、(1)EVOH樹脂にポリオレフィン樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂、炭素数9以下の低級脂肪酸のアルカリ土類金属塩を特定の割合で添加した樹脂組成物(特開平5−255554号公報参照)、(2)特定の粘度を有し分子量が75未満のカルボン酸及びアルカリ土類金属塩を特定の割合で含有するEVOH含有樹脂組成物(特開2001−234008号公報参照)が知られている。しかし、これらのEVOH含有樹脂組成物はアルカリ土類金属を含有するため成型品の着色が起こるおそれがあり、またセルフパージ性も十分とは言えない。特に、上記(1)のEVOH含有樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂の添加により、長時間の溶融成形を行っても上記欠陥が発生し難い長時間運転特性(ロングラン性)の低下や色相の悪化が起こるという不都合がある。加えて、環境面の観点からは、成形時の臭気についての配慮も必要となる。
特開平5−255554号公報 特開2001−234008号公報 特開2007−31725号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気が抑制され、外観に優れるブロー成形容器を提供することである。また、製造の際のセルフパージ性が良好であり、十分な強度等の品質を有し、低コストで製造することが可能なブロー成形容器を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とする第1層(以下、「(1)層」ともいう)を備えるブロー成形容器であって、上記(1)層が、飽和ケトン(II)を含有し、この飽和ケトン(II)の上記(1)層における含有量が0.01ppm以上100ppm以下であることを特徴とするブロー成形容器である。
当該ブロー成形容器は、飽和ケトン(II)の含有量が上記特定範囲である(1)層を備えることで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気を抑制することができ、外観に優れる。また、上記(1)層が上記特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、ブロー成形容器の製造工程におけるセルフパージ性にも優れるため、当該ブロー成形容器の製造コストを低減することができる。
上記飽和ケトン(II)の炭素数は、3以上8以下が好ましく、上記飽和ケトン(II)としては、アセトン、メチルエチルケトン及び2−ヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。このように(1)層が上記特定の飽和ケトン(II)を含有することで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気をより効果的に抑制することができ、外観をより向上させることができる。また、上記(1)層が上記特定の飽和ケトン(II)を含有することで、セルフパージ性にもより優れるため、当該ブロー成形容器の製造コストをより低減することができる。
上記(1)層が共役ポリエン化合物を含有し、この共役ポリエン化合物の上記(1)層における含有量としては、0.01ppm以上1,000ppm以下が好ましい。
このように(1)層が上記特定量の共役ポリエン化合物をさらに含有することで、溶融成形時の酸化劣化の抑制により、ゲル状ブツ等の欠陥の発生、着色及び臭気等をより低減し、外観をさらに向上することができる。また、上記(1)層が上記特定量の共役ポリエン化合物を含有することで、セルフパージ性にもより優れるため、当該ブロー成形容器の製造コストをさらに低減することができる。
上記共役ポリエン化合物としては、ソルビン酸及びソルビン酸塩の少なくとも一方が好ましい。このように上記共役ポリエン化合物としてソルビン酸及びソルビン酸塩の少なくとも一方を含有することで、溶融成形時の酸化劣化をより効果的に抑制でき、ゲル状ブツ等の欠陥の発生、着色及び臭気をより効果的に抑制して、外観をより向上することができる。また、上記(1)層が共役ポリエン化合物としてソルビン酸及びソルビン酸塩の少なくとも一方を含有することで、長時間連続して溶融成形した場合でもゲル状ブツ等の発生が抑制され、耐衝撃性に優れたブロー成形容器を得ることができる。
当該ブロー成形容器は、上記(1)層の内面側及び外面側に配置され、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である熱可塑性樹脂を主成分とする一対の第2層(以下、「(2)層」ともいう)、及び上記(1)層と一対の(2)層との間に配置され、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする一対の第3層(以下、「(3)層」ともいう)を備えることが好ましい。
当該ブロー成形容器は、(1)層に加えて、(2)層及び(3)層をさらに備えることで、高湿度下でのガスバリア性、耐油性、耐衝撃性等を向上させることができる。
当該ブロー成形容器は、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)、上記熱可塑性樹脂及び上記カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する第4層(以下、「(4)層」ともいう)を備えることが好ましい。
当該ブロー成形容器は、(4)層をさらに有することで、高湿度下でのガスバリア性、耐衝撃性等をより向上させることができる。
上記(4)層は、ブロー成形容器の製造工程における上記(1)層、(2)層及び(3)層の回収物を用いて形成されることが好ましい。上記(4)層が、ブロー成形容器の製造工程における上記(1)層、(2)層及び(3)層の回収物を用いて形成されることで、当該ブロー成形容器の製造工程において発生するバリ、検定の不合格品等が(4)層に再利用され、材料樹脂を無駄なく利用でき、低廉性が向上する。
当該ブロー成形容器は、上記(1)層の平均厚みが全層平均厚みの5.0%以下であり、かつ上記(4)層におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体(I)の含有量が9.0質量%以下であることが好ましい。当該ブロー成形容器は、(1)層の平均厚みを全層平均厚みの5.0%以下とし、かつ上記(4)層におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体(I)の含有量を9.0質量%以下とすることで、優れたガスバリア性、耐油性、外観、セルフパージ性等を保持しながら、耐衝撃性をより向上させることができる。
当該ブロー成形容器は、燃料容器として使用できる。当該ブロー成形容器はガスバリア性、耐油性等に優れると共に、外観にも優れるため、燃料容器として好適に用いることができる。
また、当該ブロー成形容器は、ボトルとして使用できる。ボトル状に成形した当該ブロー成形容器はガスバリア性、耐油性等に優れると共に、外観にも優れるため、食品、化粧品等のボトル容器に好適に用いられる。
また、当該ブロー成形容器の好ましい製造方法は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とする樹脂組成物を用いてブロー成形する工程を有し、上記樹脂組成物が飽和ケトン(II)を含有し、この飽和ケトン(II)の上記樹脂組成物における含有量が0.01ppm以上100ppm以下である。当該ブロー成形容器の製造方法によれば、ゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気が抑制されるため、外観に優れたブロー成形容器を得ることができる。また、当該ブロー成形容器の製造方法に用いる樹脂組成物はセルフパージ性に優れるため、製造コストを低減することができる。
本発明のブロー成形容器は、EVOHの特性としての十分なガスバリア性、耐油性を有することに加えて、(1)層に特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気が抑制されるため、外観に優れる。また、当該ブロー成形容器は、(1)層が上記特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、製造工程におけるセルフパージ性にも優れるため、当該ブロー成形容器の製造コストを低減することができる。そのため、当該ブロー成形容器は、様々な用途に用いられ、特に燃料容器に好適に用いられる。
本発明のブロー成形容器の一実施形態を示す模式的部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、例示される材料は、特に記載がない限り、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<ブロー成形容器>
図1のブロー成形容器5は、
(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とする層1、
(2)上記(1)層の内面側及び外面側に配置され、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である熱可塑性樹脂を主成分とする一対の層2、
(3)上記(1)層と(2)層との間に配置され、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする一対の層3、及び
(4)上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である熱可塑性樹脂、及びカルボン酸変性ポリオレフィンを含有する層4を備える。具体的にブロー成形容器5は、容器内部表面6から容器外部表面7に向かって、(2)層2、(3)層3、(1)層1、(3)層 3、(4)層4、(2)層2の順に積層した多層構造を有する。ブロー成形容器5の全体平均厚みとしては、300〜10,000μmが好ましく、500〜8,500μmがより好ましく、1,000〜7,000μmがさらに好ましい。なお、これらの全体平均厚みはブロー成形容器5の胴部における平均厚みをいう。全体平均厚みが大き過ぎると重量が大きくなり、例えば自動車等の燃料容器に使用する場合には燃費に悪影響を及ぼし、容器のコストも上昇する。一方全体平均厚みが小さ過ぎると剛性が保てず、容易に破壊されてしまうおそれがある。したがって、容量や用途に対応した厚みを設定することが重要である。なお、図1はブロー成形容器5の周壁の部分断面図である。以下、各層毎に説明する。
[(1)層(第1層)]
(1)層1は、EVOH(I)を主成分とする層であり、0.01ppm以上100ppm以下の飽和ケトン(II)を含有する。ブロー成形容器5は、上記特定量の飽和ケトン(II)を含有する(1)層1を備えることで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気を抑制することができ、外観に優れる。また、上記(1)層1が上記特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、ブロー成形容器5の製造工程におけるセルフパージ性にも優れるため、製造コストを低減することができる。また、上記(1)層1は、共役ポリエン化合物をさらに含有することが好ましい。さらに、上記(1)層1は、本発明の効果を損なわない限り、ホウ素化合物、酢酸類、リン化合物、その他の任意成分を含有してもよい。ここで、「主成分」とは、質量基準で最も多い成分をいう。また、「ppm」は、各層中の該当成分の質量割合であり、1ppmは0.0001質量%である。「ホウ素化合物の含有量」は、ホウ酸換算質量としての含有量である。「酢酸塩の含有量」は、酢酸換算質量としての含有量である。「リン化合物の含有量」は、リン元素換算質量としての含有量である。以下、各成分について詳述する。
(EVOH(I))
EVOH(I)は、エチレンとビニルエステルとの共重合体をケン化して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体である。
上記ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、酢酸ビニルが好ましい。これらのビニルエステルは、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
上記EVOH(I)は、エチレン及びビニルエステル以外の単量体単位に由来する他の構造単位を含んでいてもよい。このような単量体単位としては、例えばビニルシラン系化合物、その他の重合性化合物が挙げられる。上記他の構造単位の含有量としては、EVOH(I)の全構造単位に対して、0.0002モル%以上0.2モル%以下が好ましい。
上記ビニルシラン系化合物としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましい。
上記その他の重合性化合物としては、例えばプロピレン、ブチレン等の不飽和炭化水素;(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;N−ビニルピロリドン等のビニルピロリドンなどが挙げられる。
上記EVOH(I)のエチレン含量としては、通常20モル%以上45モル%以下であり、24モル%以上45モル%以下が好ましく、27モル%以上42モル%以下がより好ましく、27モル%以上38モル%以下がさらに好ましい。エチレン含有量が20モル%未満であると、EVOH(I)は、溶融押出時の熱安定性が低下してゲル化しやすくなり、ゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥を発生し易くなるおそれがある。特に、一般的な溶融押出し時の条件よりも高温又は高速の条件下で長時間運転を行うと、ゲル化する可能性が高くなる。一方、EVOH(I)は、エチレン含有量が45モル%を超えるとガスバリア性が低下し、EVOH(I)が有する有利な特性を十分に発揮できないおそれがある。
上記EVOH(I)のビニルエステルに由来の構造単位のケン化度としては、通常85%以上であり、90%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましい。このケン化度が85%未満であると熱安定性が不十分となるおそれがある。
上記(1)層1におけるEVOH(I)の含有量としては、通常95質量%以上であり、98.0質量%以上が好ましく、99.0質量%がより好ましく、99.5質量%以上がさらに好ましい。EVOH(I)の含有量を上記特定範囲とすることで、当該ブロー成形品はガスバリア性、耐油性等に優れる。
(飽和ケトン(II))
飽和ケトン(II)は、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気を抑制すると共に、セルフパージ性を改善するものである。ここで、飽和ケトン(II)とは、分子内のカルボニル基以外の部分に不飽和結合を含まないケトンをいう。飽和ケトン(II)は、カルボニル基以外の部分に不飽和結合を含まない限りは、直鎖状のケトンであっても、分枝状のケトンであっても、分子内に環構造を有するケトンであってもよい。飽和ケトン(II)の分子内のカルボニル基の数は、1であっても2以上であってもよい。
飽和ケトン(II)としては、例えば飽和脂肪族ケトン、飽和環状ケトン等が挙げられる。
飽和脂肪族ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノン、3−メチル−2−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、3−オクタノン、6−メチル−2−ヘプタノン、2−ノナノン、5−ノナノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、6−ウンデカノン、2−ウンデカノン、7−トリデカノン、メチルシクロペンチルケトン、メチルシクロヘキシルケトン等が挙げられる。
飽和環状ケトンとしては、例えばシクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロノナノン、シクロデカノン、シクロウンデカノン、シクロドデカノン等が挙げられる。
飽和ケトン(II)の炭素数としては、飽和ケトン(II)の水溶性向上の観点から、3〜50が好ましく、3〜15がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。飽和ケトン(II)としては、例示した中でも、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生等をより抑制することができ、外観により優れる観点から、飽和脂肪族ケトンが好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノンがより好ましく、アセトンがさらに好ましい。
飽和ケトン(II)は、本発明の効果を損なわない範囲において、水素原子の一部又は全部が置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基等が挙げられる。
上記(1)層1における飽和ケトン(II)の含有量の下限としては、0.01ppmであり、0.05ppmが好ましく、0.1ppmがより好ましく、0.15ppmがさらに好ましく、0.2ppmが特に好ましい。飽和ケトン(II)の含有量の上限としては、100ppmであり、95ppmが好ましく、50ppmがより好ましく、30ppmがさらに好ましく、20ppmが特に好ましい。ブロー成形容器5は、上記(1)層1における飽和ケトン(II)の含有量が上記下限未満であると、飽和ケトン(II)を含有させることによる効果、例えば欠陥の発生や着色の抑制効果を十分に得られない。一方、飽和ケトン(II)の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時に飽和ケトン(II)が架橋効果を示し、ゲル状ブツの発生を誘発する場合があるため、外観が不十分となるおそれがある。ここで、上記(1)層1における飽和ケトン(II)の含有量とは、(1)層1を形成するEVOH(I)を主成分とする樹脂組成物(以下、「EVOH含有樹脂組成物」ともいう)を乾燥させた乾燥樹脂組成物中に含有される飽和ケトン(II)を定量して得られた値をいう。
(共役ポリエン化合物)
共役ポリエン化合物は、溶融成形時の酸化劣化を抑制するものである。ここで、共役ポリエン化合物とは、炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造を有し炭素−炭素二重結合の数が2個以上である、いわゆる共役二重結合を有する化合物である。この共役ポリエン化合物は、共役二重結合を2個有する共役ジエン、3個有する共役トリエン、又はそれ以上の数を有する共役ポリエンであってもよい。また、上記共役二重結合が互いに共役せずに1分子中に複数組あってもよい。例えば、桐油のように共役トリエン構造が同一分子内に3個ある化合物も上記共役ポリエン化合物に含まれる。
上記共役ポリエン化合物が有する共役二重結合の数としては、7個以下が好ましい。上記(1)層1が、共役二重結合を8個以上有する共役ポリエン化合物を含有すると、ブロー成形容器5の着色が起こる場合がある。
上記共役ポリエン化合物は、共役二重結合に加えて、カルボキシル基及びその塩、水酸基、エステル基、カルボニル基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、ジアゾ基、ニトロ基、スルホン基及びその塩、スルホニル基、スルホキシド基、スルフィド基、チオール基、リン酸基及びその塩、フェニル基、ハロゲン原子、二重結合、三重結合等のその他の官能基を有していてもよい。
上記共役ポリエン化合物としては、例えば
イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−ニトロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、フルベン、トロポン、オシメン、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩等の共役ジエン;
1,3,5−ヘキサトリエン、2,4,6−オクタトリエン−1−カルボン酸、エレオステアリン酸、桐油、コレカルシフェロール等の共役トリエン;
シクロオクタテトラエン、2,4,6,8−デカテトラエン−1−カルボン酸、レチノール、レチノイン酸等の共役ポリエン等が挙げられる。なお、上記共役ポリエン化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、ミルセン及びこれらのうちのいずれかの混合物が好ましく、ソルビン酸、ソルビン酸塩及びこれらの混合物がより好ましい。ソルビン酸、ソルビン酸塩及びこれらの混合物は、高温での酸化劣化の抑制効果が高く、また、食品添加剤としても広く工業的に使用されているため衛生性や入手性の観点からも好ましい。
上記共役ポリエン化合物の分子量としては、通常1,000以下であり、500以下が好ましく、300以下がより好ましい。上記共役ポリエン化合物の分子量が1,000を超えると、EVOH(I)中へ共役ポリエン化合物の分散状態が悪化し、溶融成形後の外観が悪化するおそれがある。
上記(1)層1における上記共役ポリエン化合物の含有量の下限としては、0.01ppmが好ましく、0.5ppmがより好ましく、1ppmがさらに好ましい。上記含有量の上限としては、1,000ppmが好ましく、800ppmがより好ましく、500ppmがさらに好ましい。ブロー成形容器5は、(1)層1における共役ポリエン化合物の含有量が上記下限未満であると、溶融成形時の酸化劣化を抑制する効果を十分に得られないため、ゲル状ブツが発生するおそれがある。一方、共役ポリエン化合物の含有量が上記上限を超えると、ゲル状ブツの発生を促進し、ブロー成形容器5の外観が悪化するおそれがある。
(ホウ素化合物)
ホウ素化合物は、溶融成形時のゲル化を抑制すると共に押出成形機等のトルク変動(加熱時の粘度変化)を抑制するものである。また、上記(1)層1がホウ素化合物をさらに含有することで、製造時のセルフパージ性にもさらに優れるため、さらに低コストで製造することができる。
上記ホウ素化合物としては、例えば
オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等のホウ酸類;
ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル等のホウ酸エステル;
上記ホウ酸類のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ホウ砂等のホウ酸塩;
水素化ホウ素類等が挙げられる。これらのうち、ホウ酸類が好ましく、オルトホウ酸(以下、単に「ホウ酸」と称することもある)がより好ましい。
上記(1)層1における上記ホウ素化合物の含有量の下限としては、100ppmが好ましく、150ppmがより好ましい。ホウ素化合物の含有量の上限としては、5,000ppmが好ましく、4,000ppmがより好ましく、3,000ppmがさらに好ましい。ホウ素化合物の含有量が上記下限未満であると、押出成形機等のトルク変動を十分に抑制することができないおそれがある。一方、ホウ素化合物の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時にゲル化を起こし易くなりブロー成形容器5の外観が悪化するおそれがある。
(酢酸類)
酢酸類は、ブロー成形容器5の着色と溶融成形時のゲル化とを抑制するものである。この酢酸類は、酢酸及び酢酸塩を含む。酢酸類としては、酢酸及び酢酸塩を併用することが好ましく、酢酸及び酢酸ナトリウムを併用することがより好ましい。
上記(1)層1における酢酸類の含有量の下限としては、100ppmが好ましく、150ppmがより好ましく、200ppmがさらに好ましい。酢酸類の含有量の上限としては、1,000ppmが好ましく、500ppmがより好ましく、400ppmがさらに好ましい。酢酸類の含有量が上記下限未満であると、十分な着色防止の効果を得られず、ブロー成形容器5に黄変が発生するおそれがある。一方、酢酸類の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時、特に長時間に及ぶ溶融成形時にゲル化が生じ易くなり、ブロー成形容器5の外観が悪化するおそれがある。
(リン化合物)
リン化合物は、ゲル状ブツ等の欠陥の発生、着色及び臭気をより抑制し、成形品の外観を向上させるものである。このリン化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸等のリン酸塩等が挙げられる。
上記リン酸塩としては、第1リン酸塩、第2リン酸塩及び第3リン酸塩のいずれの形でもよい。また、リン酸塩のカチオン種についても特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、これらのうちリン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムがより好ましく、リン酸2水素ナトリウム、リン酸水素2カリウムがさらに好ましい。
上記(1)層1におけるリン化合物の含有量の下限としては、2ppmが好ましく、3ppmがより好ましく、5ppmがさらに好ましい。リン化合物の含有量の上限としては、200ppmが好ましく、150ppmがより好ましく、100ppmがさらに好ましい。リン化合物の含有量が上記下限未満である場合、又は上記上限を超える場合、熱安定性が低減し、長時間にわたる溶融成形を行なう際のゲル状ブツの発生、着色が生じ易くなるおそれがある。
(その他の任意成分)
上記(1)層1は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含有してもよい。その他の任意成分としては、例えばアルカリ金属又はその塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、熱安定剤、他の樹脂、高級脂肪族カルボン酸の金属塩等が挙げられる。当該樹脂組成物は、これらの任意成分を2種以上含有してもよく、任意成分の合計含有量としては、上記(1)層1中の1質量%以下が好ましい。
上記アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、上記アルカリ金属の塩としては、例えば1価の金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、金属錯体等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ましい。当該樹脂組成物におけるアルカリ金属の含有量としては、20ppm以上1,000ppm以下が好ましく、50ppm以上500ppm以下がより好ましい。
上記酸化防止剤としては、例えば2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えばエチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキトシキベンゾフェノン等が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル等が挙げられる。
上記帯電防止剤としては、例えばペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール(商品名:カーボワックス)等が挙げられる。
上記滑剤としては、例えばエチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等が挙げられる。
上記充填剤としては、例えばグラスファイバー、ウォラストナイト、ケイ酸カルシウム、タルク、モンモリロナイト等が挙げられる。
上記熱安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
上記他の樹脂としては、例えばポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられる。
高級脂肪族カルボン酸の金属塩としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
なお、ゲル化対策として、例えば上記熱安定剤として例示したヒンダードフェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物、上記高級脂肪酸カルボン酸の金属塩、ハイドロタルサイト系化合物等を添加してもよい。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。ゲル化対策のための化合物の添加量は、通常0.01質量%〜1質量%である。
<EVOH含有樹脂組成物の調製方法>
上記(1)層1は、各成分を含有するEVOH含有樹脂組成物により形成することができる。このEVOH含有樹脂組成物の製造方法としては、EVOH(I)中に飽和ケトン(II)を均一にブレンドでき、最終的に得られる(1)層1において、0.01ppm以上100ppm以下の範囲の飽和ケトン(II)を含有させられる製造方法であれば特に限定されないが、
(1)エチレンとビニルエステルとを共重合させる工程(以下、「工程(1)」ともいう)、及び
(2)工程(1)により得られた共重合体をケン化する工程(以下、「工程(2)」ともいう)
を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体含有樹脂組成物の製造方法であって、
上記樹脂組成物中に0.01ppm以上100ppm以下の飽和ケトン(II)を含有させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が好ましい。
上記特定量の飽和ケトン(II)を樹脂組成物中に含有させる方法としては、特に限定されないが、例えば
上記工程(1)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法、
上記工程(2)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法、
上記工程(2)により得られたEVOHに、特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法等が挙げられる。しかし、上記工程(1)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法、又は上記工程(2)において特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法を採用する場合において、得られる樹脂組成物中に所望量の飽和ケトン(II)を含有させるためには、上記工程(1)における重合反応、上記工程(2)におけるケン化反応で消費される量を考慮して添加量を多くする必要があり、これらの反応を阻害するおそれがある。また、重合反応やケン化反応の反応条件により消費される量が変動するため、樹脂組成物中の飽和ケトン(II)の含有量を調節することが難しい。したがって、上記工程(2)より後に、上記工程(2)により得られたEVOH(I)に、特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法が好ましい。
上記EVOH(I)に特定量の飽和ケトン(II)を添加する方法としては、例えば飽和ケトン(II)を予めEVOH(I)に配合してペレットを造粒する方法、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化後にペーストを析出させる工程で析出させたストランドに飽和ケトン(II)を含浸させる方法、析出させたストランドをカットした後に飽和ケトン(II)を含浸させる方法、乾燥樹脂組成物のチップを再溶解したものに飽和ケトン(II)を添加する方法、EVOH(I)及び飽和ケトン(II)の2成分をブレンドしたものを溶融混練する方法、押出機の途中からEVOH(I)の溶融物に飽和ケトン(II)を供給し含有させる方法、飽和ケトン(II)をEVOH(I)の一部に高濃度で配合して造粒したマスターバッチをEVOH(I)とドライブレンドして溶融混練する方法等が挙げられる。
これらのうち、EVOH(I)中に微量の飽和ケトン(II)を均一に分散することができる観点から、上記飽和ケトン(II)混合工程としては、飽和ケトン(II)を予めEVOH(I)に配合してペレットを造粒する工程が好ましい。具体的には、飽和ケトン(II)の添加は、EVOH(I)を水/メタノール混合溶媒等の良溶媒に溶解させた溶液に、飽和ケトン(II)を添加し、その混合溶液をノズル等から貧溶媒中に押出して析出及び/又は凝固させ、それを洗浄及び/又は乾燥することにより行うのが好ましい。この場合、EVOH(I)に飽和ケトン(II)が均一に混合されたペレットを得ることができる。
上記(1)層1中に飽和ケトン(II)以外の各成分を含有させる方法としては、例えば上記ペレットを各成分と共に混合して溶融混練する方法、上記ペレットを調製する際に、飽和ケトン(II)と共に同時に各成分を混合する方法、上記ペレットを各成分が含まれる溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。なお、上記混合には、リボンブレンダー、高速ミキサーコニーダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミキサー等を用いることができる。
(1)層1の内側にある各層の厚みの合計をIとし、(1)層1の外側にある各層の厚みの合計をOとしたときの厚み比(I/O)としては、1/99〜70/30が好ましく、1/99〜55/45がより好ましく、30/70〜55/45がさらに好ましい。なお、当該ブロー成形容器5の全層又は各層の厚みは、ミクロトームを用いて容器胴部より複数箇所の断面を切り出したサンプルについて、光学顕微鏡観察により求め、全層又はそれぞれの層について平均値を算出し、全層平均厚み又は各層の平均厚みとする。
(1)層1の平均厚みとしては、特に限定されるものではないが、バリア性及び機械強度等の観点から、全層平均厚みの5.0%以下が好ましく、0.5%〜5%がより好ましく、1.0%〜4.5%がさらに好ましく、1.5%〜4.0%が特に好ましい。
[(2)層(第2層)]
上記(2)層2は、上記(1)層1の内面側及び外面側に配置され、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である熱可塑性樹脂を主成分とする層である。この式によって算出される溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である熱可塑性樹脂は、耐湿性に優れる。なお、Fedorsの式から算出される溶解性パラメータとは、(E/V)1/2で表される値である。上記式中、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)であり、E=Σeiで表される。なお、eiは蒸発エネルギーである。また、Vは分子容(cm3/mol)であり、V=Σvi(vi:モル体積)で表される。
上記(2)層2が含む上記熱可塑性樹脂としては、上記溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下の熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば上記溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下であるポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、ポリブテンやポリペンテン等のオレフィンの単独重合体又は共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリカーボネート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレンが好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
上記高密度ポリエチレンの密度としては、剛性、耐衝撃性、成形性、耐ドローダウン性、耐ガソリン性等の観点から、0.93g/cm以上が好ましく、0.95g/cm以上0.98g/cm以下がより好ましく、0.96g/cm以上0.98g/cm以下がさらに好ましい。また、上記高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、190℃、2160g荷重下で0.01g/10分〜0.5g/10分の範囲が好ましく、0.01g/10分〜0.1g/10分の範囲がより好ましい。
なお、上記高密度ポリエチレンは、通常市販品の中から適宜選択して使用することができる。また、上記(2)層2は、本発明の効果を損なわない限り、(1)層1と同様のその他の任意成分を含んでいてもよい。
(2)層2の平均厚みとしては、特に限定されるものではないが、全層平均厚みの5%〜70%が好ましく、8%〜60%がより好ましく、10%〜50%がさらに好ましい。
[(3)層(第3層)]
上記(3)層3は、上記(1)層1と(2)層2との間に配置され、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする層である。上記(3)層3は、(1)層1と(2)層2等の他の層との間の接着層として機能させることができる。なお、上記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を付加反応、グラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基又はその無水物基を有するオレフィン系重合体のことをいう。
上記エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えばモノカルボン酸、モノカルボン酸エステル、ジカルボン酸、ジカルボン酸モノエステル、ジカルボン酸ジエステル、ジカルボン酸無水物等が挙げられる。具体的には、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル等が挙げられる。これらうち、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
ベースポリマーとなる上記オレフィン系重合体としては、例えば
低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテン等のポリオレフィン;
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のオレフィンとこれらのオレフィンと共重合し得るビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル等のコモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらうち、直鎖状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が5〜55質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、及びアクリル酸エチル含有量8〜35質量%であるエチレン−アクリル酸エチル共重合体が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン及び酢酸ビニル含有量が5〜55質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
上記カルボン酸変性ポリオレフィンは、例えばキシレン等の溶媒、過酸化物等の触媒の存在下で、上記オレフィン系重合体に、上記エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を、付加反応又はグラフト反応により導入することにより得られる。このときのカルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加量若しくはグラフト量(変性度)としては、オレフィン系重合体に対して0.01〜15質量%が好ましく、0.02〜10質量%がより好ましい。
上記カルボン酸変性ポリオレフィンは、1種を単独で使用してもよいし、また2種以上を混合して使用してもよい。
なお、上記(3)層3は、本発明の効果を損なわない範囲で、カルボン酸変性ポリオレフィン以外に、(1)層1と同様のその他の任意成分を含んでいてもよい。
(3)層3の平均厚みとしては、特に限定されるものではないが、全層平均厚みの0.3%〜12%が好ましく、0.6%〜9%がより好ましく、1.2%〜6%がさらに好ましい。接着性樹脂層としての(3)層3の厚みが小さ過ぎると接着性が低下し、大き過ぎるとコストが上昇することとなり好ましくない。
[(4)層(第4層)]
上記(4)層4は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)、上記熱可塑性樹脂、及び上記カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する層である。また、上記(4)層4は、ブロー成形容器5の製造工程における上記(1)層1、(2)層2及び(3)層3の回収物を用いて形成されることが好ましい。回収物としては、ブロー成形容器5の製造工程において発生するバリ、検定の不合格品等が挙げられる。ブロー成形容器5がこのような回収層としての(4)層4をさらに有することで、かかるバリや、検定の不合格品を再利用することによって、ブロー成形容器5の製造時に使用される樹脂のロスを低減することが可能となる。
(4)層4は、上述の(2)層2の代わりとして用いることも可能であるが、一般的には(2)層2よりも(4)層4の機械的強度が低くなることが多いため、(2)層2と(4)層4とを積層して用いることが好ましい。ブロー成形容器5が外部から衝撃を受けた場合には、容器に応力の集中が生じ、応力集中部において衝撃に対する圧縮応力が容器内層側で働き、破損が起こる可能性がある観点から、強度的に弱い(4)層4は(1)層1よりも外層側に配置することが好ましい。また、バリの発生が多い場合等、多量の樹脂をリサイクルする必要がある場合は、(1)層1の両側に(4)層4として回収層を配置することもできる。
(4)層4におけるEVOH(I)の含有量としては、9.0質量%以下が好ましい。上記(4)層4におけるEVOH(I)の含有量が9質量%を超えると(2)層2との界面でクラックが発生し易くなり、そのクラックを起点としてブロー成形容器5全体の破壊が起こるおそれがある。
(4)層4の平均厚みとしては、特に限定されるものではないが、全層平均厚みの10%〜60%が好ましく、20%〜55%がより好ましく、30%〜50%がさらに好ましい。
<ブロー成形容器5の製造方法>
ブロー成形容器5は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とする樹脂組成物を用いてブロー成形する工程を有し、上記樹脂組成物が飽和ケトン(II)を含有し、この飽和ケトン(II)の上記樹脂組成物における含有量が0.01ppm以上100ppm以下である製造方法により製造することが好ましい。具体的には、(1)層1を形成する乾燥EVOH含有樹脂組成物ペレット、(2)層2を形成する高密度ポリエチレン樹脂等、(3)層3を形成する接着性樹脂、及び(4)層4を形成する回収樹脂等を用い、ブロー成形機にて100℃〜400℃の温度で、例えば(内)2/3/1/3/4/2(外)の4種6層パリソンを用いてブロー成形し、金型内温度10℃〜30℃で10秒間〜30分間冷却し、全層平均厚み300μm〜10,000μmの中空容器を成形することができる。
<その他の実施形態>
本発明のブロー成形容器は、上記図1の形態に限定されず、少なくとも(1)層を備えていればよい。具体的には、回収層としての(4)層等を備えなくてもよい。さらに、他の層が積層されてもよい。また、接着性がよい樹脂の組合せを選択することで、接着層としての(3)層を省略してもよい。
(2)層を備える場合、(2)層を最外層に配置することが好ましい。すなわち、容器内部表面から容器外部表面に向かって、(2)層/(3)層/(1)層/(3)層/(2)層の配置とすること(以降、(内)2/3/1/3/2(外)のように表す)が耐衝撃性の観点から好ましい。また、回収層等の(4)層を含む場合には、(内)2/3/1/3/4/2(外)、(内)2/4/3/1/3/4/2(外)、(内)4/3/1/3/4(外)の配置が好ましく、(内)2/3/1/3/4/2(外)、(内)2/4/3/1/3/4/2(外)の配置がより好ましい。なお、(2)層の代わりに(4)層を備える構成でもよく、(1)〜(4)層がそれぞれ複数用いられている配置の場合、それぞれの層を構成する樹脂は同一でも異なっていてもよい。
<燃料容器>
本発明のブロー成形容器は燃料容器として使用できる。該燃料容器は、フィルター、残量計、バッフルプレート等を備えていてもよい。当該燃料容器は、上述のブロー成形容器を備えることで、外観、ガスバリア性、耐油性等にも優れるため燃料容器として好適に用いられる。ここで、燃料容器とは、自動車、オートバイ、船舶、航空機、発電機、工業用若しくは農業用機器等に搭載された燃料容器、又はこれら燃料容器に燃料を補給するための携帯用燃料容器、さらには、燃料を保管するための容器を意味する。また、燃料としては、ガソリン、特にメタノール、エタノール又はMTBE等をブレンドした含酸素ガソリン等が代表例として挙げられるが、その他、重油、軽油、灯油等も含まれるものとする。これらうち、当該燃料容器は、含酸素ガソリン用燃料容器として特に好適に用いられる。
<ボトル>
本発明のブロー成形容器は、ボトルとして使用できる。成形方法は例えば、ダイレクトブロー成形及びインジェクションブロー成形が挙げられる。ボトル状に成形したブロー成形容器は、外観、ガスバリア性、耐油性等にも優れるため、食品、化粧品等のボトル容器に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
<EVOH(I)の合成>
[合成例1]
250Lの加圧反応槽を用いて以下の条件でエチレン−酢酸ビニル共重合体の重合を実施した。
酢酸ビニル83.0kg、
メタノール26.6kg、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(2.5g/Lメタノール溶液)の供給量 1119.5mL/hr
重合温度 60℃
重合槽エチレン圧力 3.6MPa
重合時間 5.0時間
得られた共重合体における酢酸ビニルの重合率は約40%であった。この共重合反応液にソルビン酸を添加した後、追出塔に供給し、塔下部からのメタノール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂より除去して、エチレン−酢酸ビニル共重合体の41%メタノール溶液を得た。このエチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量は32mol%であった。このエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液をケン化反応器に仕込み、苛性ソーダ/メタノール溶液(80g/L)を、共重合体中のビニルエステル成分に対して0.4当量となるように添加し、メタノールを加えて共重合体濃度が20%になるように調整した。この溶液を60℃に昇温し、反応器内に窒素ガスを吹き込みながら約4時間反応させた。この溶液を円形の開口部を有する金板から水中に押し出して析出させ、切断することで直径約3mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られたペレットを遠心分離機で脱液し、さらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返した。
<EVOH含有樹脂組成物の調製>
上記脱液したペレット20kgを、180kgの水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌し完全に溶解させた。得られた溶液に飽和ケトン(II)、及び共役ポリエン化合物を添加し、さらに1時間攪拌して飽和ケトン(II)及び共役ポリエン化合物を完全に溶解させ、樹脂組成物溶液を得た。この樹脂組成物溶液を直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=90/10(質量比)の凝固浴中に連続的に押出してストランド状に凝固させた。このストランドをペレタイザーに導入して多孔質の樹脂組成物チップを得た。得られた多孔質の樹脂組成物チップを酢酸水溶液及びイオン交換水を用いて洗浄を行った。この洗浄液と樹脂組成物チップを分離して脱液した後、熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、さらに100℃で16時間乾燥を行って、樹脂組成物(乾燥樹脂組成物ペレット)を得た。得られた樹脂組成物における各成分の含有量を上記定量方法により定量し、(1)層における含有量とした。飽和ケトン(II)の添加量、浸漬処理用水溶液の各成分の濃度を調節することにより、飽和ケトン(II)及び共役ポリエン化合物の含有量が表1に記載の通りとなるように各樹脂組成物を調製した。
[合成例2及びEVOH含有樹脂組成物の調製]
合成例1と同様に操作し、ペレットを得た。得られたペレット20kg、飽和ケトン(II)を180kgの水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌し完全に溶解させた。得られた溶液に共役ポリエン化合物としてのソルビン酸を添加し、さらに1時間攪拌してソルビン酸を完全に溶解させ、樹脂組成物溶液を得た。この樹脂組成物溶液を直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=90/10(質量比)の凝固浴中に連続的に押出してストランド状に凝固させた。このストランドをペレタイザーに導入して多孔質の樹脂組成物チップを得た。得られた多孔質の樹脂組成物チップを酢酸水溶液及びイオン交換水を用いて洗浄した後、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム及びホウ酸を含む水溶液で浸漬処理を行った。この浸漬処理用水溶液と樹脂組成物チップを分離して脱液した後、熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、さらに100℃で16時間乾燥を行って、樹脂組成物(乾燥樹脂組成物ペレット)を得た。得られた樹脂組成物における各成分の含有量は、上記定量方法を用いて定量した。なお、浸漬処理用水溶液の各成分の濃度を調節することにより、各成分の含有量が表1に記載の通りとなるように樹脂組成物を調製した。
<EVOH含有樹脂組成物の評価>
このようにして得られた各EVOH含有樹脂組成物について、以下のように評価した。評価結果を表1に合わせて示す。また、本実施例における各定量は、以下の方法を用いて行った。
(1)含水EVOHペレットの含水率の測定
メトラー・トレド社のハロゲン水分率分析装置「HR73」を用い、乾燥温度180℃、乾燥時間20分、サンプル量約10gの条件で、含水EVOHペレットの含水率を測定した。以下に示す含水EVOHの含水率は、EVOHの乾燥質量基準の質量%である。
(2)EVOH(A)のエチレン含有量及びけん化度
DMSO−dを溶媒としたH−NMR(日本電子株式会社製「JNM−GX−500型」)により求めた。
(3)カルボン酸及びカルボン酸イオンの定量
乾燥EVOHペレットを凍結粉砕により粉砕した。得られた粉砕EVOHを、呼び寸法1mmのふるい(標準フルイ規格JIS Z8801−1〜3準拠)で分けた。上記ふるいを通過したEVOH粉末10gとイオン交換水50mLを共栓付き100mL三角フラスコに投入し、冷却コンデンサーを付けて、95℃で10時間撹拌した。得られた溶液2mLを、イオン交換水8mLで希釈した。この希釈溶液を、横河電機社のイオンクロマトグラフィー「ICS−1500」を用い、下記測定条件に従ってカルボン酸イオンの量を定量することで、カルボン酸及びカルボン酸イオンの量を算出した。なお、定量に際してはモノカルボン酸又は多価カルボン酸を用いて作成した検量線を用いた。
(測定条件)
カラム :DIONEX社の「IonPAC ICE−AS1(9φ×250mm、電気伝導度検出器)」
溶離液 :1.0mmol/L オクタンスルホン酸水溶液
測定温度 :35℃
溶離液流速 :1mL/min.
分析量:50μL
(4)金属イオンの定量
乾燥EVOHペレット0.5gをアクタック製のテフロン(登録商標)製耐圧容器に仕込み、和光純薬工業社の精密分析用硝酸5mLをさらに加えた。30分放置後、ラプチャーディスク付きキャップリップにて容器に蓋をし、アクタック社のマイクロウェーブ高速分解システム「スピードウェーブ MWS−2」にて150℃10分、次いで180℃10分処理し、乾燥EVOHペレットを分解させた。乾燥EVOHペレットの分解が完了できていない場合は、処理条件を適宜調節した。得られた分解物を10mLのイオン交換水で希釈し、すべての液を50mLのメスフラスコに移し取り、イオン交換水で定容し、分解物溶液を得た。
上記得られた分解物溶液を、パーキンエルマージャパン社のICP発光分光分析装置「Optima 4300 DV」を用い、以下に示す各観測波長で定量分析することで、金属イオン、リン酸化合物及びホウ素化合物の量を定量した。リン酸化合物の量は、リン元素を定量しリン元素換算質量として算出した。ホウ素化合物の含有量は、ホウ酸換算質量として算出した。
Na :589.592nm
K :766.490nm
Mg :285.213nm
Ca :317.933nm
P :214.914nm
B :249.667nm
Si :251.611nm
Al :396.153nm
Zr :343.823nm
Ce :413.764nm
W :207.912nm
Mo :202.031nm
(5)飽和ケトン(II)の定量
50質量%の2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)溶液200mgに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)50mL、酢酸11.5mL及びイオン交換水8mLを添加し、DNPH調整溶液を作製した。その後、乾燥EVOH含有樹脂組成物ペレット1gをDNPH調整溶液20mLに添加し、35℃にて1時間攪拌溶解させた。この溶液にアセトニトリルを添加してEVOHを析出させ沈降させた後、濾過して得られた溶液を濃縮し、抽出サンプルを得た。この抽出サンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフィーにて定量分析することで、飽和ケトン(II)を定量した。定量に際しては、それぞれの飽和ケトン(II)の標品をDNPH溶液と反応させて作成した検量線を使用した。なお、飽和ケトン(II)の検出下限は、0.01ppmであった。なお、本願においては、ブロー成形容器における各層中の各成分の含有量として、その層を形成するために用いた乾燥樹脂組成物における含有量を用いた。
(分析条件)
カラム:TSKgel ODS−80Ts(東ソー社)
移動相:水/アセトニトリル=52:48(体積比)
検出器:PDA(360nm)、TOF−MS
(6)共役ポリエン化合物の定量
乾燥樹脂組成物ペレットを凍結粉砕により粉砕し、呼び寸法0.150mm(100メッシュ)のふるい(JIS規格Z8801−1〜3準拠)によって粗大粒子を除去して得た粉砕物10gをソックスレー抽出器に充填し、クロロホルム100mLを用いて48時間抽出処理した。この抽出液中の共役ポリエン化合物の量を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析することで、共役ポリエン化合物の量を定量した。なお、定量に際しては、それぞれの共役ポリエン化合物の標品を用いて作成した検量線を使用した。
(7)溶液外観(透明性、着色性)
乾燥樹脂組成物ペレットを空気中120℃で15時間熱処理したペレット10gを300mlの三角フラスコに取り、水/プロパノール混合溶液(質量比:水/プロパノール=45/55)100mlを加え、75℃で3時間攪拌した。3時間加熱攪拌した溶液について、目視にて溶液の透明性と着色を下記評価基準により評価した。
(透明性の評価基準)
「良好(A)」:透明、目視で確認できる浮遊物なし。
「やや良好(B)」:やや白濁、目視で確認できる浮遊物あり。
「不良(C)」:白濁、浮遊物あり。
(溶液の着色評価基準)
「良好(A)」:無色
「やや良好(B)」:やや着色
「不良(C)」:著しく着色
(8)モータートルク変動
乾燥樹脂組成物ペレット60gをラボプラストミル(東洋精機製作所製「20R200」二軸異方向)100rpm、260℃で混練し、混練開始から5分後のトルク値が1.5倍になるまでの所要時間を測定し、以下の評価基準で評価した。
「良好(A)」:60分以上
「やや良好(B)」:40分以上60分未満
「不良(C)」:40分未満
(9)成形時の臭気
樹脂組成物ペレット20gを100mLガラス製サンプル管に入れ、アルミホイルで口部に蓋をした後、熱風乾燥機内で220℃で30分間加熱した。乾燥機から取り出し、室温で30分間放冷した後、サンプル管を2〜3回振り混ぜ、アルミホイルの蓋を取り臭気を評価した。試料ペレットの臭気の強さを下記評価基準により評価した。
A:臭気を感じない
B:弱い臭気を感じる
C:明らかに臭気を感じる
<回収樹脂の調製>
上記乾燥EVOH樹脂ペレット4質量部、高密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学製 HZ8200B、190℃−2160g荷重におけるMFR=0.01g/10分)86質量部、及び接着性樹脂(三井化学製ADMER GT−6A、190℃−2160gにおけるMFR=0.94g/10分)10質量部をドライブレンド後、二軸押出機(「2D25W」、株式会社東洋精機製作所製;25mmφ、ダイ温度220℃、スクリュー回転数100rpm)を用い、窒素雰囲気下で押出しペレット化を行った。さらにモデル回収樹脂を得るために、この押出ペレットをさらに同押出機及び同条件で押出しペレット化を実施、同作業を4回(押出機でのブレンドは計5回)実施し回収樹脂を得た。
<ブロー成形容器の製造>
[実施例1〜14、比較例1〜3]
上記乾燥EVOH樹脂ペレット、上記高密度ポリエチレン樹脂、上記接着性樹脂、及び上記回収樹脂を用い、鈴木製工所製ブロー成形機TB−ST−6Pにて210℃で、(内側)高密度ポリエチレン/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/回収樹脂/樹脂組成物(外側)の4種6層パリソンを2時間放流し、2時間加熱状態のまま運転を停止させた。その後運転を再開し、各所定時間後に製造したブロー成形容器を評価した。なお、ブロー成形容器の製造においては、金型内温度15℃で20秒間冷却し、全層厚み1,000μm((内側)高密度ポリエチレン/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/回収樹脂/樹脂組成物(外側)=(内側)340/50/40/50/400/120μm(外側))の3Lタンクを成形した。このタンクの底面直径は100mm、高さは400mmであった。なお、実施例1〜11、13、14、比較例1及び2の乾燥EVOH樹脂ペレットは、上記合成例1によって得た。また、実施例12の乾燥EVOH樹脂ペレットは、上記合成例2によって得た。比較例3の乾燥EVOH樹脂ペレットは、上記合成例1により得ているが、EVOH含有樹脂組成物の調製において飽和ケトン(II)は添加しなかった。
<ブロー成形容器の評価>
このようにして得られた各ブロー成形容器について、以下のように評価した。評価結果を表1に合わせて示す。
(10)ブロー成形容器の評価
[外観の評価]
再立ち上げ40分後に成形した3Lタンクについて、目視にてストリーク及び着色を下記基準にて評価し、外観の評価とした。
(ストリークの評価基準)
「良好(A)」:ストリークは認められなかった。
「やや良好(B)」:ストリークが確認された。
「不良(C)」:多数のストリークが確認された。
(着色の評価基準)
「良好(A)」:無色
「やや良好(B)」:黄変
「不良(C)」:著しく黄変
[耐衝撃性評価]
再立ち上げ20分後、40分後、及び10時間後にブロー成形した3Lタンクに、プロピレングリコールを2.5L充填し、開口部をポリエチレン40μm/アルミ箔12μm/ポリエチレンテレフタレート12μm構成のフィルムで熱シールして蓋をした。このタンクを−40℃で3日間冷却し、開口部が上になるように6mの高さから落下させ、破壊した個数で評価した(n=10)。再立ち上げ20分後の耐衝撃性がセルフパージ性の指標となる。
(耐衝撃性の評価基準)
「良好(A)」:3個未満
「やや良好(B)」:3個〜6個未満
「不良(C)」:6個以上
Figure 0006349067
表1に示すように、本発明のブロー成形容器は、ストリークの発生、着色及び臭気が抑制され、外観等に優れることがわかった。また、本発明のブロー成形容器は、成形装置の再立ち上げ20分後に成形されたものであっても耐衝撃性に優れていた。本発明のブロー成形容器は、セルフパージ性に優れるEVOH含有樹脂組成物を用いていることで、再立ち上げからわずかな時間で、耐衝撃性を低減させるゲル状ブツ等の発生が起こらなくなることがわかった。さらに、飽和ケトン(II)の種類及び含有量、並びに共役ポリエン化合物の種類及び含有量を特定した実施例2、7、9、10及び12は、ストリークの発生、着色及び臭気がより抑制され、外観、耐衝撃性等により優れることがわかった。
一方、飽和ケトン(II)の種類及び含有量が規定の要件を満たさない場合(比較例1〜3)、ストリークの発生、着色及び臭気の抑制性、並びに耐衝撃性等が低下することが分かる。
本発明のブロー成形容器は、EVOHの特性としての十分なガスバリア性、耐油性を有することに加えて、特定量の飽和ケトン(II)を含有する(1)層を備えることで、溶融成形によるゲル状ブツ、ストリーク等の欠陥の発生、着色及び臭気が抑制されるため、外観に優れる。また、上記(1)層が上記特定量の飽和ケトン(II)を含有することで、ブロー成形容器の製造工程におけるセルフパージ性にも優れるため、当該ブロー成形容器は低コストで製造することができる。そのため、当該ブロー成形容器は、様々な用途に用いられ、特に燃料容器として好適である。
1 (1)エチレン−ビニルアルコール共重合体層
2 (2)熱可塑性樹脂層
3 (3)カルボン酸変性ポリオレフィン層
4 (4)エチレン−ビニルアルコール共重合体、熱可塑性樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する層
5 ブロー成形容器
6 容器内部表面
7 容器外部表面

Claims (12)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とする第1層を備えるブロー成形容器であって、
    上記第1層が、飽和ケトン(II)を含有し、
    この飽和ケトン(II)の上記第1層における含有量が0.2ppm以上100ppm以下であることを特徴とするブロー成形容器。
  2. 上記飽和ケトン(II)の炭素数が3以上8以下である請求項1に記載のブロー成形容器。
  3. 上記飽和ケトン(II)が、アセトン、メチルエチルケトン及び2−ヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のブロー成形容器。
  4. 上記第1層が共役ポリエン化合物を含有し、この共役ポリエン化合物の上記第1層における含有量が0.01ppm以上1,000ppm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のブロー成形容器。
  5. 上記共役ポリエン化合物が、ソルビン酸及びソルビン酸塩の少なくとも一方である請求項4に記載のブロー成形容器。
  6. 上記第1層の内面側及び外面側に配置され、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm1/2以下である熱可塑性樹脂を主成分とする一対の第2層、及び
    上記第1層と第2層との間に配置され、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする一対の第3層を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のブロー成形容器。
  7. 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)、上記熱可塑性樹脂及び上記カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する第4層を備える請求項6に記載のブロー成形容器。
  8. 上記第4層が、ブロー成形容器の製造工程における上記第1層、第2層及び第3層の回収物を用いて形成される請求項7に記載のブロー成形容器。
  9. 上記第1層の平均厚みが全層平均厚みの5.0%以下であり、かつ
    上記第4層におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が9.0質量%以下である請求項7又は請求項8に記載のブロー成形容器。
  10. 燃料容器である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のブロー成形容器。
  11. ボトルである請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のブロー成形容器。
  12. エチレン−ビニルアルコール共重合体(I)を主成分とする樹脂組成物を用いてブロー成形する工程を有し、
    上記樹脂組成物が飽和ケトン(II)を含有し、
    この飽和ケトン(II)の上記樹脂組成物における含有量が0.2ppm以上100ppm以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のブロー成形容器の製造方法。

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