JP6505484B2 - 区画貫通部材 - Google Patents

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Description

本発明は、集合住宅等の防火区画を貫通する、配管またはケーブルなどの管体用の貫通孔に取り付けて、火災が発生した際に、火炎、熱、または煙などが隣室、階上、階下に侵入するのを防止する区画貫通部材に関する。
火災が発生したときの類焼防止等の目的から、集合住宅、オフィスビル、学校などの建築物には、防火区画(防火壁)が設けられており、この防火区画を貫通して配管または配線などを行う場合には、配管または配線の貫通孔を経由して火炎、熱、または煙等が隣室側、階上、階下に侵入するのを防止する目的で、熱膨脹性耐火材を貫通孔に装着することが義務化されている。
防火区画が床である場合、熱膨脹性耐火材が貫通孔から床下へ落下しないようにする必要があり、従来は、下部に貫通穴の直径内に収まる外径に設定された窓付の熱膨脹性耐火材保持フレームを形成し、この保持フレームの上部に貫通穴の直径よりも大径の係合段部を形成して成るスリーブ本体を備えた防火区画貫部材(特許文献1)や、仕切部としての床に形成された貫通孔に配置された支持部材(特許文献2)が貫通穴に配置され、床下への耐火性パテなどの熱膨脹性耐火材の落下を防止していた。
特開平11-226142 特開2009-197476
しかしながら、特許文献1の防火区画貫部材および特許文献2の支持部材は、耐火性パテの受け皿として、耐火性パテとは別に設けているため、施工の手間やコストがかかる。また、これらの受け皿を用いても、耐火パテが受け皿から漏れて床下に落下することがある。耐火パテの施工にも個人差が大きく、作業者を問わない一様な施工も困難であった。
本発明の目的は、床下への落下を簡便に防止することができる区画貫通部材を提供することにある。
本発明は以下の通りである。
[1]長尺の支持部材と、支持部材に取り付けられた複数の熱膨張性シート部分とを備え、複数の熱膨張性シート部分が互いに分離しているか、または複数の熱膨張性シート部分の少なくとも一部が分離可能な部分、装着可能な部分、もしくは折り曲げ可能な部分を有することを特徴とする区画貫通部材。
[2]前記支持部材の長さが、区画貫通部材が施工される区画貫通孔の直径の半分以上であることを特徴とする項1に記載の区画貫通部材。
[3]前記支持部材が伸縮可能であることを特徴とする項1に記載の区画貫通部材。
[4]複数の熱膨張性シート部分の各々が、隣接する熱膨張性シート部分に対して折り曲げ可能であることを特徴とする項1〜3のいずれか一項に記載の区画貫通部材。
[5]建設物の区画体に形成され、1つ又は複数の配管またはケーブルが挿通される貫通孔に、項1〜4のいずれかに記載の区画貫通部材が用いられている建築物の防火構造。
本発明によれば、区画貫通部材が、長尺の支持部材と、支持部材に取り付けられた複数の熱膨張性シート部分とを備え、複数の熱膨張性シート部分が互いに分離しているか、または複数の熱膨張性シート部分の少なくとも一部が分離可能な部分、装着可能な部分、または折り曲げ可能な部分を有するため、区画貫通部材の床下への落下を簡便に防止することができる。なお「長尺」は、ある部材の一つの方向における寸法が、別の方向における寸法よりも長いことを指す。
本発明の第1実施形態の区画貫通部材を示す略図。 図1の2−2線における略拡大断面図。 図1の実施形態の区画貫通部材を床に設置した状態を示す略平面図。 本発明の第2実施形態の区画貫通部材を示す略図。 本発明の第3実施形態の区画貫通部材を示す略図。 本発明の第4実施形態の区画貫通部材を示す略図。 本発明の第5実施形態の区画貫通部材を示す略図。 図6の実施形態の区画貫通部材を床に設置した状態を示す略平面図。
本発明を防火区画の仕切り壁の貫通孔に設置される区画貫通部材に具体化した第1〜5実施形態について図1〜9にしたがって説明する。
図1を参照すると、区画貫通部材1は、長尺の支持部材11と、支持部材11に取り付けられた複数の熱膨張性シート部分30(図1では4枚を示している)とを備えており、各々隣接して配置された複数の熱膨張性シート部分30は互いに分離している。複数の熱膨張性シート部分30の各々は、支持部材11に対して垂直な長手方向に延びている。
支持部材11の本体部分12の両端部13には本体部分12の長手方向に沿って延びる孔14が設けられ、支持部材11の延長部材18の先端部19が装着されている。そのため、延長部材18は本体部分12に対してスライド移動可能であるため、支持部材11は伸縮可能であり、全長を調整することができる。
支持部材11の本体部分12は特に限定はされないが、合成樹脂など、可撓性があってかつ耐火性の高い材料であることが好ましい。支持部材11の支持部材11は本体部分12と同じ材料から形成されても異なる材料から形成されてもよく、例えば金属、合成樹脂、またはそれらの複合材から形成される。熱膨張性シート部分30の材料については詳述する。
図2に示すように、支持部材11の本体部分12には、熱膨張性シート部分30を収容するための収容孔15と、支持部材11の本体部分12内を長手方向に延びる金属線17を収容するための開口18とを有し、収容孔15には熱膨張性シート部分30の上端部32が収容され、熱膨張性シート部分30の残りの部分34は上端部32から支持部材11の本体部分12の外に延びている。収容孔15を介して、熱膨張性シート部分30の数を足したり減らしたりし得、支持部材11に対して選択的に装着および/または分離可能である。上端部32と残りの部分34とは同じ材料から形成されても異なる材料から形成されてもよく、例えば金属、合成樹脂、またはそれらの複合材から形成される。
図1の区画貫通部材1を防火区画としての床40の貫通孔42に施工する場合、支持部材11がまっすぐな状態で配置してもよいが、図3に示すように、折り曲げて配置してもよい。複数の熱膨張性シート部分30の各々は、隣接する熱膨張性シート部分30に対して折り曲げ可能である。支持部材11の長さは、貫通孔42の直径Dの半分以上であり、好ましくは直径D以上であり、さらに好ましくは直径Dよりも大きい。また、熱膨張性シート部分30の合計の幅方向(図1で水平方向、図3で紙面と水平方向)の長さも、貫通孔42の直径Dの半分以上である。熱膨張性シート部分30の合計の幅方向の長さの上限は、直径Dを超えてもよいし、直径D以下でもよい。図3において、支持部材11の2つの延長部材18が床40に係合するため、区画貫通部材1は床下への落下が防止される。また、図3では貫通孔42に、熱膨張性材料46が外側に設けられた、管体としての配管44が挿入されており、支持部材11が3回折れ曲がって2つの配管44を分離しているが、火災などによる加熱時には支持部材11がこのように配管44の間を仕切りつつ膨張して貫通孔42の空間を埋めるため、耐火性が向上する。貫通孔42内に挿通された配管44または配線の合計数がN個の場合、支持部材11はN箇所以上で折れ曲がることが好ましい。また、支持部材11は配管の断面積を凡そ均等に区切るように配置するのが好ましい。複数の熱膨張性シート部分30が膨張し、貫通孔42を閉塞するため、熱膨張性材料46は無くても良い。
上記の第1実施形態は以下の効果を有する。
(1)可撓性の支持部材11と、支持部材11に取り付けられた複数の熱膨張性シート部分30とを備え、複数の熱膨張性シート部分30が互いに分離しているため、床40の貫通孔42に区画貫通部材1を直線のまま又は折り曲げて、支持部材11を床40に引っ掛けるように簡便に設置することができる。
(2)支持部材11の長さが、床40に設けられた貫通孔42の直径Dの半分以上であるため、区画貫通部材1の床40からの落下が防止されると共に、火災時には複数の熱膨張性シート部分30がより効率的に貫通孔42を塞ぐことができる。
(3)支持部材11が延長部材18の本体部分12に対する移動で伸縮可能である。このため、複数の熱膨張性シート部分30を貫通孔42内に設置した後、支持部材11の延長部材18を床40に引っ掛けるように配置することができる。
(4)複数の熱膨張性シート部分30の各々が、隣接する熱膨張性シート部分30に対して折り曲げ可能であるため、火災発生時には配管44の間を仕切りつつ膨張して、充填用の耐火性パテを用いずとも、貫通孔42の空間を埋めることができる。
次に、区画貫通部材1の第2実施形態について説明する。図4に示されるように、この実施形態では、支持部材11が開閉可能な一対の上下部分20,21から形成され、上下部分20,21には互いに対をなす係止具22,23が設けられている。係止具22,23は例えばピンとねじであってもよいし、スナップや、または鋸歯状部分でもよく、一対の係止具22,23の間に熱膨張性シート部分30を挟むことにより、熱膨張性シート部分30(図4では4枚を示している)が支持部材11に装着される。なお、係止具22,23の一方だけを設け、もう一方は省略してもよい。
この第2実施形態でも、第1の実施形態の上記(1)、(2)、および(4)の効果を奏するし、延長部材18を備える構成とすることで、第1の実施形態の上記(2)の効果も奏する。
次に、区画貫通部材1の第3実施形態について説明する。図5に示されるように、この実施形態では、複数の熱膨張性シート部分30の少なくとも一部である熱膨張性シート部分30a,30bが、互いに嵌合する凹凸構造32を側面に有する。他の構成は図1の第1実施形態と同じである。そのため、収容孔15を介して、熱膨張性シート部分30を支持部材12に取り付けたときに、さらに熱膨張性シート部分30a,30bを側面で嵌め合わせ、これらの部材間の接続をより強固にし得る。
この第3実施形態でも、第1の実施形態の上記(1)、(2)、(3)および(4)の効果を奏する。
次に、区画貫通部材1の第4実施形態について説明する。この実施形態では、複数の熱膨張性シート部分30が図1に示されるように互いに分離する代わりに、図6に示されるように複数の熱膨張性シート部分30が分離可能な部分かつ折り曲げ可能な部分を有する。具体的には、隣接する熱膨張性シート部分30の各々の間には支持部材12に対して垂直に方向に切れ込み34が設けられており、手で、またはハサミなどの切断手段で隣接する熱膨張性シート部分30を分離させることができると共に、切れ込み34のある一方の熱膨張性シート部分30から他方の熱膨張性シート部分30に向かって手で熱膨張性シート部分30を折り曲げることもできる。この場合も、熱膨張性シート部分30が変形であるため、配管44の間を仕切りつつ膨張して貫通孔42の空間を埋めることができる。また、隣接する熱膨張性シート部分30の各々の間が分離されない状態とすることで、隣接する熱膨張性シート部分30の間を火炎が通過するのを防止することができる。
この第4実施形態でも、第1の実施形態の上記(1)、(2)、(3)および(4)の効果を奏する。
次に、区画貫通部材1の第5実施形態について説明する。この実施形態では、複数の熱膨張性シート部分30は図6の第実施形態と同様であるが、図7の正面図および図8の平面図に示すように、支持部材11が、ねじ24で回動可能に接続された複数の部分25からなる。図8に示すように、区画貫通部材1を床40の貫通孔42に施工するとき、複数の部分25はねじ24で回動可能であるため支持部材11を配管44の間に設けるのが容易である。支持部材11が配管44の間を仕切りつつ膨張して貫通孔42の空間を埋めるため、耐火性が向上する。支持部材11の長さは、貫通孔42の直径Dの半分以上であり、好ましくは直径D以上であり、さらに好ましくは直径Dよりも大きい。
この第5実施形態でも、第1の実施形態の上記(1)、(2)、(3)および(4)の効果を奏する。
ここまで、本発明を第1〜5実施形態を例にとって説明してきたが、本発明はこれに限られず、以下のような種々の変形が可能である。
・区画貫通部材1が設けられる場所は、床に限らず、建築物の区画体である天井や壁であってもよい。壁の場合、中空壁に限定されず、軽量気泡コンクリート(ALC)壁又はモルタルで忠実に形成された壁などの他の任意の壁であってよい。
・貫通孔42内に挿通される管体は、配管44のみならず、配線すなわちケーブルであってもよい。また、配管又はケーブルの数も限定されず、1つ又は複数の任意の配管又はケーブルを使用することができる。配管44としては、例えば、給排水管、吸排気管、水道管、ガス管、冷暖房用媒体移送管等を挙げることができる。ケーブルとしては、例えば、CVケーブル、単心ケーブルを2本束ねたCVDケーブル、単心ケーブルを3本束ねたCVTケーブル等の他、他の電源ケーブル、信号ケーブル等を挙げることができる。
次に、熱膨張性シート部分30の成分について説明する。
熱膨張性シート部分30を構成する熱膨張性樹脂組成物は、燃焼により焼失した部分を膨張成分が埋める材料から形成であれば特に限定されないが、好ましくは50kW/m2の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍の材料である。体積膨張率が3倍を上回ると、膨張成分が合成樹脂の焼失部分を十分に埋めることができる防火性能が発揮され、また50倍以下であると、膨張断熱層の強度が維持され、火炎の貫通を防止する効果が維持されるため、前記の範囲が好ましい。
そのような熱膨張性シート部分30を構成する熱膨張性樹脂組成物として、バインダー又はマトリックスとしての熱可塑性樹脂、ゴム物質、又は熱硬化性樹脂などの合成樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む、熱膨張性樹脂組成物が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
ゴム物質としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム(U)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂のうち、後述する熱膨張性黒鉛を配合する場合に、その膨張温度以下で成形可能であるという観点から、ポリオレフィン系樹脂またはゴム物質が好ましく、中でもポリエチレン系樹脂が好ましい。また、防火性能をより向上させるために、充填剤を多量に配合することが可能であるという観点からは、ゴム物質が好ましい。さらに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。特に分子構造の選択が広範囲で、樹脂組成物の防火性能や力学物性を調整することが容易であることから、エポキシ樹脂が好ましい。
膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。このように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、さらにアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、十分な膨張断熱層が得られず、また粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、樹脂に配合する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物には、さらに無機充填剤を配合することが好ましい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物では、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を添加してもよい。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
化学式(1)中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、さらにフェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。また、一般的な難燃剤を添加してもよく、難燃剤による燃焼抑制効果により防火性能を向上させることができる。
熱膨張性耐火材料を構成する樹脂組成物において、熱膨張性黒鉛の配合量は、樹脂成分100重量部に対して10〜300重量部が好ましい。配合量が10重量部以上であると、体積膨張率が大きく樹脂サッシを構成する合成樹脂製部材が焼失した部分を十分埋めきることができ防火性能が発揮され、300重量部以下であると機械的強度が維持される。熱膨張性黒鉛の配合量は、より好ましくは20〜250重量部である。
樹脂組成物において、無機充填剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して10〜400重量部が好ましい。配合量が10重量部以上であると、十分な防火性能が得られ、400重量部以下であると機械的強度が維持される。無機充填剤の配合量は、より好ましくは40〜350重量部である。
樹脂組成物において、リン化合物を添加する場合、リン化合物の配合量は、樹脂成分100重量部に対して30〜300重量部である。配合量が30重量部以上であると、膨張断熱層の強度を向上させる効果が十分であり、300重量部以下であると、機械的強度が維持される。リン化合物の配合量は、より好ましくは40〜250重量部である。
市販の熱膨張性シート部分30としては、例えば積水化学工業社製フィブロック(登録商標。エポキシ樹脂またはブチルゴムを樹脂成分とし、リン化合物、熱膨張性黒鉛および無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物のシート状成形物)、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)などが挙げられる。
1・・・区画貫通部材、11…支持部材、30…熱膨張性シート部分、42…貫通孔、44…配管。

Claims (5)

  1. 長尺の支持部材と、支持部材に取り付けられた複数の熱膨張性シート部分とを備え、
    前記支持部材に対して、前記複数の熱膨張性シート部分が互いに並列するように前記支持部材の長手方向に沿って取り付けられており、
    前記複数の熱膨張性シート部分が互いに分離しているか、または前記複数の熱膨張性シート部分の少なくとも一部が分離可能な部分、互いに接続可能な部分、もしくは折り曲げ可能な部分を有することを特徴とする区画貫通部材。
  2. 前記支持部材の長さが、区画貫通部材が施工される区画貫通孔の直径の半分以上であることを特徴とする請求項1に記載の区画貫通部材。
  3. 前記支持部材が伸縮可能であることを特徴とする請求項1に記載の区画貫通部材。
  4. 複数の熱膨張性シート部分の各々が、隣接する熱膨張性シート部分に対して折り曲げ可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の区画貫通部材。
  5. 建設物の区画体に形成され、1つ又は複数の配管またはケーブルが挿通される貫通孔に、請求項1〜4のいずれかに記載の区画貫通部材が用いられている建築物の防火構造。
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