JP6512135B2 - 希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末は、希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末(以下、「合金粉末」ともいう)の粉砕物であって、その表面がリン酸塩皮膜で被覆されており、特定の元素組成を持つものである。
リン酸塩皮膜で被覆される前の合金粉末は、Th2Zn17型、Th2Ni17型、又はTbCu7型結晶構造を持つ。これらは、菱面体晶系、六方晶系の結晶構造を持つ金属間化合物であり、Th2Zn17型の合金粉末としては、例えば、Sm2Fe17N3合金、Nd2Fe17N3等が挙げられる。また、Th2Ni17型の合金粉末としては、例えば、Gd2Fe17N3等が挙げられる。
本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末(以下、単に「鉄系合金微粉末」又は「合金微粉末」ともいう)は、上述した希土類−鉄−窒素系合金粉末を粉砕し、その表面にリン酸塩皮膜を形成したものであって、このリン酸塩皮膜を含んだ磁性粉末全体を構成する各成分が特定の組成を有している。
鉄系合金微粉末の平均粒径としては、平均粒径が1〜5μm、好ましくは2〜4μmである。平均粒径が1μm未満では製造コストが高くなり、5μmを超えると磁気特性が低下するので好ましくない。
希土類元素を含む鉄系合金微粉末の構成成分としては、合金粉末の成分である希土類元素(R)と、鉄を含む遷移金属元素(T)と、窒素(N)と、リン酸塩皮膜の成分であるリン(P)と、酸素(O)とを含む。そして、この鉄系合金微粉末では、製造過程において不可避的に混入する不純物として水素(H)があり、上述した元素の他に水素を含む。なお、上述したように、合金粉末の成分としてCo等の添加元素、リン酸塩皮膜の成分としてZn、Cu、Mn等の遷移金属元素(T)がさらに含まれていてもよい。
次に、上述した希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法について説明する。
第1の工程では、原料である合金粉末を、リン酸化合物を添加した有機溶媒中で粉砕するとともに、粉砕により生じた微粉末の表面にリン酸塩皮膜を被覆する。原料の希土類−鉄−窒素系合金粗粉末を所望の粒径にするために、有機溶剤中で粉砕する。原料となる希土類−鉄−窒素系合金粗粉末は、希土類元素と鉄を主成分として含む磁石粉末(以下、単に磁石粉末ともいう)であれば特に制限は無い。
第2の工程では、第1の工程にて得られた、表面にリン酸塩皮膜が形成された合金微粉末を含むスラリーに対して、ジメチルシリコーンオイルを添加し、所定の温度条件で加熱処理する。この第2の工程での加熱処理により、表面に被覆されたリン酸塩皮膜が安定化して、ボンド磁石等に用いられる、希土類元素を含む鉄系合金微粉末が得られる。
ボンド磁石用組成物は、上記のようにして得られた希土類−鉄系合金微粉末を樹脂バインダーと混合して得られる希土類−鉄系ボンド磁石用組成物である。
本実施の形態に係るボンド磁石は、上記の希土類−鉄−窒素系ボンド磁石用組成物を射出成形法、押出成形法、又は熱間圧縮成形法のいずれかにより成形してなるものである。これらの中では、特に射出成形法、熱間圧縮成形法が好ましい。なお、射出成形法には、射出圧縮成形法、射出プレス成形法、トランスファー成形法等の各種成形法が含まれる。また、成形時に磁場を印加することで異方性のボンド磁石を製造することができる。
原料として用いる希土類元素を含む鉄系合金粉末として、Sm−Fe−N系合金粉末(住友金属鉱山株式会社製)を用いた。このSm−Fe−N系合金粉末の平均粒径は20μmであり、組成は、Smが23.2〜24.5質量%、Nが3.1〜3.5質量%で、残部はFeであるが、不純物としてCaが0.006質量%〜0.015質量%、水素が0.002質量%〜0.008質量%含まれている。
得られた希土類元素を含む鉄系合金微粉末の試料の評価としては、以下の条件で成型体を作製し、耐候性、および磁気特性を評価した。
直径10mm、長さ7mmの円柱状ボンド磁石成形体を7mm方向に3350kA/mのパルス磁界で着磁し、1時間放置した後のフラックスを挿引磁束計で測定した。次に、この成形体を温度80℃、湿度90%に設定した恒温恒湿槽内に投入し、1000時間経過した後取り出し、1 時間以上空冷して十分室温に戻して後のフラックスを挿引磁束計で測定して、耐湿試験前後のフラックスの差から導き出して減磁率とした。
直径10mm、長さ7mmの円柱状ボンド磁石成形体を7mm方向に3350kA/mのパルス磁界で着磁後、チオフィー型自記磁束計により、試料の磁気特性を常温で測定した。
酸化サマリウム粉末1976g、鉄粉4221g、カルシウム801.5gを混合して1150℃で270分間還元拡散処理を行い、さらに水素気流中で室温、20時間保持して還元拡散物を得た。その後、還元拡散物を水中に入れ、酢酸を加えて4質量%酢酸溶液とした後、撹拌しながら酸化カルシウムを除去し、Sm−Fe系合金粉末を得た。
実施例1において、ジメチルシリコーンオイルの添加量を、0.1質量%を0.05質量%に変化させた以外は、実施例1と同様な方法で、希土類−鉄−窒素系合金粉末を得た。
実施例1において、ジメチルシリコーンオイルの添加量を、0.1質量%を0.2質量%に変化させた以外は、実施例1と同様な方法で、希土類−鉄−窒素系合金粉末を得た。
実施例1において、ジメチルシリコーンオイルを添加なしとした以外は、実施例1と同様な方法で、希土類−鉄−窒素系合金粉末を得た。
実施例1において、ジメチルシリコーンオイルの添加量を、0.1質量%から0.02質量%に変化させた以外は、実施例1と同様な方法で、希土類−鉄−窒素系合金粉末を得た。
実施例1において、ジメチルシリコーンオイルの添加量を、0.1質量%から0.6質量%に変化させた以外は、実施例1と同様な方法で、希土類−鉄−窒素系合金粉末を得た。
Claims (2)
- 有機溶剤を含む溶媒中で希土類元素を含む鉄系合金粉末を粉砕する際に、該粉砕時にリン酸化合物を添加し、表面がリン酸塩皮膜で被覆された微粉末を得る第1の工程と、
得られた微粉末を所定の温度で加熱処理を施す第2の工程と、を有し、
第2の工程では、
得られた微粉末に対し、ジメチルシリコーンオイルを0.05質量%以上0.3質量%以下の量を添加して150℃以上の温度で加熱処理工程を行うことを特徴とする
希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法。 - 前記希土類元素を含む鉄系合金粉末は、Sm−Fe−N系合金粉末であることを特徴とする請求項1に記載の希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法。
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