以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る集合住宅用通話管理システム1の構成の一例を説明するためのブロック図である。
図1に示す集合住宅用通話管理システム1は、集合住宅に居住している居住者が所有しているスマートフォン21,22(第一無線通信端末)と、集合住宅への訪問者が所有しているスマートフォン3(第二無線通信端末)とを、いわゆるインターホンの代わりに用いて居住者と訪問者とが通話可能にするシステムである。集合住宅用通話管理システム1は、管理装置7と、近距離無線通信回路73とを備えている。
管理装置7は、ネットワーク4及び共用ゲート6と接続されている。ネットワーク4は、インターネットや公衆通信回線等の通信ネットワークである。ネットワーク4には、移動体通信基地局5が接続されている。移動体通信基地局5は、移動体通信事業者が運営する移動体通信のための無線通信基地局である。これにより、管理装置7は、ネットワーク4と移動体通信基地局5とを介してスマートフォン21,22,3とデータ送受信可能にされている。
共用ゲート6は、複数の住戸で共用される、集合住宅の扉で有り、例えば玄関扉や裏口の扉である。共用ゲート6には、図略の電気錠と駆動部とが取り付けられている。電気錠は、管理装置7からの制御信号に基づき共用ゲート6を施錠したり解錠したりする。駆動部は、管理装置7からの制御信号に基づき共用ゲート6を駆動し、共用ゲート6を開閉する。
スマートフォン21は、例えば101号室(部屋番号101)の居住者が所有しているスマートフォンである。スマートフォン22は、例えば102号室(部屋番号102)の居住者が所有しているスマートフォンである。なお、記載を簡潔にするため、図1には部屋番号101,102に対応するスマートフォン21,22しか記載していないが、集合住宅の各住戸に対応して、その居住者がそれぞれスマートフォンを所有している。
図2は、図1に示すスマートフォン21の構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン22は、付与されている電話番号やアドレス等のアクセス情報が異なる点を除いて、スマートフォン21と同様に構成されているのでその説明を省略する。図2に示すスマートフォン21は、制御部201、タッチパネルディスプレイ202、スピーカ203、マイク204、アウトカメラ205、インカメラ206、及び移動体無線通信回路207を備えている。
タッチパネルディスプレイ202は、例えば液晶表示器や有機EL(ElectroLuminescence)表示素子等の表示装置と、ユーザのタッチ位置を検出するタッチパネルとが一体にされて構成されている。
アウトカメラ205及びインカメラ206は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて構成された撮像装置である。
移動体無線通信回路207は、移動体通信事業者が運営する移動体通信基地局5と無線通信によって通信するための無線通信回路である。これにより、スマートフォン21は、移動体通信事業者が運営する移動体通信網に無線通信によって通信接続し、移動体通信基地局5を介してスマートフォン3や、ネットワーク4、及びネットワーク4に接続された管理装置7とデータ送受信可能にされている。以下、記載を簡素化するため、移動体通信基地局5やネットワーク4を介して通信を行う場合、移動体通信基地局5やネットワーク4の記載を省略することがある。また、下記では記載を省略しているが、スマートフォン21,22,3及び管理装置7が相互に通信を実行する際には、互いを識別するための識別情報を相互に送受信している。
制御部201は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、所定のプログラムを記憶する例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子、RTC(Real Time Clock)、タイマ回路、及びその周辺回路等を備えて構成されている。
制御部201は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子に記憶されたプログラムを実行することにより、プログラムダウンロード処理部216(第一プログラムダウンロード処理部)として機能する。また、制御部201は、プログラムダウンロード処理部216によって、いわゆるアプリとしてダウンロードされた第一プログラムを実行することにより、端末処理部211、解錠指示受付部212、解錠要求部213、設定指示受付部214、及び設定指示送信部215として機能する。
端末処理部211は、移動体無線通信回路207を制御して、移動体通信基地局5を介してスマートフォン3や管理装置7と通信を行うための通信処理を実行する。また、端末処理部211は、訪問者のスマートフォン3から送信された音声を居住者のスマートフォン21のスピーカ203から出力させたり、スマートフォン21のマイク204で集音された居住者の音声を訪問者のスマートフォン3へ送信したり、訪問者のスマートフォン3から送信された訪問者の画像を居住者のスマートフォン21のタッチパネルディスプレイ202に表示させたりする。
解錠指示受付部212は、管理装置7によってスマートフォン21がスマートフォン3と通話可能にされたとき、共用ゲート6の解錠を指示する解錠指示ボタンをタッチパネルディスプレイ202に表示させる。そして、解錠指示受付部212は、ユーザによって解錠指示ボタンがタッチされたとき、ユーザ(この場合101号室の居住者)からの解錠指示を受け付ける。
解錠要求部213は、解錠指示受付部212によって解錠指示が受け付けられたとき、移動体無線通信回路207から管理装置7へ、共用ゲート6の解錠を要求する解錠要求を送信させる。この場合、解錠指示受付部212によって解錠指示が受け付けられたときは、すなわち管理装置7によってスマートフォン21がスマートフォン3と通話可能にされているのであるから、解錠要求部213は、管理装置7によってスマートフォン21がスマートフォン3と通話可能にされ、かつ解錠指示受付部212によって解錠指示が受け付けられたときに、解錠要求を送信することになる。
なお、解錠指示受付部212は、管理装置7によってスマートフォン21がスマートフォン3と通話可能にされたときに、解錠指示ボタンをタッチパネルディスプレイ202に表示させる例に限らない。解錠指示受付部212は、予め解錠指示ボタンをタッチパネルディスプレイ202に表示させておいてもよく、あるいは解錠指示ボタンをハードウェアキーとして備えていてもよい。この場合、解錠要求部213が、管理装置7によってスマートフォン21がスマートフォン3と通話可能にされているか判断し、通話可能にされていた場合に、かつ解錠指示受付部212によって解錠指示が受け付けられたときに、解錠要求を送信するようにしてもよい。
設定指示受付部214は、管理装置7によってスマートフォン21がスマートフォン3と通話可能にされたとき、そのスマートフォン3に対して、再び通話可能にすることができる期間を所定の制限期間内に制限するか否かを設定するための設定指示を、居住者から受け付ける。
具体的には、設定指示受付部214は、再び通話可能にすることができる期間を制限期間内に制限しないことを指示する無期限設定ボタンをタッチパネルディスプレイ202に表示させる。そして、設定指示受付部214は、無期限設定ボタンがタッチされたとき、無期限設定の設定指示を受け付ける。
設定指示送信部215は、設定指示受付部214によって無期限設定の設定指示が受け付けられたとき、その設定指示を、スマートフォン3へ送信する。
プログラムダウンロード処理部216は、予め第一プログラムが記憶されたプログラムダウンロード用サーバにアクセスし、上述の第一プログラムをスマートフォン21にダウンロードする。プログラムダウンロード用サーバとしては、例えばApp Store(登録商標)やGoogle PLAY(Googleは登録商標)等の名称で知られているサーバを用いることができる。これにより、汎用的ないわゆるスマートフォンを、スマートフォン21として用いることが可能となる。
プログラムダウンロード処理部216は、例えば、プログラムダウンロード用サーバのアドレスやダウンロードしようとするプログラム(アプリ)を示す画像情報を、アウトカメラ205によって読み取らせることにより、その画像情報で示されたプログラムをスマートフォン21にダウンロードできるようになっている。画像情報としては、例えば二次元バーコードを用いることができる。
居住者は、例えば集合住宅の管理者から渡された二次元バーコードをアウトカメラ205によって読み取らせることにより、上述の第一プログラムをスマートフォン21にダウンロードできるようになっている。これにより、第一プログラムをスマートフォン21にダウンロードする際のユーザの利便性が向上する。
図3は、図1に示すスマートフォン3の構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン3は、スマートフォン21,22とは、付与されている電話番号やアドレス等のアクセス情報が異なる。また、スマートフォン3は、スマートフォン21,22とは、近距離無線通信回路302(端末側近距離通信部)を備える点、及び制御部301の構成が異なる。
近距離無線通信回路302は、例えば通信距離が10m以下、より好ましくは3m以下の近距離無線通信を行う無線通信回路である。近距離無線通信回路302としては、例えばNFC(Near field radio communication:登録商標)、Bluetooth(登録商標)、IrDa(Infrared Data Association)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等、種々の通信方式を用いることができる。
制御部301は、例えば所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、所定のプログラムやデータを記憶する例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部、RTC、タイマ回路、及びその周辺回路等を備えて構成されている。記憶部は、制限設定記憶部317及び呼出情報記憶部318としても用いられる。
制御部301は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子に記憶されたプログラムを実行することにより、プログラムダウンロード処理部316(第二プログラムダウンロード処理部)として機能する。プログラムダウンロード処理部316は、プログラムダウンロード処理部216と同様に構成されており、予め第二プログラムが記憶されたプログラムダウンロード用サーバにアクセスし、上述の第二プログラムをいわゆるアプリとしてスマートフォン3にダウンロードする。これにより、汎用的ないわゆるスマートフォンを、スマートフォン3として用いることが可能となる。
制御部301は、第二プログラムを実行することにより、端末処理部311、呼出情報受付部312、呼出情報送信部313、制限設定部314、及び通話制限処理部315として機能する点で、制御部201とは異なる。
例えば、集合住宅の共用ゲート6の外側にプログラムダウンロード用サーバのアドレスや第二プログラムを示す二次元バーコードを掲示しておき、訪問者は、二次元バーコードをスマートフォン3のアウトカメラ205によって読み取らせることにより、上述の第二プログラムをスマートフォン3にダウンロードできるようになっている。これにより、集合住宅を訪問した訪問者が、自分のスマートフォンに第二プログラムをダウンロードしてスマートフォン3として用いることが容易となる。
プログラムダウンロード処理部316は、第二プログラムをスマートフォン3にダウンロードした日時を示すダウンロード日時情報を制限設定記憶部317に記憶させる。その他の点では、スマートフォン3は、スマートフォン21,22と同様に構成されているのでその説明を省略する。
端末処理部311は、スマートフォン3の移動体無線通信回路207を制御して、移動体通信基地局5を介してスマートフォン21,22や管理装置7と通信を行うための通信処理を実行する。また、端末処理部311は、スマートフォン3の近距離無線通信回路302を制御して、近距離無線通信回路73を介して管理装置7と通信を行うための通信処理を実行する。
また、端末処理部311は、スマートフォン3のマイク204で集音された訪問者の音声を居住者のスマートフォン21へ送信したり、居住者のスマートフォン21から送信された音声を訪問者のスマートフォン3のスピーカ203から出力させたり、スマートフォン3のインカメラ206で撮像された訪問者の画像を居住者のスマートフォン21へ送信したりする。
呼出情報受付部312は、訪問先の住戸を呼び出すための呼出情報を、訪問者から受け付ける呼出情報受付処理を実行する。呼出情報としては、例えば訪問先の住戸の部屋番号や、その訪問先の住戸の居住者の名前などを用いることができる。なお、呼出情報は、訪問先の住戸を呼び出すために識別することができる情報であればよく、その住戸の部屋番号や居住者の名前に限らない。以下、住戸の部屋番号を呼出情報として用いる例について説明する。
呼出情報受付部312は、呼出情報受付処理として、例えば訪問先の部屋番号を入力するための呼出情報入力画面をスマートフォン3のタッチパネルディスプレイ202に表示させる(図6)。具体的には、呼出情報受付部312は、例えば、部屋番号を入力するためのテンキーK1と、居住者を呼び出すための呼出ボタンB1とを、呼出情報入力画面G1としてタッチパネルディスプレイ202に表示させる。そして、呼出情報受付部312は、呼出情報受付処理として、訪問者がテンキーK1をタッチして部屋番号を入力し、呼出ボタンB1をタッチすると、テンキーK1で入力された部屋番号と、居住者を呼び出す呼出指示とを受け付ける。
呼出情報送信部313は、呼出情報受付部312によって受け付けられた部屋番号と、呼出指示とを近距離無線通信回路302から管理装置7へ送信させる呼出情報送信処理を実行する。また、呼出情報送信部313は、呼出情報送信処理を実行する場合に、その呼出情報送信処理により送信される呼出情報を呼出情報記憶部318に記憶させ、スマートフォン3のタッチパネルディスプレイ202に再呼出ボタンのアイコンを表示させる。そして、呼出情報送信部313は、再呼出ボタンがタッチされたとき、呼出情報記憶部318から前回送信された呼出情報を読み出して送信する再呼出処理を実行する。この場合、再呼出ボタンが再送指示受付部の一例に相当する。
なお、再送指示受付部は、必ずしもタッチパネルディスプレイのアイコンでなくてもよく、固定的な操作スイッチであってもよい。また、呼出情報送信部313は、必ずしも再呼出処理を実行する必要はなく、呼出情報記憶部318が設けられていなくてもよい。
制限設定部314は、設定指示送信部215から送信された設定指示に基づいて、居住者が訪問者のスマートフォン3に対し、無期限で居住者のスマートフォンと通話可能にするための無期限設定と、居住者のスマートフォンと通話可能にできる期間を制限する期間制限設定とのうちいずれかを、制限設定として制限設定記憶部317に記憶させる。
具体的には、制限設定部314は、居住者のスマートフォンと通話可能にできる期間を、例えば第二プログラムがダウンロードされたのと同日の期間に制限する期間制限設定(期間制限モード)を制限設定の初期値として制限設定記憶部317に記憶させる。また、制限設定部314は、スマートフォン3で無期限設定の設定指示が受信されたとき、制限設定記憶部317に記憶されている制限設定を無期限設定(無期限モード)に変更する。
なお、設定指示受付部214が無期限設定の設定指示を受け付け、制限設定部314は、制限設定の初期値として予め期間制限設定を記憶させておき、設定指示に応じて無期限設定に変更することで、無期限設定と期間制限設定とのうちいずれかを制限設定記憶部317に記憶させる例を示したが、以下のようにしてもよい。
例えば、設定指示受付部214が期間制限設定の設定指示を受け付け、制限設定部314は、制限設定の初期値として予め無期限設定を記憶させておき、設定指示に応じて期間制限設定に変更することで、無期限設定と期間制限設定とのうちいずれかを制限設定記憶部317に記憶させてもよい。あるいは、設定指示受付部214が期間制限設定及び無期限設定のいずれかを選択的に受け付け、制限設定部314は、設定指示に応じて期間制限設定及び無期限設定のいずれかを制限設定記憶部317に記憶させてもよい。
通話制限処理部315は、制限設定記憶部317に記憶された制限設定が期間制限設定を示す場合、第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされてから予め設定された制限期間を経過したときにスマートフォン21とスマートフォン3との通話を禁止する。「制限設定が期間制限設定を示す場合」とは、必ずしも制限設定記憶部317に期間制限設定が記憶されている場合に限らない。例えば、制限設定記憶部317に無期限設定が記憶されていなければ、制限設定が期間制限設定を示しているものとしてもよい。
具体的には、通話制限処理部315は、制限設定記憶部317に記憶された制限設定が期間制限設定であったとき、制限設定記憶部317に記憶されたダウンロード日時情報と、RTCによって得られる現在日時とを参照し、ダウンロード日時情報で示される日時から現在日時が予め設定された制限期間を経過していないとき、スマートフォン21とスマートフォン3との通話を禁止しない。一方、通話制限処理部315は、ダウンロード日時情報で示される日時から現在日時が予め設定された制限期間経過していれば、スマートフォン21とスマートフォン3との通話を禁止する。制限期間としては、例えばダウンロード日時情報で示される日時と同じ日付の期間を設定することができる。
通話制限処理部315がスマートフォン21とスマートフォン3との通話を禁止する手段としては、例えば、呼出情報受付部312による上述の呼出情報受付処理の実行を禁止することが挙げられる。この場合、ダウンロード日時情報で示される日時から現在日時が予め設定された制限期間経過していれば、部屋番号が呼出情報受付部312によって受け付けられることがなく、従って、呼出情報送信部313は、呼出情報送信処理を実行しないので、後述する通話処理部712が通話可能化処理を実行することもなく、スマートフォン21とスマートフォン3との通話が禁止されることになる。
図1を参照して、管理装置7には、近距離無線通信回路73と、共用ゲート6とが接続されている。近距離無線通信回路73は、スマートフォン3の近距離無線通信回路302と近距離無線通信を行う無線通信回路であり、近距離無線通信回路302と同様の近距離無線通信方式の無線通信回路である。近距離無線通信回路73は、近距離無線通信用のアンテナ731を備えている。
近距離無線通信回路73のアンテナ731は、集合住宅の入口近傍、例えば共用ゲート6の外側に配設されている。これにより、共用ゲート6の外側近傍に、近距離無線通信回路73と近距離無線通信回路302とが近距離無線通信により通信可能な近距離通信領域が設定されている。より具体的には、近距離通信領域は、例えば近距離無線通信回路73の出力強度や受信感度を適宜設定することにより、共用ゲート6からの距離が10m以下、より好ましくは3m以下の領域とされている。
あるいは、近距離無線通信回路73の通信距離を、例えば10cm以下程度とし、訪問者がスマートフォン3をアンテナ731にタッチ可能な位置にアンテナ731を設置し、アンテナ731付近に、訪問者に対してアンテナ731にスマートフォン3をタッチするよう促す案内表示を設置するようにしてもよい。
管理装置7は、例えばサーバ装置を用いて構成されている。管理装置7は、制御部71と、通信I/F部72とを備えている。通信I/F部72は、例えばネットワーク4に接続可能な通信インターフェイス回路である。
制御部71は、例えば所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、所定のプログラムやデータを記憶する例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部、RTC、タイマ回路、及びその周辺回路等を備えて構成されている。上述の記憶部は、アクセス情報記憶部714としても機能する。制御部71は、予め記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、アクセス情報取得部711、通話処理部712、及びゲート解錠部713として機能する。
アクセス情報記憶部714には、集合住宅の各住戸の部屋番号などの呼出情報と、各部屋の居住者が所有する第一無線通信端末にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けるルックアップテーブルが予め記憶されている。
アクセス情報取得部711は、スマートフォン3の呼出情報送信部313から、近距離無線通信回路73によって集合住宅の各住戸のうちいずれか一戸の呼出情報が受信されたとき、アクセス情報記憶部714に記憶されたルックアップテーブルによってその受信された呼出情報と対応付けられたアクセス情報を取得する。
通話処理部712は、アクセス情報取得部711によって取得されたアクセス情報を用いて、スマートフォン21とスマートフォン3とを通話可能にする通話可能化処理を実行する。具体的には、通話処理部712は、例えばIETF(Internet Engineering Task Force)によって標準化されたSIP(Session Initiation Protocol)や、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)によって標準化されたH.323等のプロトコルを用いて通話可能化処理を実行することができる。なお、例えばSIP等のプロトコルを実行するSIPサーバ等の通信プロトコル用サーバ装置を管理装置7とは別に設け、通話処理部712は、この通信プロトコル用サーバ装置にアクセスすることにより、通話可能化処理を実行させるようにしてもよい。
なお、通話可能化処理によりスマートフォン21とスマートフォン3とが通話又はデータ送受信を行う場合、スマートフォン21とスマートフォン3との通信のための処理を行う管理装置7やサーバ装置等が介在する場合があるが、以下の説明では記載を簡素化するため、単にスマートフォン21(22,23)とスマートフォン3とが通信、送受信、通話等を実行するように記載する場合がある。
ゲート解錠部713は、通信I/F部72によって、スマートフォン21,22から共用ゲート6の解錠を要求する解錠要求が受信されたとき、共用ゲート6の電気錠及び駆動部へ制御信号を出力し、電気錠を解錠させると共に、駆動部によって共用ゲート6を駆動させ、所定時間、例えば10秒間だけ共用ゲート6を開かせた後、共用ゲート6を閉じさせ、さらに電気錠を施錠させる。
なお、共用ゲート6は、駆動部を備えていなくてもよく、ゲート解錠部713は、電気錠の解錠のみ行い、訪問者が共用ゲート6を開閉する構成としてもよい。また、施錠とは、必ずしも電気錠によって共用ゲート6を施錠する例に限らない。例えば、電気錠を備えず、駆動部を停止状態にすることにより共用ゲート6が開かないようにすることも施錠の態様に含まれる。この場合、ゲート解錠部713は、駆動部によって共用ゲート6の施錠、解錠、及び開閉を行わせる構成としてもよい。言い換えると、共用ゲート6は、自動ドアであってもよく、その場合、自動ドアが閉じている状態が施錠を意味し、自動ドアが開いている状態が解錠を意味するものであってもよい。また、共用ゲート6は、手動ドアであってもよく、その場合、共用ゲート6の解錠、施錠は、共用ゲート6に取り付けられた錠の解錠、施錠であってもよい。
次に、上述の様に構成された集合住宅用通話管理システム1の動作について説明する。居住者のスマートフォン21,22には、予め第一プログラムがダウンロードされており、スマートフォン21,22は、端末処理部211、解錠指示受付部212、及び解錠要求部213として機能するようにされている。
集合住宅を訪問した訪問者が所有しているスマートフォン3には、当初は第二プログラムがダウンロードされておらず、従って、スマートフォン3は、初期の状態では端末処理部311、呼出情報受付部312、及び呼出情報送信部313として機能しない。
そこで、集合住宅の管理者は、例えば、集合住宅の共用ゲート6の外側に、訪問者から見やすいように、プログラムダウンロード用サーバのアドレスや第二プログラムを示す二次元バーコードと、この二次元バーコードをスマートフォン3のアウトカメラ205で撮像して第二プログラムをダウンロードするように案内する案内表示とを掲示しておく。このような案内表示を、上述の近距離通信領域に掲示しておくことにより、訪問者を近距離通信領域内に誘導することができる。
なお、必ずしも二次元バーコードをスマートフォン3で撮像して第二プログラムをダウンロードする例に限らない。例えば、訪問者が近距離通信領域に入ったときに、訪問者が所持するスマートフォン3に対し、近距離無線通信回路73から自動的に第二プログラムを送信するようにしてもよい。例えば、近距離通信領域にあるスマートフォン3に対し、近距離無線通信回路73からプッシュ通知により第二プログラムを送信するようにしてもよい。
第二プログラムは、各集合住宅に対応し、その第二プログラムがダウンロードされた集合住宅の住戸にのみアクセス可能にされていることが好ましい。例えば、集合住宅Aでダウンロードされた第二プログラムは集合住宅Aの住戸のみ呼出可能にされ、集合住宅Bでダウンロードされた第二プログラムは集合住宅Bの住戸のみ呼出可能にされていることが好ましい。
次に、訪問者が、案内表示に従って、この二次元バーコードをスマートフォン3のアウトカメラ205で撮像すると、プログラムダウンロード処理部316によって第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされる。その結果、スマートフォン3は、端末処理部311、呼出情報受付部312、及び呼出情報送信部313として動作可能となる。プログラムダウンロード処理部316は、第二プログラムをダウンロードすると、第二プログラムをダウンロードした日時をダウンロード日時情報として制限設定記憶部317に記憶させ、例えば居住者を呼び出すための呼び出しアプリを示すアイコンをスマートフォン3のタッチパネルディスプレイ202に表示させる。
図4、図5は、図1に示す集合住宅用通話管理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートにおいて、同一の処理には同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
まず、スマートフォン3において、通話制限処理部315は、制限設定記憶部317を参照し、制限設定を確認する(ステップS301)。そして、制限設定として期間制限設定が記憶されていれば、すなわち無期限設定が記憶されていなければ(ステップS301でNO)、処理をステップS302へ移行して現在が制限期間内か否かを確認する一方、制限設定として無期限設定が記憶されていれば(ステップS301でYES)、ステップS302を実行することなくステップS303の呼出情報受付処理へ移行する。
ステップS302において、通話制限処理部315は、制限設定記憶部317に記憶されたダウンロード日時情報と、RTCによって得られる現在日時とを参照し、ダウンロード日時情報で示される日付に対して現在日時が制限期間内のとき、例えば現在の日付と等しいとき(ステップS302でYES)、処理をステップS303に移行させる。ステップS303では、呼出情報受付部312によって呼出情報受付処理が実行され、ダウンロード日時情報で示される日付に対して現在日時が制限期間外であったとき(ステップS302でNO)、呼出情報受付処理が実行されることなく処理を終了する。
この場合、通話制限処理部315は、ダウンロード日時情報で示される日付に対して現在日時が制限期間外であったとき(ステップS302でNO)、すなわち第二プログラムがダウンロードされてから制限期間が経過したとき、呼出情報受付処理(ステップS303)が実行されず、従って通話も実行されないから、通話が禁止される。
図6は、呼出情報受付処理でタッチパネルディスプレイ202に表示される呼出情報入力画面の一例を示す説明図である。図6に示す呼出情報入力画面G1には、入力された部屋番号を表示する呼出情報入力欄G11と、訪問者が部屋番号を入力するためのテンキーK1と、呼出ボタンB1とが含まれている。
ステップS303の呼出情報受付処理において、呼出情報受付部312は、呼出情報入力画面G1をスマートフォン3のタッチパネルディスプレイ202に表示させ、部屋番号の入力を受け付ける(ステップS303)。呼出情報受付部312は、訪問者がテンキーK1をタッチして部屋番号を入力し、呼出ボタンB1をタッチすると(ステップS304でYES)、テンキーK1で入力された部屋番号と、居住者を呼び出す呼出指示を受け付ける。そして、呼出情報送信部313は、呼出情報受付部312によって受け付けられた部屋番号を示す呼出情報と、呼出指示とを近距離無線通信回路302から管理装置7へ送信させる呼出情報送信処理を実行する(ステップS305)。なお、呼出情報送信処理(ステップS305)では、必ずしも部屋番号と別に呼出指示を送信する必要はなく、部屋番号を、呼び出し指示として送信してもよい。
一方、管理装置7では、アクセス情報取得部711が、近距離無線通信回路73で呼出情報と呼出指示とが受信されたか否かを確認する(ステップS701)。そして、呼出情報と呼出指示とが受信されたとき(ステップS701でYES)、アクセス情報取得部711は、アクセス情報記憶部714を参照し、その呼出情報と対応付けられたアクセス情報を取得する(ステップS702)。
次に、通話処理部712は、例えばSIP等を用いて、通話可能化処理を実行する(ステップS703)。これにより、訪問者のスマートフォン3と、訪問先の居住者のスマートフォン21との間で、通話したり、スマートフォン3のインカメラ206で撮像された訪問者の画像データをスマートフォン21へ送信して表示させたりする等、互いにデータ送受信を行うことが可能にされる。
通話処理部712は、スマートフォン3の移動体無線通信回路207、移動体通信基地局5、及びスマートフォン21の移動体無線通信回路207を介してスマートフォン3と、スマートフォン21とを通話(データ送受信)可能にしてもよい。また、例えばスマートフォン21は、移動体無線通信回路207とは別にWiFi等の無線通信回路を備え、ネットワーク4にこの無線通信回路用の無線ルータ装置を接続し、通話処理部712は、スマートフォン3の近距離無線通信回路302、近距離無線通信回路73、通信I/F部72、ネットワーク4、上述の無線ルータ装置、及びスマートフォン21の上述の無線通信回路を介してスマートフォン3と、スマートフォン21とを通話(データ送受信)可能にしてもよい。
次に、図5を参照して、スマートフォン3において、端末処理部311は、インカメラ206で撮像された訪問者の画像を示す撮像データをスマートフォン21へ送信する(ステップS311)。
次に、スマートフォン21で撮像データが受信されると、端末処理部211及び設定指示受付部214によって、着信画面G2がタッチパネルディスプレイ202に表示される(ステップS201)。図7は、着信画面の一例を示す説明図である。図7に示す着信画面G2には、スマートフォン21から送信された撮影画像G21と、拒否ボタンB2と、応答ボタンB3と、無期限設定ボタンB4とが含まれている。
次に、設定指示受付部214によって、無期限設定ボタンB4がタッチされたか否かが確認される(ステップS202)。無期限設定ボタンB4がタッチされると(ステップS202でYES)、設定指示受付部214によって無期限設定の設定指示が受け付けられて、設定指示送信部215によって無期限設定の設定指示がスマートフォン3へ送信される(ステップS203)。一方、無期限設定ボタンB4がタッチされなければ(ステップS202でNO)、無期限設定の設定指示が送信されることなく処理がステップS204へ移行する。
スマートフォン3において無期限設定の設定指示が受信されると、制限設定部314によって、制限設定記憶部317に記憶されている制限設定が無期限設定(無期限モード)に変更される(ステップS312)。
スマートフォン21では、
一方、応答ボタンB3がタッチされた場合(ステップS204でYES)、端末処理部211は、図8に示す通話中画面G3をタッチパネルディスプレイ202に表示させる(ステップS206)。通話中画面G3には、撮影画像G21、終了ボタンB5、解錠ボタンB6、及び無期限設定ボタンB4が含まれている。
次に、端末処理部211は、マイク204により集音された居住者の音声を音声データに変換してスマートフォン3へ送信し、スマートフォン3では、その音声データをスマートフォン3のスピーカ203から出力し、スマートフォン3のマイク204で集音された訪問者の音声を音声データに変換してスマートフォン21へ送信し、スマートフォン21では、その音声データをスマートフォン3のスピーカ203から出力する(ステップS207、S313)。これにより、スマートフォン3とスマートフォン21とを用いて集合住宅の居住者と訪問者とが通話可能となる。
次に、ステップS208,S209,S314において、ステップS202,S203,S312と同様の処理が実行され、無期限設定ボタンB4がタッチされると(ステップS208でYES)、スマートフォン3の制限設定記憶部317に記憶されている制限設定が無期限設定(無期限モード)に変更される(ステップS314)。
次に、解錠指示受付部212によって、解錠ボタンB6がタッチされたか否かが確認される(ステップS210)。解錠ボタンB6がタッチされると(ステップS210でYES)、解錠指示受付部212によって解錠指示が受け付けられる。解錠指示受付部212によって解錠指示が受け付けられると、解錠要求部213は、移動体無線通信回路207から管理装置7へ、共用ゲート6の解錠を要求する解錠要求を送信させて(ステップS211)、処理がステップS212へ移行する。
一方、管理装置7では、通信I/F部72によってスマートフォン21からの解錠要求が受信されると、共用ゲート6の電気錠及び駆動部へ制御信号を出力し、電気錠を解錠させると共に、駆動部によって共用ゲート6を駆動させ、所定時間、例えば10秒間だけ共用ゲート6を開かせた後、共用ゲート6を閉じさせ、さらに電気錠を施錠させる(ステップS711)。
一方、解錠ボタンB6がタッチされないと(ステップS210でNO)、解錠要求は送信されることなく処理はステップS212へ移行する。
ステップS212において、端末処理部211によって、終了ボタンB5がタッチされたか否かが確認される(ステップS212)。終了ボタンB5がタッチされなければ(ステップS212でNO)ステップS208〜S211が繰り返され、終了ボタンB5がタッチされると(ステップS212でYES)、端末処理部211は、スマートフォン21と訪問者のスマートフォン3との通話及び通信を遮断して処理を終了する。
以上、ステップS303〜S305、S701〜S703、S207、S313によれば、集合住宅の訪問者は、自分のスマートフォン3に訪問先の住戸の部屋番号を入力することで、その住戸の居住者のスマートフォン21と自分のスマートフォン3とを、インターホンと同様に用いて通話することができる。
この場合、背景技術に記載のインターホンシステムのように、集合住宅の玄関に玄関装置を設置して各住戸に玄関装置と有線接続された室内装置を設置する必要がなく、玄関装置と室内装置の設置、配線工事が不要なので、システムの設置工事費用を低減しつつ、集合住宅の居住者と訪問者との通話を可能にすることができる。
また、集合住宅の玄関に、訪問者が訪問先の部屋番号を入力したり、カメラで訪問者を撮像したりする玄関装置を備える必要がないので、玄関装置のコストが低減される。また、各住戸に玄関装置と有線接続された室内装置を設置する必要がないので、住戸数分の室内装置のコストが低減される。
また、ステップS201,S206,S207,S210,S211,S711によれば、訪問先の住戸の居住者は、自分のスマートフォン21で訪問者の画像を確認し(ステップS201)、自分のスマートフォン21で訪問者と通話(ステップS207)することにより、訪問者を確認した上で、共用ゲート6を解錠及び開閉することができる(ステップS210,S211,S711)ので、固定的に設置される玄関装置や室内装置の設置コストを低減しつつ、居住者が望まない訪問者が集合住宅内に立ち入るおそれを低減できる。
また、ステップS701〜S703において、近距離無線通信回路73で呼出情報と呼出指示とが受信された場合に、通話可能化処理が実行されるようになっている。ここで、スマートフォン3が近距離無線通信回路302を備え、近距離無線通信回路73のアンテナ731が共用ゲート6の外側に配設されて、共用ゲート6の外側近傍に近距離通信領域が設定されているので、スマートフォン3を所持している訪問者が、共用ゲート6近傍の近距離通信領域にいなければ、スマートフォン3とスマートフォン21とが通話可能にされることがない。
従って、スマートフォン3の所有者が、当該集合住宅から離れた場所で、あるいは誤って当該集合住宅とは異なる集合住宅の玄関先で部屋番号の入力操作を行った場合には、スマートフォン3とスマートフォン21とが通話可能にされることがなく、従って解錠要求部213によって共用ゲート6が解錠されることもない。
その結果、スマートフォン3の所有者が、当該集合住宅から離れた場所で、あるいは誤って当該集合住宅とは異なる集合住宅の玄関先で部屋番号の入力操作を行った場合に、誤って共用ゲート6が解錠されることが防止されるので、誤って共用ゲート6が解錠されて第三者が集合住宅内に侵入するおそれが低減される。
なお、呼出情報に、集合住宅を識別する情報を含んでもよい。例えば、集合住宅Aと集合住宅Bがあった場合、呼出情報受付部312は、集合住宅Aの101号室、というように、集合住宅を特定する情報と、その集合住宅内の各住戸を識別する情報とを含んだ呼出情報の入力を受け付けるようにしてもよい。アクセス情報取得部711は、このような呼出情報に基づきアクセス情報を取得することにより、訪問者が、意図しない誤った集合住宅の居住者と通話するおそれが低減される。
また、ステップS202,S203,S312,S208,S209,S314,S301,S302によれば、居住者は、着信画面G2に表示された訪問者の撮影画像G21を見て訪問者を確認し、訪問者が親族や知人であった場合、無期限設定ボタンB4をタッチすることで(ステップS202又はS208でYES)、訪問者のスマートフォン3の制限設定を無期限設定にすることができる。スマートフォン3の制限設定が無期限設定にされると、ステップS301において、無期限設定が記憶されている(ステップS301でYES)ので、スマートフォン3に第二プログラムがダウンロードされてからの経過時間に関わりなく、スマートフォン3から居住者のスマートフォン21を呼び出して通話することができる。これにより、居住者の意思により無期限設定がされたスマートフォン3は、以後の訪問においても第二プログラムのダウンロードを行うことなく居住者のスマートフォン21を呼び出して通話することができるので、訪問者の利便性が向上する。
また、呼出情報送信部313は、呼出情報送信処理において、近距離無線通信回路302,73を介して呼出情報を管理装置7へ送信する例に限らない。呼出情報送信部313は、呼出情報送信処理において、例えば移動体無線通信回路207を介して管理装置7へ呼出情報を送信する構成としてもよい。あるいは、例えば訪問者の自宅に配設され、ネットワーク4に接続された近距離無線通信回路、例えばWi−Fiルータと近距離無線通信回路302とが無線通信することにより、呼出情報送信部313は、呼出情報送信処理において、近距離無線通信回路302、Wi−Fiルータ、及びネットワーク4を介して管理装置7へ呼出情報を送信する構成としてもよい。
このように構成された集合住宅用通話管理システム1によれば、ユーザが上記訪問先の集合住宅から離れた場所、例えばユーザの自宅で、スマートフォン3の呼出情報入力画面に集合住宅の名称や部屋番号等の呼出情報を入力することによって、集合住宅の居住者と通話することができる。このとき、音声のみならず、スマートフォン21のインカメラ206で撮像された画像を送信してスマートフォン3のタッチパネルディスプレイ202に表示し、スマートフォン3のインカメラ206で撮像された画像を送信してスマートフォン21のタッチパネルディスプレイ202に表示することによって、スマートフォン3とスマートフォン21とをテレビ電話として用いることができる。これにより、集合住宅用通話管理システム1が設けられた集合住宅の居住者と、その訪問者の利便性が向上する。
また、着信画面G2に表示された訪問者の撮影画像G21が、例えば宅配便の配達業者のような、知人ではない訪問者であった場合、居住者は、無期限設定ボタンB4をタッチすることなく(ステップS202及びS208でNO)、応答ボタンB3、拒否ボタンB2、あるいは終了ボタンB5をタッチすれば、無期限設定要求がスマートフォン3へ送信されることがない。従って、そのスマートフォン3の制限設定記憶部317には期間制限設定が記憶されたままとなる。その結果、無期限設定が記憶されない(ステップS301でNO)ので、その訪問者のスマートフォン3を用いて居住者と通話できるのは、制限期間内(例えば当日のみ)に限られる。
これにより、業者などの一時的な訪問者のスマートフォンが、永続的に居住者と通話可能な状態のままになることが防止される。
なお、制限設定記憶部317には、無期限設定及び期間制限設定の代わりに、スマートフォン21とスマートフォン3とが通話可能な回数に制限のない回数無制限設定と、スマートフォン21とスマートフォン3とが通話可能な回数を制限する回数制限設定とのうちいずれかが制限設定として記憶される構成としてもよい。また、制限設定部314は、無期限設定と期間制限設定とのうちいずれかを制限設定として制限設定記憶部317に記憶させる代わりに、設定指示送信部215から送信された設定指示に基づいて、回数無制限設定と回数制限設定とのうちいずれかを制限設定として制限設定記憶部に記憶させる構成としてもよい。そして、通話制限処理部315は、期間制限設定の代わりに回数制限設定に基づいて、制限設定記憶部317に記憶された制限設定が回数制限設定を示す場合、第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされた後のスマートフォン21とスマートフォン3との通話回数を計数し、その通話回数が、予め設定された制限回数を超えたとき、以後のスマートフォン21とスマートフォン3との通話を禁止するようにしてもよい。制限回数は、例えば1回であってもよく、2回以上であってもよい。制限回数は、居住者や集合住宅の管理者が希望するセキュリティレベルに応じて適宜設定すればよい。
また、プログラムダウンロード処理部316は、制限設定記憶部317に記憶された制限設定が期間制限設定を示す場合、第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされてから予め設定された制限期間を経過したときに第二プログラムを消去して実行不能とする構成としてもよい。
あるいは、プログラムダウンロード処理部316は、制限設定記憶部317に記憶された制限設定が回数制限設定を示す場合、第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされてから当該スマートフォン3による呼出情報の送信回数が予め設定された制限回数を超えたときに第二プログラムを消去して実行不能とする構成としてもよい。
また、スマートフォン21の設定指示送信部215は、管理装置7宛に設定指示を送信し、スマートフォン3のプログラムダウンロード処理部316は、スマートフォン3に第二プログラムがダウンロードされた日付又は日時を示すダウンロード日付情報を管理装置7へ送信し、管理装置7は、例えばダウンロード日付情報を送信したスマートフォン3の識別情報と、そのダウンロード日付情報(又はそのダウンロード日付情報で示される日時等からの経過時間)とを対応付けて記憶部に記憶するようにしてもよい。そして、管理装置7の通話処理部712は、設定指示送信部215から送信された設定指示が制限する旨を示す場合、そのダウンロード日付情報又は経過時間に基づいて、第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされてから予め設定された制限期間を経過したか否かを判定し、経過したときは通話可能化処理を実行しない構成としてもよい。
あるいは、スマートフォン21の設定指示送信部215は、管理装置7宛に設定指示を送信し、スマートフォン3のプログラムダウンロード処理部316は、スマートフォン3に第二プログラムがダウンロードされたとき、その第二プログラムがダウンロードされたことを示すダウンロード情報を管理装置7へ送信し、管理装置7は、そのダウンロード情報を送信したスマートフォン3の識別情報と対応付けて、そのダウンロード情報を受信した後にそのスマートフォン3について通話可能化処理を実行した回数を計数するようにしてもよい。
そして、管理装置7の通話処理部712は、設定指示送信部215から送信された設定指示が制限する旨を示す場合、第二プログラムがスマートフォン3にダウンロードされてから当該スマートフォン3に対して実行された通話可能化処理の実行回数が、予め設定された制限回数を超えたときは、それ以後通話可能化処理を実行しないようにしてもよい。
これらの構成であっても、居住者の意思により無期限設定又は回数無制限設定がされたスマートフォン3を所持する訪問者の利便性を向上させつつ、業者などの一時的な訪問者のスマートフォンが、無制限に居住者と通話可能な状態のままになることが防止される。
また、スマートフォン21は、設定指示受付部214及び設定指示送信部215を備えない構成としてもよい。そして、スマートフォン3は、継続的に第二プログラムを実行可能としてもよい。あるいは、居住者の意思に関わらず、スマートフォン3が第二プログラムを実行可能な期間や回数を制限する構成としてもよい。
図4に戻って、呼出情報送信部313は、ステップS305において呼出情報送信処理を実行した後、その呼出情報送信処理で送信した部屋番号を呼出情報として呼出情報記憶部318に記憶させる(ステップS306)。
次に、呼出情報送信部313は、スマートフォン3のタッチパネルディスプレイ202に「再呼出ボタン」を表示する(ステップS307)。タッチパネルディスプレイ202に表示された「再呼出ボタン」は、例えば待ち受け画面などにアイコンとして表示される。タッチパネルディスプレイ202に表示された「再呼出ボタン」は、例えばステップS313での通話画面などで一時的に隠れてもよい。あるいは、ステップS313での通話が終了した後に「再呼出ボタン」がタッチパネルディスプレイ202に表示されてもよい。
訪問者は、ステップS313で居住者と通話し、ステップS711で共用ゲート6が開くと共用ゲート6を通って集合住宅内に入館し、訪問先の住戸の前に向かう。訪問先の住戸に着くと、訪問者はその住戸の入口ドアを居住者に開けてもらう必要がある。
そこで、訪問先の住戸前に到着した訪問者が「再呼出ボタン」をタッチすると(ステップS308でYES)、呼出情報送信部313によって、呼出情報記憶部318から前回送信された呼出情報を読み出して送信する再呼出処理が実行される(ステップS309)。以下、上述と同様にステップS701以下の処理が実行される。
その結果、上述したとおり、ステップS207,S313において、訪問先の居住者と訪問者とが、スマートフォン21とスマートフォン3とを用いて通話し、訪問者は居住者の住戸のドアを開けてもらうことができる。
すなわち、スマートフォン21とスマートフォン3とを、各住戸のインターホンとして用いることができる。この場合、訪問者が「再呼出ボタン」をタッチするだけで、自分のスマートフォン3をインターホンのように用いて居住者と通話することができるので、訪問者の利便性が向上する。
また、スマートフォン21とスマートフォン3とを各住戸のインターホンとして用いることができるので、各住戸の入口に個別のインターホンを備える必要がない。その結果、集合住宅の設備コストを低減することができる。
なお、スマートフォン21は、プログラムダウンロード処理部216を備えていなくてもよい。スマートフォン21は、第一プログラムをダウンロードすることによりスマートフォン21として機能するものに限られず、予め第一プログラムが不揮発性記憶素子などに固定的に記憶されていてもよい。
また、スマートフォン3は、プログラムダウンロード処理部316を備えていなくてもよい。スマートフォン3は、第二プログラムをダウンロードすることによりスマートフォン3として機能するものに限られず、予め第二プログラムが不揮発性記憶素子などに固定的に記憶されていてもよい。
また、スマートフォン3は、必ずしも近距離無線通信回路302を備えていなくてもよく、集合住宅用通話管理システム1は、近距離無線通信回路73を備えていなくてもよく、管理装置7は、移動体無線通信回路207と移動体通信基地局5とを介してスマートフォン3から部屋番号を受信する構成であってもよい。
また、スマートフォン3は、自機の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備えてもよい。位置情報取得部としては、例えばGPS(Global Positioning System)を用いることができる。そして、呼出情報送信部313は、呼出情報送信処理において、位置情報取得部により取得された位置情報を、呼出情報と共に移動体無線通信回路207又は近距離無線通信回路302を介して管理装置7へ送信するようにしてもよい。そして、制御部71は、呼出情報送信部313から送信された位置情報で示される位置が、集合住宅の入口近傍、例えば共用ゲート6の外側に予め設定された近傍領域の範囲外であった場合、通話処理部712による通話可能化処理の実行を禁止する通話可能化禁止処理部をさらに備えてもよい。
通話可能化禁止処理部は、位置情報で示される位置が近傍領域の範囲外であった場合、通話処理部712によって通話可能化処理を実行させないことにより通話可能化処理の実行を禁止してもよく、アクセス情報取得部711によってアクセス情報を取得させないことにより通話可能化処理の実行を禁止してもよい。
これにより、スマートフォン3の所有者が、当該集合住宅から離れた場所で、あるいは誤って当該集合住宅とは異なる集合住宅の玄関先で部屋番号の入力操作を行った場合には、スマートフォン3とスマートフォン21とが通話可能にされることがなく、従って解錠要求部213によって共用ゲート6が解錠されることもない。
また、スマートフォン21は、解錠指示受付部212及び解錠要求部213を備えない構成であってもよい。また、ゲート解錠部713が設けられていなくてもよい。さらに、管理装置7は、一体に構成されている例に限られず、各部が分散して構成、配置されていてもよい。
また、例えばWiFi等の近距離無線通信を実行する無線ルータ装置をネットワーク4に接続し、スマートフォン3,21,22は、移動体無線通信回路207とは別に、その無線ルータ装置と近距離無線通信を実行する近距離無線通信回路を備えてもよい。そして、スマートフォン3,21,22は、その近距離無線通信回路とネットワーク4とを介して管理装置7や、他のスマートフォン3,21,22と通信を実行する構成としてもよい。
なお、訪問者用の第二無線通信端末であるスマートフォン3は、必ずしも訪問者の所有である例に限らない。スマートフォン3は、例えば、集合住宅の入口近傍、具体的には、共用ゲート6の外側の壁面や操作卓に、訪問者が操作可能に固定的に配設されていてもよい。この場合、第二プログラムを予めスマートフォン3に記憶させておけばよい。
図9は、スマートフォン3を壁面や操作卓に取り付けるための取付部材の構造の一例を示す構造図である。図9(a)は正面図、図9(b)は側面図である。
図9に示す取付部材8は、スマートフォン3を収容する扁平な略箱形の筐体510と、筐体510に配設された操作受付釦B0とを備えている。タッチパネルディスプレイ202には、端末処理部311によってテンキーK2が表示されている。筐体510には、テンキーK2の表示を含むタッチパネルディスプレイ202の表示画面の少なくとも一部の領域と対応する位置に開口部511が形成されている。また、タッチパネルディスプレイ202には、端末処理部311によって設定領域Aが設定されている。
設定領域Aと対向する位置には、操作受付釦B0が配設されている。操作受付釦B0は、設定領域Aと対向配置される対向部B7と、対向部B7の裏側であってユーザが押圧可能な押圧部B8とを有する。対向部B7は、例えばゴムなどの弾性部材によって構成されている。これにより、対向部B7がタッチパネルディスプレイ202に当接したときに、タッチパネルディスプレイ202を傷つけないようにされている。また、対向部B7を、導電性を有する導電性ゴム等で構成することによって、静電容量方式のタッチパネルディスプレイ202を用いることが可能となる。感圧式のタッチパネルであれば、対向部B7は導電性を有していなくてもよい。
操作受付釦B0は、例えば板バネ512,512によって、対向部B7がタッチパネルディスプレイ202から離間して保持されている。ユーザが板バネ512,512の弾性力に抗して押圧部B8を押圧すると、対向部B7がタッチパネルディスプレイ202に当接し、タッチパネルディスプレイ202で設定領域Aがタッチされたことが検出されるようになっている。設定領域Aは、上述の呼出ボタンB1と同じであり、タッチパネルディスプレイ202で設定領域Aがタッチされたことが検出されると、呼出情報受付部312によって部屋番号と呼出指示とが受け付けられるようになっている。
図9に示す取付部材8によれば、立体的な押ボタンスイッチである操作受付釦B0を押圧することによって設定領域Aがタッチされるので、良好な操作性を維持しつつ、スマートフォン3を固定的に配設して用いることができる。そして、スマートフォン3を訪問者用の受付装置として集合住宅の入口近傍に固定的に配設することによって、訪問者用の受付装置を専用に設計、製造する場合と比べて設計コストや製造コストを低減することが可能となる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る集合住宅用通話管理システム1aについて説明する。図10は、本発明の第二実施形態に係る集合住宅用通話管理システム1aの構成の一例を示すブロック図である。図10に示す集合住宅用通話管理システム1aと、図1に示す集合住宅用通話管理システム1とでは、下記の点でことなる。
集合住宅用通話管理システム1aは、一つの住戸に対応して複数の第一無線通信端末がある特定住戸に対応している。図10では、部屋番号101の住戸に対応してスマートフォン21,22,23がある場合を例示している。部屋番号101以外の住戸については、記載を省略している。なお、すべての住戸に対応して第一無線通信端末が複数対応付けられる必要はなく、集合住宅の住戸のうち少なくとも一戸である特定住戸に対して複数の第一無線通信端末が対応付けられていればよい。
スマートフォン21,22,23は、部屋番号101の住戸に住む家族、例えば父、母、子供のスマートフォンに対応している。
管理装置7aは、管理装置7とは、制御部71aの構成が異なる。制御部71aは、制御部71とは、ユーザ通知部715とユーザ情報記憶部716とをさらに備える点でことなる。また、アクセス情報記憶部714には、特定住戸について、呼出情報の一例である部屋番号と、その特定住戸の複数のスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)にそれぞれアクセスための複数のアクセス情報とが対応付けて記憶されている。
アクセス情報取得部711は、特定住戸の呼出情報が受信されたとき、アクセス情報記憶部714によってその受信された呼出情報と対応付けられた複数のアクセス情報を取得する。
通話処理部712aは、アクセス情報取得部711によって取得された複数のアクセス情報を用いて複数のスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)を呼び出し、当該複数のスマートフォンのうちいずれかのスマートフォンから通話を許可する旨の許可信号が出力されたとき、その許可信号を出力したスマートフォンとスマートフォン3とを通話状態にする。
また、通話処理部712aは、複数のスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)のうち、許可信号を出力したスマートフォン以外のスマートフォンに対し、他のスマートフォンで応答した旨を示す信号を送信すると共に、それらのスマートフォンに対する呼び出しを終了する。
また、通話処理部712aは、複数のスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)のうち、いずれかのスマートフォンから通話を拒否する旨の拒否信号が出力されたとき、複数のスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)に対する呼び出しを終了し、複数のスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)とスマートフォン3との通話を禁止する。
ユーザ情報記憶部716は、アクセス情報記憶部714と同様、例えばHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部により構成されている。ユーザ情報記憶部716には、複数の第一無線通信端末であるスマートフォン(例えばスマートフォン21,22,23)のそれぞれのユーザを識別するためのユーザ情報(例えば名前)が予め記憶されている。
ユーザ通知部715は、スマートフォン21,22,23のうち許可信号を出力したスマートフォン以外のスマートフォンに対して、許可信号を出力したスマートフォンのユーザのユーザ情報を送信する。
集合住宅用通話管理システム1aのその他の構成は図1に示す集合住宅用通話管理システム1と同様であり、スマートフォン21,22,23は図2に示すスマートフォン21と略同様に構成され、スマートフォン3についても図3に示すスマートフォン3と略同様に構成されているのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な動作について説明する。
まず、スマートフォン3は図4に示すステップS301〜S314と同様の処理を実行し、ステップS305が実行された後、管理装置7aは図4に示すステップS701と同様の処理を実行する。次に、管理装置7aのアクセス情報取得部711は、ステップS702において、部屋番号101の呼出情報には、複数のスマートフォン21,22,23のアクセス情報が対応付けられているから、スマートフォン21,22,23のアクセス情報を取得する。そしてステップS703で、通話処理部712aは、スマートフォン21,22,23と、スマートフォン3との間での通話可能化処理を実行し、スマートフォン21,22,23と、スマートフォン3との間でデータ送受信可能にする。
そして、通話処理部712aは、は、スマートフォン21,22,23へ、呼び出しを意味する呼出信号を送信する。これにより、スマートフォン21,22,23は、着信状態となる。また、図5のステップS311と同様に、スマートフォン3において、端末処理部311は、インカメラ206で撮像された訪問者の画像を示す撮像データをスマートフォン21,22,23へ送信する。
図12は、図10に示すスマートフォン21,22,23の動作の一例を示すフローチャートである。着信状態となり撮像データが受信されると、スマートフォン21,22,23では、端末処理部211によって、着信画面G2がタッチパネルディスプレイ202に表示される(ステップS201)。なお、以下の説明では、ステップS202,S203,S208,S209を省略しているが、ステップS202,S203,S208,S209を実行してもよい。
次に、ステップS221において、スマートフォン21,22,23の端末処理部211によって、応答ボタンB3がタッチされたか否かが確認される(ステップS221)。応答ボタンB3がタッチされた場合(ステップS221でYES)、端末処理部211は、管理装置7aへ通話を許可する許可信号を送信し(ステップS222)、以下、ステップS206,S207,S210〜S212の処理が実行される。これにより、スマートフォン21,22,23のうち、応答ボタンB3がタッチされたスマートフォンとスマートフォン3とが通話状態(ステップS207,S313)となり、かつ応答ボタンB3がタッチされたスマートフォンから共用ゲート6を解錠することが可能となる。
これにより、スマートフォン21,22,23のいずれかのユーザが応答することができれば、訪問者と通話したり共用ゲート6を解錠したりすることができるので、一戸につきスマートフォン21一台しか応答することができない場合に比べて利便性が向上する。
応答ボタンB3がタッチされたスマートフォン、すなわち許可信号を送信したスマートフォンが例えばスマートフォン21であった場合、管理装置7aは、以下のように動作する。
管理装置7aは、ステップS222で送信されたスマートフォン21からの許可信号を受信した場合、他のスマートフォン22,23へ、他の端末で応答した旨の信号を送信する。他の端末で応答した旨の信号を受信したスマートフォン22,23の動作については後述のステップS226,S227で説明する。このとき、ユーザ通知部715は、ユーザ情報記憶部716を参照し、スマートフォン21のユーザを識別する名前などのユーザ情報をスマートフォン22,23へ送信することが好ましい。
ステップS221において応答ボタンB3がタッチされなければ(ステップS221でNO)、ステップS224で、端末処理部211によって、さらに拒否ボタンB2がタッチされたか否かが確認される(ステップS224)。そして、拒否ボタンB2がタッチされた場合(ステップS224でYES)、端末処理部211は、管理装置7aへ通話を拒否する拒否信号を送信し(ステップS225)、スマートフォン3との通話を行うことなく処理を終了する。
拒否ボタンB2がタッチされたスマートフォン、すなわち拒否信号を送信したスマートフォンが例えばスマートフォン21であった場合、管理装置7aは、以下のように動作する。
管理装置7aは、ステップS225で送信されたスマートフォン21からの拒否信号を受信した場合、他のスマートフォン22,23へ、他の端末で拒否した旨の信号を送信する。他の端末で拒否した旨の信号を受信したスマートフォン22,23の動作については後述のステップS228,S229で説明する。このとき、ユーザ通知部715は、ユーザ情報記憶部716を参照し、スマートフォン21のユーザを識別する名前などのユーザ情報をスマートフォン22,23へ送信することが好ましい。
ステップS224において拒否ボタンB2がタッチされなければ(ステップS224でNO)、ステップS226で、端末処理部211によって、さらに管理装置7aからの他の端末で応答した旨の信号が受信されたか否かが確認される(ステップS226)。許可信号を送信したスマートフォンが例えばスマートフォン21であった場合、スマートフォン22,23で他の端末で応答した旨の信号が受信され(ステップS226でYES)、スマートフォン22,23の端末処理部211は、他の端末で応答した旨のメッセージをタッチパネルディスプレイ202に表示させ(ステップS227)、スマートフォン3との通話を行うことなく処理を終了する。他の端末で応答した旨のメッセージとは、例えば「呼び出しは同じ部屋の他のスマホで応答しました」といったメッセージである。さらに、ユーザ情報を受信した場合、応答したユーザの名前Xと共に「Xさんが応答しました」といったメッセージを表示することがより好ましい。
これにより、スマートフォン22,23のユーザは、自分が応答しなくても他の誰かが応答したことが判るので、安心感が得られると共に利便性が向上する。応答したユーザの名前が判ればさらに利便性が向上する。
ステップS226において他の端末で応答した旨の信号が受信されていなければ(ステップS226でNO)、ステップS228で、端末処理部211によって、さらに管理装置7aからの他の端末で拒否した旨の信号が受信されたか否かが確認される(ステップS228)。拒否信号を送信したスマートフォンが例えばスマートフォン21であった場合、スマートフォン22,23で他の端末で拒否した旨の信号が受信され(ステップS228でYES)、スマートフォン22,23の端末処理部211は、他の端末で拒否した旨のメッセージをタッチパネルディスプレイ202に表示させ(ステップS229)、スマートフォン3との通話を行うことなく処理を終了する。他の端末で拒否した旨のメッセージとは、例えば「呼び出しは同じ部屋の他のスマホで拒否しました」といったメッセージである。さらに、ユーザ情報を受信した場合、拒否したユーザの名前Xと共に「Xさんが拒否しました」といったメッセージを表示することがより好ましい。
これにより、スマートフォン22,23のユーザは、自分が拒否しなくても他の誰かが拒否したことが判るので、安心感が得られると共に利便性が向上する。拒否したユーザの名前が判ればさらに利便性が向上する。
ステップS228において他の端末で拒否した旨の信号が受信されていなければ(ステップS228でNO)、再びステップS221〜S229が繰り返される。
なお、スマートフォン21,22,23において、拒否ボタンB2及び応答ボタンB3のいずれもがタッチされず、ステップS221〜S229が繰り返される状態が予め設定された設定時間、例えば20秒間継続した場合、スマートフォン3によって得られた訪問者の声を、管理装置7a又はスマートフォン3が録音、記憶してもよい。そして、後からスマートフォン21,22,23が管理装置7a又はスマートフォン3へアクセスし、その録音された声をスマートフォン21,22,23で聞けるようにすることが好ましい。この場合、スマートフォン21,22,23のユーザがだれも応答できない状態であった場合でも、後から訪問者を確認することが可能になる。
なお、第一無線通信端末は、いわゆるスマートフォンに限らない。第一無線通信端末は、例えば、いわゆるフィーチャーフォンと称される、数字又は記号の入力操作を受け付けるためのテンキーなどの操作キーと、通話可能にされた状態で操作キーによって受け付けられた入力情報を送信する入力情報送信部とを備えた携帯電話機であってもよい。この場合、受話のためのキーが応答ボタンB3として機能する。
入力情報送信部は、ユーザが押下した操作キーを示す入力情報を、例えばDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)によるトーン信号(又はプッシュ信号)で送信する。解錠指示及び解錠要求に対応するキー操作が予め定められている。例えば「98」が解錠指示及び解錠要求を示すキー操作として定められている場合、ユーザが通話状態で操作キーの「98」を押下することにより、入力情報送信部によって「98」を示すトーン信号が入力情報として管理装置7,7a又はスマートフォン3へ送信される。
管理装置7,7aのゲート解錠部713は、解錠要求を示す「98」のトーン信号を受信した場合、共用ゲート6を解錠する。あるいは、スマートフォン3が、解錠要求を示す「98」のトーン信号を受信した場合に近距離無線通信によって解錠要求を管理装置7,7a又はゲート解錠部713相当の機能を有する制御装置へ送信して共用ゲート6を解錠させるようにしてもよい。
これにより、いわゆるスマートフォンではなくフィーチャーフォンを使用している居住者であっても、訪問者用のスマートフォン3と通話し、共用ゲート6を解錠することが可能となる。
また、第一無線通信端末の代わりに、有線電話回線に接続された固定電話機を用いてもよい。固定電話機は、第一通信端末の一例に相当している。そして、管理装置7,7aは、例えば電話会社の提供する通信サービス、いわゆるIP電話サービスによって、固定電話機とスマートフォン3とを通話可能に接続することができる。
固定電話機は、上述のフィーチャーフォンと同様の操作キーと入力情報送信部とを備えているので、固定電話機を使用している居住者であっても、訪問者用のスマートフォン3と通話し、共用ゲート6を解錠することが可能となる。
また、集合住宅に適用される集合住宅用通話管理システム1,1aについて説明したが、集合住宅用通話管理システム1,1aと同様の構成を有する通話管理システムを、集合住宅以外の用途に適用してもよい。例えば、図1、図10において、スマートフォン21,22,23(第一無線通信端末)を呼び出される側、スマートフォン3(第二無線通信端末)を呼び出し側の端末装置として用いてもよい。
例えば通話管理システムをショッピングセンターに適用し、ショッピングセンターの警備室前にスマートフォン3を取付部材8によって取り付けておき、複数、例えば三名の警備員にスマートフォン21,22,23を携帯させておいてもよい。この場合、警備員全員が警備室から出てショッピングセンター内の他の場所にいた場合であっても、警備員を呼びたい人が、警備室前のスマートフォン3を操作することによって、スマートフォン21,22,23と通話可能となり、警備員を呼び出すことが可能となる。この場合、呼出情報として、警備員の名前などをスマートフォン3に入力することによって、特定の警備員を呼び出すことが可能となる。
また、呼出情報は、部屋番号や個人を特定する情報でなくてもよい。呼出情報は、単に呼び出しを要求する情報として予め設定された情報であってもよい。例えば集合住宅用通話管理システム1aと同様の構成を有する通話管理システムにおいて、図11に示すように、スマートフォン3にテンキーK2を表示させない状態でスマートフォン3を取付部材8によって警備室前等に配設してもよい。そして、アクセス情報記憶部714にその予め設定された呼出情報とスマートフォン21,22,23にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶しておき、操作受付釦B0が押下された場合に呼出情報受付部312によって呼出指示が受け付けられ、呼出情報送信部313によって呼出情報送信処理が実行されるようにしてもよい。
これにより、警備員を呼びたい人は、操作受付釦B0を押下するだけで、スマートフォン21,22,23を携帯している複数の警備員を呼び出すことができる。その結果、警備室に常時警備員が常駐していなくても、いつでも警備員の呼び出しが可能になる。
また、例えばショッピングセンターなどのトイレに取付部材8によってスマートフォン3を取り付けてもよい。この場合、トイレが複数箇所あった場合、各トイレにそれぞれ取付部材8によってスマートフォン3を取り付けてもよい。このように、集合住宅用通話管理システム1と同様に構成された通話管理システムによって、呼び出す側のスマートフォン3(第二無線通信端末)を複数、呼び出される側のスマートフォン21(第一無線通信端末)を一つとしてもよく、集合住宅用通話管理システム1aと同様に構成された通話管理システムによって、呼び出す側のスマートフォン3(第二無線通信端末)を1又は複数、呼び出される側のスマートフォン21,22,23(第二無線通信端末)を複数としてもよい。