JP5797909B2 - 樹脂組成物並びにこれを用いた成形品及び多層構造体 - Google Patents
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Description
ゴム用軟化剤としては、ゴム成分を柔軟化又は可塑化させる成分として、パラフィンオイルなどが用いられている。また、不飽和カルボン酸変性ブロック共重合体は、ガスバリア性を向上させる成分として配合される。
そして、組成物のガスバリア性と柔軟性のバランスの点、組成物の力学的性能及びガスバリア性の兼ね合いの観点から、これらの成分比率を一定範囲に調節することが記載されている。
ここで、機械的特性としては、JIS A硬度、引張破断強度が測定評価されているものの、耐屈曲性については評価されていない。
前記オレフィン系ポリマー(B)に対する前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)の含有重量比率(A/B)は60/40〜99/1であり、
前記オレフィン系ポリマー(B)に対する前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)の含有重量比率(C/B)は0.01〜10であり、
前記オレフィン系ポリマー(B)及び前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)の含有総重量に対する前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)の含有重量比率(A/(B+C))は50以上/50未満〜99/1であり、
前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A),前記オレフィン系ポリマー(B),前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C),及び前記炭化水素系樹脂(D)の含有総重量に対する前記炭化水素系樹脂(D)の含有重量比率(D/(A+B+C+D))は、0.5重量%以上で且つ7.5重量%未満である。
その結果、本発明の樹脂組成物は、耐屈曲性、透明性に優れ、成形加工性に優れる。
はじめに本発明のEVOH樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)に、オレフィン系ポリマー(B)、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)、及び数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を配合してなる組成物である。
以下、各成分について、順に説明する。
組成物の主成分となるEVOH樹脂(A)は、非水溶性の樹脂であり、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化することによって得られる公知の樹脂である。かかるビニルエステル系モノマーは、代表的には酢酸ビニルである。エチレン−ビニルエステル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
また、本発明に用いられるEVOH樹脂としては、共重合体中に、以下に示すコモノマーが、更に少量含まれたものであってもよい。前記コモノマーとしては、プロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1、2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等のコモノマーが挙げられる。さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等「後変性」されていても差し支えない。
このような変性物の中でも、特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH樹脂は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH樹脂が好ましい。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)の方法が好ましい。
本発明にいう、B成分たるオレフィン系ポリマーとは、炭素−炭素二重結合を含有する脂肪族炭化水素モノマーであるオレフィンを主モノマーとし、通常、数平均分子量1万以上の高分子で、主鎖が炭素結合のみで構成される親油性ポリマーをいう。具体的には、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、脂肪族系ゴム、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーが挙げられる。
本発明に用いるカルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)は、オレフィン系ポリマーをカルボン酸変性したものである。カルボン酸変性されるオレフィン系ポリマーとしては、(B)成分で記載したようなオレフィン系ポリマー、すなわち、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、脂肪族系ゴム、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー等の通常、数平均分子量1万以上の高分子で、主鎖が炭素結合のみで構成される親油性ポリマーを用いることができる。樹脂組成物において、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)に用いられているオレフィン系ポリマーとオレフィン系ポリマー(B)とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度とカルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)との溶融粘度が近いほど、溶融混練が容易になり、耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、210℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(EVOH樹脂(A)/カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜7.5である。
また、本発明で用いられるC成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲において、C成分に含有されるカルボン酸成分を部分的に他の化合物(例えば、ポリアミド6、ポリアミド6/12などのポリアミド樹脂)によって後変性した変性重合体であっても差し支えない。
本発明で用いるD成分たる炭化水素系樹脂は、分散助剤として添加されるもので、数平均分子量が100から3000で且つ軟化点が60℃以上170℃未満の炭化水素系樹脂(但し、前記オレフィン系ポリマー(B)又は前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)に該当する炭化水素系樹脂を除く)である(以下、このD成分たる炭化水素系樹脂を「分散助剤(D)」ということがある)。具体的には、ロジン系樹脂(ロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン、変性ロジンのグリセリンエステルやペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル、等)やテルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の天然炭化水素樹脂;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール系樹脂(アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、等)、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の合成炭化水素が挙げられる。
中でも上記の芳香族系石油樹脂、または脂肪族/芳香族系石油樹脂を水素添加して得られた水添系石油樹脂が代表的であり、具体例としては、アルコン(荒川化学工業社製)、アイマーブ(出光興産社製)、エスコレッツ5000シリーズ(エクソンモービル社製)などが挙げられる。
かかる水添系石油樹脂の場合には、水添率によって樹脂の極性が異なり、主に水添率90%以上の完全水添型と水添率90%未満の部分水添型に2種類に分類される。前者の具体例としては、アルコンPグレード(荒川化学工業社製)、アイマーブPタイプ(出光興産社製)などが挙げられ、後者の具体例としては、アルコンMグレード(荒川化学工業社製)、アイマーブSタイプ(出光興産社製)などが挙げられる。
また、水添系石油樹脂の水添率については、特に限定しないが、極性の低いオレフィン系ポリマー(B)との親和性を考慮すると、完全水添型の水添系石油樹脂を用いることが好ましい。
上記数平均分子量は、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られるポリスチレン換算値により算出することができる。
また、水添系石油樹脂の場合には、ハーゼンナンバーが通常200以下好ましくは150以下、特に好ましくは100以下である。ハーゼンナンバーが200以下のものを用いると、外観特性に優れた無色透明な樹脂組成物を得ることができる。
なお、色相の測定方法としては、JIS K0071−1(ハーゼンナンバー)、JIS K0071−2(ガードナーナンバー)に準拠した方法を用いることができる。
本発明の樹脂組成物において、上記(A)〜(D)成分は特定割合で配合されることが好ましい。具体的には、EVOH樹脂(A)とオレフィン系ポリマー(B)との重合比率(A/B)が60/40〜99/1、好ましくは65/35〜85/15、より好ましくは70/30〜80/20である。EVOH樹脂(A)を主成分とし、オレフィン系ポリマー(B)の1.5倍以上の比率で配合することにより、EVOH樹脂(A)がマトリックスとして存在するとともに、EVOH樹脂(A)が本来有するガスバリア性を保持することができる。
一方、配合比率(C/B)が高くなりすぎると、相対的にEVOH樹脂のOH基と反応可能なカルボキシル基が増えることになるため、溶融混練中に、A成分とC成分とが反応して、高重合度化物が発生しやすくなる。その結果、樹脂組成物のMFRが低下して溶融成形加工性が低下し、フィッシュアイが発生しやすくなる。また、高重合度化物の発生は、樹脂組成物内での粘度の偏りの原因となり、成形により得られるフィルムにスジが発生しやすくなり、結果として耐屈曲性改善効果を損なう傾向がある。さらに、樹脂組成物が黄色に着色しやすくなる原因ともなる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば樹脂組成物の2重量%以下)にて、上記EVOH樹脂(A)、オレフィン系ポリマー(B)、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)、分散助剤(D)の他に、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、以上のような成分を混合することによって調製できる。かかる混合方法としては、溶融混合法、溶液混合法等が挙げられる。生産性の点からは溶融混合法が好ましい。
溶融混合方法としては、各成分をドライブレンドした後に溶融して混合する方法や、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。
溶液混合方法としては、例えば各成分を良溶媒に溶解して混合し、貧溶媒中で析出させる方法等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物では柔軟成分であるオレフィン系ポリマー(B)が、疲労吸収の役割を果たしている。B成分は親油性ポリマーであるため、通常、EVOH樹脂とは相溶性がないが、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)が、B成分がEVOH樹脂と分離しないように、安定的にEVOH樹脂の海中に存在できるように相溶化剤として働く。さらに、D成分が溶融混練時に、B成分の凝集を防止して、EVOH樹脂の海中に均一に拡散し微分散させる働きを有するので、B成分の柔軟化効果をフィルム全体にわたってまんべんなく得ることができ、しかも透明性及びフィルムの成形安定性に優れている。さらにまた、EVOH樹脂の海が連続的に存在できるようになるので、EVOH樹脂が本来有している優れたガスバリア性も損なわれずに済む。
本発明の多層構造体は、上記本発明の樹脂組成物からなる層(以下、単に「樹脂組成物層」という)を少なくとも1層有する多層構造体である。
本発明の多層構造体を構成する樹脂組成物層以外の層を構成する樹脂としては、特に限定しないが、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、環状ポリオレフィン、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂で構成される層が挙げられる。これらの樹脂の他に、紙、金属箔、1軸又は2軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面、アルミやシリカ蒸着と組み合わせた多層構造体であってもよい。中でも機械的強度や溶融成形加工性の点で、好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。
具体的には、例えば、本発明の樹脂組成物の成形品(例えばフィルムやシート)に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂等の基材に樹脂組成物層を溶融押出する方法、樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを共押出する方法が挙げられ、詳細にはT−ダイ押出、チューブラー押出、ブロー成形、異型押出等が採用される。
さらには、本発明の樹脂組成物フィルムと熱可塑性樹脂フィルム等の基材とを、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法、接着性樹脂層を介層させてラミネートする方法等が採用される。
また、場合によっては共射出法も採用可能である。
また、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層をRとするとき、b/a/R、R/b/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能である。
さらに上記した多層構造体の層間には公知の接着性樹脂を用いても良い。
外装の基材としては紙やダンボールの他にプラスチックや金属であってもよく、形状についても例えばボックスやカートン(正方形、直方体)、ドラム(円柱)が挙げられる。
ブロー成形法では、複数の押出機から共押出法により押し出された円筒状の上記の多層構造体(パリソン)を金型で型締めして成形する。液体注入口の密封栓は、予め射出成形
で成形したものを金型内にセットしておき、ブロー成形時に成形容器と融着させる。その
後、液体注入口をあけることにより袋状の液体容器とすることができる。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
(1)耐屈曲性
乾燥状態でA4サイズ、厚み30μmの乾燥状態の単層フィルムを、23℃、50%RHの条件下で、理学工業社のゲルボフレックステスターを用いて、捻じり試験を行った。
3.5インチで440°の捻じりをした後、2.5インチ水平に進む捻じり操作を500回(40サイクル/分)加えた後、該単層フィルムの中央部28cm×17cmあたりのピンホール発生数を数えた。かかるテストを5回試行し、その平均値を求めた。
得られた単層フィルムの透明性を、ヘイズメーター(日本電色社製「NDH2000」)を用いて、JIS K7105に準じてヘイズ値(%)を測定した。ヘイズ値は、試験片の拡散光線透過率を全光線透過率で割ったものを百分率で表わしたものであり、ヘイズ値が低い値であるほど、フィルム透明性が良好である(白濁度合が少ない)ことを示す。
なお、フィルム内部のヘイズを評価するために、評価の際にはフィルム両面に流動パラフィンを塗布した試料を用いて、フィルム表面の凹凸による影響を取り除いた状態にして評価した。
EVOH樹脂(A)、オレフィン系ポリマー(B)、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)、及び二軸押出機で作製した樹脂組成物を東洋精機社のメルトインデクサーF−BO1を用いて、荷重2160g、温度210℃にてMFR(g/10分)を測定した。
得られた単層フィルムのフィルム幅(W(cm))を、MD方向側に15cmごとに合計150cm間(計11点)でそれぞれ測定した。
得られた11点のフィルム幅のうち、最大幅(Wmax)と最小幅(Wmin)の差(Wmax−Wmin)を求め、フィルム成形時の成形安定性の指標とした。
差(Wmax−Wmin)が小さくなるに従い、フィルム成形時のサージング現象(押出時の周期的変動)が少なく、成形安定性が良好であることを示す。フィルム幅差(Wmax−Wmin)が大きい場合には、フィルム幅の周期的変動が激しく、押出加工が不安定傾向であることを示す。
オートグラフ(島津製作所社製「AGS−H5kN」)を用いて、ISO178に準じて、23℃、50%RH条件下で、試験速度2mm/minとして測定した。
JIS K7112に準じて、23℃条件下の密度を測定した。
EVOH樹脂(A)として、下記に示すエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(「A1」と略記)を用いた。
エチレン含有量:29モル%
ケン化度 :99.6モル%
MFR(210℃、2160g荷重):6.7g/10min
ホウ素含有量 :110ppm
密度 :0.89g/cm3
曲げ弾性率 :30MPa
MFR(210℃、2160g荷重):5.2g/10min
軟化点 :125℃
数平均分子量 :750
ハーゼンナンバー:30
D2:「クイントン1345」
軟化点 :140℃
数平均分子量 :500
ガードナーナンバー:3
尚、表1中の配合比(A/B)は、総量100に振り分けた場合の比率に換算した値を示している。
スクリーンパック:90/90メッシュ
スクリュ回転数:150rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6−D=30/200/220/220/220/220−℃
吐出量:14kg/hr
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュ:フルフライトタイプ 圧縮比=3.5
スクリーンパック:90/120/90メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=190/210/230/230/220/220℃
スクリュ回転数:10rpm
引取速度:3m/min
ロール温度:80℃
エアーギャップ:15cm
また、No.1、2は、MFRについても、EVOH樹脂(A1)に近い溶融粘度を示し、No.4と比較すると、フィルムでのスジやフィッシュアイ発生を招くおそれがある溶融粘度上昇を抑制できることが認められる。
さらに、D成分の配合によるB成分の微分散効果のためか、No.3、No.4で発生したフィルム製膜時のサージング現象が軽減され、フィルム成形安定性が向上する効果も観察された。
Claims (12)
- エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)に、オレフィン系ポリマー(B)、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)、及び数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(但し、前記オレフィン系ポリマー(B)又は前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)に該当する炭化水素系樹脂を除く)(D)を配合してなる樹脂組成物であって、
前記オレフィン系ポリマー(B)に対する前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)の含有重量比率(A/B)は60/40〜99/1であり、
前記オレフィン系ポリマー(B)に対する前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)の含有重量比率(C/B)は0.01〜10であり、
前記オレフィン系ポリマー(B)及び前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)の含有総重量に対する前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)の含有重量比率(A/(B+C))は50以上/50未満〜99/1であり、
前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A),前記オレフィン系ポリマー(B),前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C),及び前記炭化水素系樹脂(D)の含有総重量に対する前記炭化水素系樹脂(D)の含有重量比率(D/(A+B+C+D))は、0.5重量%以上で且つ7.5重量%未満である樹脂組成物。 - 前記オレフィン系ポリマー(B)の210℃、荷重2160g条件下でのメルトフローレート(MFR)は、0.01〜150g/10分である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ポリマー(B)は、低結晶性ポリオレフィンである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ポリマー(B)の密度は、0.85〜0.96g/cm3である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ポリマー(B)のガラス転移温度は、−110〜0℃である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ポリマー(B)の、23℃、50%RHにおける曲げ弾性率が150MPa未満である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)の210℃、荷重2160g条件下でのメルトフローレート(MFR)は、0.01〜150g/10分である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(C)の密度は、0.85〜0.96g/cm3である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体。
- 請求項10に記載の多層構造体からなる液体容器。
- 請求項10に記載の多層構造体からなるバックインボックス用バック。
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