以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る安否確認システム1を備えた集合住宅2の構成を概念的に示した説明図である。図1は、上方から下を見下ろした見取り図とされている。集合住宅2は、いわゆるマンションである。集合住宅2は、建屋本体21と、エントランス23とを備えている。建屋本体21には、住戸(住居)101,102,103と、管理人室220と、住戸101,102,103と管理人室220とで共用される通路22とが設けられている。
なお、集合住宅2に住戸が3戸設けられた例を示したが、集合住宅2に設けられた住戸の数は、複数であればよく、3戸に限定されない。
エントランス23と建屋本体21との間には、共用ゲート233が設けられている。エントランス23には、玄関扉231と、インターホン親機6とが設けられている。すなわち、インターホン親機6は、住戸101,102,103の外であって、共用ゲート233の外側に配設されている。
共用ゲート233は、居住者(ユーザ)がインターホン親機6を用いて認証を行い、その認証が成功した場合、あるいは居住者が住戸内から解錠操作を行った場合に開く扉である。共用ゲート233が開くと、エントランス23と通路22とがつながって、エントランス23から建屋本体21に入館した居住者が、通路22を通って住戸101,102,103まで行けるようになっている。
また、例えば共用ゲート233の上方天井付近には、後述する無線通信部234が取り付けられている。また、例えば共用ゲート233の内側の上方天井付近には、後述するドアセンサ24が取り付けられている。
住戸101,102,103には、それぞれ入口扉3が設けられている。住戸101,102,103内の例えば壁面には、インターホン子機4が取り付けられている。管理人室220内には、管理装置5が設置されている。なお、集合住宅2は、管理人室220を備えていなくてもよく、管理装置5は、例えば集合住宅2の外部に設置され、集合住宅2と管理装置5とが通信回線で接続されていてもよい。
図2は、図1に示す安否確認システム1の構成の一例を概念的に示すブロック図である。図2に示す安否確認システム1は、インターホン子機4と、管理装置5と、インターホン親機6と、ドアセンサ24と、無線通信部234と、共用ゲート駆動部235とを備えている。なお、図2では各住戸に配設されたインターホン子機4について1つだけ記載し、他のインターホン子機4の記載を省略している。
インターホン親機6は、例えば液晶やLED(Light Emitting Diode)等の表示部61、部屋番号やパスワードを入力するためのキーボード62(部屋番号受付部)、キーボード62で入力された部屋番号の居住者を呼び出すための呼出釦63、スピーカ64、マイク65、及びICカードリーダ66を備えている。表示部61は、キーボード62で入力された部屋番号や、操作を案内するためのメッセージなどが表示される。なお、表示部61、キーボード62、及び呼出釦63は、例えばタッチパネルディスプレイによって一体に構成されていてもよい。
インターホン親機6は、住戸101,102,103のインターホン子機4及び管理装置5と例えば通信ケーブルで接続され、各住戸のインターホン子機4及び管理装置5との間で通信可能にされている。
集合住宅2に来訪した来訪者が、キーボード62を操作して部屋番号を入力して呼出釦63を押下すると、インターホン親機6は、その部屋番号の住戸に配設されたインターホン子機4と通信可能に接続され、そのインターホン子機4に対して呼出要求信号を送信する。これにより、来訪者は、スピーカ64とマイク65とを用いて訪問先の住戸の居住者と会話可能にされている。
ICカードリーダ66は、集合住宅2に入館しようとする居住者の所持しているICカードを読み取って、ICカードから読み取られた情報を管理装置5へ送信する。これにより、管理装置5で入館しようとする居住者を認証可能にされている。ICカードとしては、例えばNFC(Near Field Communication)方式のICカード(認証カード)を用いることができる。これにより、居住者は、自分のICカードをインターホン親機6のICカードリーダ66にタッチすることで認証が可能となる。
なお、居住者の認証方法としては、ICカードによる認証の他、パスワードによる認証、指紋認証、対象者の顔画像により認証する顔認証、あるいは予め電話番号が登録された携帯電話機から予め定められた解錠専用電話番号へ番号通知を有効にした状態で電話する、といった種々の方法を用いることができる。
インターホン親機6は、ICカードによる認証を行うときは、例えばICカードから、認証用のデータと各住戸を識別する情報である部屋番号とを認証情報として読み出してもよく、パスワードによる認証を行うときは、キーボード操作によって被認証者が入力した部屋番号とパスワードとを認証情報として取得してもよい。
また、インターホン親機6は、指紋認証を行うときは被認証者の指紋を、顔認証を行うときは被認証者の顔の画像を、認証情報として取得してもよい。管理装置5は、上記携帯電話機による認証を行うときは、上記解錠専用電話に掛かってきた電話から通知された電話番号を認証情報として取得してもよい。このような場合、被認証者の指紋や顔の画像を示す情報、あるいは被認証者の所有する携帯電話機の電話番号等を被認証者が居住する住戸の部屋番号と対応付けるルックアップテーブルを、予め管理装置5の記憶部506に記憶しておくことによって、そのルックアップテーブルを参照することで、認証情報から被認証者の部屋番号を特定することができる。これにより、被認証者の指紋や顔の画像を示す情報、あるいは被認証者の所有する携帯電話機の電話番号等を、被認証者の住戸を特定する情報、すなわち各住戸を識別する認証情報として用いることができる。
管理装置5は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ装置等の情報処理装置である。管理装置5は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、所定の制御プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置、RTC(Real Time Clock)、タイマ回路、通信インターフェイス回路、及びその周辺回路等を備えて構成されている。
管理装置5は、インターホン親機6及びインターホン子機4との間でデータ送受信可能に通信接続されている。管理装置5には、ドアセンサ24、無線通信部234、共用ゲート駆動部235、及びネットワーク7が接続されている。ネットワーク7としては、例えばインターネットや公衆電話回線等、種々の通信回線を用いることができる。
そして、管理装置5は、例えばHDD装置に記憶された制御プログラムを実行することによって、認証処理部501、共用ゲート開閉処理部502、住居情報取得部503、入出管理部504、及び通報部505として機能する。また、管理装置5は、例えばHDD装置やRAM等から構成された記憶部506を備えている。
記憶部506には、予め、住戸101,102,103の部屋番号(101,102,103)と対応付けて、各住戸に対応する連絡先となる電話番号やメールアドレス、IPアドレス等を示す連絡先情報が記憶されている。電話番号としては、例えば各住戸の居住者の親族の携帯電話機や固定電話の電話番号を用いることができる。メールアドレスとしては、例えば各住戸の居住者の親族の携帯電話機やパーソナルコンピュータ等のメールアドレスを用いることができる。この場合、携帯電話機、固定電話、いわゆるスマートフォン、パーソナルコンピュータ等が、通報部505の報知先となる端末装置の一例に相当する。
なお、連絡先の電話番号やメールアドレスは、例えば居住者に対する介護サービスを行う管理業者や行政サービスを行う公共団体の電話番号又はメールアドレスであってもよく、各住戸に対して共通する電話番号又はメールアドレスであってもよい。
ドアセンサ24は、共用ゲート233の内側において、共用ゲート233近傍に接近した人を検知するセンサである。ドアセンサ24としては、例えば反射式光センサを用いることができる。
無線通信部234は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)用の送受信装置である。無線通信部234は、図1に示すように、共用ゲート233の上方から、共用ゲート233を含む領域234Aに対して、RFタグ読み出し用の電波を出力する。
領域234A内にRFタグ(無線通信装置)が存在した場合、RFタグは、RFタグ読み出し用の電波に応答して、部屋番号等の各住戸を識別する住居情報を含む認証情報を無線通信部234へ送信する。無線通信部234は、RFタグから住居情報を受信すると、その住居情報を管理装置5へ送信する。
集合住宅2の居住者は、自分が居住する住戸の住居情報を記憶したRFタグを身につけるようにされている。その結果、居住者が共用ゲート233を通ると、共用ゲート233を通った居住者が居住する住戸を示す住居情報が無線通信部234によって取得される。これにより、居住者の入館、及び退館を検出することが可能にされている。
無線通信部234及びRFタグとしては、例えばISO/IEC18000−6で定められたUHF帯(860〜960MHz)のRFIDシステムを好適に用いることができる。UHF帯のRFIDは、電波の指向性が高いため、無線通信部234から領域234Aの範囲に略限定してRFタグ読み出し用の電波を送信することが容易である。RFタグ読み出し用の電波を領域234Aの範囲に限定して送信することで、共用ゲート233を通らない居住者が身につけているRFタグから誤って住居情報を取得するおそれが低減される。
共用ゲート駆動部235は、共用ゲート開閉処理部502からの制御信号に応じて共用ゲート233を施錠又は解錠したり、開閉したりするモータやギヤ等の駆動機構である。
認証処理部501は、インターホン親機6から送信された認証情報に基づいて、その認証情報により示される部屋番号に対応付けて、すなわちその認証情報により識別される住戸に対応付けて認証を行う。
共用ゲート開閉処理部502は、認証処理部501による認証が成功した場合、ドアセンサ24によって人が検知された場合、及びインターホン子機4から解錠指示信号を受信した場合に、予め設定された開放時間、例えば10秒間、共用ゲート駆動部235によって共用ゲート233を開かせた後、共用ゲート233を閉じさせる。
住居情報取得部503は、共用ゲート開閉処理部502によって共用ゲート233が開かれている期間中に、無線通信部234から住居情報が送信され、すなわち住戸101,102,103のうちいずれかを示す住居情報が受信された場合、その受信された住居情報を取得する。
入出管理部504は、居住者の出入りを管理し、その出入り状況に応じて居住者が在宅中か不在中かを示す在宅情報を生成し、記憶部506に記憶させる。具体的には、入出管理部504は、例えば、認証処理部501による認証が成功した後、予め設定された時間、例えばドアが開放される開放時間内に認証情報により示される部屋番号で示される住戸を示す住居情報が無線通信部234によって取得されたとき、その住戸の居住者が入館したと判定し、その住戸に対応して「在宅中」を示す在宅情報を生成する。
また、入出管理部504は、例えば、ドアセンサ24によって人が検知された後、予め設定された時間、例えばドアが開放される開放時間内に認証情報により示される部屋番号で示される住戸を示す住居情報が無線通信部234によって取得されたとき、その住戸の居住者が外出したと判定し、その住戸に対応して「不在中」を示す在宅情報を生成する。
また、入出管理部504は、開放時間内に複数の住居情報が無線通信部234によって取得されたとき、各住居情報で示される住戸について、記憶部506に記憶された在宅情報を参照し、在宅情報が「在宅中」のときは「不在中」に、在宅情報が「不在中」のときは「在宅中」に変更する。これにより、居住者の共連れによる入館、外出があった場合でも、居住者が在宅中であるか、不在中であるかを判断することが可能となる。
通報部505は、インターホン子機4から、異常を報知する安否異常信号を受信したとき、そのインターホン子機4の設置された住戸に対応して異常の発生を報知する。通報部505は、例えば通信インターフェイス回路や、DTMF(Dual Tone Multi-Frequency)生成回路、音声合成回路等を用いて構成されており、ネットワーク7に接続されている。
そして、通報部505は、その住戸に対応する連絡先の電話番号へ電話をかけ、例えば音声合成により、その判定条件を満たした住戸について異常が生じたことを示すメッセージを、ネットワーク7を介して連絡先の電話端末装置へ送信することによって、異常の発生を報知する。通報部505は、例えば管理人室220に配設された図略のディスプレイ装置にメッセージを表示することによって、異常の発生を報知してもよい。
あるいは、通報部505は、連絡先としてメールアドレスを用い、インターネット等のネットワーク7を介して電子メールにより異常が生じたことを示すメッセージを送信してもよい。通報部505は、記憶部506を参照することによって、上記連絡先の電話番号、メールアドレス、あるいはIPアドレス等を取得することができる。
インターホン子機4は、例えば、制御部41、表示器42、スピーカ43(報知部)、マイク44、キーボード45、応答釦46(応答受付部)、解錠釦47(応答受付部、解錠指示受付部)、及び通信I/F49を備えて構成されている。表示器42は、例えば液晶表示装置等の表示器である。なお、表示器42、キーボード45、応答釦46、及び解錠釦47は、例えばタッチパネルディスプレイによって一体に構成されていてもよい。
通信I/F49は、インターホン子機4と、インターホン親機6及び管理装置5との間で通信を行う通信インターフェイス回路である。
スピーカ43は、インターホン親機6のマイク65によって集音された来訪者の音声を出力するためのスピーカである。また、スピーカ43は、インターホン親機6の呼出釦63が押され、インターホン親機6から呼出要求信号が送信されたとき、呼び出し音を出力することにより、インターホン親機6からの呼び出しを報知する。具体的には、インターホン親機6から送信された呼出要求信号は、通信I/F49によって受信され、その呼出要求信号が通信I/F49から制御部41へ送信される。制御部41は、その呼出要求信号を受信すると、スピーカ43から呼び出し音を出力させる。
マイク44は、居住者の音声を集音し、インターホン親機6のスピーカ64から出力させるためのマイクである。キーボード45は、居住者による時刻範囲の設定入力や判定回数の入力設定等を受け付けるための受付部である。
応答釦46は、押下されたとき、居住者が応答したことを示す応答信号を制御部41へ出力する。また、応答釦46が押下されると、マイク44により集音された音声を示す音声信号が、制御部41によって通信I/F49を介してインターホン親機6へ送信され、その音声がスピーカ64から出力される。これにより、来訪者と居住者とが、インターホン親機6とインターホン子機4とを介して会話可能にされている。
解錠釦47は、押下されることにより解錠指示を受け付け、共用ゲート233を解錠して開けることを指示する解錠指示信号を制御部41へ出力する。
制御部41は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、所定の制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性記憶部、RTC(Real Time Clock)、タイマ回路、例えばRAMやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)で構成された記憶部419、及びその周辺回路等を備えて構成されている。
そして、制御部41は、例えば不揮発性記憶部に記憶された制御プログラムを実行することによって、在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、異常報知部417、及び解錠処理部418として機能する。安否判定部414は、計数部415と判定部416とを含む。
在宅情報取得部411は、通信I/F49を介して管理装置5へ、インターホン子機4が設置された住戸(以下、当該住戸と称する)の在宅情報を要求し、管理装置5から当該住戸の在宅情報を受信することによって、当該住戸の在宅情報を取得する。なお、在宅情報の取得方法は限定されない。例えば、インターホン子機4に在宅釦と不在釦とを設けておき、居住者は、外出時に不在釦を押下してから外出し、帰宅時に在宅釦を押下するようにしてもよい。そして、在宅情報取得部411は、在宅釦が押下された場合在宅中を示す在宅情報を取得し、不在釦が押下された場合不在中を示す在宅情報を取得するようにしてもよい。
時刻範囲設定部412は、例えば居住者がキーボード45を操作して入力した時刻範囲の設定を受け付けて、時刻範囲設定情報として記憶部419に記憶させる。居住者は、例えば就寝しているなどのためにインターホン子機4の呼び出しに応答できない時刻範囲を、キーボード45を操作して入力する。例えば、就寝時間として0時〜7時、昼寝の時間として14時〜15時、といった時刻範囲を入力する。あるいは、平日仕事で不在になる月曜〜金曜の8時〜19時というように、曜日や日付と組み合わせて時刻範囲を入力するようにしてもよい。
解錠処理部418は、解錠釦47から解錠指示信号を受信したとき、その解錠指示信号を、通信I/F49を介して管理装置5へ送信する。
応答判定部413は、在宅情報取得部411によって取得された当該住戸の在宅情報が在宅中を示し、かつRTCで得られた現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時間範囲外である場合、スピーカ43による呼び出しの報知に対応して、応答釦46と解錠釦47とのうち少なくともひとつが押下されたか否か、すなわち応答釦46又は解錠釦47によって居住者の応答が受け付けられたか否かを判定する。
すなわち、応答判定部413は、在宅情報取得部411によって取得された当該住戸の在宅情報が不在中を示すとき、及び現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時間範囲内であるときは、応答釦46、解錠釦47によって応答が受け付けられたか否かの判定を実行しない。
具体的には、応答判定部413は、例えばスピーカ43による呼び出しの報知が行われてから所定の監視時間Tw、例えば20秒以内に応答釦46と解錠釦47とのうち少なくともひとつが押下された場合に呼び出しの報知に対する居住者の応答が受け付けられたと判定する。なお、必ずしも応答釦46を備える例に限らない。例えば、マイク44を応答受付部として用い、呼び出しの報知が行われてから監視時間Tw内に、マイク44によって予め設定された音量を超える音声が検出された場合に呼び出しの報知に対する居住者の応答が受け付けられたと判定するようにしてもよく、他の手段によって居住者の応答を検出してもよい。また、解錠釦47を備えていなくてもよい。
スピーカ43による呼び出しの報知は、通信I/F49によって呼出要求信号が受信され、制御部41によってスピーカ43から報知させる制御が行われた場合に実行されるのであるから、応答判定部413は、通信I/F49によって呼出要求信号が受信されたときにスピーカ43による呼び出しの報知が行われたものとして処理を行ってもよく、制御部41によってスピーカ43から報知させる制御が行われたときにスピーカ43による呼び出しの報知が行われたものとして処理を行ってもよい。
安否判定部414は、応答判定部413による判定結果に基づいて、計数部415と判定部416とによって、当該住戸の居住者の安否を判定する。具体的には、計数部415は、在宅情報取得部411によって取得された当該住戸の在宅情報が在宅中を示し、かつRTCで得られた現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時間範囲外である場合、応答判定部413によって応答が受け付けられなかった旨の判定が連続してなされた回数を、計数値CTとして計数する。
すなわち、計数部415は、在宅情報取得部411によって取得された当該住戸の在宅情報が不在中を示すとき、及び現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時間範囲内であるときは、計数値CTの計数を実行しない。また、計数部415は、応答判定部413によって応答が受け付けられた旨の判定がされたときは、計数値CTを0に初期化する。
判定部416は、計数部415により計数された計数値CTが、所定の判定回数Cjを超えた場合、当該住戸の居住者の安否に問題が生じたと判定する。異常報知部417は、安否判定部414(判定部416)によって、当該住戸の居住者の安否に問題が生じたと判定された場合、安否の異常を報知するべく安否の異常を示す安否異常信号を、通信I/F49を介して管理装置5へ送信する。
なお、安否判定部414は、必ずしも計数部415及び判定部416から構成される例に限らない。例えば、安否判定部414は、応答判定部413によって応答が受け付けられないことの発生頻度が所定の判定頻度を超えた場合に当該住戸の居住者の安否に問題が生じたと判定する構成としてもよい。
次に、上述のように構成された安否確認システム1の動作について説明する。図3は、図2に示す安否確認システム1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、計数部415によって、計数値CTが0に初期化される(ステップS1)。次に、応答判定部413によって、スピーカ43による呼び出し報知がなされたか否かが監視される(ステップS2)。
ここで、来訪者が、エントランス23でインターホン親機6を操作し、キーボード62によって当該住戸の部屋番号を入力し、呼出釦63を押下すると、インターホン親機6から当該住戸のインターホン子機4へ呼出要求信号が送信される。インターホン子機4で呼出要求信号が受信されると、スピーカ43によって呼び出し音が出力され、呼び出しが報知される。そうすると、応答判定部413によって、スピーカ43による呼び出し報知がなされたと判定され(ステップS2でYES)、ステップS3へ移行する。このとき、応答判定部413は、スピーカ43による呼び出し報知がなされたと判定されたときからの経過時間の計時を開始する。
一方、インターホン子機4で呼出要求信号が受信されなければ、スピーカ43による呼び出し報知は実行されず、応答判定部413によって、スピーカ43による呼び出し報知はなされていないと判定され(ステップS2でNO)、呼び出し報知の監視を継続するべくステップS2が繰り返される。
なお、応答判定部413は、必ずしもスピーカ43による呼び出し報知の実行の有無を直接監視する必要は無く、インターホン子機4による呼出要求信号の受信の有無に基づき、間接的に呼び出し報知の実行の有無を監視するようにしてもよい。
次に、ステップS3において、在宅情報取得部411によって当該住戸の在宅情報が取得され、応答判定部413によって、その在宅情報に基づき当該住戸の居住者が「在宅中」が「不在中」かが確認される。そして、その在宅情報が「不在中」を示す場合(ステップS3でNO)、居住者は呼び出しに応答できない状態であり、応答の有無と居住者の安否とは無関係なので、応答判定部413は、応答判定を行うことなく再びステップS2へ移行する。
一方、その在宅情報が「在宅中」を示す場合(ステップS3でYES)、応答判定部413は時刻範囲設定を確認するべくステップS4へ移行する。
次に、ステップS4において、応答判定部413によって、記憶部419に記憶された時刻範囲設定情報とRTCとが参照され、現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時刻の範囲内か否かが確認される(ステップS4)。そして、現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時刻の範囲内である場合(ステップS4でYES)、居住者は就寝中や出勤中などで応答できない可能性が高く、応答の有無と居住者の安否とは無関係である可能性が高いので、応答判定部413は、応答判定を行うことなく再びステップS2へ移行する。
一方、現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時刻の範囲外である場合(ステップS4でNO)、応答判定部413は、応答判定を行うべくステップS5へ移行する。
ステップS5において、応答判定部413によって、スピーカ43による呼び出し報知が実行されたときから監視時間Tw以内に居住者の応答が受け付けられたか否かが確認される(ステップS5)。そして、呼び出し報知が実行されたときから監視時間Tw以内に居住者の応答が受け付けられた場合(ステップS5でYES)、居住者が応答できないような健康上の異常は生じていないと考えられるので、計数部415によって計数値CTが0に初期化され(ステップS6)、ステップS2へ移行する。
一方、呼び出し報知が実行されたとき(ステップS2でYES)から監視時間Tw以内に居住者の応答が受け付けられなかった場合(ステップS5でNO)、居住者に応答できないような健康上の異常が生じている可能性があると考えられるので、計数部415によって計数値CTが一つ加算される(ステップS7)。
居住者が呼び出しに応答できなかったのが1回であれば、例えば入浴中であったとか、トイレに入っていたといった、安否(健康)とは無関係な理由で応答できなかった可能性がある。しかしながら、連続して複数回、居住者が呼び出しに応答できなかった場合、例えば立ち上がれない、歩けない、意識が無い等の健康上の異常が居住者に生じている可能性が高い。
そこで、次に、ステップS8において、判定部416によって、計数値CTと判定回数Cjとが比較される(ステップS8)。そして、計数値CTが判定回数Cj以下の場合(ステップS8でNO)、健康上の異常が居住者に生じている可能性は低いと考えられるので、判定部416は、安否異常を報知することなくステップS2へ移行する。
一方、計数値CTが判定回数Cjを超える場合(ステップS8でYES)、健康上の異常が居住者に生じている可能性が高いと考えられるので、判定部416は、安否異常を報知するべくステップS9へ移行する。
判定回数Cjの値が小さいほど、居住者の健康に異常が生じた場合に異常の発生が早い応答機会に判断され、居住者の健康に異常が生じてから異常が報知されるまでの遅れが短縮されるメリットがある。一方、判定回数Cjの値が小さいほど、健康上の異常とは無関係な事情で居住者が応答できなかった場合に誤って異常を報知してしまういわゆる誤報がなされるおそれが増大するデメリットがある。
判定回数Cjは、このようなメリットとデメリットとを考慮して適宜設定すればよい。判定回数Cjは、このようにして予め設定されていてもよく、居住者や管理者等が、例えばインターホン子機4のキーボード45を操作して判定回数Cjを入力設定するようにしてもよい。
ステップS9において、異常報知部417によって、安否の異常を報知するべく安否の異常を示す安否異常信号が、通信I/F49を介して管理装置5へ送信される(ステップS9)。そうすると、管理装置5によって安否異常信号が受信され、通報部505によって当該住戸に対応して異常の発生が例えばネットワーク7や電話回線を介して予め設定された連絡先に通報される。
以上、ステップS1〜S9の処理によれば、居住者の安否に異常が生じた場合、例えば親族や知人などの予め設定された連絡先に自動的に連絡されるので、例えば独居高齢者世帯等で居住者が健康を害した場合であっても、親族などが居住者を助けることが可能になる。また、背景技術に記載のように、人の安否を検知するために高価な焦電素子を用いる必要がないため、人の安否を検知するためのコストを低減することができる。
また、ステップS3の処理によれば、当該住戸の居住者が不在のときに来訪者の呼び出しがあった場合であっても、ステップS7で計数値CTが計数されることがないので、誤って計数値CTが計数されて誤報が報知されるおそれが低減される。また、ステップS4の処理によれば、就寝や外出等により居住者が応答できない時刻範囲を予め時刻範囲設定情報として設定しておくことにより、居住者が応答できない時間帯に来訪者の呼び出しがあった場合であっても、ステップS7で計数値CTが計数されることがないので、誤って計数値CTが計数されて誤報が報知されるおそれが低減される。
なお、入出管理部504や在宅情報取得部411を備えず、ステップS3を実行しない構成としてもよい。また、時刻範囲設定部412を備えず、ステップS4を実行しない構成としてもよい。また、例えば図4に示すように、ステップS3,S4をステップS5でNOの場合に実行することで、計数部415は、在宅情報取得部411によって取得された当該住戸の在宅情報が不在中を示すとき、及び/又は現在時刻が時刻範囲設定情報で示される時間範囲内であるときに計数値CTの計数を実行しない構成としてもよい。
また、インターホン親機6が、集合住宅2の各住戸で共用され、共用ゲート233の外側に配設される例を示したが、インターホン親機6は、各住戸にそれぞれ対応して、各住戸の入口扉3の外側に配設されていてもよい。また、安否確認システム1が、集合住宅2に設けられている例を示したが、安否確認システム1は、集合住宅に設けられる例に限らず、戸建て住宅に設けられていてもよい。これらの場合、インターホン親機6は、キーボード62を備えていなくてもよい。そして、インターホン親機6は、呼出釦63が押下されたとき、呼出要求信号を送信するようにしてもよい。
また、管理装置5を備えていなくてもよい。また、インターホン親機6が、管理装置5を含んでいてもよい。あるいは、在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、異常報知部417、及び記憶部419のうち少なくとも一部を、インターホン子機4ではなく管理装置5又はインターホン親機6に備えてもよい。また、インターホン子機4は、住戸内に固定的に配設されている例に限らない。例えば、居住者の携帯電話機やスマートフォンと称される携帯型通信装置(移動体通信端末装置)をインターホン子機4として用いてもよい。その場合、制御プログラムをアプリとして携帯型通信装置で実行させるようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る安否確認システム1aについて説明する。安否確認システム1aは、安否確認システム1と同様、図1によって示される。安否確認システム1aは、安否確認システム1とは、インターホン子機が、移動体通信端末装置であるスマートフォン4aによって構成される点で異なる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る安否確認システム1aの構成を大略的に示すブロック図である。図5に示す安否確認システム1aは、インターホンシステム10と、スマートフォン4aとを含む。インターホンシステム10は、インターホン親機6aと、管理装置5aとを含む。インターホン親機6aと、管理装置5aとは、それぞれネットワーク7と接続されている。ネットワーク7には、電話会社等の移動体通信業者が運営する移動体通信基地局8が接続されている。これにより、インターホン親機6aは、ネットワーク7と、移動体通信業者によって運営される移動体通信網とを介してスマートフォン4aとデータ送受信可能にされている。
スマートフォン4aは、住戸101,102,103にそれぞれ対応するインターホン子機として設けられている。なお、インターホン子機は、移動体通信を行う携帯型の無線通信装置であればよく、例えば携帯電話機やタブレット端末装置等の移動体通信端末装置であってもよい。
図6は、図5に示すスマートフォン4aの電気的構成の一例を示すブロック図である。図7は、図5に示すインターホン親機6aの電気的構成の一例を示すブロック図である。図8は、図5に示す管理装置5aの電気的構成の一例を示すブロック図である。図9、図10は、図5に示すスマートフォン4aの主に表示画面を説明するための外観図である。
図5〜図8に示す安否確認システム1aは、図2に示す安否確認システム1とは、以下の点で異なる。すなわち、図6に示すインターホン子機であるスマートフォン4aは、インターホン子機4と異なり、制御部41の代わりに制御部41aを備え、通信I/F49の代わりに移動体無線通信回路49aを備え、表示器42及びキーボード45の代わりにタッチパネルディスプレイ51を備えている。また、応答釦46、解錠釦47は、タッチパネルディスプレイ51にボタンとして表示されるようになっている。
制御部41aは、例えば所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、所定のプログラムを記憶する例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子、RTC、タイマ回路、及びその周辺回路等を備えて構成されている。制御部41aは、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子に記憶されたプログラムを実行することにより、子機処理部420として機能する。プログラムは、例えばネットワーク7に接続された図略のサーバ装置に記憶されており、スマートフォン4aは、例えば、そのプログラムをいわゆるアプリとしてダウンロードすることで、インターホン子機として動作可能にされている。
移動体無線通信回路49aは、移動体通信を実行する無線通信回路である。スマートフォン4aは、移動体無線通信回路49aによって、移動体通信基地局8と無線通信を実行することで移動体通信網に接続され、移動体通信網やネットワーク7を介してインターホン親機6aや管理装置5aとデータ送受信可能にされている。以下、スマートフォン4a又は子機処理部420が、インターホン親機6a又は管理装置5aとデータを送受信する処理について、説明を簡略化するため、移動体通信網、ネットワーク7、及び移動体無線通信回路49aの記載を省略する場合がある。
制御部41aは、制御部41とは異なり、在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、計数部415、判定部416、異常報知部417、解錠処理部418、及び記憶部419の各構成を備えず、これらの構成が図8に示す管理装置5aに設けられている。
子機処理部420は、移動体無線通信回路49aによって呼出要求が受信された場合、タッチパネルディスプレイ51によって、図9に示す着信画面G1を表示させる。着信画面G1には、応答釦46と、拒否釦53(応答受付部)と、後述するインターホン親機6aのカメラ67で撮像された来訪者の撮影画像52とが含まれている。
子機処理部420は、インターホン親機6aから、カメラ67で撮像された来訪者の撮影画像52やマイク65で取得された音声信号を受信し、撮影画像52をタッチパネルディスプレイ51に表示させたり、音声をスピーカ43から出力させたりする。また、子機処理部420は、居住者によるタッチパネルディスプレイ51のタッチ操作に応じてタッチパネルディスプレイ51の表示画面を変更したり、そのタッチ操作を示す情報、例えばタッチされた釦を示す情報を管理装置5aへ送信したり、マイク44で取得された音声信号をインターホン親機6aへ送信したりする。
図7に示すインターホン親機6aは、図2に示すインターホン親機6とは、来訪者を撮影するカメラ67をさらに備える点で異なる。カメラ67は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子や、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子等を用いて構成されている。また、インターホン親機6aは、ネットワーク7を介して管理装置5aと通信を実行する点、及びネットワーク7と移動体通信網とを介してスマートフォン4aと通信を実行する点で異なる。
インターホン親機6aは、制御部60を含む。制御部60は、例えば所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、所定のプログラムを記憶する例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子、及びその周辺回路等を備えて構成されている。制御部60は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子に記憶されたプログラムを実行することにより、呼出制御部601、及び親機処理部602として機能する。
なお、表示部61及びキーボード62を、タッチパネルディスプレイによって一体に構成してもよい。また、インターホン親機6aは、例えばタブレット端末と称される情報端末装置を用いて構成されていてもよい。
呼出制御部601は、キーボード62で訪問先の部屋番号が入力され、呼出釦63が押下され、すなわち部屋番号が受け付けられた場合、その受け付けられた部屋番号を宛先に指定して、居住者の呼び出しを要求する呼出要求を管理装置5aへ送信する。
親機処理部602は、マイク65で取得された音声信号をスマートフォン4aへ送信したり、カメラ67で撮影された訪問者の画像データをスマートフォン4aへ送信したりする。また、親機処理部602は、スマートフォン4aから音声信号を受信し、スピーカ64から出力させたりする。これにより、親機処理部602は、スマートフォン4aとインターホン親機6aとの間で通話可能とし、スマートフォン4aとインターホン親機6aとをインターホンとして機能させる。
スマートフォン4aとインターホン親機6aとは、例えばIP(Internet Protocol)電話として機能するようにしてもよい。スマートフォン4aとインターホン親機6aとの間で通話及び画像の送受信を行う手段としては、種々の通信方式を用いることができ、例えばSIP(Session Initiation Protocol)を用いることができる。
図8に示す管理装置5aは、管理装置5とは、以下の点で異なる。すなわち、管理装置5aは、例えばHDD装置に記憶された制御プログラムを実行することによって、さらに、在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、計数部415、判定部416、異常報知部417、解錠処理部418、アクセス情報取得部701、及び移動体アクセス処理部702として機能する。また、管理装置5aは、例えばHDD装置やRAM等から構成された記憶部419及びアクセス情報記憶部703をさらに備える。
アクセス情報記憶部703には、各部屋番号を示す情報と、その各部屋番号の住居と対応するスマートフォン4aにアクセスするためのアクセス情報とが予め対応づけて記憶されている。アクセス情報としては、例えば電話番号やアドレスなどの情報を用いることができる。
アクセス情報取得部701は、インターホン親機6aの呼出制御部601から送信された呼出要求を受信した場合、その送信された呼出要求の宛先に指定された部屋番号に対してアクセス情報記憶部703によって対応づけて記憶されたアクセス情報を取得する。
移動体アクセス処理部702は、アクセス情報取得部701によって取得されたアクセス情報を用いて、インターホン親機6aの呼出制御部601から送信された呼出要求を、移動体通信網を介してスマートフォン4aへ送信する。また、移動体アクセス処理部702は、例えばSIPサーバとしての処理を実行することによって、スマートフォン4aと親機処理部602との間で、SIPによる通話及び画像の送受信を直接実行させるようにしてもよい。
移動体アクセス処理部702によれば、インターホン親機6aの呼出制御部601から送信された呼出要求は、移動体通信網を介してスマートフォン4aへ送信される。すなわち、呼出制御部601は、呼出要求を、移動体通信網を介してスマートフォン4aへ送信する。
アクセス情報記憶部703、アクセス情報取得部701、及び移動体アクセス処理部702を備えることによって、訪問者がインターホン親機6aに部屋番号を入力することで、その部屋番号の住居に対応したスマートフォン4aを、インターホン子機として機能させることが可能となる。
在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、計数部415、判定部416、異常報知部417、解錠処理部418、及び記憶部419の各構成は、配置されている場所が異なることに伴う処理の違いを除いて、安否確認システム1における各構成と同様に動作する。具体的には、在宅情報取得部411は、在宅情報を記憶部506から読み出すことにより取得する。時刻範囲設定部412は、例えば居住者がタッチパネルディスプレイ51を操作して入力した時刻範囲の設定を、スマートフォン4aから受信することにより受け付ける。
応答判定部413は、インターホン親機6aから送信された呼出要求が管理装置5aで受信されたとき、又は管理装置5aからスマートフォン4aへの呼出要求の送信等を監視することにより、呼び出し報知のタイミングを間接的に検出することができる。また、応答判定部413は、スマートフォン4aから、タッチ操作を示す情報を受信することにより、スマートフォン4aで居住者の応答が受け付けられたことを検出することができる。この場合、タッチ操作を示す情報としては、例えば、応答釦46、拒否釦53、解錠釦47、及び終了釦54がタッチされたことを示す情報を用いることができる。
異常報知部417は、安否異常信号を、通信I/F49を介することなく通報部505へ通知する。解錠処理部418は、スマートフォン4aから、解錠釦47のタッチ操作を示す情報を受信したとき、解錠指示信号を共用ゲート開閉処理部502へ出力する。
安否確認システム1aの安否確認に関する動作は、上述の各構成の配置されている場所の差異に伴う処理の違いを除いて、図3、図4に示すフローチャートと同様であるのでその説明を省略する。
図11は、図5に示す安否確認システム1aにおける、インターホン親機6aからスマートフォン4aへの呼出要求処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す動作は、図3又は図4に示すフローチャートと並行して実行される。
まず、来訪者が、エントランス23でインターホン親機6aを操作し、キーボード62によって宛先の住戸の部屋番号を入力し、呼出釦63を押下すると、キーボード62によって宛先の部屋番号が受け付けられる(ステップS11でYES)。キーボード62で宛先の部屋番号が受け付けられると、呼出制御部601によって、その受け付けられた部屋番号を宛先に指定して、呼出要求が管理装置5aへ送信される(ステップS12)。
次に、管理装置5aで呼出要求が受信されると、アクセス情報取得部701によって、その呼出要求の宛先に指定された部屋番号に対してアクセス情報記憶部703によって対応づけて記憶されたアクセス情報が取得される(ステップS13)。
次に、移動体アクセス処理部702によって、アクセス情報取得部701で取得されたアクセス情報を用いて、移動体通信網を介してのスマートフォン4aへのアクセスが実行され、例えばSIPによりインターホン親機6aと宛先のスマートフォン4aとが通信可能に通信接続される(ステップS14)。
次に、移動体アクセス処理部702によって、宛先の部屋番号に対応するスマートフォン4aへ呼出要求が送信される。また、インターホン親機6aの親機処理部602によって、宛先の部屋番号に対応するスマートフォン4aへ、カメラ67で撮影された来訪者の撮影画像52が送信される(ステップS15)。
アクセス情報記憶部703、アクセス情報取得部701、及び移動体アクセス処理部702を備え、ステップS11〜S15を実行することによって、来訪者がインターホン親機6aに部屋番号を入力することで、その部屋番号の住居に対応したスマートフォン4aを、インターホン子機として機能させることが可能となる。
次に、スマートフォン4aでは、移動体無線通信回路49aによって、移動体アクセス処理部702から移動体通信網を介して呼出要求が受信されたとき、子機処理部420によって、タッチパネルディスプレイ51に図9に示す着信画面G1が表示される。また、子機処理部420は、インターホン親機6aから送信された撮影画像52を着信画面G1に表示させる。
着信画面G1で、居住者が応答釦46にタッチすると、子機処理部420は、タッチパネルディスプレイ51の表示を図10に示す通話中画面G2に切り替えると共に、応答釦46がタッチされたことを示す情報を、ユーザの応答を示す情報として管理装置5aへ送信する。通話中画面G2には、解錠釦47(応答受付部)と終了釦54(応答受付部)とが含まれている。
一方、着信画面G1で、居住者が拒否釦53にタッチすると、子機処理部420は、拒否釦53がタッチされたことを示す情報を、ユーザの応答を示す情報として管理装置5aへ送信し、インターホン子機としての処理を終了する。なお、居住者の誤操作を防止するため、子機処理部420は、拒否釦53がタッチされた場合、拒否操作の確認画面をタッチパネルディスプレイ51に表示するようにしてもよい。
他方、管理装置5aでは、スマートフォン4aから、応答釦46がタッチされたことを示す情報が受信されると(ステップS16でYES)、例えば、移動体アクセス処理部702によって、SIPを用いてインターホン親機6aとスマートフォン4aとが音声通話可能にされる。これにより、インターホン親機6aのスピーカ64、マイク65と、スマートフォン4aのスピーカ43、マイク44とを用いて居住者と来訪者とが、音声通話可能とされる。
さらに、居住者が、通話中画面G2において解錠釦47にタッチすると、子機処理部420は、解錠釦47がタッチされたことを示す情報を、ユーザの応答を示す情報として管理装置5aへ送信する。一方、居住者が、通話中画面G2において終了釦54にタッチすると、子機処理部420は、終了釦54がタッチされたことを示す情報を、ユーザの応答を示す情報として管理装置5aへ送信し、インターホン子機としての処理を終了する。
そして、管理装置5aでは、スマートフォン4aから、解錠釦47がタッチされたことを示す情報が受信されると(ステップS19でYES)、解錠処理部418によって、解錠指示信号が共用ゲート開閉処理部502へ出力され、共用ゲート開閉処理部502によって、予め設定された開放時間、共用ゲート233が開かれた後、共用ゲート233が閉じられ(ステップS20)、ステップS21へ移行する。
一方、解錠釦47がタッチされたことを示す情報が受信されなければ(ステップS19でNO)、ステップS21へ移行する。
ステップS21では、管理装置5aで、スマートフォン4aから、終了釦54がタッチされたことを示す情報が受信されると(ステップS21でYES)、処理を終了する一方、終了釦54がタッチされたことを示す情報が受信されなければ(ステップS21でNO)、再びステップS19〜S21が繰り返される。
一方、ステップS16において、管理装置5aで、スマートフォン4aから、応答釦46がタッチされたことを示す情報が受信されなければ(ステップS16でNO)、ステップS17へ移行する。ステップS17では、管理装置5aで、スマートフォン4aから、拒否釦53がタッチされたことを示す情報が受信されると(ステップS17でYES)、処理を終了する一方、拒否釦53がタッチされたことを示す情報が受信されなければ(ステップS17でNO)、再びステップS16〜S17が繰り返される。
以上、ステップS11〜S21の処理によれば、居住者が所有しているスマートフォンや携帯電話機などの移動体通信端末装置を、インターホン子機として用いることができる。これにより、専用のインターホン子機を設ける必要が無いので、インターホンのコストを低減することができる。
また、もし仮に、インターホン子機が部屋に固定的に取り付けられていた場合には、居住者がインターホン子機とは別の部屋にいたとき、呼び出しに気付かずに応答しないおそれがある。この場合、安否確認の判定精度が低下する。一方、安否確認システム1aによれば、居住者は、自分のスマートフォン4aを身に付けることができるので、居住者がどの部屋にいても、応答することができる。その結果、安否確認の判定精度が向上する。従って、インターホン親機6a、アクセス情報取得部701、移動体アクセス処理部702、及びアクセス情報記憶部703を備え、スマートフォン4aをインターホン子機として用いるインターホンシステム10は、安否確認システム1,1aに適している。
また、安否確認システム1aによれば、居住者は、自分のスマートフォン4aを身に付けて外出することができるので、外出中であっても、来訪者に対してスマートフォン4aによって応答することができる。これにより、留守中であることが来訪者に知られることがないので、防犯上好ましい。また、外出中に居住者が来訪者に応答できるので、居住者及び来訪者の利便性が向上する。
安否確認システム1aによれば、居住者が、自分のスマートフォン4aを身に付けて外出することができる点に鑑みて、入出管理部504や在宅情報取得部411を備えず、ステップS3を実行しない構成としてもよい。これにより、居住者の外出中を含めて、安否確認を行うことが可能となる。
なお、アクセス情報取得部701、移動体アクセス処理部702、及びアクセス情報記憶部703は、インターホン親機6aに設けられていてもよい。また、在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、計数部415、判定部416、異常報知部417、解錠処理部418、及び記憶部419のうち、少なくとも一部がスマートフォン4a又はインターホン親機6aに設けられていてもよい。また、認証処理部501、共用ゲート開閉処理部502、住居情報取得部503、入出管理部504、通報部505、及び記憶部506のうち、少なくとも一部がインターホン親機6aに設けられていてもよい。また、インターホン親機6aと管理装置5aとが一体に構成されていてもよい。
また、管理装置5aは、認証処理部501、共用ゲート開閉処理部502、住居情報取得部503、入出管理部504、通報部505、記憶部506、在宅情報取得部411、時刻範囲設定部412、応答判定部413、安否判定部414、計数部415、判定部416、異常報知部417、解錠処理部418、及び記憶部419を備えず、インターホンシステム10は、安否確認機能を有さないインターホンシステムとして構成されていてもよい。また、管理装置5aを備えず、アクセス情報取得部701、移動体アクセス処理部702、及びアクセス情報記憶部703を、インターホン親機6aが備え、インターホン親機6a単体でインターホンシステム10が構成されていてもよい。
また、インターホン親機6aは、インターホン親機6と同様、各住戸にそれぞれ対応して各住戸の入口扉3の外側に配設されていてもよく、戸建て住宅に設けられていてもよい。これらの場合、インターホン親機6aは、キーボード62を備えていなくてもよく、呼出釦63が押下されたとき、呼出要求信号が呼出制御部601へ送信されるようにしてもよい。この場合、呼出釦63は、呼出要求受付部の一例に相当する。
安否確認機能を有さないインターホンシステムとして構成されたインターホンシステム10は、居住者が自分のスマートフォン4aをインターホン子機として用いることができるので、専用のインターホン子機を設ける場合と比べてコストを低減することができる。また、自分のスマートフォン4aを身に付けて外出することができるので、外出中であっても、来訪者に対してスマートフォン4aによって応答することができる。これにより、留守中であることが来訪者に知られることがないので、防犯上好ましい。また、外出中に居住者が来訪者に応答できるので、居住者及び来訪者の利便性が向上する。そして、このようなインターホンシステム10は、安否確認システム1,1aに適用した場合、上述したように安否確認の判定精度を向上することができるので、安否確認システム1,1a用のインターホンシステムとして好適である。