JP2020158643A - 樹脂組成物並びにこれを用いた成形品 - Google Patents

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文将 槙
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Abstract

【課題】 高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性にも優れる成形品を提供できる樹脂組成物を提供する。【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、前記層状無機化合物(C)が1:1型層状粘土鉱物である樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関し、更に詳しくは高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性にも優れる成形品を提供できる樹脂組成物、及びこれを用いた成形品に関する。
エチレン−ビニルアルコール系重合体(以下、「EVOH樹脂」と称することが
ある)は、高分子側鎖に存在する水酸基同士の水素結合のため、非常に強い分子間力を有する。それゆえに、結晶性が高く、非晶部分においても分子間力が高いため、気体分子等はEVOH樹脂フィルムを通過することができない。このようなことから、EVOH樹脂を用いたフィルムは優れたガスバリア性を示し、水、飲食料品の容器・包装用フィルム、包装容器素材として利用されている。一方、EVOH樹脂成形品は、その高結晶性故に、柔軟性に欠けるという短所がある。
そこで、柔軟性が必要な用途では、EVOH樹脂成形品に柔軟性を付与するために、熱可塑性エラストマーをブレンドして用いることが一般に行われている。
例えば、特許文献1では、エチレン含有率20〜60モル%のEVOH樹脂(A)をマトリックスとし、柔軟成分として極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、分散剤として極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、分散助剤として数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を含有するEVOH樹脂組成物が提案されている。
一方で、EVOH樹脂は、分子内に比較的活性な水酸基を有するため、湿度による影響を大きく受けやすく、高湿度環境下ではガスバリア性が著しく低下する。
EVOH樹脂のガスバリア性を高めたEVOHフィルムとして、特許文献2では、EVOHに無機化合物を均一に分散させて、EVOHの結晶化度を高めたEVOHフィルムが開示されている。
特開2011−6673号 国際公開第2016/088862号
しかしながら、上記特許文献1で提案されているようなEVOH樹脂組成物は、柔軟成分としてスチレン系熱可塑性エラストマーを含有するものの、いまだ耐屈曲性は改善の余地があり、さらに高湿度下での耐ガスバリア性については不充分である。また、上記特許文献2で提案されているようなEVOH樹脂組成物は、屈曲性改善を課題としたものではないため、屈曲性は不充分であり、さらなる改善が求められている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性に優れるEVOH樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者は、EVOH(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、前記層状無機化合物(C)が1:1型層状粘土鉱物である場合に、高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性に優れることを見出した。
すなわち、本発明は、EVOH(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、前記層状無機化合物(C)が1:1型層状粘土鉱物であるEVOH樹脂組成物を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨のEVOH樹脂組成物からなる成形品を第2の要旨とするものである。
本発明のEVOH樹脂組成物は、EVOH(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、前記層状無機化合物(C)が1:1型層状粘土鉱物であるEVOH樹脂組成物である。そのため、このEVOH樹脂組成物を成形品とした場合に、高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性に優れる成形品とすることができる。
本発明は熱可塑性樹脂としてオレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つを用いることによって、ドメイン成分のEVOH中の分散状態が比較的優れており、耐屈曲性が良好であることを見出したものである。これは、EVOHと層状無機化合物に対する熱可塑性エラストマーの相溶性に起因するものと推定される。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これら
の内容に特定されるものではない。
はじめに本発明のEVOH樹脂組成物について説明する。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、前記層状無機化合物(C)が1:1型層状粘土鉱物である樹脂組成物である。
以下、各成分について、順に説明する。
〔EVOH樹脂(A)〕
本発明のEVOH樹脂(A)は、非水溶性の樹脂であり、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化することによって得られる公知の樹脂である。かかるビニルエステル系モノマーは、代表的には酢酸ビニルである。エチレン−ビニルエステル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH樹脂(A)は、ISO14663に基づいて測定したエチレン構造単位の含有量が通常20〜60モル%であり、好ましくは25〜50モル%、さらに好ましくは27〜35モル%である。エチレン構造単位の含有率が少なすぎると、樹脂組成物の成形加工性や耐屈曲性が低下する傾向にある。一方、エチレン構造単位の含有率が高くなりすぎると、必然的にポリマー鎖中に含まれるOH基の割合が低下しすぎ、ガスバリア性が不足する傾向にある。特に、本発明の樹脂組成物では、EVOH樹脂に基づく高いガスバリア性を確保する必要性から、エチレン含有率を上記範囲に設定する必要がある。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、市場入手性や製造時の不純物処理効率がよい点から、代表的には酢酸ビニルが用いられる。この他、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、通常、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは4〜7の脂肪族ビニルエステルである。これらは通常単独で用いられるが、必要に応じて、2種以上混合して用いてもよい。
また、ビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726(ただし、EVOH樹脂は水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて)に基づいて測定した値で、通常95モル%以上であり、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%である。ケン化度が低くなると、ガスバリア性が低下する傾向にあるからである。
さらに、EVOH樹脂(A)のメルトフローレート(以下「MFR」称することがある)においては、210℃、荷重2160g条件下で、通常0.1〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分であり、特に好ましくは2〜20g/10分である。MFRの値が小さすぎる場合、すなわち溶融粘度が高い場合、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)との均一な溶融混練が困難になり、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)の分散性低下の原因となる。一方、MFRの値が大きすぎる場合、溶融粘度が低くなり、安定した溶融押出が困難となる傾向がある。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH樹脂(A)としては、上記要件を充足するEVOH樹脂であれば、エチレン含有率、ケン化度、MFRが異なる2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に用いられるEVOH樹脂としては、共重合体中に、以下に示すコモノマーが、更に少量含まれたものであってもよい。前記コモノマーとしては、プロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1、2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等のコモノマーが挙げられる。さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等「後変性」されていても差し支えない。
このような変性物の中でも、特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH樹脂は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH樹脂が好ましい。
本発明で用いられるEVOH樹脂(A)には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般にEVOH樹脂に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤などが含有されていてもよい。
上記熱安定剤としては、溶融成形時の熱安定性等の各種物性を向上させる目的で、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸類またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛などの塩;または、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸類、またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛などの塩等の添加剤を添加してもよい。これらのうち、特に、酢酸、ホウ酸およびその塩を含むホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩を添加することが好ましい。
酢酸を添加する場合、その添加量は、EVOH樹脂(A)100重量部に対して通常0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜0.2重量部、特に好ましくは0.010〜0.1重量部である。酢酸の添加量が少なすぎると、酢酸の含有効果が十分に得られない傾向があり、逆に多すぎると均一なフィルムを得ることが難しくなる傾向がある。
また、ホウ素化合物を添加する場合、その添加量は、EVOH樹脂(A)100重量部に対してホウ素換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.001〜1重量部であり、好ましくは0.002〜0.2重量部であり、特に好ましくは0.005〜0.1重量部である。ホウ素化合物の添加量が少なすぎると、ホウ素化合物の添加効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。
また、酢酸塩、リン酸塩(リン酸水素塩を含む)の添加量としては、EVOH樹脂(A)100重量部に対して金属換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.0005〜0.1重量部、好ましくは0.001〜0.05重量部、特に好ましくは0.002〜0.03重量部である。かかる添加量が少なすぎるとその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。尚、EVOH樹脂(A)に2種以上の塩を添加する場合は、その総量が上記の添加量の範囲にあることが好ましい。
EVOH樹脂(A)に酢酸、ホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩を添加する方法については、特に限定されず、i)含水率20〜80重量%のEVOH樹脂(A)の多孔性析出物を、添加物の水溶液と接触させて、添加物を含有させてから乾燥する方法;ii)EVOH樹脂(A)の均一溶液(水/アルコール溶液等)に添加物を含有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断してペレットとして、さらに乾燥処理をする方法;iii)EVOH樹脂(A)と添加物を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法;iv)EVOH樹脂(A)の製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の有機酸類で中和して、残存する酢酸等の有機酸類や副生成する塩の量を水洗処理により調整したりする方法等を挙げることができる。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)の方法が好ましい。
〔オレフィン系ポリマー〕
本発明にいう、B成分たるオレフィン系ポリマーとは、炭素−炭素二重結合を含有する脂肪族炭化水素モノマーであるオレフィンを主モノマーとし、通常、数平均分子量1万以上の高分子で、主鎖が炭素結合のみで構成される親油性ポリマーをいう。具体的には、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、脂肪族系ゴム、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーが挙げられる。
上記ポリオレフィンとは、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンモノマーのホモポリマー、2種以上のオレフィンモノマーのランダムコポリマー、ブロックコポリマーをいう。中でも、オレフィンホモポリマーとしては、例えば、超低密度ポリエチレン、(直鎖状)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。オレフィンブロックコポリマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のエチレン−αオレフィン共重合体;プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のプロピレン−αオレフィン共重合体;ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体等のブテン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。オレフィンランダムコポリマーとしては、上記オレフィンモノマーを2種以上ランダムに共重合したもので、低結晶性を示し、例えば、三井化学株式会社製のエチレン系タフマー、プロピレン系タフマー、ブテン系タフマー等のタフマーシリーズ(商品名)などが挙げられる。
上記脂肪族系ゴムとは、オレフィンモノマーとジエンモノマーのコポリマー、又はこれらの水素添加物で、ゴム状弾性を有するポリマーである。具体的には、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)等の合成ゴムが挙げられる。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメントとしてポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリプロピレンなど)、ソフトセグメントとして上記脂肪族系ゴム(EPDMまたはEPMなど)を使用した熱可塑性を示すエラストマー樹脂であり、ポリオレフィンと脂肪族系ゴムをコンパウンドする方法(コンパウンド型)、あるいはオレフィン重合時に脂肪族ゴムを導入する方法(リアクター型)によって合成されたものが挙げられる。コンパウンド型としては、単純ブレンド品(非架橋タイプ)と動的架橋品(全面架橋タイプ、または部分架橋タイプの2種類)がある。
オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。
アイオノマー樹脂とは、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の金属塩で、樹脂中のカルボキシル基は、金属により中和されている。
本発明のオレフィン系ポリマーは、密度が、通常0.85〜0.96g/cm3であり、好ましくは0.85〜0.92g/cm3、より好ましくは0.85〜0.90g/cm3である。特に、0.85〜0.92g/cm3の条件を充足するオレフィン系ポリマー(B)としては、ポリプロピレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィンランダムコポリマー等の低結晶性ポリオレフィン;EPM、EPDM等の脂肪族ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
さらに、本発明のオレフィン系ポリマーは、23℃、50%RHにおける曲げ弾性率が150MPa未満、好ましくは100MPa未満、特に好ましくは50MPa未満であることが、曲げに対する柔軟性が良好であるという点から望ましい。曲げ弾性率が150MPa未満を充足するオレフィン系ポリマーとしては、超低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィンランダムコポリマー等の低結晶性ポリオレフィン;EPM、EPDM、IR、BR、IIR等の脂肪族ゴム;ハードセグメントがポリエチレンで構成されるオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
より優れた蓄積疲労吸収効果を得るためには、密度が0.85〜0.90g/cm3で、且つ23℃、50%RHにおける曲げ弾性率が50MPa未満であることが好ましい。このような条件を充足するオレフィン系ポリマーとしては、低結晶性のエチレン−αオレフィンランダムコポリマー、EPM、EPDMが挙げられる。
さらにまた、本発明のオレフィン系ポリマーのガラス転移温度は通常−110℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−20℃であり、より好ましくは−70℃〜−40℃である。ガラス転移温度が室温に比べてはるかに低い温度範囲にあり且つ低結晶性であることにより、低温から室温に至る広い温度範囲での柔軟性に非常に優れており、EVOH樹脂に対して配合することで高い蓄積疲労効果を付与することが可能となる。ここで、ガラス転移温度とは、オレフィン系ポリマー(B)の無定形部分がガラス状態からゴム状態に転移する温度を意味しており、通常は、示差走査熱量計を用いてJIS K7121準拠の方法で測定することができる。
また、本発明のオレフィン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)においては、210℃、荷重2160g条件下で、通常0.01〜150g/10分であり、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは1〜25g/10分であり、さらに好ましくは2〜10g/10分である。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度とオレフィン系ポリマーの溶融粘度とが近いほど、溶融混練が容易になり、オレフィン系ポリマーがEVOH樹脂中に均一に分散した樹脂組成物が得られやすく、ひいては耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、210℃、荷重2160g条件下で測定したMFR値(EVOH樹脂(A)/オレフィン系ポリマー)が、通常、0.1〜10、好ましくは0.5〜4、より好ましくは0.7〜3.0である。
以上のような本発明のオレフィン系ポリマーは、低結晶性、あるいはゴム性といった特性に基づいて、高結晶性のEVOH樹脂とブレンドすることにより、柔軟性が付与された樹脂組成物を得ることができ、ひいては、耐屈曲性に優れた組成物を提供できる。
〔イソブチレン系共重合体〕
本発明にいう、B成分たるイソブチレン系共重合体は、芳香族ビニル系化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)とイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a2)を有するものである。
芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)の形成に用いられるモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等のアルキルスチレン;モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン等のハロゲン化スチレン;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどのベンゼン環以外の芳香環を有するビニル化合物、およびその誘導体等を挙げることができる。かかる芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)は、上述のモノマーの単独重合ブロックでも、複数のモノマーによる共重合ブロックでもよいが、スチレンの単独重合ブロックが好適に用いられる。
なお、かかる芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、芳香族ビニル化合物以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、かかるモノマーとしては、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等を挙げることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
イソブチレン系共重合体中の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)の重量平均分子量は、通常、1000〜400000であり、特に2000〜200000のものが好ましく用いられる。重合体ブロック(a1)の数平均分子量が上記の範囲の場合には、イソブチレン系共重合体の溶融粘度が高くなりすぎず、EVOH樹脂(A)との混合が容易となり、得られる樹脂組成物の成形性や加工性が向上する。
上記イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a2)については、モノマーとして、イソブチレンが用いられるが、本発明の効果を阻害しない範囲で、イソブチレン以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、かかるモノマーとしては、例えば、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等を挙げることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
また、イソブチレン系共重合体中のイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a2)の重量平均分子量は、通常、10000〜600000であり、特に20000〜400000のものが好ましく用いられる。イソブチレン系共重合体の数平均分子量が上記の上限以下の場合には、得られる樹脂組成物の成形性や加工性が向上する。
本発明のイソブチレン系共重合体中の各ブロックの構成は、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)をXで示し、イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a2)をYで示した場合に、X−Yで表されるジブロック共重合体、X−Y−XまたはY−X−Yで表されるトリブロック共重合体、さらにXとYが交互に接続したポリブロック共重合体などを挙げることができ、その構造も直鎖状、分岐状、星型などを挙げることができる。中でも、力学特性の点でX−Y−Xで表される直鎖状のトリブロック共重合体が好適である。
本発明で用いられるイソブチレン系共重合体中の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)と、イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a2)の含有比率は、重量比(a1/a2)で、通常、10/90〜70/30であり、特に好ましくは、10/90〜50/50である。イソブチレン系共重合体中の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)の含有比率が多すぎたり、少なすぎたりすると、イソブチレン系共重合体の柔軟性と分子拘束性のバランスが崩れる場合があり、その結果、本発明の樹脂組成物、およびその成形物としたときに、本発明の効果が得られなくなる場合がある。
イソブチレン系共重合体は、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a1)、イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a2)のほかにも、本発明の目的を阻害しない範囲において、他の重合体ブロックが構成に含まれていてもよい。他の重合体ブロックの単量体成分としては、例えば、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらの単量体は他の重合体ブロックのうち、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて使用されていても良い。ジエン類は共役ジエン類も含み、共役ジエン類を含む重合体ブロックは、その中の二重結合を水素添加したものでも良い。また、イソブチレン系共重合体には、上記に挙げた他の重合体ブロックが、それぞれ単独で又は2種類以上を組合せて含まれていても良い。かかる含有量は、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主成分とする重合体ブロック(a1)と、イソブチレンに由来する構成単位を主成分とする重合体ブロック(a2)を有するイソブチレン系共重合体の製造法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、アルキルリチウム化合物などを開始剤とし、不活性有機溶媒中で芳香族ビニル化合物とイソブチレンを逐次重合させる方法などを挙げることができる。
本発明で用いられるイソブチレン系共重合体の重量平均分子量は、通常、12000〜600000であり、特に30000〜400000のものが好ましく用いられる。イソブチレン系共重合体の数平均分子量が上記の上限以下の場合には、得られる樹脂組成物の成形性や加工性が向上する。
本発明の樹脂組成物に含有されるイソブチレン系共重合体はハロゲン原子を含有してもよい。当該ハロゲン原子は、イソブチレン系共重合体の製造時に使用される重合触媒に由来するものであると考えられ、主に、イソブチレン系共重合体の末端に含有される。イソブチレン系共重合体に含有されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などが挙げられ、なかでも、塩素が含有される場合が多い。イソブチレン系共重合体中のハロゲン原子の含有量は、通常、0.005〜3.000質量%である。イソブチレン系共重合体中のハロゲン原子は、イオンクロマトグラフを用いて分析することができる。
かくして本発明で用いられるイソブチレン系共重合体が得られるが、かかるイソブチレン系共重合体の具体例としては、例えば、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソブチレン−ブタジエン−非晶ポリオレフィンブロック共重合体(SIBC)などが挙げられる。これらのうち、熱安定性、耐候性で優れているSIBSが好ましく用いられる。
かかるSIBSの市販品としては、カネカ社製 SIBSTAR 「053T」、「062T」、「072T」、「073T」、「102T」などを挙げることができる。
〔カルボン酸変性オレフィン系ポリマー〕
本発明のEVOH樹脂組成物は、相溶性の観点から、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(b1)を含有してもよい。特に、B成分としてオレフィン系ポリマーを含有する場合は、カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(b1)を含有するのが好ましい。
かかるカルボン酸変性オレフィン系ポリマーは、オレフィン系ポリマーをカルボン酸変性したものである。カルボン酸変性されるオレフィン系ポリマーとしては、(B)成分で記載したようなオレフィン系ポリマー、すなわち、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、脂肪族系ゴム、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー等の通常、数平均分子量1万以上の高分子で、主鎖が炭素結合のみで構成される親油性ポリマーを用いることができる。樹脂組成物において、カルボン酸変性オレフィン系ポリマーに用いられているオレフィン系ポリマーとオレフィン系ポリマー(B)とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ここでカルボン酸変性とは、オレフィン系ポリマーを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物モノマーに代えて共重合することにより、あるいはグラフト反応等により側鎖の一部にα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物モノマーを導入することにより行われる。
上記カルボン酸変性に用いられるα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物としては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。中でも無水マレイン酸が好適に用いられる。
カルボン酸変性オレフィン系ポリマーにおける変性量(変性用のカルボン酸量)は、ベースとなるオレフィン系ポリマーの、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%、殊に好ましくは0.2〜1重量%である。変性量が少なすぎると、得られる樹脂組成物の相溶性が低下して本発明の効果が得られにくくなり、逆に多すぎると、EVOH樹脂中の水酸基との反応点が増し、溶融混練過程において高重合度化物が生成して、フィルム成形時の成形性、熱安定性等が低下する傾向にある。
カルボン酸変性オレフィン系ポリマーの密度は、通常0.85〜0.96g/cm3であり、好ましくは0.85〜0.92g/cm3、より好ましくは0.85〜0.90g/cm3である。
また、かかるカルボン酸変性オレフィン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)は、210℃、荷重2160g条件下で、通常0.01〜150g/10分であり、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは1〜25g/10分であり、さらに好ましくは1.5〜10g/10分である。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度とカルボン酸変性オレフィン系ポリマーとの溶融粘度が近いほど、溶融混練が容易になり、耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、210℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(EVOH樹脂(A)/カルボン酸変性オレフィン系ポリマー)が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜7.5である。
このようなカルボン酸変性オレフィン系ポリマーとしては、市販品を用いてもよい。カルボン酸変性オレフィン系ポリ
マーの市販品としては、例えば、「アドマー」、「タフマー」Mシリーズ(三井化学社製)、「バイネル」、「フサボンド」(デュポン社製)、「オレヴァック」(アルケマ社製)、「プレクサー」(イクイスター社製)、「モディックAP」(三菱化学社製)などが挙げられる。
また、本発明で用いられるカルボン酸変性オレフィン系ポリマーとしては、本発明の効果を阻害しない範囲において、カルボン酸変性オレフィン系ポリマーに含有されるカルボン酸成分を部分的に他の化合物(例えば、ポリアミド6、ポリアミド6/12などのポリアミド樹脂)によって後変性した変性重合体であっても差し支えない。
〔層状無機化合物(C)〕
本発明の層状無機化合物(C)は、1:1型粘土鉱物である。1:1型粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト、リザーダイト、アンチゴライト、クリソタイルなどが挙げられる。かかる層状無機化合物は、天然品であっても合成品であってもよい。
EVOH(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物において、層状無機化合物の中でも、1:1型層状粘土鉱物を用いることが本発明の効果を奏する上で必要であり、特にはカオリナイトを用いることが好ましい。これは、カオリナイトの特徴的な構造に由来するもので、水酸基が層表面に露出しているため、EVOHとの間で相互作用が働き、EVOHの分子運動性を変化させ、ガスバリア性上昇に寄与する為だと考えられる。
本発明で用いるカオリナイトの平均粒子径(μm)は、特に限定されないが、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下である。かかる平均粒子径が大きいと、水分散液における分散安定性が悪化するとともに、成形品の外観が悪くなる傾向がある。
また、本発明で用いるカオリナイトの表面積(B.E.T.m2/g)は、特に限定されないが、通常1(B.E.T.m2/g)以上、好ましくは3(B.E.T.m2/g)以上、特に好ましくは5(B.E.T.m2/g)以上である。かかる表面積が小さいと、水分散液における分散安定性が悪化する傾向がある。
本発明で用いるカオリナイトは、シランカップリング剤などの反応剤によって表面処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、従来公知のものを使用することが可能である。シランカップリング剤は一般式RSiX3 で表され、Rはビニル基、スチリル基、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基などの有機官能性基であり、Xは主に塩素およびアルコキシ基である。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。表面処理の種類としては、アミノシラン、ビニルシラン、スリチルシラン、エポキシシラン、グリシジルシラン、グリシドキシシラン、メタクリルシラン、メルカプトシランなどが挙げられるが、中でもアミノシランが好ましい。
〔配合比率〕
本発明の樹脂組成物において、上記(A)〜(C)成分は特定割合で配合されることが
好ましい。具体的には、EVOH樹脂(A)とオレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)との重量比率(A/B)が通常60/40〜99/1、好ましくは65/35〜99/1、より好ましくは70/30〜99/1である。EVOH樹脂(A)を主成分とし、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)の1.5倍以上の比率で配合することにより、EVOH樹脂(A)がマトリックスとして存在するとともに、EVOH樹脂(A)が本来有するガスバリア性を保持することができる。
カルボン酸変性オレフィン系ポリマー(b1)を含有する場合、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)に対するカルボン酸変性オレフィン系ポリマー(b1)の重量比率(b1成分/B成分)は、b1成分の変性率にもよるが、通常0.01〜10であり、好ましくは0.01〜1であり、より好ましくは0.02〜0.8、更に好ましくは0.03〜0.5である。
かかる重量比率(b1成分/B成分)が低くなりすぎると、b1成分による相溶化効果が十分得られず、B成分をEVOH樹脂の海中に安定な島として存在させる安定化効果が不足する。その結果、フィルムの耐屈曲性や成形安定性の低下、及びEVOH樹脂の連続層の欠陥によるガスバリア性の低下を生ずるおそれがある。
一方、重量比率(b1成分/B成分)が高くなりすぎると、相対的にEVOH樹脂のOH基と反応可能なカルボキシル基が増えることになるため、溶融混練中に、EVOH樹脂とカルボン酸変性オレフィン系ポリマーとが反応して、高重合度化物が発生しやすくなる。その結果、樹脂組成物のMFRが低下して溶融成形加工性が低下し、フィッシュアイが発生しやすくなる。また、高重合度化物の発生は、樹脂組成物内での粘度の偏りの原因となり、成形により得られるフィルムにスジが発生しやすくなり、結果として耐屈曲性改善効果を損なう傾向がある。さらに、樹脂組成物が黄色に着色しやすくなる原因ともなる。
したがって、EVOH樹脂(A)に対する(B)成分と(b1)成分の和の総量は、重量比率(A)/〔(B)+(b1)〕として、通常、50以上/50未満〜99/1、好ましくは60/40〜99/1、特に好ましくは70/30〜99/1である。
層状無機化合物(C)の重量比率は、A〜C成分の総量に対して、通常1重量%以上、30重量%未満であり、好ましくは3〜25重量%であり、好ましくは5〜20重量%である。C成分の配合量が少なすぎる場合、層状無機化合物(C)とEVOH樹脂(A)との相互作用効果が十分でないため、ガスバリア性改善の効果が少ない傾向がある。一方、多すぎる場合、層層状無機化合物(C)とEVOH樹脂(A)との相互作用効果が大きすぎるため、粘度上昇等を引き起こし加工性が低下する傾向がある。なお、B成分としてb1成分を含む場合は、b1成分を含む総量に対する重量比率である。
〔その他の成分〕
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば樹脂組成物の5重量%以下)にて、上記EVOH樹脂(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)の他に、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
〔樹脂組成物の調製及びその成形品(単層フィルム)〕
本発明の樹脂組成物は、以上のような成分を混合することによって調製できる。かかる混合方法としては、溶融混合法、溶液混合法等が挙げられる。生産性の点からは溶融混合法が好ましい。
溶融混合方法としては、各成分をドライブレンドした後に溶融して混合する方法や、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。
溶融混練温度としては、通常、押出機及びダイの設定温度として170〜250℃の範囲であり、好ましくは180〜240℃、特に好ましくは180〜230℃である。かかる温度が低すぎた場合には、樹脂が未溶融状態となり、加工状態が不安定になる傾向があり、高すぎた場合には、樹脂組成物が熱劣化して、得られる成形品の品質が低下する傾向にある。また、原料投入時にD成分がホッパー直下で液状化すると、生産性が低下するおそれがあるので、ホッパー直下の設定温度はD成分の軟化点未満の温度に設定して加工することが好ましい。
溶液混合方法としては、例えば各成分を良溶媒に溶解して混合し、貧溶媒中で析出させる方法等が挙げられる。
<多層構造体>
本発明の成形品は、上記本発明の樹脂組成物からなる層(以下、単に「樹脂組成物層」という)を少なくとも1層有する多層構造体であってもよい。
本発明の多層構造体を構成する樹脂組成物層以外の層を構成する樹脂としては、特に限定しないが、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、環状ポリオレフィン、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂で構成される層が挙げられる。これらの樹脂の他に、紙、金属箔、1軸又は2軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面、アルミやシリカ蒸着と組み合わせた多層構造体であってもよい。中でも機械的強度や溶融成形加工性の点で、好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。
これらのうち、水のバリア性に優れた熱可塑性樹脂層を外表面層として、樹脂組成物層を中間層とする構成の多層構造体が、ガスバリア性を有する包装フィルム、包装容器用途として好ましく用いられる。かかる水のバリア性に優れた熱可塑性樹脂として好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。
該多層構造体の製造方法としては、樹脂組成物を溶融した状態で成形する方法(溶融成形法)と、樹脂組成物を溶媒に溶解して成形する方法(例えば溶液コート法)等に大別される。中でも生産性の観点から、溶融成形法が好ましい。
具体的には、例えば、本発明の樹脂組成物の成形品(例えばフィルムやシート)に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂等の基材に樹脂組成物層を溶融押出する方法、樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを共押出する方法が挙げられ、詳細にはT−ダイ押出、チューブラー押出、ブロー成形、異型押出等が採用される。
さらには、本発明の樹脂組成物フィルムと熱可塑性樹脂フィルム等の基材とを、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法、接着性樹脂層を介層させてラミネートする方法等が採用される。
また、場合によっては共射出法も採用可能である。
接着性樹脂層を構成する接着性樹脂としては特に限定されず、種々のものを使用することができるが、一般的には、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(前述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。
以上のように、本発明の多層構造体は、本発明に係る樹脂組成物層を少なくとも1層含むものであればよく、その構成は特に限定しないが、水分による樹脂組成物のガスバリア性能の低下を防ぐ目的で、樹脂組成物層が中間層であることが好ましい。
多層構造体の層構成は、樹脂組成物層をa(a1、a2、・・・)、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、通常3〜20層、好ましくは3〜15層、特に好ましくは3〜10層である。例えば具体的には、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能である。
また、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層をRとするとき、b/a/R、R/b/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能である。
さらに上記した多層構造体の層間には公知の接着性樹脂を用いても良い。
中でも、樹脂組成物層のガスバリア性能の低下防止のために、樹脂組成物層への水分の透過を防止できるように、樹脂組成物層が中間層となるような多層構造が最も好ましい。例えば、具体的には、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層を構成単位とする多層構造体が最も好ましい。
本発明の多層構造体の厚みは、通常1〜1500μm、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜700μmである。また、多層構造体中の熱可塑性樹脂層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜1000μm、1〜500μmが好ましい。樹脂組成物層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmである。接着性樹脂層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜250μm、好ましくは0.1〜100μmである。
また、熱可塑性樹脂層/樹脂組成物層の厚み比は、各層が複数ある場合は、最も厚みの厚い層同士の比で、通常1超〜30であり、好ましくは2〜30であり、接着性樹脂層/樹脂組成物層の厚み比は、通常0.1〜2であり、好ましくは0.1〜1である。
本発明の多層構造体は、上記のように、他の熱可塑性樹脂や基材と積層しただけの多層構造体であるが、延伸処理されていてもよい。
なお、延伸については、公知の延伸方法を用いることができる。例えば、一軸延伸、二軸延伸等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常40〜170℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜20倍である。また、得られた延伸フィルムに寸法安定性を付与することを目的として、延伸が終了した後、次いで熱固定を行ってもよい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延伸フィルムの緊張状態を保ちながら80〜180℃、好ましくは100〜165℃で2〜600秒間程度熱処理を行う。
かくして得られた本発明の多層構造体は、例えばチューブ状や袋状などの形態に加工され、みりん、醤油、ソース、麺つゆ、食用油等の食品、ワイン、ジュース、牛乳、ミネラルウォーター、日本酒、焼酎、コーヒー、紅茶等の飲料、医薬品、化粧品、次亜塩素酸ソーダ、現像液、バッテリー液等の工業用薬品、液体肥料等の農薬、洗剤等各種の液体の包装材料として広範囲の用途に使用することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
[材料]
A−1:エチレン構造単位の含有量29モル%、ケン化度100モル%、MFR3.2g/10分(210℃、荷重2160g)のエチレン−ビニルアルコール共重合体
B−1:エチレン−ブテンランダム共重合体(三井化学製「タフマーDF710」)密度 0.87g/cm3、MFR(230℃、荷重2160g) 2.2g/10分
B−2:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体
(カネカ社製「SIBSTAR062T」、スチレン含有量23%、MFR10g/10分〔JIS K 7210(230℃、荷重2160g)〕、溶融粘度1650poise〔JIS K 7199(200℃、せん断速度1220sec−1)〕
B−3:スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(三井化学製「タフテックH1041」、スチレン含有量30%、MFR5g/10分〔JIS K 7210(230℃、荷重2160g)〕)
b−1:酸変性エチレン−ブテンランダム共重合体
(三井化学製「タフマーMH7010」、密度 0.87g/cm3、MFR(230℃、荷重2160g)1.8g/10分)
b−2:酸変性スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体(三井化学製「タフテックM1911」、スチレン含有量30%、MFR4.5g/10分〔JIS K 7210(230℃、荷重2160g)〕)
C−1:カオリナイト水分散液
(カオリナイト濃度73%、カオリナイト粒子径2μm以下80%以上、比重1.8g/cm3
C−2:ハイドロタルサイト
(協和化学工業社製 「ZHT−4A」)
〔測定評価方法〕
(1)耐屈曲性
単軸押出製膜で得られた厚み30μmフィルムを用いて、ゲルボフレックステスター(理学工業社製)にて、23℃、50%RH条件下で捻じり試験を行った。25インチ水平に進んだ後に、3.5インチで440°の捻じりを500回(40サイクル/分)加えた後、該フィルムの中央部28cm×17cmあたりのピンホール発生数を数えた。
(2)酸素透過度
単軸押出製膜で得られた厚み30μmフィルムを用いて、酸素透過率測定装置(MOCON社製“Ox−Tran”)を用いて、内外湿度80%、温度20℃でフィルムの酸素透過度( c c / m 2 ・d a y ・a t m )を測定した。
(実施例1)
〔樹脂組成物ペレットの作製〕
EVOH樹脂(A)としてエチレン−ビニルアルコール共重合体(A−1)を用い、層状無機化合物(C)としてカオリナイト水分散液(C−1)を用い、上記EVOH樹脂(A−1)90部を、シリンダに分散液圧入部、スクリュー式サイドフィーダー、真空ベントを付属した二軸押出機〔L/D=58.4、48mmφ〕の原料供給部より投入し、温度230℃にてEVOH樹脂を溶融状態にした後、カオリナイト水分散液(C−1)を固形分として11部となるように分散液圧入部より連続的に圧入し、混練した。混練後のEVOH樹脂組成物をストランド状に水槽中に押出し、ペレタイザーで切断することによって、EVOH樹脂組成物ペレットを作製した。その後、上記で得られたペレットと、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)としてエチレン−ブテンランダム共重合体(B−1)8部、さらに酸変性エチレン−ブテンランダム共重合体(b−1)2部を二軸押出機〔L/D=56、32mmφ〕で溶融混練した。混練後のEVOH樹脂組成物をストランド状に水槽中に押出し、ペレタイザーで切断することによって、EVOH樹脂組成物ペレットを作製した。
〔単層フィルムの作製〕
得られた樹脂組成物を以下の条件で製膜し、厚み30μmの単層フィルムを得た。当該単層フィルムの酸素透過度、屈曲性を上記方法により評価した結果をあわせて表1に示す。また、製膜条件を以下に示す。
<単軸押出機による製膜条件>
スクリュー内径 40mm
L / D 28
スクリュー形状 フルフライトタイプ
スクリュー圧縮比 3.4
スクリュー回転数 40rpm
T ダイ コートハンガータイプ
ダイ巾 450mm
C1/C2/C3/C4/H/AD/D1/D2/D3=180/200/220/220/220/220/220/220/220℃
冷却ロール温度 80 ℃
(実施例2、比較例1)
EVOH樹脂(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)の種類や添加量を表1に示すとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を作製した。また、得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして単層フィルムを作製、評価した。各評価結果をあわせて表1に示す。
(比較例2)
EVOH樹脂(A)としてエチレン−ビニルアルコール共重合体(A−1)90部、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)としてスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(B−3)8部、さらに酸変性スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(b−2)2部を、二軸押出機〔L/D=56、32mmφ〕で溶融混練した。混練後のEVOH樹脂組成物をストランド状に水槽中に押出し、ペレタイザーで切断することによって、EVOH樹脂組成物ペレットを作製した。
(比較例3)
EVOH(A)としてエチレン−ビニルアルコール共重合体(A−1)90部、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)としてとしてスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(B−2)10部、無機層状化合物(C)としてハイドロタルサイト(C−2)11部を、二軸押出機〔L/D=56、32mmφ〕で溶融混練した。混練後のEVOH樹脂組成物をストランド状に水槽中に押出し、ペレタイザーで切断することによって、EVOH樹脂組成物ペレットを作製した。
表1の結果より、実施例1,2の樹脂組成物は、高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性にも優れることが分かった。
本発明の樹脂組成物は、高湿度下で良好なガスバリア性を有しつつ、屈曲性にも優れる。そのため、上記樹脂組成物からなる層を含有する成形体は、優れた耐屈曲性、高湿度下でのガスバリア性が要求される成形体(フィルム)材料として有用である。

Claims (5)

  1. エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)、オレフィン系ポリマーまたはイソブチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1つ(B)、層状無機化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、前記層状無機化合物(C)が1:1型層状粘土鉱物であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記オレフィン系ポリマーは、低結晶性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記イソブチレン系共重合体が、ビニル芳香族モノマー単位からなる重合体ブロック(a1)と、イソブチレン単位からなる重合体ブロック(a2)とを有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記層状無機化合物(C)がカオリナイトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
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